JP2011196135A - シールドトンネル、シールドトンネル構築方法 - Google Patents

シールドトンネル、シールドトンネル構築方法 Download PDF

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Hirohide Iijima
啓秀 飯島
Kazuhisa Tsuruta
和久 鶴田
Kenji Kumagai
健二 熊谷
Kenji Namikawa
賢治 並川
Akira Saito
亮 齋藤
Masataka Migu
正孝 三具
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Abstract

【課題】構築時のコストや工期を抑えることができるシールドトンネル等を提供する。
【解決手段】本発明のシールドトンネルであるトンネル1は、車両の通行に用いる道路階3、5を内部に具備し、道路階3では、走行車線9a、9bの側方に、走行車線9a(9b)の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間18aが設けられ、トンネル1の一部である分岐部6では、シールド壁2の内側で、空間18aに走行車線9aから分岐した加減速車線10が設けられる。また、空間18aで、加減速車線10を設けない部分の少なくとも一部には、換気設備21や避難通路11等のトンネル設備が、トンネル1の長軸方向に沿って加減速車線10と略同一線上に設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明はシールドトンネル、シールドトンネル構築方法に関する。より詳しくは、車両の通行に用いる道路階を有するシールドトンネルと、これを構築するシールドトンネル構築方法に関する。
トンネルを構築するトンネル構築方法の一つにシールド工法がある。シールド工法は、シールド機を用いて、地盤を掘進しながらシールド機内部後方でセグメントを組立ててシールド壁を形成し、トンネルの構築を行うものである。シールド工法は、周辺環境や地盤への影響が小さく、安定してトンネルの構築が可能な非開削工法であり、都市部におけるトンネル構築においては主流となりつつある。
また、近年の技術進歩により、シールド工法を用いて1台のシールド機で長距離の掘進を行い、他の道路との分合流部等ではシールドトンネル構築後にセグメントを切断し、シールド壁を切開く工法を採用することも可能になっており、費用的、工期的に有利なものとなっている。
シールド工法により構築されているトンネルの最大外径は、現在のところ最大15m程度であり、通常の道路トンネルでは道路幅等の大型車の建築限界を確保するために、1方向2車線以上とすると1断面、双方向にすれば2断面のトンネルが必要である。即ち、高規格な道路では2本のシールドトンネルを構築する必要がある。トンネルを2断面設け、双方向の通行に用いる例が、特許文献1に記載されており、2本のシールドトンネル間で車線を分岐、合流させるためにシールドトンネルを切開く切開き構造が示されている。
特開2005−60968号公報
図4は、1断面のシールドトンネルであるトンネル101の例であり、図4(a)はトンネル101の道路階103の平面、図4(b)は図4(a)の線E−E’における断面を示したものである。トンネル101の側方では、途中で別のトンネル106が接続される。道路階103では2つの走行車線107a、107bが設けられ、分岐部105では、加減速車線110が走行車線107aから分岐する。加減速車線110からは、カーブを経て別のトンネル106内の走行車線へと続く車線112が連続する。なお、113は消火設備を示す。
トンネル101において、加減速車線110を設ける位置等では、トンネル101のシールド壁102を切開いて除去し、トンネル101の幅を拡げる(切開き部108)。従って、コスト、工程に大きな影響を与える切開き部108の延長を長くする必要がある。例えば、シールドトンネルの構築時、切開き部108に用いるセグメントは切断するためにコンクリート製のものではなく高価なスチール製のものを用いるので、切開き部108が長くなることによりコストが高くなる。
また、大型車通行のためには別途大規模な換気所も必要になり、換気所を設けるため地上から開削し工事を行うことになるので、高コストとなったり、工期等が長くなりやすい。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、構築時のコストや工期を抑えることができるシールドトンネル等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するための第1の発明は、道路階を内部に具備するシールドトンネルであって、前記道路階では、走行車線の側方に、前記走行車線の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間が設けられ、前記シールドトンネルの少なくとも一部では、シールド壁の内側で前記空間に前記走行車線から分岐した加減速車線が設けられることを特徴とするシールドトンネルである。
