JP2011201874A - 多環式化合物及び有機半導体デバイス - Google Patents

多環式化合物及び有機半導体デバイス Download PDF

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光弘 松本
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Abstract

【課題】有機半導体活性層の薄膜を与え得る新規化合物の提供。
【解決手段】式(1)
Figure 2011201874

(式中、環構造Cは、式(C1)、式(C2)または式(C3)で示される環を表わす。
Figure 2011201874

(式中、PおよびQは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはテルル原子を表わす。W、X、YおよびZは、硫黄原子、セレン原子またはN−(R15)等を表わす。環構造Aおよび環構造Bは、芳香族性炭素環または芳香族性複素環を表わす。R はアルキル基を表わす。))で示される多環式化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、多環式化合物及び有機半導体デバイス等に関する。
有機半導体デバイスの1種である有機トランジスタは、電子ペーパー、大画面フラットパネルディスプレイ等の素子として用いられる。このような有機トランジスタは、有機半導体活性層、基板、絶縁層、電極等の部材から構成されている。有機半導体活性層を与える化合物としては、非特許文献1に、ペンタセンが記載されており、ペンタセンを真空蒸着して得られた薄膜を有機半導体活性層に用いることも知られている。
J.Appl.Phys.,92,5259(2002)
このような状況下、有機半導体活性層の薄膜を与え得る新規な化合物が求められている。
かかる課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
[1] 式(1)
Figure 2011201874
(式中、環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環を表わす。
Figure 2011201874
(式中、PおよびQは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはテルル原子を表わし、上記環を構成するベンゼン環は置換基を有していてもよい。
W、X、YおよびZは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、SO、(R11)−C−(R12)、(R13)−Si−(R14)またはN−(R15)を表わし、かつ、W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも1つは、N−(R15)である。
環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環または置換基を有していてもよい芳香族性複素環を表わし、環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、かつ、XおよびYがN−(R15)であるときは、環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環である。
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基または水素原子を表わし、R15はそれぞれ独立して、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基を表わす。)
で示される多環式化合物。
[2] W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはN−(R15)であり、かつ、W,X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも1つが、N−(R15)であることを特徴とする[1]記載の多環式化合物。
[3] W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも2つが、N−(R15)であることを特徴とする[1]または[2]記載の多環式化合物。
[4] 環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の多環式化合物。
[5] 環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の多環式化合物。
[6] 環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の多環式化合物。
[7] 置換基を有していてもよい芳香族性炭素環が、置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基を有していてもよいナフタレン環であり、置換基を有していてもよい芳香族性複素環が、置換基を有していてもよいチオフェン環、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環または置換基を有していてもよいチエノ[3,2−b]チオフェン環であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか記載の多環式化合物。
[8] 環構造Cが、チエノ[b]チオフェン環、置換基を有していてもよいベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環または置換基を有していてもよいベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン環であることを特徴とする[7]記載の多環式化合物。
[9] 環構造Cが、チエノ[3,2−b]チオフェン環または無置換のベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環であることを特徴とする[7]または[8]記載の多環式化合物。
[10] WおよびXのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であることを特徴とする[7]〜[9]のいずれか記載の多環式化合物。
[11] XがN−(R15)であり、Wが硫黄原子であり、YがN−(R15)であり、Zが硫黄原子であることを特徴とする[10]記載の多環式化合物。
[12] WがN−(R15)であり、Xが硫黄原子であり、ZがN−(R15)であり、Yが硫黄原子であることを特徴とする[10]記載の多環式化合物。
[13] 環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であることを特徴とする[5]記載の多環式化合物。
[14] XおよびYが同一のN−(R15)であり、WおよびZが硫黄原子であることを特徴とする[5]または[13]記載の多環式化合物。
[15] 環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいナフタレン環または置換基を有していてもよいチオフェン環であることを特徴とする[6]記載の多環式化合物。
[16] WおよびZが同一のN−(R15)であり、XおよびYの両方が、硫黄原子または酸素原子であることを特徴とする[6]または[15]記載の多環式化合物。
[17] [1]〜[16]のいずれか記載の多環式化合物を含む薄膜。
[18] [1]〜[16]のいずれか記載の多環式化合物からなる薄膜。
[19] [17]または[18]記載の薄膜を含む有機トランジスタ。
[20] [17]または[18]記載の薄膜を含む有機半導体デバイス。
本発明によれば、有機半導体活性層を与え得る新規な化合物が提供可能である。
本発明の多環式化合物を含む薄膜を有機半導体活性層として含む有機トランジスタの一実施形態を示す概略図である。 本発明の多環式化合物を含む薄膜を有機半導体活性層として含む有機トランジスタについて、図1とは異なる実施形態を示す概略図である。
まず、本発明の式(1)で示される多環式化合物(以下、化合物(1)と略記する。)について説明する。
化合物(1)は、W、X、YおよびZをそれぞれ含む4つの5員環並びに環構造A、環構造B及び環構造Cからなる化合物である。化合物(1)におけるW、X、YおよびZは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、SO、(R11)−C−(R12)、(R13)−Si−(R14)またはN−(R15)を表わし、かつ、W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも1つは、N−(R15)、すなわち、ハロゲン原子を有してもよいアルキル基を有する窒素原子である。
15で示されるハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基および上記アルキル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基等が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよいアルキル基の炭素数としては、1〜30であり、好ましくは1〜20である。
W、X、YおよびZとしては、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはN−(R15)であり、かつ、W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも1つが、N−(R15)であることが好ましく、W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはN−(R15)であり、かつ、W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも2つが、N−(R15)であることがより好ましい。
W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはN−(R15)であり、かつ、W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも2つが、N−(R15)であることが特に好ましい。
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基または水素原子を表わし、ハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、上記R15と同様の基が挙げられる。
化合物(1)の合成が容易であるという点で、XとYが同一であることが好ましく、WとZが同一であることが好ましい。
式(1)において、環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環(以下、芳香環と略記する。)または置換基を有していてもよい芳香族性複素環(以下、複素環と略記する。)を表わす。
環構造Aおよび環構造Bの芳香環は、芳香族性を有する環であり、環構造Aの芳香環は、6〜14個の炭素原子から構成され、Wを含む5員環と2つの炭素原子を共有する炭素環である。環構造Bの芳香環は、6〜14個の炭素原子から構成され、Zを含む5員環と2つの炭素原子を共有する炭素環である。かかる芳香環は1つ以上の置換基を有していてもよい。
無置換の芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環およびフルオレン環が挙げられ、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
環構造Aおよび環構造Bの複素環は、芳香族性を有し、少なくとも一つの異種原子を含む環である。環構造Aの複素環は、環を構成する原子の数が5〜12であり、Wを含む5員環と2つの炭素原子を共有する炭素環である。環構造Bの複素環は、環を構成する原子の数が5〜12であり、Zを含む5員環と2つの炭素原子を共有する炭素環である。かかる複素環は1つ以上の置換基を有していてもよい。異種原子としては、酸素原子、セレン原子、硫黄原子および窒素原子が挙げられる。複素環に含まれる異種原子の数は、1個または2個であることが好ましい。
無置換の複素環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等の単環の複素環、および、チエノ[3,2−b]チオフェン環、フロ[3,2−b]フラン環、チエノ[3,2−b]フラン環、ベンゾ[b]チオフェン環、ベンゾ[b]フラン環等の二環の複素環が挙げられる。
環構造Aおよび環構造Bの複素環としては、チオフェン環、フラン環、セレノフェン環、ピロール環、チアゾール環、チエノ[3,2−b]チオフェン環、フロ[3,2−b]フラン環、チエノ[3,2−b]フラン環、ベンゾ[b]チオフェン環およびベンゾ[b]フラン環が好ましく、2位および3位の炭素原子をWまたはZを含む環と共有するチオフェン環、2位および3位の炭素原子をWまたはZを含む環と共有するチエノ[3,2−b]チオフェン環および2位および3位の炭素原子をWまたはZを含む環と共有するベンゾ[b]チオフェン環がより好ましく、2位および3位の炭素原子をWまたはZを含む環と共有するチオフェン環が特に好ましい。
環構造Aおよび環構造Bの芳香環および複素環の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキル置換アリール基、アルコキシ置換アリール基、ヘテロアリール基、アルキル置換へテロアリール基、アルコキシ置換へテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルチオ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、(トリアルキル)シリル基、(ジアルキル)アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基およびニトロ基等が挙げられる。前記したアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキル置換アリール基、アルコキシ置換アリール基、ヘテロアリール基、アルキル置換へテロアリール基、アルコキシ置換へテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルチオ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、(トリアルキル)シリル基および(ジアルキル)アミノ基は、ハロゲン原子を有していてもよい。
