JP2011202620A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 排気通路に2つの選択還元触媒を設ける場合において、2つの選択還元触媒への還元剤供給を適切に行い、機関運転状態の変化に関わらず常に良好なNOx浄化性能を維持することができる排気浄化装置を提供する。
【解決手段】 第1SCR触媒12の上流側にNH3ガスを供給する上流側供給モードと、第1SCR触媒12の下流側であってかつ第2SCR触媒13の上流側にNH3ガスを供給する下流側供給モードとを、第1SCR触媒12の温度TSCRCCに応じて切り換える。第1SCR温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMT以下であるときは、上流側供給モードが選択され、第1SCR温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMTより高いときは、下流側供給モードが選択される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に還元剤の存在下で排気中のNOxを還元する選択還元触媒を備えるものに関する。
特許文献1には、内燃機関の排気通路の上流側から順に、第1還元剤噴射弁、第1排気浄化装置、第2還元剤噴射弁、分散板、及び第2排気浄化装置を備える装置が示されている。還元剤としては例えば尿素が使用され、第1及び第2排気浄化装置としては例えば選択還元型NOx触媒が使用される。分散板は、噴射された還元剤を分散させるために設けられるものである。この装置においては、分散板に堆積した粒子状物質を除去するために所定時間毎に第2還元剤噴射弁による還元剤の噴射が行われる。また第1排気浄化装置として、吸蔵還元型NOx触媒が使用されている場合において、その吸蔵還元型NOx触媒の硫黄被毒回復のためのリーン空燃比運転を行うときに、第2還元剤噴射弁による還元剤の噴射が行われる。第2還元剤噴射弁による噴射を行うときは、第1還元剤噴射弁による噴射が停止される。
特開2009−275667号公報
特許文献1に示されるように、第1還元剤噴射弁、第1排気浄化装置、第2還元剤噴射弁、及び第2排気浄化装置を排気通路に配置し、第1及び第2排気浄化装置として、還元剤によるNOxの浄化を行う選択還元触媒を使用する場合、上流側の選択還元触媒を機関の直ぐ下流側に近接して設けることにより、機関始動後早期にその触媒を活性化させることができる。
しかしながら、機関の高負荷運転状態においては、上流側の触媒温度が高くなり過ぎて浄化性能が低下する可能性が高くなる。特許文献1に示される装置では、主として分散板に堆積した粒子状物質を除去することを目的として、第2還元剤噴射弁を作動させる制御が行われるため、上流側の触媒の温度が過剰に上昇する問題については考慮されていない。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、排気通路に2つの選択還元触媒を設ける場合において、2つの選択還元触媒への還元剤供給を適切に行い、機関運転状態の変化に関わらず常に良好なNOx浄化性能を維持することができる排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路(3)に設けられ、還元剤の存在下で排気中のNOxを還元する第1選択還元触媒(12)と、該第1選択還元触媒(12)の下流側に設けられた第2選択還元触媒(13)と、前記第1選択還元触媒(12)の上流側に還元剤を供給する第1還元剤供給手段(21,22,23)と、前記第1選択還元触媒(12)の下流側であってかつ前記第2選択還元触媒(13)の上流側に還元剤を供給する第2還元剤供給手段(21,24,25)とを備える内燃機関の排気浄化装置において、前記第1選択還元触媒(12)の温度である第1触媒温度(TSCRCC)を検出する第1触媒温度検出手段(31)と、前記第1及び第2還元剤供給手段(12,13)の一方を選択して作動させる還元剤供給制御手段とを備え、前記還元剤供給制御手段は、前記第1触媒温度(TSCRCC)が所定温度(TSCRHLMT)以下であるときは、前記第1還元剤供給手段を選択し、前記第1触媒温度(TSCRCC)が前記所定温度(TSCRHLMT)より高いときは、前記第2還元剤供給手段を選択することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記第1選択還元触媒(12)の上流側に酸化触媒(11)を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記第1選択還元触媒(12)と第2選択還元触媒(13)の間に設けられ、排気中の前記還元剤の濃度(NH3CONS)を検出する還元剤濃度検出手段(33)と、検出される還元剤濃度(NH3CONS)に応じて前記第1選択還元触媒(12)から排出される還元剤の量である還元剤スリップ量(NH3ACT)を算出する還元剤スリップ量算出手段と、前記還元剤供給制御手段は、前記還元剤スリップ量(NH3ACT)が目標還元剤量(NH3TRGT)と一致するように、前記第1還元剤供給手段による還元剤供給量(GNH3CC)を制御するフィードバック制御手段を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤供給制御手段は、前記第2選択還元触媒(13)に流入するNOx量(NOxENGOUT)を算出するNOx量算出手段を有し、前記第2還元剤供給手段による還元剤供給量(GNH3UF)を、前記NOx量算出手段により算出される量のNOxを浄化するために必要な還元剤量以下となるように制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤供給制御手段は、前記第1選択還元触媒(12)から排出される還元剤量である排出還元剤量(KSTCOMP×(NH3UFTRGT−NH3TRGT))を算出する排出還元剤量算出手段を有し、前記排出還元剤量に応じて前記第2還元剤供給手段による還元剤供給量(GNH3UF)を制御することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記第2選択還元触媒の温度である第2触媒温度(TSCRUF)を検出する第2触媒温度検出手段(32)を備え、前記還元剤供給制御手段は、前記第2触媒温度(TSCRUF)が所定上限温度(TSCRHLMT)より高いときは、前記還元剤の供給を禁止する禁止手段を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤としてアンモニアガスを使用することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、第1選択還元触媒の温度である第1触媒温度が所定温度以下であるときは、第1還元剤供給手段による還元剤の供給が行われる一方、第1触媒温度が所定温度より高いときは、第2還元剤供給手段による還元剤の供給が行われる。したがって、第1触媒温度が高くなり、第1選択還元触媒の浄化性能が低下したときは、第2選択還元触媒によってNOxの浄化が行われ、機関運転状態に変化に関わらず常に良好なNOx浄化性能を維持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1選択還元触媒の上流側に酸化触媒が設けられるので、排気中に含まれる炭化水素が酸化触媒で酸化され、第1選択還元触媒の浄化性能が炭化水素の被毒によって低下することを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、第1選択還元触媒の下流側で検出される還元剤濃度から算出される還元剤スリップ量が目標還元剤量と一致するように、第1還元剤供給手段による還元剤供給量が制御されるので、第1選択還元触媒には排気中のNOxを還元するのに十分な量の還元剤が供給され、早期に活性化する第1選択還元触媒の浄化性能を最大限に発揮させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、第2選択還元触媒に流入するNOx量が算出されるとともに、算出された量のNOxを浄化するために必要な還元剤量以下となるように、第2還元剤供給手段による還元剤供給量が制御される。したがって、第2選択還元触媒による高いNOx浄化率を確保しつつ、第2選択還元触媒の下流側に還元剤が排出されることを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、第1選択還元触媒から排出される還元剤量である排出還元剤量が算出され、排出還元剤量に応じて第2還元剤供給手段による還元剤供給量が制御される。第1還元剤供給手段による還元剤の供給から第2還元剤供給手段による供給に切り換えた直後は、第1選択還元触媒から還元剤が排出されるので、その排出される還元剤量を考慮することにより、第2選択還元触媒に供給する還元剤量を適量に制御できる。
請求項6に記載の発明によれば、第2選択還元触媒の温度である第2触媒温度が所定上限温度より高いときは、還元剤の供給が禁止される。選択還元触媒の温度が高すぎると、酸化反応が促進されNOx浄化率が低下するので、還元剤の供給を禁止することにより、NOx排出量の増加を抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、還元剤としてアンモニアガスが使用される。還元剤として尿素を使用することもできるが、尿素を使用する場合には加水分解反応によってアンモニアが生成されるためのスペース及び時間が必要となる。アンモニアガスを使用することにより、スペース上の制約がなく、かつより早期に高い浄化率を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 図2はSCRシステム制御処理のフローチャートである。 図2の処理で実行されるNH3ガス供給制御処理のフローチャートである。 図3の処理で実行される第1NH3ガス供給量算出処理のフローチャートである。 図4の処理で参照されるマップを示す図である。 図3の処理で実行される第1NH3ガス供給量算出処理のフローチャートである。 図2の処理で実行される第1SCR触媒温度制御処理のフローチャートである。 SCRシステム制御処理を説明するためのタイムチャートである。 図4に示す処理の変形例のフローチャートである。 図6に示す処理の変形例のフローチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその排気浄化装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、空燃比を理論空燃比よりリーン側のリーン空燃比に設定して運転するリーンバーン運転が主として行われるディーゼル(圧縮着火型)エンジンである。
エンジン1の各気筒の燃焼室に設けられ、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁2には、図示しない燃料供給通路を介して加圧された燃料が供給され、電子制御ユニット(以下「ECU」という)5によりその作動が制御される。
エンジン1の排気通路3には、排気中の炭化水素あるいは一酸化炭素の酸化を促進するための酸化触媒11と、還元剤の存在下で排気中のNOxを還元する第1選択還元触媒(以下「第1SCR触媒」という)12と、還元剤の存在下で排気中のNOxを還元する第2選択還元触媒(以下「第2SCR触媒」という)13とが、上流側からこの順序で設けられている。第1SCR触媒12は、エンジン1の直ぐ下流側に(例えばエンジン1が搭載される車両のエンジンルーム内)配置されており、第2SCR触媒13は、第1SCR触媒12の下流側の適宜の位置(例えば当該車両の車室床下)に配置されている。本実施形態では、還元剤としてアンモニア(NH3)ガスが使用される。以下、アンモニアガスを「NH3ガス」と記述する。第1及び第2SCR触媒12,13は、NH3を貯蔵可能に構成されている。
