JP2013192526A - タンパク質溶液、このタンパク質溶液のプロテアーゼ活性の回復方法及びこのタンパク質溶液を含有する洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵時のタンパク質溶液のプロテアーゼ活性が十分抑制でき、保存前と長期間保存後とを比較して、活性の低下が少ないタンパク質溶液、このタンパク質溶液のプロテアーゼ活性の回復方法及びこのタンパク質溶液を含有する洗剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(X)。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
【選択図】図4
【解決手段】プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(X)。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
【選択図】図4
Description
本発明は、タンパク質溶液、このタンパク質溶液のプロテアーゼ活性の回復方法及びこのタンパク質溶液を含有する洗剤組成物に関する。
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素群の総称で、微生物、動物及び植物中に広く存在が知られている。その応用分野としては、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、浴用剤、角質除去用化粧料、食品の改質剤(製パン、肉の軟化、水産加工等)、ビールの清澄剤、皮革なめし剤、写真フィルムのゼラチン除去剤、消化助剤及び消炎剤等があり、多くの分野で盛んに利用されている。
しかしながら、プロテアーゼは、液体中ではプロテアーゼ自身や他の酵素を加水分解してしまう。このため、プロテアーゼを含むタンパク質溶液においては、プロテアーゼや他の酵素の活性が経時的に著しく低下するという問題が発生している。
そこで、プロテアーゼや他の酵素の加水分解を抑えるために、プロテアーゼ活性を阻害するプロテアーゼ活性阻害剤の研究が行われている。例えば、ボロニックアシッドがセリンプロテアーゼやズブチリシンの活性を阻害することが知られている(非特許文献1)。また、4−置換フェニルボロン酸がプロテアーゼの活性を阻害することが知られている(特許文献1)。
しかしながら、これらのプロテアーゼ活性阻害剤を含む溶液では、一定の効果はあるものの、貯蔵時のプロテアーゼ活性を十分阻害できるとは言えず、プロテアーゼ活性の低下が抑制できない問題がある。
しかしながら、プロテアーゼは、液体中ではプロテアーゼ自身や他の酵素を加水分解してしまう。このため、プロテアーゼを含むタンパク質溶液においては、プロテアーゼや他の酵素の活性が経時的に著しく低下するという問題が発生している。
そこで、プロテアーゼや他の酵素の加水分解を抑えるために、プロテアーゼ活性を阻害するプロテアーゼ活性阻害剤の研究が行われている。例えば、ボロニックアシッドがセリンプロテアーゼやズブチリシンの活性を阻害することが知られている(非特許文献1)。また、4−置換フェニルボロン酸がプロテアーゼの活性を阻害することが知られている(特許文献1)。
しかしながら、これらのプロテアーゼ活性阻害剤を含む溶液では、一定の効果はあるものの、貯蔵時のプロテアーゼ活性を十分阻害できるとは言えず、プロテアーゼ活性の低下が抑制できない問題がある。
Molecular & Cellular Biochemistry,51,1983,p5−p32
そこで、本発明は、貯蔵時のタンパク質溶液のプロテアーゼ活性が十分抑制でき、保存前と長期間保存後とを比較して、活性の低下が少ないタンパク質溶液、このタンパク質溶液のプロテアーゼ活性の回復方法及びこのタンパク質溶液を含有する洗剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明のタンパク質溶液(X)は、プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、基質(P)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリド、ベンゾイルアルギニンニトリアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
また、本発明のタンパク質溶液のプロテアーゼ活性回復方法は、タンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法であって、吸光度を利用した活性測定法による(X)のプロテアーゼ活性Xiが、下記タンパク質溶液(S)の活性を基準として20%以下であり、(X)に、(X)の重量を基準として100〜1,000,000重量%の溶剤(C)をさらに添加するタンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法である。
タンパク質溶液(S):タンパク質溶液(X)において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液。
また、本発明の洗剤組成物は、タンパク質溶液(X)及び界面活性剤(D)を含有する洗剤組成物である。
すなわち本発明のタンパク質溶液(X)は、プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、基質(P)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリド、ベンゾイルアルギニンニトリアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
また、本発明のタンパク質溶液のプロテアーゼ活性回復方法は、タンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法であって、吸光度を利用した活性測定法による(X)のプロテアーゼ活性Xiが、下記タンパク質溶液(S)の活性を基準として20%以下であり、(X)に、(X)の重量を基準として100〜1,000,000重量%の溶剤(C)をさらに添加するタンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法である。
タンパク質溶液(S):タンパク質溶液(X)において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液。
また、本発明の洗剤組成物は、タンパク質溶液(X)及び界面活性剤(D)を含有する洗剤組成物である。
本発明のタンパク質溶液は、長期的にプロテアーゼ活性を保つことができる。
また、本発明のプロテアーゼ活性回復方法は、阻害したプロテアーゼ活性を回復することができる。
さらに、本発明の洗剤組成物は、洗浄性の持続性が高い。
本発明において、「洗浄性の持続性」とは、長期保存前の洗浄性と長期間保存後の洗浄性とを比較して、洗浄性の低下が小さく、一定の洗浄性を保持することを意味する。
また、本発明のプロテアーゼ活性回復方法は、阻害したプロテアーゼ活性を回復することができる。
さらに、本発明の洗剤組成物は、洗浄性の持続性が高い。
本発明において、「洗浄性の持続性」とは、長期保存前の洗浄性と長期間保存後の洗浄性とを比較して、洗浄性の低下が小さく、一定の洗浄性を保持することを意味する。
本発明のタンパク質溶液(X)は、プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、基質(P)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリド、ベンゾイルアルギニンニトリアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、基質(P)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリド、ベンゾイルアルギニンニトリアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
本発明においてプロテアーゼ(A)とは、ペプチド又はタンパク質を基質として加水分解を触媒する酵素である。プロテアーゼ(A)には、低温領域(0℃以上50℃未満)にプロテアーゼ活性の至適温度を有する低温至適プロテアーゼと高温領域(50℃以上)に至適温度を有する高温至適プロテアーゼが含まれる。(A)としては、セリンプロテアーゼ(A−1)、アスパラギン酸プロテアーゼ(A−2)、システインプロテアーゼ(A−3)及び金属プロテアーゼ(A−4)が含まれる。
セリンプロテアーゼ(A−1)は、触媒残基としてセリン残基をもつプロテアーゼであり、キモトリプシン、トリプシン、トロンビン、プラスミン、エラスターゼ、スブチリシン及びケキシン等が含まれる。具体的には、ブタすい臓由来トリプシン、バシラス菌(Bacillus)由来のスブチリシン Novo、スブチリシン Carlsberg、スブチリシン 309、スブチリシン 147及びスブチリシン 168等が挙げられる。
市販のセリンプロテアーゼ(A−1)としては、ノボザイムス社製のもの(アルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ及びPTN等)並びにジェネンコア社製のもの(ピュラフェクト及びピュラフェクト OXP等)等が挙げられる。
市販のセリンプロテアーゼ(A−1)としては、ノボザイムス社製のもの(アルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ及びPTN等)並びにジェネンコア社製のもの(ピュラフェクト及びピュラフェクト OXP等)等が挙げられる。
アスパラギン酸プロテアーゼ(A−2)は、活性中心にアスパラギン酸の存在するプロテアーゼであり、ペプシン、カテプシンD、レニン及びキモシン等が含まれる。具体的には、ヒト胃由来のペプシン等が挙げられる。
システインプロテアーゼ(A−3)は、チオール基が活性中心に存在するプロテアーゼであり、パパイン、ブロメライン、フィシン、アクチニジン、カテプシンB、カテプシンH、カテプシンL及びショウガプロテアーゼ等が含まれる。
金属プロテアーゼ(A−4)は、活性中心に金属イオンを含むプロテアーゼであり、サーモライシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB及びコラゲナーゼ等が含まれる。
上記プロテアーゼ(A)は、タンパク質溶液の使用用途によって適宜選択されるが、汎用性の観点から、セリンプロテアーゼ(A−1)が好ましく、さらに好ましくはスブチリシンである。
本発明において、タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ(A)の含有量は、タンパク質溶液の使用しやすさの観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、0.0000001〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0000001〜10重量%、特に好ましくは0.0000001〜0.5重量%である。
(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準としたプロテアーゼ(A)の含有量が0.0000001重量%以上であることで、タンパク質溶液の使用量が抑えられる。また、20重量%以下であることで、プロテアーゼの凝集を防ぐことができる。
(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準としたプロテアーゼ(A)の含有量が0.0000001重量%以上であることで、タンパク質溶液の使用量が抑えられる。また、20重量%以下であることで、プロテアーゼの凝集を防ぐことができる。
本発明においてプロテアーゼ活性阻害剤(B)は、クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、基質(P)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリド、ベンゾイルアルギニンニトリアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤である。
上記ベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリドは、フェニルアラニンのアミノ基にオキシカルボキシベンジル基が結合し、カルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、MP−バイオメディカル社(製品名:N−cbz−L−phenylalanine−p−nitroanilide)から入手可能である。
上記ベンゾイルアルギニンニトリアニリドは、アルギニンのアミノ基にカルボキシベンジル基が結合し、アルギニンのカルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、和光純薬工業(株)(製品名:Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩)から入手可能である。
上記フリルアクリロイルグリシルロイシンアミドは、グリシルロイシンアミドのアミノ基にフリルアクリル酸がペプチド結合したものであり、シグマ社(製品名:N‐(3‐[2‐Furyl]acryloyl)‐Gly‐Leu amide)から入手可能である。
上記サクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリド(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilide)は、アラニルアラニルプロリルフェニルアラニンの末端アミノ基に無水コハク酸が結合し、末端カルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、Bachem AG社(製品名:Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA)から入手可能である。
上記ベンゾイルアルギニンニトリアニリドは、アルギニンのアミノ基にカルボキシベンジル基が結合し、アルギニンのカルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、和光純薬工業(株)(製品名:Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩)から入手可能である。
上記フリルアクリロイルグリシルロイシンアミドは、グリシルロイシンアミドのアミノ基にフリルアクリル酸がペプチド結合したものであり、シグマ社(製品名:N‐(3‐[2‐Furyl]acryloyl)‐Gly‐Leu amide)から入手可能である。
上記サクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリド(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilide)は、アラニルアラニルプロリルフェニルアラニンの末端アミノ基に無水コハク酸が結合し、末端カルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、Bachem AG社(製品名:Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA)から入手可能である。
上記基質(P)のうち、Kiを求める際にどの基質を用いるかは、プロテアーゼ活性阻害剤(B)が活性を阻害する(A)の分類により適宜選択される。上記アスパラギン酸プロテアーゼ(A−2)であればベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリドを用いて、システインプロテアーゼ(A−3)であればベンゾイルアルギニンニトリアニリドを用いて、金属プロテアーゼ(A−4)であればフリルアクリロイルグリシルロイシンアミドを用いて、セリンプロテアーゼ(A−1)であればサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドをを用いてKiを求める。
上記に(A)として例示されていないプロテアーゼについては、参考文献1(Rawlings, N.D. & Barrett, A.J.(1993) Evolutionary families of peptidases. Biochem J 290, p205−218)に、(A−1)〜(A−4)のいずれに分類されるかが記載されている。
また、上記にも、参考文献1にも記載されていないプロテアーゼが、(A−1)〜(A−4)のいずれに分類されるかは、参考文献2(Woessner & Barrett(1998)Handbook of proteolytic enzymes.Academic Press)に示される方法を用いることで分類できる。
上記に(A)として例示されていないプロテアーゼについては、参考文献1(Rawlings, N.D. & Barrett, A.J.(1993) Evolutionary families of peptidases. Biochem J 290, p205−218)に、(A−1)〜(A−4)のいずれに分類されるかが記載されている。
また、上記にも、参考文献1にも記載されていないプロテアーゼが、(A−1)〜(A−4)のいずれに分類されるかは、参考文献2(Woessner & Barrett(1998)Handbook of proteolytic enzymes.Academic Press)に示される方法を用いることで分類できる。
本発明においてプロテアーゼ(A)の活性の最適基質濃度は、(A)に対する基質(P)のミカエリス定数Kmの3分の1倍〜2倍である。ミカエリス定数Kmは酵素反応初速度の基質濃度依存性を求めることによって求められる。具体的には、下記のミカエリス定数Km測定法によって求めたものである。
<ミカエリス定数Km測定法>
一定量の基質(P)、プロテアーゼ(A)、pH調整剤(L)及び水を含む一定の温度及びpHに調製した酵素反応溶液(I)を作成する。
酵素反応溶液(I)の温度は、10〜80℃の範囲内で、プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(I)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(I)のpHは、pH3〜12の範囲内であればいい。後述する最適pHがわかっている場合は、最適pHであることが好ましい。
酵素反応溶液(I)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(I)中の(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(I)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択されるが、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(I)中の基質(P)の濃度(モル濃度)は、経時的な吸光度変化を観測できる最小の基質濃度から最大の基質濃度の間で3点以上選べばよい。測定に使用する(A)と類似のプロテアーゼのミカエリス定数Kmが分かっている場合は、類似プロテアーゼのKmの1/50倍〜10倍の間で3点以上選べばよい。
酵素反応溶液(I)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(I)を作成したときの温度と同温度である。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。基質(P)及びプロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と生成物の測定波長におけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)から酵素反応初速度v(M/s)を算出する。
v=ΔAλ/(ε×h×3600) (1)
さらに、基質(P)の濃度が異なる酵素反応溶液(I)を用いて、同様に測定し、酵素反応初速度vを算出する。
ミカエリス定数Kmは、算出した酵素反応初速度vを用いて、下記ミカエリスメンテン式(数式(2))から派生するHanes−Woolfプロットによって求められる。
v=Vmax[S]/(Km+[S]) (2)
上記数式(2)中、vは酵素反応初速度(M/s)、Vmaxは最大速度(M/s)、[S]は酵素反応溶液中での基質濃度(M)である。
Hanes−Woolfプロットは、横軸(x軸)にそれぞれの基質(P)の濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度[S]の酵素反応初速度vによる逆数([S]/v)をプロットしたものであり、プロットの近似直線とx軸との交点が−Kmである。
<ミカエリス定数Km測定法>
一定量の基質(P)、プロテアーゼ(A)、pH調整剤(L)及び水を含む一定の温度及びpHに調製した酵素反応溶液(I)を作成する。
酵素反応溶液(I)の温度は、10〜80℃の範囲内で、プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(I)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(I)のpHは、pH3〜12の範囲内であればいい。後述する最適pHがわかっている場合は、最適pHであることが好ましい。