中でも、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、ハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル置換アリール基、ハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ置換アリール基、ハロゲン原子を有していてもよいへテロアリール基、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル置換へテロアリール基、ハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ置換へテロアリール基、ハロゲン原子を有していてもよい(トリアルキル)シリル基およびハロゲン原子が好ましく、
ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、ハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子を有していてもよいへテロアリール基、ハロゲン原子を有していてもよい(トリアルキル)シリル基およびハロゲン原子がより好ましく、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、へテロアリール基およびハロゲン原子がとりわけより好ましい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、臭素原子およびヨウ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記アルキル基としては、直鎖状アルキル基、分枝鎖状アルキル基および環状アルキル基が挙げられ、炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が好ましい。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基およびn−トリアコンチル基等が挙げられ、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜16のアルキル基がより好ましい。ハロゲン原子を有するアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、直鎖状、分枝鎖状および環状アルコキシ基が挙げられ、炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、2−ヘキシルデシル基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、n−ヘンイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基、n−ペンタコシルオキシ基、n−ヘキサコシルオキシ基、n−ヘプタコシルオキシ基、n−オクタコシルオキシ基、n−ノナコシルオキシ基、n−トリアコンチルオキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシメトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基およびポリエチレングリコキシ基等が挙げられ、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜16のアルコキシ基がより好ましい。ハロゲン原子を有するアルコキシ基としては、上記アルコキシ基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられ、フェニル基およびナフチル基が好ましい。ハロゲン原子を有するアリール基としては、上記アリール基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記へテロアリール基としては、単環または二環のヘテロアリール基が好ましく、例えば、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、チエノ[3,2−b]チエニル基、フロ[3,2−b]フリル基、チエノ[3,2−b]フリル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾ[b]フリル基であり、更に好ましくは、チエニル基、フリル基、チエノ[3,2−b]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基およびベンゾ[b]フリル基等がより好ましい。ハロゲン原子を有するへテロアリール基としては、上記へテロアリール基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アルキル置換アリール基とは、上記アリール基の水素原子の一部または全てが上記アルキル基に置き換わった基である。
上記アルコキシ置換アリール基とは、上記アリール基の水素原子の一部または全てが上記アルコキシ基に置き換わった基である。
上記アルキル置換ヘテロアリール基とは、上記ヘテロアリール基の水素原子の一部または全てが上記アルキル基に置き換わった基である。
上記アルケニル基としては、直鎖状アルケニル基および分枝鎖状アルケニル基が挙げられ、炭素数2〜30の直鎖状または分枝鎖状アルケニル基が好ましい。具体的には、エテニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−シクロヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デケニル基、1−ウンデケニル基、1−ドデケニル基、1−トリデケニル基、1−テトラデケニル基、1−ペンタデケニル基、1−ヘキサデケニル基、1−ヘプタデケニル基、1−オクタデケニル基、1−ノナデケニル基、1−イコセニル基、1−ヘンイコセニル基、1−ドコセニル基、1−トリコセニル基、1−テトラコセニル基、1−ペンタコセニル基、1−ヘキサコセニル基、1−ヘプタコセニル基、1−オクタコセニル基、1−ノナコセニル基および1−トリアコンテニル基等が挙げられ、炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜16のアルケニル基がより好ましい。ハロゲン原子を有するアルケニル基としては、上記アルケニル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アルキニル基としては、直鎖状アルキニル基および分枝鎖状アルキニル基が挙げられ、炭素数2〜30の直鎖状または分枝鎖状アルキニル基が好ましい。具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−ノニニル基、1−デキニル基、1−ウンデキニル基、1−ドデキニル基、1−トリデキニル基、1−テトラデキニル基、1−ペンタデキニル基、1−ヘキサデキニル基、1−ヘプタデキニル基、1−オクタデキニル基、1−ノナデキニル基、1−イコシニル基、1−ヘンイコシニル基、1−ドコシニル基、1−トリコシニル基、1−テトラコシニル基、1−ペンタコシニル基、1−ヘキサコシニル基、1−ヘプタコシニル基、1−オクタコシニル基、1−ノナコシニル基および1−トリアコンチニル基等が挙げられ、炭素数2〜20のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜16のアルキニル基がより好ましい。ハロゲン原子を有するアルキニル基としては、上記アルキニル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アルキルチオ基としては、直鎖状、分枝鎖状および環状のアルキルチオ基が挙げられ、炭素数1〜30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキルチオ基が好ましい。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、シクロヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、シクロオクチルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、2−ヘキシルデシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基、n−ヘプタデシルチオ基、n−オクタデシルチオ基、n−ノナデシルチオ基、n−イコシルチオ基、n−ヘンイコシルチオ基、n−ドコシルチオ基、n−トリコシルチオ基、n−テトラコシルチオ基、n−ペンタコシルチオ基、n−ヘキサコシルチオ基、n−ヘプタコシルチオ基、n−オクタコシルチオ基、n−ノナコシルチオ基およびn−トリアコンチルチオ基等が挙げられ、炭素数2〜20のアルキルチオ基が好ましく、炭素数2〜16のアルキルチオ基がより好ましい。ハロゲン原子を有するアルキルチオ基としては、上記アルキルチオ基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アルキルカルボニル基としては、直鎖状のアルキルカルボニル基および分枝鎖状のアルキルカルボニル基が挙げられ、炭素数2〜30の直鎖状または分枝鎖状のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜17の直鎖状または分枝鎖状のアルキルカルボニル基がより好ましい。具体的には、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、n−ドデシルカルボニル基、n−ペンタデシルカルボニル基およびn−イコシルカルボニル基等が挙げられる。ハロゲン原子を有するアルキルカルボニル基としては、上記アルキルカルボニル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記アルコキシカルボニル基としては、直鎖状アルコキシカルボニル基および分枝鎖状アルコキシカルボニル基が挙げられ、炭素数2〜30の直鎖状または分枝鎖状アルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数2〜17の直鎖状または分枝鎖状アルコキシカルボニル基がより好ましい。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基、n−ペンタデシルオキシカルボニル基およびn−イコシルオキシカルボニル基が挙げられる。ハロゲン原子を有するアルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシカルボニル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記(トリアルキル)シリル基としては、3つの炭素数1〜30のアルキル基がケイ素原子に結合している基が挙げられる。具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−s−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、t−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基およびジメチル−n−ドデシルシリル基等が挙げられ、3つの炭素数1〜6のアルキル基がケイ素原子に結合している基が好ましい。ハロゲン原子を有する(トリアルキル)シリル基としては、3つのアルキル基がケイ素原子に結合している基であって、少なくとも一つのアルキル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
上記(ジアルキル)アミノ基としては、2つの炭素数1〜30のアルキル基が窒素原子に結合している基、つまり、アミノ基の2つの水素原子が、それぞれ、炭素数1〜30のアルキル基に置き換わった基が挙げられる。好ましくは、2つの炭素数1〜10のアルキル基が窒素原子に結合している基である。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−s−ブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、t−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基およびジ−n−デシルアミノ基等が挙げられる。ハロゲン原子を有する(ジアルキル)アミノ基としては、2つのアルキル基が窒素原子に結合している基であって、少なくとも一つのアルキル基の水素原子の一部または全てがハロゲン原子に置き換わった基が挙げられる。
環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環を表わす。
Figure 2011201874
(式中、PおよびQは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはテルル原子を表わし、上記環を構成するベンゼン環は置換基を有していてもよい。)
式(C2)および(C3)において、PおよびQは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であることが好ましく、硫黄原子または酸素原子であることがより好ましく、硫黄原子であることがとりわけ好ましい。
上記式(C1)および式(C3)で示される環を構成するベンゼン環の置換基としては、上記環構造Aおよび環構造Bの置換基と同様の基が挙げられ、好ましい置換基も、上記環構造Aおよび環構造Bの好ましい置換基と同様の基が挙げられる。
式(C2)で示される環としては、例えば、チエノ[3,2−b]チオフェン環、フロ[3,2−b]フラン環、セレノ[3,2−b]セレノフェン環、チエノ[3,2−b]フラン環、チエノ[3,2−b]セレノフェン環およびセレノ[3,2−b]フラン環等が挙げられ、チエノ[3,2−b]チオフェン環が好ましい。
