JP2011197890A - 目標運動量達成予測システム及びセンサデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】装置のユーザの生活パターンが変化した場合でも、目標運動量に対する実際の運動量の達成度合いを的確に提示する。
【解決手段】運動量を測定するセンサと、測定された運動量と測定日時を蓄積する記憶部と、記運動量に関する情報を表示する表示部と、を備えたセンサデバイスにおいて、所定の目標運動量を達成する確率を達成確率として、予め設定した前記達成確率に対応する運動量積算値を評価値として前記各時刻毎に予め格納した評価値格納部と、記憶部に蓄積された運動量と測定日時から所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算する運動量積算部と、記運動量積算値と前記評価値の比較を行う比較部は、所定のタイミングで現在の時刻に対応する評価値を求め、現在の運動量積算値が評価値以上の場合、目標運動量を達成可能と判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、生体情報を測定するセンサを備えたセンサデバイスで生体の運動量を測定して生体の行動パターンを解析し、行動パターンに応じた運動量の指標を提示する計算機システムに関する。
生体の運動量を測定して運動量及び運動量の指標を提示する装置として、人体の歩行数を測定する歩数計などが知られている。このような歩数計では、目標とする運動量を予め設定しておき、実際に測定した運動量が目標運動量を達成したか否かを提示している(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、過去の歩行パターンを歩数計に記憶しておき、歩数計に目標歩数を入力し、過去の歩行パターンと目標歩数から現在時刻までに達成すべき歩行数の目標値を予測し、実際に測定した歩行数の目標値に対する割合を達成度合いとして歩数計に表示する。この種の歩数計では、歩数計の利用者の歩行パターンを反映した目標運動量の達成度合いを歩数計に表示することで、健康管理を支援する。
目標運動量を設定して実際の運動量を管理するものとしては、時系列の区間毎にチェックポイントを設定し、目標運動量を入力しておき、チェックポイントの度に実際の運動量を入力して目標運動量の達成度合いを提示するものや(例えば、特許文献2)、先週全体の運動量と先週木曜日までの運動量の比率から、今週木曜までの運動量を与えて今週全体の運動量を目標運動量として算出する装置が知られている(例えば、特許文献3)。
特開2008−117174号公報 特開昭63−208185号公報 特開2008−104758号公報
しかしながら、上記特許文献1では、過去の歩行パターンから目標運動量を求める際に、1日の総歩行数に対する各時間ごとの歩行数の割合から、目標歩行数を達成するために必要な歩行数を算出しているだけである。このため、過去の歩行パターンから歩行数の分布の比率を時間毎に算出しているだけであるため、目標運動量を大きく設定すれば、各時間の目標歩行数が大きくなるだけであって、1日の歩行パターン自体は変化しない、という問題がある。上記特許文献3についても同様であり、過去の運動量の比率と、現在の運動量から1週間の運動量を比率に応じて推定するだけであるため、目標運動量の変化に対応できない、という問題があった。
すなわち、上記従来例において、目標運動量を大きく設定する場合は、運動量が多い期間の運動量をさらに多く設定してしまい、たとえば通勤や通学など、あらかじめ決まっている距離を移動するため運動量が一定であるにもかかわらず、この期間の目標運動量が大きく設定されてしまったり、本来運動量を増やすべきである運動量が少ない期間の目標運動量がたいして増えないといった事態が発生する。このため、目標運動量と過去の歩行パターンから推定される各時間の目標歩行パターンは、実際の歩行パターンと乖離してしまい、達成度合いが意味を持たなくなる、という問題があった。
また、上記従来例では、過去の運動パターンを集計して、目標運動量に対応する各時間の目標歩行数を求めているが、人の行動は日によって異なることが多く、例えば、平日と休日など曜日によって歩行パターンが変化する場合、上記従来例では、適切な目標歩行パターンを提示することができない、という問題があった。
つまり、上記従来例では、目標運動量の変化や曜日の違いなどからなる歩数計のユーザの生活パターンの変化に対応した運動量の指標を提供することができない、という問題があった。
また、上記特許文献1では、歩数計に過去の歩行パターンを記憶しておき、入力された目標運動量に応じて各時間の目標歩行数を演算するため、過去の歩行パターンは膨大なデータ量となるため記憶装置の容量が増大し、また、膨大なデータ量から目標運動量に対応する歩行パターンを演算する際にプロセッサの演算負荷が高くなるため電力消費量が大きくなり、電池の寿命が短くなるという問題があった。すなわち、記憶装置の容量が増大することで、装置の製造コストが増大し、電池の寿命が短くなるため、頻繁に充電や電池の交換が必要になり、メンテナンスに係るコストが増大する、という問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、装置のユーザの生活パターンが変化した場合でも、目標運動量に対する実際の運動量の達成度合いを的確に提示することを目的とする。
本発明は、人に装着されて運動量を測定するセンサと、前記測定された運動量と測定日時を蓄積する記憶部と、と備えたセンサデバイスと、前記センサデバイスから前記運動量を取得して前記運動量積算値を求め、予め設定した目標運動量に対する前記運動量積算値の評価値を演算する計算機と、を備えた目標運動量達成予測システムであって、前記計算機は、前記運動量と測定日時を蓄積するデータ格納部と、前記データ格納部に蓄積された運動量と測定日時から所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算する運動量積算部と、前記運動量積算値と前記目標運動量から、前記目標運動量を達成する確率を達成確率として、前記運動量積算値毎の達成確率を所定の時刻毎に生成する予測部と、予め設定した前記達成確率に対応する前記運動量積算値を評価値として前記各時刻毎に設定する評価値生成部と、を備え、前記センサデバイスは、前記計算機から前記各時刻毎の評価値を取得して格納する評価値格納部と、前記記憶部に蓄積された運動量と測定日時から所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算する第2の運動量積算部と、前記運動量積算値と前記評価値の比較を行う比較部と、を備え、前記比較部は、所定のタイミングとなったときに、現在の時刻に対応する前記評価値を前記評価値格納部から求め、現在の運動量積算値が前記評価値以上の場合、目標運動量を達成可能と判定する。
また、前記センサデバイスは、表示部を備え、前記比較部は、前記判定結果に応じて前記表示部を駆動する。
したがって、本発明は、センサデバイスの利用者の過去の加速度データに基づいて達成確率の予測曲線を生成するので、運動量の多かった日、少なかった日など過去の実績に基づき現在の運動量積算値における目標運動量の達成確率を求めることができ、利用者の多様な生活スタイルや運動パターンに合わせて目標運動量の達成確率について正確に予測することが可能となる。