排気通路3の酸化触媒11と第1SCR触媒12との間の接続部3aにおいて、第1NH3ガス通路22が接続されており、第1NH3ガス通路22は、NH3ガスを貯蔵するNH3ガスタンク21に接続されている。第1NH3ガス通路22には、排気通路3に供給するNH3ガス量を制御する第1流量制御弁23が設けられている。また排気通路3の第1SCR触媒12と第2SCR触媒13との間の接続部3bにおいて、第2NH3ガス通路24が接続されており、第2NH3ガス通路24はNH3ガスタンク21に接続されている。第2NH3ガス通路24には、排気通路3に供給するNH3ガス量を制御する第2流量制御弁25が設けられている。第1及び第2流量制御弁23,25はECU5に接続されており、ECU5によりその作動が制御される。NH3ガスタンク21には、タンク内を過熱するヒータ26が設けられており、その作動はECU5により制御される。
第1NH3ガス通路22を介して、第1SCR触媒12の上流側にNH3ガスが供給され、第2NH3ガス通路24を介して、第1SCR触媒12の下流側であってかつ第2SCR触媒13の上流側にNH3ガスが供給される。
第1SCR触媒12には、第1SCR触媒12の温度である第1SCR触媒温度TSCRCCを検出する第1触媒温度センサ31が設けられ、第2SCR触媒13には、第2SCR触媒13の温度である第2SCR触媒温度TSCRUFを検出する第2触媒温度センサ32が設けられている。また第2NH3ガス通路24の接続部3bの下流側であってかつ第2SCR触媒13の上流側には、排気中のNH3ガス濃度NH3CONSを検出するNH3濃度センサ33が設けられている。これらのセンサ31〜33の検出信号は、ECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1の回転数NEを検出するエンジン回転数センサ34及びエンジン1により駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ35が接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
ECU5は、上述したセンサ及び図示しないセンサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路を有し、さらに燃料噴射弁2、第1及び第2流量制御弁23,25、ヒータ26などに駆動信号を供給する出力回路を備えている。
ECU5は、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁2による燃料噴射制御を行うとともに、エンジン1から排出されるNOxを浄化するためのSCRシステム制御を行う。SCRシステム制御においては、第1及び第2流量制御弁23,25の開度を変更することにより、第1及び第2SCR触媒12,13に適量のNH3ガスを供給するNH3ガス供給制御と、第1SCR触媒温度TSCRCCを適温に保持するための第1SCR触媒温度制御とが行われる。
図2は、SCRシステム制御処理のフローチャートであり、この処理は、ECU5のCPUで所定時間(例えば50msec)毎に実行される。
ステップS1では、図7に示す第1SCR触媒温度制御処理を実行し、ステップS2では、図3に示すNH3ガス供給制御処理を実行する。
図3は、NH3ガス供給制御処理のフローチャートである。
ステップS11では、NH3供給装置故障フラグFNH3SDFが「1」であるか否かを判別する。NH3供給装置故障フラグFNH3SDFは、NH3流量制御弁23,25、ヒータ26などの故障が検出されると「1」に設定される。ステップS11の答が否定であるときは、SCR異常劣化フラグFSCRNGが「1」であるか否かを判別する。SCR異常劣化フラグFSCRNGは、第1SCR触媒12または第2SCR触媒13の異常劣化が検出されると「1」に設定される。
ステップS11またはS12の答が肯定(YES)であるときは、第1NH3通路22を介して供給されるNH3ガス量である第1NH3ガス供給量GNH3CC(k)、及び第2NH3通路24を介して供給されるNH3ガス量である第2NH3ガス供給量GNH3UF(k)をともに「0」に設定し(ステップS26)、NH3供給モードインデクスNH3INJMODE(k)を「3」に設定する(ステップS27)。
ステップS12の答が否定であるときは、NH3ガスタンク空フラグFNH3TEが「1」であるか否かを判別する(ステップS13)。この答が肯定(YES)であるときは、運転者に対する警告表示または警告音の出力を行い(ステップS14)、前記ステップS26に進む。
ステップS13の答が否定であるときは、センサ正常フラグFSNSOKが「1」であるか否かを判別する(ステップS15)。センサ正常フラグFSNSOKは、触媒温度センサ31,32及びNH3濃度センサ33の故障が検出されていないとき「1」に設定される。ステップS15の答が肯定(YES)であるときは、センサ活性化フラグFNH3SACVが「1」であるか否かを判別する(ステップS16)。センサ活性化フラグFNH3SACVは、NH3濃度センサ33の活性化が完了すると「1」に設定される。ステップS16の答が肯定(YES)であるときは、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定活性化温度TSCRCCACT(例えば160℃)より高いか否かを判別する(ステップS17)。