式(C3)で示される環としては、例えば、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン環およびベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジセレノフェン環等が挙げられ、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環およびベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン環が好ましく、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環がより好ましい。
化合物(1)において、環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、かつ、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)である場合、環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環である。この場合、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であることが好ましく、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子であることがより好ましく、WおよびZが硫黄原子であることがとりわけ、より好ましい。また、この場合、XおよびYが、同一のN−(R15)であることが好ましい。
化合物(1)において、環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であることが好ましい。より好ましくは、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)である。とりわけより好ましくは、XおよびYが硫黄原子であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)である。また、この場合、WおよびZが、同一のN−(R15)であることが好ましい。
化合物(1)において、環構造が、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環である場合、WおよびXのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であることが好ましい。より好ましくは、WおよびXのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子または酸素原子である。とりわけより好ましくは、WおよびXのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一である。
化合物(1)としては、
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、WおよびZが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、XおよびYが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、WおよびZが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子または酸素原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C1)で示されるベンゼン環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびZが、同一のN−(R15)であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基であり、XおよびYが硫黄原子である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゼン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいナフタレン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいチオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子または酸素原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YおよびZのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);および、
環構造Cが、式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、環構造Aおよび環構造Bが同一であり、かつ、ハロゲン原子、アルキル基、(トリアルキル)シリル基、アリール基またはヘテロアリール基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環であり、WおよびXのうちの一方が、N−(R15)であり、他方が、硫黄原子であり、YがXと同一であり、ZがWと同一であり、R15が炭素数1〜30のアルキル基である化合物(1);
等が挙げられる。
化合物(1)としては、例えば、下記式(1−1)〜式(1−45)、式(2−1)〜式(2−65)および式(3−1)〜式(3−90)で示される化合物等を挙げることができる。
Figure 2011201874
Figure 2011201874
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これらの中でも、式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−5)、(1−6)、(1−7)、(1−14)、(1−16)、(1−17)、(1−18)、(1−19)、(1−20)、(1−21)、(1−22)、(1−23)、(1−26)、(1−29)、(1−31)、(1−32)、(1−33)、(1−34)、(1−35)、(1−36)、(1−37)、(1−41)、(1−44)、(1−45)、(2−1)、(2−2)、(2−3)、(2−4)、(2−5)、(2−6)、(2−7)、(2−8)、(2−9)、(2−10)、(2−11)、(2−12)、(2−13)、(2−14)、(2−15)、(2−17)、(2−19)、(2−20)、(2−21)、(2−22)、(2−24)、(2−26)、(2−27)、(2−28)、(2−29)、(2−30)、(2−31)、(2−33)、(2−35)、(2−36)、(2−38)、(2−40)、(2−42)、(2−43)、(2−45)、(2−46)、(2−47)、(2−48)、(2−51)、(2−52)、(2−53)、(3−1)、(3−2)、(3−3)、(3−4)、(3−5)、(3−6)、(3−7)、(3−8)、(3−11)、(3−12)、(3−16)、(3−17)、(3−18)、(3−19)、(3−20)、(3−21)、(3−22)、(3−23)、(3−26)、(3−27)、(3−28)、(3−29)、(3−30)、(3−31)、(3−32)、(3−33)、(3−34)、(3−35)、(3−36)、(3−37)、(3−38)、(3−41)、(3−42)、(3−46)、(3−47)、(3−48)、(3−49)、(3−50)、(3−51)、(3−52)、(3−53)、(3−54)、(3−55)、(3−57)、(3−61)、(3−62)、(3−63)、(3−64)、(3−65)、(3−66)、(3−67)、(3−68)、(3−69)、(3−70)、(3−71)、(3−72)、(3−76)、(3−77)、(3−78)、(3−79)、(3−81)、(3−82)、(3−83)、(3−84)、(3−85)、(3−86)、(3−87)および(3−88)で示される化合物が好ましく、
式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−14)、(1−16)、(1−17)、(1−18)、(1−19)、(1−21)、(1−31)、(1−32)、(1−33)、(1−34)、(1−36)、(1−44)、(2−1)、(2−2)、(2−3)、(2−4)、(2−5)、(2−6)、(2−7)、(2−8)、(2−9)、(2−10)、(2−14)、(2−19)、(2−20)、(2−21)、(2−28)、(2−29)、(2−47)、(3−1)、(3−2)、(3−3)、(3−4)、(3−5)、(3−6)、(3−7)、(3−8)、(3−11)、(3−16)、(3−17)、(3−18)、(3−19)、(3−20)、(3−21)、(3−22)、(3−23)、(3−26)、(3−28)、(3−29)、(3−30)、(3−31)、(3−32)、(3−33)、(3−34)、(3−35)、(3−36)、(3−37)、(3−38)、(3−41)、(3−51)、(3−52)、(3−53)、(3−54)、(3−55)、(3−61)、(3−62)、(3−63)、(3−64)、(3−65)、(3−66)、(3−67)、(3−68)、(3−69)、(3−70)、(3−71)、(3−72)、(3−81)、(3−83)、(3−84)および(3−85)で示される化合物がより好ましい。
化合物(1)は、後述するように、真空プロセスで薄膜を形成することができる。また、化合物(1)は有機溶媒への溶解性に優れることから、基板等に塗布する方法によっても、薄膜を形成することができる。前記有機溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フルオロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1’,2,2’−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル溶媒;ペンタン、ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、グルタロジニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;および、ジメチルスルホキサイド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒およびエーテル溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、o−ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルムおよびテトラヒドロフランがより好ましい。2種以上の有機溶媒を組み合わせて用いることができる。
化合物(1)を有機溶媒に溶解させることにより得られる溶液中の化合物(1)の濃度は、通常0.001〜50重量%であり、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
上記溶液は、後述する薄膜(有機半導体活性層)のキャリア移動度を著しく損なわない範囲であれば、酸化防止剤、安定剤等の添加剤を含有していてもよい。
上記溶液は、例えば、有機溶媒に、化合物(1)を、通常10〜200℃、好ましくは20〜150℃で溶解させることにより、調製することができる。
以下、化合物(1)の製造方法について説明する。
環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、XおよびYがN−(R15)である化合物(1)は、例えば、式(2):
Figure 2011201874
(式中、環構造A、環構造B、WおよびZは、それぞれ上記と同一の意味を表わし、環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環であり、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)と、式(4):
15−NH (4)
(R15は、上記と同じ定義である。)
で示されるアミン化合物(以下、アミン化合物(4)と略記する。)との反応により製造することができる。
およびRで示されるハロゲン原子としては、臭素およびヨウ素が挙げられる。
化合物(2)としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2011201874
Figure 2011201874
Figure 2011201874
化合物(2)とアミン化合物(4)との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、上記反応に不活性な有機溶媒であればよく、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、メタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の炭素数1〜4のアルコール溶媒、および、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル溶媒が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒および脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、芳香族炭化水素溶媒がより好ましく、トルエンおよびキシレンが特に好ましい。二種以上の有機溶媒を組み合わせて用いてもよい。
アミン化合物(4)の使用量は、化合物(2)1モルに対して、例えば、1〜50モルであり、2〜20モルが好ましく、2〜15モルがより好ましい。
有機溶媒に化合物(2)を溶解させたとき、得られる溶液中の化合物(2)が、溶媒1リットル当たり、例えば、0.0001〜20モル、好ましくは、0.001〜10モル、より好ましくは、0.01〜5モルとなるような量の溶媒が用いられる。
化合物(2)とアミン化合物(4)との反応は、パラジウム触媒および塩基の存在下で行われることが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、化合物(2)1モルに対して、パラジウム原子として、例えば、0.0001〜0.3モルであり、0.0001〜0.2モルが好ましい。
パラジウム触媒は、例えば、配位子とパラジウム化合物とを、有機溶媒中で接触させることにより調製することができる。反応に先立って、配位子とパラジウム化合物とを有機溶媒中で接触させることにより調製したパラジウム触媒を、反応に用いてもよい。また、配位子とパラジウム化合物とを反応系内で接触させることにより、反応系中でパラジウム触媒を調製してもよい。
