JP2011197123A - 潤滑剤塗布装置、画像形成装置、プロセスユニット及び固形潤滑剤 - Google Patents

潤滑剤塗布装置、画像形成装置、プロセスユニット及び固形潤滑剤 Download PDF

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Abstract

【課題】固形潤滑剤の厚み方向の移動量によらずに,固形潤滑剤の寿命の到来を検知することにより、装置内でのセンサレイアウトの自由度を向上する。
【解決手段】固形潤滑剤10Y、及び図示しない感光体にそれぞれ接触しながら回転するのに伴って、固形潤滑剤10Yから掻き取った潤滑剤粉末を感光体に塗布する塗布ブラシローラ7Yと、固形潤滑剤10Yを塗布ブラシローラ7Yに向けて付勢するコイルバネとを備える潤滑剤塗布装置において、固形潤滑剤10Yの厚みの減少量に応じた移動量で、固形潤滑剤をブラシ軸線方向に移動させる潤滑剤移動手段と、固形潤滑剤10Yを保持する保持部材17Yのブラシ軸線方向の移動量を検知する距離センサ156とを設けた。
【選択図】図18

Description

本発明は、表面を無端移動させる塗布部材により、固形潤滑剤から掻き取って得た潤滑剤粉末を被塗布体に塗布する潤滑剤塗布装置、並びにこれを用いる画像形成装置及びプロセスユニットに関するものである。また、潤滑剤塗布装置に搭載される固形潤滑剤に関するものである。
この種の潤滑剤塗布装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、塗布部材たる塗布ブラシローラと、固形潤滑剤を塗布ブラシローラに向けて付勢する付勢手段たるバネとを有している。被塗布体たる感光体に当接しながら回転する塗布ブラシローラに対しては、固形潤滑剤がバネによって押し当てられている。塗布ブラシローラは、その回転に伴って固形潤滑剤から掻き取って得た潤滑剤粉末を感光体の表面に塗布する。潤滑剤粉末が塗布された感光体の表面は、トナーとの物理的な付着力を弱めることで、転写体へのトナー像の転写性を向上させたり、トナーのクリーニング性を向上させたり、自らに対するトナー固着を抑えたりする。
固形潤滑剤は、塗布ブラシローラによって掻き取られるにつれて厚みを徐々に減少させていくが、バネによって塗布ブラシローラに向けて付勢されていることで、厚みにかかわらず塗布ブラシローラに当接し続ける。但し、厚みが非常に小さくなると、割れや欠けを発生させる可能性が高くなるため、ある程度の厚みまで低下した時点で、固形潤滑剤を新たなものに交換する必要がある。
そこで、特許文献1に記載の潤滑剤塗布装置においては、固形潤滑剤に対してバネ側から間隙を介して対向するように配設されたセンサによって固形潤滑剤の厚み方向の移動量を検知している。そして、その移動量が所定の閾値に達した時点、即ち、固形潤滑剤の厚みが所定値まで減少した時点で、固形潤滑剤の寿命の到来をユーザーに報知している。
しかしながら、装置内のレイアウトによっては、固形潤滑剤に対してその厚み方向に対向する位置にセンサを配設することができないなどの理由により、固形潤滑剤の厚み方向の移動量を検知することが困難になる場合が起こり得る。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、固形潤滑剤の厚み方向の移動量によらずに、固形潤滑剤の寿命の到来を検知することができる潤滑剤塗布装置等を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤から掻き取った潤滑剤粉末を被塗布体に塗布する塗布部材と、前記固形潤滑剤を保持する保持部材と、前記保持部材を付勢して前記保持部材上の前記固形潤滑剤を前記塗布部材に当接させる付勢手段とを備える潤滑剤塗布装置において、前記固形潤滑剤と前記塗布部材との摺擦面における塗布部材表面移動方向と直交する方向に前記固形潤滑剤を移動させる潤滑剤移動手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の潤滑剤塗布装置であって、前記塗布部材が、前記固形潤滑剤及び被塗布体にそれぞれ接触する自らの表面を無端移動させるのに伴って、前記固形潤滑剤から掻き取った潤滑剤粉末を前記被塗布体に塗布するものであり、且つ、前記潤滑剤移動手段が、前記固形潤滑剤の厚みの減少量に応じた移動量で、前記固形潤滑剤と前記塗布部材との摺擦面における塗布部材表面移動方向と直交する方向に前記固形潤滑剤を移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の潤滑剤塗布装置において、前記直交する方向の移動量を検知する移動量検知手段と、これによる検知結果に基づいて前記固形潤滑剤の消費量を把握する消費量把握手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤移動手段が、前記固形潤滑剤を厚みの減少量よりも多い移動量で前記直交する方向に移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3又は4の潤滑剤塗布装置であって、前記塗布部材が、回転可能に支持される回転軸部材、及びこれの周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部を具備する塗布ブラシローラであり、且つ、前記直交する方向が、前記塗布ブラシローラの回転軸線方向であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤移動手段が、前記回転軸線方向及び前記固形潤滑剤の厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜を具備するガイドレール又はガイド溝を有し、前記ガイドレール又はガイド溝に係合する前記固形潤滑剤又は保持部材を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記ガイドレール又はガイド溝に沿った方向に移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の潤滑剤塗布装置であって、前記固形潤滑剤又は前記保持部材が、前記ガイドレールに係合する凹部、又は前記ガイド溝に係合する凸部を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5の潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤移動手段が、前記回転軸線方向及び前記固形潤滑剤の厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜を具備するガイド棒を有し、前記ガイド棒に係合している前記固形潤滑剤又は保持部材を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って、前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記ガイド棒に沿った方向に移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の潤滑剤塗布装置であって、前記固形潤滑剤及び前記保持部材が、前記ガイド棒に係合する穴部を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5の潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤移動手段が、前記回転軸線方向及び前記固形潤滑剤の厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜面を有し、前記保持部材の前記回転軸線方向の一端を前記傾斜面に突き当てながら、前記保持部材及び固形潤滑剤を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記傾斜面に沿った方向に移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項6乃至7あるいは請求項10、の何れかの潤滑剤塗布装置において、消費していない初期状態の前記固形潤滑剤を、所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の前記固形潤滑剤を、前記所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量を多くするように、前記ガイドレール、ガイド溝又は傾斜面の傾斜角を少なくとも2段階で変化させたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項5の潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤移動手段が、湾曲面を有し、前記保持部材の前記回転軸線方向の一端を前記湾曲面に突き当てながら、前記保持部材及び固形潤滑剤を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記湾曲面に沿った方向に移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の潤滑剤塗布装置において、消費していない初期状態の前記固形潤滑剤を、所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の前記固形潤滑剤を、前記所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量を多くするように、前記湾曲面の曲率を少なくとも2段階で変化させたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項5の潤滑剤塗布装置であって、前記固形潤滑剤が、前記回転軸線方向の一端側よりも中央側を肉厚にする段差を前記回転軸線方向の一端部に具備するものであり、且つ、前記潤滑剤移動手段が、前記固形潤滑剤の前記一端部を突き当て部材に突き当てた状態で、前記固形潤滑剤を前記突き当て部材に向けて付勢するものであることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項6乃至14の何れかの潤滑剤塗布装置において、前記固形潤滑剤に対して前記回転軸線方向に向かう移動力を付与する移動力付与手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の潤滑剤塗布装置において、前記塗布ブラシローラが、前記起毛の配列偏差、剛性偏差、植毛密度偏差、あるいは毛倒れ癖により、前記固形潤滑剤との摺擦面で前記固形潤滑剤に対して前記無端移動方向の力に加えて前記回転軸線方向の力を付与することで、前記移動力付与手段として機能するものであることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項6乃至16の何れかの潤滑剤塗布装置において、前記固形潤滑剤として、前記回転軸線方向の長さが、前記塗布ブラシローラのブラシローラ部の長さよりも大きく、且つ長さの差が初期状態から寿命到達までにおける前記固形潤滑剤の前記回転軸線方向の移動量と同等以上であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の潤滑剤塗布装置において、前記消費量把握手段による把握結果に基づいて特定される前記固形潤滑剤の初期状態からの厚みの減少量が、前記塗布ブラシローラの前記回転軸部材の外周面から前記ブラシローラ部の外周面までの距離と同じ値になるのに先立って、前記固形潤滑剤の寿命到来を報知する報知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項17又は18の潤滑剤塗布装置において、前記固形潤滑剤として、前記回転軸線方向に沿った移動方向とは反対側の端部に、端側から中央側に向かうにつれて前記塗布ブラシローラに近づいていくテーパーを設けたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項6乃至16の何れかの潤滑剤塗布装置において、前記塗布ブラシローラとして、前記ブラシローラ部の回転軸線方向の長さが前記被塗布体における前記回転軸線方向の長さよりも大きいものを用いるとともに、前記固形潤滑剤として、前記回転軸線方向の長さが前記被塗布体における前記回転軸線方向の長さよりも大きいものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項1乃至20の何れかの潤滑剤塗布装置において、前記付勢手段を前記回転軸線方向に沿って移動可能に支持する支持部材を設け、前記固形潤滑剤及び保持部材の前記回転軸線方向への移動に連動させて、前記支持部材を前記回転軸線方向に移動させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項1乃至20の何れかの潤滑剤塗布装置において、前記付勢手段として、回転可能なカム部材を前記保持部材に押し当てて、前記保持部材及び固形潤滑剤を前記塗布部材に向けて付勢するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項5の潤滑剤塗布装置であって、前記潤滑剤移動手段が、前記保持部材の前記回転軸線方向における両端部をそれぞれ揺動可能な揺動アームによって支持しながら、揺動アームを揺動軌道における一端側から他端側に向けて付勢して、前記保持部材及び固形潤滑剤を前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む方向に移動させるものであることを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項1乃至23の何れかの潤滑剤塗布装置において、前記移動量検知手段を、前記直交する方向における前記固形潤滑剤又は保持部材の側方に配設したことを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、トナー像を担持する像担持体と、これの表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とを備える画像形成装置において、前記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至24の何れかの潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、トナー像を担持する像担持体と、これの表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置と、前記像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段とを備える画像形成装置に用いられ、少なくとも、前記像担持体と前記潤滑剤塗布装置とを共通の保持体に保持させて1つのユニットとして画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスユニットであって、前記潤滑剤塗布装置が、請求項1乃至24の何れかの潤滑剤塗布装置であることを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、固形潤滑剤及び被塗布体にそれぞれ接触しながら回転するのに伴って、前記固形潤滑剤から掻き取った潤滑剤粉末を前記被塗布体に塗布する塗布部材と、前記固形潤滑剤を保持する保持部材と、前記保持部材を付勢して前記保持部材上の前記固形潤滑剤を前記塗布部材に当接させる付勢手段とを備える潤滑剤塗布装置に搭載される前記固形潤滑剤であって、請求項7の潤滑剤塗布装置における前記ガイドレール部に対応する前記凹部、又は前記ガイド溝に対応する前記凸部、を具備しているか、あるいは、請求項9の潤滑剤塗布装置における前記ガイド棒に対応する前記穴部を具備していることを特徴とするものである。
