JP2011196996A - 体外診断薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、体外診断薬組成物に関する。
タンパク質、とりわけ酵素や抗体は、その基質特異性の高さや簡便性から、臨床診断をはじめ様々な用途に応用されている。例えば、体外診断薬、分子生物学用の分析試薬又は生化学用の分析試薬などである。これら試薬に適用する酵素や抗体は、各種化合物による標識や修飾などを受けることもある。そして、これら試薬は、目的や用途に応じて、タンパク質を溶液に溶解した状態、乾燥粉末にした状態、担体に固定化し緩衝液などに浸漬した状態又は乾燥した状態で提供される。
体外診断薬組成物の性能を長期にわたって維持するためには、タンパク質の活性を安定に維持することが重要である。例えば、組成物中の酵素活性あるいは抗体活性が時間経過により低下する場合には、所望の組成物の有効期間と酵素あるいは抗体の活性低下速度に合わせて、予め過剰量の酵素、抗体を添加する方策があるが、多くの場合、このような方策では問題の根本的な解決にはならず、コストが嵩むことは避けられない。
そこで、抗体含有組成物中に塩(リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩等)、糖(ラクトース、スクロース及びトレハロース等)、多価アルコール(グリセロール、エチレングリコール及びエリスリトール等)、アミノ酸(アルギニン、リジン、グリシン等)、界面活性剤(脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(付加モル数20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(付加モル数10)オクチルフェニルエーテル等)又はタンパク質(アルブミン、カゼイン、ゼラチン等)等を共存させることで、安定化を図る方法が多数提案されている(例えば、特許文献1〜7)。なかでも、牛血清アルブミンは、安定化剤として広く用いられている。
しかしながら、従来提案されている安定化剤を含む体外診断薬は、タンパク質の活性が時間経過により低下するため、一定期間保管後に診断正確度が低下する問題がある。牛血清アルブミンは、安定化剤として一定の効果はあるものの、十分満足できるレベルではなく、その上、供給面、安全面、価格面に課題がある。
また、近年、「病気は治療ではなく、予防するもの」の考え方が広まってきており、診断正確度の向上が望まれている。
また、近年、「病気は治療ではなく、予防するもの」の考え方が広まってきており、診断正確度の向上が望まれている。
本発明は、タンパク質の保存安定性に優れ、一定期間保管しても、診断薬の診断正確度の低下が少ない体外診断薬組成物を提供すること課題とする。
本発明の体外診断薬組成物は、一定期間保管しても、診断薬の診断正確度を保つことができる。
本発明の体外診断薬組成物は、下記一般式(1)で表される化合物及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(A)、タンパク質(a)及び水を含有する体外診断薬組成物である。
[式(1)中、Xはイミノ基、酸素原子又は硫黄原子を表す。]
タンパク質を液体中で保存すると、凝集や加水分解等を起こし診断正確度が低下するという問題点があるが、本発明では、特定の化学構造を有する上記の化合物(A)を体外診断薬組成物に含有させることにより解決できる。
一般式(1)で表される化合物として、具体的にはグアニジン、尿素及びチオ尿素が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の塩としては、グアニジンの塩が挙げられる。
塩としては塩酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩及びリン酸塩等が挙げられる。
塩としては塩酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩及びリン酸塩等が挙げられる。
化合物(A)としては、診断正確度の持続性の観点で、グアニジンの塩及び尿素が好ましく、さらに好ましくはグアニジンの塩、次にさらに好ましくはグアニジン塩酸塩である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる化合物(A)の含有量(重量%)は、診断正確度の持続性の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0.01〜30が好ましく、さらに好ましくは0.02〜10、次にさらに好ましくは0.03〜5、特に好ましくは0.05〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる化合物(A)の含有量は、診断正確度の持続性の観点から、タンパク質(a)の重量に対し、1〜1000重量%となるように含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜500重量%となるように含有することであり、次にさらに好ましくは10〜300重量%となるように含有することである。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる化合物(A)の含有量は、診断正確度の持続性の観点から、タンパク質(a)の重量に対し、1〜1000重量%となるように含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜500重量%となるように含有することであり、次にさらに好ましくは10〜300重量%となるように含有することである。
本発明の体外診断薬組成物は、さらに下記一般式(2)で表される化合物(B)を含有することができる。診断正確度の持続性の観点から、(B)を含有することが好ましい。
一般式(2)中、Qはアミノ基又はアルキル基を表し、アルキル基中の水素原子の一部が水素原子以外の置換基に置換されていてもよい。
Qのアルキル基としては炭素数1〜22のアルキル基が挙げられ、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基及びベヘニル基等が挙げられる。これらのアルキル基中の水素原子の一部が水素原子以外の置換基に置換されてもよい。
水素原子以外の置換基としては、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミノ基及びヒドロキシル基等が挙げられる。置換基の数は1〜3が好ましく、さらに好ましくは2〜3である。例えばQがブチル基の場合、ブチル基末端の水素原子2つが1つのアミノ基及び1つのカルボキシル基で置換された場合は(B)はアルギニンを表す。
