JP2011202528A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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毅 植木
Masatoshi Umasaki
政俊 馬▲崎▼
Kimitaka Saito
公孝 斎藤
Eiji Murase
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Abstract

【課題】燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンシステム1は、燃焼室11に付着するデポジット量から燃焼室11で生成されるPM量を認識し、認識したPM量に基づいて、燃焼室11のデポジットに燃料が付着することを抑制しつつ、エンジン100の燃焼性を向上させて排気PM量を低減する制御を実行する。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関は、その燃焼室にカーボン等の固体浮遊物、すなわちデポジットが付着し堆積することが知られている。特に、直接噴射式の内燃機関は、燃焼室へのデポジットの付着および堆積が進行すると、デポジットに噴射燃料が衝突し付着することによって燃費が悪化したり、デポジットに付着した燃料に着火して粒子状物質(PM)が発生することによって排気エミッションが悪化したりする。
このような直接噴射式の内燃機関の制御方法として、内燃機関の運転領域毎に算出した筒内PM量に基づき筒内付着デポジット量を推定し、推定した筒内付着デポジット量に基づいて燃料噴射量を増量補正することにより、空燃比を制御して排気エミッション特性の悪化を防止する技術が特許文献1に開示されている。
また、燃焼室に設置された燃料噴射弁の噴孔にデポジット付着を検出すると、噴射モードを筒内噴射からポート噴射に切り替えるとともにバルブオーバーラップ量を制御することにより、噴孔および燃焼室を高温化させて付着したデポジットの焼失を促進する技術が特許文献2に開示されている。
そして、その他本発明と関連性があると考えられる技術として、内燃機関の均質燃焼時に燃料噴射時期を進角させて燃焼速度を測定し、測定した進角時の燃焼速度をデポジットが付着していない状態での標準燃焼速度と比較することにより、燃焼室へのデポジット付着状況を判定する技術が特許文献3に記載されている。
特開2007−303364号公報 特開2005−201113号公報 特開平11−022541号公報
特許文献1の技術によれば、デポジット付着分の燃料を増量補正して空燃比を目標値近傍に制御することにより、内燃機関の排気エミッション悪化をある程度抑制することが可能である。しかしながら、特許文献1の技術では、デポジットに付着した燃料の着火によるPMの発生を抑制することが困難である、といった問題点がある。更に、特許文献1の技術では、デポジットへの燃料付着に加えて燃料噴射量を増量補正することにより、内燃機関の燃費が大きく悪化してしまう、といった問題点がある。
また、特許文献2の技術では、燃料室に付着したデポジットを焼失させるまでの間に、デポジットへの燃料付着による燃費の悪化、およびデポジットに付着した燃料の着火によるPMの発生を抑制することが困難である、といった問題点がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射可能な燃料噴射弁を有する内燃機関の制御装置であって、前記燃焼室の状態を認識する認識手段と、前記認識手段の認識結果に基づいて、前記内燃機関の燃焼制御を実行する燃焼制御手段と、を備える。
上記の構成により、燃焼室の状態に基づいて内燃機関の燃焼制御を実行することができることから、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
特に、本発明の内燃機関の制御装置は、前記認識手段が、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を認識し、前記燃焼制御手段が、前記認識手段が認識した粒子状物質量に基づいて、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行する構成とすることができる。
上記の構成により、燃焼室で生成される粒子状物質量を認識し、認識結果に基づいて粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃焼室に付着するデポジット量を検出するデポジット量検出手段を備え、前記認識手段が、前記デポジット量検出手段が検出するデポジット量から前記燃焼室で生成される粒子状物質量を認識する構成とすることができる。
同一の内燃機関が同一の燃焼制御を実行する場合でも、燃焼室のデポジット量に応じて排気PM量が異なり、燃焼室のデポジット量と排気PM量は正の相関関係がある。そのため、デポジット量の検出結果から燃焼室で生成される粒子状物質量を精度良く認識し、認識結果に基づいて粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
そして、本発明の内燃機関の制御装置は、前記デポジット量検出手段が、前記燃焼室の少なくともピストンに付着するデポジット量を検出する構成とすることができる。
上記の構成により、ピストンに付着するデポジット量の検出結果から、燃焼室で生成される粒子状物質量を認識し、認識結果に基づいて粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
更に、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を検出する粒子状物質量検出手段を備え、前記認識手段が、前記粒子状物質量検出手段が検出する粒子状物質量から前記燃焼室で生成される粒子状物質量を認識する構成とすることができる。
上記の構成により、前記燃焼室で生成される粒子状物質量の検出結果から粒子状物質量を認識し、認識結果に基づいて粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃焼制御手段が、前記内燃機関の吸気弁および排気弁の開閉弁時期、前記燃料噴射弁の燃料噴射時期、噴射回数、燃料圧力、の少なくともいずれかを変更することで、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行する構成とすることができる。
