JP2009134117A - 潤滑剤塗布装置並びにこれを備えたクリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

潤滑剤塗布装置並びにこれを備えたクリーニング装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布ブラシに当接する固形潤滑剤のスラスト方向への変位を簡易な構成で規制しつつ、像担持体表面に対する潤滑剤塗布量のバラツキを小さくする。
【解決手段】塗布ブラシへの当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤92をスプリングにより塗布ブラシに当接する向きに付勢し、塗布ブラシが回転することにより固形潤滑剤を削り、これにより塗布ブラシに付着した潤滑剤粉体を中間転写ベルト表面に塗布する。スラスト方向への固形潤滑剤の変位を規制する変位規制手段は、固形潤滑剤が固定されるブラケット93のスラスト方向両端部を除いた部分に設けられるピン95に対し、クリーニングケースに固定された規制部85bをスラスト方向から接触させることで、固形潤滑剤の変位を規制する。
【選択図】図8

Description

本発明は、潤滑剤塗布ブラシの回転により固形潤滑剤から削り取った潤滑剤粉体を像担持体表面に塗布する潤滑剤塗布装置、並びに、これを備えたクリーニング装置及び複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を利用した画像形成装置においては、画像を構成するトナー等の画像構成材が小粒径化方向にある。比較的大きな粒径である従来の画像構成材であれば、像担持体表面に残留した場合でも、クリーニングブレード等により除去するクリーニング装置で十分にクリーニングすることが可能であった。しかし、このような小粒径の画像構成材に対しては、従来のクリーニング装置では十分なクリーニング性を確保することが困難である。そのため、このような小粒径の画像構成材に対しても十分なクリーニング性を得るための工夫として、従来、像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布する方法が採用されている(特許文献1)。この方法によれば、画像構成材と像担持体表面との間の摩擦係数を小さくすることができ、画像構成材と像担持体表面との間の付着力が小さくなって、画像構成材を像担持体表面から除去しやすくなる。よって、小粒径の画像構成材に対するクリーニング性を向上させることができる。
なお、像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布することにより得られる効果は、小粒径の画像構成材に対するクリーニング性を向上させることに限らず、他にも公知の効果がある。例えば、クリーニング部材と像担持体表面との摩擦係数を小さくできる結果、クリーニング部材や像担持体表面の摩耗を少なくでき、クリーニング部材や像担持体表面を長寿命化できるという効果などがある。
特開2007−99271号公報
像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布して所望の効果を得るためには、クリーニング部材が接触する像担持体表面全域にわたって潤滑剤粉体の塗布量のバラツキを少なくすることが重要である。ところが、従来の潤滑剤塗布装置では、潤滑剤粉体の塗布量のバラツキが大きいという問題があった。これは次の理由による。
従来の潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤が板金で形成された保持部材に固定されており、固形潤滑剤は保持部材と一体的に潤滑剤塗布ブラシへの当接方向に沿って変位自在に支持されている。このように支持された固形潤滑剤は、付勢手段により潤滑剤塗布ブラシに当接する向きに付勢され、これを回転する潤滑剤塗布ブラシで削って、潤滑剤塗布ブラシに付着した潤滑剤粉体を像担持体表面に塗布する。ここで、潤滑剤塗布ブラシと固形潤滑剤との間のわずかな平行度のズレや、潤滑剤塗布ブラシの毛倒れなどが原因で、潤滑剤塗布ブラシに当接する固形潤滑剤が、潤滑剤塗布ブラシの回転軸方向(以下「スラスト方向」という。)に沿って変位することがある。そのため、潤滑剤塗布装置では、この変位を規制してスラスト方向における潤滑剤塗布ブラシの所望領域に固形潤滑剤が当接し続けるように、スラスト方向における固形潤滑剤の変位を規制することが必要である。
従来の潤滑剤塗布装置では、固形潤滑剤が固定されている保持部材のスラスト方向における各端部に対し、装置本体に固定された規制部をスラスト方向から接触させることで、固形潤滑剤のスラスト方向における変位を規制していた。この構成によれば、簡易な構成で、固形潤滑剤のスラスト方向における変位を有効に規制することができる。しかし、この構成においては、保持部材がスラスト方向のいずれか一方の向きに変位すると、その保持部材の一方の端部が規制部に接触した状態になる。このとき、保持部材における一方の端部と規制部との間には、この保持部材に固定された固形潤滑剤を潤滑剤塗布ブラシへ当接する向きへ付勢する付勢力に抗する方向に摩擦力が働くことになるが、保持部材における他方の端部にはこのような摩擦力が働かない。そのため、付勢力を受けている固形潤滑剤には、保持部材における一方の端部と規制部との接触部(変位規制位置)を中心に、保持部材における他方の端部側が潤滑剤塗布ブラシへ近づく方向へ回動する向きのモーメントが生じる。これにより、潤滑剤塗布ブラシに対する固形潤滑剤の当接圧は、保持部材における一方の端部側よりも、保持部材における他方の端部側の方が大きいものとなる。