酵素反応溶液(I)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(I)中の(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(I)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択されるが、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(I)中の基質(P)の濃度(モル濃度)は、経時的な吸光度変化を観測できる最小の基質濃度から最大の基質濃度の間で3点以上選べばよい。測定に使用する(A)と類似のプロテアーゼのミカエリス定数Kmが分かっている場合は、類似プロテアーゼのKmの1/50倍〜10倍の間で3点以上選べばよい。
酵素反応溶液(I)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(I)を作成したときの温度と同温度である。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。基質(P)及びプロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と生成物の測定波長におけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)から酵素反応初速度v(M/s)を算出する。
v=ΔAλ/(ε×h×3600) (1)
さらに、基質(P)の濃度が異なる酵素反応溶液(I)を用いて、同様に測定し、酵素反応初速度vを算出する。
ミカエリス定数Kmは、算出した酵素反応初速度vを用いて、下記ミカエリスメンテン式(数式(2))から派生するHanes−Woolfプロットによって求められる。
v=Vmax[S]/(Km+[S]) (2)
上記数式(2)中、vは酵素反応初速度(M/s)、Vmaxは最大速度(M/s)、[S]は酵素反応溶液中での基質濃度(M)である。
Hanes−Woolfプロットは、横軸(x軸)にそれぞれの基質(P)の濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度[S]の酵素反応初速度vによる逆数([S]/v)をプロットしたものであり、プロットの近似直線とx軸との交点が−Kmである。
プロテアーゼ(A)の活性の最適pHは、様々なpHで酵素反応溶液の吸光度を測定することによって決定できる。具体的には、下記の最適pH測定法によって求めたpHである。
<最適pH測定法>
一定量の基質(P)、プロテアーゼ(A)、pH調整剤(L)及び水を含むpHを3〜12に調製した酵素反応溶液(II)を作成する。それぞれの溶液(II)のpH間隔は1程度とする(例えば、pH3.0、4.0及び5.0等)。
酵素反応溶液(II)の温度は、10〜80℃の範囲内で、プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(II)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(II)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(II)中のpH調整剤(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(II)中の基質(P)の濃度(モル濃度)は、上記プロテアーゼ(A)の基質(P)に対するミカエリス定数Kmの4〜6倍である。
酵素反応溶液(II)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択され、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(II)において、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(II)を作成したときの温度と同温度である。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で、0.1以上変化すれば良い。基質(P)及びプロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き(係数k)を求める。さらに、それぞれのpH(3〜12)の酵素反応溶液(II)を用いて測定した係数kを用いて、縦軸を係数k、横軸をpHとしてプロットし、係数kが極大値となるpHが最適pHである。
pHを調整する際に、バッファーの種類を変更する場合は、バッファーによってプロテアーゼ活性が異なるため、適宜これを補正する必要がある。補正する方法としては、バッファーの種類を変える境目のpHにおいて、両方のバッファーで活性を測定しておき、片方のバッファーで測定した値を基準として活性を補正する方法が挙げられる。
<最適pH測定法>
一定量の基質(P)、プロテアーゼ(A)、pH調整剤(L)及び水を含むpHを3〜12に調製した酵素反応溶液(II)を作成する。それぞれの溶液(II)のpH間隔は1程度とする(例えば、pH3.0、4.0及び5.0等)。
酵素反応溶液(II)の温度は、10〜80℃の範囲内で、プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(II)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(II)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(II)中のpH調整剤(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(II)中の基質(P)の濃度(モル濃度)は、上記プロテアーゼ(A)の基質(P)に対するミカエリス定数Kmの4〜6倍である。
酵素反応溶液(II)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択され、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(II)において、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(II)を作成したときの温度と同温度である。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で、0.1以上変化すれば良い。基質(P)及びプロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き(係数k)を求める。さらに、それぞれのpH(3〜12)の酵素反応溶液(II)を用いて測定した係数kを用いて、縦軸を係数k、横軸をpHとしてプロットし、係数kが極大値となるpHが最適pHである。
pHを調整する際に、バッファーの種類を変更する場合は、バッファーによってプロテアーゼ活性が異なるため、適宜これを補正する必要がある。補正する方法としては、バッファーの種類を変える境目のpHにおいて、両方のバッファーで活性を測定しておき、片方のバッファーで測定した値を基準として活性を補正する方法が挙げられる。
プロテアーゼ(A)の活性の最適温度は、10〜80℃の範囲で酵素反応溶液の吸光度を測定することによって求められる。具体的には、下記の最適温度測定法によって求めた温度である。
<最適温度測定法>
一定量の基質(P)、プロテアーゼ(A)、pH調整剤(L)及び水を含む最適pHに調整した酵素反応溶液(III)を作成する。
酵素反応溶液(III)の温度は、10〜80℃の範囲で、温度が異なるもの(各温度の間隔がおよそ10℃程度)を数種類作成する。
酵素反応溶液(III)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(III)中の(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(III)中の基質(P)の濃度(モル濃度)は、上記プロテアーゼ(A)の基質(P)に対するミカエリス定数Kmの4〜6倍である。
酵素反応溶液(III)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択され、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(III)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(III)を作成したときの温度と同温度である。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で、0.1以上変化すれば良い。基質(P)及びプロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数k)を求める。10〜80℃の各温度で作成した酵素反応溶液(III)において測定した係数kを用いて、縦軸を係数k、横軸を温度としてプロットする。係数kが極大値となる温度がプロテアーゼ(A)の活性の最適温度である。
<最適温度測定法>
一定量の基質(P)、プロテアーゼ(A)、pH調整剤(L)及び水を含む最適pHに調整した酵素反応溶液(III)を作成する。
酵素反応溶液(III)の温度は、10〜80℃の範囲で、温度が異なるもの(各温度の間隔がおよそ10℃程度)を数種類作成する。
酵素反応溶液(III)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(III)中の(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(III)中の基質(P)の濃度(モル濃度)は、上記プロテアーゼ(A)の基質(P)に対するミカエリス定数Kmの4〜6倍である。
酵素反応溶液(III)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択され、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(III)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(III)を作成したときの温度と同温度である。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で、0.1以上変化すれば良い。基質(P)及びプロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数k)を求める。10〜80℃の各温度で作成した酵素反応溶液(III)において測定した係数kを用いて、縦軸を係数k、横軸を温度としてプロットする。係数kが極大値となる温度がプロテアーゼ(A)の活性の最適温度である。
<阻害定数Kiの測定方法>
最適温度、最適pHに調製した、一定量のプロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)、pH調整剤(L)及び水を含むプロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i)を作成する。また、(B)の濃度が異なる(i)を数種類作成する。作成した(i)は、数十分〜数時間静置する。静置後のそれぞれの(i)に、基質(P)を添加して酵素反応溶液(IV)を作成する。
(i)及び(IV)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。(i)及び(IV)中の(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMであり、最適pHに調整できればいい。
(i)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、前述のKmを求めた際の(A)の濃度付近であり、且つ、後に(i)に添加する基質(P)のモル濃度の1000分の1倍〜10分の1倍の濃度である。(IV)中の(A)のモル濃度は、(IV)中の基質(P)のモル濃度の1000分の1倍〜10分の1倍の濃度である。
(i)及び(IV)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)の濃度(モル濃度)は、プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)の10分の1倍〜1000倍で4種類以上と(B)を含まないものを作成する。
酵素反応溶液(IV)中の基質(P)のモル濃度は、最適基質濃度(上記ミカエリス定数Kmの3分の1倍〜2倍)である。
(i)の静置時間は、(A)と(B)が十分に結合し、プロテアーゼ(A)の活性が一定になるまでの時間であり、あらかじめ実験して求めておく。
プロテアーゼ(A)の活性が一定になるまでの時間は、後述する吸光度を利用した活性測定法により求めることができる。具体的には、プロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i)を作成してから、一定時間おきに、後述する吸光度を利用した活性測定法により、直線の傾き(係数k)を求める。係数kが一定になるまでの時間が(A)の活性が一定になるまでの時間である。
プロテアーゼ活性の最適温度及び最適pHの条件下、酵素反応溶液(IV)を作成後、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化すれば良い。単位時間あたりの吸光度変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と生成物の測定波長におけるモル吸光定数εから上記数式(1)を用いて酵素反応初速度vを算出する。また、プロテアーゼ活性阻害剤(B)の濃度が異なる(i)を用いて作成した酵素反応溶液(IV)についても同様に測定し、酵素反応初速度viを算出する。(B)を含まない時の酵素反応初速度をvoとし、各(B)濃度での相対活性α(α=vi/vo)を算出する。
横軸に1/αを、縦軸に{[(B)のモル濃度]/(1−α)}をプロットし、Hendersonプロットを作成する。このプロットに近似直線を描いたときの傾きKi(app)、測定時の基質濃度[S]及びミカエリス定数Kmを、下記数式(3)に当てはめることによりKiを算出する。
Ki=Ki(app)/(1+[S]/Km)(3)
上記Hendersonプロットは、具体的には、Biochem.J.,127,1972,p21−333に記載されている方法を用いる。
最適温度、最適pHに調製した、一定量のプロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)、pH調整剤(L)及び水を含むプロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i)を作成する。また、(B)の濃度が異なる(i)を数種類作成する。作成した(i)は、数十分〜数時間静置する。静置後のそれぞれの(i)に、基質(P)を添加して酵素反応溶液(IV)を作成する。
(i)及び(IV)に用いるpH調整剤(L)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。(i)及び(IV)中の(L)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMであり、最適pHに調整できればいい。
(i)中のプロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、前述のKmを求めた際の(A)の濃度付近であり、且つ、後に(i)に添加する基質(P)のモル濃度の1000分の1倍〜10分の1倍の濃度である。(IV)中の(A)のモル濃度は、(IV)中の基質(P)のモル濃度の1000分の1倍〜10分の1倍の濃度である。
(i)及び(IV)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)の濃度(モル濃度)は、プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)の10分の1倍〜1000倍で4種類以上と(B)を含まないものを作成する。
酵素反応溶液(IV)中の基質(P)のモル濃度は、最適基質濃度(上記ミカエリス定数Kmの3分の1倍〜2倍)である。
(i)の静置時間は、(A)と(B)が十分に結合し、プロテアーゼ(A)の活性が一定になるまでの時間であり、あらかじめ実験して求めておく。
プロテアーゼ(A)の活性が一定になるまでの時間は、後述する吸光度を利用した活性測定法により求めることができる。具体的には、プロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i)を作成してから、一定時間おきに、後述する吸光度を利用した活性測定法により、直線の傾き(係数k)を求める。係数kが一定になるまでの時間が(A)の活性が一定になるまでの時間である。
プロテアーゼ活性の最適温度及び最適pHの条件下、酵素反応溶液(IV)を作成後、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化すれば良い。単位時間あたりの吸光度変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と生成物の測定波長におけるモル吸光定数εから上記数式(1)を用いて酵素反応初速度vを算出する。また、プロテアーゼ活性阻害剤(B)の濃度が異なる(i)を用いて作成した酵素反応溶液(IV)についても同様に測定し、酵素反応初速度viを算出する。(B)を含まない時の酵素反応初速度をvoとし、各(B)濃度での相対活性α(α=vi/vo)を算出する。
横軸に1/αを、縦軸に{[(B)のモル濃度]/(1−α)}をプロットし、Hendersonプロットを作成する。このプロットに近似直線を描いたときの傾きKi(app)、測定時の基質濃度[S]及びミカエリス定数Kmを、下記数式(3)に当てはめることによりKiを算出する。
Ki=Ki(app)/(1+[S]/Km)(3)
上記Hendersonプロットは、具体的には、Biochem.J.,127,1972,p21−333に記載されている方法を用いる。
本発明において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)の阻害定数Kiは、1pM〜10μMであり、適度なプロテアーゼ濃度範囲でプロテアーゼ活性を抑制及び回復する観点から、1nM〜1μMが好ましい。
上記阻害定数Kiが1pM未満では、プロテアーゼ(A)とプロテアーゼ活性阻害剤(B)の結合が強いため、(A)の活性を回復させるには大量に希釈しなければならない。例えば、Kiが0.1pMの(B)を、(A)と等モル量用いて(A)の活性を20%以下にした場合、タンパク質溶液中の(A)が約1.0×10-10重量%の濃度になるように大希釈しなければ(A)の活性を50%以上に回復することができない。しかしながら、(A)の濃度が1.0×10-10重量%以下では、タンパク質溶液(X)を用いて洗剤組成物を作成した場合、洗剤組成物中にタンパク質溶液(X)を添加することによる有用な効果が得られない。
一方、(B)の阻害定数Kiが10μMより大きくなると、(A)の活性を阻害するのが困難であり、タンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性の持続性が低い。
本発明において、プロテアーゼ活性の持続性とは、タンパク質溶液(X)を一定期間保存した後に回復させたプロテアーゼ活性と、保存する前に回復させたプロテアーゼ活性との差が小さく、プロテアーゼ活性の比(%){(一定期間保存した後に回復させたプロテアーゼ活性)/(保存する直前に回復させたプロテアーゼ活性)×100}が100%に近くなり、一定のプロテアーゼ活性の回復性があることを意味する。
上記阻害定数Kiが1pM未満では、プロテアーゼ(A)とプロテアーゼ活性阻害剤(B)の結合が強いため、(A)の活性を回復させるには大量に希釈しなければならない。例えば、Kiが0.1pMの(B)を、(A)と等モル量用いて(A)の活性を20%以下にした場合、タンパク質溶液中の(A)が約1.0×10-10重量%の濃度になるように大希釈しなければ(A)の活性を50%以上に回復することができない。しかしながら、(A)の濃度が1.0×10-10重量%以下では、タンパク質溶液(X)を用いて洗剤組成物を作成した場合、洗剤組成物中にタンパク質溶液(X)を添加することによる有用な効果が得られない。
一方、(B)の阻害定数Kiが10μMより大きくなると、(A)の活性を阻害するのが困難であり、タンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性の持続性が低い。
本発明において、プロテアーゼ活性の持続性とは、タンパク質溶液(X)を一定期間保存した後に回復させたプロテアーゼ活性と、保存する前に回復させたプロテアーゼ活性との差が小さく、プロテアーゼ活性の比(%){(一定期間保存した後に回復させたプロテアーゼ活性)/(保存する直前に回復させたプロテアーゼ活性)×100}が100%に近くなり、一定のプロテアーゼ活性の回復性があることを意味する。
本発明において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)の阻害定数Kiが1pM〜10μMであることにより、少量の添加で適度にプロテアーゼ活性を阻害することができ、プロテアーゼや他のタンパク質の加水分解を抑えることができる。そのため、タンパク質溶液(X)において、(B)により阻害され、低下したプロテアーゼ(A)の活性を、大量に希釈することなく、効率よく回復させることができる。また、タンパク質溶液(X)を長期間保存した後も、プロテアーゼ活性を効率よく回復することができ、プロテアーゼ活性の持続性が高い。