これらの発明においては、固形潤滑剤が消費によってその厚みを減少させていく過程で、その減少量に応じた分だけ、塗布部材との摺擦面における塗布部材の表面移動方向と直交する方向に移動する。よって、この移動量に基づいて固形潤滑剤の消費量を把握することで、固形潤滑剤の厚み方向の移動量によらずに、固形潤滑剤の寿命の到来を検知することができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるY用のプロセスユニット及び現像装置を示す拡大構成図。 同プロセスユニット及び現像装置を示す斜視図。 同現像装置を示す斜視図。 同プロセスユニットを中間転写ベルトとともに示す拡大構成図。 同プロセスユニットを示す組み立て分解斜視図。 同プロセスユニットの潤滑剤塗布装置の内部を示す分解斜視図。 同潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 同潤滑剤塗布装置のガイドレール上における固形潤滑剤の動きを説明するための模式図。 固形潤滑剤の厚み消費量とブラシ回転軸線方向への移動量との関係の一例を示すグラフ。 同潤滑剤塗布装置における初期状態の固形潤滑剤とその周囲構成とを示す側面図。 寿命まで消耗した状態の同固形潤滑剤とその周囲構成とを示す側面図。 同潤滑剤塗布装置における塗布ブラシローラのブラシローラ部に用いられる植毛ブラシシートを示す斜視図。 同塗布ブラシローラの軸線方向の一端部を固形潤滑剤とともに示す斜視図。 同塗布ブラシローラの回転軸線方向の全域を固形潤滑剤とともに示す斜視図。 同塗布ブラシローラと各種方向との関係を説明するための模式図。 ガイドレール上での同固形潤滑剤の動きを説明するための断面図。 第1変形例に係るプリンタにおける初期状態の固形潤滑剤とその周囲構成とを示す側面図。 寿命まで消耗した状態の同固形潤滑剤とその周囲構成とを示す側面図。 第2変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第3変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第4変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第5変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第6変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第7変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第8変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図。 第9変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラの一端部を示す部分拡大斜視図。 第10変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラに用いられる植毛ブラシシートを示す斜視図。 第11変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラに用いられる植毛ブラシシートを示す斜視図。 第12変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラ、固形潤滑剤、及び保持部材を示す側面図。 寿命到達時の同固形潤滑剤とその周囲構成とを示す側面図。 第13変形例に係るプリンタにおけるY用の固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図。 寿命に達した時点における同固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図。 第14変形例に係るプリンタにおけるY用の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図。 寿命に達した時点における同固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図。 保持部材のブラシ軸線方向への移動に伴うコイルバネの湾曲を説明するための側面図。 第15変形例に係るプリンタの保持部材をその周囲構成とともに示す部分拡大斜視図。 第16変形例に係るプリンタにおけるY用の付勢機構を示す拡大構成図。 第17変形例に係るプリンタのY用の塗布ブラシローラをその周囲構成とともに示す側面図及び正面図。 寿命に到達した時点の固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図及び正面図。 第18変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けたテーパーを、固形潤滑剤の端部とともに示す拡大構成図。 第19変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けたテーパーを、固形潤滑剤の端部とともに示す拡大構成図。 寿命に到達した時点の同固形潤滑剤の端部をその周囲構成とともに示す拡大構成図。 第20変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けた湾曲部材を、固形潤滑剤の端部とともに示す拡大構成図。 第21変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けた湾曲部材を、固形潤滑剤の端部とともに示す拡大構成図。 第22変形例に係るプリンタにおける初期状態の固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図及び正面図。 寿命が到来した時点の同固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図及び正面図。 第23変形例に係るプリンタにおける初期状態の固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図。 寿命が到来した時点の同固形潤滑剤をその周囲構成とともに示す側面図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、トナー像形成手段たる作像ユニットとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するための作像ユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、プロセスユニット2Yと現像ユニット25Yとを有している。これらユニットは、図3に示すように作像ユニット1Yとしてプリンタ本体に対して一体的に着脱される。プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像ユニット25Yを図示しないプロセスユニット(図3の2Y)に対して着脱することができる。
先に示した図2において、プロセスユニット2Yは、潜像担持体たるドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置20Yなどを有している。
帯電装置20Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ21Yを感光体3Yに接触又は接近させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置20Yを示した。帯電ローラ21Yの代わりに、帯電ブラシを接触又は接近させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーやコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。但し、スコロトロンチャージャー方式は、放電の際にオゾンが発生するため、対環境を重視する観点から、近年においてはあまり使用されていない。また、コロトロンチャージャー方式は、オゾンの発生は少ないが、感光体をプラスに帯電させるものであるので、反転現象方式が主流になっている近年においてはあまり使用されていない。近年においては、帯電ローラ方式が最も一般的な方式である。帯電ローラ方式には、帯電ローラを感光体に接触させる接触帯電ローラ方式と、帯電ローラを感光体に非接触で接近させる非接触帯電ローラ方式とがある。
接触帯電ローラ方式において、帯電ローラに印加する帯電バイアスとして、直流に交流を重畳したものを採用する場合には、直流だけからなるものを採用する場合に比べて、高画質を得ることができる。この反面、感光体にトナーを固着させるいわゆるフィルミングを発生させ易くなるというデメリットがある。また、重畳バイアスの場合には、交流を定電流制御することによって、環境変化による帯電ローラの抵抗値変動によらず、感光体の表面の帯電電位を安定化させることができるというメリットがある反面、高圧電源のコストが高くなり、且つ交流高周波の音がうるさいというデメリットがある。直流だけからなる帯電バイアスを採用する場合には、環境変化による帯電ローラの抵抗値変動により、帯電電位を変化させ易くなるため、環境変化に伴って電圧値を変化させる対策が必要になる。
一方、非接触帯電ローラ方式において、帯電バイアスとして交流電圧を採用し、それを定電流制御すると、感光体と帯電ローラのギャップ変動によって帯電電位にムラを発生させ易くなるため、ギャップ変動に追従した電圧値の変更を行う必要がある。但し、非接触方式であるため、帯電ローラの汚れに対しては、接触方式よりも余裕がある。交流電圧を変更する方法としては、帯電ローラ近傍の温度を検知した結果に応じて電圧値を切り替える方法、感光体上の地汚れを定期的に検知した結果に応じて電圧値を切り替える方法、フィードバック電流値によって印加電圧を決定する方法などが挙げられる。これらの方法を採用することにより、感光体表面電位を約−500V〜−700Vに帯電させる。
帯電ローラの駆動方式としては、感光体に圧接させ、摩擦力で連れまわりさせる方法や、感光体ギヤ等から駆動力をもらう方法などがある。低速機では、前者の方法が取られる場合が多いが、高速、高画質を要求される機械では、後者の場合が多い。
図2において、帯電ローラ21Yの表面がトナーによって汚れると、その汚れの箇所における帯電能力が低下して、感光体3Yを狙いの電位に帯電させることが困難になる。そこで、帯電ローラ21Yには、その表面に付着したトナーを除去するためのクリーニングローラ22Yを当接させている。このクリーニングローラ22Yとしては、回転可能に支持される回転軸部材に繊維を静電植毛した植毛ローラや、回転軸部材の回りにメラミン樹脂をローラ上に配したメラミンローラ等を用いることができる。長寿命化の観点からすると、メラミンローラが有利である。クリーニングローラ22Yと帯電ローラ21Yとの間で、スリップが発生すると、トナーを帯電ローラ21Y表面に擦りつけてフィルミングを発生させ易くなるので両者の線速は同じに設定することが望ましい。より好ましくは、クリーニングローラ22Yを従動ローラとして帯電ローラ21Yに連れ回らせるようにする。
帯電装置20Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット25Yは、第1搬送スクリュウ28Yが配設された第1剤収容部26Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、トナー濃度センサという)29Y、第2搬送スクリュウ30Y、現像ロール31Y、ドクターブレード34Yなどが配設された第2剤収容部27Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ28Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部26Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部26Yと第2剤収容部27Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部27Y内に進入する。
第2剤収容部27Y内の第2搬送スクリュウ30Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部27Yの底部に固定されたトナー濃度センサ29Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ30Yの図中上方には、現像ロール31Yが第2搬送スクリュウ30Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール31Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ32Yにマグネットローラ33Yを内包している。第2搬送スクリュウ30Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ33Yの発する磁力によって現像スリーブ32Y表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる現像スリーブ32Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード34Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール31Yの現像スリーブ32Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ30Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部28Y内に戻る。
