JP2004326346A - 需要予測装置及び方法、並びに生産計画立案支援装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】需要と供給の関連性の高い事業群を構成している複数の事業それぞれについて、将来的な需要を確率的に予測すること。
【解決手段】傾向変動モデル化機能部1−1−1により事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データが求められ、景気変動データは景気変動モデル化機能部1−1−2により、需要と供給の関連性の高い事業群の連立方程式でモデル化されるようにして、これら傾向変動モデル、景気変動モデルを用い、需要予測機能部1−1−3では、指定された期間内での需要が確率分布として予測されるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】傾向変動モデル化機能部1−1−1により事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データが求められ、景気変動データは景気変動モデル化機能部1−1−2により、需要と供給の関連性の高い事業群の連立方程式でモデル化されるようにして、これら傾向変動モデル、景気変動モデルを用い、需要予測機能部1−1−3では、指定された期間内での需要が確率分布として予測されるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要が確率的に予測されるようにした需要予測装置及び方法、更には、その需要予測等に基づき、将来を見据えた生産計画の立案が支援されるようにした生産計画立案支援装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、半導体や電子表示機器等の、いわゆる、ハイテク産業では、事業環境の急変に伴い、巨額損失リスクが徐々に顕在化しつつあるのが実情である。これがために、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要を予測するための技術や、経済性の観点から、将来を見据えた生産計画を立案するための技術の必要性が次第に増大しているのが現状である。
【0003】
因みに、特許文献1,2では、営業からの受注見込み情報が積み上げられており、この積み上げから将来的な需要が予測された上、将来を見据えた、単一シナリオの生産計画が立案されている。また、特許文献3では、部品在庫管理上、需要が月1個以下等、低頻度部品群について、その将来的な需要個数が予測されている。更に、特許文献4では、市場参入意思決定支援に際し、予測需要の確率分布の考え方が垣間見られるが、その予測方法は何等具体的に開示されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002―132329号公報
【特許文献2】
特開2001―160045号公報
【特許文献3】
特開2002―73746号公報
【特許文献4】
特開2001―357189号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでにあっては、需要予測に際しては、予測結果が信頼性不足であったり、また、生産計画の立案に際しては、単一シナリオの固定的な生産計画が立案されてしまう等、事業環境の変化に柔軟性を以って対応し得ない等の不具合があった。
【0006】
本発明の目的は、将来的な需要が、事業環境の変化に対応しつつ、且つ確率的に予測され得る需要予測装置及び方法を提供することにある。
本発明の目的はまた、その需要予測等に基づき、複数シナリオの生産計画が立案され得る生産計画立案支援装置及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の需要予測装置は、事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める事業対応傾向変動モデル化機能部と、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する事業共通景気変動モデル化機能部と、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する事業共通需要予測機能部と、需要の予測結果を表示する予測結果表示部とを含むように、構成したものである。
【0008】
また、本発明の需要予測方法は、事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める傾向変動モデル化ステップと、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する景気変動モデル化ステップと、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する需要予測ステップと、需要の予測結果を表示する予測結果表示ステップとを含むように、構成したものである。
【0009】
更に、本発明の生産計画立案支援装置は、以上の需要予測装置に対し、確率分布としての需要予測に基づき、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を算出するためのシミュレーションエンジンと、シミュレーション結果としての実現確率とNPV確率分布を表示するシミュレーション結果表示部とが追加される状態として、構成したものである。
【0010】
更にまた、本発明の生産計画立案支援方法は、以上の需要予測方法に対し、確率分布としての需要予測に基づき、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を算出するためのシミュレーションステップと、シミュレーション結果としての実現確率とNPV確率分布を表示するシミュレーション結果表示ステップとが追加される状態として、構成したものである。
