JP2008284587A - コイラードラムおよび該コイラードラムを使用した圧延設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】「かき傷」の発生を防止することにより、圧延材の歩留りを向上させることのできるコイラードラム及び圧延設備を提供する。
【解決手段】圧延設備を構成するコイラーファーネスは、コイラードラムと、コイラードラムを収容する保温炉とを有している。コイラードラムは、開口部54を有し、回転軸が中心に位置するようにして回転軸の外周面に取り付けられるドラム本体44と、開口部54における一方の長手内側縁54aに形成された係止部46と、開口部54における他方の長手内側縁54bからドラム本体44の内側へ向かって傾斜して形成されたガイド部48とを備えている。そして、回転軸に対して直交する断面において回転軸および係止部46の両方に接触する仮想直線Lを想定したとき、ガイド部48の先端Pが仮想直線L上または仮想直線Lを越えて係止部46側に配置されるようにガイド部48の傾斜方向長さAが設定されている。
【選択図】図9

Description

本発明は、コイラーファーネスを構成するコイラードラム、および2つのコイラーファーネスとコイラーファーネス間に配設された圧延機とを備える圧延設備に関する。
圧延材は、通常、加熱された厚肉のスラブを複数の工程を経て段階的に圧延することによって製造されるが、スラブを最終目標厚さに圧延する「仕上げ熱間圧延工程」では、1つの圧延機を用いて数パスの可逆圧延を行う「ステッケルミル」と称される圧延設備が一般に用いられている。
従来のステッケルミル1は、図12に示すように、1つの圧延機2と、圧延機2の左右両側に配設された2つのコイラーファーネス3とを備えており、各コイラーファーネス3は、圧延材4が出し入れされる出入口5aを有する保温炉5と、保温炉5内に回転自在に配設されたコイラードラム6とを備えている。また、コイラードラム6は、図13(A)に示すように、軸方向へ長く延びる開口部7を有し、回転軸8の外周面に取り付けられるドラム本体6aと、開口部7における一方の長手内側縁7aに形成された係止部6bと、開口部7における他方の長手内側縁7bからドラム本体6aの内側へ向かって傾斜して形成されたガイド部6cとを備えている。そして、ガイド部6cの傾斜方向長さAは、回転軸8に対して直交する断面(図示断面)において回転軸8および係止部6bの両方に接触する仮想直線Lを想定したとき、ガイド部6cの先端Pが仮想直線Lに届かないように設定されている。
従来のステッケルミル1(図12)を用いて「仕上げ圧延工程」を行う際には、粗圧延機で圧延した圧延材4をその一方端部から圧延機2に送り込んで1パス目の圧延を行った後、当該一方端部を一方のコイラーファーネス3を構成する保温炉5の内部へ出入口5aから挿入する。続いて、図13(A)に示すように、当該一方端部をコイラードラム6の内部へ開口部7からガイド部6cに沿わせて挿入し、その後、コイラードラム6を回転させる。すると、図13(B)に示すように、圧延材4が回転軸8および係止部6bの2点に接触し、続いてこの状態で回転させると、これら2点間において圧延材4に曲げ力が作用する。その状態からコイラードラム6をさらに回転させると、図13(C)に示すように、圧延材4がガイド部6c側へ膨らむようにして大きく曲げられ、当該一方端部が係止部6bに係止されるとともに、圧延材4がドラム本体6aの外周面に巻き付けられる。
一方のコイラーファーネス3による圧延材4の「巻取り」が完了すると、これを反転させて、圧延機2を通り過ぎた地点で停止している圧延材4の他方端部から圧延機2に送り込んで2パス目の圧延を行った後、当該他方端部を他方のコイラーファーネス3を構成する保温炉5の内部へ出入口5aから挿入し、これをコイラードラム6の内部へ開口部7からガイド部6cに沿わせて挿入する。その後、図13(A)〜(C)に示した手順により、他方のコイラーファーネス3による圧延材4の「巻取り」を行う。
このようにして、2つのコイラーファーネス3間において圧延材4をやり取りしながら、圧延機2を用いて圧延材4を所定厚さまで圧延する。
なお、「コイラードラム」の具体的構成および動作については、特許第3419699号公報(特許文献1)が参考になる。
特許第3419699号公報