その結果、保持部材における一方の端部側よりも、保持部材における他方の端部側の方が、潤滑剤塗布ブラシに付着する潤滑剤粉体の量が多くなり、像担持体表面に塗布される潤滑剤粉体の量がスラスト方向において大きくばらつくことになる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、潤滑剤塗布ブラシに当接する固形潤滑剤のスラスト方向への変位を簡易な構成で規制しつつ、像担持体表面に対する潤滑剤粉体の塗布量のバラツキを小さくすることができる潤滑剤塗布装置、並びに、これを備えたクリーニング装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潤滑剤塗布ブラシへの当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤を付勢手段により該潤滑剤塗布ブラシに当接する向きに付勢し、該潤滑剤塗布ブラシが回転することにより該固形潤滑剤を削り、これにより該潤滑剤塗布ブラシに付着した潤滑剤粉体を像担持体表面に塗布する潤滑剤塗布装置において、上記潤滑剤塗布ブラシの回転軸方向への固形潤滑剤の変位を規制する変位規制手段は、該固形潤滑剤が固定される保持部材の該回転軸方向における両端部を除いた部分に設けられる被規制部に対し、装置本体に固定された規制部を該回転軸方向から接触させることで、該固形潤滑剤の変位を規制するものであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の潤滑剤塗布装置において、上記被規制部は、略円柱形状部材であって、その外周面が規制部に接触する構成であることを特徴とした潤滑剤塗布装置。
また、請求項3の発明は、請求項2の潤滑剤塗布装置において、上記付勢手段は上記保持部材にネジ止めされており、上記被規制部は、該付勢手段を該保持部材にネジ止めするネジであることを特徴とした潤滑剤塗布装置。
また、請求項4の発明は、像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段を内蔵し、像担持体表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材を備えたクリーニング装置において、上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴としたクリーニング装置。
また、請求項5の発明は、像担持体と、該像担持体の表面に画像を形成する画像形成手段と、該像担持体の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段と、該像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段とを備え、該像担持体の表面に形成された画像を最終的に記録材へ転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴とした画像形成装置。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記画像形成手段は、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であって、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、上記画像形成手段は、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲であって、形状係数SF−2が100以上190以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像形成手段は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像形成手段は、略球形状であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像形成手段は、形状を長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定したとき(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5以上1.0以下の範囲であって、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7以上1.0以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
本発明においては、固形潤滑剤が固定される保持部材に設けられる被規制部を装置本体に固定された規制部に接触させるという簡易な構成で、固形潤滑剤のスラスト方向(潤滑剤塗布ブラシの軸方向)における変位を規制することができる。
また、本発明において、固形潤滑剤のスラスト方向への変位を規制する位置(以下「変位規制位置」という。)は、固形潤滑剤が固定される保持部材のスラスト方向両端部を除いた部分に設けられる被規制部と装置本体に固定された規制部とが接触する位置である。よって、本発明によれば、保持部材のスラスト方向両端部に被規制部が設けられていた従来構成よりも、変位規制位置を固形潤滑剤のスラスト方向中心部に近づけることができる。これにより、変位規制位置と、この変位規制位置から遠い側の固形潤滑剤におけるスラスト方向端部との距離が、従来構成よりも短くなる。よって、固形潤滑剤を付勢する付勢力により変位規制位置を中心として固形潤滑剤を回動させるモーメントの大きさは、従来構成よりも小さくなる。したがって、潤滑剤塗布ブラシに対する固形潤滑剤のスラスト方向における当接圧のバラツキは、従来構成よりも小さくなる。
以上、本発明によれば、潤滑剤塗布ブラシに当接する固形潤滑剤のスラスト方向への変位を簡易な構成で規制しつつも、潤滑剤塗布ブラシに対する固形潤滑剤のスラスト方向における当接圧のバラツキを小さくできるので、像担持体表面に対する潤滑剤粉体の塗布量のバラツキを小さくすることができるという優れた効果がある。
以下、本発明をタンデム型のカラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置としての複写機の概略構成図である。
この複写機は、プリンタ部100と、給紙部200と、プリンタ部100上に取り付けるスキャナ部300と、スキャナ部300上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)を備えた原稿搬送部400とから構成されている。また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