また、演算負荷が高く、大量のデータを記憶する処理を計算機で行うようにしたため、センサデバイスの処理の負荷を抑制でき、センサデバイスの電力消費を低減できる。
本発明の実施形態を示し、目標運動量達成予測システムの概要を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示し、センサデバイスの外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態を示し、センサデバイスの機能ブロック図である。 本発明の実施形態を示し、サーバの機能ブロック図である。 本発明の実施形態を示し、目標運動量達成予測システムの処理の概要を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、加速度データテーブルの一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示し、サーバから取得した各曜日の時刻毎の評価値を格納する時刻毎評価値配列テーブル33の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示し、日付切替時刻記憶領域34に格納された日付切替時刻の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示し、運動量積算記憶領域35に格納された運動量積算値の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示し、センサデバイス1の運動量積算プログラム30で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、入力ボタン6が押されたときに起動する運動量比較プログラム31の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、サーバの通信処理プログラム40で行われる処理の一例を示すフローチャート 本発明の実施形態を示し、サーバの1分毎集計テーブル48の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示し、スカラー量とゼロクロス回数の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態を示し、サーバの時刻毎予測曲線テーブル450の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示し、運動頻度と動作と経過時間の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態を示し、予測曲線テーブル450から求めた12時における達成確率と運動量積算値の関係を示す予想曲線のグラフである。 本発明の実施形態を示し、予測曲線テーブル450からロジスティック回帰により求めた12時における達成確率と運動量積算値の関係を示す予想曲線のグラフである。 本発明の実施形態を示し、運動強度の分布と、運動量積算値と時刻の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態を示し、目標運動量の設定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、目標運動量設定画面150を示す画面イメージである。 本発明の実施形態を示し、目標運動量設定画面151を示す画面イメージである。 本発明の実施形態を示し、目標運動量設定画面152を示す画面イメージである。 本発明の実施形態を示し、センサデバイスの正面図である。 本発明の実施形態の変形例を示し、センサデバイスの正面図である。 本発明の実施形態の他の変形例を示し、センサデバイスの正面図である。 従来例を示し、時刻と歩数の関係を示すグラフである。 従来例を示し、比例により目標歩数を変更した場合の時刻と目標歩数の関係を示すグラフである。 従来例を示し、歩数を増やした場合の実際の歩数と時刻の関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示し、目標運動量達成予測システムの概要を示すブロック図である。
目標運動量達成予測システムは、人体に装着されて生体情報を収集するセンサデバイス1と、センサデバイス1が測定した生体情報を収集して、過去の生体情報から運動量の目標値を演算するサーバ10を主体として構成される。センサデバイス1は、所定の周期(例えば、1日ごと)でサーバ10に接続され、後述するように、サーバ10はセンサデバイス1が測定した生体情報を読み込んで蓄積し、翌日の運動量の目標値をセンサデバイス1に送信する。本実施形態では、センサデバイス1は生体情報の一例として、腕の加速度を測定し、センサデバイス1を装着するユーザの運動量を加速度から演算する例を示す。なお、生体情報としては、加速度に限定されるものではなく、歩行数や脈拍、血圧、体温などから運動量を推定して用いることができる。
図1において、センサデバイス1は、直交3軸(X軸、Y軸、Z軸)の加速度を測定する加速度センサ4と、センサデバイス1を装着する人(以下、ユーザという)からの入力を受け付ける入力ボタン6と、後述する目標運動量に対する達成度合いを表示するLED7と、所定の周期(例えば、50msec)でセンサデバイス1を起動するリアルタイムクロック(RTC)8と、加速度データ及びプログラムを格納する記憶装置3と、演算処理を行うCPU(またはプロセッサ2)と、サーバ10と通信を行うための通信手段5と、を備える。なお、センサデバイス1は、図示しない電池を備えて各部に電力を供給する。
記憶装置2は、RAMやROMあるいはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含んで構成することができる。
加速度センサ4は、直交する3軸の加速度を検出する。LED7は、複数の色を発光可能に構成される。
サーバ10は、演算処理を行うCPU12と、データやプログラムを記憶する記憶装置13と、センサデバイス1と通信するための通信手段16と、入力を受け付けるキーボード14及び情報を表示する表示装置15と、を備える。なお、サーバ10は、通信手段16を備えた計算機で構成したものであればよく、図1の構成に限定されるものではない。また、キーボード14の他にマウスなどの入力装置を備えていても良い。
記憶装置13は、RAMやROMあるいはフラッシュメモリやディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体を含んで構成することができる。
通信手段5、16は、例えば、USBのインターフェースで構成される。なお、通信手段5、16としては、USBの他、有線通信手段に限らずIEEE1394等の無線通信手段を用いることができる。
図2は、センサデバイス1の外観を示す斜視図である。センサデバイス1は、ベルトを介して人体の手首などに装着される腕輪型のセンサデバイスとして構成される。センサデバイス1の表面には、目標運動量に対する達成度合いを確認するための入力ボタン6と、目標運動量に対する達成度合いを表示するためのLED7が設けられる。入力ボタン6を操作すると、後述する処理により、現在までの運動量について目標運動量に対する達成度合いがLED7により表示される。LED7は、複数の色を発光可能に構成され、後述するように発光する色によって目標運動量に対する達成度合いを表示する。