【0011】
以上のように、需要と供給の関連性の高い事業群の需要が、連立確率過程モデルにより確率分布の形で予測可能とされている。更には、この需要予測により、事業環境の変化に対応した生産計画の立案が確率的に行えるばかりか、リスク管理が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1から図7により説明する。
先ず需要予測装置を含む、本発明による生産計画立案支援装置の概要について説明すれば、その一例での概要構成を図1に示す。図示のように、本例では、需要と供給の関連性の高い事業群として、情報機器産業における表示機器、半導体、パソコン及び移動通信(機器)が想定されているが、そのような事業群としては、他にも種々考えられる。例えば石油化学産業における燃料(ガソリン、軽油等)、化学繊維及びプラスチックであり、自動車産業ではまた、車両(乗用車、トラック等)、鋼板、電装品、タイヤ及びガラスが、そのような事業群に該当すると考えられる。
【0013】
図2にはまた、その生産計画立案支援装置での一例での処理概要フローが示されているが、これを参照しつつ、その構成と動作について説明すれば、先ず表示機器等のそれぞれについての過去業績データ(必須)及び株価データ(任意)が外部から確率的需要予測エンジン1−1に入力される(処理2−1)。これらデータに基づき、確率的需要予測エンジン1−1では、先ず全変動(過去業績データ)は傾向変動と景気変動とに分離された上、回帰分析により傾向変動がモデル化される(処理2−2,2−3)。次に、その全変動から傾向変動モデルの値が差し引かれることで、景気変動データが算定された上、景気変動データが連立確率微分方程式によりモデル化される(処理2−4,2−5)。
【0014】
その後は、外部から予測開始年度と予測期間が入力された上、それらモデルを用い、需要予測(確率分布)が実施され、その実施結果としての、表示機器等のそれぞれについての需要予測が、予測結果・アラート表示部1−2で表示されるようになっている(処理2−6〜2−8)。以上が需要予測装置での構成と動作の概要であるが、その詳細については後述するところである。
【0015】
以上のようにして、需要予測装置からは、表示機器等のそれぞれについての需要予測が得られるが、その後は、これら需要予測と複数の生産計画シナリオに基づき、生産計画シナリオそれぞれについて、その実現確率と収益の現在価値NPV(Net Present Value)が算出される。
【0016】
より具体的に、例えば表示機器について説明すれば、表示機器について生産計画が立案される場合には、表示機器についての需要予測結果が用いられる。図示のように、複数の生産計画シナリオ(本例では、N個の生産計画シナリオを想定)が用意された上、先ずこれらシナリオそれぞれについての生産計画・費用データ(ここにいう費用データとは、後述の総原価を指す)がシミュレーションエンジン1−3に入力された上、予測需要の確率分布に従って乱数を発生させることで、売上高が算出される(処理2−9,2−10)。次に、その売上高から総原価(生産計画)が差引かれることで、各期の損益が求められ、その現在価値が算出される(処理2−11)。その後、それぞれの生産計画シナリオについての実現確率、収益の現在価値NPVの確率分布が算出された上、決定木の末端位置近傍にNPV確率分布等がシミュレーション結果として、実現確率・NPV確率分布表示部1−4で表示されるようになっている(処理2−12,2−13)。このように、生産計画シナリオそれぞれについて、実現確率、収益の現在価値NPVの確率分布が得られることで、生産計画が立案されている。
【0017】
以上、生産計画立案支援装置の構成と処理の概要について説明した。ここで、需要予測装置の1構成要素としての確率的需要予測エンジン1−1について説明すれば、その一例での構成を図3に示す。既述のように、過去業績データは便宜的に全変動と称されているが、この全変動とは、比較的長い期間に亘る傾向変動の上に、短期の景気変動が上乗せされたものとして定義される。表示機器等それぞれについての処理は同様とされることから、表示機器について説明すれば、表示機器対応の傾向変動モデル化機能部1−1−1では、以下のような手順により、全変動が傾向変動と景気変動とに分離される。即ち、過去業績データを時間tについて多項式や指数関数等を用い回帰分析することで、先ず傾向変動モデルが得られる。
【0018】
【数1】
傾向変動モデル=f(時間,説明変数,回帰パラメータ)
【0019】
以上のように、傾向変動モデルは、時間や説明変数、回帰パラメータの関数とされる。次に、過去業績データから傾向変動モデルの値が差引かれることで、景気変動データ(t)が求められる。
【0020】
【数2】
景気変動データ(t)=過去業績データ(t)−傾向変動モデルの値(t)
【0021】
その後、傾向変動モデル、景気変動データ(t)は、それぞれ需要予測・アラート機能部1−1−3、景気変動モデル化機能部1−1−2で処理される。このうち、景気変動データ(t)は、景気変動モデル化機能部1−1−2により需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化されるが、その際に、モデルにあからさまに含まれない説明変数により生じる確率変動や、需要者や供給者の間に代理店等が介在することによる時間遅れを考慮の上、確率過程モデルとして作成される。表示機器についての景気変動モデル、即ち、景気変動の時間変化は、以下のように求められる。
【0022】
【数3】
【0023】
