JP2012206989A - 可溶性ヘテロアセン化合物及び該化合物を含有する薄膜および有機トランジスタ - Google Patents

可溶性ヘテロアセン化合物及び該化合物を含有する薄膜および有機トランジスタ Download PDF

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Yasuo Miyata
康生 宮田
Yoshitake Suzuki
善丈 鈴木
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Abstract

【課題】有機半導体材料として好適な新規化合物の提供。
【解決手段】下記式(1)で示される化合物。
Figure 2012206989

[式中、Z〜Zはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を表す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、又は特定な置換シリル基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、溶解性に富んだ可溶性ヘテロアセン化合物及び該化合物を含有する薄膜および有機トランジスタに関する。
有機トランジスタ等の有機デバイスは、電子ペーパーやフラットパネルディスプレイといった次世代技術への応用が期待されている。有機トランジスタは、有機半導体活性層、基板、絶縁層、電極等、数種類の部材から構成されている。有機トランジスタ特性における重要な指標の一つとしては、キャリア移動度が挙げられ、有機半導体活性層に用いる有機材料(有機半導体材料)に大きく依存する。優れたキャリア移動度をもつ有機半導体材料の代表例としては、縮合多環化合物であるペンタセンが挙げられ、特許文献1には、ペンタセンを真空蒸着して得られた薄膜及び該薄膜を含有する有機トランジスタが記載されている。
特開2008−85250号公報
このような状況下、新規有機半導体材料が求められている。
かかる課題を解決するために、本発明者等は、鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
すなわち本発明のうち、第1の発明は、下記式(1)

Figure 2012206989
[式中、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を表す。R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、又は下記式(2)
Figure 2012206989
(R、R10及びR11はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。)で示される置換シリル基を表す。ただし、R、R、R、R、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基を表す。]
で示される化合物(以下、「化合物(1)」という。)を提供することにある。
本発明のうち第2の発明は、前記化合物(1)と、有機溶媒と、を含む溶液組成物である。化合物(1)は溶媒溶解性に優れるため、適当な有機溶媒を選択し、この有機溶媒に化合物(1)を溶解することにより、溶液組成物が得られる。かかる溶液組成物は塗布成膜加工により薄膜を形成することができる。
本発明のうち第3の発明は、前記化合物(1)を含む薄膜である。該薄膜に含まれる化合物(1)は、該薄膜がキャリア輸送能を発現するうえで有効成分となる。薄膜は、前記溶液組成物を、基板上に塗布する工程と、基板上に塗布された塗布膜を乾燥する工程と、
を含む製造方法、すなわち、塗布成膜加工により得られるものはもちろん、前記化合物(1)を基板上に真空蒸着する工程を含む製造方法により、前記基板上に形成された薄膜であってもよい。
本発明は、新規な有機半導体材料を提供可能である。
本発明における有機トランジスタの一つの態様を説明する断面図である。 本発明における有機トランジスタの一つの態様を説明する断面図である。
以下、第1の発明に係る化合物(1)、第2の発明に係る溶液組成物及び第3の発明に係る薄膜について順次説明する。
<化合物(1)>
まず、化合物(1)について詳細に説明する。
前記化合物(1)に含まれるZ、Z、Z及びZは、それぞれ独立に硫黄原子又はセレン原子を表し、4つのZのうち少なくとも1つは硫黄原子であることが好ましく、4つのZが全て硫黄原子であるとより好ましい。
置換基R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、前記置換シリル基である。ただし、R〜Rからなる群から選ばれる少なくとも1つは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基であることを特徴とする。
置換基R〜Rにおいて、R〜Rからなる群から選ばれる少なくとも1つが、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基であり、かつ、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基であることが好ましく、R〜Rからなる群から選ばれる1つが、炭素数3〜30の分岐状アルキル基であり、かつ、R〜Rからなる群から選ばれる少なくとも1つが、炭素数3〜30の分岐状アルキル基であることがより好ましい。
上記好ましい置換基の組み合わせとしては、RとR、RとR、RとR、RとRが挙げられる。
さらに、R及びRが、炭素数15〜20の分岐状アルキル基であり、R、R、R、R、R及びRが、水素原子であることがより好ましく、R及びRが、2−ヘキシルデシル基であり、R、R、R、R、R及びRが、水素原子であることが特に好ましい。
前記「フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖、環状のいずれでもよく、例えば炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルが挙げられる。炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、2−エチルブチル基、3、3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ブチルヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2、2−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−ブチルヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、3、7−ジメチルオクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、アダマンチル基、2−エチルデシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、2−エチルドデシル基、2−ブチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−エチルヘキサデシル基、2−ブチルヘキサデシル基、2−ヘキシルヘキサデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、2−エチルイコシル基、2−ブチルイコシル基、2−ヘキシルイコシル基、2−オクチルイコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、及びn−トリアコンチル基が例示され、好ましくはn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、2−エチルブチル基、3、3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ブチルヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2、2−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−ブチルヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、3、7−ジメチルオクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、アダマンチル基、2−エチルデシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、2−エチルドデシル基、2−ブチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−エチルヘキサデシル基、2−ブチルヘキサデシル基、2−ヘキシルヘキサデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、2−エチルイコシル基、2−ブチルイコシル基、2−ヘキシルイコシル基、2−オクチルイコシル基、が挙げられ、より好ましくは、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、2−エチルブチル基、3、3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ブチルヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2、2−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−ブチルヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、3、7−ジメチルオクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、アダマンチル基、2−エチルデシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、2−エチルドデシル基、2−ブチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−エチルヘキサデシル基、2−ブチルヘキサデシル基、2−ヘキシルヘキサデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置き換わった基が挙げられる。
前記「フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基」のアルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖、環状のいずれでもよく、例えば炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシが挙げられる。炭素数1〜30のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3、3−ジメチルブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2、2−ジメチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘプチルオキシ基、2−ブチルヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルオクチルオキシ基、3、7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、2−エチルデシルオキシ基、2−ブチルデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、2−エチルドデシルオキシ基、2−ブチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルドデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、2−エチルヘキサデシルオキシ基、2−ブチルヘキサデシルオキシ基、2−ヘキシルヘキサデシルオキシ基、2−オクチルヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、2−エチルイコシルオキシ基、2−ブチルイコシルオキシ基、2−ヘキシルイコシルオキシ基、2−オクチルイコシルオキシ基、n−ヘンイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基、n−ペンタコシルオキシ基、n−ヘキサコシルオキシ基、n−ヘプタコシルオキシ基、n−オクタコシルオキシ基、n−ノナコシルオキシ基、及びn−トリアコンチルオキシ基が例示され、好ましくはn−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3、3−ジメチルブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2、2−ジメチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘプチルオキシ基、2−ブチルヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルオクチルオキシ基、3、7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、2−エチルデシルオキシ基、2−ブチルデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、2−エチルドデシルオキシ基、2−ブチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルドデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、2−エチルヘキサデシルオキシ基、2−ブチルヘキサデシルオキシ基、2−ヘキシルヘキサデシルオキシ基、2−オクチルヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、2−エチルイコシルオキシ基、2−ブチルイコシルオキシ基、2−ヘキシルイコシルオキシ基、2−オクチルイコシルオキシ基が挙げられ、より好ましくは、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3、3−ジメチルブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2、2−ジメチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘプチルオキシ基、2−ブチルヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルオクチルオキシ基、3、7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、2−エチルデシルオキシ基、2−ブチルデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、2−エチルドデシルオキシ基、2−ブチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルドデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、2−エチルヘキサデシルオキシ基、2−ブチルヘキサデシルオキシ基、2−ヘキシルヘキサデシルオキシ基、2−オクチルヘキサデシルオキシ基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置き換わった基が挙げられる。
化合物(1)の置換基R〜Rからなる群から選ばれる少なくとも1つある、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基は、上記に例示するものの中から選ばれる。
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基の具体例としては、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、2−エチルブチル基、3、3−ジメチルブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ブチルヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2、2−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−ブチルヘプチル基、t−オクチル基、2−エチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、3、7−ジメチルオクチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、2−エチルデシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−エチルドデシル基、2−ブチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、2−エチルヘキサデシル基、2−ブチルヘキサデシル基、2−ヘキシルヘキサデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、2−エチルイコシル基、2−ブチルイコシル基、2−ヘキシルイコシル基、2−オクチルイコシル基が例示され、好ましくはi−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、2−エチルブチル基、3、3−ジメチルブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ブチルヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2、2−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−ブチルヘプチル基、t−オクチル基、2−エチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、3、7−ジメチルオクチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、2−エチルデシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−エチルドデシル基、2−ブチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、2−エチルヘキサデシル基、2−ブチルヘキサデシル基、2−ヘキシルヘキサデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、が挙げられ、より好ましくは、2−エチルブチル基、3、3−ジメチルブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ブチルヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2、2−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−ブチルヘプチル基、t−オクチル基、2−エチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、3、7−ジメチルオクチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、2−エチルデシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−エチルドデシル基、2−ブチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基が挙げられる。
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基の具体例としては、i−プロポキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3、3−ジメチルブトキシ基、i−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2、2−ジメチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘプチルオキシ基、2−ブチルヘプチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルオクチルオキシ基、3、7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、アダマンチルオキシ基、2−エチルデシルオキシ基、2−ブチルデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルデシルオキシ基、2−エチルドデシルオキシ基、2−ブチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルドデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、2−エチルヘキサデシルオキシ基、2−ブチルヘキサデシルオキシ基、2−ヘキシルヘキサデシルオキシ基、2−オクチルヘキサデシルオキシ基、2−エチルイコシルオキシ基、2−ブチルイコシルオキシ基、2−ヘキシルイコシルオキシ基、2−オクチルイコシルオキシ基、が例示され、好ましくは、i−プロポキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3、3−ジメチルブトキシ基、i−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2、2−ジメチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘプチルオキシ基、2−ブチルヘプチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルオクチルオキシ基、3、7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、アダマンチルオキシ基、2−エチルデシルオキシ基、2−ブチルデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルデシルオキシ基、2−エチルドデシルオキシ基、2−ブチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルドデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、2−エチルヘキサデシルオキシ基、2−ブチルヘキサデシルオキシ基、2−ヘキシルヘキサデシルオキシ基、2−オクチルヘキサデシルオキシ基、が挙げられ、より好ましくは、2−エチルブトキシ基、3、3−ジメチルブトキシ基、i−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2、2−ジメチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘプチルオキシ基、2−ブチルヘプチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基、2−ヘキシルオクチルオキシ基、3、7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、アダマンチルオキシ基、2−エチルデシルオキシ基、2−ブチルデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルデシルオキシ基、2−エチルドデシルオキシ基、2−ブチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルドデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基、が挙げられる。
置換シリル基の具体例については、式(2)を用いて説明する。
Figure 2012206989
式(2)中、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基としては、前記と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、具体的に、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基、フェナンスリル基等が挙げられる。
以下、好適な化合物(1)に関し、Z〜Z及び置換基R〜Rの組み合わせを表1〜表4および化合物例を示すことにする。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989