配位子としては、パラジウムに配位可能であって、かつ、有機溶媒に可溶であればよく、単座配位子、多座配位子およびカルベン配位子が挙げられ、単座配位子が好ましく、単座ホスフィン配位子がより好ましい。
単座ホスフィン配位子としては、トリ(n−ブチル)ホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリナフチルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィンおよびジシクロヘキシルナフチルホスフィンが挙げられ、トリ(t−ブチル)ホスフィンが好ましい。
二座配位子としては、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル、5,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−4,4’−ビ(1,3−ベンゾジオキソール)等の2つのリン原子を有する二座ホスフィン配位子、および、2−(N,N−ジメチルアミノ)−2’−(ジシクロヘキシルアミノ)ビフェニル等の1つの窒素原子と1つのリン原子を有する二座アミノホスフィン配位子が挙げられる。
市販されている配位子を用いてもよいし、公知の方法により製造した配位子を用いてもよい。
配位子の使用量は、パラジウム化合物に含まれるパラジウム原子1モルに対して、通常0.5〜20モルである。
パラジウム化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム、ジブロモビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジ−μ−クロロビス(π−アリル)ジパラジウム、ジクロロビス(ピリジン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ−[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム・ジクロロメタン錯体等の2価のパラジウム化合物、および、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム・クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の0価のパラジウム化合物が挙げられ、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム・クロロホルム錯体が好ましい。市販されているパラジウム化合物を用いてもよいし、公知の方法により製造したパラジウム化合物を用いてもよい。
塩基としては、例えば、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;リン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;および、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;が挙げられ、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属アルコキシドが好ましく、アルカリ金属アルコキシドがより好ましく、炭素数1〜6のアルカリ金属アルコキシドが特に好ましい。二種以上の塩基を組み合わせて用いてもよい。
塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して、例えば、0.1〜25モルであり、1〜20モルが好ましく、2〜10モルがより好ましい。塩基の使用量が0.1モル以上であると、未反応のアミン化合物(4)が低減する傾向があることから好ましい。
反応温度は、通常0℃〜反応混合物の還流温度の範囲であり、40〜200℃が好ましい。反応時間は、例えば、1分〜120時間の範囲を挙げることができる。
所定時間反応を行った後、例えば、反応混合物に、水または希塩酸を加えることにより、反応をクエンチすることができる。反応をクエンチした後、抽出、洗浄等の通常の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を取り出すことができる。取り出した化合物(1)は、再結晶、昇華、各種クロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製することができる。
化合物(2)は、例えば、特開2008−081494号公報等に記載された方法により製造することができる。
環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)である化合物(1)は、例えば、式(3)
Figure 2011201874
(式中、環構造A、環構造B、XおよびYは上記と同一の意味を表わし、環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環であり、RおよびRは、独立して、ハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(3)と略記する。)とアミン化合物(4)との反応により製造することができる。
およびRで示されるハロゲン原子としては、臭素およびヨウ素が挙げられる。
化合物(3)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011201874
化合物(3)とアミン化合物(4)との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、上記反応に不活性な有機溶媒であればよく、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、ジメトキシエタン等の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、メタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の炭素数1〜4のアルコール溶媒、および、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒および脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、芳香族炭化水素溶媒がより好ましく、トルエンおよびキシレンが特に好ましい。二種以上の有機溶媒を組み合わせて用いてもよい。
式(4)で示されるアミン化合物の使用量は、化合物(3)1モルに対して、例えば、1〜50モルであり、2〜20モルが好ましく、2〜15モルがより好ましい。
有機溶媒に化合物(3)を溶解させたとき、得られる溶液中の化合物(3)が、溶媒1リットル当たり、例えば、0.0001〜20モル、好ましくは、0.001〜10モル、より好ましくは、0.01〜5モルとなるような量の溶媒が用いられる。
化合物(3)とアミン化合物(4)との反応は、パラジウム触媒および塩基の存在下で行われることが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、化合物(3)1モルに対して、パラジウム原子として、例えば、0.0001〜0.3モルであり、好ましくは0.0001〜0.2モルである。
パラジウム触媒は、通常、配位子とパラジウム化合物とを、有機溶媒中で接触させることにより調製することができる。反応に先立って、配位子とパラジウム化合物とを有機溶媒中で接触させることにより調製したパラジウム触媒を、反応に用いてもよい。また、配位子とパラジウム化合物とを反応系内で接触させることにより、反応系中でパラジウム触媒を調製してもよい。
配位子としては、前記化合物(2)とアミン化合物(4)との反応において用いられる配位子と同様のものが挙げられる。パラジウム化合物も、前記化合物(2)とアミン化合物(4)との反応において用いられるパラジウム化合物と同様のものが挙げられる。塩基も、前記化合物(2)とアミン化合物(4)との反応において用いられる塩基と同様のものが挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(3)1モルに対して、例えば、0.1〜25モルであり、好ましくは1〜20モルであり、より好ましくは2〜10モルである。塩基の使用量が0.1モル以上であると、未反応のアミン化合物(4)が低減する傾向があることから好ましい。
化合物(3)とアミン化合物(4)との反応の反応温度は、例えば、0℃〜反応混合物の還流温度の範囲であり、好ましくは40〜200℃である。反応時間は、例えば、1分〜120時間の範囲を挙げることができる。
所定時間反応を行った後、例えば、反応混合物に、水または希塩酸を加えることにより、反応をクエンチすることができる。反応をクエンチした後、抽出、洗浄等の通常の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を取り出すことができる。取り出した化合物(1)は、再結晶、昇華、各種クロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製することができる。
化合物(3)は、例えば、式(5):
Figure 2011201874
(式中、環構造A、環構造B、環構造C,XおよびYは、式(3)の定義と同じ定義であり、RおよびRは、独立して、水素原子またはハロゲン原子を表わす。ただし、RおよびRのいずれか1つは水素原子である。)
で示される化合物(以下、化合物(5)と略記する。)とハロゲン化剤との反応により製造することができる。
およびRで示されるハロゲン原子としては、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
化合物(5)としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2011201874
化合物(5)は、例えば、Synth.Met.2002,130,139、J.Org.Chem.2003,68,9813、J.Am.Chem.Soc.2007,129,12386、Org.Lett.2008,10,4323、J.Org.Chem.2005,70,10292等に記載された方法に準じて製造することができる。
化合物(5)とハロゲン化剤との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、化合物(3)とアミン化合物(4)との反応において用いられる有機溶媒と同様のものが挙げられ、トルエン、クロロホルム、四塩化炭素およびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ハロゲン化剤としては、N−ブロモスクシンイミド、2−ブロモアセトアミド、臭素、ヨウ素、ヨウ素−過ヨウ素酸の組み合わせ、一塩化ヨウ素−過酢酸の組み合わせ、および、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨージド−塩化亜鉛(II)の組み合わせが挙げられ、N−ブロモスクシンイミド、臭素、および、ヨウ素−過ヨウ素酸の組み合わせが好ましい。ハロゲン化剤の使用量は、化合物(5)1モルに対して、例えば、0.1〜50モルの範囲を挙げることができ、好ましくは0.5〜20モルであり、より好ましくは1〜10モルである。
有機溶媒に化合物(5)を溶解させたとき、得られる溶液中の化合物(5)が、溶媒1リットル当たり、例えば、0.0001〜20モル、好ましくは、0.001〜10モル、より好ましくは、0.01〜5モルとなるような量の溶媒が用いられる。
反応が進行しにくい場合は、過酸化ベンゾイルやアゾビスブチロニトリル等の添加剤を触媒量反応系内に加えてもよい。
反応温度は、例えば、−78℃〜反応混合物の還流温度の範囲を挙げることができ、好ましくは−20℃〜50℃である。反応時間は、例えば、1分〜48時間の範囲を挙げることができる。
所定時間反応を行った後、例えば、反応混合物に、水または希塩酸を加えることにより、反応をクエンチすることができる。反応をクエンチした後、抽出、洗浄等の通常の後処理操作を行うことにより、化合物(3)を取り出すことができる。取り出した化合物(3)は、再結晶、昇華、各種クロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製することができる。
化合物(3)および化合物(5)は、例えば、特開2008−081494号公報等に記載された方法により製造することができる。
環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、WおよびZが、N−(R15)である化合物(1)(但し、この化合物(1)におけるW及びZのN−(R15)は、同一でも異なっていてもよく、好ましくは同一である。)は、例えば、式(6)
Figure 2011201874
(式中、環構造A、環構造B、XおよびYは上記と同一の意味を表わし、環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(6)と略記する。)を環化し、得られた化合物と式(7):
15-X (7)
(R15は、上記と同一の意味を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(7)と略記する。)とを反応させることにより製造することもできる。
で示されるハロゲン原子としては、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
化合物(6)の環化反応は、例えば、Org.Lett., 2010,Vol.12,3164.に準拠して、ホスホン酸トリエチルなどのホスホン酸エステル類の存在下で加熱することで得ることができる。
化合物(6)の環化反応により得られた化合物と化合物(7)との反応は、通常、アミノ基のアルキル化反応と同様の条件で行われる。
化合物(6)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011201874
化合物(6)は、例えば、式(6’)
Figure 2011201874
(式中、XおよびYは上記と同一の意味を表わし、環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環を表わし、R’はそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等のハロゲン原子を表す。)