本発明において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)はプロテアーゼ活性阻害の機能を保持するタンパク質であり、クランIGに分類されるプロテアーゼ活性阻害剤である。プロテアーゼ活性阻害剤(B)の機能とは、プロテアーゼ(A)と可逆的に結合し、プロテアーゼ(A)の活性を阻害することである。クランIGに分類されるとは、参考文献3(Biochem.J,378,2004,p705−p716)に記載される方法により分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤を意味する。クランIGに分類されるかどうかは、アミノ酸配列をBLASTPプログラム(インターネット、2012年3月12日検索、URL:http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/)で解析することによって確認することができる。
(B)として、具体的には、アズキ由来スブチリシン阻害剤(スブチリシンに対するKiが100nM)、オオムギ由来キモトリプシンインヒビター1(キモトリプシンに対するKiが5nM)、トマト由来ペプチダーゼインヒビター1(トリプシンに対するKiが70nM)、コメ由来スブチリシン/キモトリプシンインヒビター1(スブチリシンに対するKiが7nM)、コメ由来スブチリシン/キモトリプシンインヒビター2(スブチリシンに対するKiが0.2nM)、Hirudo Medicinalis由来エグリンc(キモトリプシンに対するKiが0.37nM、アルカラーゼに対するKiが1.2pM、サビナーゼに対するKiが4.7pM)、ジャガイモ由来ポテトペプチダーゼインヒビターI(キモトリプシンに対するKiが4.1nM、アルカラーゼに対するKiが2.3μM、サビナーゼに対するKiが2.5μM)及びオオムギ由来キモトリプシンインヒビター2(スブチリシンに対するKiが0.5nM)等が挙げられる。また、これらのアミノ酸配列の一部を欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質も、(B)として用いることができる。
(B)として、具体的には、アズキ由来スブチリシン阻害剤(スブチリシンに対するKiが100nM)、オオムギ由来キモトリプシンインヒビター1(キモトリプシンに対するKiが5nM)、トマト由来ペプチダーゼインヒビター1(トリプシンに対するKiが70nM)、コメ由来スブチリシン/キモトリプシンインヒビター1(スブチリシンに対するKiが7nM)、コメ由来スブチリシン/キモトリプシンインヒビター2(スブチリシンに対するKiが0.2nM)、Hirudo Medicinalis由来エグリンc(キモトリプシンに対するKiが0.37nM、アルカラーゼに対するKiが1.2pM、サビナーゼに対するKiが4.7pM)、ジャガイモ由来ポテトペプチダーゼインヒビターI(キモトリプシンに対するKiが4.1nM、アルカラーゼに対するKiが2.3μM、サビナーゼに対するKiが2.5μM)及びオオムギ由来キモトリプシンインヒビター2(スブチリシンに対するKiが0.5nM)等が挙げられる。また、これらのアミノ酸配列の一部を欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有するタンパク質も、(B)として用いることができる。
クランIGに分類されるプロテアーゼ活性阻害剤は、分子量が数千程度の小分子のタンパク質であり、立体構造が安定しているものが多いため、耐熱性や耐薬品性が良好であり、タンパク質溶液のプロテアーゼ活性を長期的に保つことができる。
プロテアーゼ活性阻害剤(B)として、プロテアーゼ活性阻害剤の安定性の観点から、Hirudo Medicinalis由来エグリンc及びジャガイモ由来ポテトペプチダーゼインヒビターIが好ましく、さらに好ましくはHirudo Medicinalis由来エグリンcである。
(B)は、上記タンパク質を持つ動植物の組織から抽出して得ることが可能である。また、(B)のアミノ酸配列をコードする遺伝子を微生物等の宿主に導入し、宿主を培養液中で培養し、培養液中から採取及び精製することによって生産することもできる。
(B)のアミノ酸配列をコードする遺伝子は、公知の方法で得ることができる。さらに部位特異的突然変異誘発法等の公知の手法を利用して、一部を欠失、置換及び付加したアミノ酸配列をコードする遺伝子を得ることも可能である。欠失および置換されるアミノ酸の個数は、プロテアーゼ活性阻害剤の機能を保持する観点から、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜5個である。また、付加には、アミノ酸配列の両末端への付加(酵素精製のためのタグ配列の付加等)と、両末端以外のアミノ酸配列中への付加が含まれる。アミノ酸配列に付加されるアミノ酸の個数は、付加がアミノ酸配列中の場合は、プロテアーゼ活性阻害剤の機能を保持する観点から、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜5個である。また、アミノ酸配列の両末端への付加の場合は、プロテアーゼ活性阻害剤の機能を保持する観点から、1〜30個が好ましく、さらに好ましくは1〜10個である。
(B)のアミノ酸配列をコードする遺伝子は、公知の方法で得ることができる。さらに部位特異的突然変異誘発法等の公知の手法を利用して、一部を欠失、置換及び付加したアミノ酸配列をコードする遺伝子を得ることも可能である。欠失および置換されるアミノ酸の個数は、プロテアーゼ活性阻害剤の機能を保持する観点から、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜5個である。また、付加には、アミノ酸配列の両末端への付加(酵素精製のためのタグ配列の付加等)と、両末端以外のアミノ酸配列中への付加が含まれる。アミノ酸配列に付加されるアミノ酸の個数は、付加がアミノ酸配列中の場合は、プロテアーゼ活性阻害剤の機能を保持する観点から、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜5個である。また、アミノ酸配列の両末端への付加の場合は、プロテアーゼ活性阻害剤の機能を保持する観点から、1〜30個が好ましく、さらに好ましくは1〜10個である。
(B)を生産する際の宿主としては、動物細胞、微生物及び植物細胞等が挙げられる。
動物細胞としては、特に限定されないが、昆虫細胞、サル細胞COS−7、Vero、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞及びCHO細胞等が挙げられる。
昆虫細胞としては、特に限定されないが、Sf9細胞及びSf21細胞等が挙げられる。
微生物としては、特に限定されないが、細菌及び酵母等が挙げられる。
細菌としては、真正細菌及び古細菌が含まれる。
真正細菌には、グラム陰性菌及びグラム陽性菌が含まれる。グラム陰性細菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus属)、ストレプトマイセス属(Streptmyces属)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium属)、ラクトコッカス属 (Lactococcus属)、エンテロコッカス属 (Enterococcus属)、ペディオコッカス属(Pediococcus属)、リューコノストック属 (Leuconostoc属)、ストレプトマイセス属(Streptomyces属)等が挙げられる。
植物細胞としては、特に限定されないが、BY−2細胞等が挙げられる。
動物細胞としては、特に限定されないが、昆虫細胞、サル細胞COS−7、Vero、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞及びCHO細胞等が挙げられる。
昆虫細胞としては、特に限定されないが、Sf9細胞及びSf21細胞等が挙げられる。
微生物としては、特に限定されないが、細菌及び酵母等が挙げられる。
細菌としては、真正細菌及び古細菌が含まれる。
真正細菌には、グラム陰性菌及びグラム陽性菌が含まれる。グラム陰性細菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus属)、ストレプトマイセス属(Streptmyces属)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium属)、ラクトコッカス属 (Lactococcus属)、エンテロコッカス属 (Enterococcus属)、ペディオコッカス属(Pediococcus属)、リューコノストック属 (Leuconostoc属)、ストレプトマイセス属(Streptomyces属)等が挙げられる。
植物細胞としては、特に限定されないが、BY−2細胞等が挙げられる。
(B)を生産する際の宿主としては、クローニングの容易さの観点から、微生物が好ましく、さらに好ましくはエシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)及びシネコシスティス属(Synechocystis属)であり、特に好ましくはエシェリチア属菌(Escherichia)、シュワネラ属菌(Shewanella)、バチルス属(Bacillus属)及びブレビバチルス属(Brevibacillus属)である。
培養は微生物の資化可能な炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地に接種し、常法に従って行えばよい。
培養液からプロテアーゼ活性阻害剤(B)を精製及び採取する方法としては、常法に従って行うことができる。例えば、培養物から遠心分離又は濾過することで菌体を除き、得られた培養上清液から常法手段により目的酵素を濃縮することができる。このようにして得られた酵素液又は乾燥粉末はそのまま用いることもできるが、更に公知の方法により結晶化や造粒化してもいい。
本発明において、タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量は、プロテアーゼ活性を長期間保つ観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、0.0000001〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0000001〜20重量%、特に好ましくは0.0000001〜10重量%である。
本発明において、タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ(A)及びプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量は、SDS−PAGEにおいて目的のバンドの濃さを定量することによって測定することができ、具体的には、同一のゲルにおいて電気泳動を行ったBSA(ウシ血清アルブミン)との比較を行うことによって測定される。
本発明において、タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)の重量比((B)の重量/(A)の重量)は、0.05〜300が好ましく、さらに好ましくは0.09〜200、特に好ましくは0.1〜20である。
(B)と(A)との含有量の比が0.05以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後もプロテアーゼ活性を保つことができるので好ましい。また、300以下であることで、希釈したときにプロテアーゼ活性が効率よく戻るので好ましい。
(B)と(A)との含有量の比が0.05以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後もプロテアーゼ活性を保つことができるので好ましい。また、300以下であることで、希釈したときにプロテアーゼ活性が効率よく戻るので好ましい。
タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比{(B)のモル数/(A)のモル数}は、0.01〜300が好ましく、さらに好ましくは0.1〜300であり、次にさらに好ましくは1〜300であり、特に好ましくは1〜100であり、次に特に好ましくは1〜10である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比が0.01以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後もプロテアーゼ活性を保つことができるので好ましい。また、300以下であることで、希釈時にプロテアーゼ活性が効率よく戻るので好ましい。
プロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比が0.01以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後もプロテアーゼ活性を保つことができるので好ましい。また、300以下であることで、希釈時にプロテアーゼ活性が効率よく戻るので好ましい。
本発明において、溶剤(C)としては、水、有機溶剤及びこれらの混合物等が含まれる。
水としては、特に限定されるものではなく、水道水、イオン交換水、蒸留水及び逆浸透水等が挙げられる。また、水中に、後述するpH調整剤(L)を含むバッファー水溶液等が挙げられる。
有機溶剤としては、アルコール(炭素数1〜18のアルコールが挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等)、ケトン(アセトン及びメチルエチルケトン等)、エーテル(テトラヒドロフラン等の環状エーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)、脂肪族又は脂環式炭化水素(n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット及びシクロヘキサン等)及びふっ素含有化合物(テトラフルオロエチレン等)等が挙げられる。これらの有機溶剤のうち、プロテアーゼ(A)及びプロテアーゼ活性阻害剤(B)の安定性の観点からスルホキシドが好ましい。
溶剤(C)としては、プロテアーゼ(A)及びプロテアーゼ活性阻害剤(B)の溶解性の観点から、スルホキシド及び水が好ましく、さらに好ましくは水であり、特に好ましくはpH調整剤(L)を含むバッファー水溶液である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる溶剤(C)の含有量は、プロテアーゼおよびプロテアーゼ活性阻害剤の安定性の観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、30〜99.9999998重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜99.9999998重量%、特に好ましくは89.5〜99.9999998重量%である。
本発明におけるタンパク質溶液(X)には、上記のプロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)以外に、界面活性剤(D)、無機塩(E)、糖(F)、アミノ酸(G)、脂肪酸(I)、油脂(J)、その他の低分子有機化合物(H)、プロテアーゼ以外の酵素(K)及びpH調整剤(L)を含有することができる。
界面活性剤(D)としては、後述する本発明の洗剤組成物における界面活性剤(D)と同様であり、(D)として好ましいものも同様である。
無機塩(E)として、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ギ酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アンモニウム等が挙げられる。
糖(F)として、トレハロース、スクロース、デキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等が挙げられる。
アミノ酸(G)として、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、リシン、ヒスチジン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、アルギニン、バリン及びそれらの塩等が挙げられる。
脂肪酸(I)として、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸等が挙げられる。
油脂(J)としては、上記脂肪酸(I)のモノ、ジ、トリグリセリド等が挙げられる。
その他の低分子有機化合物(H)としては、酢酸ベンジル、メチルサリチル酸、ベンジルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、けい皮酸、カフェ酸、カテキン類、アスコルビン酸及びカロテノイド等が挙げられる。
プロテアーゼ以外の酵素(K)としては、セルラーゼ(K−1)、アミラーゼ(K−2)、リパーゼ(K−3)及びオキシドレダクターゼ(K−4)が含まれる。
セルラーゼ(K−1)としては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。セルラーゼには、化学的に又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。セルラーゼとしては、バチラス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のセルラーゼやフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)から生産されるセルラーゼとして米国特許第4,435,307号明細書に開示されているもの等が含まれる。また、特に適当なセルラーゼとしては色彩保護(color care)に役立つセルラーゼであり、欧州特許出願第0,495,257号明細書に記載されたセルラーゼが含まれる。
市販のセルラーゼとしては、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)の株により生産されたノボザイムス社のCelluzymeTM、ノボザイムス社製EndolaseTM、CarezymeTM及び花王社のKAC−500(B)TM等が挙げられる。
市販のセルラーゼとしては、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)の株により生産されたノボザイムス社のCelluzymeTM、ノボザイムス社製EndolaseTM、CarezymeTM及び花王社のKAC−500(B)TM等が挙げられる。
アミラーゼ(K−2)としては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。アミラーゼには、化学的に又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。アミラーゼとしては、英国特許第1,296,839号明細書に詳細に記載されているB.リヘニフォルミス(B.licheniformis)の特殊株から得られるα−アミラーゼ等が挙げられる。
市販のアミラーゼとしては、ノボザイムス社の DuramylTM、TermamylTM、FungamylTM及びBANTM並びにGist−Brocades社のRapidaseTM及びMaxamyl PTM等が挙げられる。
市販のアミラーゼとしては、ノボザイムス社の DuramylTM、TermamylTM、FungamylTM及びBANTM並びにGist−Brocades社のRapidaseTM及びMaxamyl PTM等が挙げられる。
リパーゼ(K−3)としては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。リパーゼには、化学的に又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。リパーゼの例としては、フミコーラ・ランギノーザ(Humicola lanuginosa)リパーゼ(欧州特許第258,068号明細書及び欧州特許第305,216号明細書)、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ及びカンジダ(Candida)リパーゼ(欧州特許第238,023号明細書)、C.アンタークティカ(C.ntarctica)リパーゼA及びB、シュードモナス(Pseudomonas )リパーゼ(欧州特許第214,761号明細書)、P.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)リパーゼ(欧州特許第218,272号明細書)、P.セパシア(P.cepacia)リパーゼ(欧州特許第331,376号明細書)、P.スタッツェリ(P.stutzeri)リパーゼ、P.フルオレッセンス(P.fluorescens)リパーゼ、バシラス(Bacillus)リパーゼ(英国特許第1,372,034号明細書)、B.サチリス(B.subtilis)リパーゼ(Dartois 他,(1993),Biochemica et Biophysica Acta 1131,253−260)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)リパーゼ(特公昭64−744992号公報)及びB.ピュミルス(B.pumilus)リパーゼ(国際公開第91/16422号)等が挙げられる。
市販のリパーゼとしては、ジェネンコア社の M1 LipaseTM、Luma fastTM及びLipomaxTM、ノボザイムス社のLipolaseTM及びLipolase UltraTM並びに天野エンザイム社のLipase P“Amano”TM等が挙げられる。
オキシドレダクターゼ(K−4)としては、ペルオキシダーゼ及びオキシダーゼ(例えばラッカーゼ)が含まれる。