プリンタ部100は、その中央に、像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト10を備えている。中間転写ベルト10は、支持ローラ14,15,16に掛け渡され、図中時計回りに表面移動可能となっている。そして、中間転写ベルト10に対向するように、表面にブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの1色のトナー像をそれぞれ担持する像担持体としての潜像担持体である4つの感光体3K,3Y,3M,3Cを備えている。
感光体3K,3Y,3M,3Cのまわりには、その感光体表面を一様に帯電する帯電手段である帯電装置4K,4Y,4M,4Cや、トナー像を形成するための現像手段である現像装置5K,5Y,5M,5Cを備えている。更に、一次転写後の感光体3K,3Y,3M,3Cの表面に残留しているトナーを除去するクリーニング装置6K,6Y,6M,6Cも備えている。これらの感光体3K,3Y,3M,3C、現像装置5K,5Y,5M,5C、帯電装置4K,Y,M,C、及び、クリーニング装置6K,6Y,6M,6Cは、トナー像形成部である作像装置1K,1Y,1M,1Cを構成し、これらの作像装置1K,1Y,1M,1Cを横に並べて配置してタンデム画像形成ユニット20が構成される。
支持ローラ16と中間転写ベルト10を挟んで対向するように、トナー像を記録材としての転写紙上に転写した後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置17を備えている。また、プリンタ部100は、タンデム画像形成ユニット20の上方に露光装置21を備えている。また、中間転写ベルト10の内側で各感光体3K,3Y,3M,3Cと中間転写ベルト10を挟んで対向する位置には、一次転写ローラ8K,8Y,8M,8Cを備えている。一次転写ローラ8K,8Y,8M,8Cは中間転写ベルト10を挟んで感光体3K,3Y,3M,3Cに押し当てて設けられ、一次転写部を形成している。一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成ユニット20と反対の側には、二次転写装置29を備える。二次転写装置29は、二次転写ローラ22と二次転写ベルト張架ローラ23との間に、二次転写ベルト24を掛け渡して構成している。二次転写装置29は、二次転写ローラ22が支持する位置で、二次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てられている。そして、二次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間で二次転写部としての二次転写ニップ部を形成するように配置されている。
二次転写装置29の図中左側には、転写紙上の転写画像を定着する定着装置25を備えている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。また、上述した二次転写装置29には、二次転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写紙を定着装置25へと搬送する転写紙搬送機能も備わっている。二次転写装置29および定着装置25の下には、上述したタンデム画像形成ユニット20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する転写紙反転装置28を備えている。これによって、転写紙の片面に画像定着後に、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換え、そこで反転させて再び二次転写ニップ部に転写紙を搬送し、トナー像を転写させた後、排紙トレイ上に排紙させることができる。
スキャナ部300は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読取センサ36で読み取り、読み取った画像情報を制御部に送る。この制御部は、スキャナ部300から受け取った上記画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザーやLED等を制御して各感光体3K,3Y,3M,3Cに向けてレーザー書き込み光Lを照射させる。この照射により、各感光体3K,3Y,3M,3Cの表面にはそれぞれ静電潜像が形成され、この静電潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
給紙部200は、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44、給紙カセットから転写紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙を分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45、プリンタ部100の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等を備えている。レジストローラ49は、それぞれ給紙カセット44又は手差しトレイ51に載置されている転写紙を1枚だけ排出させ、中間転写ベルト10と二次転写装置29との間に位置する二次転写ニップ部に送る。
本実施形態の複写機において、カラー画像のコピーをとるとき、原稿搬送部400の原稿台30上に原稿をセットするか、又は原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス32上に原稿をセットして原稿搬送部400を閉じることで原稿を押さえる。そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿搬送部400に原稿をセットしたときは原稿をコンタクトガラス32上へと搬送して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは直ちに、スキャナ部300を駆動し、第一走行体33及び第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取センサ36に入れ、原稿の画像情報を読み取る。