水素原子以外の置換基としては、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミノ基及びヒドロキシル基等が挙げられる。置換基の数は1〜3が好ましく、さらに好ましくは2〜3である。例えばQがブチル基の場合、ブチル基末端の水素原子2つが1つのアミノ基及び1つのカルボキシル基で置換された場合は(B)はアルギニンを表す。
化合物(B)としては、アルギニン又はその塩(B−1)、アルギニン誘導体又はその塩(B−2)及びグアニジン誘導体又はその塩(B−3)が挙げられる。
アルギニン又はその塩(B−1)として、アルギニン、アルギニンの無機酸塩(塩酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、硫酸塩及びケイ酸塩等)及びアルギニンの有機酸塩(ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、トリメリット酸塩及びピロメリット酸塩等)が挙げられる。
アルギニン誘導体又はその塩(B−2)において、アルギニン誘導体は下記一般式(3)で表されるアルギニンのα−アミノ基若しくはα−カルボキシル基又はこれらの両方の基が置換された誘導体である。
α−アミノ基の置換は、下記一般式(4)で表されるN−アルキルカルボニル−アミド基(Y−1)又は一般式(5)で表されるイミノ基(Y−2)への置換であり、α−カルボキシル基の置換は下記一般式(6)で表されるエステル基又は下記一般式(7)で表されるN−アルキルアミド基(Z−2)への置換である。
α−アミノ基の置換は、下記一般式(4)で表されるN−アルキルカルボニル−アミド基(Y−1)又は一般式(5)で表されるイミノ基(Y−2)への置換であり、α−カルボキシル基の置換は下記一般式(6)で表されるエステル基又は下記一般式(7)で表されるN−アルキルアミド基(Z−2)への置換である。
言い換えると、アルギニン誘導体又はその塩(B−2)では、α−アミノ基又はα−カルボキシル基の少なくともいずれか一方が置換されている。すなわち、Yがアミノ基の場合、Zは下記一般式(6)で表されるエステル基(Z−1)又は下記一般式(7)で表されるN−アルキルアミド基(Z−2)であり、Zがカルボキシル基の場合は、Yは下記一般式(4)で表されるN−アルキルカルボニル−アミド基(Y−1)又は下記一般式(5)で表されるイミノ基(Y−2)である。
一般式(3)中、Yはアミノ基、下記一般式(4)で表されるN−アルキルカルボニル−アミド基(Y−1)又は下記一般式(5)で表されるイミノ基(Y−2)を表す。Zは、カルボキシル基、下記一般式(6)で表されるエステル基(Z−1)又は下記一般式(7)で表されるN−アルキルアミド基(Z−2)を表す。
一般式(4)中、R1は、水素原子又は炭素数1〜36の1価の炭化水素基を表し、この炭化水素基はその水素原子の一部が水素原子以外の他の官能基に置換されていてもよい。
一般式(4)で表されるN−アルキルカルボニル−アミド基(Y−1)におけるR1の炭化水素基としては、炭素数1〜36の1価の炭化水素基であり、直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基及びベヘニル基等が挙げられる。
分岐の脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル基及びt−ブチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基及びシクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基及びメチルベンジル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基のうち、診断正確度の持続性の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはメチル基である。
水素原子以外の置換基としては、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミノ基及びヒドロキシル基等が挙げられる。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基及びベヘニル基等が挙げられる。
分岐の脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル基及びt−ブチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基及びシクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基及びメチルベンジル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基のうち、診断正確度の持続性の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはメチル基である。
水素原子以外の置換基としては、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミノ基及びヒドロキシル基等が挙げられる。
一般式(4)で表されるN−アルキルカルボニル−アミド基(Y−1)として具体的には、ホルムアミド基、アセチルアミド基、プロピオン酸アミド基、ブチル酸アミド基、ヘキシル酸アミド基、シクロヘキシル酸アミド基、オクチル酸アミド基及びベンゾイルアミド基等が挙げられる。
一般式(5)中、R2とR3はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜36の炭化水素基を表し、これらの炭化水素基はその水素原子の一部が水素原子以外の他の官能基に置換されていてもよい。
一般式(5)で表されるイミノ基(Y−2)において、R2とR3は、R1と同様の炭化水素基が含まれ、これらの炭化水素基はR1と同様に、その一部が他の官能基に置換されていてもよい。
一般式(5)で表されるイミノ基(Y−2)としては、メチルイミノ基等が挙げられる。
一般式(6)中、R4は、炭素数1〜36の炭化水素基を表す、又は多価アルコール若しくは糖から1つのヒドロキシル基を除いた残基を表す。
この炭化水素基はその水素原子一部が他の官能基、例えば、ヒドロキシル基、メトキシル基、エトキシル基、ニトロ基及びヒドロキシフェニル基からなる群より選ばれる官能基で置換されていてもよい。
この炭化水素基はその水素原子一部が他の官能基、例えば、ヒドロキシル基、メトキシル基、エトキシル基、ニトロ基及びヒドロキシフェニル基からなる群より選ばれる官能基で置換されていてもよい。
一般式(6)で表されるエステル基(Z−1)において、R4が炭素数1〜36の炭化水素基の場合、その炭化水素基は、前記R1と同様の炭化水素基が含まれる。
R4が炭素数1〜36の炭化水素基の場合、これらの炭化水素基のうち、診断正確度の持続性の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはエチル基である。