図3は、センサデバイス1の機能ブロック図である。記憶装置3には、各種プログラムとデータが格納されて、CPU2によって実行される。記憶装置2には、加速度センサ4が検出した3軸の加速度を加速度データテーブル32へ格納し、この加速度から当該センサデバイス1を装着しているユーザの運動量を求め、この運動量を所定の期間まで積算する運動量積算プログラム30と、入力ボタン6がされると起動して、運動量積算記憶領域35に格納された実際の運動量積算値と、時刻毎評価値配列テーブル33に格納された目標運動量の指標とを比較し、現在までの運動量積算値で本日の目標運動量を達成可能か否かを判定し、判定結果に応じてLED7を発光する運動量比較プログラム31が格納されてCPU2によって実行される。なお、目標運動量の指標は、後述するように、目標運動量の達成確率に対応する運動量積算値の閾値であり、以下の例では、現在までの運動量を継続しても本日の目標運動量に到達できないことを示す第1の閾値と、現在までの運動量を継続していけば本日の目標運動量を達成可能な第2の閾値を用いる例を示す。また、これらの閾値は、以下では評価値として扱う。
CPU2は所定の周期(50msec)でRTC8から割り込みを受けて起動し、運動量積算プログラム30を実行する。また、入力ボタン6が操作されたときには、運動量比較プログラム31を実行する。
記憶装置2に格納されるデータとしては、所定の周期で測定した3軸の加速度を格納する加速度データテーブル32と、サーバ10から読み込んだ時刻毎の目標運動量の指標となる運動量積算値の閾値を格納する時刻毎評価値配列テーブル33と、運動量を積算する期間を設定する値を格納する日付切替時刻記憶領域34と、積算した運動量を格納する運動量積算記憶領域35が含まれる。なお、日付切替時刻記憶領域34の運動量を積算する期間を設定する値は、サーバ10から読み込んだ値である。
図6は、加速度データテーブル32の一例を示す説明図である。加速度データテーブル32は、加速度の測定日時を格納する測定日時321と、X軸の加速度センサ4の測定値を格納するX軸322と、Y軸の加速度センサ4の測定値を格納するY軸323と、Z軸の加速度センサ4の測定値を格納するZ軸324からひとつのレコードが構成される。なお、本実施形態の例では、加速度センサ4の各軸の測定値は+127〜−127の範囲で表現される。また、本実施形態においては、RTC8が50msec毎に割り込みを発生して運動量積算プログラム30を実行するので、加速度センサ4の測定日時321は50msec毎の値が格納される。
センサデバイス1はサーバ10と接続したときに、加速度データテーブル32の内容をサーバ10に転送する。また転送が完了した加速度データは、新たな加速度データを格納する前にクリアしてもかまわない。
図7は、サーバ10から取得した各曜日の時刻毎の評価値を格納する時刻毎評価値配列テーブル33の一例を示す説明図である。
時刻毎評価値配列テーブル33は、曜日を格納する評価曜日331と、評価対象の時刻を格納する評価時刻332と、運動量積算値の第1の閾値を格納する評価値A333と、運動量積算値の第2の閾値を格納する評価値B334からひとつのレコードが構成される。評価値A333と評価値B334は、サーバ10が演算する各曜日の各時刻毎に設定された値である。本実施形態の例では、例えば、評価時刻332において現在の運動量積算値が評価値B334以上であれば本日の目標運動量を達成する確率が80%以上であることを示し、評価時刻332において現在の運動量積算値が評価値A333未満であれば本日の目標運動量を達成する確率が20%未満であることを示す。
なお、現在時刻が評価時刻332と一致しない場合には、現在時刻から最も近い評価時刻332を選択すればよい。あるいは、現在の曜日と同一の評価曜日331で現在時刻の直近の2つの評価時刻332の評価値A、Bから線形補間等によって2つの評価値A、B求めてもよい。
図8は、日付切替時刻記憶領域34に格納された日付切替時刻の一例を示す説明図である。日付切替時刻はサーバ10がユーザの加速度データから演算された睡眠期間の中央値で、運動量を積算する起点とする。センサデバイス1の運動量積算プログラム30を実行することにより、現在時刻が日付切替時刻に到達する度に運動量積算値35をリセットして、本日の積算を再開する。
図9は、運動量積算記憶領域35に格納された運動量積算値の一例を示す説明図である。運動量積算値は、上述のように、1日に1回リセットされて、運動量の積算を繰り返す。
図4は、サーバ10の機能ブロック図である。記憶装置13には、各種プログラムとデータが格納されて、CPU2によって実行される。記憶装置13には、通信手段を16に接続されたセンサデバイス1と通信を行い、センサデバイス1から加速度データを取得して加速度データテーブル47に格納し、後述する各機能部を実行して評価値配列を求めて、評価値配列をセンサデバイス1に転送する通信処理プログラム40と、目標運動量を目標運動量テーブル410に設定する目標運動量設定プログラム41と、加速度データテーブル47に蓄積された加速度データから所定時間間隔として設定された1分毎の運動頻度と、運動強度と運動量積算値を後述するように演算して1分毎集計テーブル48に格納する1分毎集計生成プログラム42と、1分毎集計テーブル48から所定の期間(例えば、3ヶ月間)の運動頻度を取得して後述するように日付切替時刻を演算する日付切替時刻生成プログラム43と、1分毎集計テーブル48の運動強度を日付切替時刻から所定時間毎に運動量に変換して積算し、運動量の積算値と、運動量積算値が目標運動量を達成したか否かを1分毎集計テーブル48に格納する時刻毎運動量積算プログラム44と、1分毎集計テーブル48の運動量積算値と目標運動量の達成状況から各曜日毎かつ所定時間毎にロジスティック回帰分析により時刻毎予測曲線を求める時刻毎予測曲線生成プログラム45と、各曜日の所定時間毎の予測曲線から予め設定した達成確率に対応する運動量積算値を求めて時刻毎評価値配列テーブル49に格納する時刻毎評価値配列生成プログラム46とが格納される。
サーバ10の、加速度データテーブル47は、図6に示したセンサデバイス1の加速度データテーブル32と同一の構成であり、測定日時321、X軸322、Y軸323、Z軸324から構成される。
また、サーバ10の時刻毎評価値配列テーブル49は、図7に示したセンサデバイス1の時刻毎評価値配列テーブル33と同一の構成であり、評価曜日331、価時刻332、評価値A333、評価値B334からひとつのレコードが構成される。
図13は、サーバ10の1分毎集計テーブル48の一例を示す説明図である。1分毎集計テーブル48は、後述するように、サーバ10がセンサデバイス1から読み込んだ加速度データテーブル47の50msec毎の加速度データから所定時間間隔毎(本実施形態では1分間)の運動頻度と運動強度及び運動量積算値を求めて格納する。
