JP2011197241A - 液体現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー粒子が含有する結着樹脂を可塑化する固体可塑剤として、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満ではキャリア液体に溶解しない固体可塑剤を用いない場合に比べ、画像の裏移りを抑制する液体現像剤を提供する。
【解決手段】着色剤、結着樹脂、及び、前記結着樹脂を可塑化する固体可塑剤を含有するトナー粒子と、前記トナー粒子を分散させるための絶縁性のキャリア液体とを含み、前記固体可塑剤が、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満では前記キャリア液体に溶解しない液体現像剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来の液体現像剤として、揮発性液体のキャリア液体中に熱可塑性樹脂を含むトナーが分散されたものや、難揮発性液体のキャリア液体中に熱可塑性樹脂を含むトナーが分散されたものが知られている。
例えば、樹脂成分として特定の分子量をもつポリエステル樹脂に特定の融点範囲の離型剤を用いる液体現像剤が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、脂肪酸モノエステルからなるキャリア液体と、トナー粒子中にエステル系ワックスを含有し、そのエステル系ワックスが脂肪酸モノエステルにより可塑化されている現像剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
トナー粒子には、溶融定着の観点から、結着樹脂を可塑化する可塑剤を添加することがあり、例えば、特定の樹脂中に液状の可塑剤を混合する現像剤が開示されている(例えば、特許文献3、および特許文献4参照)。特許文献5に記載のトナーは、乾式現像剤のトナーであるが、結着樹脂、着色剤とともに固体可塑剤を含有するコアと、コアの表面を被覆するシェルと、からなるコア−シェル構造のトナーが開示されている。
また、常温あるいは加熱時にトナー樹脂を溶解、あるいは膨潤する可塑剤をキャリア液体に含有させた現像剤が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2004−205843号公報 特開2009−15244号公報 特開平08−272152号公報 特開平10−228135号公報 特開2007−199314号公報 特開2002−258542号公報
本発明の課題は、画像の裏移りを抑制する液体現像剤を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
着色剤、結着樹脂、及び、前記結着樹脂を可塑化する固体可塑剤を含有するトナー粒子と、
前記トナー粒子を分散させるための絶縁性のキャリア液体とを含み、
前記固体可塑剤が、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満では前記キャリア液体に溶解しない液体現像剤である。
請求項2に係る発明は、
前記結着樹脂がポリエステルであり、前記固体可塑剤がポリエステルポリオールである請求項1に記載の液体現像剤である。
請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の液体現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジである。
請求項4に係る発明は、
静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
請求項1または請求項2に記載の液体現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、画像の裏移りを抑制する液体現像剤が提供される。
請求項2に係る発明によれば、結着樹脂がポリエステルではなく、前記固体可塑剤がポリエステルポリオールではない場合に比べ、画像の裏移りを抑制する液体現像剤が提供される。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、画像の裏移りを抑制するプロセスカートリッジが提供される。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、画像の裏移りを抑制する画像形成装置が提供される。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
<液体現像剤>
本実施形態に係る液体現像剤は、着色剤、結着樹脂、及び、前記結着樹脂を可塑化する固体可塑剤を含有するトナー粒子と、前記トナー粒子を分散させるための絶縁性のキャリア液体とを含み、前記固体可塑剤が、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満では前記キャリア液体に溶解しない液体現像剤である。
液体現像剤を上記構成とすることで、画像の裏移りが抑制される。この理由については定かではないが以下に示す理由によるものと考えられる。