従来のコイラードラム6では、ガイド部6cの先端Pが仮想直線Lに届かない位置に配置されていたので、圧延材4をコイラードラム6に巻き付ける初期段階には、図13(C)に示すように、回転軸8から係止部6bへ向かう圧延材4は、一旦ガイド部6cの側へ大きく膨らんでから係止部6bに至るようになり、係止部6bの近傍においては、圧延材4の内面とドラム本体6aの外面との間に大きな隙間Sが生じていた。つまり、圧延材4の巻き付けが甘くなることによって隙間Sが大きくなっていた。
したがって、圧延材4に付与される張力や第2巻き目に締め付け力等によって隙間Sが押し潰されると、圧延材4がドラム本体6aの外面をスリップして、該外面に形成された硬い凹凸(例えば酸化物の堆積突部)により「かき傷」と称される表面欠陥を生じ、これが圧延を重ねることによって次第に引き伸ばされて圧延材4の歩留りを著しく低下させるという問題があった。
それゆえに、本発明の主たる課題は、「かき傷」の発生を防止することにより、圧延材の歩留りを向上させることのできる、コイラードラムおよび圧延設備を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「圧延材12が出し入れされる出入口22を有する保温炉28の内部に配設され、回転軸36から付与される回転力によって前記圧延材12の巻取りまたは繰出しを行うコイラードラム26であって、軸方向へ長く延びる開口部54を周壁に有し、前記回転軸36が中心に位置するようにして前記回転軸36の外周面に取り付けられ、前記圧延材12が巻き付けられる略円筒状のドラム本体44と、前記開口部54における一方の長手内側縁54aに形成され、前記圧延材12の端部を係止する係止部46と、前記開口部54における他方の長手内側縁54bから前記ドラム本体44の内側へ向かって傾斜して形成され、前記開口部54から前記ドラム本体44の内側へ前記圧延材12の端部をガイドするガイド部48とを備えており、前記回転軸36に対して直交する断面において前記回転軸36および前記係止部46の両方に接触する仮想直線Lを想定したとき、前記ガイド部48の先端Pが前記仮想直線L上または前記仮想直線Lを越えて前記係止部46側に配置されるように前記ガイド部48の傾斜方向長さAが設定されていることを特徴とするコイラードラム26」である。
本発明では、ガイド部48の先端Pが仮想直線L上または仮想直線Lを越えた位置に配置されるので、ドラム本体44に圧延材12を巻き付ける初期段階には、圧延材12の端部が回転軸36に接触することはほとんどなく、主として係止部46の長手内側縁54aおよびガイド部48の先端Pの2点を圧延材12に接触させることができる。
即ち、前記2点間の距離Dは、従来技術である図13(B)に示す回転軸8との接触点Rと係止部6bの長手内側縁7a間の距離Tより短いため、ガイド部48の先端Pから外側の圧延材12を該点Pに接して曲げようとする場合、前記長距離T間の圧延材12の撓みに対して短距離D間の圧延材12の曲がりは極く小さいため、ガイド部48の先端Pから外側の圧延材12に加わる曲げ力は長距離Tの場合に比べて大きく(換言すれば従来のように、回転軸36と係止部46との間の距離Tで圧延材12がガイド部48の側へ大きく膨らむことはなく、)、それ故、圧延材12の挿入端部分との接触点で、折り曲げラインとなる54aにおいて圧延材12は小半径で折り曲げられ、その結果、圧延材12の内面はドラム本体44の外面にほぼ沿って圧延材12の内面とドラム本体44の外面との間に大きな隙間Sが生じず、2巻き目が巻きつけられても第1巻き目の内面に「かき傷」と称される表面欠陥が生じるようなことがない。
請求項2に記載した発明は、「圧延材12を互いにやり取りする2つのコイラーファーネス14と、前記コイラーファーネス14間に配設され、前記圧延材12を圧延する圧延機16とを備える、圧延設備10において、前記コイラーファーネス14のそれぞれは、請求項1に記載したコイラードラム26と、前記コイラードラム26を収容する保温炉28とを有していることを特徴とする圧延設備10」である。
本発明は、請求項1に記載したコイラードラム26を有するコイラーファーネス14を用いた「圧延設備10」、即ち「ステッケルミル」に関するものである。
請求項1および2に記載した発明によれば、ドラム本体44に圧延材12を巻き付ける初期段階に、主として係止部46およびガイド部48の前記2点を圧延材12に接触させることができる。したがって、回転軸36と係止部46との間で圧延材12がガイド部48の側へ大きく膨らむのを防止でき、圧延材12の内面とドラム本体44の外面との間に生じる隙間Sを小さくすることができる。これにより、前述のように圧延材12の「スリップ」や「スリップ」による「かき傷」の発生を防止でき、圧延材12の歩留りを向上させることができる。