また、前記空間において前記加減速車線を設けない部分の少なくとも一部には、トンネル設備が、前記シールドトンネルの長軸方向に沿って前記加減速車線と略同一線上に設けられることが望ましい。
前記トンネル設備は、例えば、換気設備を含み、前記換気設備を前記道路階の前記走行車線と隔てるための隔壁が設けられる。また、前記シールド壁が除去された部分の近傍に、地盤の圧力を支持するための支持体が設けられることも望ましい。
さらに、前記シールドトンネルは、上下に複数の道路階を内部に具備するものとし、複数の前記道路階の前記空間のそれぞれで、前記加減速車線を設けない部分の少なくとも一部に、換気設備が設けられ、前記換気設備を前記道路階の前記走行車線とそれぞれ隔てるための、複数の前記道路階で垂直方向に連続する隔壁が設けられることも望ましい。加えて、前記シールドトンネルを、小型車の通行に用いるものとすることができる。
前述した目的を達するための第2の発明は、シールド工法によりシールドトンネルを構築するシールドトンネル構築方法であって、走行車線の側方に前記走行車線の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間が設けられた道路階を前記シールドトンネルの内部に具備することが可能なシールド径で、シールド壁を形成する工程(a)と、前記シールド壁の内側に前記道路階を設け、前記道路階に前記走行車線を設けるとともに前記シールドトンネルの少なくとも一部で前記走行車線の側方の空間に前記走行車線から分岐した加減速車線を設け、前記シールドトンネルが別のトンネルと接続する箇所では、前記加減速車線から前記別のトンネルへと続く車線が前記シールド壁の位置に達する位置付近で前記シールド壁を除去する工程(b)と、を具備することを特徴とするシールドトンネル構築方法である。
以上の構成により、車両の通行に用いる道路階を内部に備えるシールドトンネルにおいて、道路階には、走行車線の側方に、走行車線の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間を設け、シールドトンネルの少なくとも一部では、シールド壁の内側で、当該空間に走行車線から分岐した加減速車線を設ける。従って、加減速車線をシールドトンネルのシールド壁の内側に収めることができるので、別のトンネルと接続する場合でも、加減速車線の位置でシールド壁を切開き除去する必要がなく、加減速車線から別のトンネルへと連続する車線がカーブを経てシールド壁の位置に達する位置付近で切開けばよい。このため、大幅にトンネルを切開く必要が無く、スチール製のセグメントを使用する数が減るなど、建設コストの削減、工期短縮が可能になる。
また、換気設備等のトンネル設備を、上記の空間で加減速車線を設けない部分の少なくとも一部に、シールドトンネルの長軸方向に沿って加減速車線と略同一線上になるよう設けることも可能で、換気設備をシールドトンネルと別に設けることなく、隔壁で道路階の走行車線等と隔ててトンネル内に設けることにより、路上において工事を行う部分が換気塔等の一部のみになり、建設コストの削減や工期の短縮につながる。また、これらをコンパクトに配置し、トンネル内の空間を有効に利用するとともに、構築時のコストや工期を抑えることができる。
加えて、シールド壁の切開き部分の近傍に支持体を別に設けることで、地盤の圧力を支持させることができる。また、シールドトンネルに道路階を上下に複数設け、道路階の上記の空間にそれぞれ換気設備を設けるとともに、換気設備を道路階の走行車線等とそれぞれ隔てるための、複数の道路階で垂直方向に連続する隔壁を設けることもでき、これらを上下にまとめることにより構築時のコストや工期を抑えることができるとともに、換気経路が複雑にならない。
また、シールドトンネルを小型車の通行用とすることにより、道路階の高さを抑え道路階を上下に設けることが容易になる、換気設備として大きなものが必要なくなりトンネル内に換気設備を納めることが容易になる、上記の別のトンネルへと接続する車線のカーブ半径を抑え切開き部分を更に短くすることが可能となる等、更にコストや工期を抑えることができるようになる。
本発明により、構築時のコストや工期を抑えることができるシールドトンネル等を提供することができる。