トナー粒子に含まれる結着樹脂は可塑剤により可塑化され、トナー像は軟化する。そのため、トナー像の低温定着(例えば120℃以下での定着)を促進し、画像を形成し得る。一方、トナー像が軟化したままであると、トナー像(画像)を定着した記録媒体を積層したり、当該記録媒体を暑い(例えば40℃以上)場所に放置したときに、画像が記録された記録媒体と他の記録媒体とがくっついたり、記録媒体の画像が定着している側とは反対の面(裏面)にトナーが移る裏移り等の現象が生じることがある。
ここで、本実施形態に係る液体現像剤に含まれるトナー粒子は、可塑剤として固体可塑剤を含有し、当該固体可塑剤は、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満では前記キャリア液体に溶解しない。換言すると、例えば加熱定着装置等により溶融して液状化した固体可塑剤は、結着樹脂から離れてキャリア液体に流れ出すと考えられる。
そのため、トナー像の定着時において、固体可塑剤は、トナー粒子の結着樹脂の可塑化に寄与して低温定着を実現する一方で、定着時の熱により液状化し、キャリア液体に移行して溶解される。その状態でトナー像の乾燥が進み、固体可塑剤の融点未満まで温度が下がると、固体可塑剤がトナー像(画像)表面に析出すると考えられる。記録媒体に定着した画像は、析出した固体可塑剤の膜により覆われ、固体可塑剤による、いわば保護膜が形成され、画像の裏移りやベタツキを抑制すると考えられる。
また、固体可塑剤がキャリア液体に流れ出すことで、トナー像(画像)中の結着樹脂に含まれていた固体可塑剤の濃度が低下すると考えられる。その結果、結着樹脂のガラス転移温度Tgが大きくなり、画像の耐擦過性も向上すると考えられる。
以下、本実施形態に係る液体現像剤の構成成分について、詳細に説明する。
〔トナー粒子〕
トナー粒子は、着色剤、結着樹脂、及び、結着樹脂を可塑化する固体可塑剤を含有する。トナー粒子は、更に離型剤や帯電制御剤等を含有していてもよい。
まず、固体可塑剤について説明する。
固体可塑剤は、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満ではキャリア液体に溶解しない。
固体可塑剤の融点が40℃未満であると、トナー粒子が現像される前に可塑剤がキャリア液体に流れ出し、トナー粒子中の可塑剤濃度が減少するため、結着樹脂の可塑化が抑制される。一方、固体可塑剤の融点が定着温度よりも高いと、定着時に固体可塑剤が液状化せず、キャリア液体に流れ出さなくなる。
ここで、「固体」とは、融点が40℃以上であり、結着樹脂と相溶しないことを意味する。なお、固体可塑剤の融点は、40℃以上定着温度以下であるが、40℃以上100℃以下であることが好ましく、50℃以上90℃以下であることがより好ましい。固体可塑剤の融点は、示差走査熱量計〔マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001〕(以下、単に「DSC」と称することがある)を用いて得られる値である。
固体可塑剤が、融点未満でもキャリア液体に溶解すると、既述のように、トナー粒子が現像される前に可塑剤がキャリア液体に流れ出し、トナー粒子中の可塑剤濃度が減少するため、結着樹脂が可塑化しない。
固体可塑剤がキャリア液体に「溶解するか否か」の判断は、キャリア液体10gに対し、可塑剤を1.0g添加した後、温度を変化させながら各温度で3時間放置し、溶解状態を目視で観察し、均一な透明液体になったところの温度を固体可塑剤がキャリア液体に溶解する温度とした。
なお、固体可塑剤と離型剤との区別は、結着樹脂の可塑性の程度で判断する。具体的には、結着樹脂の全質量に対し、3質量%の物質を添加したときに、結着樹脂のガラス転移温度Tgが5℃以上減少する物質を「固体可塑剤」とする。結着樹脂の全質量に対し、3質量%の物質を添加したときに、結着樹脂のガラス転移温度Tgの変化量が5℃未満である物質を「離型剤」とする。
なお、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計〔マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001〕を用い、JIS 7121−1987に準拠した測定により得られる値である。装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。試料(結着樹脂)はアルミニウム製パンに入れ、試料の入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定する。測定により得られるDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とする。
固体可塑剤としては、例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロへキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロへキシル、N−シクロへキシル−p−トルエンスルホンアミド、トリフェニルホスフェート、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
中でも、ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールは、2個以上15個以下の炭素原子を持つ一種以上の多価アルコールと2個以上14個以下の炭素原子を持つ一種以上のポリカルボン酸との縮合により形成されたものである。
