JP2011198470A - フィルム電極用導電性ペースト、電極用導電性フィルム及びフィルム電極 - Google Patents

フィルム電極用導電性ペースト、電極用導電性フィルム及びフィルム電極 Download PDF

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Abstract

【課題】平坦部と角部の厚さが均一であり、高精度にパターンを形成することができ、且つ、焼成後に空隙の少ない緻密なフィルム電極を形成することが可能なフィルム電極用導電性ペースト、電極用導電性フィルム及びフィルム電極を提供する。
【解決手段】(a)導電性粒子100重量部、(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部を含むフィルム電極用導電性ペーストであり、又は上記(a)導電性粒子100重量部、(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃の特定の樹脂5〜50重量部、及び(c)ガラスフリット1〜35重量部を含有するフィルム電極用導電性ペーストであり、これらのフィルム電極用導電性ペーストを用いて得られた電極用導電性フィルム及びフィルム電極である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム電極用導電性ペースト、電極用導電性フィルム及びフィルム電極に関する。
従来、電子機器や電気機械に用いられる電子部品の外部電極の形成方法としては、例えば積層コンデンサの場合は、誘電体層と内部電極とを交互に積層した未焼成チップの横端部に外部電極(端子電極)用の導電性ペーストを浸漬(ディッピング)法により塗布した後、全体を焼成して製造する方法が挙げられる。
しかし、導電性ペーストを浸漬(ディッピング)法によりチップ部品等の素体に塗布すると、素体の表面に形成された導電性ペーストの厚さが不均一になり、特に角部の厚さが薄くなり易く、この薄い角部からメッキ液が浸入し、後のはんだ付け時に浸入したメッキ液が蒸発して、電極が破壊されるという問題が生じる。また、平面部と角部との厚さを均一にするために、導電性ペーストの粘度を低くすると、導電性ペースト中に浸漬(ディッピング)したチップ部品等を引き上げる際又は乾燥時に、導電性ペーストが素体側に垂れるムーンシェイプと呼ばれる形状となり、均一な厚さの外部電極を形成することは困難である。また、浸漬(ディッピング)により外部電極を形成すると、工程も煩雑である。
このような問題を回避するために、支持シート上に導電性ペーストを用いて予め電極用パターンを形成し、このパターンをチップ等の部品に熱転写して外部電極を形成する方法が開示されている(特許文献1〜4)。このような熱転写用の導電性ペーストとして、エチルセルロースやポリビニルアルコール等をバインダ樹脂として含むものが開示されている(特許文献5,6)。また、導電性ペースト中に含まれるバインダ樹脂等は明らかにされていないが、ガラスフリット等を含むものも開示されている(特許文献7)。その他に、導電性粒子と、アクリル樹脂等のバインダ樹脂と、溶剤と、可塑剤を含む転写用の導電性ペーストが開示されている(特許文献8)。
特開平4−328814号公報 特開平5−167225号公報 特開平7−297075号公報 特許第3015788号公報 特開平9−246125号公報 特開昭64−65829号公報 特開平11−219845号公報 特開2007−266485号公報
近年の電子機器類の高密度化等に伴い、予めフィルム状に形成することによって素体に転写した際に厚さが均一になることに加えて、緻密なパターン形状を高精度に形成でき、且つ、さらに空隙等の少ない緻密なフィルム電極を形成することが望まれている。
本発明の目的は、予めフィルム状に形成することによって、平坦部と角部の厚さを均一にすることができ、しかも高精度にパターンを形成することができ、且つ、焼成後に空隙の少ない緻密なフィルム電極を形成することができるフィルム電極用導電性ペースト、電極用導電性フィルム及びフィルム電極を提供することである。
本発明者らは、少なくとも(a)導電性粒子と、(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃である特定の樹脂の各成分の特定量を含有する、フィルム電極用導電性ペーストを用いることにより、予めフィルム状に形成することが可能となり、パターン形状等を精度よく形成することができ、電子部品等に適用した際に平坦部及び角部の厚さを均一にすることができ、且つ、焼成後に空隙の少ない緻密なフィルム電極が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、(a)導電性粒子100重量部、及び(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部を含有するフィルム電極用導電性ペーストに関する。
また、本発明は、(a)導電性粒子100重量部、(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部、及び(c)ガラスフリット1〜35重量部を含有するフィルム電極用導電性ペーストに関する。
また、本発明は、上記のフィルム電極用導電性ペーストを用いて得られた電極用導電性フィルム及びフィルム電極に関する。
本発明のフィルム電極用導電性ペーストは、フィルム形成性が良好であり、微細なパターン形状等を精度よく形成した電極用導電性フィルムとすることができる。本発明のフィルム電極用導電性ペーストを用いて形成した電極用導電性フィルムは、良好なフレキシブル性及び加熱による延び性を有し、チップ部品等の素体に対する適用性が良好であり、素体に適用した際に、平坦部及び角部における電極用導電性フィルムの厚さを均一にすることができる。さらに、本発明の電極用導電性フィルムは、焼成時に凝集が起こりにくく、しかも樹脂の消失性を向上させることができるため、空隙が少なく緻密なフィルム電極を得ることができる。
