JP5740006B2 - 呼吸測定システム及びrem睡眠判定システム - Google Patents

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Description

本発明は,呼吸測定システム及びREM睡眠判定システムに係り、特に、対象者の睡眠及び/又は呼吸の状態を長期的に測定する呼吸測定システム及びREM睡眠判定システムに関するものである。
睡眠中の呼吸頻度は,睡眠の深さや疾患の有無に密接に関連している。そのため睡眠中の呼吸を日常の中で長期的に測定することは,健康管理や疾患の早期発見のためには有効な手段となる。
従来では,睡眠中の呼吸頻度を測定する手段として,胸部に装着する加速度センサや歪ゲージ,あるいは鼻口の気流を検知する呼気センサ等などが知られている。例えば特許文献1には,胸部に装着した3軸の加速度センサにより胸部の呼吸運動を測定し,その出力値をスカラー化し,ローパスフィルタで低周波成分を抽出,ピークを検出し,一分間のピーク数を呼吸頻度として出力する,呼吸数推定技術が開示されている。
上記で開示される技術は胸部に装着する加速度センサを前提としている。そのため,在宅で長期的に測定するには不適当であった。これは胸部センサには以下のような課題があるためである。
・胸部センサは装着による胸部への圧迫感があり,日常とは異なった睡眠の状態が測定されてしまう。
・胸部センサは装着位置が適切であることが重要であり,専門家の監督無しでの正しい装着が難しいため,在宅での測定が困難である。
・胸部のセンサは24時間装着することの負担が大きい。そのため,普段は外しておいて,就寝前に意識的に装着する必要がある。この事から,例えばテレビを見ながら寝てしまった時や,飲酒して寝てしまった場合などが測定記録に残らなく,睡眠に至る状況に偏りのあるデータが記録されてしまう可能性がある。
その一方で,日常生活において睡眠の状態を測定する手段として,手首に装着する腕輪型の加速度センサが知られている。腕輪型の加速度センサは身体への負担が少なく安価であり,装着方法も通常の腕時計と変わらないため,在宅での長期的な常時測定に適している。また非特許文献1では,腕輪型の加速度センサは睡眠・覚醒の判別が有効に行える事が指摘されている。
特許第3809847号公報 特開2008−210363号公報 特開2011−94881号公報
Sonia Ancoli−Israel et al., The Role of Actigraphy in the Study of Sleep and Circadian Rhythms, Sleep, Vol.26, No.3, 2003 Cole RJ,Kripke DF, Gruen W, Mullaney DJ, Gillin JC. Automatic sleep/wake identification from wrist activity. Sleep 1992; 15: 491−469. C.Cortes and V.Vapnik, Support−Vector Networks, Machine Learning, 1995; 20(3):273−297
しかし,腕輪型の加速度センサを用いて呼吸頻度を測定することはこれまで出来なかった。
従来では,上記したような腕輪型の加速度センサを用いて対象者の負担少なく例えば睡眠中の呼吸頻度を測定する手段が知られていなかった。しかし本発明者らは,リストバンド型の加速度センサで測定した加速度データの低周波成分に,呼吸運動に由来する体幹の周期的な動作が反映されている場合があることを発見した。図21aでは実際の7分間弱の睡眠データにおける加速度波形のスカラー値の周波数スペクトルが図示されており,この例では0.22Hz(一分間の呼吸頻度13.2回に相当)に強いピークがある場合が示されている。
この現象は,図22aに示すように,腕輪型加速度センサ1を装着した手首が,体幹の呼吸運動の影響を受けるような位置にある場合に生じている。そのため,例えば図22bのように手首が体幹から離れてしまっている場合は図21bのように,呼吸の周期性は加速度データの中に現れない。
このことが原因で,上記特許文献1に開示される手法を腕の加速度データに適用することはできない。胸部から得られる加速度データであれば,利用者の体の姿勢や肢体の位置に関わりなく,呼吸の動作が反映される。そのため,特許文献1で開示されるように,特定の周波数領域から主となる周波数成分を見つけるだけでも呼吸頻度を精度良く推定する事が出来る。しかし,腕から測定したデータでは,呼吸の動作が加速度に反映されている場合のほうが稀である。そのため,多くの場合はセンサの値に乗るノイズ(温度変化や,センサの計測ノイズ等)の影響が優位となり,単純に主となる周波数成分を見つけるだけでは,呼吸とは関わりのない意味のない値が算出されてしまう。
この事を図23bにて実例で示す。図23aは鼻口の呼気センサにより実測した,一晩の一分間毎の呼吸頻度データであり,図23bは呼気センサと同期間手首に装着した腕輪型加速度センサのデータに対して,上記特許文献1で開示される手法を適用させた場合に算出される,一分間毎の推定呼吸頻度である。実測データと同じ値が算出される箇所もあるものの,全く異なる値も多く入り混じっており,この推定結果自体からは,対象者の睡眠中の呼吸の傾向を知る事は困難である。図24aに,21人の一晩ずつについて呼気センサとリストバンド型加速度センサを同時測定し,一分毎の実測呼吸頻度と推定呼吸頻度を算出した結果を示す。この散布図では,推定呼吸頻度と実測呼吸頻度は互いに大きくばらついている事が分かる。
本発明は,上記に鑑みてなされたものであって,リストバンド型センサノードからのセンシングデータでも高い精度で呼吸頻度を測定する事の出来る呼吸測定システム、及び、呼吸頻度に基づきREM睡眠(レム睡眠)を判定するREM睡眠判定システムを提供すること目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが,その一例(第1の解決手段)をあげるならば,
腕に装着して腕の動きを示すセンシングデータを取得するセンサと、
周期的に過去所定期間のセンシングデータを集計し、その主となる主周期成分を検出する主周期成分検出部と、
主周期成分の大きさ又は周波数に関する予め定められた判定条件に従い、該主周期成分が呼吸に依る周期成分として有効か否かを判定する呼吸情報取得成功判定部と、
呼吸に依る周期成分として有効であると判定された場合にその主周期成分の周波数を呼吸頻度として時刻情報と対応して蓄積する蓄積部と
を備えた呼吸測定システムが提供される。
このような構成により、リストバンド型センサノードからのセンシングデータでも高い精度で呼吸頻度を測定する事が出来る。
一例として、センシング対象となる呼吸動作が加速度データに反映されていない場合を欠損値として除外する事によって,リストバンド型加速度センサでも高い精度で呼吸頻度を測定する事の出来る呼吸数測定システムを提供する。
例えば、上述の課題には以下のような解決が行える。抽出された主となる周波数成分の,スペクトルにおけるピークの強さを評価する「ピークスコア」を次の(式1)のように定義し、
Figure 0005740006
ピークスコア値が閾値を超えた(即ち,充分に強いピークであった)場合にのみ,検知したピークを採用し,それ以外の場合は呼吸不検知とすることにより,呼吸運動が反映されない場合が存在する、手首に装着する加速度センサから得られる加速度データからも,精度良く呼吸頻度を推定する事が出来る。この方式によると,図23cに例示するように,欠損値を多分に含むものの,実測値を精度良く追う呼吸頻度の推定を行う事が出来る。また図24bでは,21人のデータにおいても,提案方式で推定した呼吸頻度が実測呼吸頻度をよく近似出来ている事を示している。
本発明の第2の解決手段によると、
上述の呼吸測定システムと、
センシングデータから睡眠を検知する睡眠検知部と、
前記呼吸測定システムの蓄積部に蓄積された所定期間の呼吸頻度と時刻情報とに基づき、就寝後経過時間毎の呼吸頻度を統計した就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を算出する基礎呼吸頻度算出部と、
算出された基礎呼吸頻度と実測され前記蓄積部に蓄積された呼吸頻度との乖離を、就寝後経過時間毎に算出する乖離算出部と、
基礎呼吸頻度と実測された呼吸頻度との乖離からREM睡眠を判定するREM睡眠判定部と、
判定されたREM睡眠の時刻情報を蓄積する第2蓄積部と
を備えたREM睡眠判定システムが提供される。
このような構成により、センシングデータからREM睡眠期間を求めることができる。
本発明によると,リストバンド型センサノードからのセンシングデータでも高い精度で呼吸頻度を測定する事の出来る呼吸測定システム、及び、呼吸頻度に基づきREM睡眠(レム睡眠)を判定するREM睡眠判定システムを提供することができる。
