JP2011200888A - 圧延機及び圧延方法 - Google Patents

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巧 古林
Nobuyuki Mori
信之 森
Masahiko Ito
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Abstract

【課題】コイル状に巻かれた長尺の金属板を圧延する圧延機で、金属板の端部をコイラの巻き胴に保持し、かつ保持箇所近傍で金属板に過剰な屈曲が生じない圧延機を提供する。
【解決手段】長尺の金属板Mが巻回される巻き胴12を有するコイラ10と、このコイラ10を収納するヒートボックス20と、コイラ10からヒートボックスを通って繰り出された金属板を所定の圧下率に圧延する圧延ロール60とを備える。巻き胴12は、金属板Mの端部を保持する端部保持機構を有する。端部保持機構は、巻き胴の回転軸を有する基部と基部に対して開閉する可動部とを備え、基部に対して可動部を開くことで巻き胴の外周面から金属板の端部が挿入される溝を基部と可動部との間に形成する。溝は、その溝に挿入された金属板の端部と、この端部につながり巻き胴の外周に接して巻回される金属板とのなす角度が鈍角となる方向に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウムなど、加熱して圧延することが好ましい金属の圧延に好適な圧延機及び圧延方法に関するものである。
近年、パソコンなど、各種電気機器の筐体などにマグネシウム合金が用いられている。マグネシウム合金は、比強度・比剛性が高いため、構造材として注目されている。
このようなマグネシウム合金から板材を得る技術に関して、特許文献1に記載のものがある。この技術は、マグネシウム合金素材板を圧延ロールにて圧延するマグネシウム合金板の製造方法に関するもので、圧延時の素材板の表面温度と圧延ロールの表面温度を特定条件に制御することを要旨としている。
特開2007-98470号公報
ところで、上記文献は、粗圧延から仕上げ圧延を温間で行うことを開示しているが、具体的にどのような圧延機を用いて行えばよいかについては開示していない。特に、マグネシウム合金板の量産を考慮した場合、長尺のマグネシウム合金板をコイラの巻き胴にコイル状に巻回したコイル材を用い、このコイル材を温間又は熱間にて圧延することに好適な圧延機の開発が望まれている。より特定的には、この合金板の端部をコイラの巻き胴に確実に保持し、かつこの保持箇所近傍で合金板に過剰な屈曲が生じて合金板が破断しないようにすることが求められる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、コイル状に巻かれた長尺の金属板を圧延することに適した圧延機で、金属板の端部を確実にコイラの巻き胴に保持し、かつこの保持箇所近傍で金属板に過剰な屈曲が生じない圧延機と圧延方法とを提供することにある。
本発明の圧延機は、長尺の金属板が巻回される巻き胴を有するコイラと、このコイラを収納する箱体と、コイラの金属板を所定の温度に加熱する加熱手段と、前記金属板が箱体の内外に渡るための挿通孔とを有するヒートボックスと、前記コイラから繰り出された金属板を所定の圧下率に圧延する圧延ロールとを備える。このコイラの巻き胴は、金属板の端部を保持する端部保持機構を有する。その端部保持機構は、巻き胴の回転軸を有する基部と基部に対して開閉する可動部とを備え、基部に対して可動部を開くことで巻き胴の外周面から金属板の端部が挿入される溝を基部と可動部との間に形成する。そして、前記溝は、その溝に挿入された金属板の端部と、この端部につながり巻き胴の外周に接して巻回される金属板とのなす角度が鈍角となる方向に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、金属板の端部を可動部と基部との間に形成される溝内に挿入させて、確実に保持することができる。また、上記の溝は、その深さ方向(金属板の挿脱方向)がコイラの径方向からずれた弦方向となっており、金属板の端部近傍の屈曲角度を鈍角とできるため、過剰な曲げが金属板の端部近傍に生じることがなく、圧延時の金属板の破断を抑制できる。さらに、ヒートボックスを備えることで、特に金属板の繰り出し又は巻き取りの開始時に金属板が冷えて可撓性を損なって割れ易くなることも抑制できる。
本発明の圧延機の一形態として、前記鈍角を100°以上170°以下とすることが挙げられる。
この構成によれば、金属板の屈曲角度を下限値以上とすることで、過剰な曲げが金属板の端部近傍に生じることを特に抑制し易く、同角度を上限値以下とすることで、金属板の巻き始め時に溝から金属板が抜けることを抑制し易い。
本発明の圧延機の一形態として、前記コイラとヒートボックスとの組合せを一対有し、前記圧延ロールは、これら両組合せの間に設けられることが挙げられる。そして、この形態は、さらに圧延ロールに対して金属板を往復走行させるために、各組合せのコイラを繰り出し側と巻き取り側とが交互に切り替わるようにコイラの回転方向を反転制御する回転制御手段を備える。