好適な多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、たとえば1,2−プロピレングリコール及び1,3−プロピレングリコール、グリセロール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,4,6−オクタントリオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンジオール、オクタンジオール、クロロペンタンジオール、グリセロールモノアリルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、2−エチルヘキサンジオール−1,4、シクロヘキサンジオール−1,4、1,2,6−ヘキサントリオール、1,3,5−ヘキサントリオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)プロパンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、ドデシルマレイン酸、オクタデセニルマレイン酸、フマル酸、アコニン酸(aconitic acid)、トリメリット酸、トリカルバリル酸、3,3’−チオジプロピオン酸、コハク酸、アジピン酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、及び対応する酸無水物、酸クロリド及び酸エステル、例えば無水フタル酸、フタロイルクロリド、及びフタル酸のジメチルエステルなどが挙げられる。
ポリカルボン酸は、14個以下の炭素原子を含む脂肪族及び脂環式ジカルボン酸並びに14個以下の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
固体可塑剤の含有量は、着色剤を除くトナー粒子の全質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
トナー粒子に含まれる結着樹脂としては、公知の結着樹脂が挙げられる。
例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
中でもポリエステルが好ましい
また、トナー粒子に含まれる着色剤としては、公知の着色剤が挙げられる。
例えば、着色剤としてマグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる
トナー粒子は離型剤を含有していることが好ましい。
ただし、本実施形態にかかる液体現像剤に含有し得る離型剤は、動物、植物、鉱物、または合成原料、及びそれらの混合物であり、室温で固体状のものである。
例えば、蜜ろう、ラノリンワックス、白ろう、米ワックス(rice wax)、カルナウバ(carnauba)ろう、カンデリラ(candelilla)ワックス、アワリカレー(ouricurry)ワックス、アルファアルファワックス、コルク繊維ワックス、さとうきびワックス、木ろう、スマック(sumac)ワックス、モンタン(montan)ワックス、ミクロ結晶状(microcrystalline)ワックス、パラフィン、臭ろう(ozokerite)、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプッシュ(Fisher−Tropsch)合成で得られるワックス、ワックス状共重合体とそれらのエステル類などの炭化水素化されたワックス等が挙げられる。
さらに、トナー粒子には必要に応じて、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等の公知の帯電制御剤を添加してもよい。
また、トナー粒子には、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の公知の外添剤を外添させてもよい。
トナー粒子の体積平均粒径D50vは、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。上記範囲内であることで、付着力が強く、現像性に優れたトナーとし得る。また、画像の解像性が向上される。トナー粒子の体積平均粒径D50vは、0.8μm以上4.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上3.0μm以下であることが更に好ましい。
トナー粒子の体積平均粒径D50v、数平均粒度分布指標(GSDp)、体積平均粒度分布指標(GSDv)等は、2μm以上のトナー粒子に対しては、コールターマルチサイザー(コールター社製)測定器で測定される。2μmを下回るトナー粒子に対しては、動的光散乱式粒径分布測定装置、例えば、LB−500(堀場製作所社製)、マイクロトラックUPA(日機装社製)で測定される。あるいは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 例えば、LS13 320(BECKMAN COULTER社製)を用いて測定される。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の製造方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤、固体可塑剤、及び、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法がある。