JP2011201193A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ機構にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】インク噴射用ノズルを有する記録ヘッド22と、記録ヘッド22に供給されるインクを収容するインクタンク23と、インクタンク23に収容されるインクを記録ヘッドへ供給するインク供給路101と、インク供給路101の途中に設けられ、インク供給路101を流通されるインクを一旦収容する収容タンク260を有し、収容タンク260の内部を加圧又は減圧するポンプ機構24であって、収容タンク260の内部を加圧して収容されたインクを記録ヘッド22へ供給する圧力である第1圧力と、第1圧力の絶対値よりも絶対値が小さく且つ収容タンク260の内部を減圧してインクタンク23に収容されたインクを収容タンク260に補給する圧力である第2圧力とに切り換え可能なポンプ機構24と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録ヘッドのノズルからインクを噴射して、用紙などの記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置における記録ヘッドは、インクを噴射する複数のインク噴射用ノズルを有する。記録ヘッドには、インクタンクからインクが供給される。
ところで、インクジェット記録装置においては、一般的に、インクタンクから記録ヘッドへインクを供給するインク供給路の途中にポンプ機構が設けられる。このポンプ機構は、次のような役割を果たす。
例えば、印刷中にジャム(用紙の詰まり)が発生して用紙が記録ヘッドのノズル面に接触したような場合、インク噴射用ノズルの内部のインクが吸水性を有する用紙に吸引されてノズル内部が空になって気泡が入ったり、あるいは、用紙に付着している粉塵等がノズル面に付着したりする場合がある。このような場合、ノズルからのインクの吐出が正常に行えず、画像に白い筋状の空白(白筋)が発生しやすい。また、ノズルからインクは吐出されても、ノズル面に付着した粉塵等の影響を受けてインクが真っ直ぐに吐出されずに、良好な画像が得られない可能性がある。
そこで、不良なインクの吐出状態を正常なインクの吐出状態に回復するために、大量のインクをインク噴射用ノズルから噴射させてノズルの内部を洗浄するパージ動作を行うのが一般的である。パージ動作は、ポンプ機構によりインクタンクから大量のインクを記録ヘッドに供給することにより行われる。
また、記録ヘッドが未使用の段階(記録ヘッドを交換した場合等)においては、記録ヘッドの内部には、インクとは異なる保存液が充填されている。そのため、記録ヘッドの内部に充填される保存液をインクと入れ替える必要がある。この未使用の記録ヘッドにインクを充填する動作は、ポンプ機構によりインクタンクから大量のインクを記録ヘッドに供給することにより行われる。
このように、ポンプ機構は、パージ動作や未使用の記録ヘッドにインクを充填する際に用いられる。
このようなポンプ機構として、シリンジポンプを備えるインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されるシリンジポンプは、シリンダと、シリンダの内部に配置されるピストンと、シリンダの内部におけるシリンダとピストンとに挟まれた空間により形成される収容タンクと、ピストンを往復運動させるピストン駆動部とを備える。
特開2005−144710号公報
特許文献1に記載されるシリンジポンプ等のポンプ機構によりインクタンクから大量のインクを記録ヘッドに供給した場合、ポンプ機構の内部の収容タンクに一旦収容されたインクの量が一時的に減少する。従って、パージ動作や未使用の記録ヘッドにインクを充填する動作等が行われた後には、インクタンクから収容タンクへのインクの補給が必要となる。そのため、内部タンクの内部に負の圧力(負圧)を発生させることにより、収容タンクには、インクタンクからのインクの補給が行われる。
しかし、パージ動作や未使用の記録ヘッドにインクを充填する動作の際の正の圧力(正圧)と同じ負の圧力(負圧)でインクタンクから収容タンクへのインクの補給を行う場合には、収容タンクの内部が非常に高い負圧になるため、インク中に溶解している気体が気泡となって収容タンクやインク供給路の内部に発生するという問題があった。そのため、記録時において、記録ヘッドのノズルからのインクの吐出が正常に行われない可能性があった。
本発明は、インク供給路の途中にポンプ機構を備え、ポンプ機構にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、インク噴射用ノズルを有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに供給されるインクを収容するインクタンクと、前記インクタンクに収容されるインクを前記記録ヘッドへ供給するインク供給路と、前記インク供給路の途中に設けられ、前記インク供給路を流通されるインクを一旦収容する収容タンクを有し、前記収容タンクの内部を加圧又は減圧するポンプ機構であって、前記収容タンクの内部を加圧して前記収容タンクに収容されたインクを前記記録ヘッドへ供給する圧力である第1圧力と、前記第1圧力の絶対値よりも絶対値が小さく且つ前記収容タンクの内部を減圧して前記インクタンクに収容されたインクを前記収容タンクに補給する圧力である第2圧力とに切り換え可能なポンプ機構と、を備えるインクジェット記録装置に関する。
また、前記第2圧力の絶対値が前記第1圧力の絶対値よりも小さくなるように前記ポンプ機構を制御するポンプ機構動作制御部を更に備えることが好ましい。
また、前記ポンプ機構は、前記インクタンクに接続されるインク吸入口部及び前記記録ヘッドに接続されるインク吐出口部が形成されるシリンダと、該シリンダの内部に配置されるピストンと、前記シリンダの内部における前記シリンダと前記ピストンとに挟まれた空間により構成される前記収容タンクと、前記ピストンを往復運動させることにより前記収容タンクの内部を加圧又は減圧するピストン駆動部と、を有して構成され、前記ポンプ機構動作制御部は、前記収容タンクの内部を加圧する方向である加圧方向に前記ピストンを移動することにより前記第1圧力となるように前記ピストン駆動部を制御し、前記収容タンクの内部を減圧する方向である減圧方向に前記ピストンを移動することにより前記第2圧力となるように前記ピストン駆動部を制御するものであることが好ましい。
また、前記ポンプ機構動作制御部は、前記ピストンを前記加圧方向に第1速度で移動することにより前記収容タンクの内部の圧力を前記第1圧力となるように前記ピストン駆動部を制御し、前記ピストンを前記減圧方向に第1速度よりも小さい第2速度で移動させることにより前記収容タンクの内部の圧力を前記第2圧力となるように前記ピストン駆動部を制御するものであることが好ましい。
また、前記収容タンクは、前記インクタンクに収容されるインクを一旦収容するサブタンクであり、前記ポンプ機構は、前記サブタンクの内部を加圧又は減圧する加減圧ポンプを有するものであることが好ましい。
また、前記インク供給路は、筒状のチューブにより構成されており、前記ポンプ機構から前記記録ヘッドまでインクを供給し且つ前記チューブの内径が第1内径により形成される記録ヘッド側供給路と、前記インクタンクから前記ポンプ機構までインクを供給し且つ前記チューブの内径が前記第1内径よりも大きい第2内径により形成されるインクタンク側供給路とを有し、前記第1内径は、前記収容タンクの内部を加圧する際の前記収容タンクの内部の圧力が前記第1圧力となるように形成され、前記第2内径は、前記収容タンクの内部を減圧する際の前記収容タンクの内部の圧力が前記第2圧力となるように形成されることが好ましい。