ペルオキシダーゼとしては、植物、細菌又は真菌起源のものが含まれる。ペルオキシダーゼには、化学的に又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。ペルオキシダーゼとしては、洗浄剤として用いた際の洗浄性の観点から、コプリナス(Coprinus)(例えばC.シネレウス(Coprinus cinereus)又はC.マクロリザス(C.macrorhizus)の菌株由来のもの)、バシラス(Bacillus)(B.ピュミラス(B.pumilus)の菌株由来のもの)及び国際公開第91/05858号に記載されたペルオキシダーゼが好ましく、特に好ましくは国際公開第91/05858号に記載されたペルオキシダーゼである。
ラッカーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。ラッカーゼとしては、トラメテス(Trametes)(例えばT.ビロサ(T.villosa)又はT.ベルシコロール(T.versicolor)の菌株由来のもの]、コプリナス(Coprinus)[例えばC.シネレウス(C.cinereus)の菌株由来のもの]及びミセリオフトラ(Myceliophthora)[例えばM.サーモフィラ(M.thermophlla)の菌株由来のもの]等が挙げられる。
ペルオキシダーゼとしては、植物、細菌又は真菌起源のものが含まれる。ペルオキシダーゼには、化学的に又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。ペルオキシダーゼとしては、洗浄剤として用いた際の洗浄性の観点から、コプリナス(Coprinus)(例えばC.シネレウス(Coprinus cinereus)又はC.マクロリザス(C.macrorhizus)の菌株由来のもの)、バシラス(Bacillus)(B.ピュミラス(B.pumilus)の菌株由来のもの)及び国際公開第91/05858号に記載されたペルオキシダーゼが好ましく、特に好ましくは国際公開第91/05858号に記載されたペルオキシダーゼである。
ラッカーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。ラッカーゼとしては、トラメテス(Trametes)(例えばT.ビロサ(T.villosa)又はT.ベルシコロール(T.versicolor)の菌株由来のもの]、コプリナス(Coprinus)[例えばC.シネレウス(C.cinereus)の菌株由来のもの]及びミセリオフトラ(Myceliophthora)[例えばM.サーモフィラ(M.thermophlla)の菌株由来のもの]等が挙げられる。
本発明のタンパク質溶液(X)は、洗浄剤として用いた際の洗浄性の観点から、プロテアーゼ以外の酵素(K)を2種以上を含んでもいい。2種以上を含む場合、セルラーゼとリパーゼとの組み合わせ及びセルラーゼとアミラーゼとの組み合わせ等が挙げられる。
pH調整剤(L)としては、従来のpH調整剤が使用でき、ホウ酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファー、Trisバッファー、HEPESバッファー、硫酸、塩酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、蟻酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等が挙げられる。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる界面活性剤(D)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点から、タンパク質溶液(X)の重量に対して0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜25、特に好ましくは0〜10である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる無機塩(E)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる糖(F)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれるアミノ酸(G)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる低分子有機化合物(H)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる脂肪酸(I)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる油脂(J)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明の液タンパク質溶液(X)に含まれるプロテアーゼ以外の酵素(K)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれるpH調整剤(L)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜25が好ましく、さらに好ましくは0.01〜15、特に好ましくは1〜10である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる無機塩(E)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる糖(F)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれるアミノ酸(G)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる低分子有機化合物(H)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる脂肪酸(I)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれる油脂(J)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明の液タンパク質溶液(X)に含まれるプロテアーゼ以外の酵素(K)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜50が好ましく、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
本発明のタンパク質溶液(X)に含まれるpH調整剤(L)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(X)の重量に対し0〜25が好ましく、さらに好ましくは0.01〜15、特に好ましくは1〜10である。
本発明におけるタンパク質溶液(X)のpHは、タンパク質の安定性の観点から、1%(w/w)水溶液で3〜11が好ましく、さらに好ましくは7〜10である。
タンパク質溶液(X)のpHは、pH調整剤(L)によって適宜調整できる。
タンパク質溶液(X)のpHは、pH調整剤(L)によって適宜調整できる。
本発明のタンパク質溶液(X)は、各成分を混合することにより得られ、製造方法は特に限定されるものではない。1例を下記に示す。
(1)溶剤(C)に、プロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び酵素(K)以外の成分を所定量添加し均一に溶解させる。
(2)プロテアーゼ活性阻害剤(B)を加え、25℃で均一になるまで攪拌する。
(3)最後にプロテアーゼ(A)及び必要により酵素(K)を添加し溶解させ、タンパク質溶液(X)を製造する。
(1)溶剤(C)に、プロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び酵素(K)以外の成分を所定量添加し均一に溶解させる。
(2)プロテアーゼ活性阻害剤(B)を加え、25℃で均一になるまで攪拌する。
(3)最後にプロテアーゼ(A)及び必要により酵素(K)を添加し溶解させ、タンパク質溶液(X)を製造する。
本発明のプロテアーゼ活性回復方法は、上記本発明のタンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法であって、吸光度を利用した活性測定法による(X)のプロテアーゼ活性Xiが、下記タンパク質溶液(S)の活性を基準として20%以下であり、(X)に、(X)の重量を基準として100〜1,000,000重量%の溶剤(C)をさらに添加するタンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法である。
タンパク質溶液(S):タンパク質溶液(X)において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液。
タンパク質溶液(S)は、タンパク質溶液(X)において、(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液である。例えば、(X)中の(A)、(B)及び(C)の含有量が(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、(A)が2重量%、(B)が18重量%、(C)が80重量%である場合、(S)中の(A)は2重量%、(C)は98重量%である。
タンパク質溶液(S):タンパク質溶液(X)において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液。
タンパク質溶液(S)は、タンパク質溶液(X)において、(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液である。例えば、(X)中の(A)、(B)及び(C)の含有量が(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、(A)が2重量%、(B)が18重量%、(C)が80重量%である場合、(S)中の(A)は2重量%、(C)は98重量%である。
本発明において、吸光度を利用した活性測定法とは、基質(P)を用いて、一定温度、一定pH、上述のプロテアーゼ(A)の活性の最適基質濃度の条件下で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する方法である。
基質(P)として、どの基質を用いるかは、上記Kiを求める際に使用する基質と同様、タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ(A)の分類により適宜選択される。
吸光度を利用した活性測定法として、具体的には、下記の測定によって求められる。
基質(P)として、どの基質を用いるかは、上記Kiを求める際に使用する基質と同様、タンパク質溶液(X)中のプロテアーゼ(A)の分類により適宜選択される。
吸光度を利用した活性測定法として、具体的には、下記の測定によって求められる。
<吸光度を利用した活性測定法>
○プロテアーゼ活性Xi
一定量のタンパク質溶液(X)及び一定量の基質(P)を添加して酵素反応溶液(V)を作成する。
酵素反応溶液(V)の温度は、10〜80℃の範囲内で、プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、測定の間一定に保つことができればいい。
酵素反応溶液(V)中の基質(P)のモル濃度は、最適基質濃度で上記ミカエリス定数Kmの3分の1倍〜2倍であり、且つ、(V)中のプロテアーゼ(A)のモル濃度の5〜100000倍の濃度であればいい。
酵素反応溶液(V)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(V)を作成したときの温度と同じ温度である。酵素反応溶液(V)を作成直後の吸光度Aλ0及び酵素反応溶液(V)を作成からh時間後の吸光度Aλh(3点以上)を測定し、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を求める。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数kX)を求める。
○プロテアーゼ活性Xi
一定量のタンパク質溶液(X)及び一定量の基質(P)を添加して酵素反応溶液(V)を作成する。
酵素反応溶液(V)の温度は、10〜80℃の範囲内で、プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、測定の間一定に保つことができればいい。
酵素反応溶液(V)中の基質(P)のモル濃度は、最適基質濃度で上記ミカエリス定数Kmの3分の1倍〜2倍であり、且つ、(V)中のプロテアーゼ(A)のモル濃度の5〜100000倍の濃度であればいい。
酵素反応溶液(V)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(V)を作成したときの温度と同じ温度である。酵素反応溶液(V)を作成直後の吸光度Aλ0及び酵素反応溶液(V)を作成からh時間後の吸光度Aλh(3点以上)を測定し、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を求める。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数kX)を求める。
タンパク質溶液(X)に変えてタンパク質溶液(S)を使用する以外は同様にして吸光度を測定し、直線の傾き(係数kS)を求める。
上記タンパク質溶液(X)及び(S)は、作成してから30分以上6時間以内のものを使用することが好ましい。
(X)のプロテアーゼ活性Xiは、タンパク質溶液(X)及びタンパク質溶液(S)を用いた上記の直線の傾き係数kX及びkSから、下記数式(3)によって求められる。
プロテアーゼ活性Xi(%)={kX/kS}×100 (3)
プロテアーゼ活性Xi(%)={kX/kS}×100 (3)
本発明において(X)の吸光度を利用した活性測定法によるプロテアーゼ活性Xiは20%以下であり、プロテアーゼ活性の残存によるプロテアーゼ自身及び/又は他のタンパク質の分解を防止するとの観点並びにプロテアーゼ活性の回復の観点から、0〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.00001〜5%であり、次にさらに好ましくは0.001〜3%である。
本発明のプロテアーゼ活性回復方法は、(X)の重量を基準として(C)を100〜1000000重量%添加する方法である。(C)の添加量は、プロテアーゼ活性を十分に回復させるとの観点から、500〜1000000重量%が好ましく、さらに好ましくは1000〜1000000重量%であり、次にさらに好ましくは9900〜1000000重量%である。
本発明のプロテアーゼ活性回復方法において、回復とは、(X)の重量を基準として(C)を100〜1000000重量%添加して希釈した後のタンパク質溶液(Y)のプロテアーゼ活性Yiが、タンパク質溶液(T)の活性を基準として20%よりも大きくなることを意味する。プロテアーゼ活性Yiは、産業上で有効なプロテアーゼ活性を得る観点から、25〜100%が好ましく、さらに好ましくは40〜100%であり、次にさらに好ましくは60〜100%であり、特に好ましくは80〜100%である。
タンパク質溶液(T)は、タンパク質溶液(Y)において添加された(C)と同重量の(C)をタンパク質溶液(S)に添加したタンパク質溶液である。
○プロテアーゼ活性Yi
タンパク質溶液(Y)のプロテアーゼ活性Yiは、上記吸光度を利用した活性測定法において、タンパク質溶液(X)に変えて(Y)を用いて直線の傾き(係数kY)を求め、タンパク質溶液(S)に変えて(T)を用いて直線の傾き(係数kT)を求め、下記数式(4)に当てはめることによって求められる。
プロテアーゼ活性Yi(%)={kY/kT}×100 (4)
活性測定法で使用するタンパク質溶液(Y)及び(T)は、作成してから30分以上6時間以内のものを使用する。
タンパク質溶液(Y)のプロテアーゼ活性Yiは、上記吸光度を利用した活性測定法において、タンパク質溶液(X)に変えて(Y)を用いて直線の傾き(係数kY)を求め、タンパク質溶液(S)に変えて(T)を用いて直線の傾き(係数kT)を求め、下記数式(4)に当てはめることによって求められる。
プロテアーゼ活性Yi(%)={kY/kT}×100 (4)
活性測定法で使用するタンパク質溶液(Y)及び(T)は、作成してから30分以上6時間以内のものを使用する。
本発明のプロテアーゼ活性回復方法は、(X)に(X)の重量を基準として(C)を100〜1000000重量%添加するものであれば特に限定されないが、(X)と(C)を均一に混合することが重要であり、(C)添加後の粘度及び温度等が均一な溶液になるまで攪拌することが好ましい。また、(X)中のタンパク質の変性に問題がなければ、なるべく高い温度(20〜30℃)の(C)を一度に添加したほうが速やかに活性を回復できるので好ましい。1例を下記に示す。
(1)一定量の(X)に一定量の溶剤(C)を添加し、25℃で120分攪拌する。
(1)一定量の(X)に一定量の溶剤(C)を添加し、25℃で120分攪拌する。
本発明の洗剤組成物は、上記タンパク質溶液(X)及び界面活性剤(D)を含有する洗剤組成物である。
界面活性剤(D)としては、ノニオン性界面活性剤(D−1)、アニオン性界面活性剤(D−2)、カチオン性界面活性剤(D−3)及び両性界面活性剤(D−4)が含まれる。
ノニオン性界面活性剤(D−1)としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)[具体的には、オレイルアルコールエチレンオキサイド11モル付加物等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)グリコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[具体的には、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)及びジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[具体的には、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール及びモノラウリン酸ソルビタン等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(ポリ)アルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜8,重合度=1〜100)[具体的には、ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド(重合度=10)付加物及びメチルグルコースジオレエートエチレンオキサイド(重合度=50)付加物等]、脂肪酸N−ヒドロキシアルキルアミド[具体的には、1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド及び1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、アルキル(炭素数1〜22)(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)フェニルエーテル、アルキル(炭素数8〜24)(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)−アミノアルキル(炭素数8〜24)−エーテル及びアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(D−2)としては、炭素数8〜24のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンエーテルカルボン酸又はその塩[具体的には、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩[具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸ナトリウム及びラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸−トリエタノールアミン塩等]、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸スルホン酸ナトリウム、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩[具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩等]、炭素数8〜24のアルキルリン酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンリン酸エステル塩[具体的には、ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[具体的には、ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[具体的には、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤(D−3)としては、第4級アンモニウム塩型[具体的には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]及びアミン塩型[具体的には、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤(D−4)としては、ベタイン型両性界面活性剤[具体的には、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[具体的には、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