また、結着樹脂、着色剤、固体可塑剤、及び、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等を有機溶媒に混合した混合物を、分散安定剤を加えた水性媒体中分散し、次いで溶剤を除去してトナー粒子を得る方法、あるいはまた、単量体、着色剤、固体可塑剤、及び重合開始剤、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等を混合した混合物を、分散安定剤を加えた水性媒体中分散し、重合させトナー粒子を得るいわゆる懸濁重合による方法、さらには、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び固体可塑剤を水系分散媒中に分散する分散工程、分散した結着樹脂の粒子及び着色剤の粒子を金属イオンによって凝集させる凝集工程、次いで結着樹脂の粒子のみを追加して凝集させる追加凝集工程、及び凝集粒子を熱融着する熱融着工程を経て製造する方法であってもよい。
〔キャリア液体〕
キャリア液体は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体であり、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン系溶剤、エクソン社製アイソパーH、アイソパーM、アイソパーL(商品名)、松村石油研究所製モレスコホワイトP−40、P−60、P−70(商品名)、等のパラフィン系溶剤、大豆油、亜麻仁油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油、ガソリン等の鉱物油等が用いられる。
キャリア液体は、上記成分のうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。キャリア液体を2種以上の混合系として用いる場合、例えば、パラフィン系溶剤と植物油との混合系や、シリコーン系溶剤と植物油との混合系が例示される。
キャリア液体を1種単独で用いる場合は、パラフィン系溶剤を用いることが好ましい。
キャリア液体を2種以上の混合で用いる場合は、パラフィン系溶剤と、植物油との混合系であることが好ましい。
キャリア液体は、各種副資材、例えば、分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
液体現像剤は、既述のトナー粒子とキャリア液体とを、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル等の分散機を用いて混合し、粉砕して、トナー粒子をキャリア液体中に分散することにより得られる。
なお、トナー粒子のキャリア液体中への分散は分散機に限られず、ミキサーのごとく、特殊な攪拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザーとして知られるローター・ステーターの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。
このとき、キャリア液体中のトナー粒子の濃度は、0.5質量%以上40質量%以下の範囲とすることが望ましく、1質量%以上30質量%以下の範囲とすることがより好適である。
その後、得られた分散液を、例えば孔径100μmの膜フィルターを用いて濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去してもよい。
<プロセスカートリッジ、画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置は、静電潜像保持体(以下、「像保持体」という場合がある)と、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、液体現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備える。そして、液体現像剤として、上記本実施形態に係る液体現像剤を適用する。
上記画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着するなカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、既述の液体現像剤を収納し、潜像保持体上に形成された静電潜像を液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態における、液体現像剤を用いた画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。画像形成装置100は、感光体(静電潜像保持体)10、帯電装置(帯電手段)20、露光装置(静電潜像形成手段)12、現像装置(現像手段)14、中間転写体(転写手段)16、クリーナ18、転写定着ローラ(転写手段)28を含んで構成される。感光体10は円柱形状を有し、該感光体10の外周に、帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、及び、クリーナ18が順次に設けられている。
以下、この画像形成装置100の動作について簡単に説明する。
