JP2011201741A - 圧電/電歪セラミックス、圧電/電歪セラミックスの製造方法、圧電/電歪素子及び圧電/電歪素子の製造方法 - Google Patents

圧電/電歪セラミックス、圧電/電歪セラミックスの製造方法、圧電/電歪素子及び圧電/電歪素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長時間の時効処理を行わずに電界誘起歪が大きな圧電/電歪セラミックスを提供する。
【解決手段】圧電/電歪セラミックスの製造において、ペロブスカイト構造中のBサイトイオン数に対するAサイトイオン数の比が0.94以上0.99以下の圧電/電歪セラミックス焼結体に対し、酸素分圧0.05〜1.0atmの雰囲気下において温度600〜1050℃で2〜100時間の酸素熱処理を行う。又は、圧電/電歪セラミックスの組成を、一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:0.35≦w≦0.53;0.30≦x≦0.47;0.00≦y≦0.12;0.00≦z≦0.14;及び0.94≦w+x+y+z≦0.99を満し、y及びzの少なくともいずれかは0でない組成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電/電歪セラミックス及びこれに関連する技術に関し、特に、チタン酸ビスマスナトリウム系の圧電/電歪セラミックス及びこれに関連する技術に関する。
圧電/電歪アクチュエータは、サブミクロンのオーダーで変位を精密に制御できるという利点を有する。特に、圧電/電歪セラミックスの焼結体を圧電/電歪体として用いた圧電/電歪アクチュエータは、変位を精密に制御できる他にも、電気機械変換効率が高く、発生力が大きく、応答速度が速く、耐久性が高く、消費電力が少ないという利点も有する。このため、圧電/電歪セラミックスの焼結体を圧電/電歪体として用いた圧電/電歪アクチュエータは、これらの利点を生かして、インクジェットプリンタのヘッドやディーゼルエンジンのインジェクタ等に採用される。
圧電/電歪アクチュエータ用の圧電/電歪セラミックスの焼結体には、従来、チタン酸ジルコン酸鉛(以下では「PZT」という)系の有鉛圧電/電歪材料が用いられていた。しかし、焼結体からの鉛が地球環境に与える影響が強く懸念されるようになってからは、チタン酸ビスマスナトリウム(以下では「BNT」という)系等の無鉛圧電/電歪材料を用いることも検討されている。
BNT系の無鉛圧電/電歪材料においては、チタン酸ビスマスカリウム(以下では「BKT」という)やチタン酸バリウム(以下では「BT」という)をBNTに固溶させることにより、圧電/電歪アクチュエータにとって重要な電界誘起歪を大きくすることが試みられた。しかし、それだけではPZT系の有鉛圧電/電歪材料に匹敵するような大きな電界誘起歪を得ることは困難である。
そこで、結晶中に欠陥を導入することにより、より大きな電界誘起歪を得ることが試みられるようになった。
例えば、非特許文献1には、BNT,BKT及びBTの固溶体BNT−BKT−BTの単結晶に欠陥を導入することにより、大きな電界誘起歪が得られることが記載されている。
また、特許文献1,2には、ドナーやアクセプタで構成元素の一部を置換するとともに5日〜3ヶ月の時効処理を行って結晶の対称性と一致する対称性を有する欠陥を単結晶又はセラミックスに導入することにより大きな電界誘起歪が得られることが記載されている。
寺西、他6名、「(Bi0.5Na0.5)TiO3系強誘電体における巨大歪特性」、第46回セラミックス基礎科学討論会要旨集、日本セラミックス協会基礎科学部会、2008年1月、p.482-483
特開2004−363557号公報 特開2006−137654号公報
BNT系の単結晶の育成温度は1300℃以上の高温であるため、BNT系の単結晶の製造においては、Bi(ビスマス)やK(カリウム)等の揮発しやすい成分の濃度を制御することは困難である。このため、BNT系の単結晶においては、出発原料の混合時の組成と育成した単結晶の組成とにずれが生じる。このことは、電界誘起歪の大小と密接に関連する欠陥量を制御することが困難であることを意味する。
また、単結晶は加工に制約があるため、圧電/電歪アクチュエータに用いる圧電/電歪体に適した膜形状に加工することが困難であるという問題もある。
これらのことを考慮すると、圧電/電歪アクチュエータの圧電/電歪体には、非特許文献1に記載されているような単結晶よりもセラミックスの焼結体を用いることが望ましい。しかし、圧電/電歪セラミックスの焼結体においては結晶粒界に異相が析出しやすいため、非特許文献1により得られた単結晶に関する知見を圧電/電歪セラミックスにそのまま適用することはできない。