R4が炭素数1〜36の炭化水素基の場合、これらの炭化水素基のうち、診断正確度の持続性の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはエチル基である。
多価アルコールとしては、2価〜3価のアルコールが含まれ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
糖としては、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール及びトレハロース等が挙げられる。
糖としては、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール及びトレハロース等が挙げられる。
一般式(7)中、R5は、水素原子又は炭素数1〜36の炭化水素基を表し、この炭化水素基はその水素原子の一部が水素原子以外の他の官能基に置換されていてもよい。
一般式(7)で表されるN−アルキルアミド基(Z−2)において、R5が炭素数1〜36の炭化水素基の場合、その炭化水素基としては、前記R1と同様の炭化水素基が含まれ、これらの炭化水素基はR1と同様に、その一部が他の官能基に置換されていてもよい。
R5が炭素数1〜36の炭化水素基の場合、これらの炭化水素基のうち、診断正確度の持続性の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはメチル基である。
R5が炭素数1〜36の炭化水素基の場合、これらの炭化水素基のうち、診断正確度の持続性の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはメチル基である。
アルギニン誘導体又はその塩(B−2)がアルギニン誘導体の塩の場合、無機酸塩(塩酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、硫酸塩及びケイ酸塩等)及び有機酸塩(ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、トリメリット酸塩及びピロメリット酸塩等)が挙げられる。
アルギニン誘導体又はその塩(B−2)の化合物として具体的に、N−アセチルアルギニンエチルエステル塩酸塩が挙げられる。
グアニジン誘導体又はその塩(B−3)としては、Qを特に限定するものではないが、具体的にアミノグアニジン(−NH2)、ジシアンジアミド(−CN)、グアニルチオウレア(−C(=S)NH2)、ドデシルグアニジン(−C12H25)、エチルグアニジン(−C2H5)、オクチルグアニジン(−C8H17)及びビグアニド(−C(=NH)NH2)が挙げられる。ここで、()内はQを表す。
これらのうち、診断正確度の持続性の観点で、好ましくは(B−1)及び(B−2)であり、さらに好ましくは、(B−2)であり、特に好ましいのはN−α−アセチルアルギニンエチルエステル塩酸塩である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる化合物(B)の含有量(重量%)は、診断正確度の持続性の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0.01〜30が好ましく、さらに好ましくは0.03〜10、次にさらに好ましくは0.05〜5である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる化合物(B)の含有量は、診断正確度の持続性の観点から、タンパク質(a)の重量に対し、1〜1000重量%となるように含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜500重量%となるように含有することであり、次にさらに好ましくは10〜300重量%となるように含有することである。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる化合物(B)の含有量は、診断正確度の持続性の観点から、タンパク質(a)の重量に対し、1〜1000重量%となるように含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜500重量%となるように含有することであり、次にさらに好ましくは10〜300重量%となるように含有することである。
本発明の体外診断薬組成物は化合物(A)のみを含有すればよいが、診断正確度の持続性の観点から、化合物(A)及び化合物(B)を含有することが好ましい。
(A)及び(B)を含有する場合、(A)と(B)との重量比((A)の重量/(B)の重量)は0.01〜30が好ましく、さらに好ましくは0.1〜20であり、特に好ましくは0.2〜10である。
本発明における必須成分であるタンパク質(a)としては、酵素(a−1)、抗体(a−2)が挙げられる。
酵素(a−1)としては、体外診断薬として使用される酵素であれば特に限定するものではないが、特に、酸化還元酵素、加水分解酵素が好ましい。
酸化還元酵素として具体的に、ペルオキシターゼ、グルコースオキシターゼ、コレステロールオキシターゼ、アスコルビン酸オキシターゼ、アルコールオキシターゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ等が挙げられる。
加水分解酵素として具体的に、アルカリ性フォスファターゼ、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ及びセルラーゼ等が挙げられる。
酸化還元酵素として具体的に、ペルオキシターゼ、グルコースオキシターゼ、コレステロールオキシターゼ、アスコルビン酸オキシターゼ、アルコールオキシターゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ等が挙げられる。
加水分解酵素として具体的に、アルカリ性フォスファターゼ、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ及びセルラーゼ等が挙げられる。
抗体(a−2)としては、体外診断薬として使用される抗体であれば特に限定するものではないが、各種モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられる。
上記のタンパク質(a)のうち、診断正確度の持続性の観点で、酵素(a−1)が好ましく、特に好ましくはペルオキシダーゼ、アルカリ性フォスファターゼ、コレステロールオキシターゼ、及びリパーゼである。
本発明において、体外診断薬組成物に含まれるタンパク質(a)は、2種以上を含むことができる。2種以上を含む場合の組み合わせとしては、酵素2種以上、酵素と抗体をそれぞれ1種以上、抗体2種以上含む組み合わせが挙げられる。酵素で標識した抗体もこれに含まれる。
