JP2011195929A - マグネシウム合金およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一態様は、Znを含有し、GdおよびTbの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つの元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするマグネシウム合金である。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
【選択図】 なし
Description
前記マグネシウム合金に熱処理を行うことを特徴とするマグネシウム合金の製造方法である。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
前記熱処理は、623〜773Kの温度範囲で0.5〜100時間の条件で行われることが好ましい。
前記熱処理を行う前に、前記マグネシウム合金を溶体化する溶体化処理を行うことが好ましい。
前記熱処理を行った後のマグネシウム合金は長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相を有することが好ましい。なお、最密原子面積層欠陥は、最密原子面に沿って溶質原子であるZnと希土類元素が積層方向に連続した二原子層の濃化した溶質原子濃化二原子層を含み、前記溶質原子濃化二原子層が積層方向に周期性を有さないものである。
前記長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相を有するマグネシウム合金に塑性加工を行うことにより、前記長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相の少なくとも一部を湾曲又は屈曲させることも可能である。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
上記の態様によれば、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つのX元素を上記の範囲内で含有させることにより、高い強度を保ちながら耐食性を向上させたマグネシウム合金を得ることができる。
GdおよびTbの両方の元素を合計でRE原子%含有することも可能である。
前記マグネシウム合金は、長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相およびhcp構造マグネシウム相を有する結晶組織を具備することが好ましい。
前記長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相の少なくとも一部が湾曲又は屈曲していることも可能である。
本実施の形態によるマグネシウム合金は、Znを含有し、GdおよびTbの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つのX元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすものである。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
X含有量が0.05×[RE(原子%)]未満であると、耐食性の向上が得られないからである。
X含有量が0.75×[RE(原子%)]超であると、長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相以外のMgとXからなる化合物が形成され,耐食性に悪影響をあたえるからである。
本実施の形態によるマグネシウム合金の製造方法について説明する。
まず、Znを含有し、GdおよびTbの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つのX元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすマグネシウム合金を作製する。このマグネシウム合金は、溶解鋳造によって作製しても良いし、急速凝固によって作製しても良い。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)]
前記塑性加工物については、塑性加工を行う前のマグネシウム合金材に比べてビッカース硬度及び降伏強度がともに上昇する。
また、耐食性については、塑性加工の前後でほとんど変化が無い。つまり、塑性加工の前のマグネシウム合金および塑性加工後のマグネシウム合金はともに高い耐食性を有している。
本実施の形態によるマグネシウム合金は、実施の形態2と同様の方法により長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相を形成したマグネシウム合金材を用意し、このマグネシウム合金材を切削することによって作られた複数の数mm角以下のチップ形状の切削物を作製し、この切削物に塑性加工による固化を行ったものである。
鋳造まま材(A.C.)では、どの合金も耐食性は低いが、Al添加材のみ高耐食性を示している。
また、溶体化処理材(S.T.)では、X元素がY、Dy、Ho、Tm、Yb、Alのサンプルは高耐食性を示している。
また、773Kの時効処理材(H.T.)では、X元素がAl、Tb、Dy、Tm、Ybのサンプルは高耐食性を示している。
また、673Kの時効処理材(H.T.)では、X元素がAl、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbのサンプルはMg−Zn−Gd三元系よりも高耐食性を示している。
図6は、Mg97Zn1Gd2の三元系合金の773Kの時効処理材の腐食電位、孔食電位および孔食電流密度の経時変化を示す図である。
図6に示すように、三元系合金では糸状腐食の進展が開始されるが、図5に示すように、Alを添加した合金ではAl添加による皮膜改質効果が確認された。
Claims (9)
- Znを含有し、GdおよびTbの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つの元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすマグネシウム合金を作製し、
前記マグネシウム合金に熱処理を行うことを特徴とするマグネシウム合金の製造方法。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)] - 請求項1において、
前記熱処理は、623〜773Kの温度範囲で0.5〜100時間の条件で行われることを特徴とするマグネシウム合金の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記熱処理を行う前に、前記マグネシウム合金を溶体化する溶体化処理を行うことを特徴とするマグネシウム合金の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項1において、
前記熱処理を行った後のマグネシウム合金は長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相を有することを特徴とするマグネシウム合金の製造方法。 - 請求項4において、
前記長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相を有するマグネシウム合金に塑性加工を行うことにより、前記長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相の少なくとも一部を湾曲又は屈曲させることを特徴とするマグネシウム合金の製造方法。 - Znを含有し、GdおよびTbの少なくとも一つの元素を合計でRE原子%含有し、Al、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho、Er、TmおよびYbからなる群から選択された少なくとも一つの元素を合計でX原子%含有し、残部がMgからなり、下記式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするマグネシウム合金。
(1)0.2≦[Zn(原子%)]≦5.0
(2)0.2≦[RE(原子%)]≦5.0
(3)2[Zn(原子%)]−3≦[RE(原子%)]
(4)0.05[RE(原子%)]≦[X(原子%)]<0.75[RE(原子%)] - 請求項6において、
GdおよびTbの両方の元素を合計でRE原子%含有することを特徴とするマグネシウム合金。 - 請求項6または7において、
前記マグネシウム合金は、長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相およびhcp構造マグネシウム相を有する結晶組織を具備することを特徴とするマグネシウム合金。 - 請求項8において、
前記長周期積層構造または最密原子面積層欠陥を含む相の少なくとも一部が湾曲又は屈曲していることを特徴とするマグネシウム合金。
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