また、前記インク供給路は、前記インクタンクに収容されるインクを前記ポンプ機構へ供給するインクタンク側供給路と、前記ポンプ機構に収容されるインクを前記記録ヘッドへ供給する記録ヘッド側供給路と、前記インクタンク側供給路と前記記録ヘッド側供給路とをつなぐバイパス供給路とを有し、前記バイパス供給路の途中に設けられる開閉弁と、前記インク供給路の途中に設けられると共にインクの流れる方向を規制する逆止弁と、を更に備える前記インク供給路は、前記インクタンクから前記ポンプ機構までインクを供給するインクタンク側供給路と、前記ポンプ機構から前記記録ヘッドまでインクを供給する記録ヘッド側供給路と、前記インクタンク側供給路と前記記録ヘッド側供給路とをつなぐバイパス供給路とを有し、前記バイパス供給路の途中に設けられる開閉弁と、前記インク供給路の途中に設けられると共にインクの流れる方向を規制する逆止弁と、を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、インク供給路の途中にポンプ機構を備え、ポンプ機構にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1の概要を正面側から模式的に示す縦断面図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置1において、各記録ヘッド22に対応してキャップユニット50が装着された状態における記録部20及び搬送ユニット30の周辺部を示す平面図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給部100の構成を模式的に示す概略構成図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24の構成を説明する断面図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24の動作を説明するフローチャートである。 第1実施形態のインクジェット記録装置1において、気泡の大きさが小さいほど気泡の表面積に対する気泡の体積の比率が近くなることを説明する概念図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給部100Aの構成を模式的に示す概略構成図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24Aの動作を説明するフローチャートである。 第3実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給部100Bの構成を模式的に示す概略構成図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1及び図2により、本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1における全体構造の概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1の概要を正面側から模式的に示す縦断面図である。図2は、第1実施形態のインクジェット記録装置1において、各記録ヘッド22に対応してキャップユニット50が装着された状態における記録部20及び搬送ユニット30の周辺部を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、第1実施形態のインクジェット記録装置1は、本体2内に、記録部20と、クリーニング部25と、搬送ユニット30と、インク供給部100と、搬送ユニット30を昇降させる昇降装置40と、キャップユニット50と、キャップユニット50を水平移動させる第1水平移動機構(図示せず)と、クリーニング部25を水平移動させる第2水平移動機構(図示せず)とを備える。
第1実施形態のインクジェット記録装置1は、更に、給紙カセット3と、給紙ローラ4と、用紙搬送路5と、レジストローラ対6と、乾燥装置7と、排紙ローラ対8と、排紙口9と、排紙トレイ10と、を備える。
図1及び図2に示すように、搬送ユニット30は、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、駆動ローラ32及び従動ローラ33に掛け渡される搬送ベルト31と、搬送ベルト31のテンションを調整するテンションローラ34と、搬送ベルト31の搬送面の下側(記録部20とは反対側)に装備される空気吸引ユニット(図示せず)とを有する。搬送ベルト31及び空気吸引ユニットの上面には、それぞれ吸引用の貫通孔(図示せず)が多数設けられている。
駆動ローラ32及び従動ローラ33が正面視で反時計方向に回転することにより、搬送ベルト31の上面部分で形成される搬送面31Aは、水平面(X−Y平面)内の用紙搬送方向Pの一方から他方に向けて水平移動される。つまり、搬送ベルト31の搬送面31A上においては、用紙搬送方向Pは、水平方向Xとほぼ一致する。空気吸引ユニットは、搬送ベルト31の搬送面31Aの下側(記録部20とは反対側)に配置され、搬送ベルト31の搬送面31Aに記録媒体としての用紙Tを吸着させる吸引力を作用させる。
搬送ベルト31としては、両端部を互いに重ね合わせて接合してエンドレス状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルト等を用いることができる。
図2に示すように、所定の記録時には、記録媒体としての用紙Tは、搬送ベルト31の搬送面31A上に、用紙搬送方向Pの一方側から導入される。搬送面31Aには、空気吸引ユニット(図示せず)の動作に伴って、前記の吸引用の貫通孔(図示せず)を介して搬送ベルト31に作用する吸引力が生じている。搬送ベルト31の搬送面31A上に導入された用紙Tは、前記吸引力により搬送面31Aに吸着されて、用紙搬送方向Pの他方側に向けて搬送される。このように搬送ベルト31の搬送面31Aに吸着された状態で搬送される用紙Tに向けて、後述する記録部20の記録ヘッド22からインクが吐出されることにより、用紙Tに画像等が記録される(印刷される)。
図1に示すように、給紙カセット3は、用紙Tを積層状態で収容するものであり、本体2の内部の下方における搬送ユニット30の用紙搬送方向Pの上流側に配置されている。給紙ローラ4は、給紙カセット3の上方に配置されている。この給紙ローラ4により、用紙Tは、図1における給紙カセット3の右上方に向けて送り出される。
用紙搬送路5、レジストローラ対6、記録部20及び搬送ユニット30は、給紙カセット3の用紙搬送方向Pの下流側に配置されている。給紙カセット3から送り出された用紙Tは、用紙搬送路5を通ってレジストローラ対6に到達する。レジストローラ対6は、用紙Tの斜め送りを矯正して用紙Tを再度送り出す。記録部20とレジストローラ対6との間の用紙搬送路5に設けられた用紙先端検出センサ(図示せず)により、用紙Tの先端部が検出され、その検出されたタイミングに基づいて、記録部20は、後述するようなインクの吐出動作を実行する。
図1に示すように、乾燥装置7は、本体2の内部の上方における搬送ユニット30の用紙搬送方向Pの下流側に配置されている。乾燥装置7は、記録部20において吐出されるインクにより記録された後における用紙Tのインクを乾燥させる。
排紙ローラ対8、排紙口9及び排紙トレイ10は、乾燥装置7の用紙搬送方向Pの下流側に、この順で配置されている。乾燥装置7によりインクの乾燥が終了した用紙Tは、排紙ローラ対8により用紙搬送方向Pの下流側に送られ、排紙口9を通して、本体2の外側に設けられた排紙トレイ10に送られて、本体2の外部に排出される。
図1及び図2に示すように、記録部20は、4色に対応する記録ヘッド22を有する。4色に対応する記録ヘッド22とは、ブラック用の記録ヘッド22K、シアン用の記録ヘッド22C、マゼンタ用の記録ヘッド22M、イエロー用の記録ヘッド22Yである。これら4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、用紙搬送方向P(水平方向X)に直交する用紙幅方向Yに沿って長く延びている。記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、搬送ベルト31の用紙搬送方向Pに沿って、用紙搬送方向Pの上流側から下流側に向かって順に配列して配置されている。第1実施形態においては、4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yそれぞれにおいて、1色の記録ヘッドにつき3個の記録ヘッドを用紙幅方向Yに等間隔で直列に配置している。