トナー濃度センサ29YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ29はYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサ29Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット25Yについては、トナー濃度センサ29Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナーの消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部26Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部27Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。プロセスユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
先に示した図1において、他色用の作像ユニット1C,M,Kでも、同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト61上に重ね合わせて転写される。
作像ユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第1給紙カセット51、第2給紙カセット52が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ51a、第2給紙ローラ52aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ51aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路53に向けて排出される。また、第2給紙ローラ52aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット52内の一番上の記録紙Pが、給紙路53に向けて排出される。
給紙路53内には、複数の搬送ローラ対54が配設されており、給紙路53に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対54のローラ間に挟み込まれながら、給紙路53内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路53の末端には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録紙Pを搬送ローラ対54から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各作像ユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト61を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット60が配設されている。転写手段たる転写ユニット60は、中間転写ベルト61の他、ベルトクリーニングユニット62、第1ブラケット63、第2ブラケット64などを備えている。また、4つの1次転写ローラ65Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト61は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ65Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト61を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト61の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト61は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト61上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト61のループ外側に配設された2次転写ローラ70との間に中間転写ベルト61を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト61上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ70と2次転写バックアップローラ66との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット62によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット62は、クリーニングブレード62aを中間転写ベルト61のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第1ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。実施形態に係るプリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット63を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の1次転写ローラ65Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト61をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、4つの作像ユニット1Y,C,M,Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニットを無駄に駆動させることによるそれら作像ユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト84の表面温度が約140[°]に維持される。
上述した2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト61から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット25Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、作像ユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
図5は、Y用のプロセスユニット2Yを中間転写ベルト61とともに示す拡大構成図である。また、図6は、プロセスユニット2Yを示す組み立て分解斜視図である。また、図7は、プロセスユニット2Yの潤滑剤塗布装置6Yの内部を示す分解斜視図である。これらの図において、中間転写ベルト61と当接するY用の1次転写ニップを通過した後の感光体3Yの表面には、中間転写ベルト61に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、プロセスユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yによって除去される。
ドラムクリーニング装置4Yは、片持ち支持されるクリーニングブレード5Yの自由端側をカウンター方向で感光体3Y表面に当接させており、そのブレードエッジによって感光体3Y表面上から転写残トナーを掻き取る。掻き取られた転写残トナーは、ドラムクリーニング装置4Y内の回収コイル上に落下してドラムクリーニング装置4Y外に排出される。排出された転写残トナーは、図示しない廃トナーボトル内に落下する。
ドラムクリーニング装置4Yによるクリーニング処理が施された後の感光体3Y表面に対しては、潤滑剤塗布装置6Yによる潤滑剤塗布処理と潤滑剤均し処理とが施される。潤滑剤塗布装置6Yは、回転自在に支持される回転軸部材8Yと、これの周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部9Yとを具備する塗布ブラシローラ7Yのブラシ先端を感光体3Yに当接させながら、図中時計回り方向に回転駆動される。この塗布ブラシローラ7Yに対しては、コイルバネ19Yによって保持部材17Yとともに塗布ブラシローラ7Yに向けて付勢される固形潤滑剤10Yが押し当てられている。塗布ブラシローラ7Yは、その回転駆動に伴って、固形潤滑剤10Yから掻き取って得た潤滑剤粉末を感光体3Yの表面に塗布する。これにより、感光体3Yの表面摩擦抵抗を低下させて、クリーニング性の向上、転写性の向上、フィルミングの抑制などが図られる。
塗布部材たる塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部9Yに用いられる起毛としては、絶縁性あるいは導電性のポリエチレンテレフタレートからなるものや、アクリル繊維などを例示することができる。なお、塗布ブラシローラ7Yに代えて、スポンジ製のローラ部を具備する塗布スポンジローラを用いてもよい。
固形潤滑剤10Yとしては、各種の脂肪酸塩からなるものや、ステアリン酸亜鉛からなるものを例示することができる。その他、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸などの脂肪酸と、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、リチウムなどの金属から構成される脂肪酸金属塩とを主成分とするものを例示することもできる。特にステアリン酸亜鉛が好適である。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図8は、Y用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。同図において、固形潤滑剤10Yは、C型鋼からなる保持部材17Yの表面に、両面テープなどによって固定されている。保持部材17Yにおける潤滑剤固定面の裏面には、コイルバネ19Yが押し当てられている。このコイルバネ19Yは、保持部材17Yを介して、固形潤滑剤10Yを図示しない塗布ブラシローラに向かう図中矢印A方向に付勢している。この矢印A方向は、塗布ブラシローラ7Yの回転軸線方向に直交する直交仮想面に沿い、且つ、塗布ブラシローラ7Yの中心に向かう方向である。
固形潤滑剤10Yは、塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部の長手方向におけるほぼ全域に当接するように、細長いブロック状に成型されている。このブロック状の固形潤滑剤10Yにおける短手方向寸法である幅は、保持部材17Yの幅よりも大きい値に設定されている。このため、保持部材17Yの表面上では、固形潤滑剤10Yが保持部材17Yよりも幅方向に出っ張っている。このように出っ張っている潤滑剤箇所の側面には、斜め溝状の凹部11Yが形成されている。幅方向には2つの側面が存在しており、それぞれの側面に対してその凹部11Yが形成されている。また、1つの側面においては、凹部11Yがブラシ回転軸線方向に沿った方向である潤滑剤長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。
一方、潤滑剤塗布装置のケーシングにおける複数の内壁のうち、固形潤滑剤10Yの凹部11Yに対向する2つの内壁Sa1、Sa2には、それぞれ傾斜したガイドレールGLが2つずつ形成されている。そして、固形潤滑剤10Yは、ガイドレールGLに対して自らの係合部たる凹部11Yを係合させる姿勢でセットされている。
図9は、ガイドレールGL上における固形潤滑剤10Yの動きを説明するための模式図である。同図において、矢印B1方向は、図示しない塗布ブラシローラの回転軸線方向に沿った方向のうち、ブラシ一端側から他端側に向かう方向を示している。図示しない保持部材がコイルバネによって図中矢印A方向に付勢されることで、固形潤滑剤10Yは図中矢印A方向に移動しようとする。すると、固形潤滑剤10Yの凹部11Yの内面がガイドレールGLの側面に接触する。この側面は、潤滑剤厚み方向に沿った矢印A方向と、ブラシ回転軸線方向に沿った矢印B1方向との両方の成分を含んだ矢印E方向に延在している。凹部11Yの内面がガイドレールGLの側面に接触すると、固形潤滑剤10Yの矢印A方向に向かおうとする力が、ガイドレールGLに沿った矢印E方向の力に変換される。固形潤滑剤10Yは、矢印E方向の傾斜をもったガイドレールGLに沿って移動することで、矢印A方向に向かいつつ、矢印B1方向に向かうように移動する。
同図において、固形潤滑剤10Yの底面のレベルがガイドレールGLの延在方向におけるどの場所に位置するのかは、固形潤滑剤10Yの厚みによって決まる。固形潤滑剤10Yの厚みが比較的厚いときには、固形潤滑剤10Yの底面レベルは、図示しない塗布ブラシローラから比較的離れた場所に位置する。その位置は、同図においてはレール下側端部付近である。固形潤滑剤10Yの厚みが小さくなっていくにつれて、固形潤滑剤10Yの底面レベルは塗布ブラシローラに向けて近づいていく。同図では、底面レベルが徐々に上昇していくのである。つまり、固形潤滑剤10Yの厚みが小さくなるにつれて、固形潤滑剤10Yの底面レベルは矢印E方向に徐々に移動していくことになる。また、固形潤滑剤10Yは、矢印E方向に移動するのに伴って矢印B1方向にも移動する。この矢印B1方向への移動量と、固形潤滑剤の消費量(厚み消費量)との間には相関関係が成立する。例えば、ガイドレールGLを矢印A方向、矢印B1方向に対してそれぞれ45[°]傾けた場合には、図10に示すように、固形潤滑剤10Yの消費量と、固形潤滑剤10Yや保持部材の矢印B1方向への移動量とが同じになる。
本実施形態では、図9における矢印A方向のベクトルと、矢印B1方向のベクトルと、矢印E方向のベクトルとで形成される三角形において、矢印A方向の辺よりも、矢印B1方向の辺を大きくするように、ガイドレールGLの傾斜角度を設定している。よって、固形潤滑剤10Yの厚みが例えば1[mm]減少するのに伴う固形潤滑剤10Yの矢印B1方向への移動量を、1[mm]よりも大きくしている。かかる構成においては、固形潤滑剤10Yの厚みの減少量よりも、固形潤滑剤10Yの矢印B1方向への移動量を大きくしている。そして、後述するように、その矢印B1方向への移動量に基づいて、固形潤滑剤10Yの消費量を把握している。厚み減少分よりも大きい矢印B1方向への移動量を検知することで、厚みの減少を増幅して検知していることになるので、厚みの減少を感度良く検知することができる。
