JP2011195990A - 圧着シート用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
オフセット印刷適性に優れ、高速インクジェットプリンター記録適性を備え、且つ圧着ニスを塗布し、圧着処理を行った場合に、充分かつ安定な接着力を保持する後糊方式の圧着シート用塗工紙を提供する。
【解決手段】
後糊圧着方式での圧着シートとして使用する圧着シート用塗工紙の最表の塗工層は、顔料として平均粒子径1.5乃至2.5μmの炭酸カルシウム、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスを含有し、該最表の塗工層100質量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスの比率が5乃至30質量部であり、基材と最表の塗工層の間の内側塗工層は平均粒子径3.0乃至4.0μmの炭酸カルシウム粒子、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを含有し、該内側塗工層100量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスの比率が1乃至10質量部とする。
【選択図】なし
Description
〔3〕JIS−P8118:1998による塗工紙の密度が、0.90乃至1.15g/cm3であることを特徴とする、〔1〕または〔2〕のいずれかに記載の圧着シート用塗工紙。
〔4〕ことを特徴とする、〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の圧着シート用塗工紙。
〔5〕圧着シート用塗工紙が、UV硬化型圧着ニスを用いた後糊方式の圧着シートとして使用する圧着シート用塗工紙であることを特徴とする、〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の圧着シート用塗工紙。
本発明の圧着シート用塗工紙は、上記のような内側塗工層と最表の塗工層が組み合わされた構成を有することによって、極めて優れたインクジェットインクの吸収性と圧着ニスによる接着層が形成できるという圧着シート用紙としての適性を両立することが出来るものである。
本発明の基紙を構成するパルプの種類については、KPなどの化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP或いはCTMPなどの機械パルプ、脱墨パルプなどの古紙パルプ、或いはケナフ、竹、藁、麻などのような非木材パルプであってもよい。また、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの有機合成繊維、再生繊維や、ポリノジック繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維などの無機質繊維を併用することも出来、本発明の効果を損なわない範囲で、製法、種類は特に限定されない。基紙に使用するパルプとしては、ECFパルプやTCFパルプといった塩素フリーパルプを使用することは、環境に対する配慮の点から好ましい。
本発明の圧着シート用塗工紙は、顔料として平均粒子径1.5乃至2.5μmの炭酸カルシウム粒子、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスを含有する、最表の塗工層の下に平均粒子径3.0乃至4.0μmの炭酸カルシウム粒子、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを含有し、該塗工層100量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスの比率が1乃至10質量部である内側塗工層を有する。
本構成により、本発明の圧着シート用塗工紙は下層である内側塗工層に十分な顔料粒子間空隙を有して、インクジェット記録における、高いインク溶媒吸収速度を有するとともに、オフセット印刷において充分な表面強度を得ることが出来る。
軽質炭酸カルシウムは炭酸ガス反応法、や可溶性塩反応法によって合成され、沈降炭酸カルシウムとも呼ばれる。合成時の条件により、三方晶系のカルサイト、斜方晶系のアラゴナイト、六法晶系のバテライトが得られ、カルサイトは立方体状〜紡錘状の粒子、アラゴナイトは柱状〜針状の粒子となり、バテライトは球状の粒子のものが得られる。凝集炭酸カルシウムは軽質炭酸カルシウムの製造条件において、単結晶の成長過程と微細単結晶の凝集過程とを調節することにより得られ、紡錘状や柱状の一次粒子が凝集して形成されたロゼット状粒子のものなどが知られている。一方、重質炭酸カルシウムは天然に産する石灰石、大理石などの炭酸カルシウム鉱物や風化貝殻などを湿式或いは乾式粉砕し、適宜分級して得られる。通常、重質炭酸カルシウムは常温で最も安定なカルサイトであり、粉砕によりその単粒子の形状は通常不定形の粒子である。
内側塗工層100質量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスの比率は1乃至10質量部である。10質量部を超えると、インクジェットインクの溶媒吸収性が低下し充分な吸収性を得ることが出来ず、1質量部未満の場合は充分な表面強度が得られず、オフセット印刷時にピッキングの問題が発生する虞がある。
本発明の圧着シート用塗工紙は、顔料として平均粒子径3.0乃至4.0μmの炭酸カルシウム粒子、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを含有する、上記、内側塗工層上に、顔料として平均粒子径1.5乃至2.5μmの炭酸カルシウム粒子、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスを含有し、塗工層100質量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスの比率が5乃至30質量部である該最表の塗工層を有する。
本構成により、本発明の圧着シート用塗工紙は最表の塗工層に十分な顔料粒子間空隙を有して、インクジェット記録における、高いインク吸収性を有するとともに、後糊方式で圧着ニスによる接着剤層を設けた後に圧着処理を行う、後糊方式の圧着シート用紙としたときに、充分な接着力を得ることが出来る。
平滑化の条件は使用する加圧装置、加圧ニップの数、処理温度などにより適宜調節することが出来る。最表の塗工層を設けた圧着シート用塗工紙表面がマット面であると、後糊方式で圧着処理を行ったときに充分な接着力が得難い虞があるが、本発明の圧着シート用塗工紙は、平滑化処理された表面のJIS−P8142:2005による、75°光沢度が50%以下であっても、さらには、光沢度30%以下のマット面の圧着シート用塗工紙であっても、その上に接着剤層を設けて接着層同士を対向させ、圧着処理を行ったときに充分かつ安定な接着力を得ることが出来る。
圧着シート用塗工紙には、印刷面上に圧着加工用ラミネートを行う方法やUV硬化型の圧着ニスなどによる表面処理が用いられるが、本発明の後糊方式による圧着シート用塗工紙では、UV硬化型の圧着ニスが好ましく使用される。UV硬化型の圧着ニスは、ラミネートに較べてコストが安く、速やかに硬化し、乾燥のため熱を加える必要も無く、短時間で加工が出来るという利点があり、圧着シート用の圧着加工用接着剤層として好ましく使用される。ニスの塗布方法としては、必ずしも限定するものではないが、たとえば、フレキソ、オフセットなどの塗工手段を用いて印刷面上に塗布され、UV照射により硬化して圧着ニスの接着剤層が形成される。本発明の圧着シート用塗工紙は、優れたハイブリッド印刷適性を有するとともに、マットの外観を有していても、UV硬化型の圧着ニスが塗工層中に沈み込ことがなく、表面に充分な圧着ニスの接着剤層が形成されるため、後糊方式で圧着ニスを塗布した後、圧着処理を行い、圧着シート用紙としたときに安定した充分な接着力を得ることが出来る。圧着ニスの塗布面を適宜設定することにより、V折り(二つ折り)、Z折り(三つ折り)など、種々の圧着シートを作成することが出来る。
〔基紙の製造〕