一方、帯電装置4K,4Y,4M,4Cによって感光体3K,3Y,3M,3Cの表面が一様に帯電され、スキャナ部300で読み取られた画像情報を色分解して、露光装置21によって各色毎に感光体3K,3Y,3M,3Cにレーザー書き込みがなされる。これにより、感光体3K,3Y,3M,3C表面上に静電潜像を形成する。例えば、C(シアン)の画像形成について説明する。感光体3Cの表面に形成された静電潜像は、現像装置5CによってCトナーを潜像にあわせて現像し、単色のトナー像を形成する。同様にして、順次M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の順で各作像装置1M,1Y,1Kでも同様にして感光体3K,3Y,3M上で単色のトナ−像を形成する。このように、各感光体3K,3Y,3M,3C上にトナー像を形成させるとともに、上記画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙させるべく、4つの給紙ローラのうち1つを作動させる。
また、これと同時に、不図示の駆動モータで支持ローラ14,15,16のうちの1つを回転駆動して他の二つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、感光体3K,3Y,3M,3C上の単色のトナー像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、給紙部200では給紙ローラ42の1つを選択回転し、給紙カセット44の1つから転写紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47でプリンタ部100内の給紙路48に導き、この転写紙をレジストローラ49に突き当てて止める。又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、手差しトレイ51上の転写紙を用いる場合は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルトと二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に転写紙を送り込み、ニップに形成されている転写用電界や当接圧力などの影響によってカラー画像を二次転写して転写紙上にカラー画像を記録する。
二次転写ニップ部でカラー画像の転写を受けた後の転写紙は、二次転写装置29の二次転写ベルト24で定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で加圧ローラ27と定着ベルトとによる加圧力と熱の付与によりカラー画像を定着される。その後、排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。また、両面に画像形成される転写紙は、カラー画像を定着された後、切換爪55で切り換えて転写紙反転装置28に搬送され、そこで反転されて再び二次転写ニップ部へと導かれ、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
一方、二次転写ニップ部で転写紙にカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
図2は、作像装置1K,1Y,1M,1Cの概略説明図である。
なお、各作像装置1K,1Y,1M,1Cは、収容されるトナーの色が異なる以外は、同じ構成、動作であるので、以下、添字K,Y,M,Cを省略して説明する。
図2に示すように、作像装置1は、ユニット枠体2に感光体3と、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6などを一体的に備えて、プロセスカートリッジとして複写機本体本体から着脱可能となっている。本実施形態では、プロセスカートリッジとしての作像装置1そのものを交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
図2に示すように、作像装置1のクリーニング装置6は、ステアリン酸亜鉛を固形化した固形潤滑剤64と、この固形潤滑剤に当接して回転することにより潤滑剤粉体(以下、単に「潤滑剤」という。)を削り取ってその潤滑剤を像担持体表面に塗布するための潤滑剤塗布ブラシ(以下、単に「塗布ブラシ」という。)62とを備えた潤滑剤塗布装置を内蔵している。このクリーニング装置6を構成する部材のうち、感光体3の表面に接触するファーブラシ63、クリーニング部材としてのクリーニングブレード61、塗布ブラシ62は、感光体3の表面移動方向上流側からこの順で配置されている。
クリーニングブレード61は、ゴムブレードであり、感光体3の回転方向に対してカウンター支持されている。ファーブラシ63は、感光体3上の転写残トナーを掻き乱して、クリーニングブレード61でトナーを除去しやすくする。ファーブラシ63に付着したトナーは、図示しないフリッカーによりフリッキングされ、はじき飛ばされたトナーが搬送スクリュー65によりクリーニング装置6の外部へ搬送するようになっている。本実施形態におけるクリーニング装置6は、ファーブラシ63とクリーニングブレード61とで感光体3の表面をクリーニングする。
クリーニング装置6に内蔵された潤滑剤塗布装置は、保持部材であるブラケットに保持された固形潤滑剤64を、付勢手段である潤滑剤スプリング(不図示)により塗布ブラシ62に向けて付勢している。そして、感光体3の表面に接触して回転する塗布ブラシ62により固形潤滑剤64を削って感光体3上に塗布する。本実施形態では、クリーニングブレード61によって転写残トナーが除去された後の感光体表面上に、塗布ブラシ62によって潤滑剤を塗布するが、クリーニングブレード61による転写残トナー除去前の感光体表面上に塗布ブラシ62によって潤滑剤を塗布する構成としてもよい。なお、本実施形態では、ベルトクリーニング装置17にも、クリーニング装置6に内蔵された潤滑剤塗布装置と同様の潤滑剤塗布装置が内蔵されている。潤滑剤塗布装置の詳しい構成については後述する。