フィルム電極用導電性ペーストを用いて得られたフィルム電極のサンプルを示し、(a)は本発明のフィルム電極用導電性ペースト(実施例3)を用いて作製した外部電極(フィルム電極)を1000倍率で撮影したSEM写真であり、(b)は比較例2の導電性ペーストを用いて作製した外部電極を1000倍率で撮影したSEM写真である。 フィルム電極用導電性ペーストを用いて得られたフィルム電極のサンプルを示し、(c)は本発明のフィルム電極用導電性ペースト(実施例85)を用いて作製した外部電極(フィルム電極)を1000倍率で撮影したSEM写真である。
本発明は、(a)導電性粒子100重量部、及び(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部を含有する、フィルム電極用導電性ペーストである。
(a)導電性粒子
本発明のフィルム電極用導電ペーストに使用される導電性粒子は、特に限定されず、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)及び銀と卑金属(例えば、Cu及びNi等)との合金等を用いることができる。空気中でも焼成できるため、Agが好ましい。
導電性粒子の形状、平均粒子径は、特に限定されず、当該分野で公知のものを使用することができ、平均粒子径が、好ましくは0.01〜20μmであり、より好ましく0.05〜10μmであり、さらに好ましくは0.1〜5μmである。導電性粒子の平均粒子径が0.01〜20μmの範囲内であると、ペースト中の導電性粒子の分散性が良好であり、焼結時の焼結性が良好である。なお、導電性粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(例えば日機装社製、MICROTRAC HRA9320−X100)を用いて測定した累積分布のd50(メジアン径)をいう。
(b)樹脂
本発明のフィルム電極用導電性ペーストに使用される樹脂は、バインダ樹脂として、ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。(b)成分の樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いてフィルム電極用導電性ペーストとすると、微細なパターン形状を高精度に形成した電極用導電性フィルムを形成することができる。さらに、電極用導電性フィルムを焼成した際に樹脂の消失性が向上し、焼成後に空隙が少なく緻密なフィルム電極を得ることができる。
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、並びに(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜110℃となる重量平均分子量及び構造を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体とする単独重合体、これらの2種以上の共重合体、又はこれらの単量体と他の単量体との共重合体等が挙げられ、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した重量平均分子量が28,000〜200,000のメタクリル酸メチル単独重合体が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂として、具体的には、三菱レイヨン社製のダイヤナール LR−155(Tg:−20℃)、ダイヤナール LR−016(Tg:19℃)、ダイヤナール LR−177(Tg:60℃)等が挙げられる。
アルキド樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜110℃となる重量平均分子量及び構造を有するものであれば、特に限定されない。アルキド樹脂として、具体的には、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜110℃である、DIC社製のベツコゾールES−7401、ベツコゾールP−470−70、ベツコゾールES−4505−60−X、ベツコゾールES−5101等が挙げられる。
ウレタン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜110℃となる重量平均分子量及び構造を有するものであれば、特に限定されない。ウレタン樹脂として、具体的には、日新化成社製のHW−140SF(Tg:−8℃)、HW−345(Tg:17℃)、HW−350(Tg:57℃)等が挙げられる。
ポリビニルブチラール樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜110℃となる重量平均分子量及び構造を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、GPC法により測定した重量平均分子量が53,000〜130,000のものが挙げられる。ポリビニルブチラール樹脂として、具体的には、積水化学工業社製のエスレックBM−S(Tg:60℃)、エスレックBX−5(Tg:86℃)、エスレックKS−3(Tg:110℃)等が挙げられる。
本発明のフィルム電極用導電性ペーストにおいて、(a)成分100重量部に対して、(b)成分の樹脂の含有量は、5〜50重量部、好ましくは10〜45重量部である。
