JP2016067811A - 生体情報検出システム、生体情報検出装置及び生体情報検出システムの制御方法 - Google Patents

生体情報検出システム、生体情報検出装置及び生体情報検出システムの制御方法 Download PDF

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Minoru Hasegawa
稔 長谷川
黒田 真朗
Masaaki Kuroda
真朗 黒田
有亮 ▲高▼▲橋▼
有亮 ▲高▼▲橋▼
Yusuke Takahashi
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Abstract

【課題】脈波情報及び体動情報を蓄積し、脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報を用いることで、ユーザーの睡眠状態を適切に判定する生体情報検出システム、生体情報検出装置及び生体情報検出システムの制御方法等を提供する。【解決手段】生体情報検出システム100は、ユーザーの脈波情報を取得する脈波情報取得部110と、ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部120と、脈波情報及び体動情報を蓄積して記憶する記憶部130と、処理部140を含み、処理部140は、所与の期間における脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報に基づいて、ユーザーの睡眠状態の判定を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、生体情報検出システム、生体情報検出装置及び生体情報検出システムの制御方法等に関する。
従来、加速度センサーを内蔵しユーザーが常時着用することで、その体動情報を取得することができる活動量計において、体動情報を解析することで、ユーザーの睡眠時刻や睡眠の質を表示するシステムが利用されている。
また、脳波や脈拍間隔などの生体情報を解析することで、深睡眠・浅睡眠・レム睡眠等の睡眠段階を判定するシステムも利用されている。さらには、生体情報取得センサーと体動情報取得センサーの両方を用いて、より精度の高い睡眠時刻や、睡眠段階判定を行うシステムが開発されている。これらの技術から、睡眠時間の算出、睡眠の質の判定が必要とされていることがうかがえる。
例えば特許文献1には、脈拍間隔データと、体動データを用いて、睡眠状態を判定する装置が開示されている。特許文献1では、脈拍間隔データの演算から自律神経バランスを算出し、自律神経指標に基づいて、深睡眠、レム睡眠等の判定を行っている。
特開2005−279113号公報
特許文献1に開示された手法のように、脈波情報から求められる値(例えば脈拍数や脈拍間隔)と所与の閾値との比較処理、或いは体動情報から求められる値(例えば加速度の値)と所与の閾値との比較処理といったように、所与のタイミングでの情報を用いて睡眠状態を判定する手法は広く知られていた。これは例えば、最新のタイミングでの情報を用いた逐次処理に相当する。
しかし、逐次処理だけでは十分に精度の高い睡眠判定を行うことが困難な状況も考えられる。特許文献1等の従来手法では、ある程度の期間での脈波情報、体動情報を蓄積しておき、蓄積された情報から睡眠判定を行う手法は開示されておらず、また蓄積された情報を用いる場合に、脈波情報と体動情報をどのように組み合わせることが効果的かという点も開示がない。
本発明の幾つかの態様によれば、脈波情報及び体動情報を蓄積し、脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報を用いることで、ユーザーの睡眠状態を適切に判定する生体情報検出システム、生体情報検出装置及び生体情報検出システムの制御方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、ユーザーの脈波情報を取得する脈波情報取得部と、前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部と、前記脈波情報及び前記体動情報を蓄積して記憶する記憶部と、処理部と、を含み、前記処理部は、所与の期間における前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの睡眠状態の判定を行う生体情報検出システムに関係する。
本発明の一態様では、脈波情報と体動情報を取得、蓄積し、脈波情報の変化情報と体動情報の変化情報に基づいて睡眠状態の判定を行う。これにより、所与の1タイミングでの脈波情報、体動情報を用いた処理(逐次処理)に比べて、精度よく睡眠状態の判定を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記脈波情報の変化情報に基づいて、前記体動情報の変化情報を用いた前記睡眠状態の判定における判定条件を設定してもよい。
これにより、脈波情報の変化情報に応じて、複数の判定条件を使い分けること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記脈波情報の変化情報の変化幅が第1の変化幅である場合に、第1の判定条件により前記体動情報の変化情報を用いた前記睡眠状態の判定を行い、前記脈波情報の変化情報の変化幅が前記第1の変化幅よりも小さい第2の変化幅である場合に、前記第1の判定条件に比べて前記ユーザーが前記睡眠状態と判定されにくい第2の判定条件により、前記体動情報の変化情報を用いた前記睡眠状態の判定を行ってもよい。
これにより、脈波情報の変化幅に応じて、複数の判定条件を使い分けること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記体動情報は、加速度センサーにより得られる加速度であり、前記脈波情報は、脈波センサーにより得られる脈拍数であり、前記処理部は、前記体動情報の変化情報に基づいて、前記加速度が加速度閾値を継続して下回ったと判定された加速度低下期間を特定し、前記脈波情報の変化情報に基づいて、前記加速度低下期間における前記脈拍数が脈拍数閾値を下回ったと判定された時間の累計である睡眠判定累計時間を求め、前記加速度低下期間と前記睡眠判定累計時間に基づいて、前記睡眠状態の判定を行ってもよい。
これにより、脈波情報として脈拍数を用い、体動情報として加速度を用いるとともに、それぞれから求められた加速度低下期間と睡眠判定累計時間に基づいて睡眠状態を判定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記睡眠判定累計時間が脈拍累計時間閾値以上と判定された場合には、前記加速度低下期間の長さと第1の加速度累計時間閾値を用いた閾値判定により前記睡眠状態の判定を行い、前記睡眠判定累計時間が前記脈拍累計時間閾値より小さいと判定された場合には、前記第1の加速度累計時間閾値よりも大きい値である第2の加速度累計時間閾値と前記加速度低下期間の長さとを用いた閾値判定により前記睡眠状態の判定を行ってもよい。
これにより、睡眠判定累計時間を用いた閾値判定の結果に応じて、加速度低下期間の長さを用いた閾値判定における閾値を変更すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記ユーザーが前記睡眠状態を開始したと判定された後であって、前記加速度が第2の加速度閾値を継続して上回ったと判定された加速度増加期間を特定し、前記加速度増加期間が第3の加速度累計時間閾値以上と判定された場合に、前記加速度増加期間の開始タイミングにおいて前記ユーザーの前記睡眠状態が終了したと判定してもよい。
これにより、加速度増加期間を用いて睡眠状態の終了タイミングを判定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記ユーザーが前記睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、前記睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合に比べて、前記第1の加速度累計時間閾値及び前記第2の加速度累計時間閾値の少なくとも一方を小さく設定してもよい。
これにより、睡眠ウィンドウ情報が取得されたか否かに応じて、加速度低下期間の長さを用いた閾値判定における閾値を変更すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記ユーザーが前記睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、前記睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合に比べて、前記第3の加速度累計時間閾値を大きく設定してもよい。
これにより、睡眠ウィンドウ情報が取得されたか否かに応じて、加速度増加期間の長さを用いた閾値判定における閾値を変更すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記ユーザーが前記睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報を取得し、前記睡眠ウィンドウ情報により表される期間での前記脈波情報及び前記体動情報を少なくとも含む、前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの前記睡眠状態の判定を行ってもよい。