そこで、圧電/電歪セラミックスへの欠陥の導入に関する知見が必要になるが、特許文献1,2の技術による圧電/電歪セラミックスへの欠陥の導入は、時効処理に長期間を要するので、工業的な生産には向いていない。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、長時間の時効処理を行わずに電界誘起歪が大きな圧電/電歪セラミックスを提供することを第1の目的とする。さらに望ましくは、信頼性に優れた圧電/電歪素子を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するための手段を以下に示す。
第1の発明は、圧電/電歪セラミックスの製造において、ペロブスカイト構造中のBサイトイオン数に対するAサイトイオン数の比が0.94以上0.99以下の圧電/電歪セラミックス焼結体に対し、酸素分圧0.05〜1.0atmの雰囲気下において温度600〜1050℃で2〜100時間の酸素熱処理を行う。
第2の発明は、圧電/電歪セラミックスの組成を、一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:
0.35≦w≦0.53;
0.30≦x≦0.47;
0.00≦y≦0.12;
0.00≦z≦0.14;及び
0.94≦w+x+y+z≦0.99
を満し、y及びzの少なくともいずれかは0でない組成とする。
請求項1から請求項6までの発明によれば、時効処理を行わずに電界誘起歪が大きな圧電/電歪セラミックスを提供することができる。
請求項7から請求項10までの発明によれば、時効処理を行わずに変位が大きな圧電/電歪素子を提供することができる。
第1実施形態の圧電/電歪セラミックスの製造の流れを説明する流れ図である。 第2実施形態の圧電/電歪アクチュエータの断面図である。 第3実施形態の圧電/電歪アクチュエータの断面図である。 第4実施形態の圧電/電歪アクチュエータの断面図である。 第5実施形態の圧電/電歪アクチュエータの斜視図である。 第5実施形態の圧電/電歪アクチュエータの縦断面図である。 第5実施形態の圧電/電歪アクチュエータの横断面図である。 第5実施形態の圧電/電歪アクチュエータの一部の分解斜視図である。 試料7に交流電界を印加したときの電界に対する分極の変化を表す図である。 試料9に交流電界を印加したときの電界に対する分極の変化を表す図である。 試料7に交流電界を印加したときの電界に対する歪の変化を表す図である。 試料9に交流電界を印加したときの電界に対する歪の変化を表す図である。
<1 第1実施形態>
第1実施形態は、圧電/電歪セラミックスに関する。
<1.1 組成>
第1実施形態の圧電/電歪セラミックスは、一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:
0.35≦w≦0.53;
0.30≦x≦0.47;
0.00≦y≦0.12;
0.00≦z≦0.1;及び
0.94≦w+x+y+z≦0.99
を満たし、y及びzの少なくともいずれかは0でない組成を有する。
w,x,y及びzは、条件式:
w>x+y
をさらに満たすことが望ましい。
第1実施形態の圧電/電歪セラミックスは、Aサイト元素のBi(ビスマス),Na(ナトリウム),K(カリウム)及びBa(バリウム)のうちの1種類以上をストイキオメトリから不足させた組成を有する。Aサイト元素のストイキオメトリからの不足量は1mol%以上6mol%以下である。
なお、第1実施形態の圧電/電歪セラミックスが若干の不純物を含むことは許容される。
BNT,BKT及びBT含有比x,y及びzを上述の範囲内としたのは、上述の範囲外とすると、電界誘起歪が小さくなる傾向があらわれるからである。
Aサイト元素のストイキオメトリからの不足量を上述の範囲としたのは、上述の範囲を下回ると、電界誘起歪が小さくなる傾向があらわれるからであり、上述の範囲を上回ると、電界誘起歪が小さくなる傾向があらわれるとともにリーク電流が多くなる傾向があらわれるからである。
<1.2 結晶>
第1実施形態の圧電/電歪セラミックスは、BNT,BKT及びBTの固溶体BNT−BKT−BTであり、その結晶構造はペロブスカイト構造となっている。なお、第1実施形態の圧電/電歪セラミックスが若干の異相を含むことは許容される。
上述のようにストイキオメトリからAサイト元素を不足させることにより、ペロブスカイト構造のAサイトには空孔が生じる。また、Aサイトの空孔量は1mol%以上6mol%以下となる。
<1.3 ドメインスイッチング>
上述のようにAサイトに空孔を生じさせることは、ドメインスイッチングを起こりやすくし、非180°ドメインの回転に起因する大きな電界誘起歪を生じさせることに寄与する。非180°ドメインの回転が起こりやすくなっている場合、交流電界を印加すると歪及び分極がある電界で非線形的に急激に大きくなるジャンプ現象が観察される。