フィルム電極用導電性ペースト中の(b)成分の含有量が、(a)成分100重量部に対して5〜50重量部であると、延性が向上し、微細なパターンを高精度に形成することができ、厚さの均一な電極用導電性フィルムを形成することができる。さらに(b)樹脂の含有量を、比較的多くした場合であっても、樹脂の分解性及び消失性が良好であるため、焼成時間の短縮化や焼成温度を低温化することができるとともに、空隙の少ない緻密なフィルム電極を得ることができる。(b)成分の含有量が、5重量部未満であると、樹脂の量が少なすぎて、フィルム化が困難であり、フィルム形成性が低下する。また、形成された電極用導電性フィルムは、フレキシブル性が低下する。一方、(b)成分の含有量が50重量部を超えると、樹脂の量が多すぎて、焼成後に得られるフィルム電極の緻密性が低下する場合がある。なお、フィルム形成性とは、導電性ペーストを膜状に塗布した際に、フィルム形状を維持できることである。つまり、フィルム形成性が低下すると、導電ペーストがフィルム形状を維持できなく垂れ又は凝集を起こし、規則的な形状を形成できない。また、フレキシブル性とは、フィルムの柔軟性及び可撓性が良好なことをいう。
また、本発明は、(a)導電性粒子100重量部、(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部、及び(c)ガラスフリット1〜35重量部を含有する、フィルム電極用導電性ペーストである。
(c)ガラスフリット
本発明の導電ペーストは、(a)導電性粒子、及び(b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃である特定の樹脂に加えて、ガラスフリットを用いてもよい。ガラスフリットを用いることによって、フィルム電極用導電性ペーストを焼成して得られるフィルム電極の強度を向上させることができる。また、導電性粒子の種類やフィルム電極を適用する用途等によって、ガラスフリットを用いることなく、所望の効果が得られる場合もある。
ガラスフリットは、特に限定されず、好ましくは軟化点300℃以上、より好ましくは軟化点400〜1000℃、さらに好ましくは軟化点400〜700℃のものである。ガラスフリットの軟化点は、熱重量測定装置(例えば、BRUKER AXS社製、TG−DTA2000SA)を用いて測定する。
ガラスフリットとして、具体的には、例えばホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系等のガラスフリットを挙げることができ、環境への配慮の点から鉛フリーであることが好ましく、例えばホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系が挙げられる。
ガラスフリットの形状は、特に限定されず、平均粒子径は、通常0.1〜20μmであり、好ましくは0.2〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmである。ガラスフリットの平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(例えば、日機装社製、MICROTRAC HRA9320−X100)を用いて測定した累積分布のd50(メジアン径)を平均粒子径である。
本発明のフィルム電極用導電性ペーストにおいて、(a)成分100重量部に対して、(c)成分のガラスフリットの含有量は、1〜35重量部、より好ましくは1〜30重量部である。(c)成分の含有量が35重量部を超えると、フレキシブル性の低下が起こる場合がある。
(d)可塑剤
本発明のフィルム電極用導電性ペーストには、さらに(d)可塑剤を添加することもできる。可塑剤としては、フタル酸エステル類、グリコール酸エステル類、リン酸エステル類、セバチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、クエン酸エステル類などを用いることができる。可塑剤の添加量は、特に限定されないが、(a)成分100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜25重量部である。
(e)溶媒
本発明のフィルム電極用導電性ペーストは、さらに(e)溶媒を添加することもできる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、酢酸エチレン等の有機酸類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のN−アルキルピロリドン類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、テルピネオール(TEL)、ブチルカルビトール(BC)等の環状カーボネート類、及び水等が挙げられる。
溶媒の添加量は、特に限定されないが、(a)成分100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜60重量部である。例えば三本ロールミル等で各成分を混練する際に、各成分の均一な混練及び分散が可能であれば、溶媒を必要としない場合もある。また、フィルム電極用導電性ペーストを、50〜300℃以上の温度で1〜3時間程度乾燥させると、フィルム電極用導電性ペースト(又はペースト乾燥後の電極用導電性フィルム)から溶媒が完全に蒸発する。
本発明のフィルム電極用導電性ペーストは、さらに分散剤、レオロジー調整剤、顔料等の慣用の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することもできる。
本発明のフィルム電極用導電性ペーストは、各成分を、例えば、ライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサー等を用いて、混合し、均一に分散させることにより製造することができる。
次に、本発明のフィルム電極用導電性ペーストを用いてフィルム電極を形成する方法を説明する。
[電極用導電性フィルム]