図11は、初期状態の固形潤滑剤10Yとその周囲構成とを示す側面図である。図示のように、固形潤滑剤10Yや保持部材17Yとしては、それぞれ、長手方向の長さが、塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部9Yの回転軸線方向長さよりも大きいものを用いている。初期状態の固形潤滑剤10Yについては、図示のように、その矢印B1方向とは反対側の端部を、ブラシローラ部9Yの端部よりも外側に位置させる姿勢で、装置内にセットする。この状態では、装置内に固定された新品検知用第1電極151、新品検知用第2電極152がそれぞれ金属製の保持部材17Yに接触して互いに導通する。図示しないCPU(Central Processing Unit)は、その導通を検知することで、新品の固形潤滑剤10Yがセットされていることを把握する。なお、同図においては、新品検知用の電極を1つしか示していないが、これは、新品検知用第1電極151と、新品検知用第2電極152とが互いに図紙面に直交する方向に所定の間隙を介して並んでいるからである。
図11に示した新品状態の固形潤滑剤10Yが、塗布ブラシローラ7Yによって掻き取られてその厚みを徐々に小さくしていくと、それにつれて、固形潤滑剤10Y及び保持部材17Yが図中矢印B1方向に徐々に移動していく。すると、保持部材17Yが、図示の新品検知用第1電極151及び新品検知用第2電極152から離間する。
図12は、寿命まで消耗した状態の固形潤滑剤10Yとその周囲構成とを示す側面図である。図示のように、固形潤滑剤10Yの厚みが寿命まで小さくなると、保持部材17Yの矢印B1方向の端部が、寿命検知用第1電極153及び寿命検知用第2電極154に接触する。これにより、寿命検知用第1電極153と寿命検知用第2電極154とが保持部材17Yを介して導通する。図示しないCPUは、その導通を検知することで、固形潤滑剤10Yが寿命まで消耗したことを把握する。そして、寿命到来をユーザーに知らせるためのメッセージをディスプレイに表示する。
以上の構成においては、新品検知用第1電極151、新品検知用第2電極152、寿命検知用第1電極153、寿命検知用第2電極154及びCPUが、固形潤滑剤10Y及び保持部材17Yの矢印B1方向への移動量を検知する移動量検知手段として機能している。また、CPUが、移動量の検知結果に基づいて固形潤滑剤10Yの消費量を把握する消費量把握手段として機能している。また、コイルバネ19YやガイドレールGLなどが、固形潤滑剤10Yをその厚みの減少量に応じた移動量で、塗布部材表面移動方向と直交する方向であるブラシ回転軸線方向に移動させる潤滑剤移動手段として機能している。
本プリンタにおいては、塗布ブラシローラ7Yから固形潤滑剤10Yに対して摺擦面で回転軸線方向に向かう力を付与することを積極的に行い、その力を利用して固形潤滑剤10Yの押し当てと、矢印B1方向への移動とを良好に行うようにしている。
図13は、塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部に用いられる植毛ブラシシート9cYを示す斜視図である。植毛ブラシシート9cYは、矩形状の織布9bYに対して複数の起毛9aYを公知の技術によって植毛したものである。
図14は、塗布ブラシローラ7Yの軸線方向の一端部を固形潤滑剤10Yとともに示す斜視図である。塗布ブラシローラ7Yは、金属製の回転軸部材8Yと、これを中心にして回転するブラシローラ部9Yとを有している。また、ブラシローラ部9Yは、ローラ部9dYと、これの周面に螺旋状に巻き付けられた植毛ブラシシート9cYとを具備している。矩形状の植毛ブラシシート9cYをローラ状のローラ部9dYの周面に沿わせるために、図示のように、螺旋状の巻き付けているシート間には僅かな隙間Gを設けている。このような隙間Gを設けていることで、図15に矢印B1で示すように、塗布ブラシローラ7Yが固形潤滑剤10Yに対して回転軸線方向の一端側から他端側に向かう力を付与するようになっている。
図16は、塗布ブラシローラ7Yと各種方向との関係を説明するための模式図である。同図において、矢印X方向は、図13における矢印X方向と同じであり、植毛ブラシシート(9cY)における長手方向を示している。また、図16における矢印Y方向は、図13における矢印Y方向と同じであり、植毛ブラシシート(9cY)における短手方向を示している。また、図16において、矢印Z方向は、塗布ブラシローラ7Yと固形潤滑剤とが摺擦する摺擦面において塗布ブラシローラ7Yが進む方向を示している。通常の塗布ブラシローラであれば、塗布ブラシローラから固形潤滑剤に対して主に矢印Z方向の力が付与される。また、植毛ブラシシート(9cY)を螺旋状に巻き付けた塗布ブラシローラ7Yにおいては、同図に矢印Dで示すように、螺旋の間隙Gの延在方向に対して概ね直交する方向の力が塗布ブラシローラ7Yから固形潤滑剤に付与される。この矢印D方向は、矢印Z方向に進む力と、これに直交する矢印C方向に進む力との合力が進む方向である。このため、固形潤滑剤に対しては、塗布ブラシローラ7Yとの摺擦面において、矢印Z方向の力に加えて、矢印B1方向の力が付与されて、図15に示したように、固形潤滑剤10Yがブラシ回転軸線方向に沿った矢印B1方向に移動しようとする。かかる構成においては、塗布ブラシローラ7Yも、コイルバネ19Yなどとともに、固形潤滑剤10Yに対してブラシ回転軸線方向の移動力を付与する移動力付与手段として機能している。
先に図9に示した状態は、図示しない塗布ブラシローラが回転していないときにおける保持部材の凸部18Yの動きを示したものである。塗布ブラシローラが回転していないときには、図示のように矢印A方向に移動しようとする固形潤滑剤10Yの凹部11Yの内面が、ガイドレールGLの側面に接触しながら、矢印A方向の力が側面に沿った矢印E方向に方向転換される。このとき、レール側面と凹部内面との摩擦により、固形潤滑剤10Yの矢印E方向への動きが少なからず阻害されてしまう。
図15に示したように、塗布ブラシローラ7Yが回転すると、塗布ブラシローラ7Yから固形潤滑剤10Yに対して矢印B1方向に向かう力が付与される。すると、図17に示すように、停止状態でガイドレールGLの一方のレール側面に接触していた凹部11Yの内面が、そのレール側面から離間する。この離間の直前に、レール側面との摩擦によって阻害されていた矢印E方向への移動が促進されて、固形潤滑剤10Yが矢印E方向に沿ってスムーズに移動する。そして、それまで接触していたレール側面とは反対側のレール側壁に接触して、矢印E方向に向けて押圧される。この際は、コイルバネの付勢による矢印A方向への力に加えて、ブラシによる矢印B1方向への力によって、固形潤滑剤10Yを矢印E方向に塗布ブラシローラに押圧する。これにより、固形潤滑剤10Yの押圧不良の発生を抑えることができる。
なお、固形潤滑剤10Yの1つの側面に対して凹部11Yを2つ設けた例について説明したが、3つ以上設けてもよい。
次に、実施形態に係るプリンタの各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
図18は、第1変形例に係るプリンタにおける初期状態の固形潤滑剤10Yとその周囲構成とを示す側面図である。また、図19は、第1変形例に係るプリンタにおける寿命まで消耗した状態の固形潤滑剤10Yとその周囲構成とを示す側面図である。第1変形例に係るプリンタでは、新品検知用の電極や寿命検知用の電極の代わりに、距離センサ156を設けている。また、保持部材17Yにおける距離センサ156との対向箇所には、被検部材155を固定している。距離センサ156は、超音波、赤外線などの反射により、自らと被検部材155との距離を検知する。そして、その距離の変化量に基づいて、保持部材17Yの矢印B1方向への移動量を把握する。新品状態から寿命状態までに相当する移動量だけしか検知できない実施形態に係るプリンタとは異なり、保持部材17Yの細かい移動を検知することができる。このため、寿命到達まであとどのくらいなのかをユーザーに把握してもらって、固形潤滑剤10Yの交換準備のタイミングを正確に把握してもらうことができる。
[第2変形例]
図20は、第2変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。第2変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yの斜め移動をガイドするためのレールと凹部との関係が、実施形態とは逆になっている。具体的には、ケーシングの内壁には、ガイドレールの代わりに、ガイド溝GDを設けている。また、固形潤滑剤10Yには、傾斜溝状の凹部の代わりに、ガイドレール状の凸部111Yを設けている。固形潤滑剤10Yに設けた4つの凸部111Yを、ケーシング内壁に設けた4つのガイド溝GDに係合させる姿勢で、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yをセットする。このように、レールと凹部との関係が実施形態とは逆になっていても、実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[第3変形例]
図21は、第3変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。第3変形例に係るプリンタにおいては、ケーシング内壁のガイドレールGLに係合させるための傾斜溝として、固形潤滑剤10Yに凹部を設ける代わりに、金属製の保持部材17Yに凹部18Yを設けている。
上述した実施形態では、潤滑性に優れた固形潤滑剤10Yそのものに傾斜溝状の凹部を設け、それをガイドレールGLの側面と摺擦させることで、固形潤滑剤10YをガイドレールGLに沿ってスムーズに移動させることができる。その反面、固形潤滑剤10Yの凹部11YをガイドレールGLに強く押し付けると、固形潤滑剤10Yに割れ、ヒビ、欠けなどを発生させ易いというデメリットがある。更には、消耗によって凹部11Yの幅を広げることによって固形潤滑剤10Yのガタツキを大きくしてしまうというデメリットもある。
一方、第3変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yの代わりに、剛性の高い金属からなる保持部材17Yの凹部18YをカードレールGLに摺擦させることで、固形潤滑剤10YをガイドレールGLに強く押し付けてしまうことによる固形潤滑剤10Yの割れ等の発生を回避することができる。更には、金属製の凹部18Yを消耗することがないため、長期間使用しても凹部18Yの幅の広がりによる固形潤滑剤10Yのガタツキを発生させることがない。この反面、金属製の凹部10Yを、ガイドレールGLの表面の微小凹凸に引っ掛けて固形潤滑剤10Yの押圧不良を引き起こし易くなるというデメリットがある。
[第4変形例]
図22は、第4変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。第4変形例に係るプリンタにおいては、ケーシング内壁のガイド溝GDに係合させるための係合部として、固形潤滑剤10Yに凸部を設ける代わりに、金属製の保持部材17Yに凸部119Yを設けている点が、第2変形例に係るプリンタと異なっている。固形潤滑剤10Yをガイド溝DGに強く押し付けてしまうことによる固形潤滑剤10Yの割れ等の発生を回避したり、凹部の幅の広がりによる固形潤滑剤10Yのガタツキの発生を回避したりすることができる。この反面、金属製の凸部119Yを、ガイド溝GDの表面の微小凹凸に引っ掛けて固形潤滑剤10Yの押圧不良を引き起こし易くなるというデメリットがある。
[第5変形例]
図23は、第5変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。第5変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yに凹部11Yを設けていることに加えて、その凹部11Yに連結し且つその凹部11Yと傾斜の等しい凹部18Yを保持部材17Yに設けている点が実施形態と異なっている。凹内の幅は、互いに等しくなっている。金属からなる保持部材17Yの凹部18YをガイドレールGLに当接させることで、固形潤滑剤10Yに何らかの力がかかった場合における固形潤滑剤10Yのレールに対する押し付け力を低減する。これにより、実施形態に係るプリンタに比べて、固形潤滑剤10YをガイドレールGLに押し付けることによる固形潤滑剤10Yの割れ等の発生を抑えることができる。また、固形潤滑剤10Yの凹部11Yの幅の広がりを抑えて、幅広がりに起因する固形潤滑剤10Yのガタツキの発生を抑えることもできる。しかも、固形潤滑剤10Yの凹部11YをガイドレールGLの側面に摺擦させてその側面に潤滑剤粉末を塗布することで、金属製の保持部材17Yの凹部18Yと、ガイドレールGLとの摩擦力を低下させる。これにより、第3変形例に係るプリンタよりも、保持部材17YをスムーズにガイドレールGL上でスライド移動させることができる。また、保持部材17YにもガイドレールGLに係合する凹部18Yがあるため、ガイドレールGLをより短くしても、保持部材17Y上の固形潤滑剤10Yを塗布ブラシローラ7Yとの当接位置まで移動させることができる。
[第6変形例]
図24は、第6変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。第6変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yに凸部111Yを設けていることに加えて、その凹部111Yに連結し且つその凸部111Yと傾斜の等しい凸部119Yを保持部材17Yに設けている点が、第2変形例に係るプリンタと異なっている。それら凸部の幅は互いに等しくなっている。
上述した第2変形例に係るプリンタでは、潤滑性に優れた固形潤滑剤10Yそのものに傾斜ガイドレール状の凸部111Yを設け、それをガイド溝GDの内面と摺擦させることで、固形潤滑剤10Yをガイド溝GDに沿ってスムーズに移動させることができる。その反面、固形潤滑剤10Yの凸部111Yをガイド溝GDに強く押し付けると、凸部111Yに割れ、ヒビ、欠けなどを発生させ易いというデメリットがある。
これに対し、第6変形例に係るプリンタでは、金属からなる保持部材17Yの凸部111Yをガイド溝GDに当接させることで、固形潤滑剤10Yの凸部119Yのガイド溝GDに対する押し付け力を低減する。これにより、第2変形例に係るプリンタに比べて、固形潤滑剤10Yの凸部111Yをガイド溝GDに押し付けることによる凸部111Yの割れ等の発生を抑えることができる。また、固形潤滑剤10Yの凸部の幅の縮小化を抑えて、縮小化に起因する固形潤滑剤10Yのガタツキの発生を抑えることもできる。しかも、固形潤滑剤10Yの凸部111Yをガイド溝GDの内面に摺擦させてその内面に潤滑剤粉末を塗布することで、金属製の保持部材17Yの凸部119Yと、ガイド溝GDとの摩擦力を低下させる。これにより、第4変形例に係るプリンタよりも、保持部材17Yをスムーズにガイド溝GD内でスライド移動させることができる。また、保持部材17Yにもガイド溝GDに係合する凸部119Yがあるため、ガイド溝GDをより短くしても、保持部材17Y上の固形潤滑剤10Yを塗布ブラシローラ7Yとの当接位置まで移動させることができる。