波線は結合手を意味する。
上記表以外の表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外の表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外の表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外に表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
好ましい化合物(1)を表中の化合物番号で表わせば、例えば(1−1−9)、(1−1−20)、(1−1−33)、(1−1−44)、(1−1−55)、(1−1−58)、(1−1−71)、(1−1−84)、(1−2−6)、(1−2−13)、(1−2−22)、(1−2−29)、(1−2−36)、(1−2−41)、(1−2−51)、(1−2−61)、(1−3−9)、(1−3−20)、(1−3−33)、(1−3−44)、(1−3−55)、(1−3−58)、(1−3−71)、(1−3−84)、(1−4−6)、(1−4−13)、(1−4−22)、(1−4−29)、(1−4−36)、(1−4−38)、(1−4−46)、(1−4−54)が挙げられ、さらに好ましいのは(1−1−20)、(1−1−44)、(1−1−58)、(1−1−71)、(1−1−84)、(1−2−13)、(1−2−29)、(1−2−41)、(1−2−51)、(1−2−61)、(1−3−20)、(1−3−44)、(1−3−58)、(1−3−71)、(1−3−84)、(1−4−13)、(1−4−29)、(1−4−38)、(1−4−46)、(1−4−54)が挙げられる。
<化合物(1)の製造方法>
前記化合物(1)の製造方法について説明する。化合物(1)は、一般式(5)で示される化合物(5)を有機金属試薬と作用させることによりハロゲン−メタル交換反応を行った後、硫黄もしくはセレンと作用させることにより得ることができる。