で示される化合物と、式(6”)
Figure 2011201874
(式中、環構造Aは上記と同一の意味を表わし、R”はそれぞれ独立に水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリールオキシ基を示し、R”は同一でも異なっていてもよく、2つのR”が結合してホウ素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で示される化合物とを鈴木カップリング反応で製造することができる。
R”における炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、及び1,2−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、及びn−ヘキサノキシ基が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、及び2−ナフトキシ基が挙げられる。
2つのR”が結合してホウ素原子とともに環構造を形成する場合、好ましい例としては、1,3,2−ジオキサボロラン環、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン環、5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン環、1,3,2−ベンゾジオキサボロール環、及び9−ボラビシクロ3,3,1−ノナン環が挙げられる。
化合物(X)と化合物(Y)の鈴木カップリング反応は、公知の条件で行うことができる。
化合物(X)は、例えば、Chem.Mater.2010,Vol.22,5314.記載の方法に準拠して、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロールにn−BuLiを作用させた後、テトラハロメタンと反応させることで製造することができる。
環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環である化合物(1)は、例えば、式(8):
Figure 2011201874
(式中、環構造A、環構造B、WおよびZは前記と同一の意味を表わし、環構造Cは式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、RおよびRは、それぞれ独立して、臭素原子およびヨウ素原子などのハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(8)と略記する。)とアミン化合物(4)とを反応させることにより製造することができる。
また、環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環である化合物(1)は、式(9):
Figure 2011201874
(式中、環構造A、環構造B、WおよびZは前記と同一の意味を表わし、環構造Cは式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であり、RおよびRは、上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(9)と略記する。)とアミン化合物(4)とを反応させる方法によっても製造することができる。
化合物(8)および化合物(9)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011201874
化合物(8)とアミン化合物(4)との反応、および、化合物(9)とアミン化合物(4)との反応は、前記した化合物(2)とアミン化合物(4)との反応と同様にして行うことができる。
アミン化合物(4)の使用量は、化合物(8)または化合物(9)1モルに対して、例えば、1〜50モルの範囲を挙げることができ、好ましくは2〜20モルであり、より好ましくは2〜15モルである。
有機溶媒に化合物(8)または化合物(9)を溶解させたとき、得られる溶液中の化合物(8)または化合物(9)が、溶媒1リットル当たり、通常0.0001〜20モル、好ましくは、0.001〜10モル、より好ましくは、0.01〜5モルとなるような量の溶媒が用いられる。
上記反応は、パラジウム触媒および塩基の存在下で行われることが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、化合物(8)または化合物(9)1モルに対して、パラジウム原子として、例えば、0.0001〜0.3モルであり、好ましくは0.0001〜0.2モルである。
パラジウム触媒は、通常、配位子とパラジウム化合物とを、有機溶媒中で接触させることにより調製することができる。反応に先立って、配位子とパラジウム化合物とを有機溶媒中で接触させることにより調製したパラジウム触媒を、反応に用いてもよい。また、配位子とパラジウム化合物とを反応系内で接触させることにより、反応系中でパラジウム触媒を調製してもよい。
配位子としては、前記化合物(2)とアミン化合物(4)との反応において用いられる配位子と同様のものが挙げられる。パラジウム化合物も、前記化合物(2)とアミン化合物(4)との反応において用いられるパラジウム化合物と同様のものが挙げられる。塩基も、前記化合物(2)とアミン化合物(4)との反応において用いられる塩基と同様のものが挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(8)または化合物(9)1モルに対して、例えば、0.1〜25モルの範囲を挙げることができ、好ましくは1〜20モルであり、より好ましくは2〜10モルである。塩基の使用量が0.1モル以上であると、未反応のアミン化合物(4)が低減する傾向があることから好ましい。
化合物(3)とアミン化合物(4)との反応の反応温度は、例えば、0℃〜反応混合物の還流温度の範囲を挙げることができ、好ましくは40〜200℃である。反応時間は、例えば、1分〜120時間の範囲が挙げられる。
所定時間反応を行った後、例えば、反応混合物に、水または希塩酸を加えることにより、反応をクエンチすることができる。反応をクエンチした後、抽出、洗浄等の通常の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を取り出すことができる。取り出した化合物(1)は、再結晶、昇華、各種クロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製することができる。
化合物(8)は、例えば、式(10):
Figure 2011201874
(式中、環構造A,環構造B,環構造C,W及びZは上記と同一の意味を表わし、R20およびR21は、それぞれ独立して、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子または水素原子を表わす。ただし、R20およびR21のうちのいずれか1つは水素原子である。)
で示される化合物(以下、化合物(10)と略記する。)とハロゲン化剤との反応により製造することができる。
化合物(9)は、例えば、式(11):
Figure 2011201874
(式中、環構造A,環構造B,環構造C、X、Y、R20およびR21は、上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(11)と略記する。)と、ハロゲン化剤との反応により製造することができる。
化合物(10)および化合物(11)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011201874
化合物(10)および化合物(11)は、例えば、Synth.Met.2002,130,139、J.Org.Chem.2003,68,9813、J.Am.Chem.Soc.2007,129,12386、Org.Lett.2008,10,4323等に記載された方法に従い、製造することができる。
化合物(10)とハロゲン化剤との反応、および、化合物(11)とハロゲン化剤との反応は、それぞれ、有機溶媒中で行うことが好ましい。
有機溶媒としては、前記した化合物(5)とハロゲン化剤との反応において用いられる有機溶媒と同様の有機溶媒が挙げられ、トルエン、クロロホルム、四塩化炭素およびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
有機溶媒に化合物(10)または化合物(11)を溶解させたとき、得られる溶液中の化合物(10)または化合物(11)が、溶媒1リットル当たり、通常0.0001〜20モル、好ましくは、0.001〜10モル、より好ましくは、0.01〜5モルとなるような量の溶媒が用いられる。
ハロゲン化剤としては、N−ブロモスクシンイミド、2−ブロモアセトアミド、臭素、ヨウ素、ヨウ素−過ヨウ素酸の組み合わせ、一塩化ヨウ素−過酢酸の組み合わせ、および、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨージド−塩化亜鉛(II)の組み合わせなどが挙げられ、N−ブロモスクシンイミド、臭素、および、ヨウ素−過ヨウ素酸の組み合わせである。
ハロゲン化剤の使用量は、化合物(10)または化合物(11)1モルに対して、例えば、0.1〜50モルを挙げることができ、好ましくは0.5〜20モルであり、より好ましくは1〜10モルである。
反応が進行しにくい場合は、過酸化ベンゾイルやアゾビスブチロニトリルなどの添加剤を触媒量反応系中に加えてもよい。
反応温度は、通常−78℃〜反応混合物の還流温度の範囲であり、好ましくは−20℃〜50℃である。反応時間は、通常1分〜48時間である。
所定時間反応を行った後、例えば、反応混合物に水を加えることにより、反応をクエンチすることができる。反応をクエンチした後、抽出、洗浄等の通常の後処理操作を行うことにより、化合物(1)を取り出すことができる。取り出した化合物(1)は、再結晶、昇華、各種クロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製することができる。
化合物(8)および化合物(9)は、例えば、特開2008−081494号公報に記載された方法によっても製造することができる。
本発明の化合物(1)は有機溶媒に可溶なことから、化合物(1)及び有機溶媒を含む溶液は、後述する本発明の薄膜(有機半導体活性層)を塗布成膜加工によって調製し得ることから好ましい。
化合物(1)を溶解し得る有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、メシチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フルオロベンゼン、アニソール等の芳香族炭化水素溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1’,2,2’−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、グルタロジニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒、例えば、ジメチルスルフォキサイド、スルフォラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。好ましくは、トルエン、キシレン、テトラリン、メシチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等が挙げられる。有機溶媒は2種以上を混合溶媒にして用いることもできる。
化合物(1)を溶解した溶液における化合物(1)の濃度としては、例えば、0.001〜50質量%の範囲をあげることができ、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%等が挙げられる。
該溶液には、化合物(1)は単独で使用してもよいし、後述する薄膜のキャリア移動度を著しく損なわない範囲であれば、酸化防止剤、安定剤、化合物(1)とは異なる有機半導体材料、有機絶縁性材料などと混合してもよい。
化合物(1)とは異なる有機半導体材料としては、低分子材料でもよく、高分子材料でもよい。高分子材料は、高分子を架橋反応させたものであってもよい。好ましくは、高分子材料が挙げられる。具体例としては、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフェニレン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトリアリールアミン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、テトラセン及びその誘導体、ペンタセン及びその誘導体、フタロシアニン及びその誘導体などが挙げられる。本発明の薄膜において、化合物(1)とは異なる有機半導体材料と化合物(1)との合計100質量%に対する化合物(1)の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
該有機絶縁性材料としては、低分子材料でもよい。高分子材料は、高分子を架橋反応がさせたものであってもよい。好ましくは、高分子材料が挙げられる。具体例としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ナイロン、ポリイミド、環状オレフィンコポリマー、エポキシポリマー、セルロース、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系ポリマー、ポリビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、生分解性プラスチック、フェノール系樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及び各種ポリマーユニットを組み合わせたコポリマーなどが挙げられる。本発明の薄膜において、有機絶縁性材料と化合物(1)との合計100質量%に対する化合物(1)の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
なお、該溶液組成物の調製は、溶媒に化合物(1)を、例えば、10〜200℃、好ましくは20〜150℃程度で溶解することで得ることができる。