<1.4 製造>
図1は、第1実施形態の圧電/電歪セラミックスの製造の流れを説明する流れ図である。
(a)混合(ステップS101);
まず、上述の組成となるように秤量した構成元素(Bi,Na,K,Ba,Ti)の出発原料を混合する。出発原料としては、酸化物又は最終的に酸化物になる炭酸塩・酒石酸塩・シュウ酸塩等の化合物を用いる。混合は、ボールミル等により行う。ボールミルにより混合を行う場合、分散媒としてエタノール・トルエン・アセトン等の有機溶剤を用い、スラリーからの分散媒の除去は、蒸発乾燥・濾過・遠心分離等により行う。なお、湿式法ではなく、乾式法で混合を行ってもよい。
(b)仮焼(ステップS102);
出発原料を混合した後、得られた混合原料を仮焼して反応させる。仮焼温度は、800〜1000℃が望ましい。また、最高温度を維持する時間は、2〜10時間が望ましい。
粒子径及び比表面積を調整するため、得られた粉末を粉砕してもよい。この場合、仮焼及び粉砕を2回以上繰り返してもよい。また、粒子径分布を調整するため、得られた粉末を分級してもよい。さらに、2次粒子の形状や粒径を調整するため、得られた粉末のスラリーに噴霧乾燥等の造粒処理を行ってもよい。
(c)成形(ステップS103);
混合原料を仮焼した後、得られた粉末を成形する。成形は、押出成形・射出成形・加圧成形・鋳込み成形・テープ成形・冷間等方圧(CIP)成形等により行う。加圧成形を行った後にさらにCIP成形を行ってもよい。成形に先立って粉末にバインダを混合してもよい。バインダを混合する場合、ポリビニルブチラール樹脂・ポリビニルアルコール樹脂・ポリ酢酸ビニル樹脂・ポリアクリル樹脂等をバインダとして用いる。
(d)焼成(ステップS104);
粉末を成形した後、得られた成形体を焼成する。焼成温度は、1100〜1200℃であることが望ましい。また、最高温度を維持する時間は、2〜10時間であることが望ましい。粉末に樹脂バインダを混合した場合は、成形体から樹脂バインダを除去するための熱処理を行うことが望ましい。
(e)熱処理(ステップS105);
焼成の後、得られた焼結体に対し、酸素熱処理を行う。酸素熱処理は、酸素分圧が0.05〜1.0atmの雰囲気下において行うことが望ましく、0.11〜0.60atmの雰囲気下において行うことがさらに望ましい。酸素熱処理を行うときの温度は、600〜1050℃であることが望ましく、700〜1020℃であることがさらに望ましい。酸素熱処理を行う時間は、2〜100時間であることが望ましく、4〜60時間であることがさらに望ましい。酸素熱処理を行う時間は、上記の望ましい温度が維持される時間により定義される。
酸素熱処理を行った後に、切削・研削・研磨等の加工を焼結体に行ってもよいし、切削・研削・研磨等の加工を焼結体に行った後に酸素熱処理を行ってもよい。焼成に先立って成形体の表面に電極膜を形成し、成形体と電極膜とを共焼成してもよい。
(f)その他
得られた焼結体を圧電/電歪アクチュエータに用い抗電界を超える電界を印加する場合は、得られた焼結体に分極処理を行うことは必ずしも必要ではない。ただし、このことは、得られた焼結体に分極処理を行うことを妨げない。
なお、全ての構成元素の出発原料を上述のように1回で反応させることは必須ではなく、2回以上に分けて反応させてもよい。例えば、BNT,BKT及びBT等の中間体を合成した後に中間体を反応させて固溶体BNT−BKT−BTを合成してもよい。また、アルコキシド法等の固相反応法以外の方法で固溶体BNT−BKT−BT又は中間体を合成してもよい。
<1.5 用途>
第1実施形態の圧電/電歪セラミックスの焼結体は、大電界を印加したときの電界誘起歪が大きいため、圧電/電歪アクチュエータに好適に用いられる。ただし、このことは、第1実施形態の圧電/電歪セラミックスの焼結体を他の圧電/電歪素子、例えば、共振子・センサ等に用いることを妨げない。もちろん、共振子・センサ等に用い抗電界を超える電界を印加しない場合には、得られた焼結体に分極処理を行う。
<2 第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の圧電/電歪セラミックスを用いた圧電/電歪アクチュエータ402に関する。
<2.1 全体構造>
図2は、第2実施形態の圧電/電歪アクチュエータ402の模式図である。図2は、単層型の圧電/電歪アクチュエータ402の断面図となっている。
図2に示すように、圧電/電歪アクチュエータ402は、基体404の上面に、電極膜408、圧電/電歪体膜410及び電極膜412をこの順序で積層した構造を有する。圧電/電歪体膜410の両主面上の電極膜408,412は、圧電/電歪体膜410を挟んで対向する。電極膜408、圧電/電歪体膜410及び電極膜412を積層した積層体406は基体404に固着される。
