JP2011195794A - 感熱接着剤および感熱接着ラベル - Google Patents

感熱接着剤および感熱接着ラベル Download PDF

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Abstract

【課題】熱ローラーなどを用いて加熱、加圧して貼着する際に、被着体の耐熱温度が低い場合にも、被着体の熱変形などを起こすことなく強固な熱接着を行うことができる感熱接着剤、およびこの感熱接着剤を接着層として用いた、例えば自動車用サンバイザのコーションラベルなどの感熱接着ラベルを提供する。
【解決手段】感熱性ラベル1は、剥離シート4上に、ガラス転移点30℃以下、水酸基価0.1〜20KOHmg/g、数平均分子量10,000〜100,000のポリエステルウレタン樹脂が多官能メラミン樹脂あるいは多官能イソシアネート樹脂にて架橋された感熱接着剤層3、ポリエステルフィルムなどの基材フィル2、さらに基材フィルム上の印刷層5からなる。印刷層上には、必要に応じ、保護層、アプリケーションシートが設けられてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、低温での加熱加圧接着性に優れた感熱接着剤およびこの感熱接着剤を用いた感熱接着シート、感熱接着ラベル、さらには感熱接着ラベルが貼着された自動車用サンバイザに関する。より詳細には、自動車などの車両に取り付けられるサンバイザなど、低温での加熱、加圧によって変形してしまうような基材あるいは骨組みに取り付けられた低温で容易に熱変形する表皮材に、表皮材、基材あるいは骨組みの熱変形を与えることなく良好に加熱、加圧接着することのできる感熱接着シート、感熱接着ラベルおよびこれら感熱接着シート、感熱接着ラベルに用いられる感熱接着剤、感熱接着ラベルが貼着された自動車用サンバイザに関する。
自動車の内部でフロントガラスの上方に取り付けられる自動車用のサンバイザには、エアバッグなどに関する使用説明や図柄などが表記されている。これらの注意書き表記は、サンバイザ上に直接印刷するあるいはラベルを貼付することなどにより行われており、このような注意書きを表記したラベルはコーションラベルともいわれている。このような注意書きは、自動車の安全性に関する説明である関係上、簡単に剥がれたり、子供らが簡単に剥がすことができるものであってはならない。また、例えばラベルの剥がれなどによりこの表記が欠如した場合、この表記の欠如を理由に、後日過失責任を問われるおそれもある。
自動車用のサンバイザは、通常、プラスチック製の骨組みに梨地状シートや発泡シート、あるいは織布などからなる表皮シートが組み付けられて作製されており、これら表皮シートは表面に細かい凹凸があることから、通常の印刷での対応は難しい。また感圧接着ラベルを用いることも考えられるが、通常の感圧接着ラベルは加熱しても母材(被着体またはラベル材)破壊に繋がるような接着性が出ず、故意に剥がそうとすると母材破壊なく比較的容易に剥がすことができる。このため、現状では、サンバイザに注意書きを表記する際には、電子印刷法、直接スクリーン印刷法、注意書き印刷シート片の高周波融着法、熱転写ラベルを加熱・加圧して転写する方法など、特殊な印刷法を用いたり、容易には注意書きが剥がれないような方法によりラベルを貼り付けるなどして、注意書き表記が行われている。
これら従来行われている注意書き表記方法のうち、電子印刷法は、表皮シート地にスクリーンを通してトナーを模様付けし、次に速乾性溶剤を吹き付けてトナーを溶剤溶着するあるいは近赤外線などにより熱溶着する方法である(例えば特許文献1参照)が、この方法は、単色印刷は行えるものの多色刷りはできず、また溶剤溶着では有害な溶剤の使用が必要である。そのうえ電子印刷法によっては鮮明な印刷ができず、特にエンボス加工した凹凸面では不鮮明になり、布シート地に印刷することも困難である。
一方、スクリーン印刷法は、表皮シート地に直接スクリーン印刷するため、多色刷りが作業上困難であるし、また柔軟で凹凸のある表皮素材に適用することが難しく、表皮素材に応じて表面を平らにするための熱加工が必要となる。
高周波融着法は、あらかじめ注意書きなどをスクリーン印刷したビニールシートを用い、該シートを所定の寸法に裁断した後に表皮シート上に高周波で熱融着するもので、シート片の融着は表皮シート地の裏側から行うことが必要であり、このため該シート片の位置ずれが起こり易いという問題がある。また、融着したシート片は、厚みを有するうえに表皮シート地と素材が異なるので違和感があり、しかも表面を光沢処理していることにより、光の反射によって印刷文字が読みにくくなるという問題がある。
