JP2011201537A - 船舶推進機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機構を装備するとともにアッパーケーシングおよびロアケーシングの小型化が図られる船舶推進機を提供する。
【解決手段】クランク軸を含むエンジン22と、上下方向に延びるドライブ軸11とを備える。クランク軸の回転を減速しドライブ軸11に伝達する変速機構21と、ドライブ軸11を通すアッパーケーシング23とを備える。ドライブ軸11に接続された第1傘歯車37と、第1傘歯車37と噛合う第2傘歯車38が接続されたプロペラ軸36と、プロペラ軸36に接続されたプロペラ25とを備える。変速機構21は、遊星歯車式減速機によって構成され、かつアッパーケーシング23とエンジン22との間に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プロペラの駆動系に変速機構が介装された船舶推進機に関するものである。
従来のこの種の船舶推進機としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に示された船舶推進機は、エンジンがアッパーケーシングの上方に搭載されるとともに、このアッパーケーシングの下端部にロアケーシングが取付けられており、このロアケーシングに設けられたプロペラが前記エンジンによって駆動されることにより推力を発生させる。この船舶推進機においては、前記両ケーシング内を上下方向に延びるドライブ軸と、このドライブ軸の途中に介装された変速機構と、ドライブ軸の下端部に設けられた傘歯車とを介してエンジンの動力がプロペラ軸に伝達される。
前記変速機構は、二つの遊星歯車式減速機を備えており、これらの減速機が上下方向(軸線方向)に並ぶ状態でアッパーケーシング内に収容されている。
一方、従来の船舶推進機は、アッパーケーシングとロアケーシングとが鋳造によって所定形状に形成されたものが多い。これらのアッパーケーシングとロアケーシングの内部には、排ガスをプロペラの軸心部から水中に排出する構造の排気通路が形成されている。また、従来の船舶推進機としては、アッパーケーシングの上に水冷式エンジンが搭載され、アッパーケーシング内に設けられた冷却水ポンプによって海水を冷却水としてエンジンに供給する冷却装置を装備したものがある。
さらに、この種の従来の船舶推進機は、船体に着脱自在に取付けられるクランプブラケットを備えている。前記エンジンや前記アッパーケーシング、ロアケーシングなどからなる推進装置は、前記クランプブラケットにチルト軸を介して上下方向に揺動自在に支持されており、チルトアップまたはチルトダウンを行うことができるように構成されている。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特許第2785200号公報(第2−5頁、第1図)
しかしながら、上述したように構成された従来の船舶推進機においては、アッパーケーシングの上下方向の中央部に変速機構が設けられているために、アッパーケーシングが水平方向に大型化するという問題があった。このようにアッパーケーシングが大型化すると、アッパーケーシングの下端部に取付けられるロアケーシングも大きく形成しなければならず、走航時において両ケーシングが受ける水による抵抗が大きくなってしまう。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、変速機構を装備するとともにアッパーケーシングおよびロアケーシングの小型化が図られる船舶推進機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る船舶推進機は、クランク軸を含むエンジンと、前記エンジンの下方で上下方向に延びるドライブ軸と、前記クランク軸の回転を減速し前記ドライブ軸に伝達する変速機構と、前記ドライブ軸を通すアッパーケーシングと、前記ドライブ軸に接続された第1傘歯車と、前記第1傘歯車と噛合う第2傘歯車が接続されたプロペラ軸と、前記プロペラ軸に接続されたプロペラとを備え、前記変速機構は、遊星歯車式減速機によって構成され、かつ前記アッパーケーシングと前記エンジンとの間に設けられていることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記第1傘歯車と前記第2傘歯車とは、前記ドライブ軸の回転数と前記プロペラ軸の回転数とが一致するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記変速機構は、前記クランク軸に接続された太陽歯車と、前記変速機構のハウジングに固定された内歯歯車と、前記太陽歯車と前記内歯歯車との間に介装された複数の遊星歯車と、前記遊星歯車をそれぞれ回転自在に支持し、前記遊星歯車が全て一体に公転するように前記遊星歯車を連結し、かつ、前記ドライブ軸に接続されたキャリアとを含むことを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、船体に着脱可能に取付けられるクランプブラケットと、前記クランプブラケットに上下方向に回動自在に支持されたスイベルブラケットと、上下方向を軸線方向として前記スイベルブラケットにより回動自在に支持され、筒状に形成されたステアリング軸とを有し、前記ドライブ軸は前記ステアリング軸を貫通し、前記ステアリング軸に回転自在に支持されていることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記アッパーケーシングは、内部にドライブ軸のみを通すことを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、アッパーケーシングはチルト軸を介して船体側のクランプブラケットに上下方向に揺動自在に支持され、このチルト軸より上方に変速機構が設けられていることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記エンジンは空冷エンジンであることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記エンジンに接続された排気管から排ガスを大気中に排出する排気装置を備えていることを特徴とするものである。
本発明は、上記発明において、前記アッパーケーシングは引抜きによって形成された管体であることを特徴とするものである。
本発明によれば、アッパーケーシングの内部に変速機構を収容するスペースを形成しなくてよいから、アッパーケーシング内に変速機構が位置する従来の船舶推進機に較べてアッパーケーシングの小型化を図ることができる。
したがって、本発明によれば、水没する部位をコンパクトに形成することができ、走航時においてアッパーケーシングが受ける水による抵抗が小さい船舶推進機を提供することができる。
また、クランク軸の回転は、変速機構によって減速されてプロペラ軸に伝達されるから、プロペラを効率のよい低速で回転させることができるとともに、ドライブ軸とプロペラ軸との接続部分に設けられる傘歯車をコンパクトに形成することができる。この傘歯車の小型化を図ることができるのは、エンジン側の変速機構で充分に減速できるから、従来のように傘歯車で減速する必要がないからである。このように傘歯車をコンパクトに形成できることにより、ロアケーシングの横幅を狭く形成できるから、走航時においてロアケーシングが受ける水による抵抗をより一層低減することができる。
本発明に係る船舶推進機の正面図である。 本発明に係る船舶推進機の側面図である。 変速機構の構成を示す縦断面図である。 変速機構の構成を示す平面図である。 本発明に係る船舶推進機の斜視図である。 操舵用ハンドルの他の例を示す斜視図である。
以下、本発明に係る船舶推進機の一実施の形態を図1ないし図6によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る船舶推進機の正面図で、同図はクランプブラケットを破断した状態で描いてある。図2は本発明に係る船舶推進機の側面図、図3は変速機構の構成を示す縦断面図、図4は変速機構の構成を示す平面図である。図5は本発明に係る船舶推進機の斜視図で、同図(a)はキャリングハンドルを後方に位置付けた状態を示し、同図(b)はキャリングハンドルを取外した状態を示す。図6は操舵用ハンドルの他の例を示す斜視図で、同図(a)は前進状態を示し、同図(b)は操舵用ハンドルを取外した状態を示す。