ステップS15〜S17の何れかの答が否定であるときは、前記ステップS26に進み、ステップS17の答が肯定(YES)であるときは、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMT(例えば300℃)より高いか否かを判別する(ステップS18)。ステップS18の答が否定(NO)であって、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMT以下であるときは、図4に示す第1NH3ガス供給量算出処理を実行し、第1NH3ガス供給量GNH3CC(k)を算出する(ステップS19)。「k」は、この処理の実行周期で離散化した離散化時刻であり、(k)は今回値であることを示す。
次いで、第2NH3ガス供給量GNH3UF(k)を「0」に設定し(ステップS20)、NH3供給モードインデクスNH3INJMODE(k)を「1」に設定して(ステップS21)、本処理を終了する。NH3供給モードインデクスNH3INJMODE(k)が「1」であるNH3供給モードを、以下「上流側供給モード」という。
ステップS18の答が肯定(YES)、すなわち第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMTより高いときは、第2SCR触媒温度TSCRUFが所定上限温度TSCRHLMTより高いか否かを判別する(ステップS22)。その答が否定(NO)であって、第2SCR触媒温度TSCRUFが所定上限温度TSCRHLMT以下であるときは、図6に示す第2NH3ガス供給量算出処理を実行し、第2NH3ガス供給量GNH3UFを算出する(ステップS23)。次いで、第1NH3ガス供給量GNH3CC(k)を「0」に設定し(ステップS24)、NH3供給モードインデクスNH3INJMODE(k)を「2」に設定して(ステップS25)、本処理を終了する。NH3供給モードインデクスNH3INJMODE(k)が「2」であるNH3供給モードを、以下「下流側供給モード」という。
ステップS22の答が肯定(YES)であるときは、前記ステップS26に進み、NH3の供給は停止される。
図3の処理によれば、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMT以下であるときは、上流側供給モードが選択され(第1NH3通路22を介したNH3ガスの供給が行われ)、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMTより高いときは、下流側供給モードが選択される(第2NH3通路24を介したNH3ガスの供給が行われる)。
ECU5のCPUは、上流側供給モードにおいては、第1NH3通路22を介して供給するNH3ガス量が第1NH3ガス供給量GNH3CC(k)と等しくなるように第1流量制御弁23の制御を行い、下流側供給モードにおいては、第2NH3通路24を介して供給するNH3ガス量が第2NH3ガス供給量GNH3UF(k)と等しくなるように第2流量制御弁25の制御を行う。
図4は、図3のステップS19で実行される第1NH3ガス供給量算出処理のフローチャートである。
ステップS41では、エンジン回転数NE及び要求トルク(エンジン負荷)TRQに応じて図5に示すNOxENGOUTマップを検索し、エンジン1から排出されるNOx量の推定値である推定排出NOx量NOxENGOUT(k)を算出する。要求トルクTRQは、アクセルペダル操作量APにほぼ比例するように算出されるエンジン1の要求トルクである。図5に示す各曲線は、それぞれ所定要求トルク値TRQ1,TRQ2,及びTRQ3に対応し、所定要求トルク値TRQ1,TRQ2,及びTRQ3は、TRQ1<TRQ2<TRQ3なる関係を満たす。すなわち、NOxENGOUTマップは、エンジン回転数NEが増加するほど推定排出NOx量NOxENGOUTが増加し、かつ要求トルクTRQが増加するほど推定排出NOx量NOxENGOUTが増加するように設定されている。
ステップS42では、第2SCR触媒温度TSCRUFが所定活性化温度TSCRUFACT(例えば160℃)より高いか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、推定排出NOx量NOxENGOUTを下記式(1)に適用し、第1フィードフォワードNH3供給量GNH3FF(k)を算出する(ステップS43)。
GNH3FF(k)=KALFACCSL×KNOxNH3×NOxENGOUT(k)
(1)
式(1)のKALFACCSLは、第2SCR触媒13が活性化していないときに適用される当量比調整係数(以下「不活性状態調整係数」という)であり、「1.0」以下の所定値(「1.0」または「1.0」に近い値)に設定される。KNOxNH3は、単位質量のNOxを還元するのに必要とされるNH3量(質量)を示す換算係数であり、例えば「0.53」に設定される。第2SCR触媒13の不活性時は、第1SCR触媒12の下流側にNH3が排出されると第2SCR触媒14をそのまま通過して大気に放出されるおそれがあるため、第1SCR触媒12に供給されたNH3が下流側に排出されることを確実に防止するために、不活性状態調整係数KALFACCSLは「1.0」以下に設定される。
ステップS44では、第1NH3ガス供給量GNH3CC(k)を第1フィードフォワードNH3供給量GNH3FF(k)に設定し、本処理を終了する。
ステップS42の答が肯定(YES)であって、第2SCR触媒13が活性化しているときは、下記式(2)に推定排出NOx量NOxENGOUT(k)を適用して、第1フィードフォワードNH3供給量GNH3FF(k)を算出する(ステップS45)。
GNH3FF(k)=KALFACCST×KNOxNH3×NOxENGOUT(k)
(2)
式(2)のKALFACCSTは、第2SCR触媒13が活性化しているときに適用される当量比調整係数であり、「1.0」以上の所定値(「1.0」または「1.0」に近い値)に設定される。これにより、第1SCR触媒12へのNH3ガス供給量が、流入するNOxを還元するのに要する量以上に設定され、第1SCR触媒12のNH3貯蔵量を最大化し、NOx浄化率を最大化することができる。