ここで、本複写機で使用するトナーであるが、近年の急速なカラー化とそれに伴う高画像品質化に対応するため、重合トナーによる小径、狭粒径分布化と球形化(真球化)が主流になりつつある。トナーの小径、狭粒径分布化は高解像度現像に有利となり、また球形化(真球化)により転写効率に有利となり、これによりトナー画像のシャープネスといった画像品位は格段に向上する。しかし、トナーの小粒径化は比表面積が大きくなり、単位重量当たりのトナーの像担持体表面への付着力が大きくなることで、像担持体表面のクリーニング性が困難な方向となる。また、トナーの小粒径化はトナーの流動性悪化となり、より多量の添加剤を必要とし、これにより、クリーニングブレード61の欠けや磨耗、像担持体表面の局所的なスジ傷等が発生し易くなることが知られている。また、トナーの真球度が上がると、上述の従来一般的に採用されているブレードのカウンター当接方式では、トナーのブレードすり抜けが多くなるため、従来以上に当接圧を上げることが必要となり、圧を上げることでブレードの局所的なせん断力によるエッジ欠けに対して余裕が低くなる。そこで、本実施形態では、潤滑剤を感光体3や中間転写ベルト10の表面に塗布し、感光体3や中間転写ベルト10の表面とトナーとの間の摩擦係数を小さくして、クリーニングブレード61によるクリーニング性を向上させている。
次に、本実施形態の複写機に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
図3は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に示した図である。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
本実施形態の複写機に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。
以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ(NEG VP2036)、コピーチャージ(NX VP434)(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1) 着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2) トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N、N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3) 乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4) 反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5) 上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本実施形態の複写機で好適に使用されるトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図4は、本実施形態で使用可能なトナーの形状を模式的に示す図である。
図4において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本実施形態のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図4(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図4(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
次に、本発明の特徴部分である、潤滑剤塗布装置の更に詳しい構成について説明する。
本実施形態においては、各感光体3K,3Y,3M,3Cの表面をクリーニングするクリーニング装置6K,6Y,6M,6Cと、中間転写ベルト10の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置17のいずれにも、潤滑剤塗布装置が内蔵されている。これらの潤滑剤塗布装置は、いずれも同様の構成であるため、以下、ベルトクリーニング装置17に内蔵されている潤滑剤塗布装置を例に挙げて説明する。
図5は、ベルトクリーニング装置17を、中間転写ベルト10の外周面に平行な方向であって中間転写ベルト表面移動方向に対して直交する方向から見たときの部分拡大図である。
本実施形態のベルトクリーニング装置17は、クリーニングケース85の内部に、クリーニング部と、潤滑剤塗布装置である潤滑剤塗布部とを内蔵した構成となっている。
クリーニング部は、中間転写ベルト10に圧接したクリーニングブラシ81と、回収した転写残トナーをベルトクリーニング装置17の外部に設けた廃トナータンクへ搬送するための搬送スクリュー82と、クリーニングブラシ81に対して中間転写ベルト表面移動方向下流側に配置されたクリーニングブレード83と、クリーニングブラシ81に当接するように設けられたフリッカー84とから構成されている。
図6は、ベルトクリーニング装置17に内蔵された潤滑剤塗布部を、中間転写ベルト10の外周面に平行な方向であって中間転写ベルト表面移動方向から見たときの拡大図である。
潤滑剤塗布部は、クリーニングブレード83に対して中間転写ベルト表面移動方向下流側に配置された塗布ブラシ91と、塗布ブラシ91に当接するように設けられた固形潤滑剤92と、固形潤滑剤92が固定される保持部材としてのブラケット93と、ブラケット93の固形潤滑剤92が固定された端面とは反対側の端面を塗布ブラシ91に向けて付勢する付勢手段としての2つのスプリング94とから構成されている。2つのスプリング94は、図6に示すように、塗布ブラシ91の回転軸方向であるスラスト方向(図5中紙面法線方向、図6中左右方向)におけるブラケット93の中心部から同じ距離だけ離れた位置で、ブラケット93を付勢するように配置されている。また、クリーニングケース85には、ストッパ85aが設けられており、ブラケット93の固形潤滑剤92が固定された端面とは反対側の端面がストッパ85aと接触することで、それ以上ブラケット93が塗布ブラシ91から離れる向きへ変位しないように規制される。