実施例1の呼吸頻度推定システムの構成の一例を示す全体図である。 実施例1の呼吸頻度推定システムを構成する腕輪型センサノード1の一例を示す図である。 腕輪型センサノード1の基板10に取り付けられた電子回路のブロック図を示す。 図1に示した呼吸頻度推定システムの各構成要素を示すブロック図である。 実施例1のシステムで行われるデータ処理の全体的な流れを示すフローチャート図である。 PC103のデータ集計プログラム200で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 ゼロクロス回数の例を示す図である。 運動頻度の算出結果の例を示す図である。 集計データテーブル250のフォーマットを示す説明図である。 PC103の睡眠期間抽出プログラム300で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 睡眠期間データテーブル350のフォーマットを示す説明図である。 PC103の呼吸推定プログラム400で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 呼吸推定データテーブル450のフォーマットを示す説明図である。 クライアント計算機であるPC103の表示部1031に表示される睡眠表示画面1200の画面イメージである。 REM睡眠判定の説明図である。 実施例2のREM睡眠推定システムの各構成要素を示すブロック図である。 実施例2のシステムで行われるデータ処理の全体的な流れを示すフローチャート図である。 PC104のREM推定プログラム500で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 REMデータテーブル550のフォーマットを示す説明図である。 クライアント計算機であるPC104の表示部1041に表示されるREM表示画面1300の画面イメージである。 睡眠データにおける加速度波形のスカラー値の周波数スペクトル例である。 腕輪型加速度センサの位置を示す説明図である。 呼吸と加速度の関係の説明図である。 実測呼吸頻度と推定呼吸頻度の関係図である。 実施例1におけるライアントPC103の機能ブロック図である。 実施例2におけるクライアントPC103の機能ブロック図である。 REM睡眠判定部2604の詳細ブロック図である。
以下,本発明の実施の形態を,図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例として,人(利用者)に装着したセンサによって加速度データを測定し,睡眠中の呼吸頻度を算出し,利用者に提示する呼吸頻度推定システム(呼吸測定システム、生活可視化システム)を示す。
図1は,本実施例の呼吸頻度推定システムの構成の一例を示す全体図である。本実施例の呼吸頻度推定システムは,当該システムの利用者の動作(または状態)を検出するセンサとして,加速度センサを備えた腕輪型センサノード1を用い,生体情報として腕の加速度を検出する例を示す。腕輪型センサノード1は,利用者(または参加者)の腕に装着されて加速度を検出し,所定の周期で検出した加速度データをセンシングデータとして,アンテナ101を介して基地局102へ無線送信し,クライアント計算機(PC)103へ送信する。また,有線通信が可能な場合はUSB接続などを介して直接PC103へ送信する。無線,有線を問わず,センシングしたデータを逐次的に送る方法のほか,センサノードに蓄積したデータを一定周期毎に送信する方法でもよい。
図1において,PC103は複数の腕輪型センサノード1と通信を行い,各腕輪型センサノード1から利用者の動きに応じたセンシングデータを受信し,受信したセンシングデータを解析し,表示データを出力する。出力される表示データは利用者が操作するクライアント計算機(PC)103で閲覧することができる。
図2は,本実施例の呼吸頻度推定システムを構成する腕輪型センサノード1の一例を示す図で,図2(a)は腕輪型センサノード1の正面から見た概略図である。図2(b)は腕輪型センサノード1を側方から見た断面図である。この腕輪型センサノード1は主に利用者の動きを測定する。
腕輪型センサノード1は,センサや制御装置を格納するケース11と,ケース11を人体の腕に装着するバンド12を備える。
ケース11の内部には,図2(b)のように図示しない(後に示す)マイクロコンピュータやセンサ6等を備えた基板10が格納される。そして,人体(生体)の動きを測定するセンサ6としては,図中X−Y−Zの3軸の加速度をそれぞれ測定する加速度センサを採用した例を示す。なお,腕輪型センサノード1には図示しない温度センサ,脈拍センサを備え,利用者の体温,脈拍を測定し,加速度とともにセンシングデータとして出力してもよい。また,腕輪型センサノード1が図示しない感圧センサや静電容量センサを備え,利用者が腕時計型センサノード1を装着しているか否かを装着状態として出力しても良い。
図3は,腕輪型センサノード1の基板10に取り付けられた電子回路のブロック図を示す。図3において,基板10には,例えば、基地局102と通信を行うアンテナ5を備えた無線通信部(RF)2と,PC103と有線接続するUSB通信部39と,加速度センサであるセンサ6及び無線通信部2を制御するマイクロコンピュータ3と,マイクロコンピュータ3を間欠的に起動するためのタイマとして機能するリアルタイムクロック(RTC)4と,各部に電力を供給する電池7と,センサ6への電力の供給を制御するスイッチ8が配置される。また,スイッチ8とセンサ6の間には,バイパスコンデンサC1が接続されてノイズの除去や,充放電の速度を低減して無駄な電力消費を防ぐ。
マイクロコンピュータ3は,例えば、演算処理を実行するCPU34と,CPU34で実行するプログラムなどを格納するROM33と,データなどを格納するRAM32と,RTC4からの信号(タイマ割り込み)に基づいてCPU34に割り込みをかける割り込み制御部35と,センサ6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ31と,無線通信部2との間でシリアル信号にて信号の送受を行うシリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)36と,無線通信部2及びUSB通信部39とスイッチ8を制御するパラレルインターフェース(PIO)37と,マイクロコンピュータ3内の上記各部へクロックを供給する発振部(OSC)30とを含む。そして,マイクロコンピュータ3内の上記各部はシステムバス38を介して接続される。RTC4は,マイクロコンピュータ3の割り込み制御部35に予め設定されている所定の周期で割り込み信号(タイマ割り込み)を出力し,また,SCI36へ基準クロックを出力する。PIO37はCPU34からの指令に応じてスイッチ8のON/OFFを制御し,センサ6への電力供給を制御する。
腕輪型センサノード1は,例えば所定の周期(例えば,1秒等)でマイクロコンピュータ3を起動して,センサ6からセンシングデータを取得し,取得したセンシングデータに腕輪型センサノード1を特定する識別子とタイムスタンプを付与して基地局102へ送信する。
図4は,図1に示した呼吸頻度推定システムの各構成要素を示すブロック図である。腕輪型センサノード1が送信したセンシングデータは,基地局102を介してクライアント計算機(PC)103の記録装置1100のセンシングデータテーブル1150に蓄積される。もしくは図示しない有線通信を介して直接PC103と通信してもよい。
PC103は,各種情報を表示する表示装置(出力装置)1031と、利用者の操作によって様々な情報の入力を可能とする入力装置1032を具備する。表示装置1031は液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示端末のほか,プリンタや画像ファイル出力でも良い。入力装置1032はキーボード,マウス等の入力用機器である。また,表示装置1031と入力装置1032はタッチパネル式ディスプレイのような,両方の機能を備える単体の機器でも良い。
またPC103は,プロセッサ107と,メモリ108及び記録装置1100をさらに備える。記録装置1100は,後述する各種プログラム,各種データテーブルを記録するものであり,例えば,ハードディスクドライブやCDーROMドライブ,フラッシュメモリなどである。なお,複数の記録装置に各種プログラム,各種データテーブルを分割して記録するようにしてもよい。
プロセッサ107は,記録装置1100に記録されている各種プログラムをメモリ108に読み出して実行することにより各種機能を実現する。具体的には,データ集計プログラム200を実行することにより,利用者の腕の加速度センサで測定されたセンシングデータを集計し,単位時間(例えば,1分間)毎の集計値を算出し,記録装置1100の集計データテーブル250に格納する。また,睡眠期間抽出プログラム300を実行することにより,算出した単位時間毎の集計値を解析し,全ての睡眠期間を検出し,記録装置1100の睡眠期間データテーブル350に格納する。また呼吸頻度推定プログラムを実行することにより,検出した睡眠期間から単位時間(例えば,一分間)毎の呼吸頻度を推定し,記録装置1100の呼吸頻度データテーブル450に格納する。
なお,以下では,PC103が,データ集計プログラム200と睡眠期間抽出プログラム300と呼吸頻度推定プログラム400を定期的な周期で実行し,もしくは腕時計型センサノード1との通信を起因として実行し,更に入力装置1032の操作,もしくはPC103の起動,もしくは呼吸頻度推定プログラム400の実行の終了を起因として表示装置1031に表示データを提示する例を示す。
図5は,本実施例のシステムで行われるデータ処理の全体的な流れを示すフローチャート図である。まず、図5を参照して全体の処理の概略を示し、後に各ステップのより具体的な例を説明する。
まず,ステップS1では,腕輪型センサノード1が送信したセンシングデータを基地局102がPC103へ転送し,PC103のセンシングデータテーブル1150にセンシングデータを蓄積する。また,センシングデータに付与されている,センサノードを特定するための識別子と当該センシングデータを取得した時刻を示す時刻情報もセンシングデータに対応してセンシングデータテーブル1150に蓄積する。さらに,PC103(例えば、プロセッサ107、以下の各ステップも同様)がデータ集計プログラム200を実行して,記録装置1100に蓄積されたセンシングデータから単位時間毎の運動頻度を算出し,記録装置1100の集計データテーブル250に格納する。なお,データ集計プログラム200を所定の周期(例えば,5分間)毎に実行しても良いし,腕輪型センサノード1との通信開始や終了を起因として実行しても良いし,入力装置1032の操作を起因として実行しても良い。