4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、インク噴射用ノズルが形成されたノズル面221(図3参照)を有する。ノズル面221は、4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの下面である。各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yにおけるノズル面221は、搬送ベルト31の搬送面31Aに対向する。4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、ノズル面221に形成されたインク噴射用ノズルから噴射されたインクにより用紙Tに画像を記録する。
図1に示すように、インク供給部100は、4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yと、4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yと、を主体に構成される。
4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yは、4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yそれぞれに対応して、搬送ユニット30の下方に配置されている。4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yは、4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに供給されるインクを収容する。4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yに収容された各色のインクは、後述する4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yに供給される。4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yは、搬送ベルト31の用紙搬送方向Pに沿って、用紙搬送方向Pの上流側から下流側に向かって順に配列して配置されている。
4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yは、4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yそれぞれに対応して、搬送ユニット30の上方に配置されている。4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yは、4つのインクタンク23K、23C、23M、23Yに収容された各色のインクを一旦収容する。4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yは、搬送ベルト31の用紙搬送方向Pに沿って、用紙搬送方向Pの上流側から下流側に向かって順に配列して配置されている。
4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yに収容された各色のインクは、4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yから4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yへ供給される。
インク供給部100の詳細については後述する。
なお、以下の説明において、特に特定する必要がある場合を除いて、4色の記録ヘッド22K、22C、22M、22Y、4つのインクタンク23K、23C、23M、23Y、及び4つのポンプ機構24K、24C、24M、24Yについては、それぞれの識別記号である「K」、「C」、「M」、「Y」を省略して、単に「記録ヘッド22」、「インクタンク23」及び「ポンプ機構24」と記載する。
記録部20の各記録ヘッド22は、外部コンピュータ(図示せず)から受信した画像データ情報(例えば、文字、図形、模様)に対応して、搬送ベルト31の搬送面31A上に載置された用紙Tに向かって4色のインクを吐出する。図2に示すように、各記録ヘッド22は、矩形板状の記録ヘッド支持部材21に支持されており、この記録ヘッド支持部材21と共に、本体2に固定されている。そして、搬送ベルト31の回転移動と共に、所定のタイミングで各記録ヘッド22から4色のインクが順次吐出されることにより、用紙Tには、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色のインクが重ね合わせられ、カラーインク画像が印刷される。
記録ヘッド22のインク吐出方式としては、例えば、ピエゾ素子(図示せず)を用いてインクを押し出すピエゾ方式や、発熱体(図示せず)によって気泡を発生させ、圧力を掛けてインクを吐出するサーマルインクジェット方式等の各種吐出方式を採用することができる。
図1に示すように、搬送ユニット30を昇降させる昇降装置40は、搬送ユニット30の下方に配置されている。昇降装置40は、搬送ユニット30を記録ヘッド22に対して、水平面(X−Y平面)に垂直な方向Z(以下「上下方向Z」ともいう)に昇降(移動)させるものである。この昇降装置40による搬送ユニット30の上下方向Zの移動により、搬送ベルト31の搬送面31Aは、記録ヘッド22のノズル面221(図3参照)に対して相対的に接近又は離間可能に構成されている。
図1に示すように、昇降装置40は、搬送ベルト31の下方における用紙搬送方向Pの上流側及び下流側に配置された2つの偏心カム41を備える。偏心カム41は、搬送ユニット30の正面側及び背面側にそれぞれ2個ずつ、合計4個設けられる。偏心カム41の偏心周面は、搬送ユニット30の外底面に下方から接近する。図1に示すように、各偏心カム41は、用紙幅方向Yに延びる軸部42を備えると共に、回転軸線が偏在するカムで構成される。偏心カム41は、モータ(図示せず)を介して、軸部42を中心として回転される。偏心カム41は、その周縁部に、複数のベアリング43を備えている。ベアリング43の周面の一部は、偏心カム41の周面から外方に突出している。
ベアリング43は、偏心カム41の回転軸線と平行な軸線を中心として回転自在となっている。ベアリング43は、偏心カム41の先端側から回転軸線側に向かって順次配置されている。通常の印刷状態においては、図1に示すように、軸部42から最も離れたベアリング43は、搬送ユニット30の外底面に下方から当接する。これにより、搬送ユニット30は、最高位置に上昇移動される。
この状態から、用紙搬送方向Pの上流側の偏心カム41を正面視で反時計方向に回転させると共に、用紙搬送方向Pの下流側の偏心カム41を正面視で時計方向に回転させる。これにより、複数のベアリング43は、軸部42から最も離れたベアリング43から軸部42に最も近いベアリング43の順で、搬送ユニット30の外底面に順次当接する。そのため、搬送ユニット30を下降させることができる。
複数のベアリング43は、偏心カム41の回転時において、周縁方向で隣り合う2個のベアリング43が同時に搬送ユニット30の外底面に当接する期間を有するような間隔に、配置されている。
昇降装置40の偏心カム41を回転させて搬送ユニット30を下降させることにより、搬送ユニット30における搬送ベルト31の搬送面31Aは、記録ヘッド22に対して下方に離間される。
図1に示すように、キャップユニット50は、記録部20の下方で且つ搬送ユニット30の上方(記録部20と搬送ユニット30との間)に配置可能に構成される。図2に示すように、キャップユニット50は、各記録ヘッド22に対応して設けられる複数のキャップケース52と、複数のキャップケース52を所定の位置関係に固定支持したキャップベース部材53とを備える。
キャップユニット50は、記録部20と搬送ユニット30との間に配置された状態において、昇降装置40により搬送ユニット30の昇降に連動して昇降可能に構成される。昇降装置40の偏心カム41を回転させて搬送ユニット30を下降させることにより、キャップユニット50は、搬送ベルト31の搬送面31Aの下降に連動して、記録ヘッド22に対して下方に離間される。