Figure 2012206989

[式中、R、R、R、R、R、R、R、及びRは前記と同じ意味を表す。X、X、X及びXはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。]
、X、X及びXとしては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、臭素原子である。X、X、X及びXは、同一であることが好ましい。
置換基R〜Rにおいて、R〜Rからなる群から選ばれる少なくとも1つが、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基であり、かつ、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基であることが好ましく、R〜Rからなる群から選ばれる1つが、炭素数3〜30の分岐状アルキル基であり、かつ、R〜Rからなる群から選ばれる少なくとも1つが、炭素数3〜30の分岐状アルキル基であることがより好ましい。
上記好ましい置換基の組み合わせとしては、RとR、RとR、RとR、RとRが挙げられる。
さらに、R及びRが、炭素数15〜20の分岐状アルキル基であり、R、R、R、R、R及びRが、水素原子であることがより好ましく、R及びRが、2−ヘキシルデシル基であり、R、R、R、R、R及びRが、水素原子であることが特に好ましい。
続いて、化合物(5)のハロゲン−メタル交換反応について説明する。ハロゲン−メタル交換反応は、通常、反応溶媒の存在下で実施する。反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。反応溶媒として、好ましくはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。溶媒の使用量としては、化合物(5)に対し、通常、5〜100重量倍、好ましくは10〜50重量倍である。有機金属試薬としては、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム試剤、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド。イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロミド等のグリニャール試剤が挙げられる。有機金属試薬としては、好ましくは、有機リチウム試剤であり、さらに好ましくは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムが挙げられる。有機金属試薬の使用量としては、化合物(5)に対し、通常、0.5〜20当量の範囲、好ましくは、1.0〜15当量の範囲、さらに好ましくは、2.0〜12当量の範囲が挙げられる。反応は、化合物(5)を溶媒に溶解、もしくは懸濁させた溶液を、通常、−100℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−50℃に冷却した後、前記有機金属試薬を一括もしくは分割して反応させ、同温度もしくは溶媒の沸点まで昇温して撹拌することで行うことができる。反応時間は、通常、1分〜60時間の範囲である。
続いて、ハロゲン−メタル交換反応を行った後の硫黄もしくはセレンとの反応について説明する。硫黄もしくはセレンの使用量は、化合物(5)に対し、通常、1〜100当量の範囲等が挙げることができ、好ましくは、2〜50当量、さらに好ましくは、3〜30当量の範囲等である。反応温度は、通常、−100℃から反応溶液の還流温度の範囲から選ばれるが、好ましくは−90〜0℃、さらに好ましくは−90℃〜−40℃である。硫黄もしくはセレンは、ハロゲン−メタル交換反応を行った反応溶液に、固体もしくは粉末の状態で仕込んでも良いし、ハロゲン−メタル交換反応の説明で記載した反応溶媒に溶解もしくは懸濁させて仕込んでも良い。反応時間は、通常、1分〜60時間である。
その後、必要に応じて反応温度を−100℃から反応溶液の還流温度の範囲にまで昇温させ、1分〜60時間攪拌する。
その後、必要に応じて、窒素バブリングして脱気した水酸化ナトリウム水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を反応溶液に添加する。続いて、フェリシアン酸カリウム、過マンガン酸カリウム、ヨウ素等の酸化剤を作用させる。好ましくは、フェリシアン酸カリウムである。その後、溶媒を留去してもよいし、分液、抽出等の通常の後処理操作を行ってもよい。必要に応じて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の公知の精製手段を行うことで、化合物(1)を得ることができる。なお、硫黄もしくはセレンとの反応に際して、化合物(1)とともに、以下、一般式(6)に示す化合物(6)が副生することもある。この場合は、化合物(6)に銅、あるいはビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ニッケル(II)アセチルアセトナート/水素化ジイソブチルアルミニウムなどのニッケル化合物を作用させることで、化合物(1)に変換することもできる。

Figure 2012206989
[式中、Z、Z、Z及びZ並びにR、R、R、R、R、R、R、及びRは前記と同じ意味を表す。l、m、n、oは、それぞれ1もしくは2である。ただし、lとm、nとoが同時に2になることはない。またl、m、n、oが同時に1ではない]
次に、化合物(5)の製造法について説明する。化合物(5)は、一般式(7)で示される化合物(7)と一般式(8)で示されるテトラハロベンゼンとを遷移金属触媒、銅塩、及び塩基の存在下にカップリング反応を行うことで製造することができる。
Figure 2012206989
[式中、R、R、R、R及びX1は前記と同じ意味を表す。]

Figure 2012206989
[式中、XおよびXは前記と同じ意味を表す。XおよびXはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。]
かかるカップリング反応は、通常、溶媒の存在下で行う。反応溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、アセト二トリルおよびプロピオニトリルなどの二トリル類などが挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。反応溶媒として、好ましくはベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。溶媒の使用量としては、化合物(8)に対し、通常、2〜50重量倍、好ましくは5〜30重量倍である。
使用する遷移金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、及びジクロロビス(1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセニル)パラジウム(II)等のパラジウム触媒が挙げられ、好ましくは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、及びジクロロビス(1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセニル)パラジウム(II)が挙げられ、さらに好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。
遷移金属触媒の使用量としては、化合物(8)に対し、通常、0.001〜0.3モル倍の範囲が挙げることができ、好ましくは、0.005〜0.2モル倍の範囲が挙げられる。使用する銅塩としては、例えば、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、塩化第一銅などが挙げられる。銅塩の使用量としては、化合物(8)に対し、通常、0.001〜0.6モル倍の範囲が挙げられ、好ましくは、0.01〜0.3モル倍の範囲が挙げられる。塩基としては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(8)に対し、通常、0.1〜20当量の範囲が挙げることができ、好ましくは0.5〜10当量である。
また塩基を溶媒として使用することもでき、化合物(8)に対し、2〜50重量倍の範囲が挙げられ、好ましくは5〜30重量倍である。
化合物(7)の使用量としては、化合物(8)に対し、通常、0.1〜15当量の範囲等が挙げることができ、好ましくは、1.0〜10当量、さらに好ましくは、1.0〜5当量の範囲である。反応は、必要に応じて窒素バブリングした塩基に、化合物(8)、遷移金属触媒、銅塩、溶媒を加え、その反応マスに、溶媒あるいは塩基で溶解させた化合物(7)を滴下する。
反応温度は、通常、−30℃〜使用する溶媒の沸点、好ましくは0℃〜溶媒の沸点である。反応時間は、通常、1分〜60時間である。
反応終了後、生成した塩をセライトなどで濾過し、溶媒を留去してもよいし、必要に応じて塩酸水溶液などを加え、分液、抽出等の通常の後処理操作を行ってもよい。その後、必要に応じて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の公知の精製手段を行うことで、化合物(5)を得ることができる。
一般式(8)で示されるテトラハロベンゼンとしては、XおよびXが同一であり、かつ、XおよびXが同一であるものが好ましく、さらに好ましくは、XおよびXが臭素原子であり、XおよびXがヨウ素原子である。
一般式(5)で示される化合物(5)としては、例えば、表5〜表8に示す化合物を挙げる。

Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外に表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989




Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外に表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外に表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
上記表以外に表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012206989
好ましい化合物(5)を表中の化合物番号で表わせば、例えば(5−1−9)、(5−1−20)、(5−1−33)、(5−1−44)、(5−1−55)、(5−1−58)、(5−1−71)、(5−1−84)、(5−2−6)、(5−2−13)、(5−2−22)、(5−2−29)、(5−2−36)、(5−2−41)、(5−2−51)、(5−2−61)、(5−3−9)、(5−3−20)、(5−3−33)、(5−3−44)、(5−3−55)、(5−3−58)、(5−3−71)、(5−3−84)、(5−4−6)、(5−4−13)、(5−4−22)、(5−4−29)、(5−4−36)、(5−4−38)、(5−4−46)、(5−4−54)が挙げられ、さらに好ましいのは(5−1−20)、(5−1−44)、(5−1−58)、(5−1−71)、(5−1−84)、(5−2−13)、(5−2−29)、(5−2−41)、(5−2−51)、(5−2−61)、(5−3−20)、(5−3−44)、(5−3−58)、(5−3−71)、(5−3−84)、(5−4−13)、(5−4−29)、(5−4−38)、(5−4−46)、(5−4−54)が挙げられる。
次に、化合物(7)の製造法について説明する。
化合物(7)は、一般式(9)で示される化合物(9)(式中、R、R、R、R、及びXは、前記と同じ意味を表す。R16〜R18はそれぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示す。)を塩基で処理することにより製造することができる。
Figure 2012206989
かかる反応は、通常、反応溶媒の存在下で実施する。反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。反応溶媒として、好ましくはジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類およびメタノール、エタノールなどのアルコール類、もしくはこれら溶媒を混合した溶媒が挙げられる。溶媒の使用量としては、化合物(9)に対し、通常、1〜50重量倍、好ましくは2〜20重量倍である。
使用する塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、カリウムtert−ブトキシ、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(9)に対し、通常、0.01〜5当量の範囲等が挙げることができ、好ましくは、0.01〜1.0当量の範囲等が挙げられる。かかる反応は、化合物(9)を前記溶媒に懸濁もしくは溶解させ、通常、0℃〜溶媒の沸点まで、好ましくは10℃〜溶媒の沸点の範囲で、前記塩基を一括もしくは分割して仕込み、同温度もしくは溶媒の沸点まで昇温することで実施することができる。反応時間は、通常、1分〜60時間の範囲である。反応終了後、溶媒を留去してもよいし、必要に応じて塩酸水溶液、塩化アンモニウム水溶液等の酸性水溶液を加え中和した後、分液、抽出等の通常の操作を行い、必要に応じて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の公知の精製手段を行うことで、化合物(7)を得ることができる。
一般式(7)で示される化合物(7)としては、例えば表9〜表12に示す化合物を挙げる。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
好ましい化合物(7)を表中の化合物番号で表わせば、例えば(7−1−9)、(7−1−20)、(7−1−33)、(7−1−44)、(7−1−55)、(7−1−58)、(7−1−71)、(7−1−84)、(7−2−6)、(7−2−13)、(7−2−22)、(7−2−29)、(7−2−36)、(7−2−41)、(7−2−51)、(7−2−61)、(7−3−9)、(7−3−20)、(7−3−33)、(7−3−44)、(7−3−55)、(7−3−58)、(7−3−71)、(7−3−84)、(7−4−6)、(7−4−13)、(7−4−22)、(7−4−29)、(7−4−36)、(7−4−38)、(7−4−46)、(7−4−54)が挙げられ、さらに好ましいのは(7−1−20)、(7−1−44)、(7−1−58)、(7−1−71)、(7−1−84)、(7−2−13)、(7−2−29)、(7−2−41)、(7−2−51)、(7−2−61)、(7−3−20)、(7−3−44)、(7−3−58)、(7−3−71)、(7−3−84)、(7−4−13)、(7−4−29)、(7−4−38)、(7−4−46)、(7−4−54)が挙げられる。

次に、化合物(9)の製造法について説明する。化合物(9)は、一般式(10)で示される化合物(10)と一般式(11)で示されるシリルアセチレン化合物とを、遷移金属触媒、銅塩、および塩基存在下にカップリング反応を行うことで製造することができる。
Figure 2012206989
[式中、R、R、R、R及びX1は前記と同じ意味を表す。Xは独立にハロゲン原子を表す。]
Figure 2012206989
[式中、R16〜R18は前記と同じ意味を表す。]
かかるカップリング反応は、通常、溶媒の存在下で行う。反応溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、アセト二トリルおよびプロピオニトリルなどの二トリル類などが挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。反応溶媒として、好ましくはベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。溶媒の使用量としては、化合物(10)に対し、通常、2〜50重量倍、好ましくは5〜30重量倍である。
また、当該カップリング反応は、用いる化合物(10)及びシリルアセチレン化合物(11)の種類によっては反応溶媒を使用せずに実施することもできる。
使用する遷移金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、及びジクロロビス(1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセニル)パラジウム(II)等のパラジウム触媒が挙げられ、好ましくは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、及びジクロロビス(1,1’−ジフェニルホスフィノフェロセニル)パラジウム(II)が挙げられ、さらに好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。
遷移金属触媒の使用量としては、化合物(10)に対し、通常、0.001〜0.3モル倍の範囲が挙げることができ、好ましくは、0.001〜0.2モル倍の範囲が挙げられる。使用する銅塩としては、例えば、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、塩化第一銅などのハロゲン化第一銅が挙げられる。銅塩の使用量としては、化合物(10)に対し、通常、0.0001〜0.5モル倍の範囲が挙げられ、好ましくは、0.001〜0.2モル倍の範囲が挙げられる。塩基としては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(10)に対し、通常、0.1〜20当量の範囲が挙げることができ、好ましくは0.5〜10当量である。
また塩基を溶媒として使用することもでき、その場合の使用量は化合物(10)に対し、2〜50重量倍の範囲が挙げられ、好ましくは2〜20重量倍である。
化合物(11)の使用量としては、化合物(10)に対し、通常、0.1〜10当量の範囲等が挙げることができ、好ましくは、0.1〜5当量、さらに好ましくは、0.3〜2当量の範囲である。反応は、必要に応じて窒素バブリングした塩基に、化合物(10)、遷移金属触媒、銅塩、溶媒を加え、その反応マスに、溶媒あるいは塩基で溶解させた化合物(11)を滴下する。
反応温度は、通常、−30℃〜使用する溶媒の沸点、好ましくは0℃〜溶媒の沸点である。反応時間は、通常、1分〜60時間である。
反応終了後、生成した塩をセライトなどで濾過し、溶媒を留去してもよいし、必要に応じて塩酸水溶液などを加え、分液、抽出等の通常の後処理操作を行ってもよい。その後、必要に応じて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の公知の精製手段を行うことで、化合物(9)を得ることができる。
一般式(10)で示される化合物(10)としては、Xが塩素原子あるいは臭素原子であり、Xが臭素原子あるいはヨウ素原子であるものが好ましく、さらに好ましくは、Xが臭素原子であり、Xがヨウ素原子である。
一般式(9)で示される化合物(9)としては、例えば、表13〜表20に示す化合物を挙げる。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
Figure 2012206989
波線は結合手を意味する。
好ましい化合物(9)を表中の化合物番号で表わせば、例えば(9−1−9)、(9−1−20)、(9−1−33)、(9−1−44)、(9−1−55)、(9−1−58)、(9−1−71)、(9−1−84)、(9−2−6)、(9−2−13)、(9−2−22)、(9−2−29)、(9−2−36)、(9−2−41)、(9−2−51)、(9−2−61)、(9−3−6)、(9−3−13)、(9−3−22)、(9−3−29)、(9−3−36)、(9−3−41)、(9−3−51)、(9−3−61)、(9−4−6)、(9−4−13)、(9−4−22)、(9−4−29)、(9−4−36)、(9−4−41)、(9−4−51)、(9−4−61)、(9−5−9)、(9−5−20)、(9−5−33)、(9−5−44)、(9−5−55)、(9−5−58)、(9−5−71)、(9−5−84)、(9−6−6)、(9−6−13)、(9−6−22)、(9−6−29)、(9−6−36)、(9−6−38)、(9−6−46)、(9−6−54)、(9−7−6)、(9−7−13)、(9−7−22)、(9−7−29)、(9−7−36)、(9−7−38)、(9−7−46)、(9−7−54)、(9−8−6)、(9−8−13)、(9−8−22)、(9−8−29)、(9−8−36)、(9−8−38)、(9−8−46)、(9−8−54)が挙げられ、さらに好ましいのは(9−1−20)、(9−1−44)、(9−1−58)、(9−1−71)、(9−1−84)、(9−2−13)、(9−2−29)、(9−2−41)、(9−2−51)、(9−2−61)、(9−3−13)、(9−3−29)、(9−3−41)、(9−3−51)、(9−3−61)、(9−4−13)、(9−4−29)、(9−4−41)、(9−4−51)、(9−4−61)、(9−5−20)、(9−5−44)、(9−5−58)、(9−5−71)、(9−5−84)、(9−6−13)、(9−6−29)、(9−6−38)、(9−6−46)、(9−6−54)、(9−7−13)、(9−7−29)、(9−7−38)、(9−7−46)、(9−7−54)、(9−8−13)、(9−8−29)、(9−8−38)、(9−8−46)、(9−8−54)が挙げられる。
次に、化合物(10)の製造方法について説明する。化合物(10)は、一般式(12)で示される化合物(12)のザンドマイヤー反応により製造することができる。
Figure 2012206989
[式中、R、R、R、R及びX1は前記と同じ意味を表す。]