本発明の電極用導電性フィルムは、フィルム電極用導電性ペーストを、支持フィルム上に塗布し、その後乾燥して得ることができる。乾燥温度は、特に限定されないが、フィルム電極用導電性ペーストが(e)溶媒を含む場合は、該溶媒の沸点以上の温度で乾燥することが好ましく、好ましくは50〜300℃、より好ましくは90〜200℃である。
また、乾燥時間は、特に限定されないが、好ましくは1〜3時間、より好ましくは1.5〜2.5時間である。
支持フィルムは、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用いることが好ましい。フィルム電極用導電性ペーストを支持フィルムに塗布する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、好ましくは、アプリケータ、グラビアロール等を用いて、支持フィルムに均一な厚さに塗布して、フィルム化することができる。電極用導電性フィルムの厚さは、特に限定されず、所望の厚さに形成することが可能であるが、好ましくは1〜300μmであり、より好ましくは10〜200μmである。
電極用導電性フィルムの製造方法として、具体的には、まず、ガラス板上に、支持フィルムを置き、この支持フィルム上に、アプリケータ等を用いて、本発明のフィルム電極用導電性ペーストを30〜50μmの厚さに塗布する。次に、支持フィルム上に塗布された塗布物を、90〜200℃の温度で2時間以上乾燥させて、支持フィルム上に形成された厚さ15〜25μmの電極用導電性フィルムを得る。
本発明の電極用導電性フィルムは、良好なフレキシブル性を有する。フレキシブル性とは、具体的には、「JIS C5016(1994) フレキシブルプリント配線板試験方法 8.7耐折性」の試験に準拠して、フィルムを折り曲げた際に折り曲げ回数が300回以上でも破断しない柔軟性及び可撓性を有し、かつ、常温でもタック性がなく取り扱いやすいことをいう。
[フィルム電極]
本発明のフィルム電極は、電極用導電性フィルムを、焼成して得られたものである。フィルム電極の厚さは、適用する電子部品の用途等によって特に限定されないが、好ましくは1〜300μmであり、より好ましくは10〜200μmである。焼成条件は、特に限定されず、電子部品の用途、種類、電極用導電性フィルム中に含まれる導電性粒子、ガラスフリットの種類によって、焼成温度、焼成時間、焼成雰囲気を変えることができる。焼成温度は、好ましくは300〜2000℃、より好ましくは500〜1300℃である。
焼成時間は、好ましくは0.5〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。焼成雰囲気は、大気圧雰囲気であることが好ましく、必要に応じて還元雰囲気で焼成してもよい。
フィルム電極の製造方法として、具体的には、電極用導電性フィルムを、熱圧着等の方法によって、チップ部品等の素体(電子部品)に密着させて、支持フィルムから転写し、
500〜1300℃の温度で1〜20時間、焼成して得ることができる。本発明によれば、チップ部品等の電子部品の表面に、平坦部又は角部においても均一な厚さの外部電極を形成することができる。
本発明のフィルム電極は、例えばチップ部品用(MLCC、バリスタ及びインダクタ用の外部内部電極)等に適用が可能である。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。部、%は、他に断りのない限り、重量部、質量%を表す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜3、10〜12、比較例1、2)
(a)導電性粒子としてAgを用い、表1に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例4〜6、13、比較例3、4)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表2に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例7〜9、14、比較例5、6)
(a)導電性粒子としてNiを用いて、表3に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをNiに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
[平均粒子径の測定]
実施例及び比較例において、導電性粒子及びガラスフリットの平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(日機装社製、MICROTRAC HRA9320−X100)を用いて、下記条件で均一に分散させたものを測定した累積分布のd50(メジアン径)である。
分散条件:流速:40ml/秒、超音波:40W、180秒、洗浄回数:5回、脱泡回数:5回。
[軟化点の測定]
ガラスフリットの軟化点は、熱重量−示差熱測定装置(BRUKERAXS社製、TG−DTA2000SA)を用いて、昇温速度10℃/分で室温(約20℃)〜800℃まで昇温し、熱重量−示差熱測定装置において分析した第3変曲点と融点との中間(平均値)を軟化温度とした。
[電極用導電性フィルムの作製]
厚さ5mmのガラス板上に、PETフィルムからなる厚さ50μmの支持フィルムを置き、この支持フィルム上に、アプリケータを用いて、各実施例及び比較例の導電性ペーストを均一な厚さ40μmとなるように塗布した。
支持フィルム上に塗布された塗布物を、110℃の温度で2時間以上乾燥させて、支持フィルムから剥離し、厚さ20μm、縦200mm×横50mmの大きさの電極用導電性フィルムを得た。電極用導電性フィルムは、乾燥前及び乾燥後において、全体的に均一な厚さであった。なお、乾燥後の電極用導電性フィルムからは、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