これに対し、熱転写ラベル(感熱接着ラベル)を加熱・加圧し転写する方法は、感熱接着ラベルを表皮シート地に加熱、加圧することにより、シート地にラベルを貼付するもので、前記電子印刷法、スクリーン印刷法、高周波融着法などが有する問題がなく、またサンバイザの表皮に容易且つ鮮明に注意書きなどを表示することができることから、現在広く用いられている方法である(例えば特許文献2参照)。しかし、従来のサンバイザ用感熱接着ラベルは常温ではタックがなく、熱活性温度が高いため表皮材単独で120℃以上の加熱とサンバイザ表皮のシボを潰す程度の圧力で接着する必要があった。このため形状断裁したサンバイザ表皮材に熱接着ラベルを位置決めし、加熱加圧を行い接着した後、サンバイザの骨組みに形状加工した表皮材を組み付けて端部を引っ張りながら熱融着し組み付ける作業を行っている。このため、折角所定の位置に位置決めしたものが組み付け作業時の表皮変形によるズレが発生し、組み付け後に所定の位置からずれる場合がある。また、これを避けるために組み付けた後のサンバイザに上記と同様の圧力と熱を加えると、従来サンバイザの表皮材として広く用いられている塩ビ系樹脂は熱変形温度が80℃程度と低く、塩ビ表層のシボの消失、更にはサンバイザの表皮、骨組みが変形するおそれがある。
いずれにしても、上記従来の方法においては、表皮シート地にまず注意書きなどの表示を形成した後、この表示の形成された表皮シートをサンバイザに組み付けることのできる形状に断裁し、これをサンバイザ骨組みに組み付けて所定の注意書きが表示されたサンバイザを得るという工程が必要である。このため、あらかじめ表示された表皮材を準備在庫する必要があり、準備しておかない場合は、発注後上記の工程を初期から行うため、工数が掛かり、短納期での対応が困難である。また、サンバイザ表皮は柔軟で変形しやすいため、組み付け時に変形し所定の位置から表示がずれ易いという問題もあった。
特開2003−267050号公報 特開2002−19464号公報
本発明は上記従来の問題点を解決するべくなされたものであり、表皮材が組み付けられたサンバイザなどの被着体に直接位置決めすることができ、熱ローラーなどを用いての80℃程度以下の低温かつ低圧での加熱、加圧により表皮材などの被着材に強固に熱接着される感熱接着剤、およびこれを用いた感熱接着シートならびに感熱接着ラベル、さらには感熱接着ラベルが貼着された自動車用サンバイザを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記特性に加え、常温において極めて弱い初期接着強度を有し、これによりラベルなどの仮着ができ、ラベルなどの位置決めおよび調整を容易に行うことのできる感熱接着剤およびこれを用いた感熱接着シートならびに感熱接着ラベルを提供することを目的とするものである。
また本発明は、骨組みに表皮材が組みつけられた自動車用サンバイザなどの表皮材上に、表皮材や骨組みの変形なく強固に加熱、加圧接着することのできる感熱接着ラベルおよびこの感熱接着ラベルに適した感熱接着剤を提供することを目的とするものである。
本発明は、骨組みに表皮材として布が組みつけられた自動車用サンバイザに対して、骨組みの変形なく且強固に加熱、加圧接着することのできる感熱接着ラベルおよびこの感熱接着ラベルに適した感熱接着剤を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、感熱接着ラベル材上に規定の使用説明などの印刷層が設けてなるコーションラベル材を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記感熱接着ラベルの接着された自動車用サンバイザを提供することを目的とするものである。
本発明者は、鋭意研究、検討を行った結果、特定の物性を有するポリエステルウレタン樹脂に架橋剤を配合して架橋させることにより得られた感熱接着剤およびこれを用いた感熱接着シート、感熱接着ラベルにより上記目的が達成できることを見出し、本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(10)の感熱接着剤、感熱接着シート、感熱接着ラベル、感熱接着コーションラベル、自動車用サンバイザに関する。