本発明のシールドトンネルの実施形態を示す図 本発明のシールドトンネルの道路階の例を示す図 本発明のシールドトンネルの断面の例を示す図 シールドトンネルの例を示す図
以下、図1から図3を参照しながら、本発明のシールドトンネル等の実施形態について説明する。
図1は本実施形態のシールドトンネルであるトンネル1を概略斜視図で示すものである。本実施形態のトンネル1は、図1に示すように、シールド壁2の内側に上下3層を有する構造であり、上層と中層をそれぞれ道路階3、道路階5として用い、下層を換気ダクト等の設備階8として用いる。上層の道路階3と、中層の道路階5は、小型車の通行に用いる。トンネル1の側方では、途中で別のトンネル7が接続される。このため、トンネル1の一部では、シールド壁2が切開かれる。なお、図1では、トンネル1等の内部の様子を概略示すため、シールド壁2の切開き部とは関係なくトンネル1等に仮想的な開口を設けている。
シールド壁2は、略円周形の径方向断面を有するチューブ状の形状を有し、断面の内径は例えば13m程度とするが、これに限ることはない。シールド壁2はシールド工法によって施工され、コンクリート等のセグメントを用いて形成される。なお、シールド壁2の一部で、予め切開くことがわかっている切開き部のセグメントは切断可能なスチール製のもので施工しておく。
上層の道路階3は、トンネル1の断面の中央高さ付近に設けられる床版12より上の部分である。道路階3の床幅は、例えば13m程度である。中層の道路階5は、トンネル1の断面の中央高さ付近より下で、床版14より上の部分である。道路階5の床幅は、例えば11m程度である。各床版は水平面に対してわずかに(例えば1.5%程度)傾斜している。また、上層の道路階3と、中層の道路階5で、車両の進行方向を互いに逆とする。これにより、1断面のシールドトンネルで双方向の通行を実現している。中層の道路階5の下方には、設備階8が設けられる。
図2は本実施形態のトンネル1について、道路階(道路階3、道路階5)の平面を示すものである。図2(a)は上層の道路階3、図2(b)は中層の道路階5を示す。また、図3は、本実施形態のトンネル1について、径方向断面を示すものである。図3(a)は図2の線A−A’の位置における断面図、図3(b)は図2の線B−B’の位置における断面図、図3(c)は図2の線C−C’の位置における断面図、図3(d)は図2の線D−D’の位置における断面図である。
図2、図3に示すように、上層の道路階3には、2つの走行車線9a、9b、加減速車線10のほか、避難通路11、消火設備13、換気設備21等のトンネル設備、壁17、ジェットファン27等が設けられる。また、中層の道路階5には、2つの走行車線23a、23bに加え、上層の道路階3と同様の避難通路11、消火設備13、換気設備21等のトンネル設備、また壁25が設けられる。また、設備階8には、排気ダクト28、送気ダクト29、換気ダクト30や、壁26等が設けられる。
上層の道路階3の走行車線9a、9bは、前述したように小型車の通行に用いられ、それぞれ3m程度の車線幅を有する。道路階3の走行車線9a、9bの側方には、走行車線9a(9b)の車線幅程度またはそれより大きな幅の空間(領域)18aが設けられる。また、中層の道路階5の走行車線23a、23bも、上層の道路階3と同様、小型車の通行に用いられ、それぞれ3m程度の車線幅を有する。道路階5の走行車線23a、23bの側方にも、走行車線23a(23b)の車線幅程度またはそれより大きな幅の空間18bが設けられる。空間18a、18bは、平面位置において上下に対応する。
このように、本実施形態では、トンネル1を小型車の通行用として用い、各道路階では、3m程度の車線幅を有する走行車線を設けるとともに、走行車線の側方に走行車線の車線幅程度またはそれより大きな幅の空間を設ける。この空間には上記したトンネル設備や加減速車線10等を設ける。なお、各車線の上部では、小型車の通行のため、それぞれ3m程度の高さの空間が確保されている。
上層の道路階3において、トンネル1の一部である分岐部6では、加減速車線10が走行車線9aから分岐する。加減速車線10からは、シールド壁2を切開いて除去した切開き部16を経て別のトンネル7内の走行車線へと続く車線20が連続する。加減速車線10は、シールド壁2の内側で、走行車線9a、9bの側方の空間18aに設けられる。
ここで、例えば道路階3の走行車線9a、9bの側方に空間18aを設けない場合、走行車線9aから分岐するように加減速車線10を設けると、図4で説明したように、加減速車線10の位置ではシールド壁2を切開き除去する必要がある。しかし、本実施形態では、走行車線9a、9bの側方に走行車線9a(9b)の車線幅程度またはそれより大きな幅の空間18aを設け、空間18aで、シールド壁2の内側に加減速車線10を設けるので、加減速車線10の位置でシールド壁2を切開き除去する必要がなく、加減速車線10からカーブして別のトンネル7へと続く車線20が、シールド壁2の位置に達した位置付近(切開き部16)でシールド壁2を切開き除去することができる。従って、切開き部16が短縮され、スチール製のセグメントを使用する数が減るなど、建設コストの削減、工期短縮が可能になる。