帯電装置20が感光体10の表面を予め定められた電位に帯電させ、帯電された表面を画像信号に基づき、露光装置12が、例えばレーザ光線によって露光して静電潜像を形成する。
現像装置14は、現像ローラ14aと現像剤貯蔵容器14bとを含んで構成される。現像ローラ14aは、現像剤貯蔵容器14bに貯蔵される液体現像剤24に一部が浸るようにして設けられる。
液体現像剤24中では、トナー粒子は分散されているが、例えば液体現像剤24を、さらに現像剤貯蔵容器14b内に設けられる撹拌部材によって撹拌し続けることで、液体現像剤24中のトナー粒子の濃度の位置ばらつきは低減される。これにより図の矢印A方向に回転する現像ローラ14aには、トナー粒子の濃度バラツキが低減された液体現像剤24が供給される。
現像ローラ14aに供給された液体現像剤24は、規制部材によって一定の供給量に制限された状態で感光体10に搬送され、現像ローラ14aと感光体10とが近接(あるいは接触)する位置で静電潜像に供給される。これによって静電潜像は顕像化されてトナー像26となる。
現像されたトナー像26は、図の矢印B方向に回転する感光体10に搬送され用紙(記録媒体)30に転写されるが、本実施形態では、用紙30に転写する前に、感光体10からのトナー像の剥離効率を含めた記録媒体への転写効率を向上させ、さらに記録媒体への転写と同時に定着を行うため、一旦中間転写体16にトナー像を転写する。このとき、感光体10及び中間転写体16間に周速差を設けてもよい。
次いで、中間転写体16により矢印C方向に搬送されたトナー像は、転写定着ローラ28との接触位置において用紙30に転写されると共に定着される。
転写定着ローラ28は、中間転写体16とによって用紙30を挟み、中間転写体16上のトナー像を用紙30に密着させる。これによって用紙30にトナー像を転写し、用紙上にトナー像が定着され、定着画像29となる。トナー像の定着は、トナー粒子中の固体可塑剤が溶解して結着樹脂を可塑化し易いように、転写定着ローラ28に発熱体を設けて加圧及び加熱により行うことが好ましい。定着温度は、通常、120℃以上200℃以下であるが、既述の固体可塑剤の溶融性と結着樹脂の可塑化の観点から、100℃以上180℃以下であることが好ましい。
中間転写体16が図1に示すようにローラ形状であれば、転写定着ローラ28とローラ対を構成するため、中間転写体16、転写定着ローラ28が各々定着装置における定着ローラ、押圧ローラに準じた構成となって定着機能を発揮する。すなわち、用紙30が前記ニップを通過する際、トナー像が転写されると共に転写定着ローラ28により中間転写体16に対して加熱及び押圧される。これにより、トナー像を構成するトナー粒子中の固体可塑剤が溶融し、結着樹脂が軟化すると共に、トナー像が用紙30の繊維中に浸潤して、用紙30に定着画像29が形成される。
用紙30に形成された定着画像29が、空冷され、固体可塑剤の融点よりも低い温度に冷却されることによって、定着画像29の表面に固体可塑剤が析出し、析出した固体可塑剤が定着画像の保護膜として機能すると考えられる。さらに、定着画像29中の結着樹脂のガラス転移温度Tgが大きくなり、定着画像29の耐擦過性が向上すると考えられる。
本実施形態では用紙30への転写と同時に定着を行っているが、転写工程と定着工程とを別々として、転写を行った後に定着を行ってもよい。この場合には、感光体10からトナー像を転写する転写ローラが、中間転写体16に準じた機能を有することとなる。
一方、中間転写体16にトナー像26を転写した感光体10では、転写残トナー粒子リーナ18との接触位置まで運ばれ、クリーナ18によって回収される。なお、転写効率が100%に近く、残留トナーが問題とならない場合は、クリーナ18は設ける必要がない。
画像形成装置は、さらに、転写後かつ次の帯電までに感光体10の表面を除電する除電装置(図示せず)を備えていてもよい。
画像形成装置100に備えられる帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、転写定着ローラ28、及び、クリーナ18は、すべて感光体10の回転速度と同期をとって動作されている。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、「部」及び「%」は、特に断りのない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<可塑剤等の溶解性の確認>
結着樹脂
結着樹脂として、次の樹脂を用意した。
・ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕
・スチレンアクリル樹脂〔藤倉化成(株)製〕
可塑剤、離型剤
可塑剤及び離型剤として、次の可塑剤A乃至可塑剤C、及び離型剤aを用意した。
・可塑剤A:ポリエステルポリオール〔DIC(株)製ODX−2555、融点74℃〕
・可塑剤B:1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート
〔CBC(株)製、ベンゾフレックス352、融点118℃〕
・可塑剤C:液状可塑剤ジブチルフタレート〔和光純薬(株)製〕
・離型剤a:ワックス〔日油(株)製、WEP−2、融点60℃〕
キャリア液体
キャリア液体として、次の化合物を用意した。
・パラフィンオイル〔松村石油研究所社製、モレスコホワイトP−70〕
−参考例1−
ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕95部に、ポリエステルポリオール〔DIC(株)製ODX−2555、融点74℃〕(可塑剤A)5部を混合し、卓上ニーダーで120℃に加温しながら溶融混合し、可塑剤混合物1を得た。
可塑剤混合物1を取り出し、透明状態になっている場合を、樹脂への相溶性○、白濁したときを×で評価した。次いで、混合物のTg(相溶後)を、DSCにより測定した。結着樹脂(ポリエステル樹脂)に可塑剤(ポリエステルポリオール)を添加しない場合のTg(単独)もDSCで測定した。また、ポリエステルポリオール1部をキャリア液体10部に入れ、加温して溶解性を調べた。
−参考例2−
スチレンアクリル樹脂〔藤倉化成(株)製〕95部に、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート〔CBC(株)製、ベンゾフレックス352、融点118℃〕(可塑剤B)5部を混合し、可塑剤混合物2を得た。参考例1において、可塑剤混合物1を可塑剤混合物2に代えた他は同様に評価した。
−参考例3−
ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕95部に、液状可塑剤ジブチルフタレート〔和光純薬(株)製、融点−35℃〕(可塑剤C)5部を混合し、可塑剤混合物3を得た。参考例1において、可塑剤混合物1を可塑剤混合物3に代えた他は同様に評価した。
−参考例4−
ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕95部に、ワックス〔日油(株)製、WEP−2、融点60℃〕(離型剤a)5部を混合し、離型剤混合物1を得た。参考例1において、可塑剤混合物1を離型剤混合物1に代えた他は同様に評価した。
表1中、「融点」は、可塑剤または離型剤の融点〔℃〕を表す。「樹脂への相溶性」は、可塑剤または離型剤が、結着樹脂であるポリエステル樹脂と相溶したときを「○」、相溶しなかったときを「×」とした。
表1中、「樹脂のTg」は、結着樹脂のガラス転移温度〔℃〕を表し、「単独」は、結着樹脂に対して可塑剤が添加されていない、結着樹脂自体のTgを表し、「相溶後」は、結着樹脂に対して可塑剤が添加され、結着樹脂が可塑剤に溶解した後の結着樹脂のTgを表す。「差」は、「単独」の温度と「相溶後」の温度との差を表す。
表1中、「キャリア液体への溶解性」欄における「温度」は、可塑剤または離型剤がキャリア液体に溶解する温度を表し、「状態」は、可塑剤または離型剤がキャリア液体に溶解したときに目視観察した結果を表す。
可塑剤A乃至可塑剤C、及び離型剤aを用いて、実施例または比較例の液体現像剤を作製し、低温定着性及び画像保存性(画像の裏移り)を評価した。なお、実施例及び比較例において、混練粉砕物の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定した。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から個数累積分布を引いて、累積50%となる粒径(個数平均体積平均50%粒径)として算出した。
〔実施例1〕
(シアン顔料マスターバッチの作製)
・ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕 60部
・シアン顔料C.I.ピグメントブルー15:3〔クラリアント(株)製〕 40部
上記成分を加圧ニーダーで混練し、混練物を得た。この混練物を粗粉砕して、シアン顔料マスターバッチを作製した。
(液体現像剤1の作製)
次に下記組成の成分を、卓上ニーダー〔入江商会(株)製、PBV−0.1〕を用い120℃で溶解混合し、混合物を得た。
・結着樹脂
ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕 70部
・着色剤
シアン顔料マスターバッチ 25部
・可塑剤
可塑剤A(ポリエステルポリオール;固体可塑剤) 5部
次いで、混合物を取り出し冷却した後、ジェットミルで平均粒径10μmになるまで粗粉砕し、粉砕物を得た。この粉砕物をボールミルに入れ、パラフィンオイル〔松村石油化学研究所(株)製、モレスコホワイトP−70〕(キャリア液体)を、固形分濃度25%になるように加え、分散安定剤〔Lubrizol(株)製、ソルスパース13940〕をキャリア液体に対し固形分濃度1.0%になるように加え、4日間粉砕処理して、液体現像剤1を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.2μmであった。
〔実施例2〕
(液体現像剤2の作製)
液体現像剤1の作製において、可塑剤A(ポリエステルポリオール)を、可塑剤B(ベンゾフレックス352)に変更した以外は同様にして液体現像剤2を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.0μmであった。
〔実施例3〕
(液体現像剤3の作製)
液体現像剤1の作製において、ポリエステル樹脂70部を65部に変更し、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部に加えて、離型剤a(ワックス)5部を加えた他は同様にして液体現像剤3を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.0μmであった。