(1)ガラス転移点30℃以下かつ水酸基価が0.1〜20KOHmg/gの数平均分子量10000〜100000のポリエステルウレタン樹脂が多官能メラミン樹脂あるいは多官能イソシアネート樹脂にて架橋された架橋ポリエステルウレタン樹脂からなることを特徴とする感熱接着剤。
(2)前記ポリエステルウレタン樹脂を架橋することのできる架橋剤が、前記ポリエステルウレタン樹脂の水酸基価の当量以下配合されることを特徴とする上記(1)に記載の感熱接着剤。
(3)常温(23℃)での塩化ビニル樹脂に対する接着力が、0.5〜2.0N/25mmの90度ピール接着力である上記(1)または(2)に記載の感熱接着剤。
(4)剥離材、感熱接着剤層および基材フィルムから構成される感熱接着シートにおいて、該感熱接着剤層が上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感熱接着剤からなることを特徴とする感熱接着シート。
(5)剥離材、感熱接着剤層および基材フィルムから構成される感熱接着シートにおいて、該感熱接着剤層が上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感熱接着剤からなることを特徴とする感熱接着ラベル。
(6)上記(5)に記載の感熱接着ラベルにおいて、感熱接着剤層が設けられた基材フィルムの面と反対の面に印刷層が設けられてなることを特徴とする感熱接着ラベル。
(7)上記(6)に記載の感熱接着ラベルにおいて、印刷層上に保護層がさらに設けられていることを特徴とする感熱接着ラベル。
(8)感熱接着ラベルを被着体に貼付する作業を補助する貼付補助部材(アプリケーションシート)がさらに積層されていることを特徴とする上記(6)または(7)に記載の感熱接着ラベル。
(9)上記(6)〜(8)のいずれかに記載の感熱接着ラベルにおいて、該ラベルが自動車用サンバイザのコーションラベルであることを特徴とする感熱接着ラベル。
(10)上記(9)に記載の感熱接着ラベルを貼付した自動車用サンバイザ。
本発明の感熱接着剤は、低温での加熱、加圧により被着体に強固に接着する。このため、例えば、従来のサンバイザ用感熱接着ラベルは熱活性温度が高いため表皮材単独で150℃以上の加熱とサンバイザ表皮のシボを潰す程度の圧力で接着する必要があったが、本発明の感熱接着ラベルにおいては、サンバイザの表皮材として広く用いられている塩ビ樹脂フィルムの熱変形温度以下の温度である80℃以下の温度での加熱、加圧により、サンバイザのシボを潰すことなく、また骨組みなどの変形なくサンバイザの表面にコーションラベルを強固に貼着することができる。したがって、本発明の感熱接着剤は従来の感圧接着剤では不可能であった高接着性を、サンバイザ本体を傷めることのない低温低圧で発現することができるし、表皮材を組みつけたサンバイザ本体に美観や耐久性に優れた使用説明を容易に表記できる。
また、従来のサンバイザ用感熱接着ラベルは常温でタックがないが、本発明の感熱接着ラベルは、常温で極めて小さいが初期接着性を有しており(例えば、感熱接着ラベルを塩ビ樹脂面に貼付した後1分以内の90度ピール接着力が、0.5〜2.0N/25mm)、ラベルを被着体に仮着することができ、また仮着後剥離して貼り直すこともでき、このため貼り付け位置を容易に修正して、本来予定していた箇所に正確にラベルを貼り付けることが可能となる。
また、従来、サンバイザ用感熱接着ラベルにおいては、サンバイザの骨組みに表皮材を組み付ける前に、表皮材に印刷あるいはコーションラベルを熱接着し、こうして作製されたサンバイザ用表皮材を用いてサンバイザを組み付けていたため、作業時の表皮変形などによるズレが発生し、組み付け後に所定の位置からずれる場合があった。また、サンバイザの組み立てのためには、印刷されたあるいはコーションラベルの熱貼着された表皮材を予め作製して、ストックしておく必要があったが、本発明の感熱接着ラベルは、表皮材を骨組みに組み付けた後、表皮材に簡単かつ正確に位置決めし熱接着することができることから、歩留まりの向上並びに作業効率向上を図ることができるとともに、印刷された表皮材あるいはコーションラベルの熱貼着された表皮材を予め作製することが必要とされないことから、短納期の発注に対応するための予備在庫を少なくでき、また短期での納期に簡単に対応することができる利点がある。