ここでいう「固着」とは、有機接着剤や無機接着剤を用いることなく、基体404と積層体406との界面における固相反応により、積層体406を基体404に接合することをいう。
圧電/電歪アクチュエータ402では、電圧が印加されると、印加された電圧に応じて圧電/電歪体膜410が電界と垂直な方向に伸縮し、その結果として屈曲変位を生じる。
<2.2 圧電/電歪体膜410>
圧電/電歪体膜410は、第1実施形態の圧電/電歪セラミックスの焼結体を用いて構成される。
圧電/電歪膜410の膜厚は、0.5〜50μmであることが好ましく、0.8〜40μmであることがさらに好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。この範囲を下回ると、緻密化が不十分になる傾向があるからである。また、この範囲を上回ると、焼結時の収縮応力が大きくなるため、基体404の板厚を厚くする必要が生じ、圧電/電歪アクチュエータ402の小型化が困難になるからである。
<2.3 電極膜408,412>
電極膜408,412の材質は、白金・パラジウム・ロジウム・金・銀等の金属又はこれらの合金である。中でも、焼成時の耐熱性が高い点で白金又は白金を主成分とする合金が好ましい。また、焼成温度によっては、銀−パラジウム等の合金も好適に用いることができる。
電極膜408,412の膜厚は、15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。この範囲を上回ると、電極膜408,412が緩和層として機能し、屈曲変位が小さくなる傾向があるからである。また、電極膜408,412がその役割を適切に果たすためには、膜厚は、0.05μm以上であることが好ましい。
電極膜408,412は、圧電/電歪体膜410の屈曲変位に実質的に寄与する領域を覆うように形成することが好ましい。例えば、圧電/電歪体膜410の中央部分を含み、圧電/電歪体膜410の両主面の80%以上の領域を覆うように形成することが好ましい。
<2.4 基体404>
基体404の材質は、セラミックスであるが、その種類に制限はない。もっとも、耐熱性、化学的安定性及び絶縁性の観点から、安定された酸化ジルコニウム・酸化アルミニウム・酸化マグネシウム・ムライト・窒化アルミニウム・窒化ケイ素・ガラスからなる群から選択される少なくとも1種類を含むセラミックスが好ましい。中でも、機械的強度及び靭性の観点から安定化された酸化ジルコニウムがさらに好ましい。ここでいう「安定化された酸化ジルコニウム」とは、安定化剤の添加によって結晶の相転移を抑制した酸化ジルコニウムをいい、安定化酸化ジルコニウムの他、部分安定化酸化ジルコニムを包含する。
安定化された酸化ジルコニウムとしては、例えば、1〜30mol%の酸化カルシウム・酸化マグネシウム・酸化イットリニウム・酸化イッテルビウム若しくは酸化セリウム又は希土類金属の酸化物を安定化剤として含有させた酸化ジルコニウムをあげることができる。中でも、機械的強度が特に高い点で、酸化イットリニウムを安定化剤として含有させた酸化ジルコニウムが好ましい。酸化イットリニウムの含有量は、1.5〜6mol%であることが好ましく、2〜4mol%であることがさらに好ましい。また、酸化イットリニウムに加えて、0.1〜5mol%の酸化アルミニウムを含有させることもさらに好ましい。安定化された酸化ジルコニウムの結晶相は、立方晶と単斜晶との混合晶、正方晶と単斜晶との混合晶又は立方晶と正方晶と単斜晶との混合晶等であってもよいが、主たる結晶相が正方晶と立方晶との混合晶又は正方晶となっていることが、機械的強度、靭性及び耐久性の観点から好ましい。
基体404の板厚は、1〜1000μmであることが好ましく、1.5〜500μmであることがさらに好ましく、2〜200μmであることが特に好ましい。この範囲を下回ると、圧電/電歪アクチュエータ402の機械的強度が低下する傾向にあるからである。また、この範囲を上回ると、基体404の剛性が高くなり、電圧を印加した場合の圧電/電歪体膜410の伸縮による屈曲変位が小さくなる傾向があるからである。
基体404の表面形状(積層体406が固着される面の形状)は、特に制限されず、三角形、四角形(長方形や正方形)、楕円形又は円形とすることができ、三角形及び四角形については角丸めを行ってもよい。これらの基本形を組み合わせた複合形としてもよい。
<2.5 圧電/電歪アクチュエータ402の製造>
圧電/電歪アクチュエータ402の製造にあたっては、まず、基体404の上に電極膜408を形成する。電極膜408は、イオンビーム・スパッタリング・真空蒸着・PVD(Physical Vapor Deposition)・イオンプレーティング・CVD(Chemical Vapor Deposition)・メッキ・エアロゾルデポジション・スクリーン印刷・スプレー・ディッピング等の方法で形成することができる。中でも、基体404と圧電/電歪体膜410との接合性の観点から、スパッタリング法又はスクリーン印刷法が好ましい。形成された電極膜408は、熱処理により、基体404及び圧電/電歪体膜410と固着することができる。