この構成によれば、一対のコイラの間で長尺の金属板を往復走行させて、圧延ロールを通過する毎に金属板をより薄く圧延することが容易にできる。
本発明の圧延機の一形態として、少なくとも一対の金属板検知センサと、搬送時間演算手段と、端部保持機構の閉鎖制御手段とを備えることが挙げられる。金属板検知センサは、前記圧延ロールと巻き取り側となるコイラとの間で金属板の進行方向の前後に並んで金属板を検知する。搬送時間演算手段は、両金属板検知センサの並列距離と金属板の検知時間差とから金属板の進行速度を求め、さらに、この進行速度と一方の金属板検知センサから巻き取り側となるコイラの溝までの距離とから金属板が同センサから溝に達するまでの時間を演算する。閉鎖制御手段は、前記一方の金属板検知センサが金属板を検知してから上記演算結果の時間分経過後に巻き取り側となるコイラの可動部を基部側に閉じて、この可動部と基部との間に金属板の端部を保持させる。
この構成によれば、金属板の端部が、コイラの溝内に確実に入ったことを確認することができる。そのため、この確認後にコイラの回転を開始することが可能である。
本発明の圧延機の一形態として、前記一方の組合せと圧延ロールとの間に設けられて、その一方のコイラから繰り出された金属板の両側縁を除去するトリマを備えることが挙げられる。
この構成によれば、金属板の圧延を行うのに際し、金属板の両側縁に鋳造時などに生じた不規則な凹凸が存在する場合に、この両側縁を除去することができ、実質的に一定幅の圧延板を得ることができる。また、この両側縁の除去により、凹凸に伴う側縁からの割れの進展を回避することもできる。
本発明の圧延機の一形態として、前記回転制御手段は、巻き取り側のコイラにおいて、端部保持機構で金属板の端部を保持した後、巻き始めの所定ターン数の間は、金属板に実質的に張力が作用しない状態でコイラを回転させ、その所定ターン数の経過後は金属板に所定の張力をかけるようにコイラを回転させることが挙げられる。
この構成によれば、巻き始めの所定ターン数については金属板に実質的に張力をかけないでコイラを回転させるため、緩んだ状態に金属板を巻回でき、溝から金属板の端部が抜けることを抑制し易い。一方で、巻き始めの所定ターン数を経過した後は、金属板に張力をかけることで、緩んだ金属板を巻き締めてターン間の摩擦により金属板が溝から抜けないようにしつつ、金属板を円滑にコイル状に巻回して行くことができる。
本発明の圧延機の一形態として、長尺の金属板の全長をコイル状に巻き取った際のコイラの全回転数と金属板を繰り出し始めてからの繰り出し側のコイラの回転数とからそのコイラに残存する金属板のターン数を予測し、この残存ターン数が所定数に達したら繰り出し側のコイラの可動部を基部に対して開いて、溝から金属板の端部が外れるようにする端部保持機構の開放制御手段を備えることが挙げられる。
この構成によれば、繰り出し側のコイラにおいて、金属板の終端部を溝から円滑に外れるようにすることができる。
一方、本発明の圧延方法は、上記圧延機を用いて、マグネシウム又はマグネシウム合金の金属板を圧延することを特徴とする。
この構成によれば、可撓性に乏しいマグネシウム又はマグネシウム合金の金属板であっても、割れや破断が生じることなく圧延を行うことができる。
本発明の圧延機及び圧延方法によれば、長尺の金属板の端部を確実にコイラの巻き胴に保持し、かつこの保持箇所近傍で合金板に過剰な屈曲が生じないようにしながら金属板を圧延することができる。
本発明の実施形態に係る圧延機の概略構成図である。 図1の装置における端部保持機構の概要を示す部分模式図である。 図1の装置の機能ブロック図である。 図1の装置におけるオープナーの模式説明図である。 巻き取り側コイラで金属板の繰り出し端部を保持する際の動作手順を示すフローチャートである。 繰り出し側コイラで金属板の繰り出し終端を巻き胴から外す際の動作手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。各図において、同一部材には同一符号を付している。
[圧延機の構成]
{装置の概要}
この圧延機1は、マグネシウム合金板などの金属板Mの圧延に好適な圧延機で、図1に示すように、左右の各コイラ10(10L、10R)、ヒートボックス20(20L、20R)、オープナー30、スナバロール40、トリマ50、圧延ロール60、ピンチローラ70(70L、70C、70R)、及びワイパ80を主たる構成要素としている。金属板Mは、例えば、図の左コイラ10Lの巻き胴12に巻回されたコイル材として用いられ、このコイル材から金属板Mを右コイラ10R側に繰り出して往路圧延を行って右コイラ10Rに巻き取り、続いて各コイラ10L、10Rの回転方向を反転して、金属板を右コイラ10Rから左コイラ10Lに繰り出して復路圧延を行い左コイラ10Lに巻き取って、以下、同様の圧延パスを繰り返す。各構成部材相互の連携動作は、図3に示すようにコンピュータを用いて行われ、システム制御手段800をはじめとする各種制御手段からの指令により行われる。以下、各構成部材を詳しく説明する。
{コイラ}