また、シールド壁2を切開く際には、開削を行い路上での工事が必要となるが、切開き部16が小さくなることにより、非開削による切開きも合理的に施工可能となり、路上での工事が縮小し工程上の制約が減るという効果も奏する。さらに、トンネル1は小型車の通行に用いるので、加減速車線10から別のトンネル7内へと続く車線のカーブ半径を小さくすることができ、シールド壁2の切開き部16を更に小さくすることができる。また、道路階5の空間18bにも同様の分岐部を設けることが可能であり、この場合にも上記と同様の効果が得られる。
上層の道路階3で、トンネル1のシールド壁2を切開き除去する切開き部16の近傍には、壁17が設けられる。切開き部16では、他のトンネル7との接続のためにシールド壁2を切開いて開口部を形成する。従って、切開き部16の近傍には、トンネル1周囲の地盤による圧力を支持する支持体として壁17が別に設けられる。壁17は、道路階3の床版12上に設けられ、シールド壁2の上部内面に至る。
中層の道路階5にも、壁17に対応する平面位置に壁25が設けられる。また、図3に示すように、設備階8にも、壁17、25に対応する平面位置に壁26が設けられる。なお、壁の位置は、切開き部16の近傍に設けられ、トンネル1周囲の地盤による圧力を支えることができる限りにおいて、上記したものに限ることはない。また支持体の形状も壁状のものに限られることはない。例えば柱状のものとしてよい。
避難通路11、消火設備13、換気設備21等のトンネル設備は、道路階3、5の空間18a、18bにそれぞれ設けられる。道路階3においては、加減速車線10を設けない部分に、トンネル1の長軸方向に沿って加減速車線10と略同一線上に設けられる。
避難通路11は避難時に用いる通路であり、地上に連絡する。避難通路11は隔壁15で走行車線等、道路階3、5の他の空間と隔てられる。消火設備13は、消火栓等である。ジェットファン27は、トンネル長軸方向への送風を行うことで換気塔(不図示)等を介してトンネル1(道路階3)の換気を行うものである。
換気設備21は、例えば給気、排気にそれぞれ用いる大型のジェットファンなど、換気塔(不図示)、排気ダクト28、送気ダクト29等を介してトンネル1(道路階5)へ給気し、またトンネル1(道路階5)から排気することにより換気を行うもので、隔壁19で走行車線等、道路階3、5の他の空間と隔てられる。隔壁19は、道路階3、5で垂直方向に連続するように設けられる。
また、図2では省略したが、トンネル1では、図3(a)に示すように、道路階5から排気ダクト28へ排気するための流路31、ならびに送気ダクト29から道路階5への給気を行うための流路32がトンネル長軸方向にそれぞれ所定の間隔で設けられる。また、排気ダクト28、送気ダクト29は不図示の流路で換気設備21と連続しており、換気設備21から送られた外気が送気ダクト29を介して道路階5に供給されるとともに、道路階5からの空気は排気ダクト28を介して換気設備21より外部へ排出される。但し、トンネル1内の換気の手法等は、これらに限られることはない。
換気設備21については、トンネル1の空間18a、18bにこれを収めることで、従来のように路上から開削し換気所としてトンネル1と別に設ける必要がなく、路上で工事を行う部分が換気塔等の一部だけとなるので、路上での工事が縮小し工程上の制約が減るとともに、建設コストの削減、工期短縮につながる。なお、本実施形態のトンネル1では、トンネル1を小型車の通行用とするので、換気設備として大きなものが必要でなく、換気設備21を上記の空間に設けることが容易となる。
また、換気設備21は、上下の道路階3、5で垂直方向に連続する隔壁19により道路階3、5の走行車線等と平面上隔て、道路階3、5で上下に位置が対応する空間18a、18bにそれぞれ設ける。このように、換気設備21を上下に対応させて設けることで、構築時のコストや工期を抑えることができ、また換気経路が複雑とならない。なお、道路階3、5では車両の進行方向が互いに逆となるので、道路階3だけでなく道路階5でも分岐を行い、空間18bに、加減速車線が換気設備21等上記のトンネル設備と略同一線上になるよう設ける場合は、道路階3、5では進行方向に対して互いに逆側の分岐を行うことになる。例えば、道路階3で車両進行方向に対して右側に分岐部6(加減速車線10)を設ける場合、道路階5では、車両進行方向に対して左側に分岐部(加減速車線)を設けることになる。