[第7変形例]
図25は、第7変形例に係るプリンタにおけるY用の潤滑剤塗布装置の内部を部分的に示す拡大部分斜視図である。第7変形例に係るプリンタにおいては、潤滑剤塗布装置のケーシング内における複数の内壁面のうち、ケーシング内に配設された固形潤滑剤10Yを挟んで相対向する2つの内壁面Sa1及び内壁面Sa2における一方である内壁面Sa2に対して2つのガイドレールGLを設けている。また、他方である内壁面Sa1においては、内壁面Sa2の2つのガイドレールGLとの対向位置に対してそれぞれガイド溝GDを設けている。
固形潤滑剤10Yにおいては、ケーシングの内壁面Sa1の2つのガイド溝GDにそれぞれ個別に係合させるための2つの凸部111Yを、潤滑剤長手方向の両端部に設けている。また、ケーシングの内壁面Sa2の2つのガイドレールGLにそれぞれ個別に係合させるための2つの凹部11Yを、潤滑剤長手方向の両端部に設けている。潤滑剤長手方向においては、幅方向の一方の側面に設けた凸部111Yの位置と、他方の側面に設けた凹部11Yの位置とが、互いに同じなり、凸部111Yと凹部11Yとが潤滑剤を介して幅方向に対向している。
保持部材17Yにおいては、固形潤滑剤10Yの2つの凹部11Yにそれぞれ連通する位置に、ガイドレールGLに係合するため、あるいはガイドレールGLを非接触で受け入れるための凹部18Yがそれぞれ設けられている。
以上のように、第7変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yの幅方向に並ぶ2つの側面のうち、一方の側面に凸部111Yを設けるとともに、他方の側面に凹部11Yを設け、且つ、凸部111Yと凹部11Yとを幅方向で互いに対向させ得る位置に設けている。かかる構成を採用しているのは、次に説明する理由による。即ち、凸部111Yと凹部11Yとのうち、凸部111Yだけを設けたとする。すると、固形潤滑剤10Yの幅方向の寸法は、潤滑剤長手方向の位置によって異なってくる。具体的には、潤滑剤長手方向において、凸部111Yを設けていない箇所では、固形潤滑剤10Yの基本幅寸法がそのまま幅方向の寸法となる。これに対し、潤滑剤長手方向において、凸部111Yを設けている箇所では、固形潤滑剤10Yの幅方向の寸法が、前述の基本幅寸法と、凸部111Yの潤滑剤側面からの出っ張り量とを加算した値となる。つまり、凸部111Yを設けている箇所では、設けていない箇所に比べて、幅方向の寸法が大きくなる。その寸法の違いは、そのまま潤滑剤掻き取り量の差となり、ひいては、潤滑剤塗布量の差となって現れる。塗布ブラシローラ7Yの回転軸線方向において、固形潤滑剤10Yの凸部111Yに対応する箇所での潤滑剤塗布量が、凸部111Yに対応しない箇所での潤滑剤塗布量よりも多くなってしまうのである。このように潤滑剤塗布量が異なると、形成画像の画質にムラを発生させてしまうおそれがある。
また、凸部111Yと凹部11Yとのうち、凹部11Yだけを設けたとする。すると、塗布ブラシローラ7Yの回転軸線方向において、固形潤滑剤10Yの凹部11Yに対応する箇所での潤滑剤塗布量が、凹部11Yに対応しない箇所での潤滑剤塗布量よりも少なくなってしまう。このように潤滑剤塗布量が異なった場合にも、形成画像の画質にムラを発生させてしまうおそれがある。
そこで、固形潤滑剤10Yの幅方向における2つの側面のうち、何れか一方に対しては、凸部111Yを設けるとともに、他方に対しては固形潤滑剤10Yを介して凸部111Yに対向する位置に凹部11Yを設けている。かかる構成では、凸部111Yだけ、あるいは凹部11Yだけしか設けない場合に比べて、潤滑剤長手方向における潤滑剤幅方向のばらつきを低減して、前述の画質のムラを抑えることができる。なお、第10変形例に係るプリンタにおいては、凸部111Yの出っ張り量と、凹部11Yの窪み量とを同じにしているので、潤滑剤長手方向において、凸部111Y及び凹部11Yを設けた箇所と、設けていない箇所とで、潤滑剤幅寸法を同じにしている。よって、前述の画質のムラの発生を回避することができる。
[第8変形例]
図26は、第8変形例に係るプリンタにおけるY用の固形潤滑剤10Yと保持部材17Yとを示す組み立て分解斜視図である。第8変形例に係るプリンタでは、固形潤滑剤10Yの動きをガイドするためのガイド部として、ガイドレールの代わりに、ガイド棒GBを設けている。このガイド棒GBは、ケーシングの底壁面(図11のSb)において固形潤滑剤に向けて斜め方向に突出する姿勢で設けられている。本例では、ガイド棒GBをケーシングの底壁と一体形成しているが、別体として形成してもよい。この場合、ケーシングと異なる材料(例えば金属)でガイド棒GBを構成することも可能である。
固形潤滑剤10Yには、ケーシングの底壁に設けられたガイド棒GBを受け入れるための穴部113Yが2つ設けられている。これら穴部112Yは、固形潤滑剤10Yの長手方向の両端部にそれぞれ個別に位置するように設けられている。上述したガイド棒GBは、それら2つの穴部112Y内にそれぞれ個別に差し込まれるように、ケーシングの底壁に2つ設けられている。
また、保持部材17Yにも、2つのガイド棒GBをそれぞれ個別に受け入れるための貫通口120Yが長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。
潤滑剤塗布装置を組み立てる際には、まず、固形潤滑剤10Yを保持部材17Yに固定する。この際、固形潤滑剤10Yの穴部113Yを、保持部材17Yの貫通口120Yに連通させる姿勢で、固形潤滑剤10Yを保持部材17Yに固定する。次いで、保持部材17Yの貫通口1209Yと、固形潤滑剤10Yの穴部113Yとにガイド棒GBを挿入しながら、固形潤滑剤10Y及び保持部材17Yをケーシング内にセットする。その後、図示しない塗布ブラシローラをセットする。
固形潤滑剤10Yの両端部にそれぞれ設けた穴部113Y、保持部材の両端部にそれぞれ設けた貫通口120Y、及びケーシングの底壁に設けた2つのガイド棒GBは、何れも、図示しない塗布ブラシローラのブラシローラ部における回転軸線方向の一端と他端との間の領域に位置している。
固形潤滑剤10Yの穴部113Yとしては、厚み方向の下端から上端まで突き抜ける貫通穴ではなく、底部から所定の深さだけ掘り下げられている掘り下げ式の穴部を設けているが、貫通穴を設けてもよい。かかる構成においても、ガイドレールやガイド溝を設けた構成と同様に、固形潤滑剤10Yを厚み方向に移動させるとともに、ブラシ軸線方向に移動させることができる。
[第9変形例]
図27は、第9変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラ7Yの一端部を示す部分拡大斜視図である。第9変形例に係るプリンタにおいては、図示のように、塗布ブラシローラ7として、螺旋状の毛倒れ癖を付けたものを用いている。このような塗布ブラシローラ7は、植毛ブラシシートを螺旋状に巻き付けたものと同様に、回転に伴って、図示しない固形潤滑剤に対して摺擦面で回転方向の力とともに回転軸線方向の力を付与することができる。
[第10変形例]
図28は、第10変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラに用いられる植毛ブラシシート9cYを示す斜視図である。同図において、植毛ブラシシート9cYは、シート長手方向(矢印X方向)における植毛密度が、シート短手方向(矢印Y方向)における植毛密度よりも低くなっている。詳しくは、図示の植毛ブラシシート9cYにおいて、シート短手方向では、複数の起毛9aYを束ねた起毛束が隙間なく植毛されている。これに対し、シート長手方向では、起毛束がある程度の間隔をおいて植毛されている。
このような植毛ブラシシート9cYを、図示しない塗布ブラシローラのローラ部の周面に螺旋状に巻き付けている。この際、実施形態とは異なり、螺旋状に巻き付けたシート間には隙間を設けていない。隙間を設けていなくても、植毛密度の偏差により、固形潤滑剤に対して摺擦面でブラシ回転方向の力を付与するとともに、回転軸線方向の力を付与することができる。
[第11変形例]
図29は、第11変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラに用いられる植毛ブラシシート9cYを示す斜視図である。同図において、植毛ブラシシート9cYは、シート長手方向(矢印X方向)において、比較的長い起毛9aYを束ねた起毛束と、比較的短い起毛9aYを束ねた起毛束とを交互に植毛している。
このような植毛ブラシシート9cYを、図示しない塗布ブラシローラのローラ部の周面に螺旋状に巻き付けている。この際、実施形態とは異なり、螺旋状に巻き付けたシート間には隙間を設けていない。隙間を設けていなくても、毛の長さの偏差により、固形潤滑剤に対して摺擦面でブラシ回転方向の力を付与するとともに、回転軸線方向の力を付与することができる。
[第12変形例]
図30は、第12変形例に係るプリンタにおけるY用の塗布ブラシローラ7Y、固形潤滑剤10Y、及び保持部材17Yを示す側面図である。図示しない感光体に対しては、少なくともその回転軸線方向における画像形成有効領域に対しては、潤滑剤を塗布する必要がある。そこで、塗布ブラシローラ7Yについては、ブラシローラ部9Yの回転軸線方向の長さを、感光体の回転軸線方向における画像形成有効領域の長さよりも大きくしている。そして、ブラシ回転軸線方向に移動させる固形潤滑剤10Yについては、ブラシ回転軸線方向の長さをブラシローラ部9Yの長さよりも大きくしている。
固形潤滑剤10Yとブラシローラ部9Yとの長さの差については、初期状態から寿命到達までの期間における固形潤滑剤10Yのブラシ回転軸線方向の移動量と同等以上に設定している。これにより、固形潤滑剤10Yが初期状態から寿命到達に至るまで、ブラシローラ部9Yの回転軸線方向の全域に対して、固形潤滑剤10Yを当接させ続けることができる。
同図において、θは、図示しないガイドレールの傾斜角を示している。この傾斜に沿って、固形潤滑剤10Yが塗布ブラシローラ7Yに対して押圧される。初期状態においては、図示のように、ブラシローラ部9Yの両端のうち、固形潤滑剤10Yの移動方向とは反対側の端において、固形潤滑剤10Yをその端よりも突出させた状態でセットする。固形潤滑剤10Yの初期状態の厚みをTとすると、その突出量(=ブラシローラ部との差分)については、「T/tanθ」以上にすることが望ましい。これは、次に説明する理由による。即ち、同図において、tanθは、「T/L1」で表される。このため、L1は、「T/tanθ」で表される。そして、その値は、固形潤滑剤10Yを全て消費したと仮定した場合における固形潤滑剤10Yの回転軸線方向の移動総量を示している。固形潤滑剤10Yについては、既に述べたように、全てを消費する前に寿命とするので、L1を「T/tanθ」以上とすることで、固形潤滑剤10Yを確実に初期状態から寿命到達までブラシローラ部9Yの回転軸線方向の全域に当接させ続けることができる。
図31は、寿命到達時の固形潤滑剤10Yと、その周囲構成とを示す側面図である。寿命到達時には、図示のように、固形潤滑剤10Yの長手方向の先端が、ブラシローラ部9Yの端よりも距離L2だけ外側に突出する。このように突出している潤滑剤箇所は、図示のように、外側から中央側にかけて下るテーパーを有する「削り残し箇所」が発生する。この「削り残し箇所」を、塗布ブラシローラ7Yの回転軸部材8Yに突き当てないようにしなければならない。
そこで、第12変形例においては、距離センサ156による検知結果に基づいて特定される固形潤滑剤10Yの初期状態からの厚みの減少量が、塗布ブラシローラ7Yの回転軸部材8Yの外周面からブラシローラ部9Yの外周面までの距離と同じ値になるのに先立って、固形潤滑剤10Yの寿命到来を報知するように、報知手段たるCPUを構成している。これにより、「削り残し箇所」を回転軸部材8Yに突き当ててしまうといった事態を回避することができる。
[第13変形例]
図32は、第13変形例に係るプリンタにおけるY用の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図である。同図において、塗布ブラシローラ7Yは、ブラシローラ部9Yの回転軸線方向の長さが、被塗布体たる感光体3Yの回転軸線方向の長さよりも大きくなっている。そして、図示のように、固形潤滑剤10Yのブラシ回転軸線方向に沿った移動方向である矢印B1方向におけるブラシローラ端部を、感光体の端よりも突出させる姿勢で配設されている。
固形潤滑剤10Yは、ブラシ回転軸線方向の長さが、感光体3Yの回転軸線方向の長さよりも大きくなっている。そして、第12変形例に係るプリンタと同様に、初期状態においては、図示のように、移動方向である矢印B1方向とは反対側の端部を、ブラシローラ部9Yの矢印B1方向とは反対側の端よりも後方に突出させる状態でセットされる。このように突出している端部には、端側(後方側)から中央側に向かうにつれて塗布ブラシローラ7Yに近づいていくテーパーが設けられている。このテーパーの斜面は、図示しないガイドレールの延在方向に沿うように設けられており、且つその斜面の傾斜角もガイドレールの傾斜角と同じになっている。
図32において、A1は、感光体3Yの回転軸線方向における画像形成有効領域を示している。図示のように、塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部9Yと、固形潤滑剤10Yとは何れも、感光体3Yの画像形成有効領域A1の中に位置している。また、固形潤滑剤10Yは、初期状態では図示のように、自らの移動方向(矢印B1方向)の先端を、ブラシローラ部9Yの先端よりも後方に位置させる状態でセットされる。
図33は、寿命に達した時点における固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図である。固形潤滑剤10Yは、寿命に達した時点では、図示のように、初期状態でブラシローラ部9Yの後端よりも後方に突出させていた自らの後端部を、全てブラシローラ部9Yに接触させる位置まで前方に移動している。その後端部には、図32に示したようにテーパーが設けられていたが、ブラシローラ部9Yとの接触位置に進入すると、図33に示すようにテーパーが無くなっている。テーパーをガイドレールと同じ傾斜角度にしたことで、ブラシローラ部9Yに進入するテーパー箇所の厚みが、既にブラシローラ部9Yと摺擦している潤滑剤箇所の厚みと同じになるからである。これにより、ブラシローラ部9Yの摺擦面に対して、既にブラシローラ部9Yと摺擦している潤滑剤箇所よりも厚みの大きな潤滑剤箇所を進入させることによる固形潤滑剤10Yのブラシに対する押圧ムラの発生を回避することができる。