界面活性剤(D)としては、1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の界面活性剤を使用する場合、その組み合わせとしては、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との組み合わせ等が挙げられる。
界面活性剤(D)として、洗剤として用いた際の洗浄性の観点から、ノニオン性界面活性剤単独での使用、及びノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との組み合わせでの使用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、洗浄性の観点から、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)エチレンオキサイド付加物(重合度=1〜100)が好ましく、さらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜18)エチレンオキサイド付加物(重合度4〜20)、次にさらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜15)エチレンオキサイド付加物(重合度=8〜12)、特に好ましくはオレイルアルコールエチレンオキサイド11モル付加物である。
アニオン性界面活性剤としては、洗浄性の観点から、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩、脂肪酸塩、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩が好ましく、さらに好ましくは、炭素数12〜16のアルキルフェニルスルホン酸塩及び炭素数8〜16の脂肪酸塩、次にさらに好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩及びラウリン酸ナトリウムであり、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩である。
ノニオン性界面活性剤としては、洗浄性の観点から、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)エチレンオキサイド付加物(重合度=1〜100)が好ましく、さらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜18)エチレンオキサイド付加物(重合度4〜20)、次にさらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜15)エチレンオキサイド付加物(重合度=8〜12)、特に好ましくはオレイルアルコールエチレンオキサイド11モル付加物である。
アニオン性界面活性剤としては、洗浄性の観点から、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩、脂肪酸塩、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩が好ましく、さらに好ましくは、炭素数12〜16のアルキルフェニルスルホン酸塩及び炭素数8〜16の脂肪酸塩、次にさらに好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩及びラウリン酸ナトリウムであり、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるタンパク質溶液(X)の含有量は、洗浄性の観点から、(X)及び(D)の合計重量を基準として、40〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜90重量%、特に好ましくは60〜80重量%である。
洗剤組成物中に含まれる界面活性剤(D)の含有量は、洗浄性の観点から、(X)及び(D)の合計重量を基準として、1〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
洗剤組成物中に含まれる界面活性剤(D)の含有量は、洗浄性の観点から、(X)及び(D)の合計重量を基準として、1〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ(A)の含有量は、洗浄性の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、0.00000001〜0.5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00000001〜0.25重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量は、プロテアーゼ活性の抑制及び回復の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、0.000000001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00000001〜2重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる溶剤(C)の含有量は、プロテアーゼおよびプロテアーゼ活性阻害剤の安定性の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、39.5〜98.999999989重量%が好ましく、さらに好ましくは47.75〜89.99999998重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる界面活性剤(D)の含有量は、洗浄性の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、1〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量は、プロテアーゼ活性の抑制及び回復の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、0.000000001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00000001〜2重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる溶剤(C)の含有量は、プロテアーゼおよびプロテアーゼ活性阻害剤の安定性の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、39.5〜98.999999989重量%が好ましく、さらに好ましくは47.75〜89.99999998重量%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる界面活性剤(D)の含有量は、洗浄性の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量を基準として、1〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ(A)の含有量は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、0.000000008〜0.4重量%が好ましく、さらに好ましくは0.000000008〜0.22である。
洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量は、プロテアーゼ活性の抑制の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、0.000000008〜8重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00000008〜8重量%である。
洗剤組成物中に含まれる溶剤(C)の含有量は、プロテアーゼおよびプロテアーゼ活性阻害剤の安定性の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、26〜85.8重量%が好ましく、さらに好ましくは39〜80.6重量%である。
洗剤組成物中に含まれる界面活性剤(D)の含有量は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、0.8〜61重量%が好ましく、さらに好ましくは8〜50.78重量%である。
洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量は、プロテアーゼ活性の抑制の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、0.000000008〜8重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00000008〜8重量%である。
洗剤組成物中に含まれる溶剤(C)の含有量は、プロテアーゼおよびプロテアーゼ活性阻害剤の安定性の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、26〜85.8重量%が好ましく、さらに好ましくは39〜80.6重量%である。
洗剤組成物中に含まれる界面活性剤(D)の含有量は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量を基準として、0.8〜61重量%が好ましく、さらに好ましくは8〜50.78重量%である。
本発明において、洗剤組成物中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)の重量比((B)の重量/(A)の重量)は、0.5〜30が好ましく、さらに好ましくは0.9〜20、特に好ましくは1〜20である。
(B)と(A)との含有量の比が0.5以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後も洗浄性を保つことができるので好ましい。また、30以下であることで、希釈時にプロテアーゼ活性が効率よくもどり、洗浄性が良好となるので好ましい。
(B)と(A)との含有量の比が0.5以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後も洗浄性を保つことができるので好ましい。また、30以下であることで、希釈時にプロテアーゼ活性が効率よくもどり、洗浄性が良好となるので好ましい。
洗剤組成物中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比{(B)のモル数/(A)のモル数}は、0.01〜300が好ましく、さらに好ましくは0.1〜300であり、次にさらに好ましくは1〜300であり、特に好ましくは1〜100であり、次に特に好ましくは1〜10である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比が0.01以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後もプロテアーゼ活性を保つことができるので好ましい。また、300以下であることで、希釈時にプロテアーゼ活性が効率よくもどり、洗浄性が良好となるので好ましい。
プロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比が0.01以上であることで、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、長期間保存後もプロテアーゼ活性を保つことができるので好ましい。また、300以下であることで、希釈時にプロテアーゼ活性が効率よくもどり、洗浄性が良好となるので好ましい。
本発明における洗剤組成物には、上記タンパク質溶液(X)及び界面活性剤(D)以外に、無機塩(E)、糖(F)、アミノ酸(G)、脂肪酸(I)、油脂(J)、その他の低分子有機化合物(H)、プロテアーゼ以外の酵素(K)、pH調整剤(L)、ビルダー(M)、アルカリ剤(N)及びキレート剤(O)を含有することができる。
無機塩(E)、糖(F)、アミノ酸(G)、脂肪酸(I)、油脂(J)、その他の低分子有機化合物(H)、プロテアーゼ以外の酵素(K)及びpH調整剤(L)、としては、上記のものが挙げられる。
ビルダー(M)としては、液体洗剤に用いられる公知のものを用いることができ、具体的には、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の再汚染防止剤等が挙げられる。
アルカリ剤(N)として、苛性ソーダ、ソーダ灰、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン及びトリポリリン酸ソーダ等が挙げられる。
キレート剤(O)としては、液体洗剤に用いられる公知のものを用いることができる。具体的には、アミノポリ酢酸(ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸及びジエンコル酸等)、有機酸(ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸及びカルボキシメチル酒石酸等)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属若しくは低級アミン塩等が挙げられる。
本発明の洗剤組成物中に含まれる無機塩(E)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜10%が好ましく、さらに好ましくは0〜5%、特に好ましくは0〜3%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる糖(F)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるアミノ酸(G)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる低分子有機化合物(H)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる脂肪酸(I)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる油脂(J)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ以外の酵素(K)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるpH調整剤(L)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜25が好ましく、さらに好ましくは0.01〜15、特に好ましくは1〜10である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるビルダー(M)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜1である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるアルカリ剤(N)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜4、次にさらに好ましくは0.5〜3である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるキレート剤(O)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜2である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる糖(F)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるアミノ酸(G)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる低分子有機化合物(H)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる脂肪酸(I)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれる油脂(J)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるプロテアーゼ以外の酵素(K)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜20%である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるpH調整剤(L)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜25が好ましく、さらに好ましくは0.01〜15、特に好ましくは1〜10である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるビルダー(M)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜1である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるアルカリ剤(N)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜4、次にさらに好ましくは0.5〜3である。
本発明の洗剤組成物中に含まれるキレート剤(O)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜5が好ましく、さらに好ましくは0〜3、次にさらに好ましくは0〜2である。
本発明における洗剤組成物のpHは、タンパク質の安定性及び洗浄性の観点から、1%(w/w)水溶液で7〜11が好ましく、さらに好ましくは7〜10である。
洗剤組成物のpHは、pH調整剤(L)によって適宜調整できる。
洗剤組成物のpHは、pH調整剤(L)によって適宜調整できる。
本発明の洗剤組成物は、各成分を混合することにより得られ、製造方法は特に限定されるものではない。1例を下記に示す。
(1)溶剤(C)にプロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及びプロテアーゼ以外の酵素(K)以外の成分を所定量添加し均一に溶解させる。
(2)プロテアーゼ活性阻害剤(B)を加え、25℃で均一になるまで攪拌する。
(3)プロテアーゼ(A)及び必要によりプロテアーゼ以外の酵素(K)を添加し溶解させる。
(4)界面活性剤(D)を混合し、洗剤組成物を製造する。
また、別の1例として下記に示す。
(1’)上記本発明のタンパク質溶液に界面活性剤(D)を混合し、25℃で均一になるまで攪拌する。
(1)溶剤(C)にプロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及びプロテアーゼ以外の酵素(K)以外の成分を所定量添加し均一に溶解させる。
(2)プロテアーゼ活性阻害剤(B)を加え、25℃で均一になるまで攪拌する。
(3)プロテアーゼ(A)及び必要によりプロテアーゼ以外の酵素(K)を添加し溶解させる。
(4)界面活性剤(D)を混合し、洗剤組成物を製造する。
また、別の1例として下記に示す。
(1’)上記本発明のタンパク質溶液に界面活性剤(D)を混合し、25℃で均一になるまで攪拌する。
以下の実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)(配列番号4)を作成した。得られたプラスミドP1を大腸菌E.Coli BL21(DE3)へ形質転換に供した。即ち、制限酵素処理PCR産物5μLを100μLのE.Coli DH5α コンピテントセル(TOYOBO製)に添加し、氷上で30分間保存した後、42℃で90秒間加熱した。ここにSOC培地(TOYOBO製)900μLを添加し、37℃で1時間静置培養した。培養液のうち100μLをLB/アンピシリンプレートに塗布し、37℃で一晩培養し、プロテアーゼ活性阻害剤(B1)発現株を得た。
得られたプロテアーゼ活性阻害剤(B1)発現株をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)5mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い前培養液を作成した。前培養液を50mLの培養液{水50mL中のそれぞれの成分の含有量は、酵母エキス(日本製薬社製)1.2g、ポリペプトン(日本製薬社製)0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤(信越シリコーン製、「KM−70」)0.3g、1mM硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg)、100mg/Lアンピシリン}に植菌し微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BioJr.8」)を用いてpH6.8、30℃を維持したまま培養を行った。培養開始後1M IPTG溶液を0.15mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤(信越シリコーン製、「KM−70」)、100mg/L アンピシリン)の滴下を開始した。培養開始後、48時間目に培養液を回収した。