かかるザンドマイヤー反応では、まず化合物(12)を、亜硝酸塩、酸性水溶液に作用させることにより、対応するジアゾニウム塩を調製する。その後、ハロゲン化アルカリ金属塩あるいはハロゲン化銅(I)と反応させることで、化合物(10)を得ることができる。かかる反応は、反応溶媒の存在下で実施する。反応溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、アセト二トリルおよびプロピオニトリルなどの二トリル類が挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。反応溶媒として、好ましくは、アセト二トリルおよびプロピオニトリルなどの二トリル類などが挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(12)に対し、通常、1〜50重量倍、好ましくは2〜30重量倍である。なお、使用する化合物(10)によっては、反応溶媒を使用せずに反応を実施することもできる。
使用する亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等が挙げられる。亜硝酸塩の使用量としては、化合物(12)に対し、通常、0.1〜10当量の範囲等が挙げることができ、好ましくは、0.5〜5当量の範囲等が挙げられる。使用する酸としては、硝酸、塩酸等が挙げられる。酸の使用量としては、化合物(12)に対し、通常、1.0〜50当量の範囲が挙げることができ、好ましくは、1.0〜30当量である。ジアゾニウム塩をハロゲン原子に変換する方法としては、ヨウ化カリウムなどのハロゲン化アルカリ金属、あるいは、臭化第一銅、塩化第一銅などのハロゲン化銅(I)が挙げられる。ハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化銅(I)の使用量としては、化合物(12)に対し、通常、0.5〜50当量の範囲等が挙げられ、好ましくは、0.5〜20当量である。ジアゾニウム塩を調製する反応は、通常、酸性水溶液中の化合物(12)に対し、前記亜硝酸塩を一括もしくは分割して反応させる。反応温度は、通常、−80℃〜30℃、好ましくは−40℃〜30℃である。反応時間は、通常、1分〜60時間の範囲である。
その後、調製したジアゾニウム塩に、ハロゲン化アルカリ金属塩もしくはハロゲン化銅を作用させる。反応温度は、通常、−100℃から反応溶液の還流温度の範囲から選ばれるが、好ましくは−50〜25℃、さらに好ましくは−20℃〜10℃である。ハロゲン化アルカリ金属塩もしくはハロゲン化銅は、前記、ジアゾニウム塩を調製した反応溶液に、固体もしくは粉末の状態で仕込んでも良いし、上記ジアゾニウム塩を調製する反応で記載した反応溶媒に溶解もしくは懸濁させて仕込んでも良い。反応時間は、通常、1分〜60時間である。反応終了後、必要に応じて亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、分液、抽出等の通常の後処理を行い、必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の公知の精製手段を行うことで、化合物(10)を得ることができる。
次に、化合物(12)の製造法について説明する。化合物(12)は一般式(13)で示されるアニリン化合物をハロゲン化することで製造することができる。
Figure 2012206989
[式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。]
アニリン化合物のハロゲン化に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミドなどのスクシンイミド類、臭素、ピリジニウムブロミドペルブロミド、ヨウ素等が挙げられる。好ましくは、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミドなどのスクシンイミド類が挙げられる。ハロゲン化剤の使用量としては、アニリン化合物に対し、通常、0.1〜10当量の範囲等が挙げることができ、好ましくは、0.5〜3当量、さらに好ましくは0.5〜2.0当量の範囲である。
本ハロゲン化反応は、溶媒中で実施することが好ましい。反応溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサンおよびヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類が用いられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いることもできる。好ましい溶媒はアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒である。溶媒の使用量は、アニリン化合物に対し、通常、1〜50重量倍、好ましくは3〜20重量倍である。また、本ハロゲン化反応の反応系中には、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの無機酸塩や酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの有機酸塩を共存させてもよい。好ましくは、酢酸アンモニウムが挙げられる。本ハロゲン化反応の反応温度は、−40℃から溶液の沸点の範囲で選ばれるが、好ましくは−20〜60℃、さらに好ましくは0℃〜30℃である。反応時間は、例えば1分〜60時間の範囲等が挙げられる。反応終了後、必要に応じて溶媒を留去してもよいし、分液、抽出等通常の後処理を行ってもよい。その後必要に応じて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、分取ゲルパーミネーションクロマトグラフィー等の公知の精製手段を行うことで、化合物(12)を得ることができる。
次に、一般式(13)で示されるアニリン化合物の製造法としては、例えば、J.Org.Chem.2008,73,8422.に記載の方法に準拠して、一般式(14)で示されるハロアニリン(14)(式中、X、X、X10及びX11は、独立に、ハロゲン原子、または水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、又は
Figure 2012206989
(R、R10及びR11はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。)で示される置換シリル基であり、X、X、X10及びX11のいずれか一つはハロゲン原子を示す。)と一般式(15)で示される分岐状アルキル基を有するハロゲン化アルキル(式中、R19はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基を表す。X12はハロゲン原子を表す。)由来のグリニャール試薬もしくは根岸試薬を用いて、遷移金属触媒存在下、カップリング反応により製造することができる。