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、フリーネス450mlc.s.f.)90質量部、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、フリーネス450mlc.s.f.)10質量部を分散したパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(商品名:ファイブラン81、日本エヌエスシー株式会社製)0.05質量部、紙力増強剤としてポリアクリルアミド系樹脂(商品名:PS194−7、荒川化学工業株式会社製)0.2質量部、硫酸バンド0.6質量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH5.3、固形分濃度1.1%の紙料を調製した。この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、スチレン・マレイン酸共重合体(商品名:ポリマロン385、荒川化学工業株式会社製)0.2部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ株式会社製)を濃度5.5%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/m2となるように塗布し、乾燥して、さらにマシンカレンダを用いて平滑度が30秒(J.TAPPI−5記載)になるように平滑化処理を施して、坪量が88g/m2の基紙を製造した。
下記、塗工液Aを、前記基紙の両面に、ブレードコータを用いて片面あたりの乾燥塗布量が10g/m2になるように塗工し、内側塗工層を形成した。
〔塗工液Aの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径3.5μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム85質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA、王子コーンスターチ株式会社製)20質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H、JSR株式会社製)5質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液Aを調製した。
下記、塗工液aを、上記、基紙の両面に形成された内側塗工層上に、ブレードコータを用いて片面あたりの乾燥塗布量が10g/m2になるように塗工し、最表の塗工層を形成した。その表面を、スーパーカレンダを用いて、通紙速度750m/分、線圧350g/cmの条件で平滑化処理(ニップ数2)を行い、坪量128g/m2、密度1.02g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液aの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム70質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA、王子コーンスターチ株式会社製)10質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H、JSR株式会社製)20質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液aを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Bを、塗工液aに代えて、下記、塗工液bを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.01g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Bの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、市販の重質炭酸カルシウム(商品名:BF100、平均粒子径3.6μm、備北粉化工業株式会社製)を用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Bを調製した。
〔塗工液bの調製〕
塗工液Aの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、市販の重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1000、平均粒子径2.2μm、備北粉化工業株式会社製)を用いた以外は、塗工液Bと同様にして塗工液bを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Cを用い、塗工液aに代えて、下記、塗工液cを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.00g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Cの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径3.5μmに調製された軽質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Cを調製した。
〔塗工液cの調製〕
塗工液aの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径2.0μmに調製された軽質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液aと同様にして塗工液cを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液dを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.02g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Fの調製〕
塗工液dの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径1.6μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液aと同様にして塗工液dを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液eを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.02g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液eの調製〕
塗工液aの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径2.4μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液aと同様にして塗工液eを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液fを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.01g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液fの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム62質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)10質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)28質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液fを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液gを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.00g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液gの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム72質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)20質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)8質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液gを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Dを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Dの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径3.2μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Dを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