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による船舶推進機としての船外機を示す。この船外機1は、図1および図2に示すように、船体2の取付部材3に着脱可能に取付けられたクランプブラケット4と、このクランプブラケット4にチルト軸5を介して上下方向に回動自在に支持されたスイベルブラケット6と、このスイベルブラケット6に上下方向を軸線方向とするステアリング軸7によって回動自在に支持された後述する推進装置8とから構成されている。
前記クランプブラケット4は、左右方向の両端部に支持用プレート4aがそれぞれ設けられ、前記取付部材3に取付用ボルト9によって着脱可能に取付けられている。
前記チルト軸5は、前記一対の支持用プレート4a,4aどうしの間に架け渡された状態で支持用プレート4aに固定されている。
前記スイベルブラケット6は、前記一対の支持用プレート4a,4aの内側においてチルト軸5に回動自在に支持されている。また、スイベルブラケット6は、チルト軸5より後方に延びるように形成されており、後端部において、ステアリング軸7を回動自在に支持している。
前記ステアリング軸7は、前記スイベルブラケット6の後端部から上方および下方に突出する筒状に形成され、図示していない軸受によってスイベルブラケット6に上下方向の軸線回りに回動自在に支持されている。また、このステアリング軸7の中空部内には、後述するドライブ軸11が通されている。
推進装置8は、前記ステアリング軸7の上端部に支持された変速機構21と、この変速機構21の上端部に支持されたエンジン22と、前記ステアリング軸7の下端部に支持され下方に延びるアッパーケーシング23と、このアッパーケーシング23の下端部に取付けられたロアケーシングとしてのギヤケース24と、このギヤケース24に回転自在に支持されたプロペラ25と、このプロペラ25に変速機構21から前記ドライブ軸11を用いて動力を伝達する伝動装置26と、操舵・運搬用のキャリングハンドル27(図5参照)などによって構成されている。
この推進装置8は、前記ステアリング軸7とともにスイベルブラケット6に対して左右方向に回動し、推進力の方向を変えることができる。すなわち、図1および図2に示す位置に推進装置8を位置付けることによって、船体2は前進し、この状態から推進装置8を左方向または右方向に回すことによって、船体2の進行方向が右方向または左方向に変わる。また、この実施の形態による船外機1においては、推進装置8を図1および図2に示す位置から180°変えることによって、船体2を後退させることができる。
前記変速機構21は、この実施の形態では、図3および図4に示すように、遊星歯車式減速機によって構成されており、図1および図2に示すように、前記チルト軸5より高い位置に搭載されている。この変速機構21は、前記エンジン22のクランク軸28(図3参照)の下端部に一体的に設けられた太陽歯車29と、この太陽歯車29と同一軸線上に位置しかつ太陽歯車29と軸線方向の同位置に位置する内歯歯車30と、この内歯歯車30と前記太陽歯車29との間に介装された3個の遊星歯車31と、これらの遊星歯車31をそれぞれ回転(自転)自在に支持しかつ全ての遊星歯車31を一体に公転するように連結するキャリア32とから構成されている。この実施の形態による変速機構21に使用している歯車は全て平歯車である。
前記内歯歯車30は、変速機構21のハウジング33(図3参照)に支持、固定されている。前記キャリア32は、前記ハウジング33に図示していない軸受によって回転自在に支持されている。このキャリア32の軸心部には、ドライブ軸11の上端部が接続されている。
この実施の形態による変速機構21は、太陽歯車29の回転数に対してキャリア32の回転数が1/5となるように減速する構成が採られている。
前記ドライブ軸11は、図1および図2に示すように、ステアリング軸7とアッパーケーシング23とを貫通し、ギヤケース24の内部に臨むように形成されている。このドライブ軸11の下端部には、後述するように一対の傘歯車37,38を介してプロペラ軸36が接続されている。この実施の形態によるドライブ軸11は、ステアリング軸7とギヤケース24とに図示していない軸受によって回転自在に支持されている。