Figure 2012206989


Figure 2012206989
<溶液組成物>
本発明の化合物(1)は有機溶媒に可溶な有機半導体材料として使用可能である。化合物(1)を溶解する有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1’,2,2’−テトラクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、キシレン、o-ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ヘキサン等が挙げられる。有機溶媒は2種以上を混合溶媒にして用いることもできる。
化合物(1)を溶解した溶液における化合物(1)の濃度としては、例えば、0.001〜50質量%の範囲をあげることができ、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%等が挙げられる。
次に、本発明の薄膜及び有機半導体デバイスについて説明する。
本発明の薄膜は、化合物(1)を含有する。該薄膜は高いキャリア移動度を示すことから、該薄膜を有機半導体活性層として有する有機半導体デバイスの材料として好適である。
また、本発明の有機半導体デバイスは、本発明の薄膜を含有するものである。本発明の有機半導体デバイスとしては、例えば、有機トランジスタ、電界発光素子、太陽電池等を挙げることができる。また、本発明の有機トランジスタは、例えば、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ、ICタグ、及びセンサー等に使用可能である。
本発明の薄膜の形成方法としては、例えば、塗布成膜加工を挙げることができる。ここで、塗布成膜加工とは、前述したように、化合物(1)を溶媒に溶解し、得られた溶液を基板もしくは絶縁体層に塗布する工程を有する成膜加工を意味する。
塗布の方法としては、キャスティング法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などが挙げられる。これらの手法は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
化合物(1)及び有機溶媒を含む溶液には、化合物(1)を単独で使用してもよいし、後述する薄膜(有機半導体活性層)のキャリア移動度を著しく損なわない範囲であれば、酸化防止剤、安定剤、化合物(1)とは異なる有機半導体材料、有機絶縁性材料などと混合してもよい。
化合物(1)とは異なる有機半導体材料としては、低分子材料でもよく、高分子材料でもよい。高分子材料は、高分子を架橋反応させたものであってもよい。好ましくは、高分子材料が挙げられる。具体例としては、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフェニレン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトリアリールアミン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、テトラセン及びその誘導体、ペンタセン及びその誘導体、フタロシアニン及びその誘導体などが挙げられる。本発明の薄膜において、化合物(1)とは異なる有機半導体材料と化合物(1)との合計100質量%に対する化合物(1)の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
該有機絶縁性材料としては、低分子材料でもよい。高分子材料は、高分子を架橋反応がさせたものであってもよい。好ましくは、高分子材料が挙げられる。具体例としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ナイロン、ポリイミド、環状オレフィンコポリマー、エポキシポリマー、セルロース、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系ポリマー、ポリビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、生分解性プラスチック、フェノール系樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及び各種ポリマーユニットを組み合わせたコポリマーなどが挙げられる。本発明の薄膜において、有機絶縁性材料と化合物(1)との合計100質量%に対する化合物(1)の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
なお、該溶液組成物の調製は、溶媒に化合物(1)を、例えば、10〜200℃、好ましくは20〜150℃程度で溶解することで得ることができる。
かくして得られる化合物(1)及び有機溶媒を含む溶液を、基板又は絶縁層に塗布して塗布膜を形成せしめた後、該塗布膜に含有されている溶媒を除去することで、基板上又は絶縁層上に薄膜が形成される。この有機溶媒の除去には自然乾燥処理、加熱処理、減圧処理、通風処理又はこれらを組み合わせた処理が採用されるが、操作が簡便である点で自然乾燥処理もしくは加熱処理が好ましい。この処理に係わる条件を簡単に記載すると、大気下で放置もしくはホットプレートで基板加熱(例えば、40〜250℃、好ましくは、50〜200℃)という条件が挙げられる。
本発明の薄膜は、化合物(1)が溶媒に分散している分散液を用いて塗布成膜加工により薄膜を形成することもできる。この場合は、上述の塗布成膜加工において、溶液を該分散液に読み替えれば容易に実施可能である。この場合、溶媒は前記有機溶媒に加え、水であってもよい。
このように、本発明の薄膜は、上記の塗布成膜加工等の簡便な方法により形成することができる。
本発明の薄膜を形成する方法の異なる例示として、化合物(1)を、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、分子線エピタキシャル成長法などの真空プロセスに供して薄膜を形成する方法を挙げることができる。
真空蒸着法による薄膜の形成方法は、可溶性ヘテロアセン化合物をルツボや金属ボート中で真空下、加熱し、蒸発した有機半導体材料を基板もしくは絶縁体材料に蒸着させる方法である。蒸着時の真空度は、通常1×10−1Pa以下、好ましくは1×10−3Pa以下である。蒸着時の基板温度は通常0℃〜300℃、好ましくは20℃〜200℃である。蒸着速度は、例えば、0.001nm/sec〜10nm/secの範囲等を挙げることができ、好ましくは0.01nm/sec〜1nm/secの範囲である。
上記塗布成膜加工又は上記真空プロセスにより得られる化合物(1)を含有する薄膜の膜厚は、たとえば有機トランジスタの素子構造により適宜調節することができるが、好ましくは1nm〜10μmであり、さらに好ましくは5nm〜1μmである。
本発明の有機トランジスタとしては、例えば、有機電界効果トランジスタ(OFET)が挙げられる。
該有機電界効果トランジスタの構造は、通常、ソース電極及びドレイン電極が本発明の薄膜からなる有機半導体活性層に接して設けられており、さらに有機半導体活性層に接した絶縁層(誘電体層)を挟んでゲート電極が設けられていればよい。その素子構造としては、例えば、
(1)基板/ゲート電極/絶縁体層/ソース電極・ドレイン電極/有機半導体活性層 という構造、
(2)基板/ゲート電極/絶縁体層/有機半導体活性層/ソース電極・ドレイン電極 という構造(図1参照)
(3)基板/有機半導体活性層+ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層/ゲート電極 という構造(図2参照)
(4)基板/ソース電極(又はドレイン電極)/有機半導体活性層+絶縁体層+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)という構造などがあげられる。このとき、ソース電極,ドレイン電極, ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の有機半導体活性層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
次に、本発明の有機トランジスタの他の構成成分に関し、具体例を挙げて説明する。
本発明における、有機トランジスタの作製において、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、酸化モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、酸化モリブデン、インジウム、ITO、炭素が好ましい。又は、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。これらの導電性材料は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。電極の膜厚は、材料によっても異なるが、好ましくは0.1nm〜10μmであり、さらに好ましくは0.5nm〜5μmであり、より好ましくは1nm〜3μmである。また、ゲート電極と基板を兼ねる場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
本発明の有機トランジスタに用いられるソース電極、ドレイン電極は、表面処理が施されていてもよい。本発明の薄膜(有機半導体活性層)と接触する電極表面に表面処理が施されていると、該薄膜を含む有機トランジスタのトランジスタ特性が向上する傾向があることから好ましい。表面処理としては、例えば、1−オクチルチオール、1−パーフルオロオクチルチオール、1−オクタデシルチオール、1−パーフルオロオクタデシルチオール等のチオール基を有する飽和炭化水素化合物、例えば、ベンゼンチオール、パーフルオロベンゼンチオール等のチオール基を有する芳香族化合物、例えば、チエニルチオール、パーフルオロチエニルチオール等のチオール基を有する複素環芳香族化合物等のチオール化合物をアルコールなどとともに溶液とし、上記電極を該溶液に浸漬処理するなどして上記電極の表面を修飾する方法等を挙げることができる。
電極の形成方法としては、上記原料を用いて種々の方法で実施することができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法などが挙げられる。成膜時又は成膜後に、パターニングを必要に応じて行うことが好ましい。パターニングの方法としては、種々の方法を用いることができる。具体的には、フォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法などが挙げられる。また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷などの印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法などのソフトリソグラフィーの手法なども挙げられる。これらの手法は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合してパターニングを行うことも可能である。
絶縁体層としては種々の絶縁膜を用いることができる。該絶縁膜の材料として、無機酸化物、無機窒化物、有機化合物等を挙げることができる。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられ、好ましくは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。無機窒化物としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。有機化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合又は光カチオン重合して得られる光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、シアノエチルプルランなどが挙げられ、好ましくは、ポリイミド、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコールが挙げられる。これらの絶縁体層の材料は単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
絶縁体層の膜厚は、材料によっても異なるが、好ましくは0.1nm〜100μmであり、さらに好ましくは0.5nm〜50μmであり、より好ましくは5nm〜10μmである。
絶縁体層の形成方法としては、上記原料を用いて種々の方法で実施することができる。
具体的には、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティング、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコンの熱酸化膜のように金属上に酸化物膜を形成する方法などが挙げられる。
基板の材料としては、ガラス、紙、石英、セラミック、樹脂製シートなどが挙げられる。該樹脂製シートの材質としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などが挙げられる。基板の厚さは、好ましくは1μm〜10mmであり、さらに好ましくは5μm〜5mmである。
本発明の薄膜(以下、有機半導体活性層と記すことがある)と接触する絶縁体層や基板の部分において、絶縁体層や基板上に表面処理を行ってもよい。有機半導体活性層が積層される絶縁体層上に表面処理を行うことにより、有機トランジスタのトランジスタ特性を向上させることができる。表面処理としては、具体的には、ヘキサメチルジシラザン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、フェネチルトリクロロシランなどによる疎水化処理、塩酸、硫酸、過酸化水素水などによる酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどによるアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴンなどのプラズマ処理、ラングミュラー・ブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、コロナ放電などの電気的処理、繊維などを利用したラビング処理などが挙げられる。
表面処理を行う方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法などが挙げられる。
また、有機半導体活性層上に樹脂もしくは無機化合物からなる保護膜を設けてもよい。
保護膜の形成により、外気の影響を抑制してトランジスタの駆動を安定化することができる。
本発明の薄膜は、化合物(1)を含有することから、高いキャリア移動度を示す。ゆえに、本発明の薄膜は、有機トランジスタにおける有機半導体活性層として有用であり、本発明の薄膜を含有する有機半導体活性層をもつ有機トランジスタは優れたトランジスタ特性を発現するものであり、有機半導体デバイスに有用なものとなる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1 <4−(2−ヘキシルデシル)アニリンの合成>
Figure 2012206989