1分毎集計テーブル48は、加速度データを集計した所定時間間隔(この例では、1分間)の起点となる日時を格納する測定日時481と、後述するように所定時間間隔内の3軸の加速度データのスカラー量から求めた運動頻度を格納する運動頻度482と、所定時間間隔内の運動量の積分値を格納する運動強度483と、各測定日時481の運動量の積算値を格納する運動量積算値484と、運動量積算値484の値で目標運動量が達成できたか否かの判定結果を格納する達成判定485からひとつのレコードが構成される。
図15は、サーバ10の時刻毎予測曲線テーブル450の一例を示す説明図である。時刻毎予測曲線テーブル450は、後述するように、1分毎集計テーブル48の各時間間隔毎の運動量積算値484と、達成判定485からロジスティック回帰により達成確率と運動量積算値の予測曲線を求めるために作成される。時刻毎予測曲線テーブル450は、1分毎集計テーブル48の各データを所定の時刻毎に抽出したもので、所定時間間隔の起点を格納する日時451と、1分毎集計テーブル48から日時451に対応する運動量積算値484と達成判定485を格納する運動量積算値452と、達成判定485からひとつのレコードが構成され、同一の時刻単位でグループ化される。
<処理の概要>
図5は、目標運動量達成予測システムの処理の概要を示すフローチャートである。センサデバイス1の使用開始時には、サーバ10にセンサデバイス1を接続し、サーバ10の通信処理プログラム40を起動して初期設定を行う。
目標運動量達成予測システムの処理の概要は、サーバ10がステップS1a〜S5aで初期値を設定してセンサデバイス1に送信し(S11)、センサデバイス1はサーバ10と接続を解除して、所定の周期(50msec毎)でユーザの腕の加速度データを測定して蓄積する(S12、S13)。そして、ユーザが入力ボタン6を操作すると、センサデバイス1は現時点の運動量積算値で、本日の目標運動量が達成可能か否かの判定を行い(S14)、判定結果をLED7にて表示する(S140)。
ユーザは所定の間隔(例えば、1日毎)にセンサデバイス1をサーバ10に接続して、蓄積した加速度データをサーバ10に転送する(S16)。サーバ10は、センサデバイス1から取得した加速度データを加速度データテーブル47に格納する(S5)。サーバ10では、目標運動量を変更する場合には、新たな目標運動量を設定し(S1)、加速度データから時刻毎運動量積算プログラム44を実行することにより1分毎集計テーブル48に各値を設定し(S2)、1分毎集計テーブル48の運動量積算値から曜日毎の各時刻の予測曲線を生成し、各曜日の各時刻毎の評価値を求めて時刻毎評価値配列テーブル49を更新する(S3)。
サーバ10は、センサデバイス1で運動量積算の起点となる日付切替時刻を加速度データテーブル47の値に基づいて演算する(S4)
サーバ10は時刻毎評価値配列と日付切替時刻をセンサデバイス1に送信し(S5)、センサデバイス1はサーバ10から受信した時刻毎評価値配列で記憶装置3の時刻毎評価値配列テーブル33を更新する。また、センサデバイス1は、サーバ10から受信した日付切替時刻で日付切替時刻記憶領域34を更新する。
なお、目標運動量の設定(S1)では、目標運動量を変更しない場合には前回の目標運動量をそのまま使用することができる。
ユーザは上記サーバ10の処理が完了すると、センサデバイス1とサーバ10の接続を解除して上記ステップS12〜S17の処理を繰り返す。サーバ10の加速度データテーブル45には日々新たな加速度データが蓄積され、ユーザの運動パターンの精度を日々向上させることになる。
まず、上記ステップS1a〜S5aの初期化では、サーバ10の加速度データテーブル45にユーザの加速度データが蓄積されていないので、予め設定した平均値や典型値を初期値として1分毎集計テーブル48に設定し、新規に設定した目標運動量(S1a)に対して時刻の予測曲線を生成し、時刻毎評価値配列テーブル49を設定し(S3a)、センサデバイス1に時刻毎評価値配列を送信する(S5a)。また、サーバ10は、新規のユーザ(またはセンサデバイス1)に対して所定の日付切替時刻(例えば、午前3時など睡眠中の時刻)を設定してセンサデバイス1に送信する。
<センサデバイスの処理>
センサデバイス1で行われる各処理の詳細を以下に説明する。図5のセンサデータ収集(S12)と運動量積算(S13)は、図3に示した運動量積算プログラム30の処理を示し、所定の周期(50msec毎)で実行される。また、図5の運動量比較(S14)と比較結果表示(S140)は、図3に示した運動量比較プログラム31の処理を示す。
図10は、センサデバイス1の運動量積算プログラム30で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、RTC8から所定の周期(50msec毎)で割り込みが発生する度に実行される。
センサデバイス1は、まず、加速度センサ4から3軸の加速度データをそれぞれ取得する(S31)。次に、センサデバイス1は、取得した3軸の加速度データを現在の日時とともに図6に示した加速度データテーブル32に格納する(S32)。
次に、センサデバイス1は、現在の時刻が日付切替時刻記憶領域34に格納された日付切替時刻となったか否かを判定し(S33)、現在時刻が日付切替時刻であれば運動量積算記憶領域35の運動量積算値を0にリセットし(S34)、積算を再開する。
センサデバイス1は取得した加速度データから、X、Y、Zの3軸の加速度のスカラー量を演算する(S35)。
ここで、スカラー量Sは、各軸の加速度をXg,Yg、Zgとすると、
スカラー量S=(Xg2+Yg2+Zg21/2 ・・・(1)
で求められる。
次に、求めたスカラー量Sをフィルタ(バンドパスフィルタ)処理し、所定の周波数帯域(例えば、1Hz〜5Hz)のみを抽出し、ノイズ成分を除去する(S36)。そして、センサデバイス1は、フィルタ処理したスカラー量Sから運動強度を示すMETs(Metabolic Equivalents)値を、
METs=a×S+1 ・・・(2)
より求める(S37)。ただし、aは定数である。このMETs値は、安静時、すなわちスカラー量S=0のときにMETs=1となり、運動強度が安静時の何倍であるかを示す値である。
次に、センサデバイス1は、METs値から運動量を演算して、運動量積算値Uに加算する(S38)。運動量は、
運動量 = METs×時間(h) ・・・(3)
より求められる。加速度データの測定周期が50msecであるので1時間当たりの運動量積算値Uは、
運動量積算値U = 運動量積算値U+(a×S+1)/(60×60×20)
・・・(4)
より運動量積算値Uを演算する。
上記処理が終了すると、センサデバイス1は休止状態に移行して次回のRTC8からの割り込みまたは入力ボタン6の操作を待つ。
センサデバイス1は、RTC8によって間欠的に加速度データを測定して運動量積算値Uを更新し、ユーザの運動状態を加速度データテーブル32と運動量積算値Uに蓄積する。間欠的にCPU2を起動することで、電池の消耗を抑制してメンテナンスを簡易にすることができる。
次に、図11は、入力ボタン6が押されたときに起動する運動量比較プログラム31の処理の一例を示すフローチャートである。
センサデバイス1は、記憶装置3の運動量積算記憶領域35から運動量積算値Uを取得する(S41)。次に、センサデバイス1は、時刻毎評価値配列テーブル33から、現在の曜日及び時刻から最も近い評価時刻332を選択し、当該評価時刻332に対応する評価値A333と評価値B334を取得する(S42)。