図示のように、寿命に達した時点の固形潤滑剤10Yは、その移動方向の先端を、ブラシローラ部9Yの先端位置に到達させるところまで移動している。ブラシローラ部9Yの先端位置においても、固形潤滑剤10Yを掻き取る機能があるため、第12変形例とは異なり、固形潤滑剤10Yの先端部は、寿命に達する時点までブラシローラ部9Yによって掻き取られる。よって、第12変形例のような「削り残し箇所」の発生を回避することができる。
[第14変形例]
図34は、第14変形例に係るプリンタにおけるY用の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図である。同図において、塗布ブラシローラ7Yは、ブラシローラ部9Yの回転軸線方向の長さが、感光体3Yの回転軸線方向の長さとほぼ同じになっている。
固形潤滑剤10Yは、ブラシ回転軸線方向の長さが、塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部9Yの長さよりも大きくなっている。そして、第13変形例に係るプリンタと同様に、初期状態においては、図示のように、移動方向である矢印B1方向とは反対側の端部を、ブラシローラ部9Yの矢印B1方向とは反対側の端よりも後方に突出させる状態でセットされる。このように突出している端部には、第13変形例と同様のテーパーが設けられている。固形潤滑剤10Yの移動方向の先端は、初期状態では図示のように感光体3Yの画像形成有効領域の端とほぼ同じところに位置している。そして、その先端部には、後端部と同じ方向で且つ同じ傾斜角のテーパーが設けられている。
図35は、寿命に達した時点における固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図である。図34に示したように、固形潤滑剤10Yの先端をブラシローラ部9Yの先端とほぼ同じところに位置させた状態で矢印B1方向への移動をスタートさせているにもかかわらず、図35に示すように、第12変形例のような「削り残し箇所」を発生させることなく寿命を迎えている。これは、図34に示したように、初期状態の固形潤滑剤10Yの先端部に後端部と同じテーパーを設けたからである。
[第15変形例]
固形潤滑剤10Y及び保持部材17Yをブラシ回転軸線方向に沿って移動させていくと、図36に示すように、保持部材17Yを裏側から塗布ブラシローラ7Yに向けて付勢するコイルバネ19Yを大きく湾曲させて、良好な付勢を困難にしてしまうおそれがある。そこで、第15変形例に係るプリンタにおいては、コイルバネ19Yを保持部材17Yとともにブラシ回転軸線方向に沿った矢印B1方向に移動させるようになっている。
図37は、第15変形例に係るプリンタの保持部材17Yをその周囲構成とともに示す部分拡大斜視図である。同図において、保持部材17Yは、図中矢印B1方向にスライド移動可能なスライド板130Yの上面に固定されている。保持部材17Yの裏面と、スライド板130Yとの間には、図示しないコイルバネが存在しており、保持部材17Yを図中上方に向けて付勢している。
保持部材17Y側面からは、ピン17aYが突出しており、このピン17aYは、スライド板130Yに設けられた係合部の長穴に係合している。この係合により、保持部材17Yが矢印B1方向に移動するのに連動して、支持部材としてのスライド板17Yも矢印B1方向に移動する。そして、スライド板17Y上に固定された図示しないコイルバネも矢印B1方向に移動する。かかる構成では、保持部材17Yや固形潤滑剤10Yが矢印B1方向に移動しても、それに伴ってコイルバネも同じ移動量で矢印B1方向に移動させるので、コイルバネと保持部材17Yとの相対位置を変化させることがない。よって、保持部材17Yを矢印B1方向に移動させるのに伴って保持部材17Yとコイルバネとの相対位置を変化させてしまうことによるコイルバネの湾曲の発生を回避することができる。
[第16変形例]
図38は、第16変形例に係るプリンタにおけるY用の付勢機構を示す拡大構成図である。第16変形例に係るプリンタにおいては、図示しない保持部材及び固形潤滑剤を塗布ブラシローラに向けて付勢する付勢手段として、コイルバネの代わりに、同図に示す付勢機構を用いる。この付勢機構は、回動軸132Yを中心にして回動可能に構成されたカム部材131Yを有しており、このカム部材131Yをカム用コイルバネ133Yによって引っ張っている。これにより、カム部材131Yに対して、回動軸132Yを中心にして図中時計回り方向に回転させる力が付与されている。
カム部材131Yの先端は、図示しない保持部材の裏面に突き当たっている。図中時計回り方向に回転しようとするカム部材133Yの先端が保持部材に突き当たることで、保持部材を図示しない塗布ブラシローラに向けて付勢する。かかる構成においては、保持部材をブラシ軸線方向に沿って移動させても、カム部材133Yによる保持部材に対する付勢方向を変化させることがない。よって、本体に固定したコイルバネによって付勢する場合とは異なり、保持部材のブラシ回転軸線方向の位置にかかわらず、保持部材を安定して塗布ブラシローラに向けて付勢することができる。
[第17変形例]
図39は、第17変形例に係るプリンタのY用の塗布ブラシローラ7Yをその周囲構成とともに示す側面図及び正面図である。同図において、保持部材17Yは、ブラシ回転軸線方向に延在する図示しないレール上でブラシ回転軸線方向にスライド移動可能に支持されている。また、保持部材17Yを塗布ブラシローラ17Yに向けて付勢する2本のコイルバネ17Yは、何れも第15変形例で説明したスライド板130Y上に固定されており、保持部材17Yに連動して矢印B1方向に移動する。
保持部材17Yの移動方向における後端には、軸方向コイルバネ136が当接しており、これにより、保持部材17Yに対して矢印B1方向に向かう力が付与されている。即ち、第17変形例においては、軸方向コイルバネ136が、固形潤滑剤10Yに対してブラシ回転軸線方向の移動力を付与する移動力付与手段として機能している。なお、軸方向コイルバネ136に代えて、又は加えて、塗布ブラシローラ7Yによって矢印B1方向に向かう力を保持部材17Yに加えてもよい。このことは、以降に説明する各変形例でも同様である。
保持部材17Yの移動方向の先端には、ケーシングに設けられたテーパーの傾斜面Sa3が突き当たっている。この傾斜面Saは、潤滑剤移動手段の一部として機能しており、ブラシ回転軸線方向(矢印B1方向)及び固形潤滑剤10Yの厚み方向(矢印A方向)に対してそれぞれ傾いている。固形潤滑剤10Yの厚みが図示の状態から減少し、それに伴って固形潤滑剤10Yが塗布ブラシローラ7Yに向けて移動すると、それに応じて保持部材17Yの先端が傾斜面Sa上をその傾斜に沿って昇るように、保持部材17Yが傾斜面Saに沿って動く。即ち、第17変形例に係るプリンタにおいては、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yを、固形潤滑剤10Yの厚みの減少に伴って厚み方向(矢印A方向)及び回転軸線方向(矢印B1方向)の両方の成分を含む傾斜面Sa3に沿った方向に移動させる。これにより、固形潤滑剤10Yを、その厚みの減少に伴って矢印B1方向に移動させることができる。
図40は、寿命に到達した時点の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図及び正面図である。保持部材17Yの矢印B1方向の先端は、傾斜面Sa3に沿って斜面を上昇するように移動する。この傾斜面Saの上端付近には、寿命検知用の電極137Yが固定されている。固形潤滑剤10Yが寿命まで厚みを減少させると、保持部材17Yの先端がその電極137の位置に到達する。すると、電極137と金属製のコイルバネ19Yとが、金属製の保持部材17Yを介して導通する。CPU135は、その導通を検知すると、固形潤滑剤10Yの寿命到来を報知するためのメッセージをディスプレイに表示させる。
かかる構成においては、傾斜面Sa3を、寿命検知用の電極137を固定する固定部材として利用することができる。
[第18変形例]
第18変形例に係るプリンタは、次に説明する点だけが、第17変形例と異なっている。即ち、図41は、第18変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けたテーパーを、固形潤滑剤10Yの端部とともに示す拡大構成図である。同図において、テーパーの傾斜面Sa3は、第1傾斜角θ1と、第2傾斜角θ2との2段階で傾斜角を変化させるように設けられている。第2傾斜角θ2は、第1傾斜角θ1よりも斜面の上側に位置する傾斜の角度であり、第1傾斜角θ1よりも緩やかになっている。図示の傾斜面Sa3では、傾斜角θが緩やかになるにつれて、固形潤滑剤の厚みが1[mm]減少するのに伴う固形潤滑剤の矢印B1方向への移動量が多くなる。固形潤滑剤10Yが初期状態で使用され初めてしばらくの間は、保持部材17Yの先端は、傾斜角θ1の斜面箇所に沿って移動する。その後、固形潤滑剤10Yの厚みが寿命近くまで消耗すると、保持部材17Yの先端は、傾斜角θ2の斜面箇所に沿って移動するようになる。よって、固形潤滑剤10Yの厚みが寿命近くまで消耗したときの方が、初期状態のときに比べて、厚みの減少に対する矢印B1方向への移動量が大きくなる。つまり、寿命近くでは、初期状態に比べて固形潤滑剤の厚みの減少を感度良く検知している。
第18変形例に係るプリンタにおいては、「tanθ2<1」という条件を具備し得る値に、第2傾斜角θ2を設定している。このように設定することで、固形潤滑剤10Yの厚みが例えば1[mm]減少するのに伴う固形潤滑剤10Yの矢印B1方向への移動量を、矢印A方向への移動量よりも大きくする。かかる構成においては、固形潤滑剤の厚みの減少量に対して、固形潤滑剤の矢印B1方向への移動量の方が大きくなる。そして、後者の移動量を検知することで、厚みの減少を増幅して検知することになるので、厚みの減少を感度良く検知することができるのである。
固形潤滑剤10Yは、その消費に伴って矢印B1方向に移動するが、初期状態の固形潤滑剤が寿命まで消耗するまでにおける矢印B1方向への移動総量を大きく設定するほど、装置をブラシ回転軸線方向に大きくしてしまう。このため、前記移動総量については、ある程度の大きさに留める必要がある。この一方で、固形潤滑剤10Yの厚みの減少を感度良く検知するためには、厚みの減少量に対する矢印B1方向への移動量をできるだけ大きくすることが望ましいが、そうすると、移動総量が所望の範囲に収まらなくなることがある。
そこで、第18変形例に係るプリンタでは、初期状態の固形潤滑剤10Yを使用し初めてしばらくの間は、比較的大きな傾斜角θ1の斜面箇所に沿って保持部材17Yの先端を移動させて、固形潤滑剤10Yの厚みの減少量に対する矢印B1方向への移動量を比較的小さくしている。寿命にはまだ遠い時期には、固形潤滑剤10Yの厚みの減少を高感度に検出するよりも、厚みの単位減少量あたりの矢印B1方向を比較的大きく設定することによる装置の大型化の抑制を優先しているのである。これに対し、固形潤滑剤10Yが寿命に近い時期に入った場合には、保持部材17Yの先端を比較的小さな傾斜角θ2の斜面箇所に沿って移動させて、固形潤滑剤10Yの厚みの減少量に対する矢印B1方向への移動量を比較的大きくしている。寿命近くでは、固形潤滑剤10Yの厚みの減少を高感度に検出して、寿命到来タイミングを高精度に検知しているのである。よって、本プリンタにおいては、寿命到来タイミングを高精度に検知しつつ、潤滑剤塗布装置の大型化を抑えることができる。
[第19変形例]
第19変形例に係るプリンタは、次に説明する点だけが、第18変形例と異なっている。図42は、第19変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けたテーパーを、固形潤滑剤10Yの端部とともに示す拡大構成図である。図示のように、第19変形例に係るプリンタでは、傾斜面Sa3の上端近くの傾斜角が下端側よりも緩やかになっているのではなく、傾斜角がゼロ、即ち、傾斜がなくなっている。そして、矢印B1方向に延在する面が傾斜面Sa3の上端に続いている。このように、矢印B1方向に延在している面に、寿命検知用の電極137Yが固定されている。
固形潤滑剤10Yが初期状態から使用され初めてしばらくの間は、同図において、保持部材17Yの先端が傾斜面Sa3に沿って移動する。そして、固形潤滑剤10Yが寿命まで消耗すると、図43に示すように、固形潤滑剤10Yが傾斜面Sa3の上端にさしかかる。すると、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yが、矢印B1方向の面に沿って、ケーシング端部まで一気に大きく移動する。このように一気に大きく移動できるのは、次に説明する理由からである。即ち、保持部材17Yの先端が傾斜面Sa3に沿って移動するときには、保持部材17Yは矢印B1方向、及び潤滑剤厚み方向(矢印A方向)に移動する。潤滑剤厚み方向には、塗布ブラシローラが存在しているため、固形潤滑剤17Yはブラシに突き当たっている。そして、厚みの減少分だけ厚み方向に移動することができる。このため、矢印B1方向へも、厚みの減少分に対応する量だけ、少しずつしか移動することができない。これに対し、矢印B1方向に沿った面では、固形潤滑剤10Yを矢印A方向に移動させなくても、矢印B1の方向にだけ、単独で移動させることが可能である。このため、軸方向コイルバネの付勢力によって保持部材17Yが矢印B1方向に沿ってケーシング端部まで一気に移動するのである。このように、寿命到達時に保持部材17Yを大きく移動させることで、寿命の到来を非常に高感度に検知することができる。
[第20変形例]
第20変形例に係るプリンタは、次に説明する点だけが、第17変形例と異なっている。即ち、図44は、第20変形例に係るプリンタのY用の潤滑剤塗布装置におけるケーシングの内部に設けた湾曲部材を、固形潤滑剤10Yの端部とともに示す拡大構成図である。図示のように、ケーシング内には、傾斜面の代わりに、湾曲部材による湾曲面Sa4を設けている。この湾曲面Sa4は、先端を突き当てている保持部材17Yを、固形潤滑剤10Yの厚みの減少に伴って潤滑剤厚み方向及び回転軸線方向(矢印B1方向)の両方の成分を含む方向に移動させる。これにより、第17変形例と同様に、固形潤滑剤10Yを厚みの減少に伴って矢印B1方向に移動させる。湾曲面Sa4は、潤滑剤移動手段の一部として機能している。
[第21変形例]
第21変形例に係るプリンタは、次に説明する点だけが、第20変形例と異なっている。即ち、図45に示すように、湾曲面Sa4に対しては、次のような曲率の変化をもたせている。消費していない初期状態の固形潤滑剤10Yを、所定の厚み分だけ消費するのに伴って矢印B1方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の固形潤滑剤10Yを所定の厚み分だけ消費するのに伴って矢印B1方向に移動させる量を多くする曲率の変化である。これにより、第18変形例に係るプリンタと同様に、寿命到来タイミングを高精度に検知しつつ、潤滑剤塗布装置の大型化を抑えることができる。