本発明の体外診断薬組成物に含まれるタンパク質(a)の含有量は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し、0.01〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%、0.1〜2重量%である。
本発明の必須成分である水は、特に限定するものではなく、水道水、イオン交換水、蒸留水及び逆浸透水等が挙げられる。
本発明の体外診断薬組成物に含まれる水の含有量は、診断正確度の持続性の観点から、体外診断薬組成物の重量に対し、65〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは87〜99.9重量%、特に好ましくは93〜99.8重量%である。
本発明の体外診断薬組成物には、診断正確度を向上させるために、上記の化合物(A)及び(B)、タンパク質(a)及び水以外に、発色物質(b)、界面活性剤(c)、水混和性有機溶剤(d)、無機塩(e)、糖(f)、アルギニン以外のアミノ酸(g)、アルカリ剤(h)、キレート剤(i)及びタンパク質吸着防止剤(j)を含有することができる。
発色物質(b)として、体外診断薬に用いられている公知の物質を用いることができ、例えば、アミノアンチピリン/フェノール等が挙げられる。
界面活性剤(c)として、ノニオン性界面活性剤(c−1)、アニオン性界面活性剤(c−2)、カチオン性界面活性剤(c−3)及び両性界面活性剤(c−4)が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(c−1)としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)[オレイルアルコールエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等]、脂肪族アミン(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)[ヘキサデシルアミンエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、ラウリルアミンエチレンオキサイド付加物、ステアリルアミンエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)グリコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)及びジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール及びモノラウリン酸ソルビタン等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(ポリ)アルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜8,重合度=1〜100)[ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド(重合度=10)付加物及びメチルグルコースジオレエートエチレンオキサイド(重合度=50)付加物等]、脂肪酸N−ヒドロキシアルキルアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド及び1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、アルキル(炭素数1〜22)(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)フェニルエーテル、アルキル(炭素数8〜24)(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)−アミノアルキル(炭素数8〜24)−エーテル及びアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(c−2)としては、炭素数8〜24のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンエーテルカルボン酸又はその塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸ナトリウム及びラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸−トリエタノールアミン塩等]、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸スルホン酸ナトリウム、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキルリン酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤(c−3)としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]及びアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤(c−4)としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
界面活性剤(c)としては、1種又は2種以上が使用出来る。2種以上を使用する場合、その組み合わせとしては、例えばノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の組み合わせ等が挙げられる。
界面活性剤(c)として、診断正確度の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤のうち、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(ポリ)アルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜8,重合度=1〜100)、脂肪族アミン(炭素数8〜24)エチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物(重合度=1〜100)及びアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシドがさらに好ましい。
ノニオン性界面活性剤のうち、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(ポリ)アルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜8,重合度=1〜100)、脂肪族アミン(炭素数8〜24)エチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物(重合度=1〜100)及びアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシドがさらに好ましい。