前記エンジン22は、空冷式4サイクルエンジンで、クランク軸28(図3参照)の軸線方向が上下方向を指向する状態で変速機構21の上に搭載されている。また、このエンジン22は、図2に示すように、前記変速機構21の上方で後方に排ガスを排出する排気管34を備えている。このエンジン22は、図5に示すように、カウリング35によって覆われるために、ファンとシュラウドとからなる強制空冷装置(図示せず)を装備している。
前記アッパーケーシング23は、アルミニウム合金を材料とするパイプによって形成され、前記ステアリング軸7の下端部に固定されている。このアッパーケーシング23の断面形状は、前後方向に長い楕円形状に形成されている。また、このアッパーケーシング23内に形成される空間の断面積は、アッパーケーシング23内にドライブ軸11を通すために必要な最小限のスペースが得られる大きさに設定されている。これは、この実施の形態による船外機1は、エンジン22が空冷式でありアッパーケーシング内に冷却水パイプを通す必要がないことと、エンジン22の排ガスをエンジン22の近傍で大気中に排出するためにアッパーケーシング内に排気通路を形成する必要がないからである。
このように、アッパーケーシング23は、その内部にドライブ軸11のみが通る構造であるから、この実施の形態で示すように断面形状が一定のパイプによって形成することができた。この実施の形態によるアッパーケーシング23は、引抜き加工によって形成されたパイプを使用して製造されている。
前記ギヤケース24は、鋳造によって所定の形状に形成されており、前記アッパーケーシング23の下端部に固定されている。また、このギヤケース24は、後述するプロペラ軸36を図示していない軸受によって回転自在に支持している。
前記プロペラ25は、2枚の翼25aを有するもので、低回転で大きな推力が得られるように従来のプロペラに較べて外径が大きくなるように形成されている。換言すれば、このプロペラ25は、相対的に外径が大きくかつボス径が小さく、いわゆる翼アスペクト比が従来の船外機のプロペラより大きくなるように形成されている。
このプロペラ25に上述した変速機構21から動力を伝達する伝動装置26は、前記変速機構21のキャリア32に接続された前記ドライブ軸11と、このドライブ軸11の下端部に第1、第2傘歯車37,38を介して接続された前記プロペラ軸36とによって構成されている。前記第1、第2傘歯車37,38は、この実施の形態では減速をすることがない構成が採られている。すなわち、プロペラ軸36(プロペラ25)の回転数は、ドライブ軸11の回転数と一致することになる。なお、第1、第2傘歯車37,38は、ドライブ軸11の回転に対してプロペラ軸36の回転が減速されるように構成することもできる。
前記キャリングハンドル27は、船外機1を持ち運ぶときに把持したり、運転者が操舵をするためのもので、図5(b)に示すように、コ字状に形成され、両端部に設けられた支軸39によって推進装置8に回動自在に取付けられている。前記支軸39は、軸線方向が左右方向となるように形成され、推進装置8の剛体部分(変速機構21やエンジン22)に回動自在に支持されている。
このキャリングハンドル27は、図5(a)中に実線で示すように、後方に延びるように回動させることによって、実質的に後退時に操舵をするための操舵用ハンドルとして機能するようになる。すなわち、後退時は、推進装置8が同図に示す位置に対して水平方向に180°回転された状態となり、この状態ではキャリングハンドル27が船体2側へ延びるようになるから、乗員がキャリングハンドル27を操作することによって、後退時に操舵をすることができる。なお、前進時は、キャリングハンドル27を同図中に実線で図示した位置から支軸39を中心にして180°前側へ回すことによって、このキャリングハンドル27を把持して操舵をすることができる。
キャリングハンドル27は、図5(a)中に二点鎖線で示す垂直位置に位置付けることによって、実質的に船外機1を持ち運ぶときに把持する把持用ハンドルとして機能するようになる。なお、この実施の形態による船外機1は、前記キャリングハンドル27の代わりに、図2中に二点鎖線で示すように、着脱式の操舵用ハンドル40を推進装置8の前端部に設けることもできるし、図6に示すように、1本のロッド41によって形成することもできる。