この潤滑剤塗布部では、ブラケット93に保持された固形潤滑剤64をスプリング94により塗布ブラシ91に向けて付勢し、中間転写ベルト10の表面に接触して回転する塗布ブラシ91により固形潤滑剤64を削って得られる潤滑剤を中間転写ベルト10の表面に塗布する。
ここで、一般に、塗布ブラシ291と固形潤滑剤292との間のわずかな平行度のズレや塗布ブラシ291の毛倒れなどが原因で、塗布ブラシ291に当接する固形潤滑剤292が、ブラケット293とともにスラスト方向に沿って変位することがある。図10(a)に示すような従来の潤滑剤塗布装置では、固形潤滑剤292がスラスト方向へ変位した場合、図10(b)に示すように、ブラケット293のスラスト方向端部をクリーニングケース85の内壁面(規制部)に接触させることで、その変位を規制していた。この構成においては、ブラケット293のスラスト方向端部とこれに接触するクリーニングケース85の内壁面との間(変位規制位置)で、スプリング294の付勢力に抗する方向の摩擦力が生じ、ブラケット293の反対側の端部ではこのような摩擦力が生じない。特に、本実施形態では、上述したようにブラケット293が板金で形成されているため、その表面は加工上の都合により表面粗さが大きい。よって、ブラケット293の端部とこれに接触するクリーニングケース85の内壁面との間の摩擦力は大きいものとなる。そのため、固形潤滑剤292には、クリーニングケース85の内壁面と接触しているブラケット293の端部(以下「接触端部」という。)を中心に、図中矢印の向きへ回動するモーメントが生じる。これにより、塗布ブラシ291に対する固形潤滑剤292の当接圧は、ブラケット293の接触端部側よりも、ブラケット293の他端部側の方が大きいものとなる。その結果、ブラケット293の接触端部側よりも、ブラケット293における他端部側の方が、塗布ブラシ291に付着する潤滑剤の量が多くなり、中間転写ベルト10の表面に塗布される潤滑剤量がスラスト方向において大きくばらつくことになる。
そこで、本実施形態では、固形潤滑剤92が固定されるブラケット93のスラスト方向両端部を除いた部分、すなわち、ブラケット93のスラスト方向両端部よりもスラスト方向中央部に近い部分を、変位規制位置としている。具体的には、ブラケット93のスラスト方向両端部を除いた部分に被規制部としての変位規制用のピン95を設け、このピン95に対してクリーニングケース85に固定された規制部85bをスラスト方向から接触させることで、固形潤滑剤92のスラスト方向への変位を規制する。
図7は、ベルトクリーニング装置17の潤滑剤塗布部を、中間転写ベルト10側から見たときの説明図である。なお、図7は、説明のため、中間転写ベルト10及び塗布ブラシ91を取り外した状態を示している。
図8は、ブラケット93に設けられた変位規制用のピン95と、クリーニングケース85の規制部85bとの接触部分である変位規制位置の部分拡大図である。
本実施形態において、変位規制用のピン95は、固形潤滑剤92が固定された端面から略垂直に延びる側面に2つ設けられている。なお、変位規制用のピン95は、固形潤滑剤92が固定された端面とは反対側の端面に設けてもよい。2つの変位規制用のピン95は、スラスト方向両端部よりもスラスト方向中央部に近い部分であって、それぞれがスラスト方向中央部から等距離の位置に設けられている。クリーニングケース85の規制部85bは、これらの変位規制用のピン95に対してスラスト方向端部側からそれぞれ接触するように設けられている。なお、規制部85bは、これらの変位規制用のピン95に対してスラスト方向中央部側からそれぞれ接触するように設けられてもよい。
このような構成により、固形潤滑剤92のスラスト方向への変位を規制する変位規制位置は、固形潤滑剤92が固定されるブラケット93のピン95とクリーニングケース85に固定された規制部85bとが接触する位置となる。よって、本実施形態によれば、従来の潤滑剤塗布装置よりも、変位規制位置をブラケット93のスラスト方向中心部に近づけることができる。これにより、この変位規制位置とその変位規制位置から遠い側のスラスト方向端部との距離が従来よりも短くなり、変位規制位置を中心として固形潤滑剤92を回動させるモーメントの大きさが従来よりも小さくなる。したがって、塗布ブラシ91に対する固形潤滑剤92のスラスト方向における当接圧のバラツキは、従来よりも小さくなり、中間転写ベルト10の表面に対するスラスト方向における潤滑剤塗布量のバラツキを小さくすることができる。
しかも、本実施形態では、ブラケット93に設けられる被規制部としてのピン95は、図示のように略円柱形状部材であって、その外周面が規制部に接触する構成である。そのため、クリーニングケースの規制部85bとの接触がおおよそ線接触の状態になる。よって、クリーニングケースの規制部85bとの接触が面接触の状態になる構成に比べて、接触面積が小さく、摩擦力を低減できる。しかも、ピン95のような形状の被規制部は表面粗さを比較的容易に小さくできることから、更なる摩擦力の低減が容易である。
〔変形例〕
次に、上記実施形態における潤滑剤塗布部の変形例について説明する。
上記実施形態では、固形潤滑剤が固定されたブラケットに設けられる被規制部として、専用のピン95を設ける場合について説明したが、本変形例では、別用途で使用されている部材、より詳しくはブラケットに何らかの部材を取り付けるためのネジを、被規制部として利用する。具体的には、本変形例では、固形潤滑剤を塗布ブラシに向けて付勢するための付勢手段を構成する部材をブラケットにネジ止めするネジを、被規制部として利用する。
図9は、本変形例における変位規制位置の部分拡大図である。