本実施形態のトンネル1を構築する際には、シールド工法により、トンネル1の内部で、上記の走行車線9a、9b、空間18aを有する道路階3と、上記の走行車線23a、23b、空間18bを有する道路階5とを、それぞれ設けることが可能なシールド径でシールド壁2を形成する。
その後、シールド壁2の内側で、道路階3、5、設備階8を構築する。また、走行車線9a、9bを道路階3に、走行車線23a、23bを道路階5にそれぞれ設けるとともに、トンネル1の一部である分岐部6では加減速車線10をシールド壁2の内側の、走行車線9a、9bの側方の空間18aに設ける。
また、上記した避難通路11、消火設備13、換気設備21等のトンネル設備を、空間18a、18bのそれぞれに、上記したように設ける。空間18aにおいては、換気設備21を含むトンネル設備を、加減速車線10を設けない部分に、加減速車線10とトンネル長軸方向に沿って略同一線上になるように設ける。さらに、隔壁19を道路階3、5で垂直方向に連続するように設け、これにより空間18a、18bに設けた換気設備21を道路階3、5の走行車線等とそれぞれ隔てる。
また、トンネル1が別のトンネル7と接続する箇所では、加減速車線10から別のトンネル7へと続く車線20が、シールド壁2の位置に達する位置付近(切開き部16)で、セグメントを切断し、シールド壁2を切開いて除去する。この切開き部16の近傍では、壁17、25、26を、地盤による圧力を支える支持体として設ける。その他必要な設備等を設けて、トンネル1が構築される。
以上説明したように、本実施形態のトンネル1は内部に道路階3、5を備え、道路階3には、走行車線9a、9bの側方に、走行車線9a(9b)の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間18aを設け、分岐部6では、シールド壁2の内側で、空間18aに走行車線9aから分岐した加減速車線10を設ける。従って、加減速車線10をトンネル1のシールド壁2の内側に収めることができるので、別のトンネル7と接続する場合でも、加減速車線10の位置でシールド壁2を切開き除去する必要がなく、加減速車線10から別のトンネル7へと連続する車線20がカーブを経てシールド壁2の位置に達する位置付近(切開き部16)で切開けばよい。従って、大幅にトンネルを切開く必要が無く、スチール製のセグメントを使用する数が減る等、建設コストの削減、工期短縮が可能になる。
また、道路階5にも、走行車線23a、23bの側方に走行車線9a(9b)の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間18bを設ける。空間18a、18bは平面位置において上下に対応する。また、換気設備21等のトンネル設備を、空間18a、18bに設ける。空間18aにおいては、加減速車線10を設けない部分に、トンネル1の長軸方向に沿って加減速車線10と略同一線上になるよう設ける。換気設備21をトンネル1と別に設けることなくトンネル1内に設けることで、路上において工事を行う部分が換気塔等の一部のみになり、コストや工期の短縮が図れる。また、これらをコンパクトに配置し、トンネル1内の空間を有効に利用することができる。
加えて、シールド壁2の切開き部16の近傍に支持体としての壁を別に設けることで、地盤の圧力を支持させることができる。さらに、道路階3、5を上下に複数設けることで、車線数を確保しつつ、1断面のトンネルを双方向の通行に用いることが可能になる。また、道路階3、5の空間18a、18bにそれぞれ換気設備21を設け、道路階3、5で垂直方向に連続する隔壁19により、これらを道路階3、5の走行車線等とそれぞれ隔てる。このように、換気設備21の配置を上下に対応させ、まとめて設けることにより構築時のコストや工期を抑えることができるとともに、換気経路が複雑にならない。
また、トンネル1を小型車の通行用とするので、道路階3、5の高さを抑え道路階を上下に設けることが容易になり、また、換気設備21として大きなものが必要ないのでトンネル内に換気設備21を納めることが容易になり、加えて上記のカーブの際のカーブ半径を抑え切開き部16を更に短くすることができる。なお、本実施形態のトンネル1は、同様の構成にて各部分の大きさを変えることで、小型車の通行に限らず用いることも可能である。但し、小型車の通行に用いるものとすることは、上記した利点をもたらすものである。