この電極用導電性フィルムを焼成炉に入れ、大気圧雰囲気を保って800℃の温度で1時間焼成し、焼成後においても厚さの均一性に変化がなく、全体的に均一な厚さ10μmのフィルム電極を得た。
[フレキシブル性の評価方法]
MIT耐折度試験機(東洋精機製作所社製)を用いて、厚さ20mm×縦200mm×横50mmの導電性フィルムの試験体を、荷重500g、左右135°に速さ175回/分で折り曲げて、上記試験体が破断するまでの往復折り曲げ回数を測定し、次の評価を行った。○:折り曲げ回数が300回以上で破断した場合、×:折り曲げ回数が300回未満で破断した場合とした。なお、フィルム形成性の評価は、「JIS C5016(1994) フレキシブルプリント配線板試験方法 8.7耐折性」に準拠して行った。
[樹脂分解性の評価方法]
熱重量−示差熱測定装置(BRUKERAXS社製、TG−DTA2000SA)を用いて、昇温速度10℃/分で25℃から500℃まで昇温し、樹脂の分解温度を測定し、次の評価を行った。○:350℃以下で分解した場合は分解性良好、×:350℃を超える温度で分解した場合は分解性不良とした。
[加熱による延び]
300℃で加熱した導電性フィルムの延び率を熱機械分析装置(TMA:Thermo-Mechanical Analysis、真空理工社製)で測定した。加熱による延び率は、300℃で加熱する前の導電性フィルムの大きさに対する、前記温度で加熱した後の導電性フィルムの延び率を測定した。測定結果に基づき、次のように、加熱による延びを評価した。○:導電性フィルムの延び率が6%以上、△:導電性フィルムの延び率が0.2〜6%未満、×:導電性フィルムの延び率が0.2%未満。
[焼結状態(緻密性)]
実施例3のフィルム電極用導電性ペーストを用いて得られたフィルム電極のSEM(Scanning Electron Microscope)写真(1000倍率)を撮影し、これをサンプル(a)とした(図1(a)参照)。比較例2の導電性ペーストを用いて得られたフィルム電極のSEM(Scanning Electron Microscope)写真(1000倍率)を撮影し、これをサンプル(b)とした(図1(b)参照)。
サンプル(a)と同程度の緻密性を有するか、サンプル(a)よりもさらに空隙が少なく、緻密性が向上しているものを○とした。サンプル(b)と同程度の緻密性を有するか、サンプル(b)よりもさらに空隙が多く、緻密性が低下しているものを×とした。
実施例1〜14、比較例1〜6の導電性ペーストを用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た電極用導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表1〜3に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
(実施例15〜17、24〜26、比較例7、8)
(a)導電性粒子としてAgを用いて、表4に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例18〜20、27、比較例9、10)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表5に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例15と同様にして、各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例21〜23、28、比較例11、12)
(a)導電性粒子としてNiを用いて、表6に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをNiに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例15と同様にして各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
実施例15〜28、比較例7〜12の導電性ペーストを用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た電極用導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表4〜6に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
(実施例29〜31、38〜40、比較例13、14)
(a)導電性粒子としてAgを用いて、表7に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例32〜34、41、比較例15、16)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表8に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例29と同様にして、各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例35〜37、42、比較例17、18)
(a)導電性粒子としてNiを用いて、表9に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをNiに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例29と同様にして各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