図6に示すロッド41からなる操舵用ハンドル42は、一端部にグリップ43が設けられるとともに、他端部に支軸44が設けられており、推進装置8における左側の端部に前記支軸44によって回動自在に取付けられている。この操舵用ハンドル42は、前進時には前方を指向する状態で使用し、後退時は、前進状態から180°回転させた状態で使用する。
また、これらのキャリングハンドル27や操舵用ハンドル42には、図示してはいないが、エンジン22の回転数を増減させるためのスロットル操作用部材が設けられている。
上述したように構成された船外機1は、エンジン22のクランク軸28の回転が変速機構21によって減速された状態で伝動装置26を介してプロペラ25に伝達され、このプロペラ25がクランク軸28の1/5の回転数で回転し推力が発生する。この実施の形態による船外機1においては、このようにエンジン22の回転を減速する変速機構21がアッパーケーシング23の上方に位置付けられているから、アッパーケーシング23の内部に変速機構が位置する構造の従来の船外機に較べて、アッパーケーシング23の左右方向および前後方向の幅を小さく形成することができる。
したがって、この実施の船外機1によれば、水没する部位をコンパクトに形成することができ、走航時における水による抵抗を低減することができる。また、クランク軸28の回転は、変速機構21によって減速されてプロペラ軸36に伝達されるから、プロペラ25を効率のよい低速で回転させることができるとともに、ドライブ軸11とプロペラ軸36との接続部分に設けられる第1、第2傘歯車37,38をコンパクトに形成することができる。
この第1、第2傘歯車37,38の小型化を図ることができるのは、エンジン22側の変速機構21で充分に減速でき、第1、第2傘歯車37,38では減速する必要がないからである。なお、第1、第2傘歯車37,38で減速させるためには、プロペラ軸36に設けられた第2傘歯車38の径を相対的に大きく形成しなければならず、第1、第2傘歯車37,38の全体の外形が大型化し、これに伴ってギヤケース(ロアケーシング)が大型化してしまう。しかし、この実施の形態で示したように、この実施の形態による船外機1においては、第1、第2傘歯車37,38をコンパクトに形成できることにより、ギヤケース24の横幅を狭く形成することができるから、走航時におけるギヤケース24が受ける水による抵抗をより一層低減することができる。
前記第1、第2傘歯車37,38は、この実施の形態では等速で動力を伝達するように形成されている。この構成を採ることにより、第1、第2傘歯車37,38において、互いに噛合う歯面どうしの相対滑り量を最小にすることができる。この結果、大減速比の変速機構21によりエンジン22の回転が減速されて第1、第2傘歯車37,38に入力されることに起因して第1、第2傘歯車37,38の入力トルクが相対的に大きくなり、歯面の面圧が高くなるにもかかわらず、PV値(面圧・滑り速度)を大きくとることができる。
このため、この実施の形態による船外機1の前記第1、第2傘歯車37,38は、従来の船外機に使用されているものに較べて耐久性が高くなる。
また、第1、第2傘歯車37,38を等速または低減速比で動力を伝達する構成とすることにより、これらの第1、第2傘歯車37,38の歯にアンダーカット部分を形成する必要がなくなる。このため、いわゆる鋼組織フロー化となる鍛造製法が可能となるから、この製法で第1、第2傘歯車37,38を製造することによって、入力トルクの増大による歯曲げ応力の増大分を相殺し得る強度を第1、第2傘歯車37,38にもたせることができ、耐久性をより一層向上させることができる。
この実施の形態による船外機1は、変速機構21がチルト軸5より上方に位置付けられているから、この船外機1をチルト軸5を中心として回動させて引き上げ、チルトアップさせるときの荷重は、変速機構21がチルト軸5の下方に位置する場合に較べて小さくなる。このため、この実施の形態による船外機1は、チルトアップを容易に行うことができる。
この実施の形態による船外機1は、空冷式エンジン22が搭載されているから、エンジン22に冷却水を供給する必要がない。このため、アッパーケーシング23内に冷却水ポンプおよび冷却水パイプなどの水冷用の部品を設ける構造の船外機に較べ、アッパーケーシング23の小型化を図ることができる。