これにより、睡眠ウィンドウ情報が取得された場合に、当該睡眠ウィンドウ情報により表される期間に対応する脈波情報、体動情報を対象として睡眠状態の判定を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記体動情報は、加速度センサーにより得られる加速度であり、前記脈波情報は、脈波センサーにより得られる脈拍数であり、前記処理部は、前記体動情報の変化情報に基づいて、前記加速度が加速度閾値を継続して下回ったと判定された加速度低下期間を特定し、前記加速度低下期間の少なくとも一部が前記睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれる場合には、前記脈波情報の変化情報に基づいて、前記加速度低下期間における前記脈拍数が脈拍数閾値を下回ったと判定された時間の累計である睡眠判定累計時間を求め、前記加速度低下期間と前記睡眠判定累計時間に基づいて、前記睡眠状態の判定を行い、前記加速度低下期間の全部が前記睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれない場合には、前記加速度低下期間に基づく前記睡眠状態の判定を行なわなくてもよい。
これにより、加速度低下期間の少なくとも一部が睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれるか否かに応じて、睡眠状態の判定の実行不実行を決定すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、ユーザーの脈波情報を取得する脈波センサーと、前記ユーザーの体動情報を取得する体動センサーと、前記脈波情報及び前記体動情報を蓄積して記憶する記憶部と、処理部と、を含み、前記処理部は、所与の期間における前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの睡眠状態の判定を行う生体情報検出装置に関係する。
また、本発明の他の態様は、ユーザーの脈波情報を取得する処理を行い、前記ユーザーの体動情報を取得する処理を行い、前記脈波情報及び前記体動情報を蓄積して記憶する処理を行い、所与の期間における前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの睡眠状態の判定処理を行う生体情報検出システムの制御方法に関係する。
図1(A)は本実施形態の脈波情報及び体動情報の具体例、図1(B)、図1(C)は本実施形態に係る処理を説明する図。 生体情報検出システムの構成例。 生体情報検出システムを含むシステムの構成例。 図4(A)、図4(B)はウェアラブル装置の構成例。 ウェアラブル装置の構成例。 図6(A)〜図6(C)はウェアラブル装置及び生体情報検出システムの具体的な実現例。 図7(A)〜図7(C)は脈拍数が低下しないユーザーに対する処理例。 図8(A)、図8(B)は睡眠判定累計時間に応じて閾値を変化させる処理の説明図。 睡眠ウィンドウ情報を用いた処理の説明図。 図10(A)〜図10(C)は加速度増加期間の長さに応じた処理の変化を説明する図。 本実施形態の就床判定処理を説明するフローチャート。 本実施形態の起床判定処理を説明するフローチャート。 図13(A)、図13(B)は生体情報検出システムの出力情報を表示する画面の例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。加速度センサー等の体動センサーを有する活動量計を用いて、ユーザーの睡眠状態を判定する手法が広く知られている。ユーザーが睡眠状態にあればベッド等に横になって安静にしているのに対して、覚醒状態では種々の活動を行うことで何らかの動きが生じることが想定される。このような前提において、体動センサーを用いた睡眠状態の判定では、体動が小さい場合に睡眠状態と判定し、体動が大きい場合に覚醒状態と判定することが一般的である。
しかし体動の大きさからは睡眠状態、覚醒状態を適切に判定できない状況が考えられる。例えば、ユーザーは睡眠状態であったとしても寝返りをうつケースが考えられ、その場合はある程度の大きさの体動が検出される。そのため、ユーザーは実際には睡眠状態であるにもかかわらず、上記の判定を行うと覚醒状態と誤判定することがある。また、デスクワークをしているユーザーは、覚醒状態であったとしてもいすに座って安静にしている場合がある。そのため、ユーザーは実際には覚醒状態であるにもかかわらず、上記の判定を行うと睡眠状態と誤判定することがある。
それに対して、脈波情報を用いて睡眠状態を判定する手法も知られている。ここでの脈波情報とは、ユーザーの脈波(脈拍、脈動、心拍)に関する情報であり、脈波センサーにより取得される情報である。脈波センサーの詳細については後述する。ここでの脈波情報とは、例えば脈拍数や脈拍間隔であるが、脈波センサーからのセンサー情報を用いて取得される他の情報であってもよい。以下では脈拍数を例にとって説明する。
体動情報は、外部からも観察可能なユーザーの活動、すなわち体の動きを反映する情報であるのに対して、脈波情報は、ユーザーの内面的な活動の状態も反映する情報である。例えば、思考を行うような精神活動状態、或いはメンタルストレスを感じている状態では(仮に身体的な動きが小さかったとしても)、脈拍数が増大することが知られている。
覚醒状態では、ユーザーは身体的、精神的な種々の活動を行っているのに対して、睡眠状態では生体活動(生命活動)を維持するための活動等を除いて、多くの活動が抑制された状態となっている。つまり、睡眠状態では活動が抑制され、覚醒状態では活動が活発であるのに対して、体動情報を用いた睡眠状態判定では、当該活動のうちの身体的な部分しか判定できておらず、結果として上述した誤判定の可能性があった。その点、脈波情報であれば内面的な活動の状態も反映されるため、脈拍数が大きければ覚醒状態と判定し、脈拍数が小さければ睡眠状態と判定することで、ユーザーの活動状態に関する本質的な判断により睡眠、覚醒状態を判定可能であると考えられる。
しかし、本出願人の実験により、脈波情報を用いた睡眠状態判定の結果が、ユーザーの体感にそぐわない場合があることがわかった。例えば、理想的には覚醒状態から睡眠状態へ移行した場合に、脈拍数がある程度の幅で低下すると考えられるが、実際には睡眠状態に移行してから脈拍数が低下するまでに時間がかかる、或いは睡眠状態に移行しても脈拍数が十分低下しないまま覚醒状態に再移行してしまうといったケースが見受けられた。
具体的な状況としてはユーザーが睡眠前にアルコールを摂取した場合が考えられる。アルコールは体内で分解される必要があり、当該分解のための活動が必須となる。つまり、ユーザーは睡眠状態に移行したとしても、アルコールを分解している間は活動が行われていることになり、脈波情報は当該活動も反映するため、脈拍数が下がりきらない。
別の例としては睡眠時無呼吸症候群のような、無呼吸、低呼吸の状況が考えられる。無呼吸や低呼吸の状況では、ユーザーの血中酸素濃度(動脈血酸素飽和度SpO2)が低下することになり、無呼吸等が解消された際には、低下したSpO2を平常状態に回復させるために活動を活発化させる必要がある。つまりこのような疾患に起因して、睡眠状態でも脈拍数が下がらないケースがあり得る。
その他、ユーザーが睡眠状態にあったとしても所与の活動が行われることで脈拍数が下がらないケースがあり、その際には脈拍数を用いた判定では覚醒状態との結果が取得されてしまう。ここで、睡眠状態とはユーザーの活動が抑制され、ユーザーが休養をとれるという意義で価値のある状態である、と解釈すれば、脈拍数が下がりきらない期間は睡眠状態でないとすることも可能である。なぜなら、上述したアルコールの分解や、SpO2の低下からの回復等、種々の活動を行っている状態ではユーザーは十分な休息をとれていないためである。
しかし、ユーザーにとって内面的な活動は自覚が困難である以上、上述の定義による睡眠、覚醒の判定結果はユーザー自身の感覚とは乖離が大きい。すなわち、ユーザーにとっての睡眠状態とは安静状態にあって意識レベル(及び外的刺激に対する反応)が低下しているという一般的に用いられる睡眠状態を指すものである。そして、そのような一般的な睡眠状態において仮にアルコール分解等の活動が行われていたとしても、当該状態は睡眠状態と判定しておくのが自然であり、覚醒状態であると判定することは好ましいと言えない。
以上を鑑みれば、睡眠状態の判定は体動情報と脈波情報の一方のみを用いるのでは不十分と考えられる。また、体動情報と脈波情報の両方を用いる判定も従来行われていたが、体動情報と所与の体動閾値による閾値判定、及び脈波情報と所与の脈波閾値による閾値判定を組み合わせるだけでは、やはり不十分である。例えば、加速度値が所与の加速度閾値を下回り、且つ脈拍数が所与の脈拍数閾値を下回った場合に睡眠状態と判定する手法を用いた場合、図1(A)の例ではA1で加速度側の条件が満たされ、A2で脈拍数側の条件が満たされるため、睡眠状態はA2で開始されたと判定される。この場合、睡眠状態はA1から開始されており、A1からA2は睡眠状態でありながら、脈拍数が上述した種々の要因により下がらなかった可能性もある。つまり、A1〜A2の期間は、睡眠状態であったかもしれないし、覚醒状態であって安静状態であったかもしれないが、それが一律に覚醒状態とされてしまうことになる。
そこで本出願人は、体動情報と脈波情報の両方を用いて睡眠状態の判定を行う手法において、所与のタイミングでの判定(逐次判定)ではなく、所与の期間にわたる体動情報、脈波情報の変化傾向を用いる手法を提案する。具体的には、本実施形態に係る生体情報検出システム100は図2に示すように、ユーザーの脈波情報を取得する脈波情報取得部110と、ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部120と、脈波情報及び体動情報を蓄積して記憶する記憶部130と、処理部140を含み、処理部140は、所与の期間における脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報に基づいて、ユーザーの睡眠状態の判定を行う。
ここでの体動情報とは、体動センサーにより取得される情報であり、ユーザーの体の動きの程度を表す情報となる。体動センサーは加速度センサー、ジャイロセンサー、方位センサー等、種々のセンサーにより実現できる。以下、体動センサーは加速度センサーであり、体動情報は加速度であるものとして説明を行うが、他のセンサーにより取得される他の体動情報に拡張して考えることが可能である。また、脈波情報については上述したとおりであり、以下では脈拍数を例にとって説明を行うが、脈拍間隔等の他の脈波情報に拡張して考えることが可能である。