続いて、電極膜408の上に圧電/電歪体膜410を形成する。圧電/電歪体膜410は、イオンビーム・スパッタリング・真空蒸着・PVD・イオンプレーティング・CVD・メッキ・ゾルゲル・エアロゾルデポジション・スクリーン印刷・スプレー・ディッピング等の方法で形成することができる。中でも、平面形状や膜厚の精度が高く、圧電/電歪体膜を連続して形成することができる点で、スクリーン印刷法が好ましい。
さらに続いて、圧電/電歪体膜410の上に電極膜412を形成する。電極膜412は、電極膜408と同様に形成することができる。
しかる後に、積層体406が形成された基体404を一体的に焼成する。この焼成により、圧電/電歪体膜410の焼結が進行するとともに、電極膜408,412が熱処理される。
圧電/電歪体膜410に酸素熱処理を行う。酸素熱処理を行う際に用いる炉が酸素雰囲気をフローするタイプの炉であると、場合によっては圧電/電歪体膜中の成分が蒸発し、組成が変化することがあるので、密閉式の炉が望ましい。
なお、電極膜408,412の熱処理を焼成とともに行うことが生産性の観点から好ましいが、このことは、電極膜408,412を形成するごとに熱処理を行うことを妨げない。ただし、また、電極膜412の熱処理の前に圧電/電歪体膜410の焼成が行われる場合は、圧電/電歪体膜410の焼成温度より低い温度で電極膜412が熱処理される。電極膜412の熱処理の前に圧電/電歪体膜410の焼成が行われる場合は、酸素熱処理は、電極膜412の熱処理の前及び後のいずれに行われてもよい。
<3 第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の圧電/電歪アクチュエータ402の構造に代えて採用することができる圧電/電歪アクチュエータ502の構造に関する。
図3は、第3実施形態の圧電/電歪アクチュエータ502の模式図である。図3は、多層型の圧電/電歪アクチュエータ502の断面図となっている。
図3に示すように、圧電/電歪アクチュエータ502は、基体504の上面に、電極膜514、圧電/電歪体膜516、電極膜518、圧電/電歪体膜520及び電極膜522をこの順序で積層した構造を有している。圧電/電歪体膜516の両主面上の電極膜514,518は、圧電/電歪体膜516を挟んで対向しており、圧電/電歪体膜520の両主面上の電極膜518,522は、圧電/電歪体膜520を挟んで対向している。電極膜514、圧電/電歪体膜516、電極膜518、圧電/電歪体膜520及び電極膜522を積層した積層体506は基体504に固着されている。なお、図3には、圧電/電歪体膜が2層である場合が図示されているが、圧電/電歪体膜が3層以上となってもよい。
多層型の圧電/電歪アクチュエータ502の基体504の板厚は、積層体506が接合される中央部524が周縁部526よりも薄肉化されている。基体504の機械的強度を保ちつつ、屈曲変位を大きくするためである。なお、単層型の圧電/電歪アクチュエータ402において基体404に代えて基体504を用いてもよい。
多層型の圧電/電歪アクチュエータ502も、形成すべき圧電/電歪膜及び電極膜の数が増える点を除いては、単層型の圧電/電歪アクチュエータ402と同様に製造される。
<4 第4実施形態>
第4実施形態は、第2実施形態の圧電/電歪アクチュエータ402の構造に代えて採用することができる圧電/電歪アクチュエータ602の構造に関する。
図4は、第4実施形態の圧電/電歪アクチュエータ602の模式図である。図4は、多層型の圧電/電歪アクチュエータ602の断面図となっている。
図4に示すように、圧電/電歪アクチュエータ602は、図3に示す基体504を単位構造として当該単位構造が繰り返される基体604と、単位構造の各々の上に固着された積層体606とを備える。積層体606は、第3実施形態の積層体506と同様のものである。
圧電/電歪アクチュエータ602も、形成すべき圧電/電歪膜及び電極膜の数が増える点及び積層体の数が増えることを除いては、圧電/電歪アクチュエータ402と同様に製造される。
<5 第5実施形態>
第5実施形態は、第1実施形態の圧電/電歪セラミックス焼結体を用いた圧電/電歪アクチュエータ702に関する。
<5.1 全体構造>
図5〜図7は、圧電/電歪アクチュエータ702の模式図である。図5は、圧電/電歪アクチュエータ702の斜視図、図6は、圧電/電歪アクチュエータ702の縦断面図、図7は、圧電/電歪アクチュエータ702の横断面図となっている。