そして、センサデバイス1は、運動量積算値Uと評価値A、Bの比較を行う(S43)。運動量積算値Uが評価値B以上であれば、現在の運動パターンを継続すれば本日の目標運動量を達成できる確率が高い(80%)ことを示すため、LED7を一定時間緑色で点灯する(S44)。一方、運動量積算値Uが評価値A未満であれば、現在の運動パターンを継続しても本日の目標運動量を達成できる確率が低い(20%)ことを示すため、LED7を一定時間赤色で点灯する(S45)。また、運動量積算値Uが評価値A以上かつ評価値B未満であれば、現在の運動パターンでは本日の目標運動量を達成できる確率が高くない(20〜80%)ことを示すため、LED7を一定時間橙色で点灯する(S46)。
以上のように、LED7の色にて現在までの運動量に対する目標運動量の達成確率を表示した後、LED7を消灯する。
センサデバイス1のユーザは、LED7により本日の運動量と目標運動量の関係を容易に把握でき、LED7が緑色でなければ、運動量を増やすように努力することができる。
以上の処理により、センサデバイス1では、所定の周期でCPU2を起動して加速度センサ4から加速度データを取得して加速度データテーブル32に格納し、加速度データのスカラー量Sから運動強度を示すMETs値を求め、METs値から運動量を求めて運動量積算値Uに加算する処理を繰り返す。
そして、ユーザが入力ボタン6を操作すると、運動量積算値Uと時刻毎評価値配列テーブル33の評価値A、Bとの比較を行って、現在の運動量積算値Uで本日の目標運動量を達成可能か否かを判定し、判定結果を図24で示すようにLED7の発色にて報知する。
センサデバイス1では、加速度データの取得と運動量積算値Uの加算処理や、運動量積算値Uの比較処理などのCPU2の演算負荷の低い処理を実行することで、電池の消耗を抑制することができる。そして、センサデバイス1はサーバ10に接続されると、蓄積した加速度データをサーバ10に転送してから加速度データテーブル32をクリアする。これにより、センサデバイス1の記憶装置3の加速度データテーブル32は、センサデバイス1をサーバ10に接続する周期と、加速度センサ4の測定周期に応じた容量を備えればよいので、前記従来例のように、過去の加速度データを格納するための大容量の記憶装置が不要となって、センサデバイス1の製造コストを低減できる。
<サーバの処理>
次に、サーバ10で行われる処理に詳細について以下に説明する。図5のセンサデータ取得(S5)は、通信処理プログラム40の基本的な機能として実行され、センサデバイス1の加速度データテーブル32の内容を、そのままサーバ10の加速度データテーブル47に格納する。
図5に示したサーバ10の時刻毎運動量積算処理(S2)〜時刻毎評価値配列送信処理(S5)は、センサデバイス1が接続されたときに実行される。時刻毎運動量積算処理(S2)は、図4に示したサーバ10の1分毎集計生成プログラム42と時刻毎運動量積算プログラム44で実行される。時刻毎評価値配列生成処理(S3)は、図4に示したサーバ10の時刻毎予測曲線生成プログラム45と時刻毎評価値配列生成プログラム46で実行される。
図5に示したサーバ10の日付切替時刻演算処理(S4)は、図4に示したサーバ10の日付切替時刻生成プログラム43にて実行される。
また、図5において、サーバ10の目標運動量設定処理(S1)は、センサデータ取得処理(S1)の後に実施する例を示したが、任意のタイミングで行うことができる。
なお、図3に示した、初期化処理のS1a〜S5aの各処理は、上記各処理S1〜S5と同様の処理で、所定の初期値等を用いる点が相違するだけである。
図12は、図4に示した通信処理プログラム40で行われる処理の一例を示すフローチャートで、センサデバイス1を接続するときにユーザによって起動される。なお、センサデバイス1が接続されたときに、サーバ10が自動的に通信処理プログラム40を起動するようにしても良い。
まず、サーバ10は、センサデバイス1と通信可能であるか否かを判定し(S51)、通信可能であれば、センサデバイス1から加速度データを取得して加速度データテーブル47へ格納する(S52)。この処理は、センサデバイス1が格納している加速度データのうち、加速度データテーブル47に存在しないデータのみを取得すればよい。
次に、1分毎集計生成プログラム42の実行により加速度データテーブル47に格納された加速度データから、所定時間間隔(ここでは、1分ごと)の運動頻度と運動頻度が演算されて、所定時間間隔の起点となる日時を測定日時481として運動頻度482と、運動強度483が1分毎集計テーブル48に格納される(S53)。
1分毎集計生成プログラム42の実行により、加速度データテーブル47の3軸の加速度データ(Xg,Yg、Zg)からセンサデバイス1と同様にして、上記(1)式からスカラー量Sを求める。
次に、1分毎集計生成プログラム42の実行により、求めたスカラー量Sをフィルタ(バンドパスフィルタ)処理し、所定の周波数帯域(例えば、0.1Hz〜5Hz)のみを抽出し、ノイズ成分を除去する。そして、図14で示すように、フィルタ処理を施した加速度のスカラー量が所定の閾値(例えば0.05G)となった回数をゼロクロス回数として演算する。そして、所定の時間間隔内のゼロクロス回数を運動頻度として求める。
また、サーバ10は、上記(2)式より、運動強度を示すMETs値を求める。なお、運動強度としては、所定の時間間隔内の運動量の積分値をゼロクロス回数とスカラー量から求めてもよい。
次に、サーバ10は、上記運動頻度から日付切替時刻を算出する(S54)。
本発明では、運動量積算値Uを求めるに当たって、睡眠を検知することにより、日常の人間の行動シーンを抽出し、1日の運動量を積算する起点を日付切替時刻として定める。本実施形態では、睡眠期間の中央値を日付切替時刻とする。しかし、これに限定されるものでなく、睡眠期間の開始時点や終了時点、あるいは睡眠期間の任意の時点を日付切替時刻とすることができる。
ここで、睡眠状態では運動頻度は極めて低いが、睡眠中でも人体は寝返りなどの運動を行うため、運動頻度はゼロにはならない。睡眠状態を判定する手法はいくつか知られており、例えば、Cole法(Cole RJ, Kripke DF, Gruen W, Mullaney DJ, Gillin JC. Automatic sleep/wake identification from wrist activity. Sleep 1992; 15: 491-469)などを適用すればよい。これらの手法によって運動頻度が所定の条件を満たして睡眠状態と判定された期間については、動作内容を睡眠期間と判定する。
また、サーバ10では、睡眠が複数の期間で構成された場合、直近の睡眠のシーンを結合して全体として一つの睡眠の期間に結合する。例えば、就寝後に、一時的に起きて、トイレなどに行った後に再度就寝する場合には、複数の睡眠の期間は、一日の人間の行動パターンとしては、一つの睡眠の睡眠期間と捉えることができるので、複数の睡眠のシーンを結合して一つの睡眠期間とする。
すなわち、運動頻度と動作と経過時間の関係は、例えば、図16のようになる。図16で示すように、現在着目する睡眠期間T1〜T2とし、この睡眠期間T1〜T2の次の期間T2〜T3の動作内容が「睡眠」以外で、かつ期間T2〜T3の次の期間が睡眠期間T3〜T4であるときに、2つの睡眠期間T1〜T2、T3〜T4を結合してひとつの睡眠期間T1〜T4とする。