このようにすれば、所与のタイミングでの体動情報、脈波情報を用いた逐次判定とは異なり、ある程度の期間における体動情報、脈波情報を判定に用いることが可能になる。図1(A)の例であれば、脈拍数は睡眠状態へ移行したと想定されるA1のタイミングに対して、ある程度遅れたA2のタイミングで値が低下している。この場合、タイミングとしてはA1に対して遅れてはいるものの、A2で脈拍数が低下し、その低下がある程度の長さの時間で現れており、且つA1以降の加速度の低下が長時間継続している。これらはいずれも、A1から開始された身体的な活動抑制期間(加速度低下期間)は、睡眠状態であったと判定する根拠となりうるものである。つまり当該加速度低下期間は、覚醒状態における安静状態ではなく、睡眠状態であったと推定可能である。図1(C)に示したように、A1のタイミングでの逐次判定ではA1を睡眠状態の開始と判定することは困難であったが、少なくともA2以降の期間まで継続して体動情報、脈波情報を観察すれば、A2以降のタイミングにおいて過去にさかのぼった判定を行う、すなわちA1が睡眠状態の開始タイミングであったと判定し直すことが可能となる。
なお、本実施形態における体動情報の変化情報とは、狭義には加速度低下期間やその長さ、加速度増加期間やその長さであり、脈波情報の変化情報とは睡眠判定累計時間である。ただし、各変化情報はこれに限定されるものではなく、体動情報、脈波情報の時間変化に基づいて求められる他の情報であってもよい。
また、本実施形態では体動情報の変化情報、脈波情報の変化情報を用いた判定を行うが、所与のタイミングでの判定(逐次判定)を行わないものには限定されない。例えば、各タイミングにおいて逐次の睡眠状態判定を行っておき、その後、変化情報を用いた睡眠状態判定を行うといった二段階処理を行ってもよい。
以下、本実施形態に係る生体情報検出システム100の具体的な構成例について説明した後、変化情報を用いた睡眠状態判定の具体的な処理について説明する。最後に、図11、図12のフローチャートを用いて本実施形態の処理の流れを説明する。
2.システム構成例
図2に示したように、本実施形態に係る生体情報検出システム100は、脈波情報取得部110と、体動情報取得部120と、記憶部130と、処理部140を含む。脈波情報取得部110は、脈波情報を取得する。脈波情報取得部110は、脈波センサー210のセンサー情報そのものを取得して脈拍数等の情報を求めてもよいし、センサー情報に基づいて他の機器で求められた情報(脈拍数等)を取得してもよい。詳細については後述するが、脈波センサー210は、生体情報検出システム100に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
脈波センサー210は、脈波信号を検出するためのセンサーであり、例えば発光部と受光部とを含む光電センサー等が考えられる。光電センサーや、その他の形態のセンサー(例えば超音波センサー)等、脈波センサー210は種々のセンサーにより実現できることが知られており、本実施形態の脈波センサーはそれらのセンサーを広く適用可能である。
同様に体動情報取得部120は、体動センサー220のセンサー情報そのものを取得して加速度等の情報を求めてもよいし、センサー情報に基づいて他の機器で求められた加速度等を取得してもよい。なお、例えば3軸加速度センサーであればxyz各軸についての加速度値が求められるため、体動情報取得部120では、3つの加速度値から1つの加速度値を求める処理や、当該処理に付随してノイズ低減処理、移動平均を求める処理等を行ってもよく、またそれらの処理後の情報を取得してもよい。また、センサー情報そのものを加速度(広義には体動情報)としてもよい。体動センサー220は、生体情報検出システム100に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
記憶部130は、処理部140等のワーク領域となるもので、その機能はRAM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。記憶部130は、脈波情報及び体動情報を、ある程度の期間にわたって記憶する。
処理部140は、脈波情報取得部110、体動情報取得部120が取得し、記憶部130に蓄積された脈波情報及び体動情報に基づいて、睡眠状態の判定を含む種々の処理を行う。この処理部140の機能は、各種プロセッサ(CPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
図3に生体情報検出システム100を含むシステムの詳細な構成例を示す。ただし、生体情報検出システム100は図3の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。図3の例では、ウェアラブル装置200が、脈波センサー210及び体動センサー220を含み、生体情報検出システム100の脈波情報取得部110及び体動情報取得部120は、ウェアラブル装置200から、脈波情報及び体動情報を取得する。なお、ここでの脈波情報とは、睡眠状態の判定に用いる情報(例えば脈拍数や脈拍間隔)と、当該情報の演算に用いられる情報(例えばセンサー情報)の両方を含むものであり、上述したように脈波情報取得部110は、いずれの形態の情報を取得してもよい。体動情報についても、睡眠状態の判定に用いる情報(例えば加速度値)と、当該情報の演算に用いられる情報(例えばセンサー情報)の両方を含む。
図4(A)〜図5に脈波情報を収集するウェアラブル装置200の外観図の一例を示す。本実施形態のウェアラブル装置200はバンド部10とケース部30とセンサー部40を有する。ケース部30はバンド部10に取り付けられる。センサー部40は、ケース部30に設けられる。
バンド部10はユーザーの手首に巻き付けてウェアラブル装置200を装着するためのものである。バンド部10はバンド穴12、バックル部14を有する。バックル部14はバンド挿入部15と突起部16を有する。ユーザーは、バンド部10の一端側を、バックル部14のバンド挿入部15に挿入し、バンド部10のバンド穴12にバックル部14の突起部16を挿入することで、ウェアラブル装置200を手首に装着する。
ケース部30は、ウェアラブル装置200の本体部に相当するものである。ケース部30の内部には、センサー部40や不図示の回路基板等のウェアラブル装置200の種々の構成部品が設けられる。即ち、ケース部30は、これらの構成部品を収納する筐体である。
ケース部30には発光窓部32が設けられている。発光窓部32は透光部材により形成されている。そしてケース部30には、フレキシブル基板に実装されたインターフェースとしての発光部が設けられており、この発光部からの光が、発光窓部32を介してケース部30の外部に出射される。
ウェアラブル装置200は、図6(A)等に示すようにユーザーの手首に装着され、当該装着された状態で脈波情報(広義には生体情報)の計測が行われる。
次に、本実施形態に係る生体情報検出システム100を実現する具体的な装置の例について説明する。本実施形態に係る生体情報検出システム100は、例えばサーバーシステムであってもよい。この場合の例が図6(A)であり、サーバーシステムである生体情報検出システム100は、ネットワークNEを介してウェアラブル装置200と接続され、当該ウェアラブル装置200から脈波情報及び体動情報を取得する。ここでのネットワークNEは、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などにより実現することができ、有線・無線を問わない。
ユーザーが装着するウェアラブル装置200は、小型軽量となる必要があるため、バッテリーや装置内部の処理部の処理性能、或いはデータの記憶容量に制約が大きい。それに対して、サーバーシステムはリソースの制約が比較的小さいため、睡眠状態の判定処理を高速で行ったり、より多くのデータ(脈波情報、体動情報、或いは睡眠状態の判定結果)を保持することが可能である。
なお、生体情報検出システム100はウェアラブル装置200で収集された脈波情報及び体動情報を取得可能であればよいため、ウェアラブル装置200と直接的に接続されるものに限定されない。例えば、図6(B)に示したように、ウェアラブル装置200が他の処理装置400と接続され、生体情報検出システム100は当該処理装置400とネットワークNEを介して接続される形態であってもよい。この場合の処理装置400としては、例えばウェアラブル装置200を装着するユーザーが使用するスマートフォン等の携帯端末装置が考えられる。そして、ウェアラブル装置200と処理装置400との接続は、ネットワークNEと同様のものを利用してもよいが、短距離無線通信等を利用することも可能である。
また、本実施形態に係る生体情報検出システム100はサーバーシステムではなく、スマートフォン等の処理装置(狭義には携帯端末装置)により実現されてもよい。この場合の構成例が図6(C)である。スマートフォン等の携帯端末装置は、サーバーシステムに比べれば処理性能や記憶領域、バッテリー容量に制約があることが多いが、近年の性能向上を考慮すれば、十分な処理性能等を確保可能となることも考えられる。よって、処理性能等の要求が満たされるのであれば、図6(C)に示したようにスマートフォン等を本実施形態に係る生体情報検出システム100とすることが可能である。
さらにいえば、端末性能の向上、或いは利用形態等を考慮した場合、ウェアラブル装置200が本実施形態に係る生体情報検出システム100を含む実施形態も否定されない。この場合、脈波情報取得部110は同一装置内の脈波センサー210からの情報を取得し、体動情報取得部120は同一装置内の体動センサー220からの情報を取得することになる。ウェアラブル装置200に生体情報検出システム100が搭載される場合、当該生体情報検出システム100では、大量のユーザーを対象としたデータ解析、保存等に対する要求は低く、ウェアラブル装置200を使用する1又は少数のユーザーを対象とすればよい。つまり、ウェアラブル装置200の処理性能等でもユーザーの要求を満たす可能性は十分考えられる。