窒素気流下、マグネシウム(0.96g、39.6mmol)、テトラヒドロフラン(28mL)、ブロモエタン(触媒量)の混合物に対して、1−ブロモ−2−ヘキシルデカン(10.08g、33.0mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液を加え、4時間還流し、対応するグリニャール試薬を調製した(0.204M)。
窒素気流下、二塩化亜鉛の1.0Mエーテル溶液(33mL、33mmol)に調製したグリニャール試薬を室温下、滴下し、そのまま1時間攪拌した。
窒素気流下、4−ブロモアニリン(3.37g、19.6mmol)、酢酸パラジウム(0.044g、0.196mmol)、S−Phos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、0.161g、0.392mmol)、テトラヒドロフラン(30mL)の混合物へ対応する亜鉛試薬を室温にて滴下、そのまま14時間攪拌し、塩化アンモニウム溶液を加えた。エーテル、水および飽和食塩水を加え、有機層を洗浄・抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで4−(2−ヘキシルデシル)アニリンを5.57g得た。(収率90%)
H−NMR(CDCl、δppm):6.92(d,J=8.1Hz,2H)、6.61(d,J=8.1Hz,2H)、3.53(s,2H)、2.41(d,J=7.0Hz,2H)、1.56−1.47(m、1H)、1.35−1.15(m、24H)、0.90−0.85(m、6H)
HRMS(EI):317.3071(M+).Calcd for C2239:317.3083.
製造例2 <2−ブロモ−4−(2−ヘキシルデシル)アニリンの合成>
Figure 2012206989

室温下、4−(2−ヘキシルデシル)アニリン(5.51g、17.4 mmol)、酢酸アンモニウム(0.17g、2.21mmol)、アセトニトリル(52 ml)の混合液にN―ブロモこはく酸イミド(3.24g、18.2mmol)を加え、終夜攪拌した。その後、エバポレーターにて反応溶液を濃縮し、酢酸エチルを加え、水、食塩水により洗浄した。有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて濃縮することにより黒色のオイルを得た。シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=25:1,Rf=0.3)を用いて精製することにより、2−ブロモ−4−(2−ヘキシルデシル)アニリンを得た。(4.67g、11.8mmol、収率68%)。
H−NMR(CDCl、δppm):7.18(d,J=2.2Hz,1H)、6.87(dd,J=8.1、2.2Hz,1H)、6.68(d,J=8.1Hz,1H)、3.93(s、2H)、2.38(d,J=7.0Hz,2H)、1.57−1.47(m、1H)、1.33−1.17(m,24H)、0.90−0.85(m,6H)
製造例3 <2−ブロモ−1−ヨード−4−(2−ヘキシルデシル)ベンゼンの合成>
Figure 2012206989

2−ブロモ−4−(2−ヘキシルデシル)アニリン(49.43g、124.7mmol)、水(561mL)の混合液に対し、濃硫酸(66mL)を加え、5℃に冷却した。亜硫酸ナトリウム(11.18g、162.1mmol)水溶液(水22mL)を混合液に滴下し5℃下、2時間攪拌した。その後、ヨウ化カリウム(165.6g、1.00mol)水溶液(水370mL)へと5℃にて加えた。室温にて14時間攪拌した後、5%の亜硫酸ナトリウム水溶液(206mL)に注ぎ込んだ。酢酸エチル、水、食塩水を加え、有機層を洗浄および抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターにて濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することで、2−ブロモ−1−ヨード−4−(2−ヘキシルデシル)ベンゼンを主成分とするオイル35.6gを得た。
H−NMR(CDCl、δppm):7.72(d,J=8.1Hz,1H)、7.42(d,J=2.2Hz,1H)、6.77(dd,J=8.1Hz,2.2Hz,1H)、2.44(d,J=7.0Hz,2H)、1.61−1.51(m、1H)、1.33−1.17(m,24H)、0.90−0.86(m,6H)
製造例4 <2−ブロモ−1−エチニルトリメチルシリル−4−(2−ヘキシルデシル)ベンゼンの合成>

Figure 2012206989

上記反応で得られたオイル35.6g、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(0.35g、0.51mmol)、ヨウ化銅(0.19g、1.01mmol)、ジイソプロピルアミン(126mL)の混合物に対し、トリメチルシリルアセチレン(5.45g、55.5mmol)のジイソプロピルアミン(42mL)溶液を室温にて滴下、15時間30分攪拌した。析出した塩をセライトにより取除し、ろ液をエバポレーターによって濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、2−ブロモ−1−エチニルトリメチルシリル−4−(2−ヘキシルデシル)ベンゼンを主成分とするオイル32.6gを得た。
H−NMR(CDCl、δppm):7.38(d,J=7.8Hz,1H)、7.35(d,J=1.6Hz,1H)、7.01(dd,J=8.1Hz,1.6Hz,1H)、2.47(d,J=7.0Hz,2H)、1.62−1.51(m、1H)、1.30−1.18(m,24H)、0.90−0.85(m,6H)、0.27(s,9H)
製造例5 <2−ブロモ−1−エチニル−4−(2−ヘキシルデシル)ベンゼンの合成>
Figure 2012206989

窒素気流下、得られたオイル(32.6g)をテトラヒドロフラン(105mL)、メタノール(105mL)で希釈し、室温にて炭酸カリウム(0.72g、5.23mmol)を加え1時間30分攪拌した。溶媒を留去した後、5%塩化アンモニウム水溶液、エーテル、水、食塩水を加え、有機層を洗浄・抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することにより2−ブロモ−1−エチニル−4−(2−ヘキシルデシル)ベンゼンを主成分とするオイルを29.0g得た。
H−NMR(CDCl、δppm):7.42(d,J=8.1Hz,1H)、7.38(d,J=1.6Hz,1H)、7.04(dd,J=7.8Hz,1.6Hz,1H)、3.33(s,1H)、2.49(d,J=7.0Hz,2H)、1.63−1.53(m、1H)、1.33−1.17(m,24H)、0.90−0.86(m,6H)
製造例6<1,4−ジブロモ−2,5’−ビス{2’−ジブロモ−4’−(2−ヘキシルデシル)フェニルエチニルベンゼンの合成>
Figure 2012206989

