JP2009134117A - 潤滑剤塗布装置並びにこれを備えたクリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗布ブラシへの当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤92をスプリングにより塗布ブラシに当接する向きに付勢し、塗布ブラシが回転することにより固形潤滑剤を削り、これにより塗布ブラシに付着した潤滑剤粉体を中間転写ベルト表面に塗布する。スラスト方向への固形潤滑剤の変位を規制する変位規制手段は、固形潤滑剤が固定されるブラケット93のスラスト方向両端部を除いた部分に設けられるピン95に対し、クリーニングケースに固定された規制部85bをスラスト方向から接触させることで、固形潤滑剤の変位を規制する。
【選択図】図8
Description
また、請求項2の発明は、請求項1の潤滑剤塗布装置において、上記被規制部は、略円柱形状部材であって、その外周面が規制部に接触する構成であることを特徴とした潤滑剤塗布装置。
また、請求項3の発明は、請求項2の潤滑剤塗布装置において、上記付勢手段は上記保持部材にネジ止めされており、上記被規制部は、該付勢手段を該保持部材にネジ止めするネジであることを特徴とした潤滑剤塗布装置。
また、請求項4の発明は、像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段を内蔵し、像担持体表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材を備えたクリーニング装置において、上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴としたクリーニング装置。
また、請求項5の発明は、像担持体と、該像担持体の表面に画像を形成する画像形成手段と、該像担持体の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段と、該像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段とを備え、該像担持体の表面に形成された画像を最終的に記録材へ転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴とした画像形成装置。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記画像形成手段は、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であって、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、上記画像形成手段は、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲であって、形状係数SF−2が100以上190以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像形成手段は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像形成手段は、略球形状であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像形成手段は、形状を長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定したとき(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5以上1.0以下の範囲であって、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7以上1.0以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とするものである。
また、本発明において、固形潤滑剤のスラスト方向への変位を規制する位置(以下「変位規制位置」という。)は、固形潤滑剤が固定される保持部材のスラスト方向両端部を除いた部分に設けられる被規制部と装置本体に固定された規制部とが接触する位置である。よって、本発明によれば、保持部材のスラスト方向両端部に被規制部が設けられていた従来構成よりも、変位規制位置を固形潤滑剤のスラスト方向中心部に近づけることができる。これにより、変位規制位置と、この変位規制位置から遠い側の固形潤滑剤におけるスラスト方向端部との距離が、従来構成よりも短くなる。よって、固形潤滑剤を付勢する付勢力により変位規制位置を中心として固形潤滑剤を回動させるモーメントの大きさは、従来構成よりも小さくなる。したがって、潤滑剤塗布ブラシに対する固形潤滑剤のスラスト方向における当接圧のバラツキは、従来構成よりも小さくなる。
図1は、実施形態に係る画像形成装置としての複写機の概略構成図である。
この複写機は、プリンタ部100と、給紙部200と、プリンタ部100上に取り付けるスキャナ部300と、スキャナ部300上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)を備えた原稿搬送部400とから構成されている。また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
一方、二次転写ニップ部で転写紙にカラー画像を転写した後の中間転写ベルト10の表面は、残留する残留トナーがベルトクリーニング装置17によって除去され、タンデム画像形成ユニット20による再度の画像形成に備える。
なお、各作像装置1K,1Y,1M,1Cは、収容されるトナーの色が異なる以外は、同じ構成、動作であるので、以下、添字K,Y,M,Cを省略して説明する。