Eを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度0.99g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Eの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径3.8μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Eを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液hを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.02g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液hの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム40質量部、カオリン(商品名:ハイドラグロス90、ヒューバー社製)30部、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)10質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)20質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液hを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液iを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液iの調製〕
塗工液aの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径1.2μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液aと同様にして塗工液iを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液jを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.00g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液jの調製〕
塗工液aの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径2.8μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液aと同様にして塗工液jを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液kを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液kの調製〕
塗工液aの平均粒子径2.0μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径2.0μmのカオリン(商品名:カピムDG、株式会社イメリス ミネラルズ・ジャパン製)を用いた以外は、塗工液aと同様にして塗工液kを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液lを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液lの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム62質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)3質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)35質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液Tを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液mを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.02g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液mの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム77質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)20質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)3質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液mを調製した。
実施例1において、塗工液aに代えて、下記、塗工液nを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.00g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液nの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径2.0μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム70質量部に、22%水溶液に溶解したポリビニルアルコール(商品名:PVA117、株式会社クラレ製)30質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液nを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Fを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.01g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Fの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径3.5μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム89.5質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)20質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)0.5質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液Fを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Gを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Gの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径3.5μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム85質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)13質量部および、50%のラテックスとしたスチレン・ブタジエン共重合体樹脂(商品名:T−2531H)12質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液Gを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Hを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Hの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径2.8μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Hを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Iを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度0.99g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Iの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径4.2μmに調製された重質炭酸カルシウムを用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Iを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Jを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.03g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Jの調製〕