次に、本発明の薄膜及び有機半導体デバイスについて説明する。
本発明の薄膜は、化合物(1)を含有する薄膜であり、好ましくは、化合物(1)のみからなる薄膜である。該薄膜は高いキャリア移動度を示すことから、該薄膜を有機半導体活性層として有する有機半導体デバイスの材料として好適である。
また、本発明の有機半導体デバイスは、本発明の薄膜を含有するものである。本発明の有機半導体デバイスとしては、例えば、有機トラジスタ、電界発光素子、太陽電池等を挙げることができる。また、本発明の有機トランジスタは、例えば、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ、ICタグ、及びセンサ等に使用可能である。
続いて、本発明の薄膜について説明する。
本発明の薄膜は、化合物(1)を含む薄膜であり、その厚みは、通常1nm〜10μmであり、好ましくは5nm〜1μmである。
本発明の薄膜は、発光性を示す場合があり、その場合には、発光性薄膜として用いることができる。ここで、”発光性薄膜”とは、光や電気的刺激の条件下で発光する薄膜を意味する。
発光性薄膜は、発光素子の材料として有用であり、発光性薄膜を有する発光素子は、本発明の一つである。本発明の発光素子は、有機発光ダイオード等の材料として有用である。ここで、”発光素子”とは、発光性薄膜を用いたデバイスのことを意味する。
また、本発明の薄膜は、半導体と同様の導電性を示す場合があり、その場合には、導電性薄膜として用いることができる。ここで、”導電性薄膜”とは、光や電気的刺激の条件下で導電性を示す薄膜を意味する。半導体と同様の導電性を示す導電性薄膜を、有機半導体薄膜と称することがある。導電性薄膜は、後述の有機半導体デバイス等の材料として有用である。
本発明の薄膜の形成方法としては、例えば、塗布成膜加工を挙げることができる。ここで、塗布成膜加工とは、前述したように、化合物(1)を溶媒に溶解し、得られた溶液を基板もしくは絶縁体層に塗布する工程を有する成膜加工を意味する。
塗布の方法としては、キャスティング法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などが挙げられる。これらの手法は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
化合物(1)及び有機溶媒を含む溶液を、基板又は絶縁層に塗布して塗布膜を形成せしめた後、該塗布膜に含有されている溶媒を除去することで、基板上又は絶縁層上に薄膜が形成される。この有機溶媒の除去には自然乾燥処理、加熱処理、減圧処理、通風処理又はこれらを組み合わせた処理が採用されるが、操作が簡便である点で自然乾燥処理もしくは加熱処理が好ましい。この処理に係わる条件を簡単に記載すると、大気下で放置もしくはホットプレートで基板加熱(例えば、40〜250℃、好ましくは、50〜200℃)という条件が挙げられる。
本発明の薄膜は、化合物(1)が溶媒に分散している分散液を用いて塗布成膜加工により薄膜を形成することもできる。この場合は、上述の塗布成膜加工において、溶液を該分散液に読み替えれば容易に実施可能である。この場合、溶媒は前記有機溶媒に加え、水であってもよい。
このように、本発明の薄膜は、上記の塗布成膜加工等の簡便な方法により形成することができる。
本発明の薄膜を形成する方法の異なる例示として、化合物(1)を、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、分子線エピタキシャル成長法などの真空プロセスに供して薄膜を形成する方法を挙げることができる。
真空蒸着法による薄膜の形成方法は、化合物(1)をルツボや金属ボート中で真空下、加熱し、蒸発した化合物(1)を基板もしくは絶縁体材料に蒸着させる方法である。蒸着時の真空度は、通常1×10−1Pa以下、好ましくは1×10−3Pa以下である。蒸着時の基板温度は通常0℃〜300℃、好ましくは20℃〜200℃である。蒸着速度は、例えば、0.001nm/sec〜10nm/secの範囲等を挙げることができ、好ましくは0.01nm/sec〜1nm/secの範囲である。
上記塗布成膜加工又は上記真空プロセスにより得られる化合物(1)を含有する薄膜の膜厚は、たとえば有機半導体デバイスの素子構造により適宜調節することができるが、好ましくは1nm〜10μmであり、さらに好ましくは5nm〜1μmである。
本発明の有機トランジスタは、本発明の薄膜を有機半導体活性層として含む。該有機トランジスタは、本発明の化合物(1)を含んでいるので、高いキャリア移動度、好ましくは、10−6cm/Vs以上のキャリア移動度を示す場合がある。ここで、キャリア移動度は、パラメータアナライザー等を用いて、ドレイン電流およびゲート電圧を測定し、その測定結果と下記式(a)とから算出することができる。
Id=(W/2L)μCi(Vg−Vt) (a)
(式中、Idは、電気的特性の飽和領域におけるドレイン電流を、Lは、有機トランジスタのチャネル長を、Wは、有機トランジスタのチャネル幅を、Ciは、ゲート絶縁膜の単位面積当たりの容量を、Vgは、ゲート電圧を、Vtは、ゲート電圧のしきい値電圧を、それぞれ表わす。)
本発明の有機トランジスタとしては、有機電界効果トランジスタが挙げられる。
有機電界効果トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極が有機半導体活性層(以下、半導体層と略記する)に接した構造を有しており、さらに、ソース電極およびドレイン電極、または、半導体層に、絶縁層(誘電体層)が接し、該絶縁層にゲート電極が接していればよい。
かかる有機トランジスタの素子構造としては、下記(1)〜(4)の構造が挙げられる。
(1)基板/ゲート電極/絶縁体層/ソース電極・ドレイン電極/半導体層からなる構造;
(2)基板/ゲート電極/絶縁体層/半導体層/ソース電極・ドレイン電極からなる構造;
(3)基板/半導体層+ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層/ゲート電極からなる構造;
(4)基板/ソース電極(またはドレイン電極)/半導体層+絶縁体層+ゲート電極/ドレイン電極(またはソース電極)からなる構造、
各構造において該半導体層が二層以上存在する場合、同一平面内に、それぞれの半導体層を設けてもよいし、半導体層を積層してもよい。上記各構造において、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極は、それぞれ2つ以上存在してもよい。
本発明の有機トランジスタにおいて、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を構成する材料は、有機トランジスタ分野で一般的に用いられる導電性材料であれば限定されず、具体的には、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物、および、酸化モリブデンが挙げられ、
白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、インジウム、ITO、炭素および酸化モリブデンが好ましい。ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体も好適である。中でも、半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。二種以上の電極材料を組み合わせて用いてもよい。
電極の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm〜10μmであり、好ましくは0.5nm〜5μmであり、より好ましくは1nm〜3μmである。また、ゲート電極が、基板を兼ねる場合は、ゲート電極の膜厚は、上記の膜厚よりも大きくてもよい。
電極膜の形成方法としては、公知の種々の方法が挙げられる。具体的には、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法などが挙げられる。成膜時または成膜後に、パターニングを必要に応じて行うことが好ましい。パターニングの方法としても、種々の方法を用いることができる。具体的には、フォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィ法などが挙げられる。また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷などの印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法などのソフトリソグラフィーの手法なども挙げられる。ニ種以上のパターニング方法を組み合わせてパターニングを行うことも可能である。
本発明の有機トランジスタに用いられるソース電極、ドレイン電極は、表面処理が施されていてもよい。本発明の薄膜(有機半導体活性層)と接触する電極表面に表面処理が施されていると、該薄膜を含む有機トランジスタのトランジスタ特性が向上する傾向があることから好ましい。表面処理としては、例えば、1−オクチルチオール、1−パーフルオロオクチルチオール、1−オクタデシルチオール、1−パーフルオロオクタデシルチオール等のチオール基を有する飽和炭化水素化合物、例えば、ベンゼンチオール、パーフルオロベンゼンチオール等のチオール基を有する芳香族化合物、例えば、チエニルチオール、パーフルオロチエニルチオール等のチオール基を有する複素環芳香族化合物等のチオール化合物をアルコールなどとともに溶液とし、上記電極を該溶液に浸漬処理するなどして上記電極の表面を修飾する方法等を挙げることができる。
絶縁層としては、無機酸化物や有機化合物皮膜などの種々の絶縁膜を用いることができる。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマスおよびトリオキサイドイットリウムが挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタルおよび酸化チタンが好ましい。また、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も挙げられる。
有機化合物皮膜としては、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系または光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリルに由来する構造単位を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂およびシアノエチルプルランが挙げられ、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルフェノールおよびポリビニルアルコールが好ましい。
二種以上の絶縁層材料を組み合わせて使用してもよい。
絶縁層の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm〜100μmであり、好ましくは0.5nm〜50μmであり、より好ましくは5nm〜10μmである。
絶縁層の形成方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。具体的には、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェットなどの印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコンの熱酸化膜のように金属上に酸化物膜を形成する方法も挙げられる。
基板としては、ガラス、紙、石英、セラミック、フレキシブルな樹脂等の基板材料から構成された板またはシートが挙げられる。樹脂シートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)およびセルロースアセテートプロピオネート(CAP)が挙げられる。基板の厚さは、1μm〜10mmが好ましく、5μm〜5mmがより好ましい。
半導体層と接触する絶縁体層や基板として、表面処理を行った絶縁体層や基板を用いてもよい。半導体層が積層される絶縁体層上に表面処理を行うことにより、素子のトランジスタ特性を向上させることができる。表面処理としては、ヘキサメチルジシラザン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、フェネチルトリクロロシランなどによる疎水化処理、塩酸、硫酸、過酸化水素水などによる酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどによるアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴンなどのプラズマ処理、ラングミュラー・ブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体等や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、コロナ放電などの電気的処理、繊維などを利用したラビング処理などが挙げられ、二種以上の処理方法を組み合わせて使用してもよい。
半導体層上に樹脂もしくは無機化合物からなる保護膜を設けてもよい。保護膜を形成することにより、外気の影響を抑制することができ、トランジスタの駆動を安定化することができる。
本発明の有機トランジスタは、液晶表示素子、有機電界発光素子、電子ペーパー、センサー、RFIDs(radio frequency identification cards)などの有機デバイスに使用することができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
なお、反応の進行は、ガスクロマトグラフィ分析および/または高速液体クロマトグラフィ分析により、確認した。各分析の条件は以下のとおりである。
<ガスクロマトグラフィ分析>
装置:島津製作所製GC2010
カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−1(内径:0.25mm、長さ:30m)
<高速液体クロマトグラフィ分析>
装置:島津製作所製LC10AT
カラム:化学物質評価機構製L−column ODS(内径:4.6mm、長さ:15cm)
リサイクル分取高速液体クロマトグラフィ精製は、以下の装置およびカラムを用いて行った。
装置:日本分析工業社製LC−250HS