次に,ステップS2では,PC103は睡眠期間抽出プログラム300を実行して,集計データテーブル250に格納された集計データから利用者が睡眠状態にあると推定される領域を検出し,全ての睡眠領域の開始時刻と終了時刻を組みとして睡眠期間データテーブル350に格納する。また,PC103は、一日の最大の睡眠期間である主睡眠を検出し,上記格納した睡眠領域のうち主睡眠であるものに対して主睡眠タグを付加して睡眠分析データテーブル350に格納する。なお睡眠期間抽出プログラム300を所定の周期(例えば,5分間)毎に実行しても良いし,データ集計プログラム200の終了を起因として実行しても良い。
次に,ステップS3では,PC103は呼吸頻度推定プログラム400を実行する。ここでは、PC103は、睡眠データテーブル350に格納された各睡眠期間について,当該期間内のセンシングデータをセンシングデータテーブル1150から取得し,単位時間(例えば,1秒)毎の,所定の期間(例えば,5分)の周波数スペクトルを算出し,最大パワーを持つ周波数成分を呼吸周波数候補として検出する。例えば、該最大パワー値が充分に突出している場合には(60*周波数)を当該日時の分間呼吸頻度として確定して呼吸頻度データテーブル450に格納し,充分に突出していない場合は当該日時を呼吸未検出としてタグを付加して呼吸頻度データテーブル450に格納する。なお呼吸頻度推定プログラム400を所定の周期(例えば,5分間)毎に実行しても良いし,睡眠期間抽出プログラム300の終了を起因として実行しても良い。
次に,ステップS4では,呼吸頻度推定プログラム400により求められ、格納された呼吸頻度をクライアント計算機(PC)103の表示部1031に提示する。
図6は,PC103のデータ集計プログラム200で行われる処理の一例を示すフローチャートである。各ステップは、PC103のプロセッサ107が実行する。
まずステップS11では,利用者の保有するセンサの識別子に対応するセンシングデータをセンシングデータテーブル1150から読み込む。ここで利用者の保有するセンサの識別子は,例えば基地局102と通信している腕時計型センサノード1から取得しても良いし,入力装置102で利用者により指定された識別子でもよいし,図示しない利用者センサ対応テーブルから選択した任意の識別子でも良い。ここで読み込むセンシングデータの量は,センシングデータの集計周期である所定の周期(例えば,5分間),あるいは過去のデータ集計プログラム200の実行によって既に格納されている最後の集計時刻以降全て,等に設定すればよい。
次に,ステップS12〜S14では,読み込んだセンシングデータの加速度データについて所定の時間間隔(例えば,1分)毎の集計値を算出する。本実施形態では,所定の時間間隔内での腕輪型センサノード1の装着者(利用者)の運動の頻度を示すゼロクロス回数を集計値として用いる。
腕輪型センサノード1が検出したセンシングデータにはX,Y,Z軸の加速度データが含まれているので,X,Y,Zの3軸の加速度のスカラー量=√(X^2+Y^2+Z^2)を算出し(ステップS12),求めたスカラー量をフィルタ(バンドパスフィルタ)処理することで所定の周波数帯域(例えば,0.1Hz〜5Hz)のみを抽出しノイズ成分を除去する(ステップS13)。バンドパスフィルタを適用したデータは、例えば後の表示などのため適宜保存してもよい。そして,図7に示すように、求めたスカラー量が所定の閾値(例えば,0.05G)を通過する値をゼロクロス回数として算出し,ゼロクロス回数が所定時間間隔内に出現する頻度を算出し,この出現頻度を,所定の時間間隔(1分間)の運動頻度として出力する(ステップS14)。この運動頻度の算出結果は図8で示すように単位時間毎の運動頻度を時系列的にソートしたデータとなる。なお,運動頻度は,X,Y,Zの各方向の加速度の値が正と負に振動した回数(振動数)を各方向の所定時間内に数えて合計するなど他の方法でもよいが,本実施例では,計算を簡略化することができるため,ゼロクロス回数を算出する方法を採用している。
さらに,所定時間間隔内のデータの状態を表すフラグを算出する(ステップS15)。まず,所定時間間隔内に存在するデータのうち,有効なデータ(即ち,所定の範囲内のX,Y,Zの3軸のデータが欠損値以外の値として存在するもの)の割合が所定の閾値(例えば0.8)より少ない場合,該時間間隔を欠損データとして確定する。また腕時計型センサノード1が装着状態を出力する場合,該時間間隔が欠損でなく所定時間間隔内に存在するデータのうち装着中である割合が所定の閾値(例えば0.8)より少ない場合,該時間間隔を非装着データとして確定する。以上により,該時間間隔のデータの状態のフラグを「データ有り」「欠損値」「非装着」のうち一つに決定する。
データ集計プログラム200の実行により,所定の時間間隔毎に,運動頻度及びデータフラグを求め,図9に示すように,所定の時間間隔毎の集計データを生成し,記録装置1100の集計データテーブル250へ腕輪型センサノード1の装着者の識別子251と,腕輪型センサノード1の識別子252と共に蓄積する(ステップS16)。
図9は,集計データテーブル250のフォーマットを示す説明図である。腕輪型センサノード1の装着者(呼吸頻度推定システムの利用者)の識別子を格納するユーザID251と,センシングデータに含まれる腕輪型センサノード1の識別子を格納するセンサデータID252と,所定の時間間隔の開始時刻(測定日時)を格納する測定日時253と,データ集計プログラム200の実行により演算した運動頻度を格納する運動頻度254と,データ集計プログラム200の実行により求めたデータの状態フラグを格納するフラグ255からひとつのエントリを構成する。なお,利用者の識別子は,腕輪型センサノード1の識別子に基づいて予め設定した図示しないテーブルから参照すればよい。
図10は,PC103の睡眠期間抽出プログラム300で行われる処理の一例を示すフローチャートである。各ステップは、PC103のプロセッサ107が実行する。
まず,データ集計プログラム200の実行により集計した単位時間集計データを集計データテーブル250から読み込む(ステップS21)。ここで読み込む集計データの量は,例えば過去の睡眠分析プログラム300の実行によって既に格納されている最後の睡眠期間の終了時刻以降全て,等に設定すればよい。例えば、処理の対象となった集計データは集計データテーブル250から削除するか、処理済のフラグなどをつけてもよい。
次に,ステップS22では,読み込んだ集計データから睡眠状態であると推定される期間群を検出する。睡眠中の運動頻度は極めて低いが,睡眠中でも人体は寝返りなどの運動を行うため,運動頻度はゼロにはならない。睡眠を判定する手法はいくつか知られており,例えば,Cole法(非特許文献2)などを適用すればよい。このような手法により検出された各期間の開始時刻と終了時刻を睡眠期間の候補群として,図示しない一時ストレージ等に保持する。また,利用者がセンサノードを装着していない場合は運動頻度がゼロに近くなり,睡眠として判定されてしまう場合もあるが,例えば腕時計型センサノードが非装着判定手段を備えている場合は睡眠として判定せず,さらに単位時間集計データテーブル250を読み込む際にフラグ258が非装着を示すデータは運動頻度が高いデータと同等に扱うことによっても,これを防ぐことが可能である。
次に,ステップS23では,睡眠期間の候補の中で近接するもの同士を結合する。睡眠検出の手法によっては,例えば目覚まし時計を止めるために一時的に起床し,再び睡眠に入った場合でも一時的に起きた時刻で睡眠期間候補が区切られてしまう。しかし,生理活動としての睡眠は確かにそこで区切れているが,生活行動としての睡眠を考える場合そこで区切れることは望ましくない場合もある。そのため,睡眠期間候補の終了後,所定時間(例えば30分)以内に次の睡眠領域候補が開始している場合,二つの睡眠期間候補を結合し,一つの大きな睡眠期間として扱う。このようにして睡眠期間候補群の中で結合できるものを探索し,結合する。
次に,ステップS24では,睡眠期間の候補として不適合であるものを排除する。一例としてあげる方法においては,まず継続時間が所定時間(例えば10分)以下の睡眠期間候補は排除する。また,候補群の中の最後の睡眠期間候補の終了時刻がもし睡眠分析プログラム300の実行により読み込んだ集計データの最新測定時刻から所定時間(例えば30分)以内である場合,次回の睡眠分析プログラム300の実行で新しく候補に挙がる睡眠期間と結合できる可能性があるため,これも排除する(次回の処理にまわす)。以上のように処理した睡眠期間候補群を睡眠期間群として確定する。
次に,ステップS25では,ステップS24で確定した睡眠期間群の中から,主睡眠を抽出し,睡眠の種類を「主睡眠」として確定し,それ以外の睡眠期間を「うたた寝」として確定する。より具体的には、まず各睡眠期間の所属するカレンダー日を算出する。これは,睡眠領域の終了時刻が所定時刻,例えば0時から20時までであるならば同日,20時から24時までであるならば次の日に所属するものとする。この基準は,一般人の生活において20時手前に終わる睡眠は昼寝に含まれると考える事も出来るからである。そして,例えば7月23日の17時に開始し19時半に終了する睡眠領域は7月23日に属し,例えば7月23日の16時半に開始し20時半に終了する睡眠領域は,7月24日に属する。こうして算出したカレンダー日の最古のカレンダー日から最新のカレンダー日まで,各カレンダー日において最長の所属睡眠領域を導き,これらをそのカレンダー日の「主睡眠」として確定する。以上で算出した「主睡眠」以外の睡眠の種類を「うたた寝」として確定する。 最後に,ステップS26では,確定した睡眠期間群を図11に示すように,記録装置1100の睡眠分析データテーブル350に蓄積する。この時,各睡眠期間に睡眠分析データテーブル350内で一意となるような識別子である睡眠IDを割り当てる。これは例えば最後に割り当てられた睡眠IDに1を足した値を利用する,等の選び方でよい。