ステップS46では、NH3濃度センサ33による検出されるNH3濃度NH3CONSを、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて単位時間当たりのNH3量(質量)に変換することにより、第1SCR触媒12から流出するNH3量であり、第2SCR触媒13に流入するNH3量を示す実NH3量NH3ACT(k)を算出する。
ステップS47では、下記式(3)に実NH3量NH3ACT(k)を適用し、第1NH3偏差ENH3(k)を算出する。式(3)のNH3TRGTは、予め実験により最適値に設定される目標NH3量である。
ENH3(k)=NH3ACT(k)−NH3TRGT (3)
ステップS48では、第1NH3偏差ENH3(k)を下記式(4)及び(5)に適用し、比例項GNH3P(k)及び積分項GNH3I(k)を算出する。式(4)のKPNH3は比例制御ゲインであり、式(5)のKINH3は積分制御ゲインである。
Figure 2011202620
ステップS49では、比例項GNH3P(k)及び積分項GNH3I(k)を下記式(6)に適用し、第1フィードバックNH3供給量GNH3FB(k)を算出する。
GNH3FB(k)=GNH3P(k)+GNH3I(k) (6)
ステップS50では、第1フィードフォワードNH3供給量GNH3FF(k)及び第1フィードバックNH3供給量GNH3FB(k)を下記式(7)に適用し、第1NH3ガス供給量GNH3CC(k)を算出する。
GNH3CC(k)=GNH3FF(k)+GNH3FB(k) (7)
図6は、図3のステップS23で実行される第2NH3ガス供給量算出処理のフローチャートである。
ステップS61では、図4のステップS41と同様に推定排出NOx量NOxENGOUT(k)を算出する。ステップS62では、推定排出NOx量NOxENGOUT(k)を下記式(11)に適用し、目標NH3供給量NH3UFTRGT(k)を算出する。目標流入NH3量NH3UFTRGT(k)は、第2SCR触媒13に供給するNH3ガス量の目標値である。
NH3UFTRGT(k)=KALFAUF×KNOxNH3×NOxENGOUT(k)
(11)
式(11)のKALFAUFは、第2NH3ガス供給量GNH3UFの算出に適用される当量比調整係数(以下「第2SCR調整係数」という)であり、「1.0」以下の所定値(「1.0」または「1.0」に近い値)に設定される。第2SCR触媒13に供給されたNH3が下流側に排出されることを確実に防止するために、第2SCR調整係数KALFAUFは「1.0」以下に設定される。
ステップS63では、NH3供給モードインデクスNH3INJMODEの前回値が「1」であったか否か、すなわち上流側供給モードから下流側供給モードへの移行直後であるか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、NOx浄化補正係数の前回値KSTCOMP(k-1)を「1.0」に設定し(ステップS64)、ステップS65に進む。ステップS63の答が否定(NO)であるときは直ちにステップS65に進む。
ステップS65では、NOx浄化補正係数の前回値KSTCOMP(k-1)を下記式(12)に適用し、NOx浄化補正係数KSTCOMP(k)を算出する。
KSTCOMP(k)=KSTC×KSTCOMP(k-1) (12)
式(12)のKSTCは、「1.0」より小さい所定値に設定される漸減係数である。式(12)の演算を繰り返すことにより、NOx浄化補正係数KSTCOMP(k)は漸減する。NOx浄化補正係数KSTCOMP(k)は、上流側供給モードから下流側供給モードへの移行直後において、第1SCR触媒12から排出されるNH3によるNOx浄化への寄与度合を徐々に減少させるために適用される補正係数である。
なお、漸減係数KSTCは、第1SCR触媒温度TSCRCCに応じて変更する(「1.0」より小さい範囲で)ようにしてもよい。
ステップS66では、目標NH3供給量NH3UFTRGT(k)及びNOx浄化補正係数KSTCOMP(k)を下記式(13)に適用し、第2フィードフォワードNH3供給量GNH3FFUF(k)を算出する。式(13)のNH3TRGTは、式(3)に適用される目標NH3量である。
GNH3FFUF(k)=NH3UFTRGT(k)
−KSTCOMP(k)×(NH3UFTRGT(k)−NH3TRGT) (13)
式(13)よれば、上流側供給モードから下流側供給モードへの移行直後においては、第2フィードフォワードNH3供給量GNH3FFUF(k)は、目標NH3量NH3TRGTにほぼ等しい値に設定され、その後NOx浄化補正係数KSTCOMP(k)が漸減することにより、目標NH3供給量NH3UFTRGT(k)に漸近するように設定される。
ステップS67では、図4のステップS46と同様にして実NH3量NH3ACT(k)を算出する。NH3濃度センサ33は、第2NH3通路24の接続部3bより下流側に設けられているので、実NH3量NH3ACT(k)は下流側供給モードでは第2NH3通路24を介して供給されるNH3量を示す(下流側供給モードへの移行直後においては、第1SCR触媒12から流出するNH3量が加算されたNH3量を示す)。
ステップS68では、下記式(14)に実NH3量NH3ACT(k)及び目標NH3供給量NH3UFTRGT(k)を適用し、第2NH3偏差ENH3UF(k)を算出する。
ENH3UF(k)=NH3ACT(k)−NH3UFTRGT(k) (14)
ステップS69では、第2NH3偏差ENH3UF(k)を下記式(15)及び(16)に適用し、比例項GNH3PUF(k)及び積分項GNH3IUF(k)を算出する。式(15)のKPNH3UFは比例制御ゲインであり、式(16)のKINH3UFは積分制御ゲインである。
Figure 2011202620
ステップS70では、比例項GNH3PUF(k)及び積分項GNH3IUF(k)を下記式(17)に適用し、第2フィードバックNH3供給量GNH3FBUF(k)を算出する。