但し、gは関数を意味する。変数としての株価の時系列データは外的変動要因の例であり、表示器機、半導体、パソコン、移動通信についての株価を含む。また、第2項目の確率変動項は、モデルにあからさまに含まれない説明変数により生じる変動であり、平均値が0で、時間の平方根に比例して大きくなるブラウン運動である。パソコンや半導体等についての景気変動モデルも同様な連立方程式の形をとるが、これら景気変動モデルは、需要予測・アラート機能部1−1−3に送られた上、処理される。需要予測・アラート機能部1−1−3では、外部から予測開始年度と予測期間が入力された上、傾向変動モデルと景気変動モデルを用い、需要予測が行われるが、その需要予測結果は予測結果・アラート表示部1−2で表示される。その際、需要予測途中のある時点で需要予測が急変するような場合(特に落込むような場合)には、必要に応じて、予測結果・アラート表示部1−2でアラート(alert:警報)表示が行われる。このアラート表示があった場合、より慎重に生産計画を見直しする措置が採られる。
【0024】
その予測結果・アラート表示部1−2での需要予測結果の一表示例を図4に示す。図示のように、本事例では、1997年度の第4四半期のデータを初期値として用い、3事業(半導体、パソコン及び表示機器)の連立確率過程モデルにより、需要予測された結果が表示されている。確率過程モデルの特徴としては、各需要予測結果は確率分布の形で得られることから、図4においては、確率分布の標準偏差はエラーバーとして表示されている。
【0025】
その後、シミュレーションエンジン1−3では、需要予測結果に基づき、生産計画が立案されるが、その立案に際し、予測需要に対し現有設備による生産能力が過剰であるか否かは、生産計画シナリオのうち、設備増強が必要か否かの判断に必要な情報となる。本発明では、需要予測は確率分布として得られるので、予測需要に対する現有設備による生産能力の過不足は、図5に示すように、確率的に判断可能となっている。即ち、需要分布の面積のうち、現状能力以下の部分P1は生産能力が十分である確率に、また、現状能力以上の部分P2は生産能力が不足する確率に対応する。
【0026】
ここで、生産計画立案の例題として、期間(半年)2002/4〜2002/9,2002/10〜2003/3それぞれに対し予測された需要に基づき、設備増強の要否や、生産の有無の違いによる複数の生産計画シナリオを考えることにする。その生産計画シナリオの作成には、上記予測需要確率分布、生産能力の過不足確率が用いられる。シミュレーションエンジン1−3では、例えばモンテカルロシミュレーションを用い、各生産計画シナリオについての収益の現在価値NPVが算出されているが、その算出に際しては、先ず予測需要の確率分布に従って乱数を発生させることで、以下のように、売上高が算出される。
【0027】
【数4】
売上高=売上数×売上単価
売上数=予測需要×シェア
【0028】但し、売上単価、シェアそれぞれの値としては、適切な値が仮定される。一方、総原価の構成項目は、以下のように、生産計画から与えられるものと、売上の一定割合として変動するものとからなる。
【0029】
【数5】
総原価=製造原価+設備増強投資+発送費・一般費
製造原価=直接費+間接費
直接費=売上高の一定割合
間接費=計画値
設備増強投資=計画値
発送費・一般費=売上高の一定割合
【0030】
次に、以下のように、売上高から総原価を差引いて各期の損益が求められ、収益の現在価値NPVが算出される。
【0031】
【数6】
損益=売上高−総原価
NPV=各期の損益を割引いた合計値
【0032】
以上の結果として、実現確率・NPV確率分布表示部1−4上には、図6に示すように、シミュレーション結果の一例である決定木が表示される。因みに、図6中、丸ノードHは生産能力過不足判断のノードを、四角ノードIは設備増強の意思決定のノードを、四角ノードJは生産の意思決定のノードを、三角ノードKは終端ノードを、それぞれ意味している。また、生産能力過不足判断の数値は、図5に示す方法で算出された生産能力の過不足に係る確率であり、更に、生産意思決定の数値(その単位はK、即ち、1,000台)は、需要予測結果の期待値であり、更にまた、設備増強意思決定の数値(その単位はM¥、即ち、100万円)は、設備増強の費用である。
【0033】
図6に示すように、終端ノード(決定木の末端位置とされ、その数は生産計画シナリオの数Nに等しい)それぞれの近傍には、その生産計画シナリオの実現確率と収益の現在価値NPVの期待値が示されているが、NPVの値が負である生産計画シナリオについての実現確率は0とされる。これは、NPVの値が負である生産計画シナリオについては、当然のことながら、実施の見込みが全く立たないからである。何れにしても、図6から判るように、本発明では、需要予測が確率分布として求められていることから、各生産計画シナリオについて、現実味のある実現確率が算出可能とされている。
【0034】
ところで、図6中では、最も確からしい生産計画シナリオとして、上から3番目のもの(その実現確率は50%)が挙げられるが、このように、最も確からしい生産計画シナリオの実現確率が十分に大きい場合は、単一のその生産計画シナリオに従って、生産計画が立案されれば十分であると考えられる。しかしながら、複数の生産計画シナリオの実現確率がほぼ同程度である場合には、複数の生産計画に対応し得るように準備することが必要となる。因みに、その上から3番目の生産計画シナリオについてのNPV確率分布が図7として示されているが、NPV確率分布の幅は当該シナリオの経済的なリスクに対応する。
【0035】
以上、説明したように、需要予測と生産計画立案を確率的に行うことより、事業環境の変化に対応した生産計画立案及びリスク管理が可能となる。また、需要と供給の関連性の高い事業群の需要を連立確率過程モデルにより確率分布の形で予測することが可能となる。更に、需要の予測値が急変する場合には、アラート表示が行われるので、より慎重に生産計画を見直しする措置が採れることになる。更にまた、複数の生産計画シナリオについて、その実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を推定することが可能となる。以上に加え、各生産計画シナリオの実現確率の大きさに従って、単一の生産計画シナリオだけを考えればよいのか、複数の生産計画シナリオに対応するように準備することが必要であるかが事前に判断可能となっている。