図11は,睡眠期間データテーブル350のフォーマットを示す説明図である。腕輪型センサノード1の装着者の識別子を格納するユーザID351と,睡眠の識別子を格納する睡眠ID352と,睡眠期間の開始時刻を格納する睡眠開始日時353と,睡眠期間の終了時刻を格納する睡眠終了時刻354と,睡眠の種類(主睡眠であるか,うたた寝であるか)を格納する睡眠の種類355からひとつのエントリを構成する。
図12は,PC103の呼吸推定プログラム400で行われる処理の一例を示すフローチャートである。各ステップは、PC103のプロセッサ107が実行する。
ステップS31では,睡眠期間抽出プログラム300で抽出された睡眠期間を睡眠期間データテーブル350から読み込む。ここで読み込む睡眠期間の量は,例えば過去の呼吸推定プログラム400の実行によって既に格納されている最後の呼吸データの日時以降全て,等に設定すればよい。
次に,ステップS32〜ステップS37では,ここで取得した各睡眠期間について個別に処理を行う。
ステップS32では,上記ステップS31で取得した睡眠期間のうち一つの期間について,その期間内に含まれる,当該利用者が装着する腕時計型センサノード1の識別子に対応するセンサデータをセンシングデータテーブル1150から読み込む。
次に,ステップS33では前記ステップS32で取得したセンサデータについて,単位時間(例えば,1分)毎に,その周辺の所定の期間(例えば,5分)のセンシングデータを切り出し,スカラー化する。腕輪型センサノード1が検出したセンシングデータのX,Y,Z軸の加速度データのスカラー量=√(X^2+Y^2+Z^2)を算出する。
次に,ステップS34では,求めたスカラー量をフィルタ(バンドパスフィルタ)処理することで所定の周波数帯域(例えば,0.01Hz〜1Hz)のみを抽出しノイズ成分を除去する。
次に,ステップS35では,前ステップS34でフィルタ処理したスカラー量について周波数スペクトルを求める。該スカラー量についてFFT(高速フーリエ変換)を行うことで,図21aに例示するように,各周波数における強度を算出する。この時,各周波数の強度を,前後周波数成分の強度も含めて平均化することで,スペクトルを平滑化しても良い。
次に,ステップS36では,前ステップS35で求めた周波数スペクトルから最大強度を持つ周波数を,主周波数として取得する。
次に,ステップS37では,前ステップS36で求めた主周波数の,呼吸周波数としての妥当性を検証する。
例えば,主周波数が所定の周波数領域内(例えば,0.016Hz〜0.33Hz)であるかどうかを検証し,それ以外である場合は呼吸としては早すぎる,もしくは遅すぎるとして除外しても良い。
また,別の例としては,主周波数の強度が所定の閾値以下であった場合には,ノイズの可能性が高いため除外しても良い。
また,別の例としては,主周波数(ピーク)の強度が他の周波数よりも突出する度合いを評価し,突出度合いが少ない場合はノイズの可能性が高いため除外しても良い。突出する度合いを評価する手段としては,例えば下記ピークスコア(式2)を用いても良い。
Figure 0005740006
このピークスコアが予め定められた閾値(例えば,8.0)を下回る場合は,突出度合いが足りないと評価し、除外する。
以上で例示した条件で除外された場合は,当該日時の呼吸は「未検出」,除外されなかった場合は「検出成功」と判断する。
次に,ステップS38では,前ステップS36で算出した主周波数に60をかける事で,分毎の呼吸頻度を算出する。
最後に,ステップS39では,以上で算出した,各睡眠期間内の,各日時における分毎の呼吸頻度を,記録装置1100の呼吸推定データテーブル450に蓄積する。この時呼吸頻度は,ステップS37で当該日時の呼吸が「未検出」であると判断された場合は,未検出を表す値(例えば,「null」)を保持し,それ以外の場合はステップS38で算出した分毎の呼吸頻度を保持する。
また,以上の説明ではFFT(高速フーリエ変換)を用いて主となる周波数成分を検出する例を示したが,加速度データ内に含まれる周波数成分の強度が検出出来る方法であれば何でも良く,例えば自己相関を求めても良い。自己相関を用いる場合の主となる周波数成分とは,例えばτ=0の山以降の次に現れる山の頂点としても良い。また,ステップS37における呼吸周波数としての妥当性は,例えば選択されたτにおける相関係数が閾値以上である場合,などを含んでも良い。
また,以上の説明では主となる一つの周波数成分を検出し,この妥当性を検証し,妥当である場合は呼吸頻度として採用する例を示したが,例えば複数の突出した周波数成分を検出しても良い。その場合は,例えば上記ステップS37の説明のように,それぞれの妥当性を検証し,妥当であった周波数成分が複数ある場合は,例えば最も妥当であった周波数成分を選択しても良いし(例えば上で例示した条件から妥当性を示す指標を求めても良い),当該日時の一つ手前の日時で検出された呼吸頻度に最も近い周波数成分を選択しても良い。また別の手段として,これまでに当該装着者に関して算出された睡眠期間の呼吸数を平均化することで,就寝開始後の経過時間毎の平均呼吸頻度(呼吸トレンド)を算出し,当該日時の就寝開始後経過時間を算出し,呼吸トレンドに最も近い周波数成分を選択しても良い。
また,以上の説明では単位時間(例えば,1分)毎に,所定の期間(例えば,5分)のセンシングデータを切り出し,呼吸頻度を検出し,呼吸推定データテーブル450に蓄積する例を示したが,例えばより細かい間隔(例えば,1秒)毎に,所定の期間(例えば,5分)のセンシングデータを切り出し,呼吸頻度を検出し,所定の単位時間(例えば,1分)毎に,単位時間内に検出された全ての呼吸頻度を平均化することで,突発的なノイズに強くしても良い。
図13は,呼吸推定データテーブル450のフォーマットを示す説明図である。腕輪型センサノード1の装着者の識別子を格納するユーザID451と,所定の時間間隔の日時を格納する日時452と,推定された呼吸頻度,もしくは妥当な呼吸が検出されなかった場合には未検出を表す値(例えば,null)を格納する呼吸頻度453を保持する。
図25は、実施例1におけるライアントPC103の機能ブロック図である。
クライアントPC103は、例えば、主周期成分検出部2501と、呼吸情報取得成功判定部2502と、蓄積部2503とを有する。各部は、上述のようにプロセッサ107が呼吸推定プログラム400を実行することで実現される。
主周期成分検出部2501は、周期的に過去所定期間のセンシングデータを集計し、その主となる主周期成分を検出する。図12のステップS32〜S36の処理に相当する。呼吸情報取得成功判定部2502は、予め定められた判定条件に従い、該主周期成分が呼吸に依る周期成分として有効か否かを判定する。図12のステップS37の処理に相当する。蓄積部2503は、呼吸に依る周期成分として有効であると判定された場合にその主周期成分の周波数を呼吸頻度として時刻情報と対応して蓄積する。図4の呼吸頻度データテーブル450、図12のステップS374の処理に相当する。
図14は,クライアント計算機であるPC103の表示部1031に表示される睡眠表示画面1200の画面イメージである。PC103が睡眠表示画面1200を表示させるのは,入力装置1032を介した利用者からの表示要求を受け付けたことを起因としても良いし,呼吸推定プログラム400の実行終了を起因としても良いし,例えば無線等の手段で腕輪型センサノード1のセンシングデータをリアルタイムで取得する事が可能である場合は,装着者が起床した事を睡眠期間抽出プログラム300が検知した事を起因としても良い。なお,PC103で稼働するアプリケーションとしては,ブラウザを採用しても良いし,単独で稼働するアプリケーションが直接睡眠表示画面1200を表示しても良い。
睡眠表示画面1200はその日の主睡眠と,検知された呼吸頻度に関する情報を利用者に提示する画面の一例である。これは,表示対象となる日付を表示し,選択を可能とする日付コントロール1201と,データ集計プログラム200のステップS13で算出したスカラー量の一日の推移を示す,スカラー量グラフ1202と,この日から検出された睡眠期間,非装着期間を示す睡眠期間グラフ1203と,検知された呼吸頻度を示す呼吸頻度グラフ1204と,その日の呼吸のトレンドと,その人の最近の呼吸頻度のトレンドとを示す呼吸トレンドグラフ1205と,その日の睡眠の数値データやアドバイスを表示する睡眠メモパネル1206を有する。
日付コントロール1201は,画面上に表示されている日付を示すためのコントロールであり,また左右のボタンへの押下により前後の日が選択されるようにしても良い。
スカラー量グラフ1202は,データ集計プログラム200のステップS13で算出した,センシングデータをスカラー化し,バンドパスフィルタを適用したデータを表示するためのグラフである。これを表示することにより,直感的に睡眠中の体動量や,睡眠以外での活動量を利用者が知る事が出来る。表示するデータ量(例えば,24時間×60分×60秒×20サンプル=1728000データ点)が画面の幅(例えば,1280ピクセル)よりも大きい場合,画面内の1ピクセルの幅内に実際に含まれる複数のデータ点を表現する必要がある。この時,例えば1ピクセルの幅内に含まれるデータ点の中から一つを任意に選択して単一の点として描画しても良いし,1ピクセルの幅内に含まれる全てのデータ点の平均値を単一の点として描画しても良いし,図14(b)の描画例に示すように,1ピクセルの幅内に含まれる全てのデータ点の平均値を濃い色の単一の点として描画しつつ(12021),例えば平均値よりも高いデータ点の標準偏差と,平均値よりも低いデータ点の標準偏差を算出し,平均値より高い点の標準偏差から平均値より低い点の標準偏差までの領域を薄い色で塗りつぶす(12022)事で,利用者はデータの全貌を把握しつつ,より詳細に見た場合のデータの挙動(即ち,平均値から大きくばらつくか否か)を想起することが出来る。