上記の構成により、内燃機関の吸気弁および排気弁の開閉弁時期、燃料噴射弁の燃料噴射時期、噴射回数、燃料圧力、の少なくともいずれかを変更することで燃焼室で生成される粒子状物質量を低減することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
そして、本発明の内燃機関の制御装置は、前記認識手段が、前記燃焼室に付着するデポジット量を認識し、前記燃焼制御手段が、前記認識手段が認識するデポジット量に基づいて、前記燃焼室に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行する構成とすることができる。
上記の構成により、燃焼室に付着するデポジット量の認識結果に基づいて、燃焼室に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
更に、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を検出する粒子状物質量検出手段を備え、前記認識手段が、前記粒子状物質量検出手段が検出する粒子状物質量から前記燃焼室に付着するデポジット量を認識する構成とすることができる。
同一の内燃機関が同一の燃焼制御を実行する場合でも、燃焼室のデポジット量に応じて排気PM量が異なり、燃焼室のデポジット量と排気PM量は正の相関関係がある。そのため、粒子状物質量の検出結果から燃焼室に付着するデポジット量を認識し、認識結果に基づいてデポジット量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃焼室に付着するデポジット量を検出するデポジット量検出手段を備え、前記認識手段が、前記デポジット量検出手段が検出するデポジット量から前記燃焼室に付着するデポジット量を認識する構成とすることができる。
上記の構成により、前記燃焼室に付着するデポジット量の検出結果からデポジット量を認識し、認識結果に基づいてデポジット量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
そして、本発明の内燃機関の制御装置は、前記認識手段が、前記燃焼室の少なくともピストンに付着するデポジット量を認識する構成とすることができる。
上記の構成により、ピストンに付着するデポジット量の認識結果に基づいて、燃焼室に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
更に、本発明の内燃機関の制御装置は、前記燃焼制御手段が、前記内燃機関の点火時期、吸気弁および排気弁の開閉弁時期、前記燃料噴射弁の燃料噴射時期、噴射回数、燃料圧力、の少なくともいずれかを変更することで、前記燃焼室に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行する構成とすることができる。
上記の構成により、内燃機関の点火時期、吸気弁および排気弁の開閉弁時期、燃料噴射弁の燃料噴射時期、噴射回数、燃料圧力、の少なくともいずれかを変更することで、燃焼室に付着するデポジット量を低減することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、燃焼室の状態に基づいて内燃機関の燃焼制御を実行することができることから、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
実施例のエンジンシステムの一構成例を示した図である。 燃焼室のデポジット量と排気PM量との相関を示している。 インジェクタの燃料噴射時期の制御例を示している。 エンジンの燃費および排気PM量の一例を示している。 エンジンECUの処理の一例を示すフローチャートである。 エンジンECUの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の内燃機関の制御装置を搭載したエンジンシステム1の一構成例を示した図である。なお、図1にはエンジンの一部の構成のみを示している。
図1に示すエンジンシステム1は、動力源であるエンジン100を備えており、エンジン100の運転動作を総括的に制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)10を備えている。また、エンジンシステム1は、エンジン100の燃焼室11内へ燃料を噴射するインジェクタ21を備えている。そして、エンジンシステム1は、吸気弁19および排気弁20のバルブタイミングを変更する電動VVT機構22および油圧VVT機構23を備えている。更に、エンジンシステム1は、燃焼室11内のピストン12の頂面に付着するデポジット量を検出するデポジット量検出センサ35を備えている。また、エンジンシステム1は、燃焼室11で生成されるPM量を検出するPM量検出センサ36を備えている。
エンジン100は、車両に搭載される火花点火式の多気筒エンジンであって、各気筒は燃焼室11を構成するピストン12を備えている。各燃焼室11のピストン12は、エンジン100のシリンダに摺動自在に嵌合されており、それぞれコネクティングロッドを介して出力軸部材であるクランクシャフトに連結されている(図示しない)。
吸気ポート13から燃焼室11内へ流入した吸入空気は、ピストン12の上昇運動により燃焼室11内で圧縮される。エンジンECU10は、クランク角センサ31からのピストン12の位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、燃料噴射タイミングを決定しインジェクタ21に信号を送る。インジェクタ21は、エンジンECU10の信号に従って、指示された噴射タイミングで燃料を噴射する。インジェクタ21より噴射された燃料は、霧化して圧縮された吸入空気と混合し、点火プラグ18によって点火されることで燃焼し、燃焼室内を膨張させてピストン12を下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン100は動力を得る。