図1は、本発明が適用された圧延設備10を示す簡略図である。この圧延設備10は、1つの圧延機を用いて数パスの可逆圧延を行う「ステッケルミル」と称されるものであり、圧延材12を互いにやり取りする2つのコイラーファーネス14と、コイラーファーネス14間に配設され、圧延材12を圧延する圧延機16と、圧延材12の厚さを測定する板厚測定装置18と、圧延材12を一方のコイラーファーネス14から他方のコイラーファーネス14へ向けて搬送し、或いは、他方のコイラーファーネス14から一方のコイラーファーネス14へ向けて搬送する複数の搬送ローラ20と、搬送ローラ20によって搬送されてきた圧延材12をコイラーファーネス14の出入口22へガイドする複数のガイドローラ24とによって構成されている。
各コイラーファーネス14は、図1および図2に示すように、圧延材12の「巻取り」または「繰出し」を行うコイラードラム26と、コイラードラム26に巻き付けられた圧延材12を保温する保温炉28と、コイラードラム26に回転力を付与する回転駆動装置30とを備えている。
保温炉28は、圧延材12が出し入れされる出入口22を有する略円筒状のハウジング32と、ハウジング32の内部に配設された加熱装置(図示省略)と、出入口22における下側の長手内側縁22aに起倒自在に取り付けられ、保温炉28内へ導かれた圧延材12の端部をコイラードラム26の開口部54へガイドするガイド板34とを備えている。
回転駆動装置30は、図2に示すように、コイラードラム26に回転力を付与する回転軸36と、回転軸36を回転自在に支持する軸受部38と、回転軸36に回転力を付与するモータ40と、回転軸36の外周面に固定された取付フランジ42とを備えており、回転軸36の表層部は、熱による歪や劣化を防止するためにケイ酸カルシウム等の断熱層36aで構成されている。そして、回転軸36の外周面に取付フランジ42を介してコイラードラム26が取り付けられている。
コイラードラム26は、図3〜8に示すように、ドラム本体44と、係止部46と、ガイド部48と、複数の周方向リブ50と、複数の軸方向リブ52とを備えている。
ここで、図3〜8について簡単に説明すると、図3は、コイラードラム26を示す斜視図であり、図4は、コイラードラム26を示す正面図であり、図5は、図3におけるV-V線断面図である。また、図6は、図5におけるVI-VI線断面図を90度回転した図であり、図7は、図5におけるVII-VII線断面図を90度回転した図であり、図8は、図5におけるVIII-VIII線断面図を90度回転した図である。
ドラム本体44は、軸方向へ長く延びるスリット状または長方形状の開口部54を周壁に有する略円筒状の中空部材であり、ドラム本体44の軸方向両端部には、テーパ状または瓶頸状に縮径された縮径部56を介してフランジ58が形成されており、このフランジ58には、固定ボルト(図示省略)が挿通される複数のボルト挿通孔58aが形成されている。そして、このドラム本体44に対して、係止部46、ガイド部48、複数の周方向リブ50および複数の軸方向リブ52が一体的に形成されている。
係止部46は、開口部54から挿入された圧延材12の端部を係止する部分であり、図6および図7に示すように、開口部54における一方の長手内側縁54aにガイド部48と対向して形成されている。
係止部46の肉厚は、圧延材12から付与される締付力や引張力による曲げ応力に耐え得る強度を確保するために、ドラム本体44の肉厚よりも十分に厚く設定されている。また、係止部46の内側面(すなわち、開口部54から内側へ入り込んだ面)46aは、圧延材12の端部を開口部54からドラム本体44の内側へガイドし得るように、所定角度に傾斜して形成されている。
ガイド部48は、開口部54からドラム本体44の内側へ圧延材12の端部をガイドする帯板状の部分であり、開口部54における他方の長手内側縁54bからドラム本体44の内側へ向かって所定角度で傾斜して形成されている。そして、ガイド部48には、応力を逃がすための複数のスリット60が傾斜方向(軸方向に対して直交する方向)へ延びて形成されており、スリット60の基部には、応力集中を避けるための円形孔60aが形成されている。
ガイド部48の傾斜方向長さAは、図6に示すように、回転軸36に対して直交する断面において回転軸36および係止部46の両方に接触する仮想直線Lを想定したとき、ガイド部48の先端Pが仮想直線L上または仮想直線Lを越えて係止部46側に配置されるように設定されている。したがって、開口部54に圧延材12の端部を挿入した際には、圧延材12の端部が回転軸36に接触することはほとんどなく、主として係止部46およびガイド部48の2点を圧延材12に接触させることができる(図9)。