これにより、記録ヘッド22からキャップユニット50が離脱される。そして、キャップユニット50が記録ヘッド22から離脱された状態で、記録ヘッド22のノズル面221のインク噴射用ノズル(図示せず)からインクを噴射させることにより、ノズル内に残留する高い粘度のインクを吐出させてインク詰まりを解消するための吐出回復処理、すなわち、パージを実行することが可能である。
一方、昇降装置40の偏心カム41を前述とは逆方向に回転させて搬送ユニット30を上昇させることにより、搬送ユニット30は、通常の記録位置(印刷位置)に戻される。
ここで、キャップユニット50が記録部20と搬送ユニット30との間に配置された状態においては、記録ヘッド22のノズル面221(図3参照)には、キャップユニット50を装着することが可能となる。また、後述する第1水平移動機構(図示せず)によりキャップユニット50が記録部20と搬送ユニット30との間に配置されない状態においては、記録ヘッド22は、搬送ベルト31の搬送面31A上に載置された用紙Tに向けてインクを吐出することができる。
キャップユニット50は、第1水平移動機構(図示せず)によってキャップベース部材53が水平方向に移動操作されることにより、用紙搬送方向P(図1参照)に水平移動可能に構成されている。
キャップユニット50は、第1水平移動機構による移動操作により、キャップケース52が各記録ヘッド22に着脱可能な着脱位置、又は着脱位置から水平方向に離れた退避位置に位置切り替えられる。記録部20における記録動作時には、キャップユニット50は、退避位置に配置される。
クリーニング部25は、キャップユニット50の下方で且つ搬送ユニット30の上方(キャップユニット50と搬送ユニット30との間)に配置可能に構成される。クリーニング部25は、キャップユニット50と同様に、キャップユニット50と搬送ユニット30との間に配置された状態において、昇降装置40により搬送ユニット30の昇降に連動して昇降可能に構成される。
また、クリーニング部25は、第2水平移動機構(図示せず)により用紙搬送方向P(図1参照)に水平移動可能に構成される。クリーニング部25は、第2水平移動機構による移動操作により、各記録ヘッド22の下方に配置されて各記録ヘッド22をクリーニングすることが可能なワイプ位置、又はワイプ位置から水平方向に離れた退避位置に切り替えられる。記録部20における記録動作時や、キャップユニット50が記録ヘッド22のノズル面221(図3参照)に装着される場合には、クリーニング部25は、退避位置に配置される。
以下、図3及び図4を参照して、第1実施形態のインクジェット記録装置1における特徴部分であるインク供給部100のポンプ機構24に関連する構成について詳細に説明する。図3は、第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給部100の構成を模式的に示す概略構成図である。図4は、第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24の構成を説明する断面図である。
図3に示すように、インク供給部100は、インクタンク23と、ポンプ機構24と、インク供給路101と、第1開閉弁110と、第1逆止弁112と、第2逆止弁113と、印刷用ポンプ111と、ポンプ機構動作制御部280と、を備える。
インクタンク23は、記録ヘッド22に供給されるインクを収容する。
インク供給路101は、インクタンク23に収容されるインクを記録ヘッド22へ供給する。インク供給路101は、パージ用インク供給路102と、バイパス供給路としての印刷用インク供給路105とを有する。
パージ用インク供給路102は、パージ等の目的で、インクタンク23から記録ヘッド22に大量のインクを供給するための供給路である。パージ用インク供給路102の途中には、後述するポンプ機構24が設けられる。パージとは、インクタンク23から記録ヘッド22ヘインクを強制的に供給することにより、記録ヘッド22のノズルのインク詰まりを解消させる吐出回復処理である。
パージ用インク供給路102は、インクタンク側供給路103と、記録ヘッド側供給路104とを有する。インクタンク側供給路103は、インクタンク23と後述するポンプ機構24とをつないでいる。インクタンク側供給路103は、インクタンク23に収容されるインクをポンプ機構24へ供給する。
記録ヘッド側供給路104は、後述するポンプ機構24と記録ヘッド22とをつないでいる。記録ヘッド側供給路104は、ポンプ機構24に収容されるインクを記録ヘッド22へ供給する。
印刷用インク供給路105は、インクタンク側供給路103と記録ヘッド側供給路104とをつないでいる。具体的には、印刷用インク供給路105は、インクタンク側供給路103の途中の位置aと記録ヘッド側供給路104の途中の位置bとをつないでいる。つまり、印刷用インク供給路105は、ポンプ機構24を介さずに、インクタンク23と記録ヘッド22をつないでいる。印刷用インク供給路105は、印刷時において、インクタンク23に収容されるインクを記録ヘッド22へ供給する。
パージ用インク供給路102(インクタンク側供給路103、記録ヘッド側供給路104)、及び印刷用インク供給路105は、筒状のチューブにより構成される。
第1開閉弁110は、印刷用インク供給路105の途中に設けられる。第1開閉弁110は、印刷用インク供給路105を開放又は閉止可能に構成される。
第1開閉弁110が開放状態にある場合には、インクタンク23に収容されるインクは、印刷用インク供給路105を通して記録ヘッド22への流通が可能である。また、第1開閉弁110が閉止状態にある場合には、インクタンク23に収容されるインクは、印刷用インク供給路105を通して記録ヘッド22への流通が不能である。第1開閉弁110としては、例えば、電磁式の開閉弁又は電動式の開閉弁が用いられる。
第1開閉弁110は、不図示の弁開閉駆動部により開放状態又は閉止状態に切り替えられる。
印刷用ポンプ111は、印刷用インク供給路105の途中で且つ第1開閉弁110よりも上流側に設けられる。印刷用ポンプ111は、印刷時における第1開閉弁110が開放状態にある場合において、インクタンク23に収容されるインクを記録ヘッド22に供給する。
第1逆止弁112は、インクタンク側供給路103の途中で且つ印刷用インク供給路105が接続される位置aよりも下流側に設けられる。第1逆止弁112は、インクタンク23からポンプ機構24へ向かう方向(図3に示す矢印方向)にインクの流れる方向を規制する。
第2逆止弁113は、記録ヘッド側供給路104の途中で且つ印刷用インク供給路105が接続される位置bよりも上流側に設けられる。第2逆止弁113は、ポンプ機構24から記録ヘッド22へ向かう方向(図3に示す矢印方向)にインクの流れる方向を規制する。
図3に示すように、ポンプ機構24は、パージ用インク供給路102の途中に設けられる。図4に示すように、ポンプ機構24は、シリンダ240と、ピストン250と、収容タンク260と、ピストン駆動部270と、を有して構成されるシリンジポンプである。
シリンダ240は、上下方向Zに延びる筒状に形成される。シリンダ240の上部は、開口している。シリンダ240の下部には、インク吸入口部241及びインク吐出口部242が形成される。インク吸入口部241は、インクタンク側供給路103を介してインクタンク23に接続される。インク吐出口部242は、記録ヘッド側供給路104を介して記録ヘッド22に接続される。
ピストン250は、シリンダ240の開口を塞ぐようにシリンダ240の内周面に当接した状態で、シリンダ240の内部に配置される。ピストン250は、シリンダ240の内部を上下方向Zに往復運動可能である。ピストン250の上面には、シリンダ240の内部から上方に向けて延びるピストンロッド251が連結される。
収容タンク260は、パージ用インク供給路102を流通されるインクを一旦収容する。収容タンク260は、シリンダ240の内部におけるシリンダ240とピストン250とに挟まれる空間により構成される。
ピストン駆動部270は、ピストンロッド251を介してピストン250を上下方向Zに往復運動させることにより、収容タンク260の内部を加圧又は減圧する。
ピストン駆動部270は、ボールネジ機構271と、モータ278と、を有して構成される。ボールネジ機構271は、ボールネジ軸部材272と、ボールナット部材273と、一対の支持部材274A、274Bと、を有する。