コイラ10は、長尺の金属板Mが巻回される巻き胴12(図2)を備え、この金属板M(図1)の巻き取り及び繰り出しを行う。本例では、圧延ロール60を挟んで左右に一対のコイラ10L、10Rを圧延ロール60から離隔して配置している。両コイラ10L、10Rは、左右の勝手違いである点を除いて、基本的な構成は共通である。巻き胴12には、金属板Mの端部を保持する端部保持機構12H(図2)が設けられている。より具体的には、この保持機構12Hは、コイラ10の回転軸を有する基部12Bと、基部12Bに対して開閉する可動部12Mとを備える。可動部12Mを基部12Bに対して開くことで、金属板Mの端部が挿入される溝15が巻き胴12の外周面に形成される。この溝15は、巻き胴12の径方向に沿うことなく、弦方向に沿って形成されている。即ち、この溝15は、溝15に挿入された金属板Mの端部と、この端部につながり巻き胴12の外周に接して巻回される金属板Mとのなす角度が鈍角となる方向に形成されている。この角度は、図2に示すように、溝15の内面に稜線を経てつながる外周面において、この稜線位置における巻き胴12の外周面に対する接線17を求め、この接線17と溝15の内面とのなす角度θを求めればよい。この角度θが鈍角であれば、コイラ10で金属板Mを巻き取った際、金属板Mの端部近傍に過大な屈曲が生じることがなく、その屈曲に伴う金属板Mの破断も抑制できる。
この鈍角は、100°以上170°以下とすることが好ましい。金属板Mの屈曲角度を下限値以上とすることで、過剰な曲げが金属板Mの端部近傍に生じることを特に抑制し易く、同角度を上限値以下とすることで、金属板Mの巻き始め時に溝15から金属板Mが抜けることを抑制し易い。本例では、この鈍角を約160°としており、この鈍角による金属板Mの曲げ直径は300mm程度である。
一方、可動部12Mの開閉は、油圧シリンダなどの適宜な開閉手段11(図3参照、図2では図示略)により行われ、より具体的には、油圧シリンダの軸の進退によりコイラ10の巻き胴12が拡径・縮径することにより行われる。その開閉手段11は端部保持機構制御手段110により制御される。端部保持機構制御手段110は、より具体的には、端部保持機構12Hの閉鎖制御手段と開放制御手段とを含む。各制御手段による可動部12Mの動作手順は後述する。この溝15(図2)のサイズは、例えば、溝15の開口幅:10mm、深さ:40mmで、導入可能板厚は1.0〜4.5mmである。
その他、コイラ10に巻き取られた金属板Mは、後述するヒートボックス20のヒートボックス加熱手段24(図3)により加熱されるが、さらに必要に応じて巻き胴12には、ヒータなどのコイラ加熱手段(図示せず)を設けてもよい。コイラ加熱手段により巻き胴12を所定の温度に加熱することで、コイル材の内周側からも金属板Mを加熱して、その金属板Mの温度を所定の加熱温度に保持しやすくできる。さらに、巻き胴12の両端部から径方向に延びるつば部を必要に応じて設け、巻き胴12に巻回された各ターンの金属板M同士が回転軸方向にずれないようにしてもよい。
この巻き胴12の回転軸は、モータなどのコイラ駆動手段13により所定の方向に回転される。コイラ駆動手段13の制御は、回転制御手段130(図3)により行われる。例えば、回転制御手段130により、図1の左コイラ10L(右コイラ10R)を時計回りに回転すれば、繰り出し側のコイラ(巻き取り側のコイラ)として機能し、反時計回りに回転させれば、巻き取り側のコイラ(繰り出し側のコイラ)として機能する。
{ヒートボックス}
このようなコイラ10は、ヒートボックス20内に収納されている(図1)。ヒートボックス20は、コイラ10ごと金属板Mを所定温度に加熱する炉であり、各コイラ10L、10Rを収納する箱体22と、箱体22内を所定温度に加熱するヒートボックス加熱手段24(図3)とを備えている。本例では、この加熱手段24として熱風ブロアを用い、ヒートボックス20内に熱風を供給して、金属板Mをその外側から加熱するようにしている。このヒートボックス20によりコイラ10に巻回された金属板Mを所定の温度に加熱することで、圧延開始から終了に至るまでの間、コイラ10に巻き取られた状態で金属板Mが冷えることを抑制できる。その結果、金属板Mに所定の可撓性を持たせてコイラ10への巻き取り、及びコイラ10からの繰り出しを行うことができる。
箱体22は、コイラ10を収納する内部空間を外部空間と区画できる隔壁で構成される(図1)。但し、金属板Mをコイラ10から圧延ロール60に繰り出す、又は圧延ロール60からコイラ10に金属板Mを巻き取るには、箱体22の内外に金属板Mが渡る必要があるため、圧延ロール60側に向いた隔壁には金属板Mの挿通孔26が設けられている。この挿通孔26は、金属板Mを挿通することができるサイズであれば、できるだけ小さい方が好ましい。挿通孔26を小さくすることで、挿通孔26からの放熱を抑制し、箱体22内部の温度を保持しやすくできる。挿通孔26が小さくできるのは、後述するオープナー30により、金属板Mを挿通孔26に正確に案内できるからである。
そして、ヒートボックス加熱手段24は、ヒートボックス加熱制御手段240により内部空間の温度が所定温度となるように制御される(図3)。
{オープナー}