得られた培養液をHis-tag精製用担体(GEヘルスケア社製 Ni Sepharose 6 Fast Flow)で分離し、配列番号1のアミノ酸配列(Hirudo Medicinalis由来エグリンc)のプロテアーゼ活性阻害剤(B1)を含む溶液(L−1)を得た。(L−1)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B1)の濃度をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/L(135μM)であった。
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)(配列番号4)を作成した。得られたプラスミドP1を大腸菌E.Coli BL21(DE3)へ形質転換に供した。即ち、制限酵素処理PCR産物5μLを100μLのE.Coli DH5α コンピテントセル(TOYOBO製)に添加し、氷上で30分間保存した後、42℃で90秒間加熱した。ここにSOC培地(TOYOBO製)900μLを添加し、37℃で1時間静置培養した。培養液のうち100μLをLB/アンピシリンプレートに塗布し、37℃で一晩培養し、プロテアーゼ活性阻害剤(B1)発現株を得た。
得られたプロテアーゼ活性阻害剤(B1)発現株をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)5mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い前培養液を作成した。前培養液を50mLの培養液{水50mL中のそれぞれの成分の含有量は、酵母エキス(日本製薬社製)1.2g、ポリペプトン(日本製薬社製)0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤(信越シリコーン製、「KM−70」)0.3g、1mM硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg)、100mg/Lアンピシリン}に植菌し微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BioJr.8」)を用いてpH6.8、30℃を維持したまま培養を行った。培養開始後1M IPTG溶液を0.15mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤(信越シリコーン製、「KM−70」)、100mg/L アンピシリン)の滴下を開始した。培養開始後、48時間目に培養液を回収した。
得られた培養液をHis-tag精製用担体(GEヘルスケア社製 Ni Sepharose 6 Fast Flow)で分離し、配列番号1のアミノ酸配列(Hirudo Medicinalis由来エグリンc)のプロテアーゼ活性阻害剤(B1)を含む溶液(L−1)を得た。(L−1)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B1)の濃度をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/L(135μM)であった。
<製造例2>
製造例1において、プラスミドP1に変えて、プラスミドP2(配列番号5)を用いる以外は同様にして、配列番号2のアミノ酸配列(ジャガイモ由来ペプチダーゼインヒビターI)のプロテアーゼ活性阻害剤(B2)を含む溶液(L−2)を得た。(L−2)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B2)の濃度をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/L(333μM)であった。
製造例1において、プラスミドP1に変えて、プラスミドP2(配列番号5)を用いる以外は同様にして、配列番号2のアミノ酸配列(ジャガイモ由来ペプチダーゼインヒビターI)のプロテアーゼ活性阻害剤(B2)を含む溶液(L−2)を得た。(L−2)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B2)の濃度をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/L(333μM)であった。
<製造例3>
製造例1において、プラスミドP1に変えて、プラスミドP3(配列番号6)を用いる以外は同様にして、配列番号3のアミノ酸配列(オオムギ由来プロテアーゼインヒビター)のプロテアーゼ活性阻害剤(B3)を含む溶液(L−3)を得た。(L−3)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B3)の濃度をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/L(143μM)であった。
製造例1において、プラスミドP1に変えて、プラスミドP3(配列番号6)を用いる以外は同様にして、配列番号3のアミノ酸配列(オオムギ由来プロテアーゼインヒビター)のプロテアーゼ活性阻害剤(B3)を含む溶液(L−3)を得た。(L−3)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B3)の濃度をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/L(143μM)であった。
<アルカラーゼのプロテアーゼ活性の最適pHの測定>
アルカラーゼ(ノボザイムズ社)1mLを99mLのバッファー1[50mM リン酸Naバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]に溶解させ、アルカラーゼ溶液(A1−1)(0.37μM)とした。
(A1−1)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を25℃に保ち、セルを試料室内で5分静置し、温調した。ここに、25℃に温調した基質溶液(1)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilide(Bachem AG社製、品名:Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA)をバッファー1溶解して5mg/mL(0.119mM)の濃度にしたもの)を400μL添加し、酵素反応溶液(II−1)とした。(II−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
同様に、バッファー1に代えてバッファー2[50mM 酢酸Naバッファー(pH5.5、25℃)水溶液]、バッファー3[50mM 酢酸Naバッファー(pH6.5、25℃)水溶液]、バッファー4[50mM リン酸Naバッファー(pH6.5、25℃)水溶液]、バッファー5[50mM リン酸Naバッファー(pH7.5、25℃)水溶液]、バッファー6[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]及びバッファー7[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH9.5、25℃)水溶液]をそれぞれ用いてアルカラーゼ溶液(A2)〜(A7)及び基質溶液(2)〜(7)を作成した。
(A1)に代えて(A2)〜(A7)を、基質溶液(1)に代えて基質溶液(2)〜(7)それぞれ用いる以外は同様にして、酵素反応溶液(II−2)〜(II−7)を作成し、(II−2)〜(II−7)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応溶液(II−1)〜(II−7)について、それぞれ(II−1)〜(II−7)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kを求た。縦軸を係数k、横軸をpHとしてプロットし(図2)、係数kが極大値となるpHを求めたところ、最適pHはpH8.5であった。
なお、バッファーの種類を変える境目のpH(pH6.5及び8.5)において、両方のバッファーで活性を測定しておき、片方のバッファーで測定した値を基準として活性を補正した。pH6.5(バッファー3及び4)では、バッファー4を使用して求めた値をpH6.5での結果とし、バッファー2を用いて求めた係数kにはバッファー3と4の比(バッファー4での係数k/バッファー3での係数k)をかけて補正した。同様に、pH8.5(バッファー1及び7)ではバッファー1での値をpH8.5の結果とし、バッファー7を用いて求めた係数kにはバッファー1と7の比(バッファー1での係数k/バッファー7での係数k)をかけて補正した。
アルカラーゼ(ノボザイムズ社)1mLを99mLのバッファー1[50mM リン酸Naバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]に溶解させ、アルカラーゼ溶液(A1−1)(0.37μM)とした。
(A1−1)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を25℃に保ち、セルを試料室内で5分静置し、温調した。ここに、25℃に温調した基質溶液(1)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilide(Bachem AG社製、品名:Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA)をバッファー1溶解して5mg/mL(0.119mM)の濃度にしたもの)を400μL添加し、酵素反応溶液(II−1)とした。(II−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
同様に、バッファー1に代えてバッファー2[50mM 酢酸Naバッファー(pH5.5、25℃)水溶液]、バッファー3[50mM 酢酸Naバッファー(pH6.5、25℃)水溶液]、バッファー4[50mM リン酸Naバッファー(pH6.5、25℃)水溶液]、バッファー5[50mM リン酸Naバッファー(pH7.5、25℃)水溶液]、バッファー6[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]及びバッファー7[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH9.5、25℃)水溶液]をそれぞれ用いてアルカラーゼ溶液(A2)〜(A7)及び基質溶液(2)〜(7)を作成した。
(A1)に代えて(A2)〜(A7)を、基質溶液(1)に代えて基質溶液(2)〜(7)それぞれ用いる以外は同様にして、酵素反応溶液(II−2)〜(II−7)を作成し、(II−2)〜(II−7)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応溶液(II−1)〜(II−7)について、それぞれ(II−1)〜(II−7)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kを求た。縦軸を係数k、横軸をpHとしてプロットし(図2)、係数kが極大値となるpHを求めたところ、最適pHはpH8.5であった。
なお、バッファーの種類を変える境目のpH(pH6.5及び8.5)において、両方のバッファーで活性を測定しておき、片方のバッファーで測定した値を基準として活性を補正した。pH6.5(バッファー3及び4)では、バッファー4を使用して求めた値をpH6.5での結果とし、バッファー2を用いて求めた係数kにはバッファー3と4の比(バッファー4での係数k/バッファー3での係数k)をかけて補正した。同様に、pH8.5(バッファー1及び7)ではバッファー1での値をpH8.5の結果とし、バッファー7を用いて求めた係数kにはバッファー1と7の比(バッファー1での係数k/バッファー7での係数k)をかけて補正した。
<アルカラーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定>
アルカラーゼ溶液(A1−1)(0.37μM)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を20℃に保ち、セルを試料室内で5分静置した。
次に、セルに、20℃に温調した基質溶液(1)(0.119mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(III−1)とした。(III−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
分光光度計の試料室をそれぞれ10℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃又は80℃に設定して温調し、基質溶液(1)も試料室と同じ温度で温調してからセルに添加する以外は同様にして、酵素反応溶液(III−2)〜(III−8)を作成した。(III−2)〜(III−8)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応溶液(III−1)〜(III−8)について、それぞれ(III−1)〜(III−8)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kを求た。縦軸を係数k、横軸を温度としてプロットし(図3)、係数kが極大値となる温度を求めたところ、最適温度は50℃であった。
アルカラーゼ溶液(A1−1)(0.37μM)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を20℃に保ち、セルを試料室内で5分静置した。
次に、セルに、20℃に温調した基質溶液(1)(0.119mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(III−1)とした。(III−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
分光光度計の試料室をそれぞれ10℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃又は80℃に設定して温調し、基質溶液(1)も試料室と同じ温度で温調してからセルに添加する以外は同様にして、酵素反応溶液(III−2)〜(III−8)を作成した。(III−2)〜(III−8)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応溶液(III−1)〜(III−8)について、それぞれ(III−1)〜(III−8)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kを求た。縦軸を係数k、横軸を温度としてプロットし(図3)、係数kが極大値となる温度を求めたところ、最適温度は50℃であった。
<アルカラーゼに対する基質のミカエリス定数Kmの測定>
アルカラーゼ溶液(A1−1)(0.37μM)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を50℃に保ち、セルを試料室内で5分静置した。ここに、50℃に温調した基質溶液(1)(0.119mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(I−1)とした。(I−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
基質溶液(1)において、Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideのバッファー1中のモル濃度を0.024mM(基質溶液(8)、1mg/mL)、0.237mM(基質溶液(9)、10mg/mL)、0.474mM(基質溶液(10)、20mg/mL)および1.19mM(基質溶液(11)、50mg/mL)とした溶液を作成した。基質溶液(1)に代えて基質溶液(8)〜(11)を用いる以外は同様にして酵素反応溶液(I−2)〜(I−5)を作成した。(I−2)〜(I−5)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
(I−1)〜(I−5)を作成直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、それぞれ吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と405nmにおけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(M/s)を算出した。
v=ΔAλ/(ε×h×3600)(1)
算出した酵素反応初速度vを用いて、横軸(x軸)にそれぞれの基質濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度での酵素反応初速度の逆数1/vをプロットし、Hanes−Woolfプロットを作成した(図1)。プロットの近似直線とx軸との交点(−Km)から、ミカエリス定数Kmは0.7mMであった。
アルカラーゼ溶液(A1−1)(0.37μM)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を50℃に保ち、セルを試料室内で5分静置した。ここに、50℃に温調した基質溶液(1)(0.119mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(I−1)とした。(I−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
基質溶液(1)において、Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideのバッファー1中のモル濃度を0.024mM(基質溶液(8)、1mg/mL)、0.237mM(基質溶液(9)、10mg/mL)、0.474mM(基質溶液(10)、20mg/mL)および1.19mM(基質溶液(11)、50mg/mL)とした溶液を作成した。基質溶液(1)に代えて基質溶液(8)〜(11)を用いる以外は同様にして酵素反応溶液(I−2)〜(I−5)を作成した。(I−2)〜(I−5)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
(I−1)〜(I−5)を作成直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、それぞれ吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と405nmにおけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(M/s)を算出した。
v=ΔAλ/(ε×h×3600)(1)
算出した酵素反応初速度vを用いて、横軸(x軸)にそれぞれの基質濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度での酵素反応初速度の逆数1/vをプロットし、Hanes−Woolfプロットを作成した(図1)。プロットの近似直線とx軸との交点(−Km)から、ミカエリス定数Kmは0.7mMであった。
<プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定>
製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)を含む溶液(L−1)(1g/L)1mLを499mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)(270nM)とした。(B1−1)をバッファー1で1/500000、1/300000、1/100000および1/50000倍のモル濃度に希釈したものを(B1−2)〜(B1−5)とした。
アルカラーゼ溶液(A1−1)を、バッファー1で200万倍希釈し、アルカラーゼ溶液(A1−8)(0.14pM)とした。
分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)、アルカラーゼ溶液(A1―8)を800μL及び(B1−1)を800μL添加し、アルカラーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤(B1)混合溶液(i−1)を作成した。
分光光度計の試料室を50℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、50℃に温調した基質溶液(9)(0.237mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(IV−1)を作成した。(IV−1)を作成直後及び10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録した。
(B1−1)に代えて(B1−2)〜(B1−5)及びバッファー1をそれぞれ用いる以外は同様にして、アルカラーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤(B1)混合溶液(i−2)〜(i−6)を作成し、基質溶液(11)(1.19mM、pH8.5)を用いて酵素反応溶液(IV−2)〜(IV−6)を作成し、同様に吸光度を記録した。
(IV−1)〜(IV−6)を作成直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、それぞれ吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と405nmにおけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(M/s)を算出した。
v=ΔAλ/(ε×h×3600)(1)
(IV−1)〜(IV−5)の酵素反応初速度vi、(IV−6)((B1−1)に代えてバッファー1を用いたもの)の酵素反応初速度をvoとし、各(B1)濃度での相対活性α(x=vi/vo)を算出した。