本変形例の付勢手段は、ブラケット193のスラスト方向両端近傍にそれぞれ取り付けられる2つの可動部材196と、1つのスプリング194とから構成されている。2つの可動部材196の一端(取付端部)は、ネジ197によりブラケット193に対して回動自在に取り付けられている。これらの可動部材196には、スプリング194の各端部がそれぞれ取り付けられている。各可動部材196は、この1つのスプリング194からブラケット193のスラスト方向中心部に向かう向きの付勢力を得る。この付勢力によって、2つの可動部材196の他端(回動端部)には、ネジ197を回動中心として、図中矢印のように、ブラケット193から離れる方向に回動する方向の力が働く。各可動部材196の回動端部は、クリーニングケース85の内壁面に当接した状態で配置される。よって、2つの可動部材196は、スプリング194の付勢力を受けて互いに均等な力でクリーニングケース85の内壁面を押し、ブラケット193に保持された固形潤滑剤192を塗布ブラシに向けて付勢することができる。
本変形例では、図9に示すように、2つの可動部材196をブラケット193に取り付けるための2つのネジ197が、ブラケット193の側面から突出した状態となる。2つのネジ197は、スラスト方向両端部よりもスラスト方向中央部に近い部分であって、それぞれがスラスト方向中央部から等距離の位置に設けられている。クリーニングケース85の規制部185bは、これらのネジ197に対してスラスト方向中央部側からそれぞれ接触するように設けられている。なお、規制部185bは、これらのネジ197に対してスラスト方向端部側からそれぞれ接触するように設けられてもよい。
本変形例においても、固形潤滑剤192のスラスト方向への変位を規制する変位規制位置は、固形潤滑剤192が固定されるブラケット193のネジ197とクリーニングケース85に固定された規制部185bとが接触する位置となる。よって、本実施形態によれば、従来の潤滑剤塗布装置よりも、変位規制位置をブラケット93のスラスト方向中心部に近づけることができる。これにより、この変位規制位置とその変位規制位置から遠い側のスラスト方向端部との距離が従来よりも短くなり、変位規制位置を中心として固形潤滑剤192を回動させるモーメントの大きさが従来よりも小さくなる。したがって、塗布ブラシに対する固形潤滑剤192のスラスト方向における当接圧のバラツキは、従来よりも小さくなり、中間転写ベルト10の表面に対するスラスト方向における潤滑剤塗布量のバラツキを小さくすることができる。
しかも、本変形例によれば、ブラケットに設ける被規制部として専用の部材を設ける必要がないので、部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
以上、上記実施形態及び上記変形例に係る複写機は、像担持体としての中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10の表面に画像を形成する画像形成手段としての作像装置1K,1Y,1M,1Cと、中間転写ベルト10の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段としての潤滑剤塗布部と、中間転写ベルト10の表面に付着した不要な付着物(転写残トナー等)を除去するクリーニング手段としてのベルトクリーニング装置17のクリーニング部とを備え、中間転写ベルト10の表面に形成された画像(トナー像)を最終的に記録材としての転写紙へ転移させて転写紙上に画像を形成する画像形成装置である。
上記実施形態及び上記変形例の複写機において、ベルトクリーニング装置17は、中間転写ベルト10の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布部を内蔵し、中間転写ベルト10の表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード等を備えている。
潤滑剤塗布部は、潤滑剤塗布ブラシである塗布ブラシ91への当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤92,192を、付勢手段としてのスプリング94又は可動部材196及びスプリング194により、塗布ブラシ91に当接する向きに付勢し、塗布ブラシ91が回転することにより固形潤滑剤92,192を削り、これにより塗布ブラシ91に付着した潤滑剤粉体を中間転写ベルト10表面に塗布するものである。そして、塗布ブラシ91の回転軸方向(スラスト方向)への固形潤滑剤92,192の変位を規制する変位規制手段は、固形潤滑剤92,192が固定される保持部材としてのブラケット93,193のスラスト方向両端部を除いた部分に設けられる被規制部としてのピン95又はネジ197に対し、装置本体であるクリーニングケース85に固定された規制部85b,185bをスラスト方向から接触させることで、固形潤滑剤92,192の変位を規制するものである。
このような構成によって、上述したとおり、固形潤滑剤92のスラスト方向への変位を規制する変位規制位置は、固形潤滑剤92が固定されるブラケット93のピン95とクリーニングケース85に固定された規制部85bとが接触する位置となる。したがって、塗布ブラシ91に対する固形潤滑剤92,192のスラスト方向における当接圧のバラツキを従来よりも小さくでき、中間転写ベルト10の表面に対するスラスト方向における潤滑剤塗布量のバラツキを小さくすることができる。
また、上記実施形態では、上記被規制部が、略円柱形状部材であって、その外周面が規制部に接触する構成をもったピン95である。これにより、上述したように、クリーニングケースの規制部85bとの接触が面接触の状態になる構成に比べて、接触面積が小さく、摩擦力を低減できる。しかも、ピン95のような形状の被規制部は表面粗さを比較的容易に小さくできることから、更なる摩擦力の低減が容易である。
また、上記変形例では、付勢手段を構成する可動部材196がブラケット193にネジ止めされており、上記被規制部が、可動部材196をブラケット193にネジ止めするネジ197である。これにより、上述したように、ブラケットに設ける被規制部として専用の部材を設ける必要がないので、部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
尚、本実施形態では、潤滑剤塗布装置がクリーニング装置に内蔵されている例について説明したが、潤滑剤塗布装置をクリーニング装置とは別体で構成する場合でも同様の効果が得られる。