ボールネジ軸部材272は、上下方向Zに延びるように形成される。ボールネジ軸部材272は、外周面に雄ネジを有する。一対の支持部材274A、274Bは、ボールネジ軸部材272を上端側及び下端側で回転可能に支持する。
ボールナット部材273は、内周面に雌ネジを有する。ボールナット部材273の雌ネジには、複数個のボール(不図示)を介してボールネジ軸部材272が螺合される。
ボールナット部材273の端部は、ピストンロッド251の上端部に連結される。ボールナット部材273は、ピストンロッド251に連結されるため、雌ネジに螺合されるボールネジ軸部材272が回転した場合においても回転が規制される。これにより、ボールナット部材273は、ボールネジ軸部材272が回転することで、ボールネジ軸部材272の軸方向(上下方向Z)に往復運動する。
モータ278は、ボールネジ軸部材272の上端部にカップリング275を介して接続される。モータ278は、カップリング275を介してボールネジ軸部材272を回転駆動可能に構成される。モータ278が回転することにより、ボールネジ軸部材272に螺合されるボールナット部材273は、ボールネジ軸部材272の軸方向(上下方向Z)に往復運動される。
例えば、ボールナット部材273は、モータ278が負回転(例えば、上方から見た場合に反時計方向の回転)した場合に、上下方向Zにおける下方向に移動する。また、ボールナット部材273は、モータ278が正回転(例えば、上方から見た場合に時計方向の回転)した場合に、上下方向Zにおける上方向に移動する。
ボールナット部材273が上下方向Zに往復運動することにより、ピストン250は、ボールナット部材273に連結されたピストンロッド251を介して上下方向Zに往復運動される。ピストン駆動部270は、収容タンク260の内部を加圧又は減圧する。
具体的には、ピストン駆動部270は、ピストン250が上下方向Zにおける下方向に移動することにより収容タンク260に収容されるインクを加圧する。なお、ピストン250によるインクの加圧には、空気を介してのインクの加圧も含まれる。
また、ピストン駆動部270は、ピストン250が上下方向Zにおける上方向に移動することにより収容タンク260に収容されるインクを減圧する。なお、ピストン250によるインクの減圧には、空気を介してのインクの減圧も含まれる。
本実施形態においては、ピストン250が収容タンク260の内部を加圧する方向を「加圧方向d」ともいい、ピストン250が収容タンク260の内部を減圧する方向を「減圧方向u」ともいう。
以上の構成により、ポンプ機構24は、収容タンク260の内部を加圧して収容タンク260に収容されたインクをインク吐出口部242から記録ヘッド側供給路104に送り出す。また、ポンプ機構24は、収容タンク260の内部を減圧してインクタンク23に収容されるインクを収容タンク260に補給する。
ポンプ機構24は、収容タンク260の内部の圧力を、第1圧力P1と、第1圧力の絶対値よりも絶対値が小さい第2圧力P2(|P1|>|P2|)と、に切り換え可能に構成される。
第1圧力P1は、収容タンク260の内部を加圧して収容タンク260に収容されたインクを記録ヘッド22へ供給する圧力(正圧)であると共に、パージ動作等の際に必要なインクを記録ヘッド22に供給できる圧力である。例えば、第1圧力P1は、100kPa程度の正圧である。
第2圧力P2は、収容タンク260の内部を減圧してインクタンク23に収容されたインクを収容タンク260に補給する圧力(負圧)である。例えば、第2圧力P2は、−10kPa程度の負圧である。
ポンプ機構動作制御部280は、第2圧力P2の絶対値が第1圧力P1の絶対値よりも小さくなる(|P1|>|P2|)ように、ポンプ機構24の動作を制御する。ポンプ機構動作制御部280は、加圧方向(収容タンク260の内部を加圧する方向)dにピストン250を移動することにより、収容タンク260の内部の圧力が第1圧力P1となるようにピストン駆動部270を制御する。また、ポンプ機構動作制御部280は、減圧方向(収容タンクの内部を減圧する方向である)uにピストン250を移動することにより、収容タンク260の内部の圧力が第2圧力P2となるようにピストン駆動部270を制御する。
具体的には、ポンプ機構動作制御部280は、加圧方向dにピストン250を第1速度で移動させることにより、収容タンク260に内部の圧力を、第1圧力P1となるようにピストン駆動部270を制御する。また、ポンプ機構動作制御部280は、減圧方向uにピストン250を第1速度よりも小さい第2速度で移動させることにより、収容タンク260に内部の圧力を、第2圧力P2となるようにピストン駆動部270を制御する。
次に、図5を参照して、第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24の動作について説明する。図5は、第1実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24の動作を説明するフローチャートである。
図5に示すように、ステップST11において、インクジェット記録装置1は、用紙Tに印刷するための印刷命令を受け付ける。ここで、インクジェット記録装置1は、印刷用ポンプ111の作動を停止状態で維持すると共に、第1開閉弁110を閉止する(閉止状態を維持する)。これにより、印刷用インク供給路105は、インクが流通されない状態となる。
ステップST12において、インクジェット記録装置1は、パージ動作(インクタンク23から記録ヘッド22へインクを強制的に供給する動作)を開始する。具体的には、ポンプ機構動作制御部280は、ポンプ機構24のピストン250を加圧方向dに第1速度で移動することにより、収容タンク260の内部の圧力をパージ動作の際に必要なインクを記録ヘッド22に供給できる第1圧力P1(正圧)となるように、ピストン駆動部270を制御する。
詳細には、ピストン駆動部270は、モータ278を負回転方向(例えば、上方から見た場合に反時計方向)に回転するように駆動することにより、ボールネジ軸部材272を回転させる。そして、ボールナット部材273を第1速度で加圧方向dに移動させる。これにより、ボールナット部材273は、ピストンロッド251を介してピストン250を加圧方向dに第1速度で移動させる。
ステップST13において、ポンプ機構24のピストン250が加圧方向dに第1速度で移動されることにより、ポンプ機構24の収容タンク260の内部の圧力は、第1圧力P1(正圧)となる。例えば、第1圧力P1は、100kPa程度の正圧である。
これにより、収容タンク260に収容されるインクは、インク吐出口部242から記録ヘッド側供給路104へ送り出され、記録ヘッド22へ供給される。そして、記録ヘッド22に供給される大量のインクは、ノズルから噴射される。このように、ノズルの詰まりを解消する等のパージ処理が行われる。パージ処理においては、第1圧力P1が100kPa程度の高い正圧であるため、気泡は、発生しない。
ステップST14において、パージ動作の開始から所定時間後、パージ動作が終了する。パージ動作を終了した時点においては、ピストン250は、パージ動作の開始前よりも、シリンダ240の内部における下方に位置している。また、収容タンク260に収容されるインクは、パージ動作の開始前よりも減少している。そのため、収容タンク260にインクを補給する必要がある。
ステップST15において、収容タンク260にインクを補給する。具体的には、ポンプ機構動作制御部280は、ピストン250を減圧方向uに第2速度で移動することにより収容タンク260の内部の圧力を、第1圧力P1の絶対値よりも絶対値が小さい第2圧力P2(負圧)となるように、ピストン駆動部270を制御する。第2圧力P2は、収容タンク260の内部を減圧してインクタンク23に収容されたインクを収容タンク260に補給することができる圧力(負圧)である。
詳細には、ピストン駆動部270は、モータ278を正回転方向(例えば、上方から見た場合に時計方向)に回転するように駆動することにより、ボールネジ軸部材272を回転させる。そして、ボールナット部材273を第1速度よりも小さい第2速度で減圧方向uに移動させる。これにより、ボールナット部材273は、ピストンロッド251を介してピストン250を減圧方向uに第2速度で移動させる。