【0036】
因みに、以下のような発明(1),(2)も考えられる。
(1)確率的需要予測エンジン、予測結果・アラート表示部、シミュレーションエンジン、実現確率・NPV確率分布表示部から構成され、需要予測の確率分布を入力して、複数の生産計画シナリオについて、それぞれの実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を推定することを特徴とする生産計画立案支援方法及びシステム。
(2)傾向変動モデル化機能部、景気変動モデル化機能部、需要予測・アラート機能部から構成され、需要と供給の関連性の高い事業群の過去業績データ、および株価データを入力として、需要と供給の関連性の高い事業群の製品需要を同時に確率分布の形で予測することを特徴とする需要予測方法及びシステム。
【0037】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき、具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】
将来的な需要が、事業環境の変化に対応しつつ、且つ確率的に予測され得る需要予測装置及び方法が提供される。
その需要予測等に基づき、複数シナリオの生産計画が立案され得る生産計画立案支援装置及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】需要予測装置を含む、本発明による生産計画立案支援装置の一例での概要構成を示す図である。
【図2】その生産計画立案支援装置での一例での処理概要フローを示す図である。
【図3】その需要予測装置の1構成要素としての確率的需要予測エンジンの一例での構成を示す図である。
【図4】同じく、需要予測装置の1構成要素としての予測結果・アラート表示部での需要予測結果の一表示例を示す図である。
【図5】需要予測に対する現有設備による生産能力の過不足が、確率的に判断可能であることを示す図である。
【図6】生産計画立案支援装置の1構成要素としての実現確率・NPV確率分布表示部上での表示例(決定木)を示す図である。
【図7】最も確からしい生産計画シナリオについてのNPV確率分布を示す図である。
【符号の説明】
1−1…確率的需要予測エンジン、1−2…予測結果・アラート表示部、1−3…シミュレーションエンジン、1−4…実現確率・NPV確率分布表示部、1−1−1…傾向変動モデル化機能部、1−1−2…景気変動モデル化機能部、1−1−3…需要予測・アラート機能部
【発明の属する技術分野】
本発明は、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要が確率的に予測されるようにした需要予測装置及び方法、更には、その需要予測等に基づき、将来を見据えた生産計画の立案が支援されるようにした生産計画立案支援装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、半導体や電子表示機器等の、いわゆる、ハイテク産業では、事業環境の急変に伴い、巨額損失リスクが徐々に顕在化しつつあるのが実情である。これがために、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要を予測するための技術や、経済性の観点から、将来を見据えた生産計画を立案するための技術の必要性が次第に増大しているのが現状である。
【0003】
因みに、特許文献1,2では、営業からの受注見込み情報が積み上げられており、この積み上げから将来的な需要が予測された上、将来を見据えた、単一シナリオの生産計画が立案されている。また、特許文献3では、部品在庫管理上、需要が月1個以下等、低頻度部品群について、その将来的な需要個数が予測されている。更に、特許文献4では、市場参入意思決定支援に際し、予測需要の確率分布の考え方が垣間見られるが、その予測方法は何等具体的に開示されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002―132329号公報
【特許文献2】
特開2001―160045号公報
【特許文献3】
特開2002―73746号公報
【特許文献4】
特開2001―357189号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでにあっては、需要予測に際しては、予測結果が信頼性不足であったり、また、生産計画の立案に際しては、単一シナリオの固定的な生産計画が立案されてしまう等、事業環境の変化に柔軟性を以って対応し得ない等の不具合があった。
【0006】
本発明の目的は、将来的な需要が、事業環境の変化に対応しつつ、且つ確率的に予測され得る需要予測装置及び方法を提供することにある。
本発明の目的はまた、その需要予測等に基づき、複数シナリオの生産計画が立案され得る生産計画立案支援装置及び方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の需要予測装置は、事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める事業対応傾向変動モデル化機能部と、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する事業共通景気変動モデル化機能部と、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する事業共通需要予測機能部と、需要の予測結果を表示する予測結果表示部とを含むように、構成したものである。