睡眠期間グラフ1203は,睡眠期間抽出プログラム300で算出された睡眠期間を表示する領域である。表示対象となっている日付が含む全ての睡眠領域を,図示するように特定の色で塗りつぶし,また主睡眠を別の色で塗りつぶしても良い。また,睡眠期間はスカラー量グラフ1202に統合して,例えば半透明で上から表示しても良い。
呼吸頻度グラフ1204は,その日の睡眠期間中に検出された呼吸頻度を表示するためのグラフである。有効な呼吸頻度が算出された領域に関しては折れ線グラフを描画し,有効な呼吸頻度が算出されなかった領域は,例えば図示するように特定の色で塗りつぶす事に依り,呼吸未検出期間である事を示しても良い。
呼吸トレンドグラフ1205は,その日の呼吸の欠損値を補間することで得られる呼吸トレンドを,過去の呼吸トレンドと比較表示するグラフである。その日の呼吸トレンドは,例えばその日の主睡眠から検出された呼吸頻度について,「就寝後経過時間」をx軸にとり,「呼吸頻度」をy軸にとって例えば二次回帰式を近似し,この式に基づき,睡眠期間の開始から終了までの推定呼吸頻度を例えば実線でプロットしても良い。これにより,利用者は欠損している領域についても,呼吸数の推定値を知る事が出来る。また過去の呼吸トレンドは,当該利用者について今まで検出した全ての睡眠期間に含まれる呼吸頻度について,「就寝後経過時間」をx軸にとり,「呼吸頻度」をy軸にとって例えば二次回帰式y=(qA*x+qB*x+qC)を近似し,この式に基づき,睡眠期間の開始から終了までの過去のトレンド呼吸頻度を例えば破線でプロットしても良い。これにより,利用者はその日の睡眠が過去の睡眠と比較することで,例えば寝入りの呼吸数の高低や,就寝後の呼吸数の低下速度の緩急や,寝起き前の呼吸数の高低を知る事が出来る。以上の説明ではトレンドを算出するために二次回帰式を用いる例を示したが,呼吸頻度の補間が出来ればなんでもよく,例えば一次回帰式でも良い。また,過去の呼吸トレンドを算出する際に,当該利用者の過去のデータ全てを用いても良いし,所定の範囲内(例えば,過去3ヶ月間)のデータのみを用いても良いし,他の利用者もデータに含めても良いし,例えば利用者について性別や年齢などのプロフィール情報を保持している場合は,似たプロフィールの利用者のデータのみを含めて算出しても良い。
睡眠メモパネル1206は,その日の睡眠期間に関する数値データや,それに基づく利用者へのメッセージやアドバイスを表示する領域である。例えば,上記で算出する睡眠トレンドを用いて就寝直後の呼吸頻度を算出し,「就寝時呼吸数」として表示しても良い。さらに,過去の呼吸トレンドを用いて,通常の睡眠における就寝時呼吸数も「通常の就寝時呼吸数」として提示しても良い。また別の例として,上記で算出した二次回帰式y=(qA*x+qB*x+qC)の二乗項,即ちqAを「寝つき指標」として表示しても良い。qAは,就寝後に呼吸数がどれだけ急峻に低下するかの度合いを表す指標であり,呼吸数は睡眠が深くなると低くなることが知られているため,qAを寝つき指標として提示することで,利用者は自らの睡眠の寝つきの良さを知る事が出来る。この時,睡眠期間全ての呼吸頻度を用いて二次回帰式を近似しても良いし,就寝後所定時間(例えば,一時間)以内の呼吸頻度のみを用いて二次回帰式を近似しても良い。また,qAを,例えば多くの人にとって0〜10等の把握しやすい範囲に収まるように正規化して表示しても良い。更に,過去の呼吸トレンドを用いて,通常の睡眠における寝つき指標を算出し,「通常の寝つき指標」として提示しても良い。それ以外にも,例えば起床直前の呼吸頻度を「起床前呼吸数」として提示しても良いし,起床前一時間以内に算出された呼吸頻度のみを用いて二次回帰式を近似し,二次回帰式の二乗項qAの値を「寝起き指標」として提示しても良い。
更に,呼吸頻度や睡眠前後のセンシングデータに基づいて,良眠を得るためのアドバイスを利用者に提示しても良い。例えば,寝入り時の呼吸数が通常より高く,就寝直前(例えば,一時間)の活動量指標(例えば,スカラー量の絶対値の積算)が所定の値以上であった場合は,例えば寝る直前に運動した可能性があるため『眠くなる前に就床しているようですね。寝る前の運動は控えましょう』などのアドバイスを表示することで,寝る直前に運動して呼吸数が上がったまま寝ようとするのを控えさせる効果が期待できる。逆に,寝入り時の呼吸数が通常より高く,就寝直前の活動量指標が所定の値以下であった場合は,例えば飲酒の可能性があるため『お酒を飲みましたか?寝る前のお酒は睡眠を浅くするので控えましょう』などのアドバイスを表示することで,寝酒を控えさせる効果が期待できる。また,いつもより寝つき指標が高かった(寝つきが良かった)場合は例えば『いつもより良く寝つきました。お疲れだったようですね』と労う事で,利用者に自らの疲労状態を振り返らせる効果が期待できる。逆に,いつもより寝つき指標が低かった場合は例えば『いつもより寝つきが悪かったようですね。気が張っている時はお風呂に入ってリラックスしてみましょう』等のアドバイスを表示することで,寝つきが悪い時に効果のある療法を知らせる事が出来る。また,例えばその日の睡眠トレンドのqA項とqB項が共に0に近い(例えば,絶対値が所定の閾値以下)であった場合は呼吸数が最後まで殆ど下がっていない状態であり,例えば風邪をひいた時に見られる兆候であるため,『風邪を引きましたか?ゆっくり休んでください』などのアドバイスを送ることで,利用者に自分の体調の変化を気付かせる効果が期待できる。なお、これらのアドバイスを表示させるための閾値は、予め設定されることができる。
なお,上記実施形態では呼吸頻度推定システムとして利用者(人体)の睡眠中の活動状態を測定するために利用者の腕に装着される腕輪型センサノード1の3軸加速度センサを用いた例を示したが,非侵襲に人体の活動状態を検知可能なセンサであればよく,例えば,腕に装着した角速度センサでも良いし,3軸の加速度センサではなく,2軸や無軸の加速度センサでも良い。
また,上記実施形態では睡眠中の呼吸頻度を推定するシステムを例示したが,睡眠中ではなく覚醒中の呼吸頻度を推定することにも効果がある。例えば会議中に腕を組んだり,運動直後に息が上がったりしている状態でも,加速度センサに呼吸の周波数成分が反映されることがあるが,これについても上記と同じ手段により検知,提示が行える。
また本実施例は,呼吸の状態が断片的に反映されるセンサの例として腕に装着した加速度センサを用いた例を示したが,呼吸の状態が断片的にしか反映されないセンサであれば何でも本実施例は効果的に呼吸頻度を測定する事が出来る。例えば,寝具の上に装着した赤外線カメラで対象の動きを測定する場合は,睡眠姿勢によって呼吸の動きが映像上に反映されたりされなかったりするため,本実施例が適用出来る。また,例えば特許文献2に開示されるように,近年では企業内で社員が装着する名札バッジには加速度センサや対面センサが搭載されるようになってきているが,通常時は服の上に装着したバッジからでは呼吸運動が加速度データに反映されることはないものの,座り方の姿勢によっては呼吸運動が反映される事があるため,これについても本実施例を適用して呼吸頻度を精度良く推定する事が出来る。
また,上記実施形態では睡眠中の呼吸頻度を表示装置1031にグラフ等を用いて提示するシステムを例示したが,例えば図示しない手段により利用者が起床したい期間の設定を受け付け,その期間内に呼吸頻度が浅い眠りを示唆する挙動を示した場合に,図示しないベル等をならせる事により,利用者によって快適な起床を生じさせるシステムでも良い。浅い眠りを示唆する挙動とは,例えば推定呼吸頻度と過去のトレンドとの分数が所定の閾値を超えた場合でも良いし,例えば直近の所定の期間(例えば,5分間)の呼吸頻度が上昇傾向を示した場合でも良い。
上記で説明した実施形態により,腕に装着した加速度センサのように,多くの場合は呼吸運動がデータ内に反映されないセンサの出力データからも,精度良く呼吸頻度を推定する事が出来る。
本発明の第2の実施例として,人(利用者)に装着したセンサによって加速度データを測定し,睡眠中の呼吸頻度を算出し,睡眠中の呼吸頻度の増減からREM睡眠期間を推定し,利用者に提示するREM睡眠推定システムを示す。
まず,本実施例により解決される課題について説明する。人の睡眠はREM睡眠とNON−REM睡眠に分かれており,このうちREM睡眠とは通常の睡眠の約2割を占め,記憶の整理が行われていると考えられている期間である。身体の状態としては,脈拍及び呼吸がNON−REM時よりも乱れ,頻度も早くなる事が知られている。そのため,特許文献3ではこの事を利用し,脈拍数が所定の閾値以上である期間をREM睡眠として認識する技術が開示されている。また,心拍と呼吸は生理的に同じ系で制御されるため,心拍数ではなく呼吸頻度を用いた場合でも同発明でREM睡眠の検知が行える。例えば図23(a)で示した呼吸頻度の実測値では,60〜90分おきに山が生じている様子が示されているが,この山を生じさせているのが,REM睡眠である。
一方で,当該特許文献3では閾値の設定の仕方について具体的な言及がない。実際の睡眠では,図23(a)に示したように,就寝後から起床まで,基礎呼吸頻度(NON−REM中の呼吸数)は経時的に低下し続け,REM中の呼吸数もそれに応じて低下する。そのため,睡眠全体を通して単一のREM睡眠の閾値を設ける事は出来ない。何故なら,睡眠の後半におけるREM中の呼吸頻度は,睡眠の前半におけるNON−REMの呼吸頻度程度であることは多々あるからである。
また基礎呼吸頻度の絶対値や下がり方自体が人や季節によって違うため,人毎に違う閾値を設定する必要がある。
更に,図23(a)のように睡眠期間中の呼吸頻度が端から端まで測定出来る場合であれば「山」を検知することでREMの推定が行えるが,図15(b)に例示したように,腕輪型の加速度センサからは推定呼吸数は断片的にしか得られない。そのため,呼吸頻度が通常より高いところを発見するのは容易ではない。