実施例29〜42、比較13〜18の導電性ペーストを用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た電極用導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表8〜10に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
(実施例43〜45、52〜54、比較例19、20)
(a)導電性粒子としてAgを用いて、表10に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例46〜48、55、比較例21、22)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表11に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例43と同様にして、各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例49〜51、56、比較例23、24)
(a)導電性粒子としてNiを用いて、表12に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをNiに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例43と同様にして各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
実施例43〜56、比較19〜24の導電性ペーストを用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た電極用導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表10〜12に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
(実施例57〜59、66〜68、比較例25、26)
(a)導電性粒子としてAgを用いて、表13に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例60〜62、69、比較例27、28)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表14に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例57と同様にして、各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例63〜65、70、比較例29、30)
(a)導電性粒子としてNiを用いて、表15に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをNiに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例57と同様にして各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
実施例57〜70、比較25〜30の導電性ペーストを用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た電極用導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表13〜15に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
(実施例71〜73、80〜82、比較例31、32)
(a)導電性粒子としてAgを用いて、表16に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例74〜76、83、比較例33、34)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表17に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例71と同様にして、各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例77〜79、84、比較例35、36)
(a)導電性粒子としてNiを用いて、表18に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをNiに対して15〜60重量部用いたこと以外は、実施例71と同様にして各実施例及び比較例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
実施例71〜84、比較31〜36の導電性ペーストを用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た電極用導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表16〜18に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
表1〜18に示すように、(b)成分として、ガラス転移温度が−20℃〜110℃の(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いたフィルム電極用導電性ペーストを用いて形成した電極用導電性フィルムは、導電性粒子の種類に関わらず、いずれも良好なフレキシブル性、加熱による延びを示した。この結果から、実施例のフィルム電極用導電性ペーストからなる電極用導電性フィルムは、チップ部品等の素体への適用性に優れることが確認できた。
また、実施例のフィルム電極用導電性ペースト及び電極用導電性フィルムは、樹脂の分解性が良好であり、焼成時に凝集が起こりにくく、しかも樹脂の消失性を向上させることができるため、空隙が少なく緻密なフィルム電極を得ることができた。