実施形態に係る複写機の概略構成図である。 同複写機における作像装置の概略説明図である。 形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に示した図である。 実施形態で使用可能なトナーの形状を模式的に示す図である。。 同複写機におけるベルトクリーニング装置を、中間転写ベルト外周面に平行な方向であって中間転写ベルト表面移動方向に対して直交する方向から見たときの部分拡大図である。 同ベルトクリーニング装置に内蔵された潤滑剤塗布部を、中間転写ベルト外周面に平行な方向であって中間転写ベルト表面移動方向から見たときの拡大図である。 同潤滑剤塗布部を中間転写ベルト側から見たときの説明図である。 同ベルトクリーニング装置において、ブラケットに設けられた変位規制用のピンと、クリーニングケースの規制部との接触部分である変位規制位置の部分拡大図である。 変形例における変位規制位置の部分拡大図である。 (a)及び(b)は、従来の潤滑剤塗布装置において、固形潤滑剤がブラケットとともにスラスト方向に沿って変位する状態を示す説明図である。
符号の説明
1K,1Y,1M,1C 作像装置
3K,3Y,3M,3C 感光体
6K,6Y,6M,6C クリーニング装置
10 中間転写ベルト
17 ベルトクリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 塗布ブラシ
63 ファーブラシ
64 固形潤滑剤
65 搬送スクリュー
81 クリーニングブラシ
82 搬送スクリュー
83 クリーニングブレード
84 フリッカー
85 クリーニングケース
85b,185b 規制部
91,291 塗布ブラシ
92,192,292 固形潤滑剤
93,193,293 ブラケット
94,194,294 スプリング
95 ピン
196 可動部材
197 ネジ

Claims (10)

  1. 潤滑剤塗布ブラシへの当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤を付勢手段により該潤滑剤塗布ブラシに当接する向きに付勢し、該潤滑剤塗布ブラシが回転することにより該固形潤滑剤を削り、これにより該潤滑剤塗布ブラシに付着した潤滑剤粉体を像担持体表面に塗布する潤滑剤塗布装置において、
    上記潤滑剤塗布ブラシの回転軸方向への固形潤滑剤の変位を規制する変位規制手段は、該固形潤滑剤が固定される保持部材の該回転軸方向における両端部を除いた部分に設けられる被規制部に対し、装置本体に固定された規制部を該回転軸方向から接触させることで、該固形潤滑剤の変位を規制するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 請求項1の潤滑剤塗布装置において、
    上記被規制部は、略円柱形状部材であって、その外周面が規制部に接触する構成であることを特徴とした潤滑剤塗布装置。
  3. 請求項2の潤滑剤塗布装置において、
    上記付勢手段は上記保持部材にネジ止めされており、
    上記被規制部は、該付勢手段を該保持部材にネジ止めするネジであることを特徴とした潤滑剤塗布装置。
  4. 像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段を内蔵し、像担持体表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材を備えたクリーニング装置において、
    上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴としたクリーニング装置。
  5. 像担持体と、
    該像担持体の表面に画像を形成する画像形成手段と、
    該像担持体の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段と、
    該像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段とを備え、
    該像担持体の表面に形成された画像を最終的に記録材へ転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴とした画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記画像形成手段は、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であって、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5又は6の画像形成装置において、
    上記画像形成手段は、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲であって、形状係数SF−2が100以上190以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記画像形成手段は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記画像形成手段は、略球形状であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項5乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記画像形成手段は、形状を長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定したとき(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5以上1.0以下の範囲であって、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7以上1.0以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
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