窒素気流下、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(11.4g、23.3mmol)、ヨウ化銅(0.18g、0.93mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.54g,0.47mmol)のジイソプロピルアミン(140mL)の混合物に対して、室温下、得られたオイル(29.0g)のジイソプロピルアミン(47mL)溶液を滴下し、16時間40分攪拌した。析出した塩をセライトを用いて除去し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。得られた黒色のオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取GPCによって精製することで、1,4−ジブロモ−2,5’−ビス{2’−ジブロモ−4’−(2−ヘキシルデシル)フェニルエチニルベンゼンを得た。(21.6g、20.68mmol、収率17%[製造例3から4ステップでの収率])。
H−NMR(CDCl、δppm):7.81(s,2H)、7.50(d,J=8.1Hz,2H)、7.42(d,J=1.4Hz,2H)、7.09(dd,J=8.1,1.6Hz,2H)、2.52(d,J=7.0Hz,4H)、1.66−1.57(m、1H)、1.34−1.18(m,24H)、0.91−0.86(m,6H)
製造例7 <化合物1の合成>


Figure 2012206989


1,4−ジブロモ−2,5’−ビス{2’−ジブロモ−4’−(2−ヘキシルデシル)フェニルエチニルベンゼン(18.0g、17.3mmol)のTHF(560mL)溶液を−78℃に冷却し、t−BuLiの1.76Mペンタン溶液(78.6mL、138.3mmol)を滴下した。−78℃で1時間20分攪拌した後、温度はそのままで硫黄粉末(13.3g、0.41mol)を少量ずつ加えた。5分間攪拌した後、冷却バスを取り外し、徐々に室温に戻しながら、2時間攪拌した。脱気した1Mの水酸化ナトリウム水溶液(600mL)およびK3Fe(CN)6(136.6g、0.41mol)を加え、有機層を分離し、エバポレーターにより溶媒を減圧留去した。クロロホルムで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。これを減圧濃縮し、得られた粗生成物にヘキサンを加え洗浄、濾過し、濾紙上に残った成分をクロロホルム(200mL)で抽出した。ろ液を濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーおよび分取GPCで精製することにより、黄色粉体として化合物1を得た(1.95g、2.13mmol、12%)
H−NMR(CDCl、δppm):8.35(s、2H)、7.77(d,J=8.1Hz,2H)、7.68(s、2H)、7.25(d,J=8.1,2H)、2.67(d,J=6.8Hz,4H)、1.75−1.65(m、2H)、1.36−1.21(m,48H)、0.91−0.86(m,12H)
HRMS(EI):860.4667(M+).Calcd for C40H56S3: 860.4673
<実施例2:薄膜及び該薄膜を有機半導体層とする有機トランジスタIの作製>
実施例で製造される化合物1をトルエンに溶解して、化合物1の濃度が0.5重量%の有機溶液を調製した。
ベータフェネチルトリクロロシランおよびペンタフルオロベンゼンチオール処理が行われているSiO熱酸化膜付きnドープシリコンウエハー上に、有機溶液を滴下してスピンコート法により化合物1からなる薄膜を形成した。
更に、メタルマスクを用いた真空蒸着法により、有機半導体薄膜上に、有機半導体側からクロム及び金の積層構造を有するソース電極及びドレイン電極を作製することにより、図2に示すような有機トランジスタを製造することができた。
<実施例3:有機トランジスタIの電気特性>
次に、得られた有機トランジスタIの電気特性を測定した。その結果、あるゲート電圧(Vg)において、ドレイン電圧(Vd)に対するドレイン電流(Id)の変化曲線は、良好であり、高いドレイン電圧において飽和領域を有していた。また、ゲート電極に印加する負のゲート電圧を増加させると、負のドレイン電流も増加することから、有機トランジスタIは、p型の有機トランジスタであることを確認することができた。
有機トランジスタIにおけるキャリアの飽和電界効果移動度μは、有機トランジスタの電気的特性の飽和領域におけるドレイン電流Idを表す式を用いて算出した。
Id=(W/2L)μCi(Vg−Vt) ・・・( a )
(式中、L=有機トランジスタのチャネル長、W=有機トランジスタのチャネル幅、Ci=ゲート絶縁膜の単位面積当たりの容量、Vg=ゲート電圧、Vt=ゲート電圧のしきい値電圧)

キャリアの電界効果移動度(キャリア移動度)は、3.2×10−3cm/Vs、及びオン/オフ電流比は10であった。
本発明によれば、新規な有機半導体材料が提供可能である。
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 有機半導体活性層
21 基板
22 ソース電極
23 ドレイン電極
24 ゲート絶縁膜
25 ゲート電極
26 有機半導体活性層

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2012206989
    [式中、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立に、硫黄原子又はセレン原子を表す。R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、又は下記式(2)
    Figure 2012206989
    (R、R10及びR11はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。)で示される置換シリル基を表す。ただし、R、R、R、R、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基を表す。]
  2. 、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基であり、かつ、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基である請求項1記載の化合物。
  3. 及びRがそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基である請求項1記載の化合物。
  4. 及びRが、炭素数15〜20の分岐状アルキル基であり、R、R、R、R、R及びRが、水素原子である請求項1記載の化合物。
  5. 及びRが、2−ヘキシルデシル基であり、R、R、R、R、R及びRが、水素原子である請求項1記載の化合物。
  6. ,Z,Z及びZが、硫黄原子である請求項1〜5に記載される化合物。
  7. 下記式(3)で表される化合物。

    Figure 2012206989

    [式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、又は下記式(2)
    Figure 2012206989
    (R、R10及びR11はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。)で示される置換シリル基を表す。ただし、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基を表す。Xはハロゲン原子を表し、R12は水素原子又は下記式(4)
    Figure 2012206989
    (R13、R14及びR15はそれぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基をを表す。)で表される置換シリル基を表す。]
  8. 、R及びRが水素原子であり、Rがフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基である請求項7記載の化合物。
  9. 下記式(5)で表される化合物。

    Figure 2012206989

    [式中、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、又は下記式(2)
    Figure 2012206989
    (R、R10及びR11はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。)で示される置換シリル基を表す。ただし、R、R、R、R、R、R、R及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基を表す。X、X、X及びXは、それぞれ独立にハロゲン原子を表す。]
  10. 、R、R、R、R及びRが水素原子であり、R及びRがそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜30の分岐状アルコキシ基である請求項9記載の化合物。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載される化合物と、有機溶媒とを含む溶液組成物。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載される化合物を含有する薄膜。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載される化合物からなる薄膜。
  14. 請求項12又は13記載の薄膜を構成成分として有する有機半導体デバイス。
  15. 請求項12又は13記載の薄膜を構成成分として有する有機トランジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103553866A (zh) * 2013-10-31 2014-02-05 浙江师范大学 一种制备邻二/三卤代苯的方法
JP2015167156A (ja) * 2014-03-03 2015-09-24 富士フイルム株式会社 有機薄膜トランジスタ、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料およびその応用
CN106243125A (zh) * 2016-08-01 2016-12-21 河南省科学院化学研究所有限公司 一种三苯二噁嗪化合物及其合成方法
CN115959969A (zh) * 2022-12-19 2023-04-14 安徽科技学院 一种1,4-二溴-2,5-二碘苯及其同系物的合成方法

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