本発明者らは,ある利用者の過去一週間程度の推定呼吸数を用いて当該利用者の経時的な基礎呼吸頻度を推定し,基礎呼吸数よりも高い呼吸頻度が測定された箇所をREM睡眠と認識することで,腕輪型加速度センサから得られる断片的な推定呼吸頻度からでも高い精度でREM睡眠を推定出来る事を見出した。
この事の詳細,そして本実施例における処理の一例を図で説明する。
図15(a)は,ある睡眠についてEOG(眼電図)から実測されたREM睡眠の期間を黒く示したものである。大体90分周期程度で生じていることが分かる。
図15(b)は,同期間について腕輪型加速度センサを用いて推定された呼吸頻度である。これを見るだけでは,呼吸頻度が通常よりも高い箇所を判別する事は出来ない。
図15(c)は,当該利用者の過去一週間の睡眠を用いて,就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を推定し,呼吸頻度と共にプロットした図である。基礎呼吸頻度は,各主睡眠の開始(就寝)後の経過時間と,実測呼吸頻度の二軸に対する二次回帰式の近似によって推定した。基礎呼吸頻度のカーブは,寝入り時の呼吸頻度16程度から,起床時の呼吸頻度14程度まで単調に減少している事が分かる。またこれにより,当該睡眠において呼吸頻度が通常よりも高い領域が明らかになった(黒い矢印)。そしてそれらが図15(a)に示したREM睡眠期間とも一致している事が分かる。
図15(d)は,まず当該睡眠期間において推定された呼吸頻度と,基礎呼吸頻度カーブとの乖離を算出し,更に補間した図である。乖離は推定呼吸頻度と基礎呼吸頻度の分数(比),即ち
Figure 0005740006
として定義する。更に,このデータは欠損値を多く含むため,3次スプライン補間により平滑化,補間を行っている。図上では呼吸乖離が1.0以上,即ち呼吸頻度が基礎呼吸頻度を上回った箇所のみを描画している。
図15(e)は,前記補間した呼吸乖離が連続的に1.0を上回った期間を,REM候補期間として示している。この段階で,REM候補期間に関する種々の特徴量,例えば継続時間や,最大呼吸乖離等を算出する。
図15(f)は,各REM候補期間がREMであるか否かを,例えば公知の機械学習により判別し,REMであると判別されたものを示している。これにより,図15(a)で実測されたREM睡眠を高い精度で推定出来ているという事が分かる。
以下に,REM睡眠推定システムを実現するためのシステム構成の例を示す。尚,実施例1の呼吸頻度推定システムの構成と同一のものには,同一符号を付すことで,その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図16は,本実施例のREM睡眠推定システムの各構成要素を示すブロック図である。腕輪型センサノード1が送信したセンシングデータは,基地局102を介してクライアント(PC)104の記録装置1100のセンシングデータテーブル1150に蓄積される。もしくは図示しない有線通信を介して直接PC104と通信してもよい。
PC104は,各種情報を表示する表示装置(出力装置)1041と利用者の操作によって様々な情報の入力を可能とする入力装置1042を具備する。表示装置1041は液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示端末のほか,プリンタや画像ファイル出力でも良い。また,音を発生させるスピーカを具備していても良い。入力装置1042はキーボード,マウス等の入力用機器である。また,表示装置1041と入力装置1042はタッチパネル式ディスプレイのような,両方の機能を備える単体の機器でも良い。
またPC104は,プロセッサ107と,メモリ108及び記録装置1100を備える。記録装置1100は,後述する各種プログラム,各種データテーブルを記録するものであり,例えば,ハードディスクドライブやCDーROMドライブ,フラッシュメモリなどである。なお,複数の記録装置に各種プログラム,各種データテーブルを分割して記録するようにしてもよい。
プロセッサ107は,記録装置1100に記録されている各種プログラムをメモリ108に読み出して実行することにより各種機能を実現する。具体的には,データ集計プログラム200を実行することにより,利用者の腕の加速度センサで測定されたセンシングデータを集計し,単位時間(例えば,1分間)毎の集計値を算出し,記録装置1100の集計データテーブル250に格納する。また,睡眠期間抽出プログラム300を実行することにより,算出した単位時間毎の集計値を解析し,全ての睡眠期間を検出し,記録装置1100の睡眠期間データテーブル350に格納する。また呼吸頻度推定プログラムを実行することにより,検出した睡眠期間から単位時間(例えば,一分間)毎の呼吸頻度を推定し,記録装置1100の呼吸頻度データテーブル450に格納する。またREM推定プログラム500を実行することにより,推定した呼吸頻度からREM睡眠の期間を推定し,REMデータテーブル550に格納する。
なお,以下では,PC104が,データ集計プログラム200と睡眠期間抽出プログラム300と呼吸頻度推定プログラム400とREM推定プログラム500を定期的な周期で実行し,もしくは腕時計型センサノード1との通信を起因として実行し,更に入力装置1042の操作,もしくはPC104の起動,もしくは呼吸頻度推定プログラム400の実行の終了を起因として表示装置1041に表示データを提示する例を示す。
図17は,本実施例のシステムで行われるデータ処理の全体的な流れを示すフローチャート図である。
ステップS2.1〜2.3は,第1の実施例におけるS1〜S3と同一でも良い。
ステップS2.4では,PC104はREM推定プログラム500を実行して,睡眠期間データテーブル350に格納された各睡眠期間について,期間内に検出された呼吸頻度を呼吸頻度データテーブル450から取得し,更に就寝後経過後の単位時間(例えば,1秒)毎の基礎呼吸頻度を,例えば過去所定の期間(例えば一週間)の呼吸頻度データを用いて算出し,測定された呼吸頻度と基礎呼吸頻度の乖離を呼吸乖離として算出し,呼吸乖離が所定の条件(例えば,予め定められた閾値を超えているなど)を満たす期間をREM睡眠期間として検出し,REMデータテーブル550に格納する。なおREM推定プログラム500を所定の周期(例えば,5分間)毎に実行しても良いし,呼吸頻度推定プログラム400の終了を起因として実行しても良い。
次に,ステップS2.5では,REM推定プログラム500に格納されたREM期間をクライアント計算機104の表示部1041に提示する。
尚,データ集計プログラム200,及び睡眠期間抽出プログラム300,及び呼吸頻度推定プログラム400は,例えば第1の実施例における構成と同一でも良い。
図18は,PC104のREM推定プログラム500で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
まず,睡眠期間抽出プログラム300の実行により抽出した睡眠期間データ(例えば、所定ユーザの睡眠開始時刻及び睡眠終了時刻)を睡眠期間データテーブル350から読み込む(ステップS41)。ここで読み込む集計データの量は,例えば過去のREM推定プログラム500の実行によって既に格納されている最後のREM期間の終了時刻以降全て,等に設定すればよい。
次に,ステップS42〜47では,ここで読み込んだ各睡眠期間について個別に処理を行う。
ステップS42では,一つの睡眠期間内に含まれる,呼吸頻度推定プログラム400により算出された呼吸頻度を全て読み込む。
次に,ステップS43では,当該睡眠期間以前の所定の期間(例えば,一週間)分の全ての主睡眠の呼吸頻度から,就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を算出する。基礎呼吸頻度は,前記所定の期間の呼吸頻度の「就寝後経過時間」をx軸にとり,「呼吸頻度」をy軸にとって二次回帰式y=(qA*x+qB*x+qC)を近似し,この式に基づき,睡眠期間の開始から終了までの基礎呼吸頻度を算出する。なお、就寝後経過時間は、1日における睡眠の開始時間(就寝時刻)からの経過時間を用いることができる。また基礎呼吸頻度の算出方法は,呼吸頻度の補間が出来ればなんでもよく,例えば一次回帰式でも3次スプライン法でも移動平均でも良い。また,基礎呼吸頻度を算出する際に,当該利用者の過去のデータ全てを用いても良いし,所定の範囲内(例えば,一週間)のデータのみを用いても良いし,他の利用者もデータに含めても良いし,例えば利用者について性別や年齢などのプロフィール情報を保持している場合は,似たプロフィールの利用者のデータのみを含めて算出しても良い。
次に,ステップS44では,当該睡眠期間中に検出された呼吸頻度と,前記ステップで算出した基礎呼吸頻度との乖離を算出し,欠損値を補間する。乖離は,例えば分数,即ち以下の式で定義しても良い。
Figure 0005740006
更に,算出した呼吸乖離の欠損部分,つまり呼吸が未検出の部分を3次スプライン法等の方法で補間しても良い。またこの時,ある欠損している日時において,正常に検出された最後の呼吸,もしくは次の呼吸が所定の期間(例えば,5分)以上前,もしくは後である場合,補間せずに欠損値のままにしておくことで,情報量が少ない領域において過度な補間が行われるのを防ぐ事が出来る。また欠損値以外にも,正常に呼吸頻度が検出された部分についても補間値で置き換える事に依り,呼吸乖離を平滑化する事が出来る。また一度補間をかけたあと,再度補間をかけても良い。
次に,ステップS45では,前記算出した呼吸乖離が,例えば所定の閾値以上(例えば,1.0)を連続的に超えていた期間を一つのREM候補期間として抽出する。