この場合、エンジン100は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンに限られず、ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合した燃料を使用するフレキシブルフューエルエンジンであってもよい。また、エンジン100は、火花点火式に限られず、圧縮自着火式エンジンであってもよい。そして、エンジンシステム1は、エンジン100と複数の電動モータとを組み合わせたハイブリッドシステムであってもよい。
なお、エンジン100は、本発明の内燃機関の一構成例である。
エンジン100の燃焼室11の周辺にはウォータジャケットが設けられており、ウォータジャケット内部は燃焼室等を冷却するための冷媒(冷却水)が循環している。本実施例の冷却水としては、エチレングリコール水溶液からなる一般的なLLC(Long Life Coolant)を用いるが、その他の冷媒を使用してもよい。
そして、ウォータジャケットには冷却水の温度を測定するための水温センサ32が設けられており、ウォータジャケット内部の冷却水温の検出結果をエンジンECU10へ送信する。この場合、水温センサ32は、エンジン100内部を循環する冷却水の温度を検出可能な任意の位置に設けることができる。
吸気弁19および排気弁20はクランクシャフトの回転が連結機構(例えばタイミングベルト、タイミングチェーンなど)により伝達された吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの回転により開閉され、吸気ポート13および排気ポート15と燃焼室11とを連通・遮断する。なお、吸気弁19、および排気弁20の位相は、クランク角を基準にして表される。
吸気カムシャフトは可変動弁機構(以下、VVT機構という)である電動VVT機構22を有している。この電動VVT機構22はエンジンECU10の指示により電動モータで吸気カムシャフトを回転させる。それにより吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相が変更されることから、吸気弁19のバルブタイミングが変更される。この場合、吸気カムシャフトの回転位相は、吸気カム角センサにて検出され、エンジンECU10へと出力される。それにより、エンジンECU10は、吸気カムシャフトの位相を取得することができるとともに、吸気弁19の位相を取得することができる。また、吸気カムシャフトの位相は、クランク角を基準にして表される。
排気カムシャフトは油圧VVT機構23を有している。この油圧VVT機構23はエンジンECU10の指示によりオイルコントロールバルブ(以下、OCVという)で排気カムシャフトを回転させる。それにより排気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相が変更されることから、排気弁20のバルブタイミングが変更される。この場合、排気カムシャフトの回転位相は、排気カム角センサにて検出され、エンジンECU10へと出力される。それにより、エンジンECU10は、排気カムシャフトの位相を取得することができるとともに、排気弁20の位相を取得することができる。また、排気カムシャフトの位相は、クランク角を基準にして表される。
各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する吸気ポート13と、吸気ポート13に連結し、吸入空気を吸気ポート13から燃焼室11へと導く吸気通路14とが接続されている。更に、各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する排気ポート15と、燃焼室で発生した排気ガスをエンジン100の外部へと導く排気通路16が接続されている。
吸気通路14には、エアフロメータ、スロットルバルブ17およびスロットルポジションセンサが設置されている。エアフロメータおよびスロットルポジションセンサは、それぞれ吸気通路14を通過する吸入空気量、スロットルバルブ17の開度を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する。エンジンECU10は、送信された検出結果に基づいて吸気ポート13および燃焼室11へ導入される吸入空気量を認識し、スロットルバルブ17の開度を調整することで吸入空気量を調節する。
スロットルバルブ17は、ステップモータを用いたスロットルバイワイヤ方式を適用することが好ましいが、例えばステップモータの代わりにワイヤなどを介してアクセルペダル(図示しない)と連動し、スロットルバルブ17の開度が変更されるような機械式スロットル機構を適用することもできる。
ピストン12は、その頂面にキャビティを有する。キャビティは、インジェクタ21の方向から点火プラグ18の方向へと連続するなだらかな曲面によってその壁面が形成されており、インジェクタ21から噴射された燃料を壁面形状に沿って点火プラグ18近傍へと導く。この場合、ピストン12は、その頂面の中央部分に円環状にキャビティが形成されるリエントラント型燃焼室など、エンジン100の仕様に応じて任意の位置・形状でキャビティを形成することができる。
インジェクタ21は、吸気ポート13下部の燃焼室11に斜め方向に装着されている。インジェクタ21は、エンジンECU10の指示に基づいて、フューエルポンプ24から燃料配管を通じて高圧供給された燃料をノズルボディ先端部の円周方向に等間隔で設けられた燃料噴射孔より燃焼室11内へ直接噴射する。噴射された燃料は、燃焼室11内で霧化し吸入空気と混合されつつキャビティの形状に沿って点火プラグ18近傍へと導かれる。インジェクタ21のリーク燃料は、リリーフ弁からリリーフ配管を通じて燃料タンクへと戻される。
この場合、インジェクタ21は、吸気ポート13下部に限られず燃焼室11の任意の位置に設置することができる。更に、インジェクタ21は、燃焼室11のみならず、燃焼室11と吸気ポート13との両方に設けてもよい。
なお、インジェクタ21は、本発明の燃料噴射弁の一構成例である。
フューエルポンプ24は、エンジンECU10の指示に基づいて、インジェクタ21に供給する燃料の圧力を任意に調整可能な可変ポンプである。