【0008】
また、本発明の需要予測方法は、事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める傾向変動モデル化ステップと、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する景気変動モデル化ステップと、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する需要予測ステップと、需要の予測結果を表示する予測結果表示ステップとを含むように、構成したものである。
【0009】
更に、本発明の生産計画立案支援装置は、以上の需要予測装置に対し、確率分布としての需要予測に基づき、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を算出するためのシミュレーションエンジンと、シミュレーション結果としての実現確率とNPV確率分布を表示するシミュレーション結果表示部とが追加される状態として、構成したものである。
【0010】
更にまた、本発明の生産計画立案支援方法は、以上の需要予測方法に対し、確率分布としての需要予測に基づき、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を算出するためのシミュレーションステップと、シミュレーション結果としての実現確率とNPV確率分布を表示するシミュレーション結果表示ステップとが追加される状態として、構成したものである。
【0011】
以上のように、需要と供給の関連性の高い事業群の需要が、連立確率過程モデルにより確率分布の形で予測可能とされている。更には、この需要予測により、事業環境の変化に対応した生産計画の立案が確率的に行えるばかりか、リスク管理が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1から図7により説明する。
先ず需要予測装置を含む、本発明による生産計画立案支援装置の概要について説明すれば、その一例での概要構成を図1に示す。図示のように、本例では、需要と供給の関連性の高い事業群として、情報機器産業における表示機器、半導体、パソコン及び移動通信(機器)が想定されているが、そのような事業群としては、他にも種々考えられる。例えば石油化学産業における燃料(ガソリン、軽油等)、化学繊維及びプラスチックであり、自動車産業ではまた、車両(乗用車、トラック等)、鋼板、電装品、タイヤ及びガラスが、そのような事業群に該当すると考えられる。
【0013】
図2にはまた、その生産計画立案支援装置での一例での処理概要フローが示されているが、これを参照しつつ、その構成と動作について説明すれば、先ず表示機器等のそれぞれについての過去業績データ(必須)及び株価データ(任意)が外部から確率的需要予測エンジン1−1に入力される(処理2−1)。これらデータに基づき、確率的需要予測エンジン1−1では、先ず全変動(過去業績データ)は傾向変動と景気変動とに分離された上、回帰分析により傾向変動がモデル化される(処理2−2,2−3)。次に、その全変動から傾向変動モデルの値が差し引かれることで、景気変動データが算定された上、景気変動データが連立確率微分方程式によりモデル化される(処理2−4,2−5)。
【0014】
その後は、外部から予測開始年度と予測期間が入力された上、それらモデルを用い、需要予測(確率分布)が実施され、その実施結果としての、表示機器等のそれぞれについての需要予測が、予測結果・アラート表示部1−2で表示されるようになっている(処理2−6〜2−8)。以上が需要予測装置での構成と動作の概要であるが、その詳細については後述するところである。
【0015】
以上のようにして、需要予測装置からは、表示機器等のそれぞれについての需要予測が得られるが、その後は、これら需要予測と複数の生産計画シナリオに基づき、生産計画シナリオそれぞれについて、その実現確率と収益の現在価値NPV(Net Present Value)が算出される。
【0016】
より具体的に、例えば表示機器について説明すれば、表示機器について生産計画が立案される場合には、表示機器についての需要予測結果が用いられる。図示のように、複数の生産計画シナリオ(本例では、N個の生産計画シナリオを想定)が用意された上、先ずこれらシナリオそれぞれについての生産計画・費用データ(ここにいう費用データとは、後述の総原価を指す)がシミュレーションエンジン1−3に入力された上、予測需要の確率分布に従って乱数を発生させることで、売上高が算出される(処理2−9,2−10)。次に、その売上高から総原価(生産計画)が差引かれることで、各期の損益が求められ、その現在価値が算出される(処理2−11)。その後、それぞれの生産計画シナリオについての実現確率、収益の現在価値NPVの確率分布が算出された上、決定木の末端位置近傍にNPV確率分布等がシミュレーション結果として、実現確率・NPV確率分布表示部1−4で表示されるようになっている(処理2−12,2−13)。このように、生産計画シナリオそれぞれについて、実現確率、収益の現在価値NPVの確率分布が得られることで、生産計画が立案されている。
【0017】
以上、生産計画立案支援装置の構成と処理の概要について説明した。ここで、需要予測装置の1構成要素としての確率的需要予測エンジン1−1について説明すれば、その一例での構成を図3に示す。既述のように、過去業績データは便宜的に全変動と称されているが、この全変動とは、比較的長い期間に亘る傾向変動の上に、短期の景気変動が上乗せされたものとして定義される。表示機器等それぞれについての処理は同様とされることから、表示機器について説明すれば、表示機器対応の傾向変動モデル化機能部1−1−1では、以下のような手順により、全変動が傾向変動と景気変動とに分離される。即ち、過去業績データを時間tについて多項式や指数関数等を用い回帰分析することで、先ず傾向変動モデルが得られる。