カラム:日本分析工業社製JAIGEL−ODS−AP−50L(内径:50mm、長さ:25cm)

得られた生成物は、H−NMR、HRMSおよび/またはLC−HRMSの測定結果に基づいて同定した。
H−NMR測定の装置:日本電子株式会社製EX270またはBRUKER社製DPX300
HRMS測定の装置:日本電子株式会社製JMS−T100GC
LC−HRMS測定の装置:Applied Biosystems社製QSTAR XL(カラム:化学物質評価機構製L−column ODS(内径:4.6mm、長さ:15cm))
[実施例1:3,6−ジブロモ−2、5−ジヨードチエノ[3、2−b]チオフェンの製造]
2,5−ジブロモチエノ[3,2−b]チオフェンは、チエノ[3,2−b]チオフェンとN−ブロモコハク酸イミドとを反応させることにより、調製した(Dalton Trans.,2005,874参照)。
3,6−ジブロモチエノ[3,2−b]チオフェンを、2,5−ジブロモチエノ[3、2−b]チオフェンとリチウムジイソプロピルアミドとを反応させることにより、調製した(Org.Lett.,2007,,1005参照)。
攪拌子、温度計およびコンデンサーを取り付けた1000mL4つ口フラスコに、3,6−ジブロモチエノ[3,2−b]チオフェン12.00g、ヨウ素8.18g、ヨウ素酸3.54g、硫酸0.39g、四塩化炭素132ml、酢酸264mlおよび水41mlを仕込んだ。得られた混合物を、窒素雰囲気下、45℃で、20時間攪拌した。得られた混合物に、ヨウ素0.45gおよびヨウ素酸0.20gを加え、さらに窒素雰囲気下、45℃で10時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、濾過した。得られた固体を、水およびメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、さらに、再結晶(溶媒:モノクロロベンゼン)を行い、下記式
Figure 2011201874
で示される3,6−ジブロモ−2,5−ジヨードチエノ[3,2−b]チオフェンの白色結晶19.5gを、収率88%で得た。
H−NMR(δ、CDCl)測定の結果、Hのピークは検出されなかった。
[実施例2:3,6−ジブロモ−2,5−ビス(3−ブロモベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−チエノ[3,2−b]チオフェンの製造]
攪拌子、温度計、コンデンサーおよび滴下ロートを取り付けた500mL4つ口フラスコに、2,3−ジブロモベンゾ[b]チオフェン22.5g(アルドリッチ製)を仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、脱水テトラヒドロフラン230mlをシリンジにより加え、室温で、溶液を得た。得られた溶液を−30℃まで冷却した後、同温度で、イソプロピルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(濃度:1.00M、東京化成製)76.3mlを45分かけて加えた。得られた混合物を同温度で30分間攪拌した。得られた溶液を−50℃まで冷却した後、塩化亜鉛のジエチルエーテル溶液(濃度:1.00M、アルドリッチ製)76.3mlを、同温度で、20分かけて加えた。得られた混合物を同温度で10分間攪拌した。得られた混合物を室温まで徐々に昇温した後、溶媒を減圧下で除去し、白色結晶を得た。得られた結晶に、3,6−ジブロモ−2,5−ジヨードチエノ[3,2−b]チオフェン14.0gおよびテトラキストリフェニルホスフィン2.7g(東京化成製)を加えた。フラスコ内を窒素置換した後、脱水テトラヒドロフラン230mlをシリンジにより加えた。得られた混合物を、還流下、7時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、1規定塩酸およびトルエンを加えた。得られた混合物を濾過した。得られた固体を、水およびメタノール洗浄した後、乾燥し、下記式
Figure 2011201874
で示される3,6−ジブロモ−2,5−ビス(3−ブロモベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−チエノ[3,2−b]チオフェンの黄色結晶13.3gを得た。3,6−ジブロモ−2、5−ジヨードチエノ[3,2−b]チオフェンに対する収率は73%であった。
3,6−ジブロモ−2,5−ビス(3−ブロモベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−チエノ[3,2−b]チオフェンの物性は以下のとおり。
HRMS(EI+):found 719.6175(calcd. for C22Br:719.6201)
[実施例3]
攪拌子、温度計およびコンデンサーを取り付けた1000mL4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、3,6−ジブロモ−2,5−ビス(3−ブロモベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−チエノ[3,2−b]チオフェン9.00g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.29g、ラセミ−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1‘−ビナフチル6.23g、ドデシルアミン25.48g、ナトリウムtert−ブトキシド10.57g)および脱水トルエン450mlを仕込んだ。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、還流するまで昇温した後、24時間還流させた。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、水を加え、トルエンで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。得られた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、容積比0.2%のトリエチルアミンが添加されたヘキサンとトルエンの混合溶媒を用いたシリカゲルクロマトグラフィにより精製した。得られた固体をトルエンで再結晶した。得られた結晶を、さらにリサイクル分取高速液体クロマトグラフィ(移動層;テトラヒドロフランとアセトニトリルの混合溶媒)で精製して、下記式
Figure 2011201874
で示される化合物の白黄色結晶2.44gを得た。収率:25%。
上記化合物の物性は以下のとおり。
H−NMR(δ/ppm,テトラヒドロフラン−d):0.86(t,6H)、1.25〜1.65(m,36H)、2.00〜2.13(m,4H)、4.67(t,4H)、7.25(t,2H)、7.39(t,2H)、7.86(d,2H)、7.95(d,2H)
LC−HRMS(APPI+):found 767.3553(calcd for C4659:767.3556)
[薄膜および該薄膜を有機半導体活性層とする有機トランジスタの製造例1]
ガラス基板上に、リフトオフプロセスまたはフォトリソグラフィを用いて、クロムおよび金を、この順に蒸着して、ソースおよびドレイン電極を設けた。クロム層の厚さは5nm、金層の厚さは40nmであった。基板をアセトンおよびイソプロピルアルコールでの超音波洗浄し、乾燥し、酸素プラズマでクリーニングを行い、さらに、80℃で5分間加熱した。チャネル幅は2mm、チャネル長は50μmであった。チャネル部分にフェネチルトリクロロシラン処理を行い、電極部分にペンタフルオロベンゼンチオール処理を行った後、窒素雰囲気下で、前記[実施例3]で製造した化合物の0.5重量/容積%のテトラリン溶液を滴下し、スピンコート法により薄膜(有機半導体活性層)を形成した。次に、該薄膜の上に、フッ素系ポリマーを含有する溶液を滴下し、スピンコート法により絶縁層を形成した。この時の薄膜の膜厚は25nm、絶縁層の膜厚は300nmであった。絶縁層の上にシャドーマスクを用いて、クロムおよびアルミニウムを、この順に蒸着してゲート電極を設け、図1に示すような有機トランジスタを製造した。クロム層の厚さは5nm、アルミニウム層の厚さは200nmであった。
得られた有機トランジスタの電気特性を測定した。その結果、あるゲート電圧(Vg)において、ドレイン電圧(Vd)に対するドレイン電流(Id)の変化曲線は、良好であり、高いドレイン電圧において飽和領域を有していた。また、ゲート電極に印加する負のゲート電圧を増加させると、負のドレイン電流も増加することから、得られた有機トランジスタは、p型の有機トランジスタであることを確認した。さらに、有機トランジスタのキャリア移動度μを、前記式(a)により算出したところ、0.25cm/Vsであった。
[実施例4:5,5’−ジブロモベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの製造]
Chem.Mater.,2010,22,5314に記載の方法を参考にして、以下のように、5,5’−ジブロモベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンを製造した。
攪拌子および温度計を備えた反応容器に、ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの結晶0.88gを加え、該容器内を窒素置換した。該容器に脱水テトロヒドロフラン220mlを加え、結晶を室温(約25℃)で溶解させた。得られた溶液を、−78℃まで冷却した後、t−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度:1.59M、関東化学製)8.73mlを約−78℃を維持しながら5分間かけて加えた。得られた混合物を、同温度でさらに1時間攪拌し、反応混合物Aを得た。四臭化炭素4.60g(東京化成製)を脱水テトロヒドロフラン20mlに溶解することにより得られた溶液を、−78℃に調整された反応混合物Aに、10分かけて加えた。得られた混合物を同温度でさらに4時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで昇温した後、クロロホルムと水を加えて、十分に攪拌した。ラジオライトをコーティングした濾過器で、得られた混合物を濾過し、不溶物を除去した。得られた濾液を分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過した。得られた濾液を減圧下で濃縮し、下記式
Figure 2011201874
で示される5,5’−ジブロモベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの黄褐色結晶2.01gを得た。
5,5’−ジブロモベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの物性は以下のとおり。
H−NMR(δ/ppm、CDCl):7.34(s,2H)、8.03(s,2H)
[実施例5:5,5’−ビス(2−ニトロフェニル)ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの製造]
攪拌子、温度計およびコンデンサーを備えた4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、5,5’−ジブロモベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェン1.70g、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニトロベンゼン3.65g(和光純薬製)、酢酸パラジウム0.11g(アルドリッチ製)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル0.40g(アルドリッチ製)、リン酸三カリウム15.55gおよびテトラヒドロフラン170mLを仕込んだ。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、還流するまで加熱した後、4時間還流させた。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を除去した。濃縮残渣に水を加えた後、濾過した。得られた固体を、水およびメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、下記式
Figure 2011201874
で示される5,5’−ビス(2−ニトロフェニル)ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの褐色結晶1.69gを得た。収率:80%。
5,5’−ビス(2−ニトロフェニル)ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェンの物性は以下のとおり。
H−NMR(δ/ppm、CDCl):7.34(s,2H)、7.52〜7.71(m,6H)、7.85(d,2H)、8.25(s,2H)
[実施例6]
攪拌子、温度計およびコンデンサーを備えた4つ口フラスコに、5,5’−ビス(2−ニトロフェニル)ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェン1.60gを仕込み、フラスコ内を窒素置換した。亜リン酸トリエチル100mLを加えた後、得られた混合物を、窒素雰囲気下で還流するまで加熱し、5時間還流させた。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、濾過した。得られた固体をメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、下記式
Figure 2011201874
で示される化合物の黄褐色結晶0.51gを得た。収率:37%。
上記化合物の物性は以下のとおり。
H−NMR(δ/ppm、テトラヒドロフラン−d):7.17(t×d,2H)、7.27(t×d,2H)、7.55(d,2H)、7.73(d,2H)、8.46(s,2H)、11.13(s,2H)
[実施例7]
