JP2011200905A - 板圧延機、タンデム式板圧延機及び板圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸方向一方側において漸次縮径するテーパー部を備えると共に軸方向にシフト可能なワークロールと、上記ワークロールと径方向側で隣接し、軸方向の上記テーパー部とは他方側に、軸方向のどのシフト位置でもバックアップロールと接しないように縮径されている延長バレル部を備えると共に、上記延長バレル部に寄った位置に凸中心を置いて径方向に膨出する膨出部を備えて、軸方向にシフト可能な中間ロールと、を備える板圧延機を採用する。
【選択図】図2
Description
特許文献1の第4図には、ワークロールにテーパー部を設けてワークのエッジドロップを制御する板圧延機が開示されている。また、特許文献2の第3図には、上下で互いに補完する形状(凹凸形状)をワークロール及び中間ロールに適用し、ワークロールと中間ロールとを互いに逆方向にシフトさせる板圧延機が開示されている。また、特許文献3には、延長バレル部が設けられる側寄りに凸中心を置く凸形状を備える中間ロールを有する板圧延機が開示されている。
特許文献1の第4図に示す圧延機は、ワークのエッジドロップの制御は可能であるが、エッジドロップの制御に付随してワークの幅方向全体に亘って生じる板厚分布不良は直すことができない。また、特許文献2の第3図に示す板圧延機は、ワークを全体的に形状制御することが可能であるが、エッジドロップの局部制御は不十分である。さらに、シフトする中間ロールの形状は、上下補完型で凹凸の繰り返しの多いS字形状であるため、ワークロールの剛性が変形を阻害しやすく、ワークロールがS字に曲がり難くなり、中間ロールのシフトによる全体形状制御の能力が大きくない。また、特許文献3の板圧延機は、シフト可能な中間ロールの形状を工夫したので、中間ロールのシフトによる全体形状制御能力が大きいが、エッジドロップの局部制御は不十分である。
この構成を採用することによって、本発明では、ワークロールをシフトさせてテーパー部でワークのエッジドロップの局部制御を行い、そして、延長バレル部及び膨出部を備える上下の中間ロールとをそれぞれ点対称にシフト位置制御を行うことでワークの全体形状制御をし、エッジドロップの局部制御に付随して生じる板厚分布不良を低減させる。
この構成を採用することによって、本発明では、先に記載の板圧延機によればエッジドロップの局部制御によるテーパー量が大きくできるので、本機をワークの板厚みが大きい第1段目に設けることによって、ワークの破断を防止しつつ形状制御をすることが可能となる。
この構成を採用することによって、本発明では、先に記載の板圧延機によればエッジドロップの局部制御によるテーパー量が大きくできるので、下流側の板圧延機により順次凸部を平坦化させることで、凸部に急激な変形を加えることなくワークを平坦化することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、下流側に向かうに従ってワークロールのシフト量が上記軸方向一方側に大きくなるようにシフトされているので、下流側に向かうに従ってワークのエッジにかかるテーパー部の領域を順次低減させることができ、凸部に急激な変形を加えることなくワークを平坦化することができる。
この構成によっても、凸部に急激な変形を加えることなくワークを平坦化することができる。
したがって、本発明では、ワークの板厚分布不良を低減でき、且つ、エッジドロップの局部制御も可能となる。
図1は、本発明の実施形態におけるタンデム式板圧延機1を示す構成図である。なお、図1において符号×を付されたロールは、軸方向にシフト可能なシフトロールであることを示す。
タンデム式板圧延機1は、熱間圧延あるいは冷間圧延において、ワーク(圧延材)Wのエッジドロップを低減させワークWの断面を矩形化する構成となっている。また、タンデム式板圧延機1は、複数の板圧延機を備えてワークWを順次圧延する構成となっている。本実施形態のタンデム式板圧延機1は、計6基のスタンド(板圧延機)を備える。
図2は、本発明の実施形態における板圧延機10の構成を示す正面図である。図3は、本発明の実施形態における板圧延機10の構成を示す斜視図である。
板圧延機10は、6段の多段板圧延機であり、符号11,12はワークロールを、符号13,14は中間ロールを、符号15,16はバックアップロールを示す。ワークロール11,12及び中間ロール13,14には、ワークWのクラウン形状を制御すべく、ロール軸を支承して曲げ荷重を与える不図示のロールベンディング装置が設けられる。
ワークWを挟んで上側の上部ワークロール11は、軸方向一方側(図2中右側)のロール端部に、漸次縮径するテーパー部11aが設けられている。テーパー部11aは、上部ワークロール11のロール周面の径から軸方向一方側に向かうに従って漸次縮径する構成となっている。
また、ワークWを挟んで下側の下部ワークロール12は、上部ワークロール11と同様の構成を備え、軸方向において逆向きとなって上部ワークロール11と対向配置されている。すなわち、下部ワークロール12は、上部ワークロール11と逆側のロール端部に、上部ワークロール11と同様にテーパー部12aが設けられている。