この場合、フューエルポンプ24は、エンジン100の回転に同期する機械式ポンプであってもよいし、バッテリからの電力で駆動する電動式ポンプであってもよい。また、フューエルポンプ24からインジェクタ21までの間に燃圧調整弁を設けることで、インジェクタ21に供給する燃料の圧力を任意に調整してもよい。
インジェクタ21とフューエルポンプ24とを連結する燃料配管には、燃圧センサ33が設けられている。燃圧センサ33は、インジェクタ21に供給される燃料の圧力を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する。燃圧センサ33は、燃料配管に関わらず、インジェクタ21に供給される燃料の圧力を検出できる任意の部位に設けることができる。
また、燃料タンクには燃料性状検出センサ34が設けられており、燃料タンクに貯留された燃料の性状を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する。
各気筒のピストン12には、ピストン12の頂面に付着するデポジット量を検出するデポジット量検出センサ35が設けられている。デポジット量検出センサ35は、ピストン12の頂面の電気抵抗を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する構成である。エンジンECU10は、受信したピストン12の頂面の電気抵抗をデポジット量に変換することで、ピストン12の頂面に付着したデポジット量を検出する。
この場合、デポジット量検出センサ35は、ピストン12のみならず、燃焼室11の任意の位置に複数設けることで、燃焼室11の各部に付着したデポジット量を検出してもよい。また、デポジット量検出センサ35は、ピストン12の頂面の電気抵抗を検出する構成に限られず、ピストン12の頂面の光の透過率を検出する構成であってもよい。そして、エンジン100の運転履歴に基づいてエンジンECU10がピストン12の頂面に付着したデポジット量を推定することにより、デポジット量を検出する構成であってもよい。
なお、デポジット量検出センサ35は、本発明のデポジット量検出手段の一構成例である。
また、各気筒の燃焼室11には、燃焼室11で生成されるPM量を検出するPM量検出センサ36が設けられている。PM量検出センサ36は、燃焼室11の点火プラグ18近傍に設けられており、燃焼室11の燃焼光の強度を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する構成である。エンジンECU10は、受信した燃焼室11の燃焼光の強度をPM量に変換することで、燃焼室11で生成されるPM量を検出する。
本発明の発明者は、燃焼室の燃焼光の強度と燃焼室で生成されるPM量とが正の相関関係にあることを導いた。そのため、燃焼室11の燃焼光の強度を検出することで、燃焼光の強度の検出結果から燃焼室11で生成されるPM量を精度良く導くことができる。
この場合、PM量検出センサ36は、燃焼室11の点火プラグ18近傍のみならず、燃焼室11の任意の位置に複数設けることで、燃焼室11で生成されるPM量を検出してもよい。また、PM量検出センサ36は、燃焼室11の燃焼光の強度を検出する構成に限られず、燃焼光の減衰率を検出する構成であってもよい。そして、エンジン100の運転履歴に基づいてエンジンECU10が燃焼室11で生成されるPM量を推定してもよい。
なお、PM量検出センサ36は、本発明の粒子状物質量検出手段の一構成例である。
エンジンECU10は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。エンジンECU10は、エンジン100の各部に備えられたクランク角センサ31、水温センサ32、エアフロメータ等の複数のセンサの検出結果を読み込み、それら検出結果に基づいてスロットルバルブ17の動作、点火プラグ18の動作、インジェクタ21の動作など、エンジン100の運転動作を統合的に制御する。
更に、エンジンECU10は、燃焼室11に付着するデポジット量から燃焼室11で生成されるPM量を認識し、認識したPM量に基づいて燃焼室11で生成されるPM量を低減する燃焼制御を実行する。以下に、エンジンECU10が実行する制御について説明する。
エンジンECU10は、イグニッションスイッチがONされると各種センサの検出結果を読み込み、エンジン100を適切に運転するための燃焼制御の実行を開始する。そして、エンジンECU10は、デポジット量検出センサ35が検出する燃焼室11(ピストン12の頂面)に付着したデポジット量から、燃焼室11で生成されるPM量を認識する。
この場合、燃焼室11に付着するデポジットの中で、ピストン12の頂面に付着するデポジットが、エンジン100の燃費および排気エミッションに高い影響を及ぼす。そのため、エンジンECU10は、少なくともピストン12の頂面に付着するデポジット量を検出するものとする。
図2は、燃焼室のデポジット量と排気PM量との相関を示している。本発明の発明者は、同一の内燃機関が同一の燃焼制御を実行する場合でも、燃焼室のデポジット量に応じて排気PM量が異なることを発見し、研究の結果、燃焼室のデポジット量と排気PM量が正の相関関係にあることを導いた。そのため、燃焼室11のデポジット量を検出することで、デポジット量の検出結果から燃焼室11で生成されるPM量を精度良く導くことができる。
つづいて、エンジンECU10は、検出したデポジット量が所定量D1を超える場合に、燃焼室11で生成されるPM量がエンジン100の排気エミッション規定量を超えると判断する。ここで、デポジット量の所定量D1は、エンジン100の排気PM量の規定量に基づいて、燃焼室のデポジット量と排気PM量との相関から設定することができる(図2参照)。そして、エンジンECU10は、(1)インジェクタ21の噴射燃料がピストン12の頂面に衝突するのを抑制する制御、(2)インジェクタ21の噴射燃料の気化を促進する制御、の少なくともいずれかを実行することで、燃焼室11で生成されるPM量を低減する。