つまり本実施形態の手法は、ユーザーの脈波情報を取得する脈波センサー210と、ユーザーの体動情報を取得する体動センサー220と、脈波情報及び体動情報を蓄積して記憶する記憶部130と、処理部140を含み、処理部140は、所与の期間における脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報に基づいて、ユーザーの睡眠状態の判定を行う生体情報検出装置に適用できる。
また、以上ではサーバーシステム、処理装置400、ウェアラブル装置200のいずれか1つの装置により生体情報検出システム100が実現されるものとしたがこれに限定されることもない。例えば、脈波情報及び体動情報の取得、取得した情報の蓄積処理、睡眠状態の判定処理が、複数の装置の分散処理により実現されてもよい。具体的には、サーバーシステム、処理装置400、ウェアラブル装置200のうちの少なくとも2つ以上の装置により生体情報検出システム100が実現されてもよい。或いは、他の装置において本実施形態に係る処理を行ってもよく、本実施形態に係る生体情報検出システム100は種々の装置(或いは装置の組み合わせ)により実現が可能である。
ここでの他の装置とは、例えば睡眠状態の判定結果を閲覧する閲覧者の操作するPC等の装置である。閲覧者がユーザー自身の場合、判定結果はウェアラブル装置200或いは処理装置400で閲覧することが想定されるが、それ以外の機器で閲覧する場合には当該機器が本実施形態に係る生体情報検出システム100を構成してもよい。また、ユーザーの家族や主治医等が閲覧者となる場合もあり、その際にはサーバーシステム、処理装置400、ウェアラブル装置200のいずれとも異なる機器が閲覧者の操作する装置となる可能性がある。そしてそのような機器が本実施形態に係る生体情報検出システム100を構成することは妨げられない。
また、本実施形態の手法は、ユーザーの脈波情報を取得する処理を行い、ユーザーの体動情報を取得する処理を行い、脈波情報及び体動情報を蓄積して記憶する処理を行い、所与の期間における脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報に基づいて、ユーザーの睡眠状態の判定処理を行う生体情報検出システム100の制御方法(生体情報検出システム100の作動方法)に関係する。
3.処理の具体例
次に体動情報の変化情報及び脈波情報の変化情報を用いた睡眠状態の判定処理の詳細を説明する。具体的には、就床タイミング(睡眠状態の開始タイミング)を判定する手法、起床タイミング(睡眠状態の終了タイミング)を判定する手法について説明する。また、対象ユーザーが睡眠状態となる標準的な期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、取得されない場合と処理を変更してもよく、当該変更の内容を説明する。また、一般的な覚醒と判定するには短い期間しか加速度が増加する期間(加速度増加期間)が継続しない場合があり、その際の加速度増加期間の取り扱いについても説明する。
3.1 就床タイミングの判定
まず、本実施形態における就床タイミングの判定の基本的な考え方について説明する。加速度と脈拍数の両方が低下状態にある場合には、睡眠状態であると判定可能であるため、図1(A)の例ではA2が就寝タイミングであると判定される。しかし上述したように、図1(A)のケースではA1から睡眠状態は開始されており、A1からA2の期間では睡眠状態に移行しているにもかかわらず脈拍数が低下しなかったと推定される。
なぜなら、A1以降(具体的にはA3まで)の期間では加速度値は継続的に所与の加速度閾値Thaを下回っていることから、当該期間ではユーザーは睡眠状態であると推定される。さらに、当該期間のうち、A2以降(具体的にはA3まで)では、ある程度の長さの期間にわたって脈拍数が所与の脈拍数閾値を下回っていることも、ユーザーは睡眠状態にあることを裏付けている。言い換えれば、加速度が継続的に加速度閾値Thaを下回っている期間ではユーザーは同一の状態を継続していると推定されるところ、そのうちの少なくとも一部で睡眠状態と強く推定される期間があるのであれば、対象の期間全体を睡眠状態と判定することが自然である。
例えばデスクワークをしているユーザーがいすに座って安静にしている場合には、加速度が加速度閾値Thaを下回る期間が継続することがあったとしても、当該期間ではユーザーは仕事等でメンタル活動を行っているはずであり、脈拍数が脈拍数閾値を長期間下回ることは考えにくい。
つまりこのような判定を行うことで、睡眠状態でありながら脈拍数が何らかの要因で下がらない状況であっても、加速度値の低下開始タイミングを就床タイミングと判定することが可能になる。図1(A)のケースであれば、図1(C)に示したように就床タイミングをA2ではなくA1とすることができるため、ユーザーの感覚に合致した睡眠状態判定が可能になる。さらに、加速度が継続的に低下する期間において睡眠状態と判定するには、脈波情報がある程度の時間にわたって低下していることも条件となるため、覚醒状態における安静状態を睡眠状態と誤判定する可能性も抑止可能である。
この処理は、処理部140が、体動情報の変化情報に基づいて、加速度が加速度閾値Thaを継続して下回ったと判定された加速度低下期間を特定し、脈波情報の変化情報に基づいて、加速度低下期間における脈拍数が脈拍数閾値Thpを下回ったと判定された時間の累計である睡眠判定累計時間を求め、加速度低下期間と睡眠判定累計時間に基づいて、睡眠状態の判定を行うことで実現可能である。
すなわち、処理部140では、加速度の時間変化をモニタし、加速度閾値Thaを下回った時刻を、就床候補時刻として保存する。そして、加速度が加速度閾値Thaを連続して下回っている間、加速度低下期間の連続時間を算出し続ける。さらに、加速度低下期間において、脈拍数の時間変化も確認する。具体的には、脈拍数が脈拍数閾値Thpを下回り、睡眠と判定される状態になったとき、この睡眠判定累計時間を算出し続ける。つまり本実施形態においても、加速度と加速度閾値Thaによる判定処理、及び脈拍数と脈拍数閾値Thpによる判定処理は逐次行うことが前提となる。
以上の処理により、加速度低下期間の長さta1、及び加速度低下期間における睡眠判定累計時間の長さtp1を求めることが可能になる。なお、加速度低下期間は複数回出現することが想定され、本実施形態では複数の加速度低下期間のそれぞれについて、長さta1及び対応する睡眠判定累計時間の長さtp1が求められることになる。図1(A)の例における加速度低下期間とその長さta1、及び睡眠判定累計時間tp1を図示したものが図1(B)である。なお、図1(A)では睡眠判定累計時間tp1は1つの連続する期間の長さを表す時間となっているが、脈拍数が脈拍数閾値Thpを下回る期間が1つの加速度低下期間のなかで複数回現れるケースでは、各期間の累計値をtp1としてもよい。
ta1、tp1の算出後、処理部140は、睡眠判定累計時間tp1が脈拍累計時間閾値Thtp以上と判定された場合には、加速度低下期間の長さta1と第1の加速度累計時間閾値Thta1を用いた閾値判定により睡眠状態の判定を行う。具体的には、ta1≧Thta1且つtp1≧Thtpの場合に、対応する加速度低下期間は睡眠状態であると判定し、就床時刻候補として保存したタイミング、すなわち加速度低下期間の開始タイミングを就床タイミングとする。図1(A)の例であれば、図1(C)に示したように逐次判定を行っていた段階ではA2が就寝タイミングであるとの判定を行っているため、本実施形態の手法を用いることで就床タイミングをA2からA1に更新することが可能になる。
ここでの第1の加速度累計時間閾値Thta1は例えば30分程度の時間であり、脈拍累計時間閾値Thtpは例えば10分程度の時間である。第1の加速度累計時間閾値Thta1を判定に用いるのは、睡眠状態はある程度の時間継続するものであるとの前提による。つまり、ta1<Thta1となるケースでは、加速度低下期間があまりに短いと判断し、当該期間が睡眠状態であるとの判定を行わない。
また、脈拍数についても、図1(A)のA1からA2の期間のように睡眠状態でも値が下がらない(睡眠判定累計時間tp1に寄与しない)期間があるとはいえ、睡眠状態であればある程度の期間で脈拍数は低下することが想定される。また、ごく短い期間(極端に言えば所与の1タイミング)で脈拍数が低下したとしても、それはノイズ等による誤判定のおそれもある。よってここでは、脈拍累計時間閾値Thtpを用いた判定を行っている。
以上の処理により、図1(A)のケースでは就床タイミングを適切に判定することが可能になる。しかし以上の判定だけでは睡眠状態の適切な判定ができないケースがある。具体的には図7(A)に示したような場合である。上述したように、アルコール摂取時や無呼吸等の疾患が発症した場合には、脈拍数が十分低下しない。その際、アルコールの摂取量が非常に多い場合、或いは無呼吸の症状が睡眠状態において継続してみられる場合には、睡眠状態において常時何らかの活動が行われることになるため、図7(A)に示したように睡眠状態のどのタイミングにおいても脈拍数が十分低下しないことがある。
この場合、図7(B)に示したように加速度低下期間を検出し、その長さta1を算出することはできるが、当該加速度低下期間に対応する睡眠判定累計時間tp1は0となってしまう。そのため、上記の判定ではtp1≧Thtpを満たさないため睡眠状態と判定できない。しかしこのような状態でもユーザーは実際には睡眠状態となっている以上、対応する加速度低下期間は睡眠状態と判定することが望ましい。
よって本実施形態では、処理部140は、脈波情報の変化情報に基づいて、体動情報の変化情報を用いた睡眠状態の判定における判定条件を設定してもよい。具体的には、加速度低下期間における脈拍数が十分低下しているのであれば上述した条件により判定を行えばよいし、脈拍数の低下が不十分であれば、他の条件による判定を行えばよい。