この処理は第1の睡眠期間の終了時刻T2から次の睡眠期間の開始時刻T3までの時間が、所定時間(例えば、30分)以下であれば、3つの期間T1〜T2、T2〜T3、T3〜T4をひとつの睡眠期間T1〜T4にまとめる。すなわち、期間T2〜T3を削除して、第1の睡眠期間の終了時刻をT4に置き換える。
サーバ10は、上記処理で得られた睡眠期間T1〜T4の中央値を日付切替時刻として設定する。上記処理により、日々の睡眠開始時刻が変化する場合であっても、運動量積算値の起点となる時刻を正確に設定することができ、運動量積算値の精度を高めることができる。
次に、サーバ10は、1分毎集計テーブル48の運動強度483から、1日の運動量積算値Uを求める(S55)。ここで、「1日」とは、日付切替時刻から次の日付切替時刻までの期間を示す。
サーバ10における運動量積算値の演算は、運動量積算値Uをリセットしてから、日時の昇順でソートした1分毎集計テーブル48を順次読み込んで、上記(3)式及び(4)式からセンサデバイス1と同様にして運動量積算値Uを求め、1分毎集計テーブル48の運動量積算値484に格納する。
そして、1分毎集計テーブル48のレコードを読み込む度に、1分毎集計テーブル48の測定日時481が日付切替時刻に到達したら運動量積算値Uを0にリセットして、次の日の運動量積算値Uの演算を再開する。
また、1分毎集計テーブル48の測定日時481が日付切替時刻に到達したときには、この時点の運動量積算値U(以下、最終目標運動量Ue)が、目標運動量テーブル410に設定されている目標運動量に達したか否かを判定する。最終目標運動量Ueが目標運動量以上の場合には、1日の運動量積算値が目標運動量を達成しているので、前回の日付切替時刻以降の1分毎集計テーブル48の各レコードの達成判定485に「1」をセットする。一方、最終目標運動量Ueが目標運動量未満の場合には、1日の運動量積算値が目標運動量を達しなかったので、前回の日付切替時刻以降の1分毎集計テーブル48の各レコードの達成判定485に未達を示す「0」をセットする。
上記ステップS55により、図13の1分毎集計テーブル48の各測定日時481の運動量積算値484と達成判定485が設定される。
次に、図12に戻って、サーバ10は、時刻毎評価値配列を生成する準備として、所定時間間隔毎に目標運動量を達成する確率を求めた時刻毎予測曲線を生成する(S56)。
時刻毎予測曲線生成処理では、サーバ10が上記ステップS55で求めた、1分毎集計テーブル48の測定日時481のうち各時刻の運動量積算値484と達成判定485から、ある時刻における運動量積算値484毎の目標運動量の達成確率を示す予想曲線を求める。
このため、まずサーバ10は、1分間集計テーブル48から所定の時刻毎に各データを抽出した時刻毎予測曲線テーブル450を生成する。図15は、時刻=12:00について1分毎集計テーブル48から各データを抽出した時刻毎予測曲線テーブル450の例を示す。
ここで、各時刻の時刻毎予測曲線テーブル450は必ずしも毎分である必要はなく、10分毎、1時間毎等であってもよく、本実施形態では、1分毎集計テーブル48の測定日時481から10分ごとに時刻毎予測曲線テーブル450を作成する。ここで運動量積算値484と運度量積算値452、達成判定485と達成判定453は特定の時刻において同じ値である。
まず、時刻毎予測曲線テーブル450により得た、ある時刻における運度量積算値452と達成判定453より、運動量積算値452の区分ごとに集計し、達成確率を求める。すなわち、運動量積算値452の値が4以上、5未満であるデータが20個存在し、そのうち16個のデータにおいて達成判定453が「1」であるならば、その運動量積算値区分における達成確率は16÷20=0.8、つまり達成確率は80%である。
このように運動量積算値区分毎に達成確率を求めた結果の例を図17に示す。
図17は、ある人の予測曲線テーブル450から求めた12時における目標運動量の達成確率と運動量積算値の関係を示す予想曲線である。図17の横軸は該当時刻(この例では12時)の運動量積算値で、縦軸は達成確率である。図17の予想曲線より、ある時刻における運動量積算値がわかれば、その日に目標運動量を達成する確率が得られる。この予想曲線は各時刻毎に必要で、たとえば毎分生成すればより細かく予想できるが、より多くのデータ量が必要で、生成されるデータ配列も膨大である。このため、本実施形態では、各時刻毎を10分毎として演算負荷と記憶装置の容量の増大を抑制する。なお、目標運動量が変化した場合には、予想曲線も再計算しなくてはならない。
上記時刻毎予測曲線テーブル450より、ある時刻における特定の達成確率を満たすための運動量積算値を求めるには、図17に示す予測曲線の傾きから算出できる。このように上記時刻毎予測曲線テーブル450には、多数の運動量積算値と達成判定が含まれ、過去の加速度データ群(例えば、過去3カ月分)のデータより、ある特定の時刻における運動量積算値と、その日に目標運動量を達成したか否かのデータ対より、運動量積算値毎に目標運動量の達成確率を求めることも可能ではあるが、予測曲線テーブル450のデータ数が少ない場合には達成確率が大きくばらついてしまい、予測精度が下がる可能性がある。このことを考慮すると、上記データにロジスティック回帰による回帰式を用いることにより、少ないデータ数でも予測が可能である。
ロジスティック回帰に関する詳細な説明は省略するが、データが独立変数と従属変数の対からなり、従属変数は、「あり」。「なし」のように2値を採る場合に利用できる。独立変数は、連続値でも、名義変数でもよい。ロジスティック回帰では、各独立変数に対してオッズ比が計算される。なお、ロジスティック回帰については公知または周知の理論を用いればよく、例えば、"ロジスティック回帰入門"(URL:http://www.ibaraki-kodomo.com/toukei/logis.html)などが知られており、一般的な統計ソフトで計算が可能である。
ロジスティック回帰による回帰式は、次式の通りとなる。
ただし、x=運動量積算値、y=達成確率、α、βは定数である。
この回帰式を用いることにより、ある時刻における特定の達成確率yから、これを満たすための運動量積算値を容易に算出することが可能である。
ある時刻における運動量積算値484毎の目標運動量の達成確率より、ロジスティック回帰を用いて求めた場合の運動量積算値の評価値A,Bの例は、図18のようになる。
以上のステップS56の時刻毎予測曲線生成処理では、図19に示すように、運動強度の分布と、運動量積算値と、1分毎集計テーブル48の目標運動量の達成判定から、図17、図18に示すように、運動量積算値毎の達成確率を求めた予測曲線が時刻毎に生成される。各時刻毎(10分毎)の予測曲線により、現時刻における運動量積算値が求まれば、過去にその運動量積算値で目標運動量を達成する確率が求められるのである。なお、図19は、日付切替時刻を0時に設定した例を示す。
また、本実施形態では、予測曲線を各曜日毎の各時刻毎について求めておく。このため、サーバ10には、日付に対応する曜日を予め設定したテーブルまたは関数を備える。