ステップST16において、ポンプ機構24のピストン250が減圧方向uに第2速度で移動されることにより、ポンプ機構24の収容タンク260の内部の圧力は、第2圧力P2(負圧)となる。例えば、第2圧力P2は、−10kPa程度の負圧である。これにより、インクタンク23に収容されるインクは、インクタンク側供給路103を通して収容タンク260に補給される。
この場合、ポンプ機構24にインクを補給する際の第2圧力P2(負圧)の絶対値は、パージ動作時における第1圧力(正圧)の絶対値よりも小さい。そのため、ポンプ機構24にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。
ここで、ポンプ機構24にインクを補給する際の負圧の大きさと、発生する気泡の大きさとの関係について考察する。
気泡の大きさは、負圧の大きさに応じて変化する。ポンプ機構24にインクを補給する際の負圧が大きい場合には、発生する気泡の大きさは、大きくなる。また、ポンプ機構24にインクを補給する際の負圧が小さい場合には、発生する気泡の大きさは、小さくなる。また、気泡の大きさが小さいほど、気泡の表面積に対する体積の比率が近くなり、気泡は、インク中に拡散しやすくなり、析出しにくくなる。
詳述すると、気泡を球と仮定した場合、体積V及び表面積Sは、それぞれ次の式(1)及び(2)により算出される。
V=(4/3)×π×r (1)
S=4×π×r (2)
式(1)及び(2)から算出された値により、気泡の表面積Sに対する体積Vの比率を説明する概念図が得られる。図6は、第1実施形態のインクジェット記録装置1において、気泡の大きさが小さいほど気泡の表面積に対する気泡の体積の比率が近くなることを説明する概念図である。
図6に示すように、気泡が小さいほど、体積Vと表面積Sとの比率が近くなっている。従って、インクを補給する際の負圧を小さくして発生する気泡を小さくすることにより、発生した気泡をインク中に拡散させて、気泡の析出を低減することができる。
ステップST17において、インクジェット記録装置1は、用紙Tに印刷を開始する。具体的には、インクジェット記録装置1は、第1開閉弁110を開放すると共に、印刷に必要なインクをインクタンク23から記録ヘッド22に供給するように印刷用ポンプ111を駆動させる。
そのため、インクタンク23に収容されるインクは、インクタンク側供給路103、印刷用インク供給路105及び記録ヘッド側供給路104を経て、記録ヘッド22へ供給される。これにより、所定の印刷が行われる。そして、制御は終了する。
第1実施形態のインクジェット記録装置1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
第1実施形態のインクジェット記録装置1においては、インク噴射用ノズルを有する記録ヘッド22と、記録ヘッド22に供給されるインクを収容するインクタンク23と、インクタンク23に収容されるインクを記録ヘッド22へ供給するインク供給路101と、インク供給路101の途中に設けられ、インク供給路101を流通されるインクを一旦収容する収容タンク260を有し、収容タンク260の内部を加圧又は減圧するポンプ機構24であって、収容タンク260の内部を加圧して収容タンク260に収容されたインクを記録ヘッド22へ供給する圧力である第1圧力P1と、第1圧力P1の絶対値よりも絶対値が小さく且つ収容タンク260の内部を減圧してインクタンク23に収容されたインクを収容タンク260に補給する圧力である第2圧力P2とに切り換え可能なポンプ機構24と、を備える。
そのため、ポンプ機構24の収容タンク260にインクを補給する際の第2圧力P2(負圧)を、ポンプ機構24の収容タンク260から記録ヘッド22にインクを供給する際の第1圧力P1(正圧)の絶対値よりも絶対値が小さい圧力にすることができる。これにより、ポンプ機構24にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。従って、印刷時に気泡が記録ヘッド22に送り込まれることにより、記録ヘッド22のノズルからのインクの吐出が不良になることや、吐出が不全になることを抑制することができる。
また、第1実施形態のインクジェット記録装置1においては、第2圧力P2の絶対値が第1圧力P1の絶対値よりも小さくなるように、ポンプ機構24を制御するポンプ機構動作制御部280を更に備える。
そのため、ポンプ機構24にインクを補給する際において、ポンプ機構動作制御部280により第1圧力P1から第2圧力P2への切り換えを行うことができる。これにより、インクジェット記録装置1は、パージ動作や印刷動作などの連続した動作において、ポンプ機構24を制御することにより、ポンプ機構24にインクを補給する際における気泡の発生を低減させることができる。
また、第1実施形態のインクジェット記録装置1においては、ポンプ機構24は、インク吸入口部241及びインク吐出口部242が形成されるシリンダ240と、シリンダ240の内部に配置されるピストン250と、シリンダ240の内部におけるシリンダ240とピストン250とに挟まれた空間により構成される収容タンク260と、ピストン250を往復運動させることにより収容タンク260の内部を加圧又は減圧するピストン駆動部270と、を有して構成される。また、ポンプ機構動作制御部280は、収容タンク260の内部を加圧する方向である加圧方向dにピストン250を移動することにより第1圧力P1となるようにピストン駆動部270を制御し、収容タンク260の内部を減圧する方向である減圧方向uにピストン250を移動することにより第2圧力P2となるようにピストン駆動部270を制御するように構成されている。
そのため、ピストン250を移動させる簡易な制御により、収容タンク26の内部の圧力を第1圧力P1と第2圧力P2とに切り換えることができる。
また、第1実施形態のインクジェット記録装置1においては、ポンプ機構動作制御部280は、ピストン250を加圧方向dに第1速度で移動することにより収容タンク260の内部の圧力を第1圧力P1となるようにピストン駆動部270を制御し、ピストン250を減圧方向uに第1速度よりも小さい第2速度で移動させることにより収容タンク260の内部の圧力を第2圧力P2となるようにピストン駆動部270を制御する。
そのため、ピストン250の移動の速度を制御することにより、第1圧力P1と第2圧力P2との切り換えを行うことが可能である。これにより、ピストン250の速度を切り換える簡易な制御により、収容タンク26の内部の圧力を第1圧力P1と第2圧力P2とに切り換えることができる。
また、第1実施形態のインクジェット記録装置1においては、インク供給路101は、インクタンク23に収容されるインクをポンプ機構24へ供給するインクタンク側供給路103と、ポンプ機構24に収容されるインクを記録ヘッド22へ供給する記録ヘッド側供給路104と、インクタンク側供給路103と記録ヘッド側供給路104とをつなぐ印刷用インク供給路105とを有し、印刷用インク供給路105の途中に設けられる第1開閉弁110と、パージ用インク供給路102の途中に設けられると共にインクの流れる方向を規制する第1逆止弁112及び第2逆止弁113と、を更に備える。
インクジェット記録装置1におけるインク供給部100は、第1逆止弁112及び第2逆止弁113を備える。そのため、第1逆止弁112及び第2逆止弁113により、インク供給路101を流れるインクの方向が規制される。これにより、例えば、ポンプ機構24にインクを補充する際に、記録ヘッド22からインクを吸い込むこと等のインクの逆流等の不具合を抑制することができる。
また、インクジェット記録装置1におけるインク供給部100は、第1開閉弁110を備える。そのため、第1開閉弁110が開放されることにより、印刷時には、印刷用インク供給路105により記録ヘッド22にインクを供給することができる。これにより、パージ動作により利用されるパージ用インク供給路102を経由せずに、印刷に必要な量のインクを記録ヘッド22に良好に供給することができる。
<第2実施形態>
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、第2実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給部100Aの構成を模式的に示す概略構成図である。