このようにすれば、図7(A)のようなケースでも加速度低下期間を睡眠状態と判定する、すなわち就寝時刻候補を就寝タイミングと判定する余地を残すことが可能になり、よりユーザーの体感に合致した睡眠状態判定を行うことが可能になる。
しかし、脈拍数の低下が不十分であるとは、脈波情報の変化情報を用いた判定では睡眠状態ではないと考えられるケースである。そのため、体動情報の変化情報を用いて睡眠状態の判定を行うに当たり、緩い条件(睡眠状態と判定されやすい条件)を用いることは好ましくない。言い換えれば、脈波情報の変化情報を用いた判定で睡眠状態ではないとの感触が得られている以上、当該感触を覆して最終的な判定を睡眠状態であると確定させるには、体動情報の変化情報から睡眠状態であると強く推定可能な結果が得られることが求められる。
よって処理部140は、脈波情報の変化情報の変化幅が第1の変化幅である場合に、第1の判定条件により体動情報の変化情報を用いた睡眠状態の判定を行い、脈波情報の変化情報の変化幅が第1の変化幅よりも小さい第2の変化幅である場合に、第1の判定条件に比べてユーザーが睡眠状態と判定されにくい第2の判定条件により、体動情報の変化情報を用いた睡眠状態の判定を行えばよい。これは言い換えれば、処理部140は、脈波情報の変化情報の変化幅が大きい場合に、第1の判定条件により体動情報の変化情報を用いた睡眠状態の判定を行い、脈波情報の変化情報の変化幅が小さい場合に、第2の判定条件により、体動情報の変化情報を用いた睡眠状態の判定を行うことになる。なお、第1の変化幅と第2の変化幅は、例えば所与の変化幅閾値との比較処理により決定されるものであってもよい。その場合、変化幅として値の最大値と最小値の差分を用いる例であれば、第1の変化幅とは最大値と最小値の差分が変化幅閾値以上となり、第2の変化幅はとは最大値と最小値の差分が変化幅閾値未満となる。
なお、ここでの脈拍数閾値Thpは、後述するように対象とするユーザーの実測された脈拍数(一例としては最低脈拍数)に基づく値であることが想定される。つまり、変化幅とは狭義には最大値を基準とした値の下がり幅(差分)であるが、脈拍数閾値Thpを変化幅を求める際の基準として用いてもよい。例えば、Thpに対する脈拍数の下がり幅から上記変化幅を求めてもよい。
具体的には、処理部140は、睡眠判定累計時間tp1が脈拍累計時間閾値Thtpより小さいと判定された場合には、第1の加速度累計時間閾値Thta1よりも大きい値である第2の加速度累計時間閾値Thta2と加速度低下期間の長さta1とを用いた閾値判定により睡眠状態の判定を行う。さらに具体的には、tp1<Thtpの場合には、ta1≧Thta2(>Thta1)が満たされた場合に睡眠状態と判定すればよい。つまりこの場合、第1の判定条件とはta1≧Thta1を満たすか否かであり、第2の判定条件とはta1≧Thta2を満たすか否かであり、上述したようにThta2>Thta1であるため、第1の判定条件に比べて第2の判定条件は厳しいものとなる。
ここでのThta2は例えば3時間程度の時間である。このようにすれば、図7(A)のケースでは図7(B)に示したようにtp1=0のため、tp1≧Thtp且つta1≧Thta1を満たすことはできないが、ta1≧Thta2を満たす、すなわち加速度低下期間の長さが非常に長いため、加速度低下期間を睡眠状態として、B1を就床タイミングと判定することが可能である。つまり、図7(C)に示したように、睡眠状態を適切に判定することが可能になる。
なお、Thta2としては、覚醒状態における安静状態の継続時間として想定される時間を設定することが考えられる。覚醒状態では、姿勢を変えたりトイレに立ったりすることで加速度低下期間が途切れることが想定される一方、睡眠状態では6時間から8時間といった長時間、加速度低下期間が継続する。ここでのThta2はその2つを区別可能な程度の時間とすることが好ましい。
このように判定条件が2つ存在するため、加速度低下期間の長さta1が同様の場合であっても、睡眠判定累計時間tp1の長さに応じて判定結果が異なるケースが出てくる。具体例が図8(A)、図8(B)であり、ここでは両方のケースでta1=2時間としている。図8(A)ではtp1≧Thtpが満たされるため、ta1との比較対象はThta1=30分である。そのため、ta1≧Thta1が満たされることになり、C1が就床タイミングと判定できる。一方、図8(B)ではtp1≧Thtpが満たされないため、ta1との比較対象はThta2=3時間である。そのため、ta1≧Thta2が満たされず、C2は就床タイミングと判定されない。
3.2 起床タイミングの判定
次に起床タイミング(睡眠状態の終了タイミング)の判定手法について説明する。上述したように、加速度低下期間が睡眠状態と判定された場合には、当該加速度低下期間の終了タイミングが起床タイミングに相当すると考えられる。しかし、後述するように睡眠中の動き、或いは一時的な覚醒を考慮すれば、所与の1タイミングで加速度が加速度閾値Thaを超えたことを条件としたのでは誤判定のおそれがある。よって本実施形態では、起床タイミングの判定においても体動情報の変化情報を用いるものとする。
具体的には、加速度の時間変化をモニタし、第2の加速度閾値Tha2を上回った時刻を、起床時刻候補として保存する。ただし、上述した判定にて、睡眠状態と判定されていない場合は、この加速度低下期間は睡眠ではなかったと判定し、起床タイミングの判定を行わない。そして、加速度が第2の加速度閾値Tha2を連続して上回っている間、加速度増加期間の連続時間ta2を算出し続ける。加速度増加期間の長さta2が第3の加速度累計時間閾値Thta3を上回った場合、起床と判定し、設定した起床時刻候補を起床時刻として決定する。
この処理は、処理部140が、ユーザーが睡眠状態を開始したと判定された後であって、加速度が第2の加速度閾値Tha2を継続して上回ったと判定された加速度増加期間を特定し、加速度増加期間の長さta2が第3の加速度累計時間閾値Thta3以上と判定された場合に、加速度増加期間の開始タイミングにおいてユーザーの睡眠状態が終了したと判定することで実現できる。
このようにすれば、起床タイミングについても体動情報の変化情報を用いて精度のよい判定を行うことが可能になる。なお、第2の加速度閾値Tha2は、加速度が当該値以上となった場合にユーザーが覚醒状態の可能性があると判定するための閾値である。Tha2は上述した加速度閾値Thaと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、ここでの第3の加速度累計時間閾値Thta3は、例えば5分程度の時間である。
図1(A)の例では、加速度増加期間は継続中であるが、A5のタイミングの時点でも加速度増加期間ta2はThta3以上(5分以上)であり、A3が起床タイミングであると判定できる。もちろん、本実施形態の処理を加速度増加期間の終了後に行う等の変形実施が可能である。
以上では体動情報の変化情報を用いた判定について説明したが、脈波情報の変化情報を合わせて用いてもよい。例えば、加速度増加期間において脈拍数が第2の脈拍数閾値Thp2以上となる時間を累計して覚醒判定累計時間tp2を求め、求めたtp2と第2の脈拍累計時間閾値Thtp2との閾値判定を行ってもよい。具体的には、tp2≧Thtp2且つta2≧Thta3が満たされた場合に、起床時刻候補を起床タイミングと判定してもよい。なお、Thp2はThpと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
また、就床タイミングの判定を含めた以上の処理により求められた就床タイミングと起床タイミングの間を睡眠状態と判定する。なお、詳細については図13(A)、図13(B)等の表示画面例とともに説明するが、睡眠状態と判定された期間では睡眠の深さ等の情報を求める処理が行われる。
3.3 睡眠ウィンドウ情報
従来の活動量計では、睡眠状態の判定を機器自体で行うのではなくユーザーに入力させるものも広く用いられている。例えば、ユーザーが就寝前、起床後に活動量計の操作部(例えばボタン)を操作することで睡眠状態の開始、終了を入力する。この場合、就寝前のユーザー入力後、即座に睡眠状態に移行するとは限らないため、入力された睡眠状態の期間と、実際の期間とが一致しない場合があり得るが、ユーザー自身の入力に基づくため、ある程度信頼できる情報となる。
これに対して、特許文献1等のように体動情報等を用いることでシステム側が睡眠状態を自動的に判定する手法も広く知られている。この場合、ユーザーは睡眠の開始、終了時に入力操作を行う必要がないため、使いやすいシステムとすることができるが、上述したように誤判定の可能性が残る。
そこで本実施形態では、ユーザーが睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報(標準睡眠時刻情報)を取得し、当該睡眠ウィンドウ情報を睡眠状態の判定に利用してもよい。この場合、睡眠ウィンドウにより表される時間の中ではユーザーは睡眠状態である可能性が高く、それ以外の時間では覚醒状態にある可能性が高い。つまり、睡眠ウィンドウ情報を用いることで睡眠状態の判定精度を高めることが可能である。
その際、本実施形態では上述したように体動情報、脈波情報の変化情報を用いた睡眠状態判定がベースとなるため、睡眠ウィンドウ情報は補助的に用いられる。つまり、従来の活動量計のように、睡眠をとる度にユーザーが入力を行う必要はなく、睡眠ウィンドウ情報は低頻度で(狭義には1回)入力されれば十分である。これにより、ユーザーの入力負担を著しく増大させることなく、睡眠状態の判定精度を高めることが可能になる。
取得した睡眠ウィンドウ情報は大きく分けて2つの処理に利用可能である。1つは、上述した就床タイミング及び起床タイミングの判定を行うか否かの決定処理であり、もう1つは就床タイミング及び起床タイミングの判定における閾値の変更処理である。以下、それぞれの詳細を説明する。