この実施の形態による船外機1は、変速機構21より上方で大気中に排ガスを排出する構成が採られているから、アッパーケーシング23内に排気通路を設ける必要がない。このため、この実施の形態による船外機1は、アッパーケーシング内とロアケーシング内に排気通路が形成された従来の船外機に較べてこれらのケーシングを細く形成することができる。
また、この実施の形態による船外機1は、アッパーケーシング23が大量生産が可能な引抜き加工によって形成されているから、製造コストを低減することができる。
加えて、この実施の形態による変速機構21は、平歯車のみを使用する遊星歯車減速機によって構成されているから、耐久性の向上を図りながら大きな減速比を得ることができる。
なお、上述した実施の形態では遊星歯車式減速機によって変速機構21を構成した例を示したが、本発明に係る変速機構としては、これに限らず他の減速機、変速機を使用することができるし、遊星歯車式減速機を上下方向に複数並べて搭載し、減速比を人為的、自動的に切換えることができるように構成することもできる。
1…船外機、4…クランプブラケット、6…スイベルブラケット、8…推進装置、11…ドライブ軸、21…変速機構、22…エンジン、23…アッパーケーシング、24…ギヤケース、25…プロペラ、28…クランク軸、29…太陽歯車、30…内歯歯車、31…遊星歯車、32…キャリア、34…排気管、36…プロペラ軸、37…第1傘歯車、38…第2傘歯車。

Claims (9)

  1. クランク軸を含むエンジンと、
    前記エンジンの下方で上下方向に延びるドライブ軸と、
    前記クランク軸の回転を減速し前記ドライブ軸に伝達する変速機構と、
    前記ドライブ軸を通すアッパーケーシングと、
    前記ドライブ軸に接続された第1傘歯車と、
    前記第1傘歯車と噛合う第2傘歯車が接続されたプロペラ軸と、
    前記プロペラ軸に接続されたプロペラとを備え、
    前記変速機構は、遊星歯車式減速機によって構成され、かつ前記アッパーケーシングと前記エンジンとの間に設けられていることを特徴とする船舶推進機。
  2. 請求項1記載の船舶推進機において、前記第1傘歯車と前記第2傘歯車とは、前記ドライブ軸の回転数と前記プロペラ軸の回転数とが一致するように構成されていることを特徴とする船舶推進機。
  3. 請求項1記載の船舶推進機において、前記変速機構は、前記クランク軸に接続された太陽歯車と、
    前記変速機構のハウジングに固定された内歯歯車と、
    前記太陽歯車と前記内歯歯車との間に介装された複数の遊星歯車と、
    前記遊星歯車をそれぞれ回転自在に支持し、前記遊星歯車が全て一体に公転するように前記遊星歯車を連結し、かつ、前記ドライブ軸に接続されたキャリアとを含むことを特徴とする船舶推進機。
  4. 請求項1記載の船舶推進機において、船体に着脱可能に取付けられるクランプブラケットと、
    前記クランプブラケットに上下方向に回動自在に支持されたスイベルブラケットと、
    上下方向を軸線方向として前記スイベルブラケットにより回動自在に支持され、筒状に形成されたステアリング軸とを有し、
    前記ドライブ軸は前記ステアリング軸を貫通し、前記ステアリング軸に回転自在に支持されていることを特徴とする船舶推進機。
  5. 請求項1記載の船舶推進機において、前記アッパーケーシングは、内部にドライブ軸のみを通すものであることを特徴とする船舶推進機。
  6. 請求項1記載の船舶推進機において、アッパーケーシングはチルト軸を介して船体側のクランプブラケットに上下方向に揺動自在に支持され、このチルト軸より上方に変速機構が設けられている船舶推進機。
  7. 請求項1記載の船舶推進機において、前記エンジンは空冷エンジンである船舶推進機。
  8. 請求項1記載の船舶推進機において、前記エンジンに接続された排気管から排ガスを大気中に排出する排気装置を備えている船舶推進機。
  9. 請求項1記載の船舶推進機において、前記アッパーケーシングは引抜きによって形成された管体である船舶推進機。
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