【0018】
【数1】
傾向変動モデル=f(時間,説明変数,回帰パラメータ)
【0019】
以上のように、傾向変動モデルは、時間や説明変数、回帰パラメータの関数とされる。次に、過去業績データから傾向変動モデルの値が差引かれることで、景気変動データ(t)が求められる。
【0020】
【数2】
景気変動データ(t)=過去業績データ(t)−傾向変動モデルの値(t)
【0021】
その後、傾向変動モデル、景気変動データ(t)は、それぞれ需要予測・アラート機能部1−1−3、景気変動モデル化機能部1−1−2で処理される。このうち、景気変動データ(t)は、景気変動モデル化機能部1−1−2により需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化されるが、その際に、モデルにあからさまに含まれない説明変数により生じる確率変動や、需要者や供給者の間に代理店等が介在することによる時間遅れを考慮の上、確率過程モデルとして作成される。表示機器についての景気変動モデル、即ち、景気変動の時間変化は、以下のように求められる。
【0022】
【数3】
【0023】
但し、gは関数を意味する。変数としての株価の時系列データは外的変動要因の例であり、表示器機、半導体、パソコン、移動通信についての株価を含む。また、第2項目の確率変動項は、モデルにあからさまに含まれない説明変数により生じる変動であり、平均値が0で、時間の平方根に比例して大きくなるブラウン運動である。パソコンや半導体等についての景気変動モデルも同様な連立方程式の形をとるが、これら景気変動モデルは、需要予測・アラート機能部1−1−3に送られた上、処理される。需要予測・アラート機能部1−1−3では、外部から予測開始年度と予測期間が入力された上、傾向変動モデルと景気変動モデルを用い、需要予測が行われるが、その需要予測結果は予測結果・アラート表示部1−2で表示される。その際、需要予測途中のある時点で需要予測が急変するような場合(特に落込むような場合)には、必要に応じて、予測結果・アラート表示部1−2でアラート(alert:警報)表示が行われる。このアラート表示があった場合、より慎重に生産計画を見直しする措置が採られる。
【0024】
その予測結果・アラート表示部1−2での需要予測結果の一表示例を図4に示す。図示のように、本事例では、1997年度の第4四半期のデータを初期値として用い、3事業(半導体、パソコン及び表示機器)の連立確率過程モデルにより、需要予測された結果が表示されている。確率過程モデルの特徴としては、各需要予測結果は確率分布の形で得られることから、図4においては、確率分布の標準偏差はエラーバーとして表示されている。
【0025】
その後、シミュレーションエンジン1−3では、需要予測結果に基づき、生産計画が立案されるが、その立案に際し、予測需要に対し現有設備による生産能力が過剰であるか否かは、生産計画シナリオのうち、設備増強が必要か否かの判断に必要な情報となる。本発明では、需要予測は確率分布として得られるので、予測需要に対する現有設備による生産能力の過不足は、図5に示すように、確率的に判断可能となっている。即ち、需要分布の面積のうち、現状能力以下の部分P1は生産能力が十分である確率に、また、現状能力以上の部分P2は生産能力が不足する確率に対応する。
【0026】
ここで、生産計画立案の例題として、期間(半年)2002/4〜2002/9,2002/10〜2003/3それぞれに対し予測された需要に基づき、設備増強の要否や、生産の有無の違いによる複数の生産計画シナリオを考えることにする。その生産計画シナリオの作成には、上記予測需要確率分布、生産能力の過不足確率が用いられる。シミュレーションエンジン1−3では、例えばモンテカルロシミュレーションを用い、各生産計画シナリオについての収益の現在価値NPVが算出されているが、その算出に際しては、先ず予測需要の確率分布に従って乱数を発生させることで、以下のように、売上高が算出される。
【0027】
【数4】
売上高=売上数×売上単価
売上数=予測需要×シェア
【0028】但し、売上単価、シェアそれぞれの値としては、適切な値が仮定される。一方、総原価の構成項目は、以下のように、生産計画から与えられるものと、売上の一定割合として変動するものとからなる。
【0029】
【数5】
総原価=製造原価+設備増強投資+発送費・一般費
製造原価=直接費+間接費
直接費=売上高の一定割合
間接費=計画値
設備増強投資=計画値
発送費・一般費=売上高の一定割合
【0030】
次に、以下のように、売上高から総原価を差引いて各期の損益が求められ、収益の現在価値NPVが算出される。
【0031】
【数6】
損益=売上高−総原価
NPV=各期の損益を割引いた合計値
【0032】
以上の結果として、実現確率・NPV確率分布表示部1−4上には、図6に示すように、シミュレーション結果の一例である決定木が表示される。因みに、図6中、丸ノードHは生産能力過不足判断のノードを、四角ノードIは設備増強の意思決定のノードを、四角ノードJは生産の意思決定のノードを、三角ノードKは終端ノードを、それぞれ意味している。また、生産能力過不足判断の数値は、図5に示す方法で算出された生産能力の過不足に係る確率であり、更に、生産意思決定の数値(その単位はK、即ち、1,000台)は、需要予測結果の期待値であり、更にまた、設備増強意思決定の数値(その単位はM¥、即ち、100万円)は、設備増強の費用である。
【0033】