まず処理部140は、ユーザーが、睡眠ウィンドウ情報を設定した場合、加速度低下区間がこの時刻の範囲外であれば、睡眠とは判定させないものとしてもよい。これは言い換えれば、処理部140は、ユーザーが睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報を取得し、睡眠ウィンドウ情報により表される期間での脈波情報及び体動情報を少なくとも含む、脈波情報の変化情報及び体動情報の変化情報に基づいて、ユーザーの前記睡眠状態の判定を行うことになる。
このようにすれば、睡眠状態の判定は睡眠ウィンドウ情報により表される時間を中心として行われることになる。つまり、睡眠ウィンドウ情報により表される時間以外の時間については、睡眠状態の判定をスキップすることが可能である。例えば、睡眠ウィンドウ情報として0時〜6時という情報が入力された場合、対象ユーザーは0時〜6時で睡眠状態となりやすく、逆に6時〜24時までは睡眠状態となりにくいと推定できる。
このような処理は、実際には覚醒状態にあるのに睡眠状態と誤判定されやすいユーザーに対して有効である。例えば、1日の中で脈拍数の変化幅が小さいユーザーがいることが確認されている。逐次判定に用いる脈拍数閾値Thpの値は、ユーザーの脈拍数の実測値のうち、十分小さい値(例えば最低脈拍数)から決定されることが一般的である。一例としてはThp=最低脈拍数×1.2といった値を設定すればよい。この場合、脈拍数変化が小さいユーザーは、覚醒時の脈拍数と設定されたThpとの差異が小さくなりがちである。そのため、覚醒時であっても脈拍数が少し低くなるだけで、脈拍数<Thpとなってしまい覚醒状態と誤判定されてしまう。結果として、ユーザーは寝ていないにもかかわらず、昼間の時間帯等で睡眠状態が検出されることになり好ましくない。
その点、睡眠ウィンドウ外の時間帯での睡眠状態判定をスキップすれば、このようなユーザーに対しても適切な判定が可能である。もちろん、睡眠ウィンドウ外の時間帯で突発的な睡眠(例えば昼寝)をしてしまうと、当該睡眠状態が検出できないというデメリットはあるが、本実施形態はその点は許容するものである。習慣的な昼寝であれば、その時間帯も睡眠ウィンドウ情報を設定すればよいし、突発的な昼寝であればその発生頻度は低いため大きな問題とならない。それよりも、1日の2/3程度の時間帯を占める覚醒状態において、常時睡眠状態と誤判定するおそれを残してしまうことの問題の方が大きいと考えられ、本実施形態は当該問題に対応するものである。
なお、上述したように1つの加速度低下期間は一体として扱う、すなわち当該加速度低下期間全体が睡眠状態であるか、或いは全体が覚醒状態であるかという判定を行うことが自然である。つまり、加速度低下期間の一部が睡眠ウィンドウ外となっていたとしても、他の一部が睡眠ウィンドウ内であれば、対象とする加速度低下期間は全体として睡眠状態である可能性がある以上、その全体を判定対象とすべきと考えられる。
よって処理部140は、体動情報の変化情報に基づいて、加速度が加速度閾値Thaを継続して下回ったと判定された加速度低下期間を特定し、加速度低下期間の少なくとも一部が睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれる場合には、脈波情報の変化情報に基づいて、加速度低下期間における脈拍数が脈拍数閾値を下回ったと判定された時間の累計である睡眠判定累計時間tp1を求め、加速度低下期間と睡眠判定累計時間に基づいて、前記睡眠状態の判定を行ってもよい。一方、加速度低下期間の全部が睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれない場合には、加速度低下期間に基づく睡眠状態の判定を行なわないものとすればよい。
このようにすれば、睡眠ウィンドウ情報が設定された場合にも、加速度低下期間等を単位として睡眠状態の判定を行うことが可能になる。図9の例であれば、D1に示した加速度低下期間は少なくとも一部(図の例では全部)が睡眠ウィンドウ情報に含まれるため、睡眠状態の判定が行われる。一方、D2に示した加速度低下期間はその全てが睡眠ウィンドウ情報に含まれないため、睡眠状態の判定はスキップされることになる。
また、睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、睡眠状態の判定における閾値を変更してもよい。上述したように、睡眠ウィンドウの内部ではユーザーは睡眠状態である可能性が高い。つまり、睡眠ウィンドウに少なくとも一部が含まれる加速度低下期間は、睡眠状態に対応する可能性が高いと言える。よって本実施形態では、そのような加速度低下期間に対する判定を行う際には、より睡眠状態と判定されやすくするとよい。
具体的には、加速度低下期間の長さta1との比較に用いられる閾値を小さく設定すればよい。このようにすれば、加速度低下期間が比較的短い場合にも睡眠状態と判定されるため、より睡眠状態と判定される可能性を高くすることが可能である。
より具体的には、処理部140は、ユーザーが睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合に比べて、第1の加速度累計時間閾値Thta1及び第2の加速度累計時間閾値Thta2の少なくとも一方を小さく設定すればよい。この処理は、狭義には上述したようにその少なくとも一部が睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれる加速度低下期間が対象となる。
一例としては、図9に示したように、睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合には30分であった第1の加速度累計時間閾値Thta1を、20分に短縮してもよいし、睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合には3時間であった第2の加速度累計時間閾値Thta2を2時間に短縮してもよいし、Thta1とThta2の両方を短縮してもよい。また、各閾値をどの程度短くするかについても種々の変形実施が可能である。
以上は就床タイミングの判定における閾値の変更であったが、起床タイミングの判定における閾値を変更してもよい。例えば、加速度増加期間の長さta2との比較対象である第3の加速度累計時間閾値Thta3を変更する。睡眠ウィンドウに含まれる時間帯は睡眠状態である可能性が高く、これは覚醒状態である可能性が低いことに対応する。つまり、起床タイミングの判定においては、加速度増加期間が覚醒状態であると判定されにくくすればよい。
具体的には、処理部140は、ユーザーが睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合に比べて、第3の加速度累計時間閾値Thta3を大きく設定する。
一例としては、図9に示したように睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合には5分であった第3の加速度累計時間閾値Thta3を、10分に延長してもよい。睡眠ウィンドウ情報により表される時間帯が覚醒状態の可能性が低いという点を鑑みれば、Thta3を大きくする対象は、その少なくとも一部が睡眠ウィンドウ内となる加速度増加期間とすればよいが、これには限定されない。
例えば、加速度増加期間自体はその全てが睡眠ウィンドウ外であったとしても、当該加速度増加期間の直前の加速度低下期間の条件によっては、当該加速度増加期間の判定においてThta3を大きくしてもよい。加速度低下期間の条件とは、例えばその一部が睡眠ウィンドウ内であることでもよいし、或いはその一部が睡眠ウィンドウ内であって且つ睡眠状態の判定により睡眠状態と判定されたことでもよい。このような条件が満たされる場合、直前の加速度低下期間が睡眠状態である(或いはその可能性が高い)以上、加速度増加期間は寝返り等の睡眠中の動きである可能性を考慮すべきである。よって第3の加速度累計時間閾値Thta3を大きくすることで、そのような睡眠中の体動を覚醒状態と誤判定する可能性を抑止してもよい。
以上では、睡眠ウィンドウ情報に基づいて、睡眠判定の実行不実行を決定する処理と、睡眠判定における閾値を変更する処理について説明したが、この2つの処理は両方が行われてもよいし、一方のみが行われてもよい。
具体的には、睡眠ウィンドウにその少なくとも一部が含まれる加速度低下期間を対象として睡眠判定を行い、その際の閾値を睡眠ウィンドウ情報が取得されない場合に比べて小さくしてもよい。或いは、睡眠ウィンドウにその少なくとも一部が含まれる加速度低下期間を対象として睡眠判定を行い、その際の閾値を睡眠ウィンドウ情報が取得されない場合と同様にしてもよい。或いは、全ての加速度低下期間を対象として睡眠判定を行い、且つ睡眠ウィンドウにその少なくとも一部が含まれる加速度低下期間を対象とする際の閾値を、睡眠ウィンドウ情報が取得されない場合に比べて小さくしてもよい。
なお、処理部140は、睡眠ウィンドウ情報が取得されたか否かの判定処理を行ってもよい。その場合、処理部140は、まず睡眠ウィンドウ情報が取得されたか否かの判定を行い、睡眠ウィンドウ情報が取得された場合に、加速度累計時間閾値を変更することになる。
3.4 短期間の加速度増加期間の取り扱い
以上では、第3の加速度累計時間閾値Thta3以上の加速度増加期間が出現した場合には、覚醒状態と判定した。この場合、加速度が大きい期間が十分な時間継続しているため、ここでの覚醒状態とは長時間継続する(一般的なユーザーであれば朝の覚醒であり、その日の夜の睡眠開始まで継続する)ものと推定される。
逆に言えば、加速度増加期間が出現したとしても、その長さがThta3より短い場合には、長時間継続する覚醒状態と同様に扱うべきではない。本実施形態では、Thta3より短い長さの加速度増加期間が現れた場合に、2通りの処理を行うものとしてもよく、それぞれについて詳細に説明する。
まず、加速度増加期間の長さta2が十分短いケースを考える。ここでta2が十分短いとは、Thta4<Thta3を満たす第4の加速度累計時間閾値Thta4を設定し、ta2<Thta4が満たされる場合をいう。上述したようにThta3は例えば5分であり、ここでのThta4は例えば2分程度の時間である。