この各ヒートボックス20内には、オープナー30が設けられている(図1)。オープナー30は、コイラ10から金属板Mを繰り出す際、金属板Mの繰り出し端部をめくり上げる機能を有する。本例では、図4に示すように、長片32の先端から短片34がほぼ直角方向に延びるL型桿30Lをオープナー30としている。特に、この短片34の上面における先端側34E(トゥ側)の箇所が金属板Mの繰り出し端面と接触して、同端部をめくり上げることに寄与する。このL型桿30Lの基端側はコイラ10の支持部に軸支されており、短片34側を揺動自在に動作して、短片34の先端部をコイル材10の外周面に接触・離反させることができる。この揺動は、オープナー用シリンダ31(図3:例えば油圧シリンダ)をオープナー制御手段310にて制御することで行っている。
このオープナー30を構成するL型桿30Lは単一の部材でありながら、さらにオープナー30でめくり上げた金属板Mの繰り出し端部を前記挿通孔26に案内する繰り出しガイド部34Sとしての機能と、コイル材の巻き緩みを防止する緩み防止部34Lとしての機能とを兼備している。本例では、短片34の上面における基端側(ヒール側)の箇所が繰り出しガイド部34Sとして機能し、短片34の先端面が緩み防止部34Lとして機能する。この構成により、単一の部材により、合計3つの機能を兼備することができる。
さらに、このオープナー30は、コイラ10R(10L)が巻き取り側コイラとして機能する場合、前記短片34の上面における基端側(ヒール側)の箇所が巻き取りガイド部として機能し、挿通孔26から導入された金属板Mの巻き取り端部を巻き胴12の外周、即ち端部保持機構12H(図2)に案内する(図1)。
{スナバロール}
さらに、各ヒートボックス20内には、スナバロール40が設けられている。このスナバロール40は、コイラ10が繰り出し側の場合は、繰り出し端部近傍、特にコイル材の外周輪郭円から繰り出し端部に至る間の金属板Mの浮き上がりを押える繰り出しスナバロール40として、コイラ10が巻き取り側の場合は、巻き取り端部近傍の金属板Mの浮き上がりを押える巻き取りスナバロール40として機能する。この浮き上がりは、金属板Mのスプリングバックや巻き癖などにより生じるものである。つまり、スナバロール40は、オープナー30と協働して金属板Mの端部を箱体22の挿通孔26又は巻き胴12の端部保持機構12Hに確実に案内することに寄与する。
スナバロール40は、より具体的には、コイラ10の支持部に固定されたモータ42と、このモータから離れた位置に配され、金属板Mに押圧されるロール44と、モータ42の駆動力をロール44に伝達するチェーン46とを備えている。さらに、モータ42の固定されるコイラ10の支持部側を軸として、ロール44側端部を揺動することができる。この揺動により、金属板Mの繰り出し又は巻き取りに伴うコイル材の径の変化に応じて、箱体22の挿通孔26とコイル材との間における金属板Mの適切な箇所を押圧することができる。このスナバロール40の揺動には、スナバロール用シリンダ41(図3:例えば油圧シリンダ)をスナバロール制御手段410にて制御することで行っている。
{トリマ}
また、圧延ロール60と左コイラ10Lとの間には、トリマ50が設けられている(図1)。トリマ50は、左コイラ10Lから繰り出された金属板Mの両側縁を切断して除去する。そのため、トリマ50で鋳造材の両側縁を除去することで、見た目に美しく、かつ幅が実質的に一定の長尺板を得ることができる。
トリマ50による両側縁の除去は、1パス目の圧延を行う前、つまり圧延ロール60に金属板Mが導入される前に行っておくことが好ましい。このタイミングで両側縁の除去を行うことで、続く圧延パスを経ても両側縁の凹凸がより進展して、割れなどになることを抑制できる。トリマ50による両側縁の除去は、複数パスの圧延を行なう場合でも一度行えば十分である。そのため、圧延ロール60と右コイラ10Rとの間には、トリマを設けていない。このトリマ50の動作は、トリマ制御手段500の指令により行われる(図3)。
{圧延ロール}
圧延ロール60は、繰り出し側のコイラ10から繰り出された金属板Mを一対のロールで挟んで、所定の厚さに塑性加工する。圧延ロール60は、圧延ロール駆動制御手段640により回転数とロール間隔が制御されると共に、圧延ロール加熱制御手段620で圧延ロール加熱手段62を制御することにより所定の温度に加熱制御される(図3)。圧延ロール自体に加熱手段62を設けておくことで、金属板Mが十分に熱せられた状態で圧延を行うことができ、金属板Mの割れを抑制することができる。そして、往復圧延を行うことで、パスごとに圧延ロール間隔を狭めて、順次板厚を薄くすることができる。
この圧延ロール60の前後には、金属板Mを検知する圧延検知センサ64を設けても良い。両センサ64が金属板Mを検知することで、金属板Mが圧延ロール60を通過したことを認識することができる。このセンサ64の検知結果に基づいて、圧延ロール駆動制御手段640の制御により、圧延ロール60の間隔を所定の圧下率が得られるように狭める。
{ピンチローラ}
さらに、本例では、トリマ50の前後にピンチローラ70(70L,70C)、圧延ロール60と右コイラ10Rとの間にピンチローラ70(70R)を設けている(図1)。ピンチローラ70(70L、70C、70R)は、各コイラ10L、10Rと圧延ロール60との間における金属板Mを表裏から挟んで、その金属板Mの支持を行う。本例では、ピンチローラ70自体にヒータなどのピンチローラ加熱手段72を設け、この加熱手段72をピンチローラ加熱制御手段720で制御して、ピンチローラ表面を所定温度に加熱することができる(図3)。この加熱により、ピンチローラ70に金属板Mが接触しても冷却されることなく、金属板Mを所定温度に維持することができる。