図6に示すように、終端ノード(決定木の末端位置とされ、その数は生産計画シナリオの数Nに等しい)それぞれの近傍には、その生産計画シナリオの実現確率と収益の現在価値NPVの期待値が示されているが、NPVの値が負である生産計画シナリオについての実現確率は0とされる。これは、NPVの値が負である生産計画シナリオについては、当然のことながら、実施の見込みが全く立たないからである。何れにしても、図6から判るように、本発明では、需要予測が確率分布として求められていることから、各生産計画シナリオについて、現実味のある実現確率が算出可能とされている。
【0034】
ところで、図6中では、最も確からしい生産計画シナリオとして、上から3番目のもの(その実現確率は50%)が挙げられるが、このように、最も確からしい生産計画シナリオの実現確率が十分に大きい場合は、単一のその生産計画シナリオに従って、生産計画が立案されれば十分であると考えられる。しかしながら、複数の生産計画シナリオの実現確率がほぼ同程度である場合には、複数の生産計画に対応し得るように準備することが必要となる。因みに、その上から3番目の生産計画シナリオについてのNPV確率分布が図7として示されているが、NPV確率分布の幅は当該シナリオの経済的なリスクに対応する。
【0035】
以上、説明したように、需要予測と生産計画立案を確率的に行うことより、事業環境の変化に対応した生産計画立案及びリスク管理が可能となる。また、需要と供給の関連性の高い事業群の需要を連立確率過程モデルにより確率分布の形で予測することが可能となる。更に、需要の予測値が急変する場合には、アラート表示が行われるので、より慎重に生産計画を見直しする措置が採れることになる。更にまた、複数の生産計画シナリオについて、その実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を推定することが可能となる。以上に加え、各生産計画シナリオの実現確率の大きさに従って、単一の生産計画シナリオだけを考えればよいのか、複数の生産計画シナリオに対応するように準備することが必要であるかが事前に判断可能となっている。
【0036】
因みに、以下のような発明(1),(2)も考えられる。
(1)確率的需要予測エンジン、予測結果・アラート表示部、シミュレーションエンジン、実現確率・NPV確率分布表示部から構成され、需要予測の確率分布を入力して、複数の生産計画シナリオについて、それぞれの実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を推定することを特徴とする生産計画立案支援方法及びシステム。
(2)傾向変動モデル化機能部、景気変動モデル化機能部、需要予測・アラート機能部から構成され、需要と供給の関連性の高い事業群の過去業績データ、および株価データを入力として、需要と供給の関連性の高い事業群の製品需要を同時に確率分布の形で予測することを特徴とする需要予測方法及びシステム。
【0037】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき、具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】
将来的な需要が、事業環境の変化に対応しつつ、且つ確率的に予測され得る需要予測装置及び方法が提供される。
その需要予測等に基づき、複数シナリオの生産計画が立案され得る生産計画立案支援装置及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】需要予測装置を含む、本発明による生産計画立案支援装置の一例での概要構成を示す図である。
【図2】その生産計画立案支援装置での一例での処理概要フローを示す図である。
【図3】その需要予測装置の1構成要素としての確率的需要予測エンジンの一例での構成を示す図である。
【図4】同じく、需要予測装置の1構成要素としての予測結果・アラート表示部での需要予測結果の一表示例を示す図である。
【図5】需要予測に対する現有設備による生産能力の過不足が、確率的に判断可能であることを示す図である。
【図6】生産計画立案支援装置の1構成要素としての実現確率・NPV確率分布表示部上での表示例(決定木)を示す図である。
【図7】最も確からしい生産計画シナリオについてのNPV確率分布を示す図である。
【符号の説明】
1−1…確率的需要予測エンジン、1−2…予測結果・アラート表示部、1−3…シミュレーションエンジン、1−4…実現確率・NPV確率分布表示部、1−1−1…傾向変動モデル化機能部、1−1−2…景気変動モデル化機能部、1−1−3…需要予測・アラート機能部
Claims (16)
- 需要と供給の関連性の高い事業群を構成している複数の事業それぞれについて、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要を確率的に予測するための需要予測装置であって、
事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める事業対応傾向変動モデル化機能部と、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する事業共通景気変動モデル化機能部と、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する事業共通需要予測機能部と、需要の予測結果を表示する予測結果表示部とを含んでなる需要予測装置。 - 請求項1記載の需要予測装置において、
上記景気変動モデルは、他事業それぞれの景気変動データ、全事業それぞれについての時系列株価データの関数として得られるべく、上記事業共通景気変動モデル化機能部により景気変動データがモデル化される需要予測装置。 - 請求項1、または2に記載の需要予測装置において、
上記事業共通需要予測機能部による需要予測途中のある時点で、需要予測が急変する場合、生産計画を見直しする措置が採られるべく、上記予測結果表示部でアラート表示が行われる需要予測装置。 - 需要と供給の関連性の高い事業群を構成している複数の事業それぞれについて、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要を確率的に予測するための需要予測方法であって、