GNH3FBUF(k)=GNH3PUF(k)+GNH3IUF(k) (17)
ステップS71では、第2フィードフォワードNH3供給量GNH3FFUF(k)及び第2フィードバックNH3供給量GNH3FBUF(k)を下記式(18)に適用し、第2NH3ガス供給量GNH3UF(k)を算出する。
GNH3UF(k)=GNH3FFUF(k)+GNH3FBUF(k) (18)
図7は、図2のステップS1で実行される第1SCR触媒温度制御処理のフローチャートである。第1SCR触媒温度の制御は、燃料噴射弁2によりポスト噴射(通常の燃料噴射の実行後であって排気行程終了前に行う燃料噴射)を実行し、そのポスト噴射における燃料噴射量(以下「ポスト燃料噴射量」という)GFUELPOST(k)を変更することにより行われる。
ステップS81では、燃料噴射装置故障フラグFINJFが「1」であるか否かを判別する。燃料噴射装置故障フラグFINJFは、燃料噴射弁2を含む燃料噴射装置の故障が検出されると「1」に設定される。ステップS81の答が否定(NO)であるときは、酸化触媒異常劣化フラグFDOCNGが「1」であるか否かを判別する(ステップS82)。酸化触媒異常劣化フラグFDOCNGは、酸化触媒11の異常劣化が検出されると「1」に設定される。ステップS82の答が否定(NO)であるときは、温度センサ正常フラグFTSNSOKが「1」であるか否かを判別する(ステップS83)。温度センサ正常フラグFTSNSOKは、第1触媒温度センサ31の故障が検出されていないとき「1」に設定される。
ステップS81若しくはS82の答が肯定(YES)、またはステップS83の答が否定(NO)であるときは、ステップS90に進み、ポスト燃料噴射量GFUELPOST(k)を「0」に設定する。
ステップS83の答が肯定(YES)であるときは、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定DOC活性温度TSCRDOCACT(例えば120℃)より高いか否かを判別する。酸化触媒11の温度は、第1SCR触媒温度TSCRCCと相関があるので、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定DOC活性温度TSCRDOCACTより高いときは、酸化触媒11の温度が活性化温度を超えていると判定する。なお、酸化触媒11に温度センサを設けて、その温度センサの検出温度に応じて酸化触媒11の活性化を判定するようにしてもよい。
ステップS84の答が否定(NO)であって、酸化触媒11が活性化していないときは、前記ステップS90に進む。ステップS84の答が肯定(YES)であるときは、ステップS85〜S90を実行し、ポスト燃料噴射量GFUELPOST(k)を算出する。
ステップS85では、下記式(21)に第1SCR触媒温度TSCRCC(k)を適用し、温度偏差ETSCR(k)を算出する。式(21)のTSCRTRGTは、第1SCR触媒12のNOx浄化率が最大となる温度(例えば250℃)に設定される目標温度である。
ETSCR(k)=TSCRCC(k)−TSCRTRGT (21)
ステップS86では、温度偏差ETSCR(k)を下記式(22)及び(23)に適用し、比例項GPP(k)及び積分項GPI(k)を算出する。式(22)のKPは比例制御ゲインであり、式(23)のKIは積分制御ゲインである。
Figure 2011202620
ステップS87では、比例項GPP(k)及び積分項GPI(k)を下記式(24)に適用し、噴射量演算パラメータGPTEMP(k)を算出する。
GPTEMP(k)=GPP(k)+GPI(k) (24)
ステップS88では、噴射量演算パラメータGPTEMP(k)が「0」以上であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、ポスト燃料噴射量GFUELPOST(k)を「0」に設定する(ステップS90)。ステップS88の答が肯定(YES)であるときは、ポスト燃料噴射量GFUELPOST(k)を噴射量演算パラメータGPTEMP(k)に設定する(ステップS89)。
ポスト噴射された燃料は、酸化触媒11で燃焼し、排気温度を上昇させ、第1SCR触媒12の温度を上昇させるので、図7の処理により、第1SCR触媒温度TSCRCCを目標温度TSCRTRGTに制御することができる(図8,時刻t0〜t3参照)。ただし、エンジン1の高負荷運転状態などでは、酸化触媒11に流入する排気の温度が高くなるため、ポスト燃料噴射量GFUELPOST(k)を「0」としても第1SCR触媒温度TSCRCCは、目標温度TSCRTRGTより高くなる(図8、時刻t3以後参照)。
図8は、上述した第1SCR触媒温度制御及びNH3ガス供給制御を説明するためのタイムチャートであり、車速VP(同図(a))、第1及び第2SCR触媒温度TSCRCC,TSCRUF(同図(b))、実NH3量NH3ACT(同図(c))、第1及び第2NH3ガス供給量GNH3CC,GNH3UF(同図(d))の推移を示す。
時刻t0にエンジン1が始動されると、第1及び第2SCR触媒温度TSCRCC,TSCRUFは、徐々に上昇する。第1SCR触媒温度TSCRCCは、図7の制御処理により、比較的早期に目標温度TSCRTRGTに達し、目標温度TSCRTRGTに維持される。
時刻t1に第1SCR触媒温度TSCRCCが所定活性化温度TSCRCCACTを超えると、上流側供給モードによるNH3ガスの供給が開始される。時刻t2までの期間は、第2SCR触媒13が活性化していないため、第1NH3ガス供給量GNH3CCは、第1フィードフォワードNH3供給量GNH3FFに設定される。そのため、流入するNOxを完全に還元するために必要なNH3ガス量(図8(d)に一点鎖線で示す、以下「最適NH3量」という)より若干少ない量のNH3ガスが供給される。