水混和性有機溶剤(d)としては、水100gに対する溶解度が10g以上の溶剤であれば特に限定するものではないが、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール及びソルビトール等が挙げられる。
無機塩(e)として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ギ酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アンモニウム等が挙げられる。
糖(f)として、トレハロース、スクロース、デキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等が挙げられる。
アルギニン以外のアミノ酸(g)として、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、リシン、ヒスチジン及びそれらの塩等が挙げられる。
アルカリ剤(h)として、例えば、苛性ソーダ、ソーダ灰、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン及びトリポリリン酸ソーダ等が挙げられる。
キレート剤(i)としては、体外診断薬に用いられる公知のものを用いることができる。例えば、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸及びジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸及びカルボキシメチル酒石酸等の有機酸又はこれらの塩並びにアミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はこれらのアルカリ金属若しくは低級アミン塩等が挙げられる。
タンパク質吸着防止剤(j)としては、体外診断薬に用いられている公知の物質を用いることができ、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ゼラチン及びコラーゲン等が挙げられる。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる発色物質(b)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜1が好ましく、さらに好ましくは0〜0.5、次にさらに好ましくは0〜0.2である。
本発明の体外診断薬組成物に含まれる界面活性剤(c)の含有量は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し、0〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜3重量%である。
本発明の体外診断薬組成物に含まれる水混和性有機溶剤(d)の含有量は、診断正確度の観点から、体外診断薬組成物の重量に対し、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜3重量%である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる無機塩(e)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる糖(f)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるアミノ酸(g)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるアルカリ剤(h)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜1である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるキレート剤(i)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜2である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるタンパク質吸着防止剤(j)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物に含まれる界面活性剤(c)の含有量は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し、0〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜3重量%である。
本発明の体外診断薬組成物に含まれる水混和性有機溶剤(d)の含有量は、診断正確度の観点から、体外診断薬組成物の重量に対し、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜3重量%である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる無機塩(e)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれる糖(f)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるアミノ酸(g)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるアルカリ剤(h)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜1である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるキレート剤(i)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜2である。
本発明の体外診断薬組成物中に含まれるタンパク質吸着防止剤(j)の含有量(重量%)は、診断正確度の観点から体外診断薬組成物の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、次にさらに好ましくは0〜3である。
本発明の体外診断薬組成物は、各成分を混合することにより得られ、製造方法は特に限定されるものではない。1例を下記に示す。
(1)水に、化合物(A)及び必要により化合物(B)を加え、4℃で均一になるまで撹拌する。
(2)タンパク質(a)以外の成分を所定量添加し均一に溶解させる。
(3)最後にタンパク質(a)を添加し溶解させ、体外診断薬組成物を製造する。
(1)水に、化合物(A)及び必要により化合物(B)を加え、4℃で均一になるまで撹拌する。
(2)タンパク質(a)以外の成分を所定量添加し均一に溶解させる。
(3)最後にタンパク質(a)を添加し溶解させ、体外診断薬組成物を製造する。
以下の実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>