上記(1)の制御を実行することで、ピストン12の頂面に付着したデポジットにインジェクタ21の噴射燃料が付着することを抑制することができる。よって、デポジットに付着した燃料の着火によるPM発生、およびデポジットへの燃料付着による燃費の悪化を抑制することができる。
具体的には、エンジンECU10は、インジェクタ21に指令し、燃料噴射時期(噴射タイミング)をピストン圧縮上死点より進角、またはピストン排気上死点より遅角させる制御を実行し、噴射燃料がピストン12に衝突しないタイミングで燃料噴射を実行させる(図3上段参照)。
また、上記(2)の制御を実行することで、インジェクタ21の噴射燃料と空気との混合ガス生成が促進し、それによって燃焼性が向上することから、エンジン100の排気PM量を低減することができる。
具体的には、エンジンECU10は、燃圧センサ33および燃料性状検出センサ34の検出結果に基づいてフューエルポンプ24に指令し、インジェクタ21へ供給する燃料圧力を上昇させて、噴霧粒径を微細化する制御を実行する。
また、エンジンECU10は、インジェクタ21に指令し、機関が1サイクルに要求する燃料を可能な限り多い噴射回数によって供給する、すなわち、噴射回数を増加することで、噴射燃料の分散性を向上させる制御を実行する。
そして、エンジンECU10は、電動VVT機構22および油圧VVT機構23に指令し、吸気弁19の開閉時期(バルブタイミング)を進角化させ、かつ排気弁20のバルブタイミングを遅角化させる制御を実行する。これによって、排気ガスの一部が燃焼室11に残留し燃焼室11の温度が上昇するために、インジェクタ21の噴射燃料の気化が促進する。
エンジンECU10は、PM量検出センサ36が検出する燃焼室11で生成されるPM量が所定量P1未満になるまで上記(1)(2)の少なくともいずれかの制御を実行する。ここで、PM量の所定量P1とは、エンジン100の排気PM量が排気エミッション規定量よりも充分に低いと判断できる任意のPM量に設定することができる。
この場合、エンジンECU10は、PM量検出センサ36が検出するPM量に代えて、デポジット量検出センサ35の検出結果から認識するPM量に基づいて制御の終了を判断してもよい。
図4は、エンジン100の燃費および排気PM量の一例を示している。本実施例の制御を実行することで、燃焼室11に付着するデポジット量から燃焼室11で生成されるPM量を精度良く認識し、認識したPM量に基づいてエンジン100の排気PM量を低減する燃焼制御を実行することができる。また、燃料噴射量を増量しない上に、噴射燃料がデポジットに付着することを抑制することができることから、エンジン100の燃費の悪化を抑制することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室11へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
この場合、エンジンECU10は、上記(1)(2)の全ての制御を実行してもよいし、任意の制御のみを実行してもよい。また、エンジンECU10は、電動VVT機構22または油圧VVT機構23のいずれか一方に指令し、吸気弁19のバルブタイミングの進角化または排気弁20のバルブタイミングの遅角化のいずれか一方を実行してもよい。
なお、エンジンECU10は、本発明のデポジット量検出手段、認識手段および燃焼制御手段の一構成例である。
つづいて、エンジンECU10の制御の流れに沿って、エンジンシステム1の動作を説明する。図5は、エンジンECU10の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例のエンジンシステム1は、燃焼室11に付着するデポジット量から燃焼室11で生成されるPM量を認識し、認識したPM量に基づいて、燃焼室11のデポジットに燃料が付着することを抑制しつつエンジン100の燃焼性を向上させて、排気PM量を低減する制御を実行する。
エンジンECU10の制御は、イグニッションスイッチがONされてエンジン100が始動されると開始し、エンジン100の運転中に以下の制御の処理を繰り返す。また、エンジンECU10は、その制御の処理中、クランク角センサ31、水温センサ32、燃圧センサ33、燃料性状検出センサ34、デポジット量検出センサ35およびPM量検出センサ36の検出結果を常に受信する。
まず、エンジンECU10はステップS1で、クランク角センサ31、水温センサ32、燃圧センサ33、燃料性状検出センサ34等の検出結果に基づいて、エンジン100を適切に運転するための噴射タイミング,燃料圧力,噴射回数,バルブタイミング等の制御(燃焼制御)の実行を開始する。エンジンECU10は、ステップS1の処理を終えると、次のステップS2へ進む。
ステップS2で、エンジンECU10は、デポジット量検出センサ35が検出するピストン12の頂面に付着したデポジット量が所定量D1を超えるか否かを判断する。なお、デポジット量の所定量D1については前述したために、その詳細な説明は省略する。デポジット量が所定量D1を超えない場合(ステップS2/NO)、エンジンECU10は、燃焼室11で生成されるPM量がエンジン100の排気エミッション規定量を超えていないと判断し、制御の処理を終了する。デポジット量が所定量D1を超える場合(ステップS2/YES)は、エンジンECU10は、燃焼室11で生成されるPM量がエンジン100の排気エミッション規定量を超えていると判断し、次のステップS3へ進む。
ステップS3で、エンジンECU10は、噴射タイミングをピストン圧縮上死点より進角(またはピストン排気上死点より遅角)させるようインジェクタ21に指令し、ピストン12の頂面に付着したデポジットにインジェクタ21の噴射燃料が付着することを抑制する制御を実行する(図3上段参照)。エンジンECU10は、ステップS3の処理を終えると、次のステップS4へ進む。
ステップS4で、エンジンECU10は、燃圧センサ33および燃料性状検出センサ34の検出結果に基づいて、インジェクタ21へ供給する燃料圧力を上昇させるようフューエルポンプ24に指令し、噴霧粒径を微細化する制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS4の処理を終えると、次のステップS5へ進む。