〔実施例4〕
(液体現像剤4の作製)
液体現像剤1の作製において、キャリア液体であるパラフィンオイルを、亜麻仁油に変更したほかは同様にして、液体現像剤4を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.3μmであった。
〔実施例5〕
(マゼンタ顔料マスターバッチの作製)
・スチレン−アクリル樹脂〔藤倉化成(株)製〕 60部
・マゼンタ顔料C.I.ピグメントレッド122〔クラリアント(株)製〕 40部
上記成分を加圧ニーダーで混練し、混練物を得た。この混練物を粗粉砕して、マゼンタ顔料マスターバッチを作製した。
(液体現像剤5の作製)
次に下記組成の成分を、ボールミルにて溶解分散した。
・結着樹脂
スチレン−アクリル樹脂〔藤倉化成(株)製〕 70部
・着色剤
マゼンタ顔料マスターバッチ 25部
・可塑剤
可塑剤B(ベンゾフレックス352;固体可塑剤) 5部
・酢酸エチル〔和光純薬(株)製〕 100部
一方、塩化ナトリウム(和光純薬(株)製〕20部をイオン交換水135部に溶解させた水溶液に、分散安定剤として炭酸酸カルシウム〔丸尾カルシウム(株)製、ルミナス〕20部を加え、ボールミルで24時間分散して分散媒体とした。この分散媒体170部に前記混合物100部を投入して、乳化装置〔エスエムテー社製IKA社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZERウルトラタラックスT−25〕にて8000rpm24000rpmで1分間乳化し、懸濁液を得た。
撹伴機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、上記懸濁液を入れ、窒素導入管より窒素を導入しながら、60℃で3時間撹拌し、酢酸エチルを除去した。その後冷却し、反応液に10%塩酸水溶液を加えて炭酸カルシウムを分解した後、遠心分離によって固液分離を行った。得られた粒子を1Lのイオン交換水で3回繰り返して洗浄を行った後、得られた粒子を40℃で真空乾燥した。
乾燥したマゼンタ粒子35部に、パラフィン系溶剤のキャリア液体であるホワイトオイル〔松村石油(株)製モレスコホワイトP−40〕103部、ソルスパース1.5部の混合物をボールミルで粉砕して体積平均粒径1.0μmのトナー粒子を含む液体現像剤5を得た。
〔実施例6〕
(液体現像剤6の作製)
下記組成の成分を、卓上ニーダー〔入江商会(株)製、PBV−0.1〕を用い120℃で溶解混合し、混合物を得た。
・結着樹脂
ポリエステル樹脂〔花王(株)製〕 70部
・着色剤
シアン顔料マスターバッチ 25部
・可塑剤
可塑剤A(ポリエステルポリオール;固体可塑剤) 5部
一方、塩化ナトリウム〔和光純薬(株)製〕20部をイオン交換水135部に溶解させた水溶液に、分散安定剤として炭酸酸カルシウム〔丸尾カルシウム(株)製、ルミナス〕20部を加え、ボールミルで24時間分散して分散媒体とした。この分散媒体170部に前記混合物100部を投入して、乳化装置〔エスエムテー社製IKA社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZERウルトラタラックスT−25〕にて8000rpm24000rpmで1分間乳化し、懸濁液を得た。
撹伴機、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、 上記懸濁液を入れ、 窒素導入管より窒素を導入しながら、60℃で3時間撹拌し、酢酸エチルを除去した。その後冷却し、反応液に10%塩酸水溶液を加えて炭酸カルシウムを分解した後、遠心分離によって固液分離を行った。得られた粒子を1Lのイオン交換水で3回繰り返して洗浄を行った後、得られた粒子を40℃で真空乾燥した。
乾燥したシアン粒子35部に、パラフィン系溶剤のキャリア液体であるホワイトオイル〔松村石油(株)製モレスコホワイトP−40〕103部、ソルスパース1.5部の混合物をボールミルで粉砕して体積平均粒径1.0μmのトナー粒子を含む液体現像剤6を得た。
〔実施例7〕
(液体現像剤7の作製)
液体現像剤1の作製において、キャリア液体であるパラフィンオイルを、パラフィンオイルと亜麻仁油との混合比(パラフィンオイル:亜麻仁油)が質量基準で95:5であるパラフィンオイルと亜麻仁油の混合系に変更したほかは同様にして、液体現像剤7を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.4μmであった。
〔実施例8〕
(液体現像剤8の作製)
液体現像剤1の作製において、ポリエステル樹脂70部をスチレン−アクリル樹脂〔藤倉化成(株)製〕70部に変更し、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部を可塑剤B(ベンゾフレックス352)5部に変更した他は同様にして液体現像剤8を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.0μmであった。
〔実施例9〕
(液体現像剤9の作製)
液体現像剤1の作製において、ポリエステル樹脂70部を74部に変更し、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部を1.0部に変更した他は同様にして、液体現像剤9を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.4μmであった。