図2に示すように、作像装置1は、ユニット枠体2に感光体3と、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6などを一体的に備えて、プロセスカートリッジとして複写機本体本体から着脱可能となっている。本実施形態では、プロセスカートリッジとしての作像装置1そのものを交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ(NEG VP2036)、コピーチャージ(NX VP434)(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1) 着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
図4は、本実施形態で使用可能なトナーの形状を模式的に示す図である。
図4において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本実施形態のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図4(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図4(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
本実施形態においては、各感光体3K,3Y,3M,3Cの表面をクリーニングするクリーニング装置6K,6Y,6M,6Cと、中間転写ベルト10の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置17のいずれにも、潤滑剤塗布装置が内蔵されている。これらの潤滑剤塗布装置は、いずれも同様の構成であるため、以下、ベルトクリーニング装置17に内蔵されている潤滑剤塗布装置を例に挙げて説明する。
本実施形態のベルトクリーニング装置17は、クリーニングケース85の内部に、クリーニング部と、潤滑剤塗布装置である潤滑剤塗布部とを内蔵した構成となっている。
クリーニング部は、中間転写ベルト10に圧接したクリーニングブラシ81と、回収した転写残トナーをベルトクリーニング装置17の外部に設けた廃トナータンクへ搬送するための搬送スクリュー82と、クリーニングブラシ81に対して中間転写ベルト表面移動方向下流側に配置されたクリーニングブレード83と、クリーニングブラシ81に当接するように設けられたフリッカー84とから構成されている。
潤滑剤塗布部は、クリーニングブレード83に対して中間転写ベルト表面移動方向下流側に配置された塗布ブラシ91と、塗布ブラシ91に当接するように設けられた固形潤滑剤92と、固形潤滑剤92が固定される保持部材としてのブラケット93と、ブラケット93の固形潤滑剤92が固定された端面とは反対側の端面を塗布ブラシ91に向けて付勢する付勢手段としての2つのスプリング94とから構成されている。2つのスプリング94は、図6に示すように、塗布ブラシ91の回転軸方向であるスラスト方向(図5中紙面法線方向、図6中左右方向)におけるブラケット93の中心部から同じ距離だけ離れた位置で、ブラケット93を付勢するように配置されている。また、クリーニングケース85には、ストッパ85aが設けられており、ブラケット93の固形潤滑剤92が固定された端面とは反対側の端面がストッパ85aと接触することで、それ以上ブラケット93が塗布ブラシ91から離れる向きへ変位しないように規制される。
図8は、ブラケット93に設けられた変位規制用のピン95と、クリーニングケース85の規制部85bとの接触部分である変位規制位置の部分拡大図である。
次に、上記実施形態における潤滑剤塗布部の変形例について説明する。
上記実施形態では、固形潤滑剤が固定されたブラケットに設けられる被規制部として、専用のピン95を設ける場合について説明したが、本変形例では、別用途で使用されている部材、より詳しくはブラケットに何らかの部材を取り付けるためのネジを、被規制部として利用する。具体的には、本変形例では、固形潤滑剤を塗布ブラシに向けて付勢するための付勢手段を構成する部材をブラケットにネジ止めするネジを、被規制部として利用する。
本変形例の付勢手段は、ブラケット193のスラスト方向両端近傍にそれぞれ取り付けられる2つの可動部材196と、1つのスプリング194とから構成されている。2つの可動部材196の一端(取付端部)は、ネジ197によりブラケット193に対して回動自在に取り付けられている。これらの可動部材196には、スプリング194の各端部がそれぞれ取り付けられている。各可動部材196は、この1つのスプリング194からブラケット193のスラスト方向中心部に向かう向きの付勢力を得る。この付勢力によって、2つの可動部材196の他端(回動端部)には、ネジ197を回動中心として、図中矢印のように、ブラケット193から離れる方向に回動する方向の力が働く。各可動部材196の回動端部は、クリーニングケース85の内壁面に当接した状態で配置される。よって、2つの可動部材196は、スプリング194の付勢力を受けて互いに均等な力でクリーニングケース85の内壁面を押し、ブラケット193に保持された固形潤滑剤192を塗布ブラシに向けて付勢することができる。
しかも、本変形例によれば、ブラケットに設ける被規制部として専用の部材を設ける必要がないので、部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
上記実施形態及び上記変形例の複写機において、ベルトクリーニング装置17は、中間転写ベルト10の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布部を内蔵し、中間転写ベルト10の表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード等を備えている。
潤滑剤塗布部は、潤滑剤塗布ブラシである塗布ブラシ91への当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤92,192を、付勢手段としてのスプリング94又は可動部材196及びスプリング194により、塗布ブラシ91に当接する向きに付勢し、塗布ブラシ91が回転することにより固形潤滑剤92,192を削り、これにより塗布ブラシ91に付着した潤滑剤粉体を中間転写ベルト10表面に塗布するものである。そして、塗布ブラシ91の回転軸方向(スラスト方向)への固形潤滑剤92,192の変位を規制する変位規制手段は、固形潤滑剤92,192が固定される保持部材としてのブラケット93,193のスラスト方向両端部を除いた部分に設けられる被規制部としてのピン95又はネジ197に対し、装置本体であるクリーニングケース85に固定された規制部85b,185bをスラスト方向から接触させることで、固形潤滑剤92,192の変位を規制するものである。