事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める傾向変動モデル化ステップと、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する景気変動モデル化ステップと、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する需要予測ステップと、需要の予測結果を表示する予測結果表示ステップとを含んでなる需要予測方法。 - 請求項4記載の需要予測方法において、
上記景気変動モデルは、他事業それぞれの景気変動データ、全事業それぞれについての時系列株価データの関数として得られるべく、上記景気変動モデル化ステップにより景気変動データがモデル化される需要予測方法。 - 請求項4、または5に記載の需要予測方法において、
上記需要予測ステップによる需要予測途中のある時点で、需要予測が急変する場合、生産計画を見直しする措置が採られるべく、上記予測結果表示ステップでアラート表示が行われる需要予測方法。 - 需要と供給の関連性の高い事業群を構成している複数の事業それぞれについて、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要を確率的に予測した上、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を推定するための生産計画立案支援装置であって、
事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める事業対応傾向変動モデル化機能部と、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する事業共通景気変動モデル化機能部と、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する事業共通需要予測機能部と、需要の予測結果を表示する予測結果表示部と、確率分布としての需要予測に基づき、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を算出するためのシミュレーションエンジンと、シミュレーション結果としての実現確率とNPV確率分布を表示するシミュレーション結果表示部とを含んでなる生産計画立案支援装置。 - 請求項7記載の生産計画立案支援装置において、
上記景気変動モデルは、他事業それぞれの景気変動データ、全事業それぞれについての時系列株価データの関数として得られるべく、上記事業共通景気変動モデル化機能部により景気変動データがモデル化される需要予測装置。 - 請求項7、または8に記載の生産計画立案支援装置において、
上記事業共通需要予測機能部による需要予測途中のある時点で、需要予測が急変する場合、生産計画を見直しする措置が採られるべく、上記予測結果表示部でアラート表示が行われる生産計画立案支援装置。 - 請求項7〜9の何れかに記載の生産計画立案支援装置において、
上記シミュレーション結果表示部では、実現確率とNPV確率分布は決定木それぞれの末端位置近傍に表示される生産計画立案支援装置。 - 請求項10記載の生産計画立案支援装置において、
最も確からしい生産計画シナリオの実現確率が十分に大きい場合、該生産計画シナリオに従って生産計画が立案される生産計画立案支援装置。 - 需要と供給の関連性の高い事業群を構成している複数の事業それぞれについて、事業環境の変化を考慮の上、将来的な需要を確率的に予測した上、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を推定するための生産計画立案支援方法であって、
事業対応の過去業績データから、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動データを求める傾向変動モデル化ステップと、上記景気変動データを、需要と供給の関連性の高い事業群の連立確率微分方程式でモデル化する景気変動モデル化ステップと、事業対応の傾向変動モデル及び景気変動モデルを用い、指定された期間内での需要を確率分布として予測する需要予測ステップと、需要の予測結果を表示する予測結果表示ステップと、確率分布としての需要予測に基づき、複数の生産計画シナリオそれぞれについての実現確率と収益の現在価値NPVの確率分布を算出するためのシミュレーションステップと、シミュレーション結果としての実現確率とNPV確率分布を表示するシミュレーション結果表示ステップとを含む生産計画立案支援方法。 - 請求項12記載の生産計画立案支援方法において、
上記景気変動モデルは、他事業それぞれの景気変動データ、全事業それぞれについての時系列株価データの関数として得られるべく、上記景気変動モデル化ステップにより景気変動データがモデル化される生産計画立案支援方法。 - 請求項12、または13に記載の生産計画立案支援方法において、
上記需要予測ステップによる需要予測途中のある時点で、需要予測が急変する場合、生産計画を見直しする措置が採られるべく、上記予測結果表示ステップでアラート表示が行われる生産計画立案支援方法。 - 請求項12〜14の何れかに記載の生産計画立案支援方法において、
上記シミュレーション結果表示ステップでは、実現確率とNPV確率分布は決定木それぞれの末端位置近傍に表示される生産計画立案支援方法。 - 請求項15記載の生産計画立案支援方法において、
最も確からしい生産計画シナリオの実現確率が十分に大きい場合、該生産計画シナリオに従って生産計画が立案される生産計画立案支援方法。
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