周方向リブ50は、ドラム本体44の内面に周方向へ延びて形成された補強リブであり、ドラム本体44の中央部分において係止部46からガイド部48に至るように形成された複数(本実施例では4本)の「周方向リブ50a」と、周方向リブ50aが形成された領域の両側において係止部46からガイド部48に至るように形成された複数(本実施例では左右2本ずつ)の「周方向リブ50b」と、周方向リブ50bの外側において開口部54の端縁に沿うようにドラム本体44の内面全周に亘って形成された「周方向リブ50c」との少なくとも3種類によって構成されている。
コイラードラム26の軸方向両端部には、中央部よりも大きな荷重が加わるため、軸方向両端部に形成された「周方向リブ50b」および「周方向リブ50c」の肉厚は、軸方向中央部に形成された「周方向リブ50a」の肉厚よりも厚く設定されている。
軸方向リブ52は、ドラム本体44の内面に軸方向へ延びて形成された補強リブであり、図6に示すように、周方向へ互いに間隔(本実施例では60°間隔)を隔てて略放射状に配設された複数の「軸方向リブ52a」と、「周方向リブ50b」を開口部54の近傍で補強する「軸方向リブ52b」との少なくとも2種類によって構成されている。
圧延設備10(図1)を用いて所定厚さの圧延材12を製造する際には、粗圧延機(図示省略)で圧延した圧延材12をその一方端部から圧延機16に送り込んで1パス目の圧延を行った後、当該一方端部を板厚測定装置18、搬送ローラ20およびガイドローラ24に通して、一方のコイラーファーネス14の内部へ出入口22から挿入する。続いて、当該一方端部をガイド板34に沿わせてコイラードラム26の開口部54へ与え、これをガイド部48に沿わせてドラム本体44の内部へ挿入し、その後、搬送ローラ20の搬送速度に同調した速度でコイラードラム26を回転させる。
すると、図9(A)に示すように、圧延材12の一方端部の挿入部分が係止部46およびガイド部48の2点(更に言えば、係止部46の長手内側縁54aおよびガイド部48の先端Pの2点)に接触し、これら従来例に比べて短距離Dの2点間に支えられ、コイラードラム26の回転に伴い、この状態で圧延材12の外側の部分に大きな曲げ力が作用する。その状態からコイラードラム26をさらに回転させると、図9(B)に示すように、圧延材12がドラム本体44の外面に沿うように大きく曲げられ、圧延材12がドラム本体44の外周面に巻き付けられる。
なお、圧延材12の巻き付け動作を開始すると同時に、ガイド板34をコイラードラム26から遠ざかる方向へ回動させ、ガイド板34と圧延材12との干渉を避けるようにする。
1パス目の圧延終了により、一方のコイラーファーネス14における圧延材12の「巻取り」が完了すると、逆転させ、圧延機16を通り過ぎた位置で停止している圧延材12の他方端部から圧延機16に送り込んで2パス目の圧延を行い、この他方端部を板厚測定装置18、搬送ローラ20およびガイドローラ24に通して、他方のコイラーファーネス14の内部へ出入口22から挿入する。続いて、当該他方端部をガイド板34に沿わせてコイラードラム26の開口部54へ与え、これをガイド部48に沿わせてドラム本体44の内部へ挿入し、その後、搬送ローラ20の搬送速度に同調した速度でコイラードラム26を回転させることによってコイラードラム26の外周面に圧延材12を巻き付ける。
このようにして、2つのコイラーファーネス14間で圧延材12をやり取りしながら、圧延機16を用いて圧延材12を所定の厚さまで圧延する。そして、板厚測定装置18が検出する圧延材12の厚さが所定厚さに達すると、そのまま圧延機16から次の工程に繰り出す。
本発明に係るコイラードラム26では、ガイド部48の先端Pを、仮想直線L上または仮想直線Lを越えた位置に配置しているので、ドラム本体44に圧延材12を巻き付ける初期段階には、圧延材12の端部が回転軸36に接触することはほとんどなく、図9(A)に示すように、主として係止部46およびガイド部48の前記2点を圧延材12に接触させることができる。したがって、回転軸36と係止部46との間で圧延材12がガイド部48側へ大きく膨らむことはなく、圧延材12の内面とドラム本体44の外面との間に生じる隙間S(図9(B))を極めて小さくすることができ、当該隙間Sに起因する圧延材12の「スリップ」を防止でき、ひいては「かき傷」の発生を防止できる。なお、発明者等は、本発明の効果を以下の数値実験により確認した。