また、表3、表6、表9、表12、表15、表18に示すように、(c)成分のガラスフリットを含まないフィルム電極用導電性ペーストを用いて作製した電極用導電性フィルムも、良好なフレキシブル性及び加熱による延びを示し、樹脂の分解性も良好であり、緻密なフィルム電極が得られた。
一方、表1〜18の比較例1〜36に示すように、(b)成分の含有量が、(a)成分100重量部に対して5重量部未満である導電性ペーストからなる導電性フィルムは、フレキシブル性が低下し、加熱による延びが低下した。また、(b)成分の含有量が、(a)成分100重量部に対して50重量部を超える比較例の導電性ペーストからなる導電性フィルムは、フレキシブル性、加熱による延びは、良好であるものの、フィルム電極の焼結状態(緻密性)が低下した。
次に、導電性粒子としてAg、Cuを用いて、(c)成分のガラスフリットの含有量を変えて作製したフィルム電極用導電性ペースト、電極用導電性フィルム及びフィルム電極の例を示す。
(実施例85〜89、比較例37)
(a)導電性粒子としてAgを用いて、表19に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてブチルカルビトールをAgに対して、15〜60重量部用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して、各実施例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
(実施例90〜94、比較例38)
(a)導電性粒子としてCuを用いて、表20に示す組成で、各成分の均一な混練及び分散が可能となるように、(e)溶媒としてテルピネオールをCuに対して15〜60重量部を用いて、常温で三本ロールミルにて均一に混練、分散して、各実施例のフィルム電極用導電性ペーストを得た。
実施例85〜94、比較例37、38のフィルム電極用導電性ペーストを用いて、実施例1と同様にして、電極用導電性フィルム及びフィルム電極を得て、この導電性フィルム及びフィルム電極について、フレキシブル性、樹脂分解性、加熱による延び、焼結状態(緻密性)について測定した。結果を表19〜20に示す。なお、いずれの導電性フィルムも、乾燥後は、溶媒が完全に蒸発し、消失していた。
表19、20に示すように、フィルム電極用導電性ペースト中に(c)成分のガラスフリットを含有していないもの(実施例85、86)であっても、ガラスフリットの含有量を変化させたもの(実施例86〜89、91〜94)であっても、良好なフレキシブル性及び加熱による延びを示し、樹脂の分解性も良好であり、緻密なフィルム電極が得られた。また、(c)成分のガラスフリットの含有量を増大させると、チップ部品等の素体と電極用導電性フィルムとの密着性が良好となった。一方、比較例に示すように、(c)成分のガラスフリットの含有量が、導電性粒子100重量部に対して、35重量部を超えると、MIT耐折度試験機を用いたフレキシブル性の評価において折り曲げ回数が300回未満で導電性フィルムが破断し、フレキシブル性が低下した。
また、実施例85のフィルム電極用導電性ペーストを用いて得られたフィルム電極のSEM写真(1000倍率)を撮影した。これを図2に示す。図2に示すように、フィルム電極用導電性ペースト中に、(c)成分のガラスフリットを含有しない場合であっても、図1のサンプル(a)と同程度の緻密性を有していた。
本発明のフィルム電極用導電性ペーストによれば、抵抗体用導電性ペースト等に適用することが可能であり、産業上有用である。また、本発明のフィルム電極用導電性ペーストを用いて得られた電極用導電性フィルムは、緻密なパターンを高精度に形成することができ、ムーンシェイプや、平坦部及び角部における厚さの不均一を生じることなく、均一な厚さの電極用導電性フィルムを得ることができる。さらに、電極用導電性フィルムは、焼成時に凝集が起こりにくく、且つ焼成時の樹脂の消失性が向上し、空隙が少なく緻密なフィルム電極を形成することができる。本発明のフィルム電極は、チップ部品用(例えば、MLCC、バリスタ及びインダクタ用)の外部及び内部の電極等に好適に用いることが可能であり、産業上有用である。

Claims (7)

  1. (a)導電性粒子100重量部、及び
    (b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部を含有することを特徴とするフィルム電極用導電性ペースト。
  2. (a)導電性粒子100重量部、
    (b)ガラス転移温度が−20℃〜110℃であり、且つ(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂5〜50重量部、及び
    (c)ガラスフリット1〜35重量部を含有することを特徴とするフィルム電極用導電性ペースト。
  3. さらに(d)可塑剤を含有する、請求項1又は2記載のフィルム電極用導電性ペースト。
  4. さらに(e)溶媒を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のフィルム電極用導電性ペースト。
  5. 導電性粒子が、銀、銅、ニッケル及び銀合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粉末を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のフィルム電極用導電性ペースト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のフィルム電極用導電性ペーストを用いて得られた電極用導電性フィルム。
  7. 請求項6記載の電極用導電性フィルムを用いて得られたフィルム電極。
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