第2実施形態のインク供給部100Aは、ポンプ機構24Aの構成が第1実施形態のポンプ機構24の構成と主に異なる。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第2実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜援用される。
図7に示すように、第2実施形態のインク供給部100Aにおいては、ポンプ機構24Aは、加減圧ポンプ290と、収容タンクとしてのサブタンク260Aと、第2開閉弁292と、大気通気弁294と、を備える。また、第2実施形態のインク供給部100Aは、インクタンクとしてのメインタンク23Aを備える。
メインタンク23Aは、記録ヘッド22に供給されるインクを収容する。メインタンク23Aに収容されたインクは、後述するサブタンク260Aに供給される。
サブタンク260Aは、メインタンク23Aに収容されたインクを一旦収容する。サブタンク260Aは、第1連通路291により加減圧ポンプ290に接続される。サブタンク260Aは、第2連通路293により大気につながれる。
加減圧ポンプ290は、第1連通路291を介してサブタンク260Aの内部を加圧又は減圧する。
第2開閉弁292は、第1連通路291の途中に設けられる。第2開閉弁292は、第1連通路291を開放又は閉止可能に構成される。第2開閉弁292が開放状態にある場合には、加減圧ポンプ290は、サブタンク260Aの内部を加圧又は減圧することが可能である。また、第2開閉弁292が閉止状態にある場合には、加減圧ポンプ290は、サブタンク260Aの内部を加圧又は減圧することが不能である。
大気通気弁294は、第2連通路293の途中に設けられる。大気通気弁294は、第2連通路293を開放又は閉止可能に構成される。大気通気弁294が開放状態にある場合には、サブタンク260Aの内部の圧力は、大気圧になる。また、大気通気弁294が閉止状態にある場合には、サブタンク260Aの内部の圧力は、加減圧ポンプ290による加圧又は減圧の圧力に維持される。
第2開閉弁292及び大気通気弁294としては、例えば、電磁式の開閉弁又は電動式の開閉弁が用いられる。第2開閉弁292及び大気通気弁294は、不図示の弁開閉駆動部により開放状態又は閉止状態に切り替えられる。
次に、図8を参照して、第2実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24Aの動作について説明する。図8は、第2実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24Aの動作を説明するフローチャートである。
ステップST21において、インクジェット記録装置1は、用紙Tに印刷するための印刷命令を受け付ける。ここで、インクジェット記録装置1は、印刷用ポンプ111の作動を停止状態で維持すると共に、第1開閉弁110を閉止する(閉止状態を維持する)。これにより、印刷用インク供給路105は、インクが流通されない状態となる。また、インクジェット記録装置1は、第2開閉弁292を開放する(開放状態を維持する)と共に、大気通気弁294を閉止する(閉止状態を維持する)。
ステップST22において、インクジェット記録装置1は、パージ動作(メインタンク23Aから記録ヘッド22へインクを強制的に供給する動作)を開始する。具体的には、ポンプ機構動作制御部280は、サブタンク260Aの内部の圧力をパージ動作の際に必要なインクを記録ヘッド22に供給できる第1圧力(正圧)となるように、加減圧ポンプ290を制御する。
ステップST23において、加減圧ポンプ290がサブタンク260Aの内部を加圧することにより、サブタンク260Aの内部の圧力は、第1圧力(正圧)となる。例えば、第1圧力P1は、100kPa程度の正圧である。
これにより、サブタンク260Aに収容されるインクは、インク吐出口部242から記録ヘッド側供給路104へ送り出され、記録ヘッド22へ供給される。そして、記録ヘッド22に供給される大量のインクは、ノズルから噴射される。このように、ノズルの詰まりを解消する等のパージ処理が行われる。パージ処理においては、第1圧力P1が100kPa程度の高い正圧であるため、気泡は、発生しない。
ステップST24において、パージ動作の開始から所定時間後、パージ動作が終了する。ここで、インクジェット記録装置1は、大気通気弁294を開放する。そのため、サブタンク260Aの内部の圧力は、大気圧になる。これにより、サブタンク260Aの内部を加圧した後に、記録ヘッド22に不要なインクを送り出すことが抑制される。
パージ動作を終了した時点においては、サブタンク260Aに収容されるインクは、パージ動作の開始前よりも減少している。そのため、サブタンク260Aにインクを補給する必要がある。
ステップST25において、サブタンク260Aにインクを補給する。具体的には、ポンプ機構動作制御部280は、サブタンク260Aの内部の圧力を、第1圧力P1の絶対値よりも絶対値が小さい第2圧力P2(負圧)となるように、加減圧ポンプ290を制御する。第2圧力P2は、サブタンク260Aの内部を減圧してメインタンク23Aに収容されたインクをサブタンク260Aに補給することができる圧力(負圧)である。
ステップST26において、加減圧ポンプ290の内部を減圧することにより、サブタンク260Aの内部の圧力は、第2圧力P2(負圧)となる。例えば、第2圧力P2は、−10kPa程度の負圧である。これにより、メインタンク23Aに収容されるインクは、インクタンク側供給路103を通してサブタンク260Aに補給される。
この場合、サブタンク260Aにインクを補給する際の第2圧力P2(負圧)の絶対値は、パージ動作時における第1圧力(正圧)の絶対値よりも小さい。そのため、サブタンク260Aにインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。
第2実施形態のインクジェット記録装置1によれば、第1実施形態で示した効果の他に、例えば、次のような効果が奏される。
第2実施形態のインクジェット記録装置1においては、インクタンク23に収容されるインクを一旦収容する収容タンクとしてサブタンク260Aを有し、ポンプ機構24は、サブタンク260Aの内部を加圧又は減圧する加減圧ポンプ290を有する。
そのため、加減圧ポンプ290は、パージ動作等を行う場合の第1圧力P1(正圧)とサブタンク260Aヘのインク補給時の第2圧力P2(負圧)との切り換えを、加圧動作と減圧動作とにより行うことができる。従って、簡易な制御により、サブタンク260Aにインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。
<第3実施形態>
次に、図9を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給部100Bの構成を模式的に示す概略構成図である。
第3実施形態のインク供給部100Bは、インク供給路101Bを構成する筒状のチューブの内径に関する構成が第1実施形態のインク供給部100の構成と主に異なる。第3実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第3実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜援用される。
図9に示すように、第3実施形態のインク供給部100Bにおいては、記録ヘッド側供給路104Bを構成するチューブの内径は、第1内径d1により形成される。第1内径d1は、収容タンク260の内部を加圧する際の収容タンク260の内部の圧力が第1圧力P1となるように形成される。
また、インクタンク側供給路103Bを構成するチューブの内径は、第1内径d1よりも大きい第2内径d2に形成される(d2>d1)。第2内径d2は、収容タンク260の内部を減圧する際の収容タンク260の内部の圧力が第2圧力P2となるように形成される。
次に、図4及び図9を参照して、第3実施形態のインクジェット記録装置1におけるポンプ機構24の動作について説明する。