[第22変形例]
図46は、第22変形例に係るプリンタにおける初期状態の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図及び正面図である。また、図47は、第22変形例に係るプリンタにおける寿命が到来した時点の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図及び正面図である。これらの図に示すように、保持部材17Yのブラシ回転軸線方向における両端部には、それぞれ揺動可能な揺動アーム141Yが接続されている。潤滑剤移動手段や移動力付与手段の一部を構成している2つの揺動アーム141Yにより、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yがケーシング内で支持されている、揺動アーム141Yは、引っ張りコイルバネ140Yにより、揺動軌道における一端側から他端側に向けて付勢されている。これにより、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yは、潤滑剤厚み方向及びブラシ回転軸線方向の両方の成分を含む方向に移動する。
かかる構成においては、固形潤滑剤10Yをブラシ回転軸線方向に移動させる潤滑剤移動手段を、固形潤滑剤10Yを塗布ブラシローラに向けて付勢する付勢手段として兼用することができる。
[第23変形例]
第23変形例に係るプリンタにおいては、次に説明する点だけが、第17変形例に係るプリンタと異なっている。即ち、図48は、初期状態の固形潤滑剤10Yをその周囲構成とともに示す側面図である。初期状態の固形潤滑剤10Yは、移動方向の先端部に、先端側よりも中央側を肉厚にする段差が設けられている。そして、この先端部は、保持部材17Yの先端よりも前側に突出しており、保持部材17Yが軸方向コイルバネ136Yによって付勢されていることで、固形潤滑剤10Yの先端が突き当て部材としてのケーシング内壁に突き当たっている。これにより、固形潤滑剤10Yの矢印B1方向への移動が阻止されている。
固形潤滑剤10Yの厚みが寿命まで減少すると、固形潤滑剤10Yの初期状態からの厚み削り量が、固形潤滑剤10Yの先端部の厚みに達する。これにより、固形潤滑剤10Yの肉薄であった先端部が消失する。すると、それまで固形潤滑剤10Yの先端がケーシングに突き当たることで阻止されていた固形潤滑剤10Yの矢印B1方向への移動が許容されるようになる。そして、図49に示すように、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yが矢印B1方向に一気に大きく移動して、保持部材17Yの先端がケーシング内壁に突き当たる。すると、電極137が保持部材17Yに接触して、寿命の到来がCPUに検知される。
かかる構成においては、固形潤滑剤10Yの寿命が到来するまでは、固形潤滑剤10Yの肉薄の先端をケーシング内壁に突き当てて矢印B1方向への移動を阻止するという簡単な構成により、固形潤滑剤10Yの寿命到来を検知することができる。
これまで、いわゆるタンデム方式によってカラー画像を形成するプリンタについて説明してきたが、モノクロ画像だけを形成するプリンタにも本発明の適用が可能である。
以上、実施形態や各変形例に係るプリンタにおいては、保持部材17Yのブラシ回転軸線方向の移動量を検知する、電極や距離センサなどからなる移動量検知手段と、これによる検知結果に基づいて固形潤滑剤10Yの消費量を把握する消費量把握手段たるCPUとを設けているので、保持部材17Yのブラシ回転軸線方向の移動量に基づいて固形潤滑剤10Yの厚み方向の消費量を把握することができる。
また、実施形態や各変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yを厚みの減少量よりも多い移動量でブラシ軸線方向に移動させるように、潤滑剤移動手段を構成している。かかる構成では、既に説明したように、固形潤滑剤10Yの厚みの減少量を増幅して検知することで、厚みの減少を感度良く検知することができる。
また、実施形態や各変形例に係るプリンタにおいては、塗布部材として、回転可能に支持される回転軸部材8Y、及びこれの周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部9Yを具備する塗布ブラシローラ7Yを用いている。そして、固形潤滑剤10Yを厚みの減少に伴ってブラシ回転軸線方向に沿って移動させている。かかる構成では、保持部材17Yのブラシ回転軸線方向に沿った移動量に基づいて、固形潤滑剤10Yの厚みの減少量を把握することができる。
また、実施形態、第1〜7、第9〜第16変形例に係るプリンタにおいては、ブラシ回転軸線方向及び潤滑剤厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜を具備するガイドレールGL又はガイド溝GDを設け、ガイドレールGL又はガイド溝GDに係合する固形潤滑剤10Y又は保持部材17Yを、固形潤滑剤10Yの厚みの減少に伴って潤滑剤厚み方向及びブラシ回転軸線方向の両方の成分を含むガイドレールGL又はガイド溝GDに沿った方向に移動させるようにしている。かかる構成では、ガイドレールGL又はガイド溝GDによって固形潤滑剤10Y又は保持部材17Yの移動をガイドしながら、固形潤滑剤10Yをその厚みの減少に伴ってブラシ軸線方向に移動させることができる。
また、第1〜第7変形例、第9〜第16変形例に係るプリンタにおいては、ガイドレールGLに係合する凹部、又はガイド溝GDに係合する凸部を、固形潤滑剤10Y又は保持部材17Yに設けているので、その係合によって固形潤滑剤10Yや保持部材17YをガイドレールGLやガイド溝GDに沿って移動させることができる。
また、第8変形例に係るプリンタにおいては、ブラシ回転軸線方向及び潤滑剤厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜を具備するガイド棒GBをケーシング底面に設け、ガイド棒GBに係合している固形潤滑剤10Yや保持部材17Yを、固形潤滑剤10Yの厚みの減少に伴って潤滑剤厚み方向及びブラシ回転軸線方向の両方の成分を含むガイド棒GBに沿った方向に移動させるようにしている。かかる構成では、ガイド棒GBによって固形潤滑剤10Y又は保持部材17Yの移動をガイドしながら、固形潤滑剤10Yをその厚みの減少に伴ってブラシ軸線方向に移動させることができる。
また、第8変形例に係るプリンタにおいては、ガイド棒GBを受け入れる穴部を、固形潤滑剤10Yや保持部材17Yに設けているので、固形潤滑剤10Yや保持部材17Yをガイド棒GBに沿って移動させることができる。
また、第17〜19変形例に係るプリンタにおいては、ブラシ回転軸線方向及び潤滑剤厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜面Sa3を設け、保持部材17Yの先端を傾斜面Sa3に突き当てながら、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yを、固形潤滑剤10Yの厚みの減少に伴って潤滑剤厚み方向及びブラシ回転軸線方向の両方の成分を含む傾斜面Sa3に沿った方向に移動させるようにしている。かかる構成では、既に説明したように、傾斜面Sa3によって保持部材17Yの移動をガイドしながら、固形潤滑剤10Yをその厚みの減少に伴ってブラシ軸線方向に移動させることができる。更には、傾斜面Sa3を寿命検知用の電極137Yを固定する固定手段として利用することができる。
また、第18変形例に係るプリンタにおいては、消費していない初期状態の固形潤滑剤10Yを、所定の厚み分だけ消費するのに伴ってブラシ回転軸線方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の固形潤滑剤10Yを、所定の厚み分だけ消費するのに伴ってブラシ回転少なくとも2段階で変化させている。かかる構成では、既に説明したように、寿命到来タイミングを高精度に検知しつつ、潤滑剤塗布装置の大型化を抑えることができる。なお、第1〜7変形例や、第9〜第16変形例に係るプリンタにおいて、ガイドレールGl又はガイド溝GCの傾斜角を同様にして少なくとも2段階で変化させてもよい。
また、第20〜第21変形例に係るプリンタにおいては、湾曲面Sa4を設け、保持部材17Yの先端を湾曲面Sa4に突き当てながら、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yを、固形潤滑剤10Yの厚みの減少に伴って潤滑剤厚み方向及びブラシ回転軸線方向の両方の成分を含む湾曲面Sa3に沿った方向に移動させるようにしている。かかる構成では、湾曲面Sa4によって保持部材17Yの移動をガイドしながら、固形潤滑剤10Yをその厚みの減少に伴ってブラシ軸線方向に移動させることができる。更には、湾曲面Sa4を寿命検知用の電極137Yを固定する固定手段として利用することができる。
また、第21変形例に係るプリンタにおいては、消費していない初期状態の固形潤滑剤10Yを、所定の厚み分だけ消費するのに伴ってブラシ回転軸線方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の固形潤滑剤10Yを、所定の厚み分だけ消費するのに伴ってブラシ回転軸線方向に移動させる量を多くするように、湾曲面Sa4の曲率を少なくとも2段階で変化させている。かかる構成では、既に説明したように、寿命到来タイミングを高精度に検知しつつ、潤滑剤塗布装置の大型化を抑えることができる。
また、第23変形例においては、先端側から中央側に向けて大きくなる厚み偏差を固形潤滑剤10Yのブラシ回転軸線方向の先端部に設けている。そして、固形潤滑剤10Yの先端部を突き当て部材たるケーシング内壁に突き当てた状態で、固形潤滑剤10Yをケーシング内壁に向けて付勢している。かかる構成では、既に説明したように、固形潤滑剤10Yの寿命が到来するまでは、固形潤滑剤10Yの肉薄の先端をケーシング内壁に突き当てて矢印B1方向への移動を阻止するという簡単な構成により、固形潤滑剤10Yの寿命到来を検知することができる。
また、実施形態や各変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yに対してブラシ回転軸線方向に向かう移動力を付与する移動力付与手段を設けているので、固形潤滑剤10Yをブラシ回転軸線方向に移動させることを可能にすることができる。
また、実施形態や、第1〜16変形例に係るプリンタにおいては、起毛9aYの配列偏差、剛性偏差、植毛密度偏差、あるいは毛倒れ癖により、固形潤滑剤10Yとの摺擦面で固形潤滑剤10Yに対してブラシ回転方向の力に加えてブラシ回転軸線方向の力を付与することで、移動力付与手段として機能させるように、塗布ブラシローラ7Yを構成している。かかる構成では、塗布ブラシローラ7Yの回転力を利用して、固形潤滑剤10Yに対してブラシ回転軸線方向に向かう移動力を付与することができる。
また、第12変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yとして、ブラシ回転軸線方向の長さが、塗布ブラシローラ7Yのブラシローラ部9Yの長さよりも大きく、且つ長さの差が初期状態から寿命到達までにおける固形潤滑剤10Yのブラシ回転軸線方向の移動量と同等以上であるものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、固形潤滑剤10Yが初期状態から寿命到達に至るまで、ブラシローラ部9Yの回転軸線方向の全域に対して、固形潤滑剤10Yを当接させ続けることができる。
また、第12変形例に係るプリンタにおいては、消費量把握手段たるCPUによって把握される固形潤滑剤10Yの初期状態からの厚みの減少量が、塗布ブラシローラ7Yの回転軸部材8Yの外周面からブラシローラ部9Yの外周面までの距離と同じ値になるのに先立って、固形潤滑剤10Yの寿命到来を報知するように、報知手段たるCPUを構成している。かかる構成では、既に説明したように、固形潤滑剤10Yの「削り残し箇所」を回転軸部材8Yに突き当ててしまうといった事態を回避することができる。
また、第13変形例に係るプリンタにおいては、固形潤滑剤10Yとして、ブラシ回転軸線方向に沿った移動方向とは反対側の端部(後端部)に、端側から中央側に向かうにつれて塗布ブラシローラ7Yに近づいていくテーパーを設けたものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、ブラシローラ部9Yの摺擦面に対して、既にブラシローラ部9Yと摺擦している潤滑剤箇所よりも厚みの大きな潤滑剤箇所を進入させることによる固形潤滑剤10Yのブラシに対する押圧ムラの発生を回避することができる。
また、第14変形例に係るプリンタにおいては、塗布ブラシローラ7Yとして、ブラシローラ部9Yの回転軸線方向の長さが感光体3Yにおけるブラシ回転軸線方向の長さよりも大きいものを用いている。そして、固形潤滑剤10Yとして、ブラシ回転軸線方向の長さが感光体3Yの長さよりも大きいものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、固形潤滑剤10Yの先端部に「削り残し箇所」を発生させることなく、その先端部を寿命到来まで削り続けることができる。
また、第15変形例に係るプリンタにおいては、付勢手段たるコイルバネ19Yをブラシ回転軸線方向に沿って移動可能に支持する支持部材たるスライド板130Yを設け、固形潤滑剤10Y及び保持部材17Yのブラシ回転軸線方向への移動に連動させて、スライド板130Yをブラシ回転軸線方向に移動させるようにしている。かかる構成では、既に説明したように、保持部材17Yを矢印B1方向に移動させるのに伴って保持部材17Yとコイルバネとの相対位置を変化させてしまうことによるコイルバネの湾曲の発生を回避することができる。
また、第16変形例に係るプリンタにおいては、付勢手段として、回転可能なカム部材131を保持部材17Yに押し当てて、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yを塗布ブラシローラ7Yに向けて付勢するものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、本体に固定したコイルバネによって付勢する場合とは異なり、保持部材のブラシ回転軸線方向の位置にかかわらず、保持部材を安定して塗布ブラシローラに向けて付勢することができる。