攪拌子、温度計およびコンデンサーを備えた4つ口フラスコに、前記[実施例6]で得た化合物0.43g、1−ヨードヘキサン1.49g(東京化成製)、40重量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.08g(東京化成製)、10重量%水酸化ナトリウム水溶液9.34gおよびテトラヒドロフラン26mLを仕込んだ。得られた混合物を、窒素雰囲気下で還流するまで加熱した後、4時間還流させた。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、水とトルエンを加え、分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。得られた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、容積比0.2%のトリエチルアミンが添加されたヘキサンとトルエンの混合溶媒を用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製した。得られた固体の再結晶(溶媒:トルエン)を行い、下記式
Figure 2011201874
で示される化合物の黄色結晶0.13gを得た。収率:21%。
上記化合物の物性は以下のとおり。
H−NMR(δ/ppm、テトラヒドロフラン−d):0.91(t,6H)、1.28〜1.61(m,12H)、1.95〜2.10(m,4H)、4.79(t,4H)、7.19(t,2H)、7.34(t,2H)、7.63(d,2H)、7.71(d,2H)、8.71(s,2H)
LC−HRMS(APPI+):found 537.2392(calcd. for C3437:537.2392)
[薄膜および該薄膜を有機半導体活性層とする有機トランジスタの製造例2]
まず、ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板(図2の31)の表面を熱酸化し、300nmのシリコン酸化膜(図2の32)を形成した。次に、フォトリソグラフィ法によって、クロム層及び金層を前記シリコン酸化膜上に、順次積層し、チャネル長100μm、チャネル幅1mmのソース電極(図2の33)、ドレイン電極(図2の34)を作製した。得られた基板をアセトンで10分間超音波洗浄した後、オゾンUVを30分間照射した。続いて、フェニルエチルトリクロロシランを含むトルエン溶液に、前記のUV照射された基板を2分間浸漬することにより、基板表面をシラン処理した。
一方、前記[実施例7]で製造した化合物を0.7重量%の濃度で含有するキシレン溶液を作製し、当該キシレン溶液をメンブランフィルターでろ過して塗布液を調製した。
得られた塗布液を、前記のシラン処理された基板のシリコン酸化膜、ソース電極及びドレイン電極の表面上にスピンコート法により塗布した。窒素雰囲気下、塗布液を塗布された面を上にした前記基板を50℃のホットプレート上にて30分間乾燥させることにより、約25nmの厚さを有する薄膜(有機半導体活性層、図2の35)を形成し、図2記載の有機トランジスタを作成した。
当該有機トランジスタについて、ソース・ドレイン間電圧Vsdを−40Vに設定し、ゲート電圧Vgを20〜−40Vに変化させた条件で、トランジスタ特性を測定した。かかる測定により得られた伝達特性から算出した、当該有機トランジスタのキャリア移動度は6.1×10−5cm/Vsであった。
[実施例8]化合物(2)の製造例
Figure 2011201874
3−ブロモ−2−ヨードチエノ[3,2−b]チオフェン(10mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)を−78℃に冷却し、n−BuLi(1.6M、ヘキサン溶液)10mmolを滴下し1時間撹拌する。得られた溶液にBuSnCl(10mmol)を滴下し、撹拌後、25℃まで昇温し、さらに1時間撹拌する。この溶液にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1mmol)、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(5mmol)を加え65℃で8時間撹拌し、溶媒を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物(2)の1種である上記右式で表される化合物が得られる。
[実施例9]式(2−7)で表される化合物の製造例
Figure 2011201874
上記左式で表される化合物(5mmol)、n−ドデシルアミン(25mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(50mmol)、(±)−2,2’−Bis(diphenylphosphino)−1,1’−binaphthyl(4mmol)及びトルエン(100mL)の混合液を窒素雰囲気下で21時間還流させる。室温まで放冷し、次に、反応混合液に水を加え、クロロホルムにより抽出する。得られる有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去する。得られる混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、式(2−7)で表される化合物が得られる。
[実施例10]
<式(2−7)で表される化合物からなる薄膜を有機半導体活性層とする有機トランジスタの製造例1>
オクチルトリクロロシラン処理が行われている200nmのSiO熱酸化膜付きnドープシリコンウエハー上に、有機半導体活性層を形成するための金属マスクを置き、マスクされているシリコンウエハーを得る。次に、真空度1×10−3パスカル以下に設定されているチャンバ内に、該ウエハーと、実施例9で得られる式(2−7)で表される化合物が入っているタングステン製のボートとを設置し、該ボートを加熱しながら該ウエハーを室温(24℃)以上150℃以下の範囲に加熱し、金属マスクされていない部分に式(2−7)で表される化合物の薄膜からなる有機半導体活性層を形成することができる。
続いて、金属マスクを外した後、ソース電極及びドレイン電極を形成するための金属マスクを有機半導体層の面に置き、膜厚40nmの金の層を同様の真空蒸着法で該有機半導体層上に成膜して、ソース電極及びドレイン電極を形成し、図1に示すような有機トランジスタを製造することができる。
[実施例11]
<式(2−7)で表される化合物からなる薄膜を有機半導体活性層とする有機トランジスタの製造例2>
実施例10で製造される式(2−7)で表される化合物をo−キシレンに溶解して、式(2−7)で表される化合物の濃度が0.3重量%の有機溶液を調製する。
フェネチルトリクロロシラン処理が行っているSiO熱酸化膜付きnドープシリコンウエハー上に、有機溶液をスピンコート法により塗布し、式(2−7)で表される化合物からなる薄膜を形成する。さらに形成される薄膜を80℃にて30分保温し、式(2−7)で表される化合物の薄膜からなる有機半導体活性層を形成することができる。
続いて、ソース電極及びドレイン電極を形成するための金属マスクを有機半導体活性層の面に置き、膜厚40nmの金の層を同様の真空蒸着法で該有機半導体活性層上に成膜して、ソース電極及びドレイン電極を形成し、図1に示すような有機トランジスタを製造することができる。
本発明によれば、有機半導体活性層を与え得る新規な化合物が提供可能である。
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 有機半導体活性層
31 シリコン基板
32 シリコン酸化膜
33 ソース電極
34 ドレイン電極
35 有機半導体活性層

Claims (20)

  1. 式(1)
    Figure 2011201874
    (式中、環構造Cは、式(C1)で示されるベンゼン環、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環を表わす。
    Figure 2011201874
    (式中、PおよびQは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはテルル原子を表わし、上記環を構成するベンゼン環は置換基を有していてもよい。
    W、X、YおよびZは、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、SO、(R11)−C−(R12)、(R13)−Si−(R14)またはN−(R15)を表わし、かつ、W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも1つは、N−(R15)である。
    環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性炭素環または置換基を有していてもよい芳香族性複素環を表わし、環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、かつ、XおよびYがN−(R15)であるときは、環構造Aおよび環構造Bは、独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環である。
    11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基または水素原子を表わし、R15はそれぞれ独立して、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基を表わす。))
    で示される多環式化合物。
  2. W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはN−(R15)であり、かつ、W,X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも1つが、N−(R15)であることを特徴とする請求項1記載の多環式化合物。
  3. W、X、YおよびZからなる群から選ばれる少なくとも2つが、N−(R15)であることを特徴とする請求項1または2記載の多環式化合物。
  4. 環構造Cが、式(C2)で示されるヘテロ[3,2−b]ヘテロール環または式(C3)で示されるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジヘテロール環であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の多環式化合物。
  5. 環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、N−(R15)であり、WおよびZが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族性複素環であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の多環式化合物。
  6. 環構造Cが式(C1)で示されるベンゼン環であり、XおよびYが、それぞれ独立して、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、WおよびZが、それぞれ独立して、N−(R15)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の多環式化合物。
  7. 置換基を有していてもよい芳香族性炭素環が、置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基を有していてもよいナフタレン環であり、置換基を有していてもよい芳香族性複素環が、置換基を有していてもよいチオフェン環、置換基を有していてもよいベンゾ[b]チオフェン環または置換基を有していてもよいチエノ[3,2−b]チオフェン環であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の多環式化合物。
  8. 環構造Cが、チエノ[b]チオフェン環、置換基を有していてもよいベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環または置換基を有していてもよいベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン環であることを特徴とする請求項7記載の多環式化合物。
  9. 環構造Cが、チエノ[3,2−b]チオフェン環または無置換のベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン環であることを特徴とする請求項7または8記載の多環式化合物。
  10. WおよびXのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であり、YおよびZのうちの一方がN−(R15)であり、他方が硫黄原子、酸素原子またはセレン原子であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載の多環式化合物。
  11. XがN−(R15)であり、Wが硫黄原子であり、YがN−(R15)であり、Zが硫黄原子であることを特徴とする請求項10記載の多環式化合物。
  12. WがN−(R15)であり、Xが硫黄原子であり、ZがN−(R15)であり、Yが硫黄原子であることを特徴とする請求項10記載の多環式化合物。
  13. 環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいチオフェン環であることを特徴とする請求項5記載の多環式化合物。
  14. XおよびYが同一のN−(R15)であり、WおよびZが硫黄原子であることを特徴とする請求項5または13記載の多環式化合物。
  15. 環構造Aおよび環構造Bが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいナフタレン環または置換基を有していてもよいチオフェン環であることを特徴とする請求項6記載の多環式化合物。
  16. WおよびZが同一のN−(R15)であり、XおよびYの両方が、硫黄原子または酸素原子であることを特徴とする請求項6または15記載の多環式化合物。
  17. 請求項1〜16のいずれか記載の多環式化合物を含む薄膜。
  18. 請求項1〜16のいずれか記載の多環式化合物からなる薄膜。
  19. 請求項17又は18記載の薄膜を含む有機トランジスタ。
  20. 請求項17又は18記載の薄膜を含む有機半導体デバイス。
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