このような構成によって、上述したとおり、固形潤滑剤92のスラスト方向への変位を規制する変位規制位置は、固形潤滑剤92が固定されるブラケット93のピン95とクリーニングケース85に固定された規制部85bとが接触する位置となる。したがって、塗布ブラシ91に対する固形潤滑剤92,192のスラスト方向における当接圧のバラツキを従来よりも小さくでき、中間転写ベルト10の表面に対するスラスト方向における潤滑剤塗布量のバラツキを小さくすることができる。
また、上記変形例では、付勢手段を構成する可動部材196がブラケット193にネジ止めされており、上記被規制部が、可動部材196をブラケット193にネジ止めするネジ197である。これにより、上述したように、ブラケットに設ける被規制部として専用の部材を設ける必要がないので、部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
3K,3Y,3M,3C 感光体
6K,6Y,6M,6C クリーニング装置
10 中間転写ベルト
17 ベルトクリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 塗布ブラシ
63 ファーブラシ
64 固形潤滑剤
65 搬送スクリュー
81 クリーニングブラシ
82 搬送スクリュー
83 クリーニングブレード
84 フリッカー
85 クリーニングケース
85b,185b 規制部
91,291 塗布ブラシ
92,192,292 固形潤滑剤
93,193,293 ブラケット
94,194,294 スプリング
95 ピン
196 可動部材
197 ネジ
Claims (10)
- 潤滑剤塗布ブラシへの当接方向に沿って変位自在に支持された固形潤滑剤を付勢手段により該潤滑剤塗布ブラシに当接する向きに付勢し、該潤滑剤塗布ブラシが回転することにより該固形潤滑剤を削り、これにより該潤滑剤塗布ブラシに付着した潤滑剤粉体を像担持体表面に塗布する潤滑剤塗布装置において、
上記潤滑剤塗布ブラシの回転軸方向への固形潤滑剤の変位を規制する変位規制手段は、該固形潤滑剤が固定される保持部材の該回転軸方向における両端部を除いた部分に設けられる被規制部に対し、装置本体に固定された規制部を該回転軸方向から接触させることで、該固形潤滑剤の変位を規制するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項1の潤滑剤塗布装置において、
上記被規制部は、略円柱形状部材であって、その外周面が規制部に接触する構成であることを特徴とした潤滑剤塗布装置。 - 請求項2の潤滑剤塗布装置において、
上記付勢手段は上記保持部材にネジ止めされており、
上記被規制部は、該付勢手段を該保持部材にネジ止めするネジであることを特徴とした潤滑剤塗布装置。 - 像担持体表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段を内蔵し、像担持体表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング部材を備えたクリーニング装置において、
上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴としたクリーニング装置。 - 像担持体と、
該像担持体の表面に画像を形成する画像形成手段と、
該像担持体の表面に潤滑剤粉体を塗布する潤滑剤塗布手段と、
該像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するクリーニング手段とを備え、
該像担持体の表面に形成された画像を最終的に記録材へ転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記潤滑剤塗布手段として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を用いたことを特徴とした画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記画像形成手段は、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であって、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00以上1.40以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5又は6の画像形成装置において、
上記画像形成手段は、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲であって、形状係数SF−2が100以上190以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記画像形成手段は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記画像形成手段は、略球形状であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記画像形成手段は、形状を長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定したとき(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5以上1.0以下の範囲であって、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7以上1.0以下の範囲であるトナーを用いて、上記像担持体の表面に画像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
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