図5〜図7に示すように、圧電/電歪アクチュエータ702は、圧電/電歪体膜728と内部電極膜730とを軸Aの方向に交互に積層し、圧電/電歪体膜728と内部電極膜730とを積層した積層体706の端面740,742に、それぞれ、外部電極膜736,738を形成した構造を有する。圧電/電歪アクチュエータ702の一部を軸Aの方向に分解した状態を示す図8の分解斜視図に示すように、内部電極膜730には、端面740に達しているが端面742には達していない第1の内部電極膜732と、端面742に達しているが端面740には達していない第2の内部電極膜734とがある。第1の内部電極膜732と第2の内部電極膜734とは交互に設けられる。第1の内部電極膜732は、端面740において外部電極膜736と接し、外部電極膜736と電気的に接続される。第2の内部電極膜734は、端面742において外部電極膜738と接し、外部電極膜738と電気的に接続される。したがって、外部電極膜736が駆動信号源のプラス側に接続され、外部電極膜738が駆動信号源のマイナス側に接続されると、圧電/電歪体膜728を挟んで対向する第1の内部電極膜732と第2の内部電極膜734とに駆動信号が印加され、圧電/電歪体膜728の厚さ方向に電界が印加される。この結果、圧電/電歪体膜728は厚さ方向に伸縮し、積層体706は全体として図5において破線で示す形状に変形する。
圧電/電歪アクチュエータ702は、既に説明した圧電/電歪アクチュエータ402,502,602と異なり、積層体706が固着される基体を有しない。また、圧電/電歪アクチュエータ702は、パターンが異なる第1の内部電極膜732と第2の内部電極膜734とを交互に設けることから、「オフセット型の圧電/電歪アクチュエータ」とも呼ばれる。
<5.2 圧電/電歪体膜728>
圧電/電歪体膜728は、第1実施形態の圧電/電歪セラミックス焼結体を用いて構成される。圧電/電歪体膜728の膜厚は、5〜500μmであることが好ましい。この範囲を下回ると、後述のグリーンシートの製造が困難になるからである。また、この範囲を上回ると、圧電/電歪体膜728に十分な電界を印加することが困難になるからである。
<5.3 内部電極膜730及び外部電極膜736,738>
内部電極膜730及び外部電極膜736,738の材質は、白金・パラジウム・ロジウム・金若しくは銀等の金属又はこれらの合金である。内部電極膜730の材質は、これらの中でも、焼成時の耐熱性が高く圧電/電歪体膜728との共焼結が容易な点で白金又は白金を主成分とする合金であることが好ましい。ただし、焼成温度によっては、銀−パラジウム等の合金も好適に用いることができる。
内部電極膜730の膜厚は、10μm以下であることが好ましい。この範囲を上回ると、内部電極膜730が緩和層として機能し、変位が小さくなる傾向があるからである。また、内部電極膜730がその役割を適切に果たすためには、膜厚は、0.1μm以上であることが好ましい。
なお、図5〜図7には、圧電/電歪体膜728が10層である場合が図示されているが、圧電/電歪体膜728が9層以下又は11層以上であってもよい。
<5.4 圧電/電歪アクチュエータ702の製造>
圧電/電歪アクチュエータ702の製造にあたっては、まず、圧電/電歪セラミックス粉末にバインダ、可塑剤、分散剤及び分散媒を加えてボールミル等で混合する。そして、得られたスラリーをドクターブレード法等でシート形状に成形してグリーンシートを得る。
続いて、パンチやダイを使用してグリーンシートを打ち抜き加工し、グリーンシートに位置合わせ用の孔等を形成する。
さらに続いて、グリーンシートの表面にスクリーン印刷等により電極ペーストを塗布し、電極ペーストのパターンが形成されたグリーンシートを得る。電極ペーストのパターンには、焼成後に第1の内部電極膜732となる第1の電極ペーストのパターンと焼成後に第2の内部電極膜734となる第2の電極ペーストのパターンとの2種類がある。もちろん、電極ペーストのパターンを1種類だけとして、グリーンシートの向きをひとつおきに180°回転させることにより、焼成後に内部電極膜732,734が得られるようにしてもよい。
次に、第1の電極ペーストのパターンが形成されたグリーンシートと第2の電極ペーストのパターンが形成されたグリーンシートを交互に重ね合わせるとともに、電極ペーストが塗布されていないグリーンシートを最上部にさらに重ね合わせた後に、重ね合わせたグリーンシートを厚さ方向に加圧して圧着する。このとき、グリーンシートに形成された位置合わせ用の孔の位置が揃うようにする。また、重ね合わせたグリーンシートの圧着にあたっては、圧着に使用する金型を加熱しておくことにより、加熱しながらグリーンシートを圧着するようにすることも望ましい。