また、各ピンチローラ70L、70C、70Rの前後には、一対の金属板検知センサ74が設けられている。例えば、左コイラ10Lが繰り出し側コイラの場合、金属板Mがピンチローラ70Lを通過する際、予めピンチローラ70Lの間隔は金属板Mが通過しやすいように広げておき、両センサ74の検知結果に基づいて、ピンチローラ駆動制御手段760でモータなどのピンチローラ駆動手段76を制御し、金属板Mをピンチローラ70で挟み込む。
一方、例えば、右コイラ10Rが巻き取り側コイラの場合、金属板Mがピンチローラ70Rを通過する際、両センサ74の検知結果に基づいて搬送時間演算手段740による演算を行うことで、金属板Mの巻き取り端部が右コイラの端部保持機構12Hに到達したことを検知できる。その結果、確実に巻き取り側コイラ10Rに巻き取り端部が保持されたことを確認してから同コイラ10Rの回転を開始することができる。これら金属板検知センサ74の検知結果を利用した具体的な処理手順は後述する。
{ワイパ}
その他、本例の圧延機1では、圧延ロール60の前後に一対のワイパ80を設けてもよい(図1)。通常、コイル材を構成する金属板Mには潤滑油が塗布されている。この潤滑剤が過剰に付着した状態で圧延されると、金属板Mがべたべたになったり、温間や熱間の圧延により潤滑剤が固まることがある。そのため、金属板Mに付着した潤滑剤をワイパ80で適度に除去している。本例では、不織布のローラをワイパ80に用い、このローラで金属板Mの表裏の潤滑剤を吸収している。なお、このワイパ80の近傍には、金属板Mの温度センサと板厚センサが設けられている。
{圧延対象}
圧延対象の金属板Mとしては、温間又は熱間にて圧延を行うことが好ましい金属材料からなる板材、特に塑性加工性に乏しいマグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金などの板材が挙げられる。勿論、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金などの比較的塑性加工性に優れる金属材料からなる板材であっても、本例の圧延機1で圧延できることは言うまでもない。
[圧延機の動作手順]
以上の圧延機は、次の動作手順により金属板の圧延を行う。ここでは、左コイラ10L側から右コイラ10R側に金属板Mを搬送して圧延を開始して、さらに金属板Mを往復させて圧延する場合を例として説明する。
まず、左コイラ10Lに金属板M(鋳造板)を巻回したコイル材をセットし、その状態でヒートボックス20内、ピンチローラ70L、70C、70R及び圧延ロール60を所定温度に予備加熱しておく。
次に、オープナー30の先端部をコイル材の外周に当接し、さらにスナバロール40もコイル材の外周近傍に位置させる。図1の左コイラ10Lを時計回りに回転させ、金属板Mの繰り出し端部をオープナー30でめくり上げ、そのめくり上げられた繰り出し端部近傍をスナバロール40で押え付ける。
続いて、左コイラ10Lの回転とスナバロール40の回転により、金属板Mはほぼ水平方向に搬送され、ヒートボックス20Lの挿通孔26へと案内される。
挿通孔26を通り抜けた金属板Mは、ピンチローラ70Lに達する。このとき、予めピンチローラ70Lの間隔は金属板Mが通過しやすいように広げられている。その状態でピンチローラ70Lに金属板Mが導入されると、まず上流側の金属板センサ74が金属板Mを検知し、さらに下流側の同センサ74も金属板Mを検知する。
ピンチローラ駆動制御手段760では、両センサ74が金属板Mを検知したしたことをもって金属板Mがピンチローラ70Lを通過したと判断する。そして、このピンチローラ駆動制御手段760でピンチローラ駆動手段76を制御してピンチローラ70Lの間隔を狭め、金属板Mをピンチローラ70Lで挟み込む。
この段階で、金属板Mの繰り出し端部はピンチローラ70Lで保持されたことになり、金属板Mの進行方向が確立される。
次に、金属板Mはトリマ50に導入される。トリマ50では金属板Mの両側縁を切断して除去し、実質的に一定幅の金属板Mに成形する。
トリマ50を通過した金属板Mは、再度ピンチローラ70Cに導入される。このピンチローラ70Cでも、金属板検知センサ74の検知結果により、ピンチローラ70Cの間隔を狭めて金属板Mを挟み込む。
圧延ロール60の上流となるここまでの過程では、金属板Mは左コイラ10Lに装着された状態においてはヒートボックス20L内で加熱され、各ピンチローラ70L、70Cを通過する際には、ピンチローラ70L、70Cに接触することで加熱される。そのため、金属板Mの温度を所定温度に保持して圧延ロール60に導入することができる。
さらに金属板Mを搬送し、圧延ロール60に導入する。金属板Mが導入される前の圧延ロール60は、互いの間隔を広く保持しているが、圧延ロール60の前後に圧延検知センサ64を設けた場合、同センサ64の検知結果により圧延ロール60間に金属板Mが通されたことを検知することで、両圧延ロール60の間隔を所定幅に狭め、金属板Mを所定の圧下率に圧延することができる。その際、圧延ロール60自体も加熱されているため、圧延ロール60と接触することで金属板Mの温度が低下することもない。