ta2<Thta4の場合、加速度は確かに第2の加速度閾値Tha2を超える程度に大きいものであるが、継続時間が非常に短い。よって対応する加速度増加期間は寝返り等の体動である可能性が高い。この場合には、加速度閾値を用いた閾値判定上は、加速度増加期間により加速度低下期間が途切れていることになるが、実際には突発的、偶発的な加速度上昇であるため、加速度は一貫して低い状態にあると判断することが妥当である。
よって本実施形態では、ta2<Thta4の場合には加速度増加期間により加速度低下期間を分断させない、すなわち図10(B)に示したように、加速度増加期間、及びその前後の加速度低下期間を1つの加速度低下期間として取り扱う。このようにすれば、寝返り等の睡眠中の体動を、覚醒状態であると誤判定する可能性を抑止できる。
なお、以上ではta2<Thta4のみを条件としたが、当該加速度増加期間に続く加速度低下期間の長さも判定対象に追加してもよい。例えば、加速度増加期間は2分以内で終了し加速度低下期間が現れたが、当該加速低下期間がごく短時間で終了し再度加速度増加期間が現れた、といったケースでは、ユーザーは睡眠状態を継続していない可能性も十分考えられる。よって上記処理は、ta2<Thta4であり、且つその後も加速度低下区間が長時間続く場合に行うものとしてもよい。
また、Thta4≦ta2<Thta3の場合には、寝返り等の体動と判定するには加速度増加期間は長いが、長時間継続する覚醒状態と判定するには短い。このようなケースは、トイレに起きた等の一時的な睡眠の中断と判定すればよい。
この場合、睡眠状態自体は終了していると考えられるため、ta2<Thta4の場合とは異なり、加速度低下期間を継続させる理由はない。よって図10(C)に示したように、加速度低下期間は加速度増加期間の前後の2つに分断される。
しかしこのような覚醒はあくまで一時的なものであるため、それよりも前には睡眠状態にあっただろうし、当該覚醒以降も再度睡眠状態に移行するものと推定される。その際、睡眠状態が分断されることで、実際には睡眠状態にあったとしても上述した閾値判定では睡眠状態と判定できないケースが生じうる。例えば0時に就寝したユーザーが4時頃に一時覚醒し、再度就寝して6時に覚醒した場合を考える。この場合、加速度低下期間は約4時間のものと約2時間のものに分けられてしまうため、脈拍数が十分下がらず加速度累計時間閾値としてThta2(=3時間)が用いられた場合には、後半の睡眠状態が検出されないことになる。
このような場合にも、各加速度低下期間を睡眠状態と判定しやすくするために、閾値を小さくするとよい。例えば、通常時は30分だった第1の加速度累計時間閾値Thta1を15分にしてもよいし、通常時は3時間だった第2の加速度累計時間閾値Thta2を1時間30分にしてもよいし、その両方を行ってもよい。これにより、図10(C)に示したケースでも一時的な覚醒の前後の状態を、適切に睡眠状態と判定することが可能になる。
4.処理の流れ
図11、図12に本実施形態の睡眠状態の判定処理を説明するフローチャートを示す。図11は就床判定処理を説明する図であり、この処理が開始されると、まず処理対象タイミング(狭義には現タイミング)の加速度が加速度睡眠閾値以下であるかの判定を行う(S101)。ここでの加速度睡眠閾値とは、上述した加速度閾値Thaに対応する。
S101でNoの場合、加速度からは睡眠状態にはないと判定できるため、特に処理を行わずにS101の処理をループする。一方、S101でYesの場合には、加速度判定から処理対象タイミングにおいてユーザーが睡眠状態に移行したことが疑われる。そのため、現時刻を就床時刻の候補として保存する(S102)。
そして、加速度が加速度閾値Tha以下の状態が継続しているかの判定を行う(S103)。なお、S102の処理の直後に行われるS103の処理については、S102の処理前に行われたS101の判定と同様にYesとなるはずであり、当該処理は冗長である。しかしS103は、後述するS108でNoとなった場合にも実行され、その場合には判定結果がNoとなる、すなわち加速度低下期間が終了している可能性がある。つまり、ループ処理中の加速度低下期間の継続判定という意味で、S103は必要な処理である。S103でNoとなった場合には、加速度低下期間は終了しているためS101に戻る。
S103でYesの場合には、加速度低下期間が継続中と判定できるため、加速度低下期間の長さ(連続時間)ta1を算出する(S104)。S104の処理は、例えばタイマー(カウンター)の値をインクリメントすることで実現可能である。
さらに、処理対象タイミングでの脈拍数が、睡眠判定閾値以下であるかの判定を行う(S105)。ここでの睡眠判定閾値とは、上述した脈拍数閾値Thpに対応する。S105でYesの場合には、処理対象タイミングは脈拍数判定からは睡眠状態と想定されるため、睡眠判定累計時間tp1の算出を行う(S106)。S106についても、tp1算出用のタイマー(カウンター)の値をインクリメントすることで実現可能である。
S106の処理後に、睡眠状態の判定を行う。なお、図1(A)等を用いた説明では、加速度低下期間の終了後(A3より後のタイミングであり例えばA5)に就床判定を行う例を説明したが、図11のフローチャートは加速度低下期間の開始後(A2の後)、処理タイミング毎に就床判定を行う例を示しており、本実施形態はいずれの手法でも実現可能である。
具体的には上述したように、睡眠判定累計時間tp1が脈拍累計時間閾値Thtp以上であるかの判定を行う。tp1≧Thtpが満たされる場合には、比較的緩い第1の条件により加速度低下期間の長さta1を用いた判定を行えばよい。そのため、まずtp1≧Thtp且つta1≧Thta1が満たされるかの判定を行う(S107)。S107でYesの場合には、上述したように就床候補時刻から開始された加速度低下期間は睡眠状態に対応すると判定できるため、就床候補時刻を就床時刻として決定する(S109)。
一方、S107でNoの場合には、tp1≧Thtpが満たされていない可能性があるため、より厳しい第2の条件により加速度低下期間の長さta1を用いた判定を行う。具体的には、ta1≧Thta2が満たされるかの判定を行えばよい(S108)。S108でYesの場合にもS109に移行して就床候補時刻を就床時刻として決定する。
S108でNoの場合とは、現状のta1、tp1からは加速度低下期間が睡眠状態に対応すると判定できない場合である。ただし、上述したように図11のフローチャートでは加速度低下期間が継続中の可能性があり、今後、処理対象としている加速度低下期間が睡眠状態に対応すると判定される可能性を残している。よって、S108でNoの場合にはS103に戻り処理を継続する。上述したように、この場合のS103の処理は、加速度低下期間の継続判定に相当する。
また図12は起床判定処理を説明する図であり、この処理が開始されると、まず処理対象タイミングでの加速度が加速度起床閾値以上であるかの判定を行う(S201)。加速度起床閾値とは、上述した第2の加速度閾値Tha2に対応する。
S201でNoの場合、加速度からは覚醒状態にはないと判定できるため、特に処理を行わずにS201の処理をループする。一方、S201でYesの場合には、加速度判定から処理対象タイミングにおいてユーザーが覚醒状態に移行したことが疑われる。ただし、起床判定を行うのは、処理対象タイミングまでの期間でユーザーが睡眠状態にあることが前提である。よって、睡眠状態と判定された時刻があるか否かの判定を行い(S202)、Noの場合には起床判定が不要として処理を終了する。S202でYesの場合には、ユーザーが睡眠状態から覚醒状態に移行した可能性があるため、現時刻を起床時刻の候補として保存する(S203)。
そして、加速度が第2の加速度閾値Tha2以上の状態が継続しているかの判定を行う(S204)。S204は上述したS103と同様に、ループ処理中における加速度増加期間の継続判定用のステップである。S204でNoの場合には、処理を終了する。
S204でYesの場合には、加速度増加期間が継続中であると判定できるため、加速度増加期間の長さ(連続時間)ta2を算出する(S205)。S205の処理は、ta2算出用のタイマー(カウンター)の値をインクリメントすることで実現可能である。
S205の処理後に覚醒状態の判定を行う。具体的には、ta2≧Thta3が満たされるかの判定を行う(S206)。S206でYesの場合には、起床候補時刻から開始された加速度増加期間は覚醒状態に対応すると判定できるため、起床候補時刻を起床時刻として決定して処理を終了する(S207)。一方、S206でNoの場合、図11のS108でNoの場合と同様に、その後の判定で加速度増加期間が覚醒状態に対応すると判定される可能性を残している。よってS204に戻って処理を継続する。
以上、睡眠状態(覚醒状態)の判定について説明してきたが、当該判定結果を用いてさらなる処理を行うことが可能である。例えば、睡眠状態と判定された期間(上述の処理により決定された就床時刻から、起床時刻までの期間)において、睡眠の深さを判定してもよい。より深い睡眠(例えばノンレム睡眠)の方が、より浅い睡眠(例えばレム睡眠)に比べてユーザーの活動が抑制された状態であり、脳も体も休めた状態である。つまり、睡眠の深さは睡眠の質を表す情報として用いることができる。特に、単純な睡眠時間はユーザーがある程度自覚可能であるところ、睡眠の深さは自覚が非常に難しいため、そのような情報をユーザーに提示することの意義が大きい。
この際、睡眠状態を適切に判定することが重要である。なぜなら、そもそも覚醒状態にあると判定されてしまえば、当該期間は睡眠の浅い深いに関する情報を提示する対象とならない。図1(A)のA1〜A2の期間であれば、本来は睡眠状態にあるため、睡眠の深さ情報の提示が重要であるところ、従来の逐次判定では覚醒状態とされてしまう。そのため、例えば覚醒状態と判定され、且つ加速度の値が小さいことを根拠として、「リラックスした状態」といった判定をされる可能性があり、ユーザーの感覚との乖離が大きい。