このようにして得られたグリーンシートの圧着体を焼成し、酸素熱処理を行い、得られた焼結体をダイシングソー等で加工することにより、積層体706が得られる。酸素熱処理は、得られた焼結体をダイシングソー等で加工した後に行ってもよい。そして、焼き付け、蒸着、スパッタリング等により積層体706の端面740,742に外部電極膜736,738を形成する。
以下では、試料1〜30を作製し評価した結果について説明する。
<1 試料1〜30の作製>
試料1〜30の作製にあたっては、まず、出発原料のBi23(酸化ビスマス)・TiO2(酸化チタン)・Na2CO3(炭酸ナトリウム)・K2CO3(炭酸カリウム)・BaCO3(炭酸バリウム)を表1、表2及び表3に示す組成となるように秤量した。試料1〜30の組成は、一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが表1、表2及び表3の「w」「x」「y」及び「z」の欄に示される組成である。
Figure 2011201741
Figure 2011201741
Figure 2011201741
出発原料を秤量した後、秤量した出発原料、分散媒であるエタノール及び粉砕メディアである窒化ケイ素ボールを広口瓶に封入し、遊星ボールミルを用いて1時間かけて出発原料を混合・粉砕した。また、混合・粉砕が終了した後に、蒸発乾燥によりスラリーからエタノールを除去した。
続いて、混合原料を1000℃で仮焼した。最高温度を保持する時間は4時間とした。
さらに続いて、仮焼原料、分散媒であるエタノール及び粉砕メディアである窒化ケイ素ボールを広口瓶に封入し、遊星ボールミルを用いて1時間かけて仮焼原料を粉砕した。
次に、成形機の金型に形成された直径10mmの円筒孔に粉末を収容し、15MPaの圧力で粉末を一軸加圧成形した。さらに、成形体に対して100MPaの圧力でCIP成形を行った。
続いて、成形体を1170℃で焼成した。そして、得られた焼結体を、酸素分圧制御が可能な電気炉中に入れ、試料1〜21については、酸素分圧が0.2atmの雰囲気下において、試料22〜30については、表3に示す酸素分圧の雰囲気下において、950℃で10時間の酸素熱処理を行った。最高温度を保持する時間は4時間とした。このようにして得られた焼結体をステップカッターでスライスし厚さが200μmの円板形状に加工した。
最後に、円板形状の焼結体の両面に厚さが100nmの金電極膜をスパッタリングにより形成した。金電極膜の平面形状は円形状であって、その直径は1mmである。
<2 試料1〜21の評価>
続いて、試料1〜21の電界誘起歪、リーク電流及び連続駆動後のリーク電流を測定した。その結果を表1及び表2に示す。電界誘起歪は、株式会社東陽テクニカ(TOYO Corporation)製の強誘電体評価システム6252Rev.Bを用いて測定した。電界誘起歪は、円板形状の焼結体の厚さ方向に交流電界を印加したときの厚さ方向の伸び率である。印加した交流電界の振幅は10kV/mm、周波数は0.5Hzである。リーク電流は、緩和時間を30秒としたときの値である。連続駆動後のリーク電流とは、周波数0.5Hzで5kV/mmの交流電界を168時間連続印加した後のリーク電流値である。
表1に示すように、合計値w+x+y+zを0.94〜0.99とし、w,x,y及びzを変化させた試料1〜21では、w,x,y及びzが上述の範囲内となる試料で大きな電界誘起歪が得られた。しかし、w,x,y及びzが上述の範囲外となる試料では、小さな電界誘起歪しか得られなかった。また、試料2,6,7,11,14及び17では、リーク電流の増加傾向もあらわれた。
表2に示すように、合計値w+x+y+zを様々に変化させた場合、合計値が0.94の試料19及び合計値が0.98の試料20では、大きな電界誘起歪が得られ、リーク電流の増加傾向もあらわれなかった。一方、合計値が0.92の試料18では、リーク電流の増加傾向及び連続駆動後のリーク電流の著しい増加傾向もあらわれた。また、合計値が1.00の試料21では、小さな電界誘起歪しか得られず、連続駆動後のリーク電流の増加傾向があらわれた。試料21の焼結体のX線回折分析から、Bi4Ti312と同定される異相の存在が明らかになった。
表3に示すように、酸素分圧を0.05〜1atmの範囲内で変化させた試料25〜28では、大きな電界誘起歪が得られ、リーク電流及び連続駆動後のリーク電流の増加傾向もあらわれなかった。しかし、酸素分圧が0.05atmより小さい試料22〜24では、小さな電界誘起歪しか得られず、リーク電流及び連続駆動後のリーク電流の増加傾向があらわれた。また、酸素分圧が1atmより大きい試料29,30では、小さな電界誘起歪しか得られなかった。
組成はICP(誘導結合プラズマ)発光法により定量される。Bi,Tiに関しては重量法や滴定法などの湿式化学分析法を用いることで、より正確に定量される。