また、圧延検知センサ64の検知結果により、金属板Mの圧延が開始されたことが検知できるため、オープナー制御手段310とスナバロール制御手段410の指令により、左コイラ10Lに併設されるオープナー30とスナバロール40をコイル材から退避させる。
1パス目の圧延が終了すると、金属板Mの温度を測定する温度センサと板厚センサにより、圧延ロール60を通過する前後での金属板Mの温度と板厚とを把握することができる。
次に、再度金属板Mがピンチローラ70Rに導入される。ここでも、上流側のセンサ74が先に金属板Mを検知し、下流側のセンサ74が後で金属板Mを検知する。このとき、図5に示すように、両センサ74の設置間隔は既知であるから、両センサ74の検知時間差と設置間隔から、金属板Mの進行速度を演算することができる(ステップS1)。また、いずれかのセンサ74から右コイラ10Rの端部保持機構12Hまでの距離も既知であるから、この距離と金属板Mの進行速度から、いずれかのセンサ74で金属板Mを検知した後、金属板Mが端部保持機構12Hに到達するまでの時間も演算できる(ステップS1)。そのため、この演算を搬送時間演算手段740にて行えば、いずれかのセンサ74で金属板Mを検知してから当該搬送時間が経過したか否かで、金属板Mの端部が端部保持機構12Hの溝15内に導入されたかどうかを判断することができる(ステップS2)。そして、当該搬送時間が経過していれば金属板Mの端部が端部保持機構12Hの溝15内に導入されたとみなして溝を閉じ(ステップS3)、経過していなければ、金属板Mの端部が端部保持機構12Hの溝15内に導入されていないと判断して溝を開いたままとする(ステップS4)。
続いて、金属板Mは右コイラ10Rを収納するヒートボックス20Rの挿通孔26を通過して、ヒートボックス20R内に導入される。この金属板Mの端部は、ここでは巻き取り端部となる。そして、右コイラ10Rに併設されるオープナー30が巻き取り端部近傍の金属板Mを支持する巻き取りガイド部として機能し、スナバロール40が巻き取り端部近傍の金属板Mの浮き上がりを押える巻き取りスナバロールとして機能することで、右コイラ10Rの端部保持機構12Hに向けて案内される。
このとき、右コイラ10Rは、回転制御手段130の制御により、端部保持機構の溝15が巻き取り端部側に向く回転位置に予め調整されている。
そして、このオープナー30とスナバロール40との案内により、金属板Mは右コイラ10Rの端部保持機構12Hが有する溝に導入される。前述したように、溝15に金属板Mが導入されたか否かは、金属板検知センサ74と搬送時間演算手段740の結果から求められている。そのため、いずれかのセンサ74で金属板Mを検知してから演算された搬送時間の経過後に右コイラ10Rの回転を開始することで、巻き取り端部を確実に巻き胴12に保持させてから右コイラ10Rの回転を行うことができる。
右コイラ10Rの溝15に導入された金属板Mの巻き取り端部は、右コイラ10Rを時計回りに回転することに伴って、巻き胴12の外周に巻回される。その際、溝15の配置角度により、金属板Mの巻き取り端部近傍には鈍角の屈曲しか生じることがない。
この右コイラ10Rにおける金属板Mの巻き取りは、当初の数ターンは金属板Mに張力が作用しないように一定速度でコイラ10Lを巻回させ、その数ターン経過後は金属板Mに一定張力を作用させてコイラ10Lを巻回させることで行う。具体的には、右コイラ10Rに導入される金属板Mの速度よりも遅い周速となるように右コイラ10Rを例えば1回転か2回転させる。このとき、金属板Mは右コイラ10Rの巻き胴12の外周に密着して巻回されず、たるみをもって巻回される。そのため、当初から金属板Mに張力をかけて巻回した場合に比べて、金属板Mの巻き取り端部が溝15からぬけることを抑制しやすい。この数ターン分のターン数は、隣接するターンが形成できればよく、最小限としては1ターン超である。但し、このターン数をむやみに増やしても巻き取り端部の抜け防止効果の向上には限度があるため、2〜3ターン程度で十分である。
一方、右コイラ10Rを所定の回転数回転させた後は、今度は一定の張力が金属板Mに作用するように右コイラ10Rを回転させる。金属板Mの張力は右コイラ10Rを回転させるモータの回転抵抗から求めることができ、その張力が一定となるように回転制御手段130でモータ(コイラ駆動手段13)を制御する。この張力が作用した金属板Mの巻回により、当初緩みをもって巻回された数ターン分の金属板Mは巻き締められ、隣接するターン間の摩擦により、巻き取り端部を溝15から抜け難くできる。
この左右のコイラ10L、10Rによる時計回りの回転を続けることで、金属板Mを往路圧延することができる。