図12のステップS57では、上記各時刻毎の達成確率と運動量積算値の予測曲線から、時刻毎評価値配列テーブル49を生成する。なお、予測曲線を求める際に、平日の予測曲線と、休日の予測曲線の2つを生成するようにしても良い。この場合、各曜日毎に予測曲線を生成する場合に比して、時刻毎評価値配列テーブル49のサイズを低減でき、センサデバイス1での演算負荷及び記憶装置の容量を低減できる。
サーバ10は、予測曲線を生成した時刻毎に、第1の達成確率を判定するため、運動量積算値の第1の閾値を格納する評価値A333と、第2の達成確率を判定するため、運動量積算値の第2の閾値を格納する評価値B334を求め、評価曜日331と評価時刻332毎に、図7に示した時刻毎評価値配列テーブル49(33)に設定する。
本実施形態では、第1の達成確率として達成確率=20%、第2の達成確率として達成確率=80%を設定した場合を示す。なお、図7の例では、日付切替時刻が0時の例を示す。
本実施形態の例では、評価時刻332において現在の運動量積算値が評価値B334以上であれば本日の目標運動量を達成する確率が80%以上であることを示し、このままの運動量で行動すれば目標運動量が達成可能であることを示す。
一方、評価時刻332において現在の運動量積算値が評価値A333未満であれば本日の目標運動量を達成する確率が20%未満であることを示し、本日の目標運動量を達成するにはかなりの運動量が必要であることを示す。
上記評価値A、Bを各曜日の各時刻毎に生成してから、時刻毎評価値配列テーブル49と日付切替時刻をセンサデバイス1に送信する(S58)。
以上の処理により、センサデバイス1から取得した加速度データから、ユーザの運動量の履歴に基づいて目標運動量の達成確率を求め、各曜日の各時刻毎に目標運動量を達成可能な第2の閾値と、目標運動量の達成が難しい第1の閾値を設定した時刻毎評価値配列テーブル49をセンサデバイス1に与えることができる。
以上の処理により、演算負荷が高く、記憶装置の容量が必要な1分毎集計テーブル48の集計と、予測曲線生成処理をサーバ10で実施することで、センサデバイス1では、加速度データの収集と、運動量積算値の演算と、運動量積算値と時刻毎評価値配列テーブル33の比較のみを行えば良いので、センサデバイス1の電池の消費を抑制し、また、記憶装置3の容量も抑制できるのである。
図20は、図5のS1a、S1で行われる目標運動量の設定処理の一例を示すフローチャートである。図5のS1a、S1の処理は、図4に示したサーバ10の目標運動量設定プログラム41が実行する処理である。
図20において、サーバ10は、図21に示す目標運動量の設定画面を表示装置15に表示して、ユーザによる選択を受け付ける(S61)。図21は、目標運動量設定画面150を示し、体重維持コース161、ダイエットコース162、消費カロリー入力163の複数のコースの何れかの選択を受け付ける(S62)。
サーバ10は、体重維持コース161が選択されると、体重維持のためには、
目標運動量=24×1.4 = 33.6 MTEs・h
として目標運動量を求め、目標運動量テーブル410に設定する(S63)。ただし、1.4METs・hは、体重維持のために適切な運動量の一例であり、ユーザの体重や年齢などに応じて適宜設定することができる。
サーバ10は、ダイエットコース162が選択されると、図22に示す設定画面151を表示装置15に出力し、ユーザから日数と減少すべき体重を受け付ける(S62)。
ダイエットのためには、体重1kg=7200kcalとすると、
目標運動量=(7200kcal/体重(kg))/日数+33.6MTEs・h
より目標運動量を求め、目標運動量テーブル410に設定する(S63)
サーバ10は、消費カロリー入力163が選択されると、図23に示す設定画面152を表示装置15に出力し、ユーザから1日当たりの消費カロリー(kcal)と減少すべき体重を受け付ける(S62)。
消費カロリーを直接入力する場合には、
目標運動量=消費カロリー(kcal)/(体重(kg)×1.05)
より目標運動量を求め、目標運動量テーブル410に設定する(S63)
以上により、ユーザの要求に応じた目標運動量が目標運動量テーブル410に設定される。
図25は、センサデバイス1のLEDの変形例を示し、LED7a〜LED7dの点灯個数で目標運動量の達成確率を表示するものである。この例では、達成確率が20%未満であれば、ひとつのLED7aのみが点灯し、達成確率が80%以上であれば全てのLED7a〜LED7dが点灯する。そして、達成確率が20%以上50%未満であれば、2つのLED7a〜LED7bが点灯し、達成確率が50%以上80%未満であれば、3つのLED7a〜LED7cが点灯する。
LED7a〜LED7bの点灯個数により、本日の目標運動量の達成確率を明示できる。
図26は、センサデバイス1のLEDの変形例を示し、LEDに代わって液晶表示装置70によって本日の達成確率を表示するものである。達成確率を数値で表示したり、アイコンやキャラクタ等で達成確率を提示するようにしても良い。
以上のように、本実施形態によれば、達成確率の予測曲線は、センサデバイス1のユーザの過去の行動の実績からなる加速度データに基づき生成するので、ユーザの生活スタイルや運動パターンに合わせて目標運動量の達成について正確に予測することが可能となる。
そして、センサデバイス1のユーザはLED7の予測の判定結果を見て、「もう少し頑張って歩くか」など、リアルタイムに行動を変えることができ、健康の維持を推進できる。また、無理なダイエットを抑制するためにも毎日一定量のカロリーを消費し続けることが大切であり、日々の目標運動量を設定し、目標運動量が達成できそうかどうかをセンサデバイス1で予測し、運動量を調整することが可能となり、継続的な健康管理を補助することができる。
さらに、本実施形態では、毎日の運動量積算値の日付切替時刻は、睡眠中時刻の中心時刻とする。これにより、生活途中で日付が切り替わってしまうことを防止でき、予測の精度を損なうことはない。一般に前記従来例に示した歩数計では、一般に0時を境に歩数がリセットされるものがあるが、0時過ぎに帰宅することも多く、このとき本日の歩数がわからなくなる、という問題もあった。これに対して、本実施例のように、過去の加速度データから、睡眠期間を抽出し、睡眠期間の時刻を運動量積算値の起点とすることで、深夜の帰宅や生活パターンの変化にも対応することができる。
なお、前記従来例に示した歩数計の歩行パターンの比率で歩数の管理を行った場合、図27A、図27Bようになる。図27Aは、歩数計の利用者のある日の歩数の分布を示し8500歩を歩いた例である。図27Bは、図27Aの歩数の比率を時間毎に求め、17000歩を歩行する場合の歩行パターンの目標運動量を示す。図27Bでは、単純に比率により、目標運動量の17000歩とししたため、実際には実現が難しい歩数の領域も存在する。一方、図27Cは、図27Aよりも歩数を増やした場合の歩行パターンで、単位時間当たりの歩数よりも、歩行する時間帯が広がっていることがわかる。このように前記従来例では、実際の人間の行動パターンに対応する目標運動量の配分を適切に提示できなかった。
これに対して、本発明によれば、センサデバイス1のユーザの過去の加速度データに基づいて達成確率の予測曲線を生成するので、ユーザの生活スタイルや運動パターンに合わせて目標運動量の達成について正確に予測することが可能となり、目標運動量の指標を適切に提示できるのである。