時刻t2に第2SCR触媒13が活性化すると、第1NH3ガス供給量GNH3CCは、第1フィードフォワードNH3供給量GNH3FFと、第1フィードバックNH3供給量GNH3FBとの和に設定され、第1NH3ガス供給量GNH3CCは、最適NH3量より若干大きな値(第1SCR触媒12の下流側における目標NH3量NH3TRGTだけ大きな値)に設定される。
時刻t3より少し前からエンジン1の負荷が増加し、排気温が上昇するため、第1SCR触媒温度TSCRCCを目標温度TSCRTRGTに維持できなくなる。したがって、第1SCR触媒温度TSCRCCは上昇し、時刻t4において所定上限温度TSCRHLMTに達する。その結果、上流側供給モードから下流側供給モードへの切換が行われる。すなわち、第1NH3ガス供給量GNH3CCは「0」となり、第2NH3ガス供給量GNH3UFが「0」からステップ的に増加する。第2NH3ガス供給量GNH3UFは、最適NH3量と同一または若干小さな値に制御される。なお、時刻t4の直後においては、第1SCR触媒12から排出されるNH3が存在するため、図8(d)における最適NH3量(一点鎖線)と、第2NH3ガス供給量GNH3UFとの差が大きくなっている。
実NH3量NH3ACTは、図8(c)に示すように、時刻t2までは「0」であり、その後増加して目標NH3量NH3TRGTに維持される。時刻t4後は、図6の処理におけるフィードバック制御により、実NH3量NH3ACTは、目標NH3量NH3TRGTから増加し、目標NH3供給量NH3UFTRGTと一致するように制御される。なお、図8(c)において、目標NH3量NH3TRGT(太い破線)及び目標NH3供給量NH3UFTRGT(細い破線)は、実NH3量NH3ACTと一致している部分は線が重なっているため示されていない。
以上のように本実施形態では、第1SCR触媒12の温度である第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMT以下であるときは、上流側供給モードによるNH3の供給が行われる一方、第1SCR触媒温度TSCRCCが所定上限温度TSCRHLMTより高いときは、下流側供給モードによるNH3の供給が行われる。したがって、第1SCR触媒温度TSCRCCが高くなり、第1SCR触媒の浄化性能が低下したときは、第2SCR触媒13によってNOxの浄化が行われ、エンジン運転状態の変化に関わらず常に良好なNOx浄化性能を維持することができる。
また第1SCR触媒12の上流側に酸化触媒11が設けられるので、排気中に含まれる炭化水素が酸化触媒11で酸化され、第1SCR触媒12の浄化性能が炭化水素の被毒によって低下することを防止できるとともに、酸化触媒11を用いて第1SCR触媒12の温度制御を行うことができる。
また第1SCR触媒12の下流側で検出されるNH3濃度NH3CONSから算出される実NH3量NH3ACTが目標NH3量NH3TRGTと一致するように、第1NH3ガス供給量GNH3CCが算出されるので、第1SCR触媒12には排気中のNOxを還元するのに十分な量のNH3が供給され、早期に活性化する第1SCR触媒12の浄化性能を最大限に発揮させることができる。
また下流側供給モードにおいて、第2SCR触媒13に流入するNOx量に相当する推定排出NOx量NOxENGOUTが算出されるとともに、第2NH3ガス供給量GNH3UFが、推定排出NOx量NOxENGOUTのNOxを浄化するために必要なNH3量以下となるように算出される。したがって、第2SCR触媒13による高いNOx浄化率を確保しつつ、第2SCR触媒13の下流側にNH3が排出されることを防止できる。
また下流側供給モードへの移行直後において、第1SCR触媒12から排出されるNH3量である排出NH3量(式(13)の右辺第2項:KSTCOMP(k)×(NH3UFTRGT(k)−NH3TRGT))が算出され、排出NH3量を用いて第2NH3ガス供給量GNH3UFが算出される。上流側供給モードから下流側供給モードへの切換直後は、第1SCR触媒12からNH3が排出されるので、排出NH3量を考慮することにより、下流側供給モードの移行直後におけるNH3ガス供給量を適量に制御できる。
また第2SCR触媒13の温度である第2SCR触媒温度TSCRUFが所定上限温度TSCRHLMTより高いときは、NH3の供給が禁止される。SCR触媒の温度が高すぎると、酸化反応が促進され、NOx浄化率が低下するので、NH3の供給を禁止することにより、NOx排出量の増加を抑制することができる。
また還元剤として尿素を使用することもできるが、尿素を使用する場合には加水分解反応によってNH3が生成されるためのスペース及び時間が必要となる。NH3ガスを使用することにより、スペース上の制約がなく、かつより早期に高い浄化率を得ることができる。
本実施形態では、NH3ガスタンク21、第1NH3通路22、及び第1流量制御弁23が第1還元剤供給手段に相当し、NH3ガスタンク21、第2NH3通路24、及び第2流量制御弁25が第2還元剤供給手段に相当し、第1触媒温度センサ31及び第2触媒温度センサ32がそれぞれ第1触媒温度検出手段及び第2触媒温度検出手段に相当し、NH3濃度センサ33が還元剤濃度検出手段に相当する。またECU5が、還元剤供給制御手段、還元剤スリップ量算出手段、フィードバック制御手段、NOx量算出手段、排出還元剤量算出手段、及び禁止手段を構成する。具体的には、図3の処理が還元剤供給制御手段に相当し、図4のステップS46が還元剤スリップ量算出手段に相当し、ステップS47〜S49がフィードバック制御手段に相当し、図6のステップS61がNOx量算出手段に相当し、ステップS63〜S66が排出還元剤量算出手段に相当し、図3のステップS22及びS26が禁止手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、排気通路3の第1SCR触媒12の上流側にNOx濃度センサを設け、検出されるNOx濃度NOxCONSに応じて、推定排出NOx量NOxENGOUTを算出するようにしてもよい。