インクジェット記録装置1は、パージ動作(インクタンク23から記録ヘッド22へインクを強制的に供給する動作)を開始する。具体的には、ポンプ機構24のピストン250を加圧方向dに移動させる。ここで、記録ヘッド側供給路104Bを構成するチューブの内径は、第1内径d1により形成される。第1内径d1は、収容タンク260の内部を加圧する際の収容タンク260の内部の圧力が第1圧力P1(正圧)となるように形成される。
そのため、ポンプ機構24のピストン250が加圧方向dに移動されることにより、ポンプ機構24の収容タンク260の内部の圧力は、第1圧力(正圧)となる。例えば、第1圧力P1は、100kPa程度の正圧である。
これにより、収容タンク260に収容されるインクは、インク吐出口部242から記録ヘッド側供給路104へ送り出され、記録ヘッド22へ供給される。そして、記録ヘッド22に供給される大量のインクは、ノズルから噴射される。このように、ノズルの詰まりを解消する等のパージ処理が行われる。パージ処理においては、第1圧力P1が100kPa程度の高い正圧であるため、気泡は、発生しない。
次に、収容タンク260にインクを補給する。具体的には、ピストン250を減圧方向uに移動させる。ここで、インクタンク側供給路103Bを構成するチューブの内径は、第1内径d1よりも大きい第2内径d2に形成される(d2>d1)。第2内径d2は、収容タンク260の内部を減圧する際の収容タンク260の内部の圧力が第2圧力P2となるように形成される。
ポンプ機構24のピストン250が減圧方向uに移動されることにより、ポンプ機構24の収容タンク260の内部の圧力は、第2圧力P2(負圧)となる。例えば、第2圧力P2は、−10kPa程度の負圧である。これにより、インクタンク23に収容されるインクは、インクタンク側供給路103を通して収容タンク260に補給される。
この場合、ポンプ機構24にインクを補給する際の第2圧力P2(負圧)の絶対値は、パージ動作時における第1圧力(正圧)の絶対値よりも小さい。そのため、ポンプ機構24にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。
そして、インクタンク側供給路103Bを構成するチューブの内径が第1内径d1よりも大きい第2内径d2に形成される(d2>d1)ため、ポンプ機構24による複雑な制御をすることなく、ポンプ機構24にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。
第3実施形態のインクジェット記録装置1によれば、第1実施形態で示した効果の他に、例えば、次のような効果が奏される。
第3実施形態のインクジェット記録装置1においては、チューブの内径が第1内径により形成される記録ヘッド側供給路104と、チューブの内径が第1内径よりも大きい第2内径により形成されるインクタンク側供給路103とを有し、第1内径は、収容タンク260の内部を加圧する際の収容タンク260の内部の圧力が第1圧力P1となるように形成され、第2内径は、収容タンク260の内部を減圧する際の収容タンク260の内部の圧力が第2圧力となるように形成される。
そのため、記録ヘッド側供給路104及びインクタンク側供給路103のチューブの内径を異ならすことにより、収容タンク260の内部の圧力を、第1圧力P1と第2圧力P2とに切り換えることができる。これにより、ポンプ機構24による複雑な制御をすることなく、ポンプ機構24にインクを補給する際における気泡の発生を低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の第1実施形態においては、ポンプ機構動作制御部280は、ピストン250を第1速度で移動することにより第1圧力P1となるように制御し、ピストン250を第2速度で移動することにより第2圧力P2となるように制御しているが、これに制限されない。
1……インクジェット記録装置、22……記録ヘッド、23……インクタンク、24……ポンプ機構、101……インク供給路、240……シリンダ、250……ピストン、260……収容タンク、270……ピストン駆動部、280……ポンプ機構動作制御部

Claims (7)

  1. インク噴射用ノズルを有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給されるインクを収容するインクタンクと、
    前記インクタンクに収容されるインクを前記記録ヘッドへ供給するインク供給路と、
    前記インク供給路の途中に設けられ、前記インク供給路を流通されるインクを一旦収容する収容タンクを有し、前記収容タンクの内部を加圧又は減圧するポンプ機構であって、前記収容タンクの内部を加圧して前記収容タンクに収容されたインクを前記記録ヘッドへ供給する圧力である第1圧力と、前記第1圧力の絶対値よりも絶対値が小さく且つ前記収容タンクの内部を減圧して前記インクタンクに収容されたインクを前記収容タンクに補給する圧力である第2圧力とに切り換え可能なポンプ機構と、を備える
    インクジェット記録装置。
  2. 前記第2圧力の絶対値が前記第1圧力の絶対値よりも小さくなるように前記ポンプ機構を制御するポンプ機構動作制御部を更に備える
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ポンプ機構は、前記インクタンクに接続されるインク吸入口部及び前記記録ヘッドに接続されるインク吐出口部が形成されるシリンダと、該シリンダの内部に配置されるピストンと、前記シリンダの内部における前記シリンダと前記ピストンとに挟まれた空間により構成される前記収容タンクと、前記ピストンを往復運動させることにより前記収容タンクの内部を加圧又は減圧するピストン駆動部と、を有して構成され、
    前記ポンプ機構動作制御部は、前記収容タンクの内部を加圧する方向である加圧方向に前記ピストンを移動することにより前記第1圧力となるように前記ピストン駆動部を制御し、前記収容タンクの内部を減圧する方向である減圧方向に前記ピストンを移動することにより前記第2圧力となるように前記ピストン駆動部を制御する
    請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ポンプ機構動作制御部は、前記ピストンを前記加圧方向に第1速度で移動することにより前記収容タンクの内部の圧力を前記第1圧力となるように前記ピストン駆動部を制御し、前記ピストンを前記減圧方向に第1速度よりも小さい第2速度で移動させることにより前記収容タンクの内部の圧力を前記第2圧力となるように前記ピストン駆動部を制御する
    請求項3に記載のインクジェト記録装置。
  5. 前記収容タンクは、前記インクタンクに収容されるインクを一旦収容するサブタンクであり、
    前記ポンプ機構は、前記サブタンクの内部を加圧又は減圧する加減圧ポンプを有する
    請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インク供給路は、筒状のチューブにより構成されており、前記ポンプ機構から前記記録ヘッドまでインクを供給し且つ前記チューブの内径が第1内径により形成される記録ヘッド側供給路と、前記インクタンクから前記ポンプ機構までインクを供給し且つ前記チューブの内径が前記第1内径よりも大きい第2内径により形成されるインクタンク側供給路とを有し、
    前記第1内径は、前記収容タンクの内部を加圧する際の前記収容タンクの内部の圧力が前記第1圧力となるように形成され、
    前記第2内径は、前記収容タンクの内部を減圧する際の前記収容タンクの内部の圧力が前記第2圧力となるように形成される
    請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク供給路は、前記インクタンクに収容されるインクを前記ポンプ機構へ供給するインクタンク側供給路と、前記ポンプ機構に収容されるインクを前記記録ヘッドへ供給する記録ヘッド側供給路と、前記インクタンク側供給路と前記記録ヘッド側供給路とをつなぐバイパス供給路とを有し、
    前記バイパス供給路の途中に設けられる開閉弁と、
    前記インク供給路の途中に設けられると共にインクの流れる方向を規制する逆止弁と、を更に備える
    請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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