図9及び図10は、それぞれ、試料7,9に交流電界を印加したときの電界(Electric field)に対する分極(Polarization)の変化を表すグラフを示す図である。図9と図10とを対比すれば明らかなように、試料9では、矢印のあたりで分極が急激に変化しており、反強誘電体に似たヒステリシスループが観察されている。
図11及び図12は、それぞれ、試料7,9に交流電界を印加したときの電界(Electric field)に対する歪(Strain)の変化を表すグラフを示す図である。図11と図12とを対比すればわかるように、試料9では、矢印のあたりで歪が急激に変化している。
この発明は詳細に説明されたが、上述の説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
402,502,602,702 圧電/電歪アクチュエータ
410,516,520 圧電/電歪体膜
728 圧電/電歪体膜
408,412,514,518,522,730 電極膜

Claims (10)

  1. ペロブスカイト構造中のBサイトイオン数に対するAサイトイオン数の比が0.94以上0.99以下の圧電/電歪セラミックス焼結体に対し、酸素分圧0.05〜1.0atmの雰囲気下において温度600〜1050℃で2〜100時間の酸素熱処理を行う圧電/電歪セラミックスの製造方法。
  2. 鉛を含まない圧電/電歪セラミックス焼結体に対し、前記酸素熱処理を行う請求項1の圧電/電歪セラミックスの製造方法。
  3. 一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:
    0.35≦w≦0.53;
    0.30≦x≦0.47;
    0.00≦y≦0.12;
    0.00≦z≦0.14;及び
    0.94≦w+x+y+z≦0.99
    を満し、y及びzの少なくともいずれかは0でない圧電/電歪セラミックス。
  4. w,x,y及びzが条件式:
    w>x+y
    をさらに満たす請求項3の圧電/電歪セラミックス。
  5. 一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:
    0.35≦w≦0.53;
    0.30≦x≦0.47;
    0.00≦y≦0.12;
    0.00≦z≦0.14;及び
    0.94≦w+x+y+z≦0.99
    を満し、y及びzの少なくともいずれかは0でないペロブスカイト構造の固溶体を主成分とする圧電/電歪セラミックスの焼結体に、酸素分圧0.05〜1.0atmの雰囲気下において温度600〜1050℃で2〜100時間の酸素熱処理を行う圧電/電歪セラミックスの製造方法。
  6. w,x,y及びzが条件式:
    w>x+y
    をさらに満たす請求項5の圧電/電歪セラミックスの製造方法。
  7. 圧電/電歪セラミックスの酸素熱処理後の焼結体と、
    前記焼結体を挟んで対向する電極と、
    を備え、
    前記酸素熱処理後の焼結体は、
    一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:
    0.35≦w≦0.53;
    0.30≦x≦0.47;
    0.00≦y≦0.12;
    0.00≦z≦0.14;及び
    0.94≦w+x+y+z≦0.99
    を満たし、y及びzの少なくともいずれかは0でないペロブスカイト構造の固溶体を主成分とする圧電/電歪セラミックスの酸素熱処理前の焼結体に、酸素分圧0.05〜1.0atmの雰囲気下において温度600〜1050℃で2〜100時間の酸素熱処理を行うことにより作製される圧電/電歪素子。
  8. w,x,y及びzが条件式:
    w>x+y
    をさらに満たす請求項7の圧電/電歪素子。
  9. a) 一般式(BiwNaxyBaz)TiO2+(3w+x+y+2z)/2で表され、w,x,y及びzが条件式:
    0.35≦w≦0.53;
    0.30≦x≦0.47;
    0.00≦y≦0.12;
    0.00≦z≦0.14;及び
    0.94≦w+x+y+z≦0.99
    を満たし、y及びzの少なくともいずれかは0でないペロブスカイト構造の固溶体を主成分とする圧電/電歪セラミックスの酸素熱処理前の焼結体を作製する工程と、
    b)前記酸素熱処理前の焼結体に対し、酸素分圧0.05〜1.0atmの雰囲気下において温度600〜1050℃で2〜100時間の酸素熱処理を行う工程と、
    c) 焼結体を挟んで対向する電極を作製する工程と、
    を備える圧電/電歪素子の製造方法。
  10. w,x,y及びzが条件式:
    w>x+y
    をさらに満たす請求項9の圧電/電歪素子の製造方法。
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