上部ワークロール11に径方向側で隣接する上部中間ロール13は、軸方向でテーパー部12aの他方側(図2中左側)に、径方向に膨出する膨出部13aが設けられている。膨出部13aは、上部中間ロール13のロール周面の径よりも径方向に膨出し、緩やかな陵を構成する。また、膨出部13aは、上部中間ロール13の軸方向でテーパー部12aの他方側のロール端部に設けられて軸方向のどのシフト位置においてもバックアップロール15と接しないよう縮径されている延長バレル部13bの位置寄りに凸中心を置くような形状を有する。なお、延長バレル部の具体的な構成及び作用については、例えば特開2005−66695号公報に開示されている。
板圧延機20は、4段の多段板圧延機であり、符号21,22はワークロールを、符号25,26はバックアップロールを示す。
ワークWを挟んで上側の上部ワークロール21は、軸方向一方側(図4中右側)のロール端部に、漸次縮径するテーパー部21aが設けられている。テーパー部21aは、上部ワークロール21のロール周面の径から軸方向一方側に向かうに従って漸次縮径する構成となっている。
また、ワークWを挟んで下側の下部ワークロール22は、上部ワークロール21と同様の構成を備え、軸方向において逆向きとなって上部ワークロール21と対向配置されている。すなわち、下部ワークロール22は、上部ワークロール21と逆側のロール端部に上部ワークロール21と同様にテーパー部22aが設けられている。
第5スタンドの板圧延機50は、ワークWのボディクラウン形状を調節するように機能する。また、第6スタンドの板圧延機60は、ワークWのエッジクラウン形状とボディクラウン形状とを最終調節するように機能する。
図5は、本発明の実施形態における板圧延方法によるワークWの断面形状を時系列的に示す図である。
なお、図5(a)は、板圧延機10により圧延されたときのワークWの断面形状を示し、図5(b)は、板圧延機20により圧延されたときのワークWの断面形状を示し、図5(c)は、板圧延機30により圧延されたときのワークWの断面形状を示し、図5(d)は、板圧延機40により圧延されたときのワークWの断面形状を示す。
そして、板圧延機50及び板圧延機60においては、ワークWがワークロールの間を通板することでワークWのボディクラウン形状及びエッジクラウン形状を微調節することで、エッジドロップを低減させワークWの断面を矩形化する。
このように、板圧延機10の下流側のスタンドに、板圧延機10ほどには至らないが、ある程度の形状制御能力のある板圧延機20,30,40,50,60を設けることによって、板圧延機10でワークWのクラウン形状が変化することによる形状変動に対処することができる。
したがって、本実施形態では、ワークの板厚分布不良を低減でき、且つ、エッジドロップの局部制御も可能となる。
Claims (5)
- 軸方向一方側において漸次縮径するテーパー部を備えると共に軸方向にシフト可能なワークロールと、
前記ワークロールと径方向側で隣接し、軸方向の前記テーパー部とは他方側に、軸方向のどのシフト位置でもバックアップロールと接しないように縮径されている延長バレル部を備えると共に、前記延長バレル部に寄った位置に凸中心を置いて径方向に膨出する膨出部を備えて、軸方向にシフト可能な中間ロールと、を備えることを特徴とする板圧延機。 - 複数の板圧延機を備えてワークを順次圧延するタンデム式板圧延機であって、
少なくとも第1段目の前記板圧延機として、請求項1に記載の板圧延機を備えることを特徴とするタンデム式板圧延機。 - 請求項2に記載のタンデム式板圧延機を用い、請求項1に記載の板圧延機で、前記ワークのエッジに凸部を形成し、該板圧延機より下流側の板圧延機で、前記凸部を順次平坦化させて、前記ワークのエッジドロップを制御することを特徴とする板圧延方法。
- 前記下流側の板圧延機は、軸方向一方側において漸次縮径するテーパー部を備えると共に軸方向にシフト可能なワークロールを備え、前記下流側に向かうに従って、前記ワークの幅方向の端部において、前記テーパー部が噛む領域の大きさが前記幅方向で小さくなるようにシフト制御されていることを特徴とする請求項3に記載の板圧延方法。
- 前記下流側の板圧延機は、軸方向一方側において漸次縮径するテーパー部を備えると共に軸方向にシフト可能なワークロールを備え、前記下流側に向かうに従って、前記テーパー部のテーパー勾配が小さくなるようにシフト制御されていることを特徴とする請求項3に記載の板圧延方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103736735A (zh) * | 2013-12-25 | 2014-04-23 | 烨辉(中国)科技材料有限公司 | 冷轧钢板用中间辊 |
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JPH0615309A (ja) * | 1992-07-01 | 1994-01-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 板圧延用の多重式圧延機 |
JPH08206717A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-13 | Kawasaki Steel Corp | 鋼帯の冷間圧延方法 |
JP2005066695A (ja) * | 2003-08-04 | 2005-03-17 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 板圧延機 |
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2010
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