従って、本発明のシールドトンネル等の実施形態によれば、トンネル構築時のコストや工期を抑えることができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るシールドトンネル等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本実施形態のトンネル1では、各道路階の走行車線を2車線として説明したが、これに限ることはなく、異なる車線数とすることも可能である。
1、7………トンネル
2………トンネル外壁
3、5………道路階
6………分岐部
8………設備階
9a、9b、23a、23b………走行車線
10………加減速車線
11………避難通路
12、14………床版
13………消火設備
15、19………隔壁
16………切開き部
17、25、26………壁
18a、18b………空間
20………車線
21………換気設備
27………ジェットファン
28………排気ダクト
29………送気ダクト
30………換気ダクト
31、32………流路

Claims (12)

  1. 道路階を内部に具備するシールドトンネルであって、
    前記道路階では、走行車線の側方に、前記走行車線の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間が設けられ、前記シールドトンネルの少なくとも一部では、シールド壁の内側で前記空間に前記走行車線から分岐した加減速車線が設けられることを特徴とするシールドトンネル。
  2. 前記空間において前記加減速車線を設けない部分の少なくとも一部には、トンネル設備が、前記シールドトンネルの長軸方向に沿って前記加減速車線と略同一線上に設けられることを特徴とする請求項1記載のシールドトンネル。
  3. 前記トンネル設備は、換気設備を含み、
    前記換気設備を前記道路階の前記走行車線と隔てるための隔壁が設けられることを特徴とする請求項2記載のシールドトンネル。
  4. 前記シールド壁が除去された部分の近傍に、地盤の圧力を支持するための支持体が設けられることを特徴とする請求項1記載のシールドトンネル。
  5. 上下に複数の道路階を内部に具備し、
    複数の前記道路階の前記空間のそれぞれで、前記加減速車線を設けない部分の少なくとも一部に、換気設備が設けられ、
    前記換気設備を前記道路階の前記走行車線とそれぞれ隔てるための、複数の前記道路階で垂直方向に連続する隔壁が設けられることを特徴とする請求項1記載のシールドトンネル。
  6. 小型車の通行に用いることを特徴とする請求項1記載のシールドトンネル。
  7. シールド工法によりシールドトンネルを構築するシールドトンネル構築方法であって、
    走行車線の側方に前記走行車線の車線幅程度またはそれより大きな幅を有する空間が設けられた道路階を前記シールドトンネルの内部に具備することが可能なシールド径で、シールド壁を形成する工程(a)と、
    前記シールド壁の内側に前記道路階を設け、前記道路階に前記走行車線を設けるとともに前記シールドトンネルの少なくとも一部で前記走行車線の側方の空間に前記走行車線から分岐した加減速車線を設け、前記シールドトンネルが別のトンネルと接続する箇所では、前記加減速車線から前記別のトンネルへと続く車線が前記シールド壁の位置に達する位置付近で前記シールド壁を除去する工程(b)と、
    を具備することを特徴とするシールドトンネル構築方法。
  8. 前記工程(b)において、前記空間で前記加減速車線を設けない部分の少なくとも一部に、トンネル設備を、前記シールドトンネルの長軸方向に沿って前記加減速車線と略同一線上に設けることを特徴とする請求項7記載のシールドトンネル構築方法。
  9. 前記トンネル設備は換気設備を含み、
    前記工程(b)において、前記換気設備を前記道路階の前記走行車線と隔てるための隔壁を設けることを特徴とする請求項8記載のシールドトンネル構築方法。
  10. 前記工程(b)において、前記シールド壁が除去される部分の近傍に、地盤の圧力を支持するための支持体を設けることを特徴とする請求項7記載のシールドトンネル構築方法。
  11. 前記シールドトンネルは、上下に複数の道路階を内部に具備し、
    前記工程(b)において、複数の前記道路階の前記空間のそれぞれで、前記加減速車線を設けない部分の少なくとも一部に換気設備を設け、前記換気設備を前記道路階の前記走行車線とそれぞれ隔てるための、複数の前記道路階で垂直方向に連続する隔壁を設けることを特徴とする請求項7記載のシールドトンネル構築方法。
  12. 前記シールドトンネルは、小型車の通行に用いるものであることを特徴とする請求項7記載のシールドトンネル構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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