次に、左コイラ10Lにおいて、図6に示すように、繰り出し終端が近づいてくると、金属板Mの全長をこのコイラ10Lに巻回するのに要したコイラ10Lの全回転数は既知であるから、金属板Mを繰り出し始めてからの左コイラ10Lの回転数から(ステップS11)、そのコイラ10Lに残存する金属板Mのターン数を予測することができる。例えば、全回転数が100回転だったとして、金属板Mを繰り出し始めてからの左コイラ10Lの回転数が97回転であれば、間もなく左コイラ10Lの繰り出し終端が出現することがわかる。そのため、コイラ10Rに残存する金属板Mのターン数が所定数になったか否かを判断し(ステップS12)、所定数になった時点で、端部保持機構制御手段110を介して開閉手段11を駆動し、端部保持機構12Hの溝15を広げるようにする(ステップ13)。この動作により、左コイラ10Lの金属板Mにおける繰り出し終端部が送り出される際、円滑に溝から繰り出し終端部を外すことができる。この繰り出し終端部の左コイラ10Lからの離脱により、金属板Mの全長をトリマ50に通すことができる。これに対し、上記所定数になっていなければ、溝を閉じたままとしておく(ステップ14)。
一方、金属板検知センサ74の結果から、繰り出し終端部がいつ右コイラ10Rのコイル材に達するかも求められるから、その時点を基準として、右コイラ10Rの回転方向を自動で反転、又は繰り出し終端部が右コイラ10Rで巻回されたコイル材に達したことを確認して手動で反転させればよい。
この反転により、今度は、右コイラ10Rが繰り出し側コイラとなり、左コイラ10Lが巻き取り側コイラとなる。つまり、右コイラ10Rに付設されるオープナー30の端部をコイル材に当接し、スナバロール40をそのコイル材側に移行させることで、金属板Mの復路圧延が開始されることになる。
以下、同様の動作を繰り返すことで、圧延ロール60に対して金属板Mを往復して通過させ、順次複数パスの圧延を行うことができる。
[作用効果]
金属板の端部を可動部と基部との間に形成される溝内に挿入させて、確実に保持することができる。
上記の溝15は、その深さ方向(金属板の挿脱方向)がコイラ10の径方向からずれた弦方向となっており、金属板Mの端部近傍の屈曲角度を鈍角とできるため、過剰な曲げが金属板Mの端部近傍に生じることがなく、圧延時の金属板Mの破断を抑制できる。
一対のコイラ10L、10Rの間で長尺の金属板Mを往復走行させて、圧延ロール60を通過する毎に金属板Mをより薄く圧延することが容易にできる。
オープナー30とスナバロール30を用いることで、繰り出し側のコイラ10L(10R)から巻き取り側のコイラ10R(10L)まで短時間で自動通板できる。また、ヒートボックス20での加熱、ピンチローラ70の加熱、圧延ロール60の加熱を行って短時間で自動通板することで、搬送中に金属板Mの表面温度が低下し、圧延時に表面割れを起こすことも抑制できる。特に、最終板厚が1mm以下の薄板は、100℃以下になると圧延時に破断することがあるため、本発明の圧延機によれば、このような薄板でも破断することなく圧延できる。
金属板検知センサ74と、搬送時間演算手段740と、端部保持機構12Hの閉鎖制御手段とを用いることで、金属板Mの端部が、コイラの溝15内に確実に入ったことを確認することができる。そのため、この確認後にコイラ15の回転を開始することができる。
トリマ50を用いることで、一定幅の高品質な金属板Mを得ることができる。
巻き始めの所定ターン数については金属板Mに実質的に張力をかけないでコイラ10L(10R)を回転させることで、緩んだ状態に金属板Mを巻回でき、溝15から金属板Mの端部が抜けることを抑制し易い。一方で、巻き始めの所定ターン数を経過した後は、金属板Mに張力をかけることで、緩んだ金属板Mを巻き締めてターン間の摩擦により金属板Mが溝15から抜けないようにしつつ、金属板を円滑にコイル状に巻回できる。
加熱雰囲気であるヒートボックス20内にセンサを設けなくても、金属板検知センサ74と搬送時間演算手段740、或いは金属板検知センサ74と回転制御手段130を用いることで、巻き取り端部が溝15に導入されたことや、巻き取り終端部がいつごろ溝15から外れるかを検知することができる。
[実施例]
AZ91相当のマグネシウム合金からなる鋳造板を上記の圧延機を用いて往復にて圧延した。この鋳造板は双ロール鋳造にて得られた長尺の金属板である。また、1パス目の繰り出し終端部は左コイラから外して、トリマによる両側縁の除去は1パス目に金属板の全長にわたって行い、2パス目の繰り出し端部を左コイラで保持してから以降の全パスは金属板の両端部を両コイラで保持したまま往復圧延を行った。具体的な圧延条件は次の通りである。
鋳造材:厚さ4mm±0.1mm
圧延回数:9パス
最終板厚:0.8mm±20μm
圧延条件:200〜290℃(ヒートボックス内の設定温度、ピンチローラの表面温度、圧延ロールの表面温度のいずれも)
その結果、金属板の幅方向と長手方向の板厚のばらつきは±0.1mmであり、縁割れは十分に小さかった。また、圧延条件が200℃未満では、縁割れが大きく、圧延条件が290℃超では焼付きが生じた。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。例えば、全パスにおいて左右の各コイラで金属板の繰り出し終端部を巻き胴から外して往復圧延を行うこともできる。その場合、金属板の全長を圧延することができる。
本発明の圧延機及び圧延方法は、マグネシウムなど、加熱して圧延する必要性の高い金属板の圧延に好適に利用できる。