なお、センサデバイス1の使用開始時など、ユーザの過去の加速度データが少ない時には、予測精度を維持するために予め設定した複数の他者の平均値を用いることができる。
また、上記実施形態では、標運動量の達成確率について、一日単位の予測を行う例を示したが、予測の期間は1週間あるいは1カ月とした場合でも、上記と同様に予測することができる。
また、上記実施形態では、時刻毎評価値配列テーブル33,49は10分ごとに評価値を設定する例を示したが、評価値の時間間隔は1時間や1分等に設定することができる。
また、上記実施形態においては、評価値A,Bを用いて、運動量積算値との比較を行う例を示したが、一日の目標運動量を達成可能な評価値を少なくともひとつ求めて、センサデバイス1で求めた運動量積算値と比較するようにしても良い。あるいはロジスティック回帰による予測式の演算手段をセンサデバイス1に実装し、サーバ10から評価値の代わりに定数α、βを受け取り、現在の運動量積算値から達成確率を計算して表示しても構わない。
また、上記実施形態においては、センサデバイス1では入力ボタン6を操作したときに運動量積算値と評価値の比較を行う例を示したが、所定の時刻や所定の時間間隔毎など、所定のタイミングで運動量積算値と評価値の比較を行ってもよい。
また、達成確率の予測曲線の生成の際に用いる過去の加速度データは、本願発明者らの実験によれば、3ヶ月程度の加速度データを蓄積するのが望ましい、という知見を得た。加速度データの蓄積期間が、3ヶ月よりも短い場合では、実績が少ないために予測精度が低下し、逆に、蓄積期間が3ヶ月以上では季節変動や生活スタイルの変化により予測精度が低下する、という知見に基づくものである。
以上のように、本発明は、生体情報を測定するセンサデバイスに適用することができ、特に、センサデバイスを装着する生体の健康管理を行う計算機システムに適用することができる。
1 センサデバイス
10 サーバ
4 加速度センサ
5、16 通信手段
30 運動量積算プログラム
31 運動量比較プログラム
32、47 加速度データテーブル
33、49 時刻毎評価値配列テーブル
34 日付切替時刻記憶領域
35 運動量積算記憶領域
40 通信処理プログラム
41 目標運動量設定プログラム
42 1分毎集計生成プログラム
43 日付切替時刻生成プログラム
44 時刻毎運動量積算プログラム
45 時刻毎予測曲線生成プログラム
46 時刻毎評価値配列生成プログラム
48 1分毎集計テーブル

Claims (7)

  1. 人に装着されて運動量を測定するセンサと、
    前記測定された運動量と測定日時を蓄積する記憶部と、
    を備えたセンサデバイスと、
    前記センサデバイスから前記運動量を取得して前記運動量積算値を求め、予め設定した目標運動量に対する前記運動量積算値の評価値を演算する計算機と、を備えた目標運動量達成予測システムであって、
    前記計算機は、
    前記運動量と測定日時を蓄積するデータ格納部と、
    前記データ格納部に蓄積された運動量と測定日時から所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算する運動量積算部と、
    前記運動量積算値と前記目標運動量から、前記目標運動量を達成する確率を達成確率として、前記運動量積算値毎の達成確率を所定の時刻毎に生成する予測部と、
    予め設定した前記達成確率に対応する前記運動量積算値を評価値として前記各時刻毎に設定する評価値生成部と、を備え、
    前記センサデバイスは、
    前記計算機から前記各時刻毎の評価値を取得して格納する評価値格納部と、
    前記記憶部に蓄積された運動量と測定日時から所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算する第2の運動量積算部と、
    前記運動量積算値と前記評価値の比較を行う比較部と、を備え、
    前記比較部は、
    所定のタイミングとなったときに、現在の時刻に対応する前記評価値を前記評価値格納部から求め、現在の運動量積算値が前記評価値以上の場合、目標運動量を達成可能と判定することを特徴とする目標運動量達成予測システム。
  2. 請求項1に記載の目標運動量達成予測システムであって、
    前記センサデバイスは、表示部を備え、
    前記比較部は、
    前記判定結果に応じて前記表示部を駆動することを特徴とする目標運動量達成予測システム。
  3. 請求項1に記載の目標運動量達成予測システムであって、
    前記計算機は、
    前記データ格納部に蓄積された運動量から運動頻度を求め、前記運動頻度が所定の条件となる期間を睡眠期間として検出し、前記睡眠期間内の所定の時刻を前記運動量の積算を開始する起点としての日付切替時刻を演算する日付切替時刻生成部をさらに有し、
    前記計算機の運動量積算部は、
    前記日付切替時刻を起点として所定の時間間隔毎に前記データ格納部の運動量を積算して運動量積算値を演算し、
    前記センサデバイスは、
    前記計算機から前記日付切替時刻を取得し、
    前記第2の運動量積算部は、
    前記記憶部に蓄積された運動量と測定日時から前記日付切替時刻を起点として所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算することを特徴とする目標運動量達成予測システム。
  4. 請求項1に記載の目標運動量達成予測システムであって、
    前記データ格納部は、
    予め設定された月数の前記運動量と測定日時を蓄積することを特徴とする目標運動量達成予測システム。
  5. 請求項1に記載の目標運動量達成予測システムであって、
    前記予測部は、
    前記運動量積算値と前記目標運動量から、前記運動量積算値毎の達成確率を曜日毎または平日と休日のそれぞれについて所定の時刻毎に生成することを特徴とする目標運動量達成予測システム。
  6. 人に装着されて運動量を測定するセンサと、
    前記測定された運動量と測定日時を蓄積する記憶部と、
    前記運動量に関する情報を表示する表示部と、を備えたセンサデバイスにおいて、
    所定の目標運動量を達成する確率を達成確率として、予め設定した前記達成確率に対応する運動量積算値を評価値として前記各時刻毎に予め格納した評価値格納部と、
    前記記憶部に蓄積された運動量と測定日時から所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算する第2の運動量積算部と、
    前記運動量積算値と前記評価値の比較を行う比較部と、を備え、
    前記比較部は、
    所定のタイミングとなったときに、現在の時刻に対応する前記評価値を前記評価値格納部から求め、現在の運動量積算値が前記評価値以上の場合、目標運動量を達成可能と判定し、前記判定結果に応じて前記表示部を駆動することを特徴とするセンサデバイス。
  7. 請求項6に記載のセンサデバイスであって、
    前記第2の運動量積算部は、
    予め日付切替時刻を記憶し、前記記憶部に蓄積された運動量と測定日時から前記日付切替時刻を起点として所定の時間間隔毎に運動量積算値を演算することを特徴とするセンサデバイス。
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