さらに、本発明の感熱接着剤は、初期接着性が極めて小さいことから、貼付時に発生するエア咬み現象が起こりにくいだけでなく、スキージで押さえることで巻き込まれた空気が容易に排出できる。したがって、本発明の感熱接着剤を用いることにより、熟練を要することなく、短時間で正確な位置に感熱接着ラベルを貼付することが可能になるなど、作業性の効率が極めて高くなる。
本発明の感熱接着ラベルの基本構造を示す模式的断面図である。 本発明の感熱接着ラベルを、接着のため自動車用サンバイザに位置決めする工程を説明する第一説明図である。 本発明の感圧接着ラベルを、自動車用サンバイザに加熱加圧接着する工程を説明する第二説明図である。
1 感熱接着ラベル
2 基材フィルム
3 感熱接着剤層
4 剥離シート
5 印刷層
6 自動車用サンバイザ
7 凹凸表面層
8 加熱圧着機
9 加熱ローラー
本発明の感熱接着剤は、ガラス転移点が30℃以下、水酸基価が0.1〜20KOHmg/g、数平均分子量が10,000〜100,000のポリエステルウレタン樹脂を多官能メラミン樹脂あるいはポリイソシアネート化合物にて架橋した架橋ポリエステルウレタン樹脂からなることを特徴とするとする。以下、本発明の感熱接着剤を構成する成分について、詳細に説明する。
(ポリエステルウレタン樹脂)
本発明の感熱接着剤において用いられる前記ポリエステルウレタン樹脂は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとをポリエステルポリオールの水酸基が過剰の比率で反応させることによって得られる溶剤可溶性の樹脂で、1分子中に2個以上の水酸基を有していることが好ましい。
上記ポリエステルウレタン樹脂を製造する際に用いられるポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させることにより得られる、1分子中に2個以上の水酸基を有する樹脂である。このポリエステルポリオールの製造出発物質である多塩基酸としては、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸、および、ブタントリカルボン酸、トリカルバリル酸、クエン酸等の脂肪族多塩基酸が挙げられる。本発明においては、多塩基酸として脂肪族二塩基酸のみが用いられてもよいが、脂肪族二塩基酸を主成分とし、これに小割合の芳香族多塩基酸あるいは脂肪族多塩基酸を配合したものが用いられてもよい。またこれら二塩基酸あるいは多塩基酸は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、多価アルコールとしては、2価のアルコールあるいは3価以上の多価アルコールなど1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物が用いられる。2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が、また3価以上の多価アルコールとしては、脂肪族グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。本発明においては、多価アルコールとして2価のアルコールのみが用いられてもよいし、2価のアルコール、例えば脂肪族グリコールを主成分とし、これに小割合の多価アルコールを配合して用いてもよく、脂肪族グリコールを主成分とするものが好ましい。これら2価のアルコールあるいは多価アルコールは1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
さらに、ポリエステルポリオールとして、カプロラクトンの開環反応によって得られるポリエステルポリオール化合物が使用されてもよい。
他方、上記ポリエステルポリオールと反応せしめられるポリイソシアネート化合物は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートおよびトリメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートおよびビフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;等が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物との反応には、通常のウレタン化反応の反応条件を広く適用することができる。