横軸に1/αを、縦軸に[(B1)のモル濃度]/(1−α)をプロットし、Hendersonプロットを作成した(図4)。このプロットに近似直線を描いたときの傾きKi(app)、測定時の基質濃度[S]、ミカエリス定数Km、および式Ki=Ki(app)/(1+[S]/Km)を用いて阻害定数Kiを算出した。近似直線の交点から、Kiは1.2pMであった。
製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)を含む溶液(L−1)(1g/L)1mLを499mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)(270nM)とした。(B1−1)をバッファー1で1/500000、1/300000、1/100000および1/50000倍のモル濃度に希釈したものを(B1−2)〜(B1−5)とした。
アルカラーゼ溶液(A1−1)を、バッファー1で200万倍希釈し、アルカラーゼ溶液(A1−8)(0.14pM)とした。
分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)、アルカラーゼ溶液(A1―8)を800μL及び(B1−1)を800μL添加し、アルカラーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤(B1)混合溶液(i−1)を作成した。
分光光度計の試料室を50℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、50℃に温調した基質溶液(9)(0.237mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(IV−1)を作成した。(IV−1)を作成直後及び10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録した。
(B1−1)に代えて(B1−2)〜(B1−5)及びバッファー1をそれぞれ用いる以外は同様にして、アルカラーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤(B1)混合溶液(i−2)〜(i−6)を作成し、基質溶液(11)(1.19mM、pH8.5)を用いて酵素反応溶液(IV−2)〜(IV−6)を作成し、同様に吸光度を記録した。
(IV−1)〜(IV−6)を作成直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、それぞれ吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と405nmにおけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(M/s)を算出した。
v=ΔAλ/(ε×h×3600)(1)
(IV−1)〜(IV−5)の酵素反応初速度vi、(IV−6)((B1−1)に代えてバッファー1を用いたもの)の酵素反応初速度をvoとし、各(B1)濃度での相対活性α(x=vi/vo)を算出した。
横軸に1/αを、縦軸に[(B1)のモル濃度]/(1−α)をプロットし、Hendersonプロットを作成した(図4)。このプロットに近似直線を描いたときの傾きKi(app)、測定時の基質濃度[S]、ミカエリス定数Km、および式Ki=Ki(app)/(1+[S]/Km)を用いて阻害定数Kiを算出した。近似直線の交点から、Kiは1.2pMであった。
<プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定>
製造例2で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B2)を含む溶液(L−2)(1g/L)1mLを9mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B2−1)(33.3μM)とした。(B2−1)をバッファー1で1/50、1/15、1/10および1/5倍のモル濃度に希釈したものを(B2−2)〜(B2−5)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて「アルカラーゼ溶液(A1−1)」を用いて、「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B2−1)〜(B2−5)」を用いて、「10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録」に代えて「5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録」する以外は同様の方法を用いて、配列番号2のアミノ酸配列を持つプロテアーゼ活性阻害剤(B2)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiを求めた。Kiは2.3μMであった。
製造例2で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B2)を含む溶液(L−2)(1g/L)1mLを9mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B2−1)(33.3μM)とした。(B2−1)をバッファー1で1/50、1/15、1/10および1/5倍のモル濃度に希釈したものを(B2−2)〜(B2−5)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて「アルカラーゼ溶液(A1−1)」を用いて、「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B2−1)〜(B2−5)」を用いて、「10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録」に代えて「5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録」する以外は同様の方法を用いて、配列番号2のアミノ酸配列を持つプロテアーゼ活性阻害剤(B2)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiを求めた。Kiは2.3μMであった。
<プロテアーゼ活性阻害剤(B3)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定>
製造例3及で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B3)を含む溶液(L−3)(1g/L)1mLを9mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B3−1)(14.3μM)とした。(B3−1)をバッファー1で1/50、1/15、1/10および1/5倍のモル濃度に希釈したものを(B3−2)〜(B3−5)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて「アルカラーゼ溶液(A1−1)」を用いて、「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B3−1)〜(B3−5)」を用いて、「10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録」に代えて「5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録」する以外は同様の方法を用いて、配列番号3のアミノ酸配列を持つプロテアーゼ活性阻害剤のアルカラーゼに対する阻害定数Kiを求めた。Kiは0.5pMであった。
製造例3及で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B3)を含む溶液(L−3)(1g/L)1mLを9mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B3−1)(14.3μM)とした。(B3−1)をバッファー1で1/50、1/15、1/10および1/5倍のモル濃度に希釈したものを(B3−2)〜(B3−5)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて「アルカラーゼ溶液(A1−1)」を用いて、「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B3−1)〜(B3−5)」を用いて、「10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録」に代えて「5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録」する以外は同様の方法を用いて、配列番号3のアミノ酸配列を持つプロテアーゼ活性阻害剤のアルカラーゼに対する阻害定数Kiを求めた。Kiは0.5pMであった。
<4−カルボキシフェニルボロン酸のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定>
4−カルボキシフェニルボロン酸(東京化成工業株式会社)50mgを50mLのバッファー1(pH8.5)に溶解させ、カルボキシフェニルボロン酸溶液(B4−1)(8.2mM)とした。(B4−1)をバッファー1で1/10、1/4、1/2および3/4のモル濃度に希釈したものを(B4−2)〜(B4−5)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて「アルカラーゼ溶液(A1−1)」を用いて、「(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「(B4−1)〜(B4−5)」を用いて、「10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録」に代えて「5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録」する以外は同様の方法を用いて、4−カルボキシフェニルボロン酸のアルカラーゼに対する阻害定数Kiを求めた。Kiは19μMであった。
4−カルボキシフェニルボロン酸(東京化成工業株式会社)50mgを50mLのバッファー1(pH8.5)に溶解させ、カルボキシフェニルボロン酸溶液(B4−1)(8.2mM)とした。(B4−1)をバッファー1で1/10、1/4、1/2および3/4のモル濃度に希釈したものを(B4−2)〜(B4−5)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて「アルカラーゼ溶液(A1−1)」を用いて、「(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「(B4−1)〜(B4−5)」を用いて、「10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録」に代えて「5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録」する以外は同様の方法を用いて、4−カルボキシフェニルボロン酸のアルカラーゼに対する阻害定数Kiを求めた。Kiは19μMであった。
<サビナーゼ活性の最適pHの測定>
サビナーゼ(ノボザイムス社製)1mLをそれぞれバッファー1〜7及びバッファー8[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH10.5、25℃)水溶液](99mL)で希釈し、サビナーゼ溶液(A2−1)〜(A2−8)とした。
「アルカラーゼのプロテアーゼ活性の最適pHの測定]において、「アルカラーゼ溶液(A1−1)〜(A1−7)」に代えて「サビナーゼ溶液(A2−1)〜(A2−8)」を用いて、「基質溶液(1)〜(7)」に代えて「基質溶液(1)〜(7)及び(12){基質溶液(12)はバッファー8を用いて基質濃度:5mg/mL(0.119mM)としたもの}」を用いる以外は同様にして測定したところ、サビナーゼの活性の最適pHは9.5であった。
サビナーゼ(ノボザイムス社製)1mLをそれぞれバッファー1〜7及びバッファー8[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH10.5、25℃)水溶液](99mL)で希釈し、サビナーゼ溶液(A2−1)〜(A2−8)とした。
「アルカラーゼのプロテアーゼ活性の最適pHの測定]において、「アルカラーゼ溶液(A1−1)〜(A1−7)」に代えて「サビナーゼ溶液(A2−1)〜(A2−8)」を用いて、「基質溶液(1)〜(7)」に代えて「基質溶液(1)〜(7)及び(12){基質溶液(12)はバッファー8を用いて基質濃度:5mg/mL(0.119mM)としたもの}」を用いる以外は同様にして測定したところ、サビナーゼの活性の最適pHは9.5であった。
<サビナーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定>
「アルカラーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−1)」に代えて「サビナーゼ溶液(A2−7)」を用いて、「基質溶液(1)」に代えて「基質溶液(7)(pH9.5)」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いる以外は同様の方法を用いて、サビナーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定を測定した。最適温度は50℃であった。
「アルカラーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−1)」に代えて「サビナーゼ溶液(A2−7)」を用いて、「基質溶液(1)」に代えて「基質溶液(7)(pH9.5)」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いる以外は同様の方法を用いて、サビナーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定を測定した。最適温度は50℃であった。
<サビナーゼに対する基質のミカエリス定数Kmの測定>
「アルカラーゼに対する基質のミカエリス定数Kmの測定」において「アルカラーゼ溶液(A1−1)」に代えて、「サビナーゼ溶液(A2−7)」を用いて、「基質溶液(1)及び(8)〜(11)」に代えて「基質溶液(7)及び(14)〜(17){基質溶液(14)〜(17)は、バッファー7を用いて、それぞれ基質濃度:1mg/mL(0.024mM)、10mg/mL(0.237mM)、20mg/mL(0.474mM)、50mg/mL(1.19mM)としたもの}」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いる以外は同様の方法を用いて、サビナーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定を測定した。ミカエリス定数Kmは0.7mMであった。
「アルカラーゼに対する基質のミカエリス定数Kmの測定」において「アルカラーゼ溶液(A1−1)」に代えて、「サビナーゼ溶液(A2−7)」を用いて、「基質溶液(1)及び(8)〜(11)」に代えて「基質溶液(7)及び(14)〜(17){基質溶液(14)〜(17)は、バッファー7を用いて、それぞれ基質濃度:1mg/mL(0.024mM)、10mg/mL(0.237mM)、20mg/mL(0.474mM)、50mg/mL(1.19mM)としたもの}」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いる以外は同様の方法を用いて、サビナーゼのプロテアーゼ活性の最適温度の測定を測定した。ミカエリス定数Kmは0.7mMであった。
<プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対する阻害定数Kiの測定>
製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)を含む溶液(L−1)(1g/L)1mLを499mLのバッファー7(pH9.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−6)(270nM)とした。(B1−6)をバッファー7で1/500000、1/300000、1/100000および1/50000倍のモル濃度に希釈したものを(B1−7)〜(B1−10)とした。
サビナーゼ溶液(A2−7)をバッファー7で20万倍希釈し、サビナーゼ溶液(A2−9)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて、「サビナーゼ溶液(A2−9)」を用いて、「(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「(B1−6)〜(B1−10)」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いて、「基質溶液(9)及び(11)」に代えて「基質溶液(15)及び(17)」を用いる以外は同様にして、プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対する阻害定数Kiを求めた。プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対するKiは4.7pMであった。
製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)を含む溶液(L−1)(1g/L)1mLを499mLのバッファー7(pH9.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−6)(270nM)とした。(B1−6)をバッファー7で1/500000、1/300000、1/100000および1/50000倍のモル濃度に希釈したものを(B1−7)〜(B1−10)とした。
サビナーゼ溶液(A2−7)をバッファー7で20万倍希釈し、サビナーゼ溶液(A2−9)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて、「サビナーゼ溶液(A2−9)」を用いて、「(B1−1)〜(B1−5)」に代えて「(B1−6)〜(B1−10)」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いて、「基質溶液(9)及び(11)」に代えて「基質溶液(15)及び(17)」を用いる以外は同様にして、プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対する阻害定数Kiを求めた。プロテアーゼ活性阻害剤(B1)のサビナーゼに対するKiは4.7pMであった。
<プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のサビナーゼに対する阻害定数Kiの測定>
製造例2及で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B2)を含む溶液(L−2)(1g/L)1mLを9mLのバッファー7(pH9.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B2−6)(33.3μM)とした。(B2−6)をバッファー7で1/50、1/15、1/10および1/5倍のモル濃度に希釈したものを(B2−7)〜(B2−10)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて、サビナーゼ溶液(A2−9)を用いて、「(B2−1)〜(B2−5)」に代えて「(B2−6)〜(B2−10)」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いて、「基質溶液(9)及び(11)」に代えて「基質溶液(15)及び(17)」を用いる以外は同様にして、プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のサビナーゼに対する阻害定数Kiを求めた。プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のサビナーゼに対するKiは2.5μMであった。
製造例2及で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B2)を含む溶液(L−2)(1g/L)1mLを9mLのバッファー7(pH9.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B2−6)(33.3μM)とした。(B2−6)をバッファー7で1/50、1/15、1/10および1/5倍のモル濃度に希釈したものを(B2−7)〜(B2−10)とした。
「プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のアルカラーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、「アルカラーゼ溶液(A1−8)」に代えて、サビナーゼ溶液(A2−9)を用いて、「(B2−1)〜(B2−5)」に代えて「(B2−6)〜(B2−10)」を用いて、「バッファー1」に代えて「バッファー7」を用いて、「基質溶液(9)及び(11)」に代えて「基質溶液(15)及び(17)」を用いる以外は同様にして、プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のサビナーゼに対する阻害定数Kiを求めた。プロテアーゼ活性阻害剤(B2)のサビナーゼに対するKiは2.5μMであった。