また、第22変形例に係るプリンタにおいては、保持部材17Yのブラシ回転軸線方向における両端部をそれぞれ揺動可能な揺動アーム141Yによって支持しながら、揺動アーム141Yを揺動軌道における一端側から他端側に向けて付勢して、保持部材17Y及び固形潤滑剤10Yを潤滑剤厚み方向及びブラシ回転軸線方向の両方の成分を含む方向に移動させるようにしている。かかる構成では、既に説明したように、固形潤滑剤10Yをブラシ回転軸線方向に移動させる潤滑剤移動手段を、固形潤滑剤10Yを塗布ブラシローラに向けて付勢する付勢手段として兼用することができる。
また、実施形態や各変形例に係るプリンタにおいては、移動量検知手段たる電極あるいは距離センサを、ブラシ軸線方向における固形潤滑剤10Y又は保持部材17Yの側方に配設しているので、固形潤滑剤10Yの厚み方向に電極や距離センサを配設するスペースがない場合でも、固形潤滑剤10Yのブラシ軸線方向の移動を検知することができる。
3Y,M,C,K:感光体(被塗布体)
7Y:塗布ブラシローラ(塗布部材)
8Y:回転軸部材
9Y:ブラシローラ部
10Y:固形潤滑剤
17Y:保持部材
19Y:コイルバネ(付勢手段)
特開2008−541750号公報

Claims (27)

  1. 固形潤滑剤と、
    前記固形潤滑剤から掻き取った潤滑剤粉末を被塗布体に塗布する塗布部材と、
    前記固形潤滑剤を保持する保持部材と、
    前記保持部材を付勢して前記保持部材上の前記固形潤滑剤を前記塗布部材に当接させる付勢手段とを備える潤滑剤塗布装置において、
    前記固形潤滑剤と前記塗布部材との摺擦面における塗布部材表面移動方向と直交する方向に前記固形潤滑剤を移動させる潤滑剤移動手段を設けたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 請求項1の潤滑剤塗布装置であって、
    前記塗布部材が、前記固形潤滑剤及び被塗布体にそれぞれ接触する自らの表面を無端移動させるのに伴って、前記固形潤滑剤から掻き取った潤滑剤粉末を前記被塗布体に塗布するものであり、
    且つ、前記潤滑剤移動手段が、前記固形潤滑剤の厚みの減少量に応じた移動量で、前記固形潤滑剤と前記塗布部材との摺擦面における塗布部材表面移動方向と直交する方向に前記固形潤滑剤を移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  3. 請求項1又は2の潤滑剤塗布装置において、
    前記直交する方向の移動量を検知する移動量検知手段と、これによる検知結果に基づいて前記固形潤滑剤の消費量を把握する消費量把握手段とを設けたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  4. 請求項3の潤滑剤塗布装置であって、
    前記潤滑剤移動手段が、前記固形潤滑剤を厚みの減少量よりも多い移動量で前記直交する方向に移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  5. 請求項3又は4の潤滑剤塗布装置であって、
    前記塗布部材が、回転可能に支持される回転軸部材、及びこれの周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部を具備する塗布ブラシローラであり、
    且つ、前記直交する方向が、前記塗布ブラシローラの回転軸線方向であることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  6. 請求項5の潤滑剤塗布装置であって、
    前記潤滑剤移動手段が、前記回転軸線方向及び前記固形潤滑剤の厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜を具備するガイドレール又はガイド溝を有し、前記ガイドレール又はガイド溝に係合する前記固形潤滑剤又は保持部材を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記ガイドレール又はガイド溝に沿った方向に移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  7. 請求項6の潤滑剤塗布装置であって、
    前記固形潤滑剤又は前記保持部材が、前記ガイドレールに係合する凹部、又は前記ガイド溝に係合する凸部を有するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  8. 請求項5の潤滑剤塗布装置であって、
    前記潤滑剤移動手段が、前記回転軸線方向及び前記固形潤滑剤の厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜を具備するガイド棒を有し、前記ガイド棒に係合している前記固形潤滑剤又は保持部材を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って、前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記ガイド棒に沿った方向に移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  9. 請求項8の潤滑剤塗布装置であって、
    前記固形潤滑剤及び前記保持部材が、前記ガイド棒に係合する穴部を有するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  10. 請求項5の潤滑剤塗布装置であって、
    前記潤滑剤移動手段が、前記回転軸線方向及び前記固形潤滑剤の厚み方向に対してそれぞれ傾いた傾斜面を有し、前記保持部材の前記回転軸線方向の一端を前記傾斜面に突き当てながら、前記保持部材及び固形潤滑剤を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記傾斜面に沿った方向に移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  11. 請求項6乃至7あるいは請求項10、の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    消費していない初期状態の前記固形潤滑剤を、所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の前記固形潤滑剤を、前記所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量を多くするように、前記ガイドレール、ガイド溝又は傾斜面の傾斜角を少なくとも2段階で変化させたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  12. 請求項5の潤滑剤塗布装置であって、
    前記潤滑剤移動手段が、湾曲面を有し、前記保持部材の前記回転軸線方向の一端を前記湾曲面に突き当てながら、前記保持部材及び固形潤滑剤を、前記固形潤滑剤の厚みの減少に伴って前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む前記湾曲面に沿った方向に移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  13. 請求項12の潤滑剤塗布装置において、
    消費していない初期状態の前記固形潤滑剤を、所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量よりも、寿命近くまで消費している状態の前記固形潤滑剤を、前記所定の厚み分だけ消費するのに伴って前記回転軸線方向に移動させる量を多くするように、前記湾曲面の曲率を少なくとも2段階で変化させたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  14. 請求項5の潤滑剤塗布装置であって、
    前記固形潤滑剤が、前記回転軸線方向の一端側よりも中央側を肉厚にする段差を前記回転軸線方向の一端部に具備するものであり、
    且つ、前記潤滑剤移動手段が、前記固形潤滑剤の前記一端部を突き当て部材に突き当てた状態で、前記固形潤滑剤を前記突き当て部材に向けて付勢するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  15. 請求項6乃至14の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    前記固形潤滑剤に対して前記回転軸線方向に向かう移動力を付与する移動力付与手段を設けたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  16. 請求項15の潤滑剤塗布装置において、
    前記塗布ブラシローラが、前記起毛の配列偏差、剛性偏差、植毛密度偏差、あるいは毛倒れ癖により、前記固形潤滑剤との摺擦面で前記固形潤滑剤に対して前記無端移動方向の力に加えて前記回転軸線方向の力を付与することで、前記移動力付与手段として機能するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  17. 請求項6乃至16の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    前記固形潤滑剤として、前記回転軸線方向の長さが、前記塗布ブラシローラのブラシローラ部の長さよりも大きく、且つ長さの差が初期状態から寿命到達までにおける前記固形潤滑剤の前記回転軸線方向の移動量と同等以上であるものを用いたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  18. 請求項17の潤滑剤塗布装置において、
    前記消費量把握手段による把握結果に基づいて特定される前記固形潤滑剤の初期状態からの厚みの減少量が、前記塗布ブラシローラの前記回転軸部材の外周面から前記ブラシローラ部の外周面までの距離と同じ値になるのに先立って、前記固形潤滑剤の寿命到来を報知する報知手段を設けたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  19. 請求項17又は18の潤滑剤塗布装置において、
    前記固形潤滑剤として、前記回転軸線方向に沿った移動方向とは反対側の端部に、端側から中央側に向かうにつれて前記塗布ブラシローラに近づいていくテーパーを設けたものを用いたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  20. 請求項6乃至16の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    前記塗布ブラシローラとして、前記ブラシローラ部の回転軸線方向の長さが前記被塗布体における前記回転軸線方向の長さよりも大きいものを用いるとともに、
    前記固形潤滑剤として、前記回転軸線方向の長さが前記被塗布体における前記回転軸線方向の長さよりも大きいものを用いたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  21. 請求項1乃至20の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    前記付勢手段を前記回転軸線方向に沿って移動可能に支持する支持部材を設け、前記固形潤滑剤及び保持部材の前記回転軸線方向への移動に連動させて、前記支持部材を前記回転軸線方向に移動させるようにしたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  22. 請求項1乃至20の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    前記付勢手段として、回転可能なカム部材を前記保持部材に押し当てて、前記保持部材及び固形潤滑剤を前記塗布部材に向けて付勢するものを用いたことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  23. 請求項5の潤滑剤塗布装置であって、
    前記潤滑剤移動手段が、前記保持部材の前記回転軸線方向における両端部をそれぞれ揺動可能な揺動アームによって支持しながら、揺動アームを揺動軌道における一端側から他端側に向けて付勢して、前記保持部材及び固形潤滑剤を前記厚み方向及び前記回転軸線方向の両方の成分を含む方向に移動させるものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  24. 請求項1乃至23の何れかの潤滑剤塗布装置において、
    前記移動量検知手段を、前記直交する方向における前記固形潤滑剤又は保持部材の側方に配設したことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  25. トナー像を担持する像担持体と、これの表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段とを備える画像形成装置において、
    前記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至24の何れかの潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  26. トナー像を担持する像担持体と、これの表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置と、前記像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段とを備える画像形成装置に用いられ、
    少なくとも、前記像担持体と前記潤滑剤塗布装置とを共通の保持体に保持させて1つのユニットとして画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスユニットであって、
    前記潤滑剤塗布装置が、請求項1乃至24の何れかの潤滑剤塗布装置であることを特徴とするプロセスユニット。
  27. 固形潤滑剤及び被塗布体にそれぞれ接触しながら回転するのに伴って、前記固形潤滑剤から掻き取った潤滑剤粉末を前記被塗布体に塗布する塗布部材と、前記固形潤滑剤を保持する保持部材と、前記保持部材を付勢して前記保持部材上の前記固形潤滑剤を前記塗布部材に当接させる付勢手段とを備える潤滑剤塗布装置に搭載される前記固形潤滑剤であって、
    請求項7の潤滑剤塗布装置における前記ガイドレール部に対応する前記凹部、又は前記ガイド溝に対応する前記凸部、を具備しているか、あるいは、請求項9の潤滑剤塗布装置における前記ガイド棒に対応する前記穴部を具備していることを特徴とする固形潤滑剤。
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