〔実施例10〕
(液体現像剤10の作製)
液体現像剤1の作製において、ポリエステル樹脂70部を48部に変更し、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部を27部に変更した他は同様にして、液体現像剤10を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は0.9μmであった。
〔比較例1〕
(液体現像剤101の作製)
液体現像剤1の作製において、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部を可塑剤C(液状可塑剤)5部に変更した他は同様にして、液体現像剤101を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.2μmであった。
〔比較例2〕
(液体現像剤102の作製)
液体現像剤1の作製において、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部を、離型剤a(ワックス)5部に変更した他は同様にして、液体現像剤102を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.4μmであった。
〔比較例3〕
(液体現像剤103の作製)
液体現像剤3の作製において、可塑剤A(ポリエステルポリオール)5部を可塑剤C(液状可塑剤)5部に変更した他は同様にして、液体現像剤103を得た。キャリア液体中のトナー粒子の体積平均粒径は1.2μmであった。
<評価>
−低温定着性(MFT評価)−
調製した液体現像剤1乃至液体現像剤5を、2.5%になるように同じオイル(モレスコホワイトP−70)で希釈しディスポセル(ポリスチレン性)に入れた。この中に1mmの間隙で対向させた二枚の透明電極を浸漬し、300Vの電圧を30秒間印加した。電極を引き上げ、プラス電極上に堆積させたトナーを富士ゼロックス社製Jコート紙に転写した。堆積したトナーの載り量を測定すると2g/mであった。転写画像は、外部定着器を用い、Nip6mm下、定着速度500mm/secにて定着した。定着評価においては、最低定着温度の評価を行うため、その定着器の定着温度が可変となるように改造し、定着ロールの定着温度を、100℃から+5℃おきに高め、画像を定着させた。画像が形成された用紙の、定着トナー像のソリッド部のほぼ中央に、内側に折り目を入れ、定着トナー像が破壊された部分をティッシュペーパーで拭い取り、白抜けした線幅を測定し、白抜けした線幅が0.5mm以下となる温度を最低定着温度(MFT)とした。結果を表2に示す。なお、今回の評価においては、MFTは130℃以下で良好であると評価されるものである。
−画像保存性(裏移り評価)−
低温定着性評価において、各液体現像剤を用いて確認された最低の定着温度(MFT(℃))で定着画像が形成されたコート紙2枚を、画像面を重ね合わせ、温度50℃、湿度85%の環境下に荷重500g/cmをかけた状態で、3日間放置した。重ね合わせた画像をはがし、記録紙間における画像同士の融着、非画像部に転写(裏移り)があるか否かを目視にて観察し、下記評価基準により評価した。結果を表2に示す。
−評価基準−
◎:画像保存性に全く問題ないレベル
○:画像表面の光沢にごくわずかな変化が観察されたが問題ないレベル
△:画像に多少の変化が観察されたが実用上の問題ないレベル
×:画像に融着あるいは転写が観察され実用上許容できないレベル
表2からわかるように、実施例に係る固体可塑剤を含有する液体現像剤は、比較例の液体現像剤に比べ、画像の裏移りが抑制され、低温定着性にも優れている。
10 感光体(静電潜像保持体)
12 露光装置(静電潜像形成手段)
14 現像装置(現像手段)
16 中間転写体
18 クリーナ
20 帯電装置(帯電手段)
22 静電潜像
24 液体現像剤
26 トナー像
28 転写定着ローラ(転写手段)
29 定着像
30 記録媒体
100 画像形成装置

Claims (4)

  1. 着色剤、結着樹脂、及び、前記結着樹脂を可塑化する固体可塑剤を含有するトナー粒子と、
    前記トナー粒子を分散させるための絶縁性のキャリア液体とを含み、
    前記固体可塑剤が、40℃以上定着温度以下の融点を有し、かつ、前記融点以上で前記キャリア液体に溶解し、前記融点未満では前記キャリア液体に溶解しない液体現像剤。
  2. 前記結着樹脂がポリエステルであり、前記固体可塑剤がポリエステルポリオールである請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
  4. 静電潜像保持体と、
    前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
    前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    請求項1または請求項2に記載の液体現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
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