<実施例1〜32>
表1及び2に記載の割合で、40℃で配合し、タンパク質溶液(X−1)〜(X−32)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、プロテアーゼ活性Xiを測定した。結果を表1及び2に示す。
表1及び2に記載の割合で、40℃で配合し、タンパク質溶液(X−1)〜(X−32)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、プロテアーゼ活性Xiを測定した。結果を表1及び2に示す。
<比較例1〜22>
表3及び4に記載の割合で、40℃で配合し、タンパク質溶液(X’−1)〜(X’−22)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、プロテアーゼ活性Xiを測定した。結果を表3及び4に示す。
表3及び4に記載の割合で、40℃で配合し、タンパク質溶液(X’−1)〜(X’−22)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、プロテアーゼ活性Xiを測定した。結果を表3及び4に示す。
<タンパク質溶液(X)の吸光度を利用した活性測定法>
タンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)をそれぞれ1570μLを分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れ、分光光度計の試料室を25℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、25℃に温調した基質溶液(18){基質(サクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリド)をバッファー1に溶解して10mg/mL(16mM)の濃度にしたもの}を400μL添加し、酵素反応溶液(V−1)を作成した。(V−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録した。
(V−1)を作成した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kXを求た。
ブランクとして、配合直後のタンパク質溶液(X’−9)〜(X’−22)を用いて、同様に測定し、直線の傾き係数kSを求た。(X’−9)〜(X’−22)のうち、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質溶液を用いて求めた傾き係数kSを用いて、下記数式(3)からタンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)のプロテアーゼ活性Xiを求めた。(例えば、タンパク質溶液(X−1)であれば、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質(X’−9)を用いて求めた直線の傾き係数kXを用いた。)
プロテアーゼ活性Xi(%)={kX/kS}×100 (4)
タンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)をそれぞれ1570μLを分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れ、分光光度計の試料室を25℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、25℃に温調した基質溶液(18){基質(サクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリド)をバッファー1に溶解して10mg/mL(16mM)の濃度にしたもの}を400μL添加し、酵素反応溶液(V−1)を作成した。(V−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録した。
(V−1)を作成した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kXを求た。
ブランクとして、配合直後のタンパク質溶液(X’−9)〜(X’−22)を用いて、同様に測定し、直線の傾き係数kSを求た。(X’−9)〜(X’−22)のうち、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質溶液を用いて求めた傾き係数kSを用いて、下記数式(3)からタンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)のプロテアーゼ活性Xiを求めた。(例えば、タンパク質溶液(X−1)であれば、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質(X’−9)を用いて求めた直線の傾き係数kXを用いた。)
プロテアーゼ活性Xi(%)={kX/kS}×100 (4)
<配合直後及び3ヶ月保管後のタンパク質溶液(Y)のプロテアーゼ活性>
配合直後のタンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)について、タンパク質溶液を100μLと、バッファー1を9.9mL混合し、タンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)のプロテアーゼ活性を測定した。結果を表1〜4に示す。
また、40℃で3ヶ月保管後のタンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)を用いて同様にタンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)を作成し、プロテアーゼ活性を測定した。結果を表1〜4に示す。
配合直後のタンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)について、タンパク質溶液を100μLと、バッファー1を9.9mL混合し、タンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)のプロテアーゼ活性を測定した。結果を表1〜4に示す。
また、40℃で3ヶ月保管後のタンパク質溶液(X−1)〜(X−32)及び(X’−1)〜(X’−22)を用いて同様にタンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)を作成し、プロテアーゼ活性を測定した。結果を表1〜4に示す。
<タンパク質溶液(Y)の吸光度を利用した活性測定法>
タンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)をそれぞれ1600μLを分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れ、分光光度計の試料室を40℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、40℃に温調した基質溶液(18)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideをバッファー1に溶解して10mg/mL(16mM)の濃度にしたもの)をそれぞれ400μL添加し、酵素反応溶液(VI−1)をそれぞれ作成した。(VI−1)を作成直後及び5秒おきに2分間および10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録した。
(VI−1)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kYを求た。
ブランクとして、配合直後のタンパク質溶液(X’−9)〜(X’−22)を用いて作成したタンパク質溶液(Y’−9)〜(Y’−22)を用いて、同様に測定し、直線の傾き係数kSを求た。(Y’−9)〜(Y’−22)のうち、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質溶液を用いて求めた傾き係数kTを用いて、下記数式(4)からタンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)のプロテアーゼ活性Yiを求めた。(例えば、タンパク質溶液(Y−1)であれば、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質(Y’−9)を用いて求めた直線の傾き係数kYを用いた。)
プロテアーゼ活性Yi(%)={kY/kT}×100 (4)
タンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)をそれぞれ1600μLを分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れ、分光光度計の試料室を40℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、40℃に温調した基質溶液(18)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideをバッファー1に溶解して10mg/mL(16mM)の濃度にしたもの)をそれぞれ400μL添加し、酵素反応溶液(VI−1)をそれぞれ作成した。(VI−1)を作成直後及び5秒おきに2分間および10分おきに6時間の405nmにおける吸光度を記録した。
(VI−1)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kYを求た。
ブランクとして、配合直後のタンパク質溶液(X’−9)〜(X’−22)を用いて作成したタンパク質溶液(Y’−9)〜(Y’−22)を用いて、同様に測定し、直線の傾き係数kSを求た。(Y’−9)〜(Y’−22)のうち、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質溶液を用いて求めた傾き係数kTを用いて、下記数式(4)からタンパク質溶液(Y−1)〜(Y−32)及び(Y’−1)〜(Y’−22)のプロテアーゼ活性Yiを求めた。(例えば、タンパク質溶液(Y−1)であれば、プロテアーゼ(A)の種類・濃度が同じタンパク質(Y’−9)を用いて求めた直線の傾き係数kYを用いた。)
プロテアーゼ活性Yi(%)={kY/kT}×100 (4)
<プロテアーゼ活性の持続性>
配合直後のプロテアーゼ活性と40℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性との比を、プロテアーゼ活性の持続性として、以下の式にて算出した。
プロテアーゼ活性の持続性(%)=(40℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性)/(配合直後のプロテアーゼ活性)×100
配合直後のプロテアーゼ活性と40℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性との比を、プロテアーゼ活性の持続性として、以下の式にて算出した。
プロテアーゼ活性の持続性(%)=(40℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性)/(配合直後のプロテアーゼ活性)×100
なお、表1〜4中の各成分は、下記のものを用いた。
アルカラーゼ溶液(A1−9):商品名「アルカラーゼ」(ノボザイムズ社製、37μM)
サビナーゼ溶液(A2−10):商品名「サビナーゼ」(ノボザイムズ社製、37μM)
アルカラーゼ溶液(A1−9):商品名「アルカラーゼ」(ノボザイムズ社製、37μM)
サビナーゼ溶液(A2−10):商品名「サビナーゼ」(ノボザイムズ社製、37μM)
表1〜4の評価結果から、比較例1〜22のタンパク質溶液のうち、プロテアーゼ活性阻害剤(B4)を含む溶液では、タンパク質溶液(X)の活性を20%以下に抑制することができず、プロテアーゼ活性の持続性も低い。また、プロテアーゼ活性阻害剤(B3)を含む溶液では、タンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性が低く、プロテアーゼ活性を抑制できているものの、タンパク質溶液(X)を希釈したタンパク質溶液(Y)のプロテアーゼ活性が低く、効率よくプロテアーゼ活性を回復できないことが分かる。
一方、実施例1〜32の本発明のタンパク質溶液は、プロテアーゼ活性を適度に抑制することができ、また、希釈することで効率よく回復することができることが分かる。また、プロテアーゼ活性の持続性が高く、長期的にプロテアーゼ活性を保つことができることがわかる。
一方、実施例1〜32の本発明のタンパク質溶液は、プロテアーゼ活性を適度に抑制することができ、また、希釈することで効率よく回復することができることが分かる。また、プロテアーゼ活性の持続性が高く、長期的にプロテアーゼ活性を保つことができることがわかる。
<実施例33〜48>
表5の割合で40℃で配合し、本発明の洗剤組成物を得た。
表5の割合で40℃で配合し、本発明の洗剤組成物を得た。
<比較例23〜31>
表6の割合で40℃で配合し、比較用の洗剤組成物を得た。
表6の割合で40℃で配合し、比較用の洗剤組成物を得た。
実施例33〜48及び比較例23〜31で作製した洗剤組成物を用いて下記の洗浄性試験をおこなった。
<洗浄性試験>
<配合直後の洗浄除去率>
実施例33〜48及び比較例23〜31で得た洗剤組成物について、洗剤組成物を作成後、直ちに洗剤組成物0.8gを水999.2gに溶解させ溶液を得た。この溶液に、湿式人工汚染布(4cm×4cm)5枚を投入し、ターゴトメーター(大栄化学製)を用いて以下の条件にて洗浄及びすすぎをした後、布を取り出し、ギヤーオーブン(TABAI製、GPS−222)を用いて70℃で60分間乾燥し、試験布を得た。ついで、多光源分光測色計(スガ試験機製)を使用して、この試験布の540nmの反射率を、試験布1枚ごとに表裏2個所ずつ計4個所(試験布5枚で合計20個所)測定し、この平均値を求め、以下の式にて洗浄除去率(%)を算出した。結果を表5〜6に記載した。
(洗浄条件)
時間:10分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(すすぎ条件)
時間:1分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(洗浄除去率)
洗浄除去率(%)={(RW−RS)/(RI−RS)}×100
なお、RIは清浄布の反射率、RWは洗浄布の反射率、RSは汚染布の反射率を示す。
また、使用した湿式人工汚染布は、表7の汚垢組成を有する財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布(540nmにおける反射率が40±5%)である。
<洗浄性試験>
<配合直後の洗浄除去率>
実施例33〜48及び比較例23〜31で得た洗剤組成物について、洗剤組成物を作成後、直ちに洗剤組成物0.8gを水999.2gに溶解させ溶液を得た。この溶液に、湿式人工汚染布(4cm×4cm)5枚を投入し、ターゴトメーター(大栄化学製)を用いて以下の条件にて洗浄及びすすぎをした後、布を取り出し、ギヤーオーブン(TABAI製、GPS−222)を用いて70℃で60分間乾燥し、試験布を得た。ついで、多光源分光測色計(スガ試験機製)を使用して、この試験布の540nmの反射率を、試験布1枚ごとに表裏2個所ずつ計4個所(試験布5枚で合計20個所)測定し、この平均値を求め、以下の式にて洗浄除去率(%)を算出した。結果を表5〜6に記載した。
(洗浄条件)
時間:10分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(すすぎ条件)
時間:1分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(洗浄除去率)
洗浄除去率(%)={(RW−RS)/(RI−RS)}×100
なお、RIは清浄布の反射率、RWは洗浄布の反射率、RSは汚染布の反射率を示す。
また、使用した湿式人工汚染布は、表7の汚垢組成を有する財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布(540nmにおける反射率が40±5%)である。
<40℃3ヶ月保管後の洗浄除去率>
実施例33〜48及び比較例23〜31で得た洗剤組成物について、「配合直後の洗浄除去率」において、「洗剤組成物の作成後、直ちに」に代えて、「洗剤組成物の作成後、40℃で3ヶ月保管した後」の洗剤組成物を用いる以外は同様に洗浄性試験をおこない、洗浄除去率を算出した。結果を表5〜6に記載した。
実施例33〜48及び比較例23〜31で得た洗剤組成物について、「配合直後の洗浄除去率」において、「洗剤組成物の作成後、直ちに」に代えて、「洗剤組成物の作成後、40℃で3ヶ月保管した後」の洗剤組成物を用いる以外は同様に洗浄性試験をおこない、洗浄除去率を算出した。結果を表5〜6に記載した。
<洗浄性の持続性>
配合直後の洗浄除去率と40℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率との比を洗浄性の持続性として、以下の式にて算出した。
洗浄性の持続性(%)=(40℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率)/(配合直後の洗浄除去率)×100
配合直後の洗浄除去率と40℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率との比を洗浄性の持続性として、以下の式にて算出した。
洗浄性の持続性(%)=(40℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率)/(配合直後の洗浄除去率)×100
表5及び6の評価結果から、プロテアーゼ(A)の量が同じ洗剤組成物を比較した場合、プロテアーゼ活性阻害剤(B4)を含むものは配合直後の洗浄除去率は高いものの、3ヶ月保管後の洗浄除去率が低く、洗浄性の持続性が低い。また、プロテアーゼ活性阻害剤(B3)を含むものは、配合直後及び3ヶ月保管後の洗浄除去率が低い。一方、本発明の洗剤組成物は、配合直後及び3ヶ月保管後の洗浄除去率が共に高く、一定の洗浄性を保持しており、洗浄性の持続性が高いことがわかる。
本発明のタンパク質溶液は、プロテアーゼ活性を十分抑制でき、プロテアーゼ及びその他の酵素活性の低下が少なく、また、抑制したプロテアーゼ活性を回復することができるので、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、浴用剤、角質除去用化粧料、食品の改質剤(製パン、肉の軟化、水産加工など)、ビールの清澄剤、皮革なめし剤、写真フィルムのゼラチン除去剤、消化助剤及び消炎剤として広範囲に使用できる。また、本発明の洗剤組成物は、衣料用洗浄剤や自動食器洗浄機用洗浄剤等の洗浄剤として使用できる。
Claims (7)
- プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(X)。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):クランIGに分類されるタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であり、基質(P)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルニトリアニリド、ベンゾイルアルギニンニトリアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、プロテアーゼ(A)の活性の最適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。 - タンパク質溶液中のプロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)の重量が、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、(A)が0.0000001〜20重量%、(B)が0.0000001〜50重量%、(C)が30〜99.9999998重量%である請求項1に記載のタンパク質溶液(X)。
- タンパク質溶液中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)とプロテアーゼ(A)とのモル比((B)のモル数/(A)のモル数)が0.01〜300である請求項1又は2に記載のタンパク質溶液(X)。
- プロテアーゼ(A)がセリンプロテアーゼ(A−1)である請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質溶液(X)。
- プロテアーゼ(A)がスブチリシンである請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質溶液(X)。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法であって、
吸光度を利用した活性測定法による(X)のプロテアーゼ活性Xiが、下記タンパク質溶液(S)の活性を基準として20%以下であり、
(X)に、(X)の重量を基準として100〜1,000,000重量%の溶剤(C)をさらに添加するタンパク質溶液(X)のプロテアーゼ活性回復方法。
タンパク質溶液(S):タンパク質溶液(X)において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質溶液(X)及び界面活性剤(D)を含有する洗剤組成物。
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