ステップS5で、エンジンECU10は、機関が1サイクルに要求する燃料を可能な限り多い噴射回数によって供給する(噴射回数を増加させる)ようインジェクタ21に指令し、噴射燃料の分散性を向上させる制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS5の処理を終えると、次のステップS6へ進む。
ステップS6で、エンジンECU10は、吸気弁19のバルブタイミングを進角化させ、かつ排気弁20のバルブタイミングを遅角化させるよう電動VVT機構22および油圧VVT機構23に指令し、燃焼室11の温度を上昇させる制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS6の処理を終えると、次のステップS7へ進む。
ステップS7で、エンジンECU10は、PM量検出センサ36が検出する燃焼室11で生成されるPM量が所定量P1未満であるか否かを判断する。なお、PM量の所定量P1については前述したために、その詳細な説明は省略する。PM量が所定量P1未満でない場合(ステップS7/NO)、エンジンECU10は、燃焼室11で生成されるPM量が排気エミッション規定量よりも充分に低くないと判断し、ステップS3に戻り上記の制御を繰り返す。PM量が所定量P1未満である場合(ステップS7/YES)は、エンジンECU10は、燃焼室11で生成されるPM量が排気エミッション規定量よりも充分に低いと判断し、制御の処理を終了する。
この制御を実行することで、燃焼室11のデポジットに燃料が付着することを抑制しつつ燃焼性を向上させて、エンジン100の排気PM量を低減することができる。そのため、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室11へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
以上のように、本実施例のエンジンシステムは、燃焼室に付着するデポジット量から燃焼室で生成されるPM量を認識し、認識したPM量に基づいて、燃焼室のデポジットに燃料が付着することを抑制しつつエンジンの燃焼性を向上させて、排気PM量を低減する制御を実行する。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
つづいて、本発明の実施例2について説明する。本実施例のエンジンシステム2は、燃焼室11で生成されるPM量から燃焼室11に付着するデポジット量を認識し、認識したデポジット量に基づいて、燃焼室11に付着するデポジット量を低減する制御を実行する点でエンジンシステム1と相違している。
以下に、エンジンシステム2においてエンジンECU10が実行する制御について説明する。なお、実施例1と同様の制御についてはその詳細な説明を省略する。
エンジンECU10は、イグニッションスイッチがONされると各種センサの検出結果を読み込み、エンジン100を適切に運転するための燃焼制御の実行を開始する。そして、エンジンECU10は、PM量検出センサ36が検出する燃焼室11で生成されるPM量から、燃焼室11に付着するデポジット量を認識する。
本発明の発明者は、同一の内燃機関が同一の燃焼制御を実行する場合でも、燃焼室のデポジット量に応じて排気PM量が異なることを発見し、研究の結果、燃焼室のデポジット量と排気PM量が正の相関関係にあることを導いた(図2参照)。そのため、燃焼室11で生成されるPM量を検出することで、PM量の検出結果から燃焼室11のデポジット量を精度良く導くことができる。
この場合、燃焼室11に付着するデポジットの中で、ピストン12の頂面に付着するデポジットが、エンジン100の燃費および排気エミッションに高い影響を及ぼす。そのため、エンジンECU10は、少なくともピストン12の頂面に付着するデポジット量を認識するものとする。
つづいて、エンジンECU10は、検出したPM量が所定量P2を超える場合に、燃焼室11に付着するデポジット量がエンジン100の燃費および排気エミッションに悪影響を及ぼす規定量を超えると判断する。ここで、PM量の所定量P2は、燃焼室のデポジット量と排気PM量との相関から設定することができる(図2参照)。そして、エンジンECU10は、(3)燃焼室11の圧力を上昇させる制御、(4)インジェクタ21の噴射燃料をピストン12に衝突させつつ、噴射燃料の気化を促進する制御、の少なくともいずれかを実行することで、燃焼室11に付着するデポジット量を低減する。
上記(3)の制御を実行することで、筒内圧力が上昇する際の衝撃によって燃焼室11に付着したデポジットを剥離させることができる。よって、燃焼室11に付着するデポジット量を低減させることができることから、エンジン100の燃費の悪化を抑制しつつ、PM発生量を低減することができる。
具体的には、エンジンECU10は、点火プラグ18に指令し、点火時期(点火タイミング)を進角させる制御を実行する。
また、上記(4)の制御を実行することで、ピストン12への噴射燃料の衝突エネルギーによって、ピストン12の頂面等に付着したデポジットを剥離させ、燃焼室11に付着するデポジット量を低減させることができる。更に、燃焼室11の温度を上昇させてピストン12に衝突した燃料を迅速に気化させることで、ピストン12への燃料の衝突による新たなデポジットの生成を抑制することができる。よって、エンジン100の燃費の悪化を抑制しつつ、PM発生量を低減することができる。
具体的には、エンジンECU10は、インジェクタ21に指令し、噴射燃料がピストン上死点近傍でピストン12の頂面に衝突可能な噴射タイミングに設定する制御を実行する(図3下段参照)。
また、エンジンECU10は、燃圧センサ33および燃料性状検出センサ34の検出結果に基づいてフューエルポンプ24に指令し、インジェクタ21へ供給する燃料圧力を上昇させて、噴射燃料の衝突エネルギーを向上させる制御を実行する。
そして、エンジンECU10は、インジェクタ21に指令し、機関が1サイクルに要求する燃料を可能な限り少ない噴射回数によって供給する、すなわち、噴射回数を減少することで、噴射燃料の衝突エネルギーを向上させる制御を実行する。