1 圧延機
10 コイラ
10L 左コイラ 10R 右コイラ
12 巻き胴 12H 端部保持機構 12B 基部 12M 可動部
11 開閉手段 13 コイラ駆動手段 15 溝 17 接線
20、20L、20R ヒートボックス
22 箱体 24 ヒートボックス加熱手段 26 挿通孔
30 オープナー
30L L型桿 32 長片 34 短片
34E 上面の先端側 34L 緩み防止部 34S 繰り出しガイド部
31 オープナー用シリンダ
40 スナバロール
42 モータ 44 ロール 46 チェーン
41 スナバロール用シリンダ
50 トリマ
60 圧延ロール
62 圧延ロール加熱手段 64 圧延検知センサ
70、70L、70C、70R ピンチローラ
72 ピンチローラ加熱手段 74 金属板検知センサ
76 ピンチローラ駆動手段
80 ワイパ
110 端部保持機構制御手段 130 回転制御手段
240 ヒートボックス加熱制御手段
310 オープナー制御手段 410 スナバロール制御手段
500 トリマ制御手段
620 圧延ロール加熱制御手段 640 圧延ロール駆動制御手段
720 ピンチローラ加熱制御手段 740 搬送時間演算手段
760 ピンチローラ駆動制御手段
800 システム制御手段
M 金属板

Claims (8)

  1. 長尺の金属板が巻回される巻き胴を有するコイラと、
    このコイラを収納する箱体と、コイラの金属板を所定の温度に加熱する加熱手段と、前記金属板が箱体の内外に渡るための挿通孔とを有するヒートボックスと、
    前記コイラから繰り出された金属板を所定の圧下率に圧延する圧延ロールとを備え、
    前記コイラの巻き胴は、金属板の端部を保持する端部保持機構を有し、
    その端部保持機構は、巻き胴の回転軸を有する基部と、基部に対して開閉する可動部とを備え、基部に対して可動部を開くことで巻き胴の外周面から金属板の端部が挿入される溝を基部と可動部との間に形成し、
    前記溝は、その溝に挿入された金属板の端部と、この端部につながり巻き胴の外周に接して巻回される金属板とのなす角度が鈍角となる方向に形成されていることを特徴とする圧延機。
  2. 前記鈍角が100°以上170°以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧延機。
  3. 前記コイラとヒートボックスとの組合せを一対有し、前記圧延ロールは、これら両組合せの間に設けられ、
    さらに、圧延ロールに対して金属板を往復走行させるために、各組合せのコイラを繰り出し側と巻き取り側とが交互に切り替わるようにコイラの回転方向を反転制御する回転制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延機。
  4. 前記圧延ロールと巻き取り側となるコイラとの間で金属板の進行方向の前後に並んで金属板を検知する少なくとも一対の金属板検知センサと、
    両金属板検知センサの並列距離と金属板の検知時間差とから金属板の進行速度を求め、さらに、この進行速度と一方の金属板検知センサから巻き取り側となるコイラの溝までの距離とから金属板が同センサから溝に達するまでの時間を演算する搬送時間演算手段と、
    前記一方の金属板検知センサが金属板を検知してから上記演算結果の時間分経過後に巻き取り側となるコイラの可動部を基部側に閉じて、この可動部と基部との間に金属板の端部を保持させる端部保持機構の閉鎖制御手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載の圧延機。
  5. 前記一方の組合せと圧延ロールとの間に設けられて、その一方のコイラから繰り出された金属板の両側縁を除去するトリマを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧延機。
  6. 前記回転制御手段は、巻き取り側のコイラにおいて、端部保持機構で金属板の端部を保持した後、巻き始めの所定ターン数の間は、金属板に実質的に張力が作用しない状態でコイラを回転させ、その所定ターン数の経過後は金属板に所定の張力をかけるようにコイラを回転させることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の圧延機。
  7. 長尺の金属板の全長をコイル状に巻き取った際のコイラの全回転数と金属板を繰り出し始めてからの繰り出し側のコイラの回転数とからそのコイラに残存する金属板のターン数を予測し、この残存ターン数が所定数に達したら繰り出し側のコイラの可動部を基部に対して開いて、溝から金属板の端部が外れるようにする端部保持機構の開放制御手段を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の圧延機。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧延機を用いて、マグネシウム又はマグネシウム合金の金属板を圧延することを特徴とする圧延方法。
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