図9及び図10は、そのような変形例に対応する第1NH3ガス供給量算出処理及び第2NH3ガス供給量算出処理のフローチャートである。図9の処理は、図4の処理にステップS31及びS32を追加したものである。
ステップS31では、NOx濃度センサ活性化フラグFNOxSACVが「1」であるか否かを判別する。NOx濃度センサ活性化フラグFNOxSACVは、NOx濃度センサが活性化しているとき「1」に設定される。ステップS31の答が否定(NO)であるときは、ステップS41に進む。
ステップS31の答が肯定(YES)、すなわちNOx濃度センサが活性化しているときは、ステップS32に進み、検出NOx濃度NOxCONSをエンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて単位時間当たりのNOx量(質量)に変換することにより、推定排出NOx量NOxENGOUT(k)を算出する。ステップS32に実行後は、ステップS42に進む。
図10の処理は、図6の処理にステップS31及びS32を追加したものであり、図9の処理と同様に、NOx濃度センサが活性化しているときは、検出NOx濃度NOxCONSに応じて推定排出NOx量NOxENGOUT(k)が算出される。
NOx濃度センサを用いることにより、推定排出NOx量NOxENGOUT(k)の算出精度を高めることができる。
また上述した実施形態では、還元剤としてNH3ガスを用いたが尿素(尿素水溶液)を用いてもよい。
また上述した実施形態では、目標NH3量NH3TRGTは予め実験により最適値に設定するようにしたが、第2SCR触媒13のNH3貯蔵量STNH3を推定し、推定したNH3貯蔵量STNH3に応じて目標NH3量NH3TRGTを設定するようにしてもよい。NH3貯蔵量STNH3の推定は、第2SCR触媒13に流入するNH3量と、NOx量とに基づいて行うことができる。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの排気浄化装置にも適用が可能である。
1 内燃機関
3 排気通路
5 電子制御ユニット(還元剤供給制御手段、還元剤スリップ量算出手段、フィードバック制御手段、NOx量算出手段、排出還元剤量算出手段、禁止手段)
21 NH3ガスタンク(第1還元剤供給手段、第2還元剤供給手段)
22 第1NH3通路(第1還元剤供給手段)
23 第1流量制御弁(第1還元剤供給手段)
24 第2NH3通路(第2還元剤供給手段)
25 第2流量制御弁(第2還元剤供給手段)
31 第1触媒温度センサ(第1触媒温度検出手段)
32 第2触媒温度センサ(第2触媒温度検出手段)
33 NH3濃度センサ(還元剤濃度検出手段)

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、還元剤の存在下で排気中のNOxを還元する第1選択還元触媒と、該第1選択還元触媒の下流側に設けられた第2選択還元触媒と、前記第1選択還元触媒の上流側に還元剤を供給する第1還元剤供給手段と、前記第1選択還元触媒の下流側であってかつ前記第2選択還元触媒の上流側に還元剤を供給する第2還元剤供給手段とを備える内燃機関の排気浄化装置において、
    前記第1選択還元触媒の温度である第1触媒温度を検出する第1触媒温度検出手段と、
    前記第1及び第2還元剤供給手段の一方を選択して作動させる還元剤供給制御手段とを備え、
    前記還元剤供給制御手段は、前記第1触媒温度が所定温度以下であるときは、前記第1還元剤供給手段を選択し、前記第1触媒温度が前記所定温度より高いときは、前記第2還元剤供給手段を選択することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記第1選択還元触媒の上流側に酸化触媒を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記第1選択還元触媒と第2選択還元触媒の間に設けられ、排気中の前記還元剤の濃度を検出する還元剤濃度検出手段と、検出される還元剤濃度に応じて前記第1選択還元触媒から排出される還元剤の量である還元剤スリップ量を算出する還元剤スリップ量算出手段とを備え、
    前記還元剤供給制御手段は、前記還元剤スリップ量が目標還元剤量と一致するように、前記第1還元剤供給手段による還元剤供給量を制御するフィードバック制御手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記還元剤供給制御手段は、前記第2選択還元触媒に流入するNOx量を算出するNOx量算出手段を有し、
    前記第2還元剤供給手段による還元剤供給量を、前記NOx量算出手段により算出される量のNOxを浄化するために必要な還元剤量以下となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記還元剤供給制御手段は、前記第1選択還元触媒から排出される還元剤量である排出還元剤量を算出する排出還元剤量算出手段を有し、
    前記排出還元剤量に応じて前記第2還元剤供給手段による還元剤供給量を制御することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記第2選択還元触媒の温度である第2触媒温度を検出する第2触媒温度検出手段を備え、
    前記還元剤供給制御手段は、前記第2触媒温度が所定上限温度より高いときは、前記還元剤の供給を禁止する禁止手段を有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記還元剤としてアンモニアガスを使用することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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