更に、エンジンECU10は、電動VVT機構22および油圧VVT機構23に指令し、吸気弁19のバルブタイミングを進角化させ、かつ排気弁20のバルブタイミングを遅角化させる制御を実行する。これによって、排気ガスの一部が燃焼室11に残留し燃焼室11の温度が上昇するために、ピストン12に衝突した燃料を迅速に気化させることができる。
エンジンECU10は、デポジット量検出センサ35が検出する燃焼室11に付着するデポジット量が所定量D2未満になるまで上記(3)(4)の少なくともいずれかの制御を実行する。ここで、デポジット量の所定量D2とは、燃焼室11に付着するデポジット量がエンジン100の燃費および排気エミッションに悪影響を及ぼす規定量よりも充分に低いと判断できる任意のデポジット量に設定することができる。
この場合、エンジンシステム2は、デポジット量検出センサ35の検出結果に代えて、PM量検出センサ36の検出結果に基づいて燃焼室11に付着するデポジット量を認識することで制御の終了を判断してもよい。
本実施例の制御を実行することで、燃焼室11で生成されるPM量から燃焼室11に付着するデポジット量を精度良く認識し、認識したデポジット量に基づいて燃焼室11に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行することができる。また、燃料噴射量を増量せずに燃焼室11に付着するデポジット量を低減することができることから、エンジン100の燃費の悪化を抑制することができる。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室11へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる(図4参照)。
この場合、エンジンECU10は、上記(3)(4)の全ての制御を実行してもよいし、任意の制御のみを実行してもよい。また、エンジンECU10は、電動VVT機構22または油圧VVT機構23のいずれか一方に指令し、吸気弁19のバルブタイミングの進角化または排気弁20のバルブタイミングの遅角化のいずれか一方を実行してもよい。
なお、エンジンECU10は、本発明の粒子状物質量検出手段、認識手段および燃焼制御手段の一構成例である。
つづいて、エンジンECU10の制御の流れに沿って、エンジンシステム2の動作を説明する。図6は、エンジンECU10の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例のエンジンシステム2は、燃焼室11で生成されるPM量から燃焼室11に付着するデポジット量を認識し、認識したデポジット量に基づいて、燃焼室11に付着するデポジット量を低減する制御を実行する。
エンジンECU10の制御は、イグニッションスイッチがONされてエンジン100が始動されると開始し、エンジン100の運転中に以下の制御の処理を繰り返す。また、エンジンECU10は、その制御の処理中、クランク角センサ31、水温センサ32、燃圧センサ33、燃料性状検出センサ34、デポジット量検出センサ35およびPM量検出センサ36の検出結果を常に受信する。
まず、エンジンECU10はステップS8で、クランク角センサ31、水温センサ32、燃圧センサ33、燃料性状検出センサ34等の検出結果に基づいて、エンジン100を適切に運転するための噴射タイミング,燃料圧力,噴射回数,バルブタイミング等の制御(燃焼制御)の実行を開始する。エンジンECU10は、ステップS8の処理を終えると、次のステップS9へ進む。
ステップS9で、エンジンECU10は、PM量検出センサ36が検出する燃焼室11で生成されるPM量が所定量P2を超えるか否かを判断する。なお、PM量の所定量P2については前述したために、その詳細な説明は省略する。PM量が所定量P2を超えない場合(ステップS9/NO)、エンジンECU10は、燃焼室11に付着するデポジット量がエンジン100の燃費および排気エミッションに悪影響を及ぼす規定量を超えていないと判断し、制御の処理を終了する。PM量が所定量P2を超える場合(ステップS9/YES)は、エンジンECU10は、燃焼室11に付着するデポジット量がエンジン100の燃費および排気エミッションに悪影響を及ぼす規定量を超えていると判断し、次のステップS10へ進む。
ステップS10で、エンジンECU10は、点火タイミングを進角させるよう点火プラグ18に指令し、燃焼室11の圧力を上昇させる制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS10の処理を終えると、次のステップS11へ進む。
ステップS11で、エンジンECU10は、噴射燃料がピストン上死点近傍でピストン12の頂面に衝突可能な噴射タイミングに設定するようインジェクタ21に指令し、ピストン12の頂面に付着したデポジットに噴射燃料を衝突させる制御を実行する(図3下段参照)。エンジンECU10は、ステップS11の処理を終えると、次のステップS12へ進む。
ステップS12で、エンジンECU10は、燃圧センサ33および燃料性状検出センサ34の検出結果に基づいて、インジェクタ21へ供給する燃料圧力を上昇させるようフューエルポンプ24に指令し、噴射燃料の衝突エネルギーを向上させる制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS12の処理を終えると、次のステップS13へ進む。
ステップS13で、エンジンECU10は、機関が1サイクルに要求する燃料を可能な限り少ない噴射回数によって供給する(噴射回数を減少させる)ようインジェクタ21に指令し、噴射燃料の衝突エネルギーを向上させる制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS13の処理を終えると、次のステップS14へ進む。
ステップS14で、エンジンECU10は、吸気弁19のバルブタイミングを進角化させ、かつ排気弁20のバルブタイミングを遅角化させるよう電動VVT機構22および油圧VVT機構23に指令し、燃焼室11の温度を上昇させる制御を実行する。エンジンECU10は、ステップS14の処理を終えると、次のステップS15へ進む。