N−α−アセチルアルギニン{アルギニンアセトアミド、株式会社エムピーバイオジャパン}12.6重量部(0.05モル部)、メタンスルホン酸1重量部及びエタノール92重量部(2モル部)を均一混合し、80℃で5時間加熱攪拌し、エバポレーターで濃縮後、塩酸(濃度:35重量%)5.2重量部(0.05モル部)を加え中和した。その後、水から再結晶し、減圧乾燥{60℃、20Pa}して、化合物(B)であるN−α−アセチルアルギニンエチルエステル塩酸塩を得た。
N−α−アセチルアルギニン{アルギニンアセトアミド、株式会社エムピーバイオジャパン}12.6重量部(0.05モル部)、メタンスルホン酸1重量部及びエタノール92重量部(2モル部)を均一混合し、80℃で5時間加熱攪拌し、エバポレーターで濃縮後、塩酸(濃度:35重量%)5.2重量部(0.05モル部)を加え中和した。その後、水から再結晶し、減圧乾燥{60℃、20Pa}して、化合物(B)であるN−α−アセチルアルギニンエチルエステル塩酸塩を得た。
<実施例1〜15>
表1の割合で4℃で配合し、本発明の体外診断薬組成物を作製した。
表1の割合で4℃で配合し、本発明の体外診断薬組成物を作製した。
<比較例1〜6>
表2の割合で4℃で配合し、比較用の体外診断薬組成物を作製した。
表2の割合で4℃で配合し、比較用の体外診断薬組成物を作製した。
<性能試験>
<診断正確度評価>
(i)アルカリ性フォスファターゼの場合、
実施例1、2、6〜9及び比較例1、5の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.05重量%濃度のp−ニトロフェニルフォスフェート水溶液3mLに25℃で添加してすぐに、分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で400nmの吸光度(A0)を測定した。10分後に再度、吸光度(A10)を測定した。
吸光度変化(ΔA)は以下の式で求められる。
吸光度変化(ΔA)=A10−A0
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%アルカリ性フォスファターゼ水溶液で同様に吸光度変化(ΔA‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(ΔA)/(ΔA‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度変化(ΔA3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(ΔA3M)/(ΔA‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
<診断正確度評価>
(i)アルカリ性フォスファターゼの場合、
実施例1、2、6〜9及び比較例1、5の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.05重量%濃度のp−ニトロフェニルフォスフェート水溶液3mLに25℃で添加してすぐに、分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で400nmの吸光度(A0)を測定した。10分後に再度、吸光度(A10)を測定した。
吸光度変化(ΔA)は以下の式で求められる。
吸光度変化(ΔA)=A10−A0
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%アルカリ性フォスファターゼ水溶液で同様に吸光度変化(ΔA‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(ΔA)/(ΔA‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度変化(ΔA3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(ΔA3M)/(ΔA‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
(ii)ペルオキシターゼの場合、
実施例3、10〜11及び比較例2、6の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.05重量%濃度の過酸化水素水溶液3mLに25℃で添加して10分後に分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で500nmの吸光度(A10)を測定した。
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%ペルオキシターゼ水溶液で同様に吸光度(A10‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(A10)/(A10‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度(A10 3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(A10 3M)/(A10‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
実施例3、10〜11及び比較例2、6の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.05重量%濃度の過酸化水素水溶液3mLに25℃で添加して10分後に分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で500nmの吸光度(A10)を測定した。
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%ペルオキシターゼ水溶液で同様に吸光度(A10‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(A10)/(A10‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度(A10 3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(A10 3M)/(A10‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
(iii)ペルオキシターゼとコレステロールオキシターゼの場合、
実施例4、12〜13及び比較例3の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.005重量%濃度のコレステロール懸濁液3mLに25℃で添加し、10分後に分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で500nmの吸光度(A10)を測定した。