その点、本実施形態の手法では睡眠状態の始点終点を適切に決定することができるため、睡眠状態の判定だけでなく、睡眠の深さに関する情報も適切に出力可能である。睡眠状態に関する判定結果の出力画面(表示画面)の例を図13(A)、図13(B)に示す。図13(A)上部の円グラフに示したように、本実施形態の手法であればユーザーの睡眠時間を適切に出力可能である。図13(A)では対象とした日に、ユーザーは6時間44分の睡眠をとったことがわかる。さらにその6時間44分を対象として睡眠の深さの判定を行いその結果を表示している。円グラフでは、浅い睡眠と深い睡眠を色を変えて表示することでその割合をわかりやすく提示し、図13(A)下部では、具体的な数値を表示している。図13(A)では深い睡眠が41分、浅い睡眠が6時間3分であり、浅い睡眠の割合が非常に大きいことがわかる。図13(A)の表示を見れば、ユーザーとしては睡眠時間はある程度とれているが、睡眠の質はよくないといった判断ができる。
また、図13(A)には、脈拍数の時間変化、及び浅い睡眠深い睡眠の具体的な出現時間を表すグラフも表示されている。グラフの横軸が時刻を表し、縦軸は脈拍数の値を表す。睡眠の深さの判定手法は種々考えられるが、脈拍数の値と所与の閾値との比較処理を行えばよい。ここでの閾値とは、ユーザーの活動が非常に抑制された状態での値を基準として決定されるものであり、例えば対象ユーザーの一日の中での最も低い脈拍数(最低脈拍数)の定数倍、或いは深睡眠状態での脈拍数と判定された脈拍数(基底脈拍数、基底心拍数)の定数倍等である。図13(A)の例では閾値として50が設定されている。
グラフは、覚醒状態、浅い睡眠状態、深い睡眠状態でそれぞれ色分けして表示されてもよい。図13(A)の例では、0時の少し前に睡眠状態が開始され、5時過ぎまではずっと浅い睡眠状態にあり、5時から6時の間に2回深い睡眠状態が現れたことがわかる。このようにすれば、1回の睡眠状態の中での睡眠の深さの推移を表示することが可能である。
また、図13(B)は異なる日でのデータである。図13(B)の場合には、睡眠状態のうち半分程度の時間が深い睡眠状態にあり、睡眠の質が高いことがわかる。本実施形態の手法を用いることで、睡眠状態の判定結果をユーザーの感覚に近づけることが可能になるとともに、図13(A)、図13(B)に示したような睡眠の深さ等に関する判定結果も、より適切なものとすることが可能である。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また生体情報検出システム、生体情報検出装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 バンド部、12 バンド穴、14 バックル部、15 バンド挿入部、
16 突起部、20 体動センサー、30 ケース部、32 発光窓部、
40 センサー部、100 生体情報検出システム、110 脈波情報取得部、
120 体動情報取得部、130 記憶部、140 処理部、
200 ウェアラブル装置、210 脈波センサー、220 体動センサー、
400 処理装置、NE ネットワーク、Tha−Tha2 加速度閾値、
Thp 脈拍数閾値、Thta1−Thta4 加速度累計時間閾値、
Thtp−Thtp2 脈拍累計時間閾値

Claims (12)

  1. ユーザーの脈波情報を取得する脈波情報取得部と、
    前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部と、
    前記脈波情報及び前記体動情報を蓄積して記憶する記憶部と、
    処理部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    所与の期間における前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの睡眠状態の判定を行うことを特徴とする生体情報検出システム。
  2. 請求項1において、
    前記処理部は、
    前記脈波情報の変化情報に基づいて、
    前記体動情報の変化情報を用いた前記睡眠状態の判定における判定条件を設定することを特徴とする生体情報検出システム。
  3. 請求項2において、
    前記処理部は、
    前記脈波情報の変化情報の変化幅が第1の変化幅である場合に、第1の判定条件により前記体動情報の変化情報を用いた前記睡眠状態の判定を行い、
    前記脈波情報の変化情報の変化幅が前記第1の変化幅よりも小さい第2の変化幅である場合に、前記第1の判定条件に比べて前記ユーザーが前記睡眠状態と判定されにくい第2の判定条件により、前記体動情報の変化情報を用いた前記睡眠状態の判定を行うことを特徴とする生体情報検出システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記体動情報は、加速度センサーにより得られる加速度であり、
    前記脈波情報は、脈波センサーにより得られる脈拍数であり、
    前記処理部は、
    前記体動情報の変化情報に基づいて、前記加速度が加速度閾値を継続して下回ったと判定された加速度低下期間を特定し、
    前記脈波情報の変化情報に基づいて、前記加速度低下期間における前記脈拍数が脈拍数閾値を下回ったと判定された時間の累計である睡眠判定累計時間を求め、
    前記加速度低下期間と前記睡眠判定累計時間に基づいて、前記睡眠状態の判定を行うことを特徴とする生体情報検出システム。
  5. 請求項4において、
    前記処理部は、
    前記睡眠判定累計時間が脈拍累計時間閾値以上と判定された場合には、前記加速度低下期間の長さと第1の加速度累計時間閾値を用いた閾値判定により前記睡眠状態の判定を行い、
    前記睡眠判定累計時間が前記脈拍累計時間閾値よりも小さいと判定された場合には、前記第1の加速度累計時間閾値よりも大きい値である第2の加速度累計時間閾値と前記加速度低下期間の長さとを用いた閾値判定により前記睡眠状態の判定を行うことを特徴とする生体情報検出システム。
  6. 請求項4又は5において、
    前記処理部は、
    前記ユーザーが前記睡眠状態を開始したと判定された後であって、前記加速度が第2の加速度閾値を継続して上回ったと判定された加速度増加期間を特定し、
    前記加速度増加期間が第3の加速度累計時間閾値以上と判定された場合に、前記加速度増加期間の開始タイミングにおいて前記ユーザーの前記睡眠状態が終了したと判定することを特徴とする生体情報検出システム。
  7. 請求項5において、
    前記処理部は、
    前記ユーザーが前記睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、前記睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合に比べて、前記第1の加速度累計時間閾値及び前記第2の加速度累計時間閾値の少なくとも一方を小さく設定することを特徴とする生体情報検出システム。
  8. 請求項6において、
    前記処理部は、
    前記ユーザーが前記睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報が取得された場合には、前記睡眠ウィンドウ情報が取得されなかった場合に比べて、前記第3の加速度累計時間閾値を大きく設定することを特徴とする生体情報検出システム。
  9. 請求項1において、
    前記処理部は、
    前記ユーザーが前記睡眠状態にあると想定される期間を表す睡眠ウィンドウ情報を取得し、
    前記睡眠ウィンドウ情報により表される期間での前記脈波情報及び前記体動情報を少なくとも含む、前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの前記睡眠状態の判定を行うことを特徴とする生体情報検出システム。
  10. 請求項9において、
    前記体動情報は、加速度センサーにより得られる加速度であり、
    前記脈波情報は、脈波センサーにより得られる脈拍数であり、
    前記処理部は、
    前記体動情報の変化情報に基づいて、前記加速度が加速度閾値を継続して下回ったと判定された加速度低下期間を特定し、
    前記加速度低下期間の少なくとも一部が前記睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれる場合には、前記脈波情報の変化情報に基づいて、前記加速度低下期間における前記脈拍数が脈拍数閾値を下回ったと判定された時間の累計である睡眠判定累計時間を求め、前記加速度低下期間と前記睡眠判定累計時間に基づいて、前記睡眠状態の判定を行い、
    前記加速度低下期間の全部が前記睡眠ウィンドウ情報により表される期間に含まれない場合には、前記加速度低下期間に基づく前記睡眠状態の判定を行なわないことを特徴とする生体情報検出システム。
  11. ユーザーの脈波情報を取得する脈波センサーと、
    前記ユーザーの体動情報を取得する体動センサーと、
    前記脈波情報及び前記体動情報を蓄積して記憶する記憶部と、
    処理部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    所与の期間における前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの睡眠状態の判定を行うことを特徴とする生体情報検出装置。
  12. ユーザーの脈波情報を取得する処理を行い、
    前記ユーザーの体動情報を取得する処理を行い、
    前記脈波情報及び前記体動情報を蓄積して記憶する処理を行い、
    所与の期間における前記脈波情報の変化情報及び前記体動情報の変化情報に基づいて、前記ユーザーの睡眠状態の判定処理を行う、
    ことを特徴とする生体情報検出システムの制御方法。
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