次に,ステップS46では,前記抽出した全てのREM候補期間に対してREMであるか否かを判別し,REM期間を確定する。まず,各REM候補期間から期間に関する種々の特徴量を算出する。
特徴量として,例えばREM候補期間の継続時間を含んでも良い。通常の睡眠でREM睡眠が15分以上継続することは稀であるため,それ以上続くREM候補期間は実際のREM睡眠である可能性は低いと判断出来る。
また別の特徴量として,例えばREM候補期間中の呼吸乖離の最大値を含んでも良い。呼吸乖離の最大値が低すぎる(予め定められた閾値より低い)場合は,REM睡眠である可能性が低いと判断出来る。
また別の特徴量として,例えばREM候補期間開始後に呼吸乖離の最大値が生じるまでの経過時間や,これをREM候補期間の継続時間で割ったものを含んでも良い。REM睡眠中の呼吸乖離は,上昇期間と下降期間が同じぐらいの時間であるため,極端に経過時間が開始直後,もしくは終了間際に寄っている場合はREM睡眠である可能性は低いと判断出来る。
また別の特徴量として,REM候補期間中に,ステップS44で補間されたデータ点の割合を特徴量として含んでも良い。補間されたデータ点が多い場合は,該REM候補期間の信頼度も少なく考えるべきである。
また別の特徴量として,REM候補期間中の呼吸乖離を二次回帰式y=(qA*x+qB*x+qC)の各係数,qA,qB,qCを特徴量として含んでも良い。REM睡眠時の呼吸乖離は綺麗な山型である事が多いため,これら係数を用いる事で,山型の評価を行う事が出来る。なお、上述の特徴量による判別は、予め定められた閾値等により行うことができる。
以上の説明で挙げた特徴量群は例であり,以上以外の特徴量を用いる事も出来る。
これらの特徴量のひとつ又は複数を含む特徴ベクトルを用いて,REM候補期間がREM睡眠であるか否かを判別する。判別のためには,事前にREM睡眠の学習データを用いて学習したモデルを用いても良い。この際の学習アルゴリズムとして,例えば非特許文献3に開示されるサポートベクトルマシン(SVM)を用いても良いし,判別分析が行えるアルゴリズムであれば何でもよい。このステップでREM睡眠と判別されたREM候補期間を,REM睡眠と確定する。
REM睡眠の判定は、以下のようにすることもできる。
例えば、実測された呼吸頻度と基礎呼吸頻度との乖離が所定の傾き以上で所定の時間以上増加する場合にREM睡眠の開始と判定し、所定の終了条件に基づいてREM睡眠の終了とする。ここで、REM睡眠の終了条件は、REM睡眠の開始から所定の時間が経過する事を含むことができる。また、REM睡眠の終了条件は、実測もしくは補間された呼吸頻度と基礎呼吸頻度の分数が所定の傾き以下で所定の時間以上単調減少する事を含むことができる。さらに、REM睡眠の終了条件は、センシングデータに基づき呼吸以外の体動が検知される事を含むことができる。
次に,ステップS47では,前記ステップでREM睡眠と確定されたREM候補期間を,REMデータテーブル550に蓄積する。
以上の説明では,呼吸頻度が基礎呼吸頻度よりも上昇した箇所を検知する事で,REM睡眠を抽出する例を示した。この方法では,呼吸がそもそも検知されていない領域(時間帯)についてはREM睡眠を検知する事が出来ない。一方で,REM睡眠は多くの人にとって大体90分周期程度で生じることが知られている。そこで,発見されたREM睡眠から所定の時間間隔(例えば,90分)の整数倍分に前後(つまり,90分前,90分後,180分前,180分後,270分前,...など)の領域をREM睡眠と判定することで補間しても良い。またこの時,90分ではなく,この装着者に関して検知されたすべてのREM睡眠期間から適切な時間間隔(REM睡眠間隔)を算出して、算出された時間間隔を用いても良い。その算出方法としては,例えば全てのREM睡眠からその次のREM睡眠までの時間間隔を算出し,それらのうち例えば135分以下であった時間間隔のみの平均値を取る事で、装着者のREM睡眠の平均的な時間間隔を算出しても良い。別の例としては,全てのREM睡眠からその次のREM睡眠までの時間間隔を算出し,時間間隔が135分以上である場合は,当該時間間隔を割る事で135分未満になるような整数の徐数を選択し(例えば,間隔が330分なら,徐数を4とすることで82.5分が得られる),選択した徐数で割った結果の平均を取ることで,その装着者にとって好適なREM睡眠の時間間隔が算出される。なお、135分未満でかつ90分に最も近くなるようにしてもよい(例えば、間隔が330分なら、徐数3で110分であるが、徐数4で82.5分にしたほうが90分に近い)。この時間間隔は,計算対象となっている睡眠期間のみから算出しても良いし,この装着者についてこれまで算出された時間間隔の平均等を用いても良い。また,補正によって判定するREM睡眠の継続時間は所定の時間(例えば,15分間)でも良いし,これまでその装着者に関して検知された全てのREM睡眠期間の平均継続時間でも良い。
図19は,REMデータテーブル550のフォーマットを示す説明図で,腕輪型センサノード1の装着者の識別子を格納するユーザID551と,REM睡眠と確定されたREM候補期間の開始日時を格納するREM開始日時552と,該期間の終了日時を格納するREM終了日時553を保持する。また,REM候補期間の判別に用いた判別アルゴリズムが判別の尤度や信頼度を算出出来る場合,この情報もREM期間と共に格納しても良い。またREM期間を補間する手段が備わっている場合は,補間フラッグをREM期間と共に格納しても良い。
図26は、実施例2におけるクライアントPC103の機能ブロック図である。
クライアントPC103は、例えば、実施例1の呼吸測定システム2500と、睡眠検知部2601と、基礎呼吸頻度算出部2602と、乖離算出部2603と、REM睡眠判定部2604と、第2蓄積部2605とを有する。各部は、上述のようにプロセッサ107が各プログラム200、300、400及び500を実行することで実現される。
睡眠検知部2601は、センシングデータから睡眠を検知する。図17のステップS2.2、図5のステップS2の処理に相当する。基礎呼吸頻度算出部2602は、呼吸測定システム2500の蓄積部2503に蓄積された所定期間の呼吸頻度と時刻情報とに基づき、就寝後経過時間毎の呼吸頻度を統計した就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を算出する。図18のステップS42、S43の処理に相当する。乖離算出部2603は、算出された基礎呼吸頻度と実測され蓄積部2503に蓄積された呼吸頻度との乖離を、就寝後経過時間毎に算出する。図18のステップS44の処理に相当する。REM睡眠判定部2604は、基礎呼吸頻度と実測された呼吸頻度との乖離からREM睡眠を判定する。図18のステップS45、S46の処理に相当する。第2蓄積部2605は、判定されたREM睡眠の時刻情報を蓄積する。図18のステップS47の処理に相当する。
図27は、REM睡眠判定部2604の詳細ブロック図である。
REM睡眠判定部2604は、例えば、REM候補期間抽出部2701と、特徴量算出部2702と、REM候補期間判別部2703とを有する。
REM候補期間抽出部2701は、呼吸頻度と基礎呼吸頻度との乖離が連続して予め定められた第2閾値以上であった期間をREM候補期間として抽出する。特徴量算出部2702は、前記REM候補期間における特徴量を含む特徴ベクトルを算出する。REM候補期間判別部2703前記特徴ベクトルに基づいて前記REM候補期間がREM睡眠であるか否かを判定する。
図20は,クライアント計算機であるPC104の表示部1041に表示されるREM表示画面1300の画面イメージである。PC104がREM表示画面1300を表示させるのは,入力装置1042を介した利用者からの表示要求を受け付けたことを起因としても良いし,REM推定プログラム500の実行終了を起因としても良いし,例えば無線等の手段で腕輪型センサノード1のセンシングデータをリアルタイムで取得する事が可能である場合は,装着者が起床した事を睡眠期間抽出プログラム300が検知した事を起因としても良い。なお,PC104で稼働するアプリケーションとしては,ブラウザを採用しても良いし,単独で稼働するアプリケーションが直接REM表示画面1300を表示しても良い。
REM表示画面1300はその日の主睡眠と,検知された呼吸頻度と,REM睡眠に関する情報を利用者に提示する画面の一例である。これは,表示対象となる日付を表示し,選択を可能とする日付コントロール1301と,データ集計プログラム200のステップS13で算出したスカラー量の一日の推移を示すスカラー量グラフ1302と,この日から検出された睡眠期間,非装着期間を示す睡眠期間グラフ1303と,検知された呼吸頻度を示す呼吸頻度グラフ1304と,その日のREM睡眠を検知するREMパネル1305と,その日の睡眠の数値データやアドバイスを表示する睡眠メモパネル1306を有する。
なお,要素1301,1302,1303,1304は,第1の実施例における睡眠画面1200の1201,1202,1203,1204とそれぞれ同一でも良いため,以下の説明においては詳細説明を省く。
REMパネル1305は,REM推定プログラム500で推定されたREM睡眠の期間を表示する領域である。図面のように,呼吸頻度から直接推定されたREM期間(実線枠)と,欠損部分について90分周期毎に補間したREM期間(破線枠)を区別して描いても良い。また,例えばREM期間の枠内に,REM期間の開始日時,終了日時,経過時間,推定の信頼度等の情報を表示しても良い。