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%ペルオキシターゼ、0.1%コレステロールオキシターゼ水溶液で同様に吸光度(A10‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(A10)/(A10‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度(A10 3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(A10 3M)/(A10‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
実施例4、12〜13及び比較例3の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.005重量%濃度のコレステロール懸濁液3mLに25℃で添加し、10分後に分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で500nmの吸光度(A10)を測定した。
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%ペルオキシターゼ、0.1%コレステロールオキシターゼ水溶液で同様に吸光度(A10‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(A10)/(A10‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度(A10 3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(A10 3M)/(A10‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
(iv)リパーゼの場合、
実施例5、14〜15及び比較例4の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.05重量%濃度のp−ニトロフェニルアセテート水溶液3mLに25℃で添加してすぐに、分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で400nmの吸光度(A0)を測定した。10分後に再度、吸光度(A10)を測定した。
吸光度変化(ΔA)は以下の式で求められる。
吸光度変化(ΔA)=A10−A0
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%リパーゼ水溶液で同様に吸光度変化(ΔA‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(ΔA)/(ΔA‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度変化(ΔA3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(ΔA3M)/(ΔA‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
実施例5、14〜15及び比較例4の作製直後の体外診断薬組成物10μLを、0.05重量%濃度のp−ニトロフェニルアセテート水溶液3mLに25℃で添加してすぐに、分光光度計{島津製作所製、UV−1700}で400nmの吸光度(A0)を測定した。10分後に再度、吸光度(A10)を測定した。
吸光度変化(ΔA)は以下の式で求められる。
吸光度変化(ΔA)=A10−A0
また、体外診断薬組成物10μLの代わりに、0.1重量%リパーゼ水溶液で同様に吸光度変化(ΔA‘)を求めた。
作製直後の診断正確度は、以下の式で算出した。
作製直後の診断正確度=(ΔA)/(ΔA‘)
次に、作製直後の体外診断薬組成物を4℃の冷蔵庫で3ヶ月保存した後の体外診断薬組成物に変更したこと以外、上記と同様の試験をおこない、吸光度変化(ΔA3M)を求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度は以下の式で求めた。
3ヶ月保存後の診断正確度=(ΔA3M)/(ΔA‘)
診断正確度の結果を表1、2に示す。
表1〜2中の化合物(A)、化合物(B)及びタンパク質(a)は下記のものを使用した。
グアニジン塩酸塩:和光純薬工業製
尿素:和光純薬工業製
アルギニン塩酸塩:和光純薬工業製
アルカリ性フォスファターゼ:和光純薬工業製
ペルオキシターゼ:和光純薬工業製
コレステロールオキシターゼ:和光純薬工業製
リパーゼ:和光純薬工業製
アミノアンチピリン/フェノール:アミノアンチピリン(和光純薬工業製):フェノールが1重量部:9重量部の混合物
フェノール:和光純薬工業製
コール酸ナトリウム:和光純薬工業製
ノニルフェノールEO10モル付加物:和光純薬工業製
ウシ血清アルブミン:和光純薬工業製
なお、表1及び2中、各成分の割合は、重量部で示した。
グアニジン塩酸塩:和光純薬工業製
尿素:和光純薬工業製
アルギニン塩酸塩:和光純薬工業製
アルカリ性フォスファターゼ:和光純薬工業製
ペルオキシターゼ:和光純薬工業製
コレステロールオキシターゼ:和光純薬工業製
リパーゼ:和光純薬工業製
アミノアンチピリン/フェノール:アミノアンチピリン(和光純薬工業製):フェノールが1重量部:9重量部の混合物
フェノール:和光純薬工業製
コール酸ナトリウム:和光純薬工業製
ノニルフェノールEO10モル付加物:和光純薬工業製
ウシ血清アルブミン:和光純薬工業製
なお、表1及び2中、各成分の割合は、重量部で示した。
表2中の比較例1〜4の体外診断薬組成物は、3ヶ月保存後に診断正確度が著しく低下し、持続しないことがわかる。また、比較例5、6の体外診断薬組成物は、保存後の診断正確度の低下が若干抑制されるが、依然として満足いくレベルではない。
一方、表1中の実施例1〜15の本発明の体外診断薬は、3ヶ月保存後の診断正確度の低下が少ないことがわかる。
一方、表1中の実施例1〜15の本発明の体外診断薬は、3ヶ月保存後の診断正確度の低下が少ないことがわかる。
本発明の体外診断薬組成物は、医療機関での臨床使用に加えて、家庭での簡易検査キット、酵素センサーにも使用できる。
Claims (5)
- タンパク質(a)が酵素である請求項1記載の体外診断薬組成物。
- 化合物(A)がグアニジン塩酸塩である請求項1又は2に記載の体外診断薬組成物。
- 化合物(A)の含有量が体外診断薬組成物の重量を基準として0.01〜30重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の体外診断薬組成物。
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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