[数値実験]
(1)使用したコイラードラム 図6および図9に示すように、回転軸36に対して直交する断面において回転軸36および係止部46の両方に接触する仮想直線Lを想定したとき、仮想直線Lからガイド部48の先端Pまでの突出距離Bが、−40mm、−30mm、−20mm、−10mm、0mm、+10mmとなる6種類のコイラードラム26を準備した。
ここで、「−」は、先端Pが仮想直線Lに届いていないことを意味し、「+」は、先端Pが仮想直線Lを超えていることを意味する。したがって、「0mm」および「+10mm」の2種類が本発明に係るコイラードラム26に相当し、「−40mm」、「−30mm」、「−20mm」および「−10mm」の4種類が従来のコイラードラム6に相当する。
(2)実験方法 上述した6種類のコイラードラムについて、板厚が、15mm、17mm、19mmとなる3種類の圧延材12の「巻取り」を行った。そして、各コイラードラムについて、「圧延材12がドラム本体44の外面をスリップした距離(mm)」、「圧延材12のドラム本体44に対する接触面圧(MPa)」および「圧延材12とドラム本体44との摩擦応力(MPa)」を測定した。
(3)実験結果 図10は、実験結果をまとめた「表」であり、図11は、実験結果を示した「グラフ」である。なお、図10の「表」では、「突出距離B」を「ガイド先端位置」と記しており、図11の「グラフ」では、「ガイド先端位置(突出距離B)」を横軸にとり、「スリップ長さ」を縦軸にとっている。これらの「表」および「グラフ」より、「ガイド先端位置(突出距離B)」が0mm以上であるとき、圧延材12の「スリップ」がほとんど生じないことが分かる。
以上の実験により、ガイド部48の先端Pが仮想直線L上または仮想直線Lを越えて係止部46側に配置されるようにガイド部48の傾斜方向長さAを設定したとき、圧延材12の「スリップ」を確実に防止でき、ひいては「かき傷」の発生を防止できることを確認できた。
圧延設備(ステッケルミル)を示す簡略図 コイラーファーネスを示す断面図 コイラーファーネスを構成するコイラードラムを示す斜視図 コイラードラムを示す正面図 図3におけるV−V線断面図 図5におけるVI−VI線断面図 図5におけるVII−VII線断面図 図5におけるVIII−VIII線断面図 コイラードラムに圧延材を巻き付ける初期段階を示す断面図 スリップ防止効果を検証する実験結果を示す表 スリップ防止効果を検証する実験結果を示すグラフ 従来の圧延設備を示す簡略図 従来のコイラードラムを用いた圧延材の巻取り動作を示す図
符号の説明
L… 仮想直線
A… 傾斜方向長さ
B… 突出距離
10… 圧延設備(ステッケルミル)
12… 圧延材
14… コイラーファーネス
16… 圧延機
22… 出入口
26… コイラードラム
28… 保温炉
30… 回転駆動装置
36… 回転軸
44… ドラム本体
46… 係止部
48… ガイド部
50… 周方向リブ
52… 軸方向リブ
54… 開口部
54a,54b… 長手内側縁

Claims (2)

  1. 圧延材が出し入れされる出入口を有する保温炉の内部に配設され、回転軸から付与される回転力によって前記圧延材の巻取りまたは繰出しを行うコイラードラムであって、
    軸方向へ長く延びる開口部を周壁に有し、前記回転軸が中心に位置するようにして前記回転軸の外周面に取り付けられ、前記圧延材が巻き付けられる略円筒状のドラム本体と、前記開口部における一方の長手内側縁に形成され、前記圧延材の端部を係止する係止部と、前記開口部における他方の長手内側縁から前記ドラム本体の内側へ向かって傾斜して形成され、前記開口部から前記ドラム本体の内側へ前記圧延材の端部をガイドするガイド部とを備えており、
    前記回転軸に対して直交する断面において前記回転軸および前記係止部の両方に接触する仮想直線を想定したとき、前記ガイド部の先端が前記仮想直線上または前記仮想直線を越えて前記係止部側に配置されるように前記ガイド部の傾斜方向長さが設定されていることを特徴とするコイラードラム。
  2. 圧延材を互いにやり取りする2つのコイラーファーネスと、前記コイラーファーネス間に配設され、前記圧延材を圧延する圧延機とを備える、圧延設備において、
    前記コイラーファーネスのそれぞれは、請求項1に記載したコイラードラムと、前記コイラードラムを収容する保温炉とを有していることを特徴とする圧延設備。
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