睡眠メモパネル1306は,その日の睡眠期間に関する数値データや,それに基づく利用者へのメッセージやアドバイスを表示する領域である。例えば,その日の就寝後,最初のREM期間が現れるまでの時間をREM潜時とし,過去所定の時間(例えば,半年)のREM潜時の平均値を通常REM潜時として表示しても良い。REM潜時は,睡眠不足気味になると長くなり,例えばうつ病では短くなる事が知られている。そのためREM潜時を通常と比べて表示することで,装着者が自分の体調を省みるきっかけとなる。また,起床前に最後のREM睡眠から経過した時間を例えば「すっきり目覚め指数」として表示しても良い。通常,REM睡眠から時間がたてばたつほど眠りが深くなり,眠りが深い状態で起床してしまうと目覚めが良くないとされている。そのため,REM睡眠からの経過時間を表示することで,自らの目覚め方を振り返るきっかけとなる。またこれら以外にも,睡眠中を占めるREM睡眠の割合や,REM睡眠期間の回数,REM睡眠間の時間間隔の平均値などを提示しても良い。
更に,呼吸頻度や睡眠前後のセンシングデータに基づいて,睡眠についてのコメントやアドバイスを利用者に提示しても良い。例えば,REM潜時が90分より大幅に長い場合は睡眠不足が疑われるため,「睡眠不足気味のようですね」などのコメントを提示することで,利用者に自らの生活パターンを見直すきっかけを与えてもよい。
以上の説明では,腕輪型センサノード1のセンシングデータから呼吸頻度を算出し,REM睡眠の期間を推定し,表示部1041に提示する実施の形態を説明したが,例えば表示部1041に音声を発するブザーやスピーカが備わっている場合,装着者が設定した時間(例えば,6時から6時半など)の間にREM睡眠が終了したことを起因として音声を発生させることで,REM睡眠が終了した間際の一番すっきり目覚めやすいタイミングで起床させる事が出来る。なお、REM睡眠が終了したタイミング以外にも、REM睡眠中の適宜のタイミングでもよい。また,前述の通りREM睡眠中には記憶の整理が行われるため,受験勉強を徹夜で行っており,小休憩として寝る場合はREM睡眠も経る事が望ましい。そこで,就寝後最初のREM睡眠が終了したことを起因として音声を発生させることで,効率よく短期記憶の定着化を促す事が出来る。
上記で説明した実施形態により,腕に装着した加速度センサから算出した欠損値を多く含む呼吸頻度からでも,精度良くREM睡眠を推定する事が出来る。
(変形例)
上述のREM睡眠判定は、センシングデータから呼吸を表すデータ(例えば呼吸頻度)を意識して求めなくてもよく、センシングデータから上述と同様の処理でREM睡眠を判定してもよい。例えば、REM睡眠判定方法は、
腕に装着され腕の動きを示すセンシングデータを取得するセンサからのセンシングデータを過去所定期間について集計し、その主となる主周期成分を検出するステップと、
該主周期成分が、予め定められた周波数範囲である場合にその主周期成分の周波数を時刻情報と対応して蓄積するステップと、
センシングデータから睡眠を検知するステップと、
蓄積された主周期成分の周波数と時刻情報とに基づき、就寝後経過時間毎の基礎周波数データを算出するステップと、
算出された基礎周波数データと蓄積された主周期成分の周波数との乖離を算出するステップと、
算出された乖離に基づきREM睡眠を判定するステップと、
判定されたREM睡眠の時刻情報を蓄積するステップと
を含むように構成することができる。
1 腕輪型センサノード
6 センサ
10 基板
11 ケース
12 バンド
103 クライアント計算機(PC)
107 プロセッサ
108 メモリ
1100 記憶装置
250 集計データテーブル
350 睡眠期間データテーブル
450 呼吸頻度データテーブル
1150 センシングデータテーブル
2500 呼吸測定システム
2501 主周期成分検出部
2502 呼吸情報取得成功判定部
2503 蓄積部
2601 睡眠検知部
2602 基礎呼吸頻度算出部
2603 乖離算出部
2604 REM睡眠判定部
2605 第2蓄積部
2701 REM候補期間抽出部
2702 特徴量算出部
2703 REM候補期間判別部

Claims (19)

  1. 腕に装着して腕の動きを示すセンシングデータを取得するセンサと、
    周期的に過去所定期間のセンシングデータを集計し、その主となる主周期成分を検出する主周期成分検出部と、
    主周期成分の大きさ又は周波数に関する予め定められた判定条件に従い、該主周期成分が呼吸に依る周期成分として有効か否かを判定する呼吸情報取得成功判定部と、
    呼吸に依る周期成分として有効であると判定された場合にその主周期成分の周波数を呼吸頻度として時刻情報と対応して蓄積する蓄積部と
    を備えた呼吸測定システム。
  2. 前記主周期成分検出部は、センシングデータのスカラー値をFFTした演算結果の最大ピークを前記主周期成分とする請求項1に記載の呼吸測定システム。
  3. 前記呼吸情報取得成功判定部における判定条件は、主周期成分のパワー値が予め定められた第1閾値以上であれば、呼吸に依る周期成分として有効であると判定することを含む請求項1に記載の呼吸測定システム。
  4. 前記呼吸情報取得成功判定部における判定条件は、主周期成分のパワー値が、該主周期成分まわりの第1の範囲内の周期成分のパワー値と比較して、所定量以上突出していれば、呼吸に依る周期成分として有効であると判定することを含む請求項1に記載の呼吸測定システム。
  5. 前記呼吸情報取得成功判定部における判定条件は、主周期成分の周波数が予め定められた第2の範囲内にあれば、呼吸に依る周期成分として有効であると判定することを含む請求項1に記載の呼吸測定システム。
  6. 前記センサは、装着される腕の加速度データを取得する加速度センサ又は装着される腕の角速度データを取得する角速度センサである請求項1に記載の呼吸測定システム。
  7. 請求項1に記載の呼吸測定システムと、
    センシングデータから睡眠を検知する睡眠検知部と、
    前記呼吸測定システムの蓄積部に蓄積された所定期間の呼吸頻度と時刻情報とに基づき、就寝後経過時間毎の呼吸頻度を統計した就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を算出する基礎呼吸頻度算出部と、
    算出された基礎呼吸頻度と実測され前記蓄積部に蓄積された呼吸頻度との乖離を、就寝後経過時間毎に算出する乖離算出部と、
    基礎呼吸頻度と実測された呼吸頻度との乖離からREM睡眠を判定するREM睡眠判定部と、
    判定されたREM睡眠の時刻情報を蓄積する第2蓄積部と
    を備えたREM睡眠判定システム。
  8. 前記基礎呼吸頻度算出部は、前記蓄積部に蓄積された、複数の睡眠についての呼吸頻度から就寝後経過時間毎の平均値を算出することで、就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を算出する請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
  9. 前記基礎呼吸頻度算出部は、前記蓄積部に蓄積された、複数の睡眠についての呼吸頻度を所定の項数の多項式で近似することで、就寝後経過時間毎の基礎呼吸頻度を算出する請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
  10. 前記乖離算出部は、呼吸頻度が蓄積されなかった期間を所定の補間法により補間する請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
  11. 前記乖離算出部における補間法は三次スプライン補間法である請求項10に記載のREM睡眠判定システム。
  12. 前記乖離算出部により算出される乖離は、実測された呼吸頻度と、基礎呼吸頻度との分数で表される請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
  13. 前記REM睡眠判定部は、
    呼吸頻度と基礎呼吸頻度との乖離が連続して第2閾値以上であった期間をREM候補期間として抽出するREM候補期間抽出部と、
    前記REM候補期間における特徴量を含む特徴ベクトルを算出する特徴量算出部と、
    前記特徴ベクトルに基づいて前記REM候補期間がREM睡眠であるか否かを判定するREM候補期間判別部と
    を有する請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
  14. 前記特徴ベクトルは、
    REM候補期間の継続時間、REM候補期間中の実測もしくは補間された呼吸頻度と基礎呼吸頻度の乖離の最大値、REM候補期間開始後に最大呼吸頻度が生じるまでの経過時間、もしくはこの経過時間のREM候補期間の継続時間を母数とした割合、REM候補期間中に補間された呼吸数が占める割合、及び、REM候補期間中の呼吸頻度を二次回帰式で近似した時の各係数、のうち少なくともひとつの特徴量を含む請求項13に記載のREM睡眠判定システム。
  15. 前記REM睡眠判定部は、実測された呼吸頻度と基礎呼吸頻度との乖離が所定の傾き以上で所定の時間以上増加する場合にREM睡眠の開始と判定し、所定の終了条件に基づいてREM睡眠の終了とする請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
  16. REM睡眠の前記終了条件は、REM睡眠の開始から所定の時間が経過する事を含む請求項15に記載のREM睡眠判定システム。
  17. REM睡眠の前記終了条件は、実測もしくは補間された呼吸頻度と基礎呼吸頻度の分数が所定の傾き以下で所定の時間以上単調減少する事を含む請求項15に記載のREM睡眠判定システム。
  18. REM睡眠の前記終了条件は、センシングデータに基づき呼吸以外の体動が検知される事を含む請求項15に記載のREM睡眠判定システム。
  19. 前記REM睡眠判定部で判定された複数のREM睡眠の間隔に基づくREM睡眠間隔に従い、該REM睡眠間隔の倍数分の期間もREM睡眠と判定する請求項7に記載のREM睡眠判定システム。
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