ステップS15で、エンジンECU10は、デポジット量検出センサ35が検出する燃焼室11に付着するデポジット量が所定量D2未満であるか否かを判断する。なお、デポジット量の所定量D2については前述したために、その詳細な説明は省略する。デポジット量が所定量D2未満でない場合(ステップS15/NO)、エンジンECU10は、燃焼室11に付着するデポジット量がエンジン100の燃費および排気エミッションに悪影響を及ぼす規定量よりも充分に低くないと判断し、ステップS10に戻り上記の制御を繰り返す。デポジット量が所定量D2未満である場合(ステップS15/YES)は、エンジンECU10は、燃焼室11に付着するデポジット量がエンジン100の燃費および排気エミッションに悪影響を及ぼす規定量よりも充分に低いと判断し、制御の処理を終了する。
この制御を実行することで、燃料噴射量を増量させることなく、燃焼室11に付着するデポジット量を低減することができる。また、噴射燃料の気化を促進して燃焼室11への新たなデポジットの生成を抑制することができる。そのため、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室11へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
以上のように、本実施例のエンジンシステムは、燃焼室で生成されるPM量から燃焼室に付着するデポジット量を認識し、認識したデポジット量に基づいて、燃焼室に付着するデポジット量を低減しつつ、燃焼室への新たなデポジットの生成を抑制する制御を実行する。よって、燃費の悪化を抑制しつつ、燃焼室へのデポジット生成および排気エミッションの悪化を抑制することができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、デポジット量検出センサ35、PM量検出センサ36のいずれか一方のみを備える構成であってもよい。また、排気通路16に、排気通路16を流通する排気ガス中のPM量を検出可能な排気PM量検出センサを設けることで、PM量検出センサ36に代えてもよい。
更に、排気PM量を低減する制御として、スロットルバルブ17の開度を調整することによる吸入空気量の制御を実行してもよい。
1,2 エンジンシステム
10 エンジンECU(デポジット量検出手段,粒子状物質量検出手段,認識手段,燃焼制御手段)
11 燃焼室
12 ピストン
19 吸気弁
20 排気弁
21 インジェクタ(燃料噴射弁)
22 電動VVT機構
23 油圧VVT機構
24 フューエルポンプ
35 デポジット量検出センサ(デポジット量検出手段)
36 PM量検出センサ(粒子状物質量検出手段)
100 エンジン

Claims (11)

  1. 内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射可能な燃料噴射弁を有する内燃機関の制御装置であって、
    前記燃焼室の状態を認識する認識手段と、
    前記認識手段の認識結果に基づいて、前記内燃機関の燃焼制御を実行する燃焼制御手段と、
    を備える内燃機関の制御装置。
  2. 前記認識手段は、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を認識し、
    前記燃焼制御手段は、前記認識手段が認識した粒子状物質量に基づいて、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼室に付着するデポジット量を検出するデポジット量検出手段を備え、
    前記認識手段は、前記デポジット量検出手段が検出するデポジット量から前記燃焼室で生成される粒子状物質量を認識することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記デポジット量検出手段は、前記燃焼室の少なくともピストンに付着するデポジット量を検出することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃焼室で生成される粒子状物質量を検出する粒子状物質量検出手段を備え、
    前記認識手段は、前記粒子状物質量検出手段が検出する粒子状物質量から前記燃焼室で生成される粒子状物質量を認識することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃焼制御手段は、前記内燃機関の吸気弁および排気弁の開閉弁時期、前記燃料噴射弁の燃料噴射時期、噴射回数、燃料圧力、の少なくともいずれかを変更することで、前記燃焼室で生成される粒子状物質量を低減する燃焼制御を実行することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記認識手段は、前記燃焼室に付着するデポジット量を認識し、
    前記燃焼制御手段は、前記認識手段が認識するデポジット量に基づいて、前記燃焼室に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記燃焼室で生成される粒子状物質量を検出する粒子状物質量検出手段を備え、
    前記認識手段は、前記粒子状物質量検出手段が検出する粒子状物質量から前記燃焼室に付着するデポジット量を認識することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記燃焼室に付着するデポジット量を検出するデポジット量検出手段を備え、
    前記認識手段は、前記デポジット量検出手段が検出するデポジット量から前記燃焼室に付着するデポジット量を認識することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記認識手段は、前記燃焼室の少なくともピストンに付着するデポジット量を認識することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記燃焼制御手段は、前記内燃機関の点火時期、吸気弁および排気弁の開閉弁時期、前記燃料噴射弁の燃料噴射時期、噴射回数、燃料圧力、の少なくともいずれかを変更することで、前記燃焼室に付着するデポジット量を低減する燃焼制御を実行することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。

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