塗工液Aの平均粒子径3.5μmに調製された重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒子径3.8μmのカオリン(商品名:アストラプレート、株式会社イメリス ミネラルズ・ジャパン製)を用いた以外は、塗工液Aと同様にして塗工液Jを調製した。
実施例1において、塗工液Aに代えて、下記、塗工液Kを用いた以外は、実施例1と同様にして坪量128g/m2、密度1.02g/cm3の圧着シート用塗工紙を得た。
〔塗工液Kの調製〕
湿式粉砕法により平均粒子径3.5μmに調製され、70%分散液とした重質炭酸カルシウム80質量部に、20%水溶液に溶解した酸化でんぷん(商品名:エースA)20質量部および、不揮発分46%のラテックスとしたアクリル酸エステル重合体樹脂(商品名:プライマルAC2235、ロームアンドハースジャパン株式会社製)10質量部を添加攪拌し、水を加えて固形分濃度60%の塗工液Kを調製した。
〔白紙光沢度〕
圧着シート用塗工紙の白紙部分の、入射角度75°における光沢度をJIS−P8142:2005(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)により、JIS−Z8741記載の光沢度計を用いて測定した。
〔紙密度〕
紙密度はJIS−P8118:1998(紙及び板紙―厚さ及び密度の試験方法)により測定した。紙の坪量はJIS−P8124:1998(紙及び板紙―坪量測定方法)により測定し、これを用いた。
〔ドライピック強度〕
圧着シート用塗工紙の表面にベタ印刷を行い、印刷面および、ゴムローラー(インキ)面を観察して、印刷面のインキ面へのピッキングを下記評価基準にて目視評価した。
ベタ印刷は、RI印刷試験機(商品名:RI−1、株式会社IHI機械システム製)で、試験用インキを練った全面刷ゴムローラーを用いて行った。試験用インキ(商品名:ベストワン紙試験用SD50紅 T−13、株式会社ティーアンドケイ東華製)を使用した。
5:ピッキングは全くなく良好。
4:ピッキングが僅かにみられる
3:ピッキングは多少みられるが実用上許容限度
2:ピッキングが多くみられる
1:甚だしいピッキングがみられる
RI印刷試験機で、圧着シート用塗工紙の被印刷面に、水を含ませたモルトンローラーに接触させた直後に、試験用インキを練った全面刷ゴムローラーでベタ印刷を行ない、印刷面および、ゴムローラー(インキ)面を観察して、印刷面のインキ面へのピッキングを下記評価基準にて目視評価した。
RI印刷試験機、ゴムローラーおよび試験用インキは、ドライピック強度の評価と同じものを使用した。
5:ピッキングは全くなく良好。
4:ピッキングが僅かにみられる
3:ピッキングは多少みられるが実用上許容限度
2:ピッキングが多くみられる
1:甚だしいピッキングがみられる
インクジェットインク吸収時間は、以下の手順により測定した。
〔油吸収メーター(JIS−P8130:1994参照)〕
a.試験油滴下用ビュレット、b.ローラー(直径約97mm、長さ約100mm、質量5.70±0.05kgで表面が平滑に仕上げられ、クロムめっきを施した鉄製)、c.ローラー転動路(鉄板上に厚さ約1.8mmの耐油性ゴムブランケット敷いた、傾斜角約5度の傾斜部約200mm、水平部約800mmを持ち、ローラーをその最上部に保持できる装置と、他端にローラーを受け止める装置を持つ)よりなる油塗被部と、水平部に取り付けられた投光部と受光部を備えた暗箱および検流計よりなる正反射光量測定部とからなる。試験片は暗箱内の所定の位置(投光部と受光部の中央の転動路上)に取り付ける。
〔試験用インクジェットインク〕
コダックバーサマークDS6240プリンティングシステム用インク(No.1007)
〔秒時計〕
0.1秒まで測定できるもの。
〔試験片〕
圧着シート用塗工紙を約65×200mmに切りだして試験片とする。
〔手順1〕
暗箱の蓋を開けて、試験片の長辺がローラー転動方向と平行になるように所定の位置に取り付ける。
〔手順2〕
取り付けた試験片の上部(ローラーが転がってくる方向)にセロハンテープを貼付する。
〔手順3〕
試験片上に貼付したセロハンテープ上に試験用インクジェットインクを5μl滴下すると同時に、ローラーを発進させる。
〔手順4〕
試験用インクジェットインク滴上をローラーが通過すると、インク滴は試験片上に伸ばされて展開される。展開されたインク膜表面の光沢の消失を目視で観察し、ローラー通過からインク膜表面の光沢消失までの秒数を測り、インクジェットインク吸収時間を測定する。
インクジェットインク吸収時間が短いほどインクジェット記録適性は良好であり、5秒未満が好ましい。7秒以上であるとインク吸収が遅く実用上影響のでる虞がある。
顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(商品名:マイクロトラック3300EXII、日機装株式会社製)を用いて測定した重量平均粒子径をもちいた。
圧着シート用塗工紙より、下記手順により二つ折り圧着シートを作成した。
作成した二つ折り圧着シートを、折線に直交する方向に100mm幅に切り出し、剥離評価用試験片を作成した。
剥離評価は、剥離速度300mm/分でT字剥離を行い、剥離曲線から推定平均剥離力を作図し、剥離力の荷重をNで求めた。剥離力による評価は下記のような基準で行った。
なお、塗工層の強度が接着剤層の剥離力を下回ると、剥離時に塗工層が破壊され、圧着シートとして使用することが出来ず、接着剤層の剥離力は測定不能である。
剥離力1.0N未満:剥離力が弱く、圧着シートの配送中にはがれる懸念あり。
剥離力1.0N以上、3.0N以下:実用上問題の無い剥離力の範囲。
剥離力3.0N超:剥離力が強すぎて、剥離の際、圧着シートの塗工紙基材が破壊する。
〔二つ折り圧着シートの作成〕
圧着シート用塗工紙に、メイヤーバーを用いて、UV硬化型圧着ニス(商品名:ダイキュアクリアーUV−1450HB、大日本インキ化学工業株式会社製)を固形分付着量が3g/m2となるように塗布し、80W/cmの高圧水銀ランプを3秒間照射して硬化させ、接着剤層を形成した。
形成した接着剤層が互いに内側に対向するように二つ折りにし、はがきの大きさに断裁した用紙を、圧着ロール間隔を215μmに設定したドライシーラー(商品名:ドライシーラー6860、トッパンフォームズ株式会社製)を用いて圧着し、二つ折り圧着シートを作成した。
Claims (4)
- 塗工紙に印刷した後、その表面の少なくとも一方の面に接着剤層の領域を設け、接着剤層を互いに対向するようにして強圧処理により接着でき、接着後に接着剤層間で剥離可能である後糊圧着方式での圧着シートとして使用する圧着シート用塗工紙において、該圧着シート用塗工紙が、基紙の少なくとも一面上に、顔料およびバインダーを主成分とする二層以上の塗工層を設けて形成され、最表の塗工層は、顔料として平均粒子径1.5乃至2.5μmの炭酸カルシウム、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスを含有し、該最表の塗工層100質量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスの比率が5乃至30質量部であり、該基材と該最表の塗工層の間に内側塗工層を有し、該内側塗工層が平均粒子径3.0乃至4.0μmの炭酸カルシウム粒子、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを含有し、該内側塗工層100量部当りのスチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスの比率が1乃至10質量部であることを特徴とする圧着シート用塗工紙。
- 炭酸カルシウムが重質炭酸カルシウムである請求項1に記載の圧着シート用塗工紙。
- JIS−P8118:1998による塗工紙の密度が、0.90乃至1.15g/cm3であることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の圧着シート用塗工紙。
- 圧着シート用塗工紙が、UV硬化型圧着ニスを用いた後糊方式の圧着シートとして使用する圧着シート用塗工紙であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧着シート用塗工紙。
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