本発明では、ガラス転移点が30℃以下で、かつ水酸基価が0.1〜20KOHmg/g、数平均分子量が10,000〜100,000のポリエステルウレタン樹脂が用いられるが、ガラス転移点が30℃を超えると、接着層と被着体との密着性が低下し24時間後の接着強度が不十分となる。一方、水酸基価が0.1未満であると十分な架橋性が得られないし、20を越えると初期接着性が強くなり、貼り付け作業性が劣ることになる。また数平均分子量が10,000未満では、凝集力が小さく経時若しくは加熱後の接着強度(保持性)が不十分で、貼付した感熱接着ラベルのずれや糊のはみ出しなどの問題を引き起こし、数平均分子量が100,000を超える場合は、溶液粘度が高くなり、塗工性が悪くなる。したがって、上記ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物との配合割合は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物の構造、特性に応じ、上記のようなポリエステルウレタン樹脂が得られる配合比とされる。
上記特性を有するポリエステルウレタン樹脂はそれ自体公知であり、例えば、バイロンUR−3200、3500あるいは8700(東洋紡製、商品名)などとして市販もされている。
(架橋剤)
架橋剤としては、ポリエステルウレタン樹脂残存水酸基に対し反応し、これを架橋させる多官能架橋剤、例えば多官能メラミン樹脂、多官能イソシアネート樹脂などの従来既知の架橋剤のいずれをも使用することができるが、多官能メラミン樹脂、多官能イソシアネート樹脂が好ましい。
多官能メラミン樹脂を架橋剤として用いる場合、ポリエステルウレタン樹脂の残存水酸基に対し当量以下の範囲で添加し、リン酸、リン酸エステル等の酸性触媒存在下にて剥離紙などの剥離シート若しくは基材フィルムに所定量塗布し、加熱乾燥してメラミン架橋反応を起こさせることで、架橋することができる。多官能メラミン樹脂としては、ハイソリッド完全アルキル型、メチロール基型、イミノ型、メチロール−イミノ基型メラミン樹脂が挙げられる。本発明で用いるメラミン樹脂は、用いる材料(剥離紙若しくは基材フィルム)の耐熱性から、低温架橋性であることが好ましい。このため、中でもイミノ基含有メラミン樹脂が好ましい。イミノ基含有メラミン樹脂のイミノ基は1分子中に2個以上であることが好ましい。このようなイミノ基含有メラミン樹脂はそれ自体既知であり、例えば、「サイメル701」(サイテックス製、商品名)などとして市販もされている。
架橋剤として多官能イソシアネート樹脂を用いる場合、メラミン樹脂と同様に多官能イソシアネート樹脂をポリエステルウレタン樹脂の残存水酸基に対し当量以下の範囲で配合し、剥離紙若しくは基材フィルムに所定量塗布し、加熱乾燥した後室温1週間エージングすることで架橋することができる。本発明に用いられる多官能イソシアネート樹脂としては、前記したポリイソシアネート化合物およびそれらのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、またはイソシアヌレート環を有する3量体等が挙げられ、さらに必要に応じてウレタン化触媒としてジブル錫ジラウレート、四級アミンなど公知の触媒を使用することもできる。
また、本発明の感熱接着剤には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤などの各種添加剤を含有させることができる。これら添加剤の含有量は、その種類に応じて適宜の量とすればよい。
例えば、酸化防止剤としては、従来感熱接着剤のための酸化防止剤として知られたものであればいずれのものであってもよく、特に限定されないが、フェノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系)、硫黄系、リン系等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、サリチレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系が挙げられるが、特に紫外線吸収効果の点から、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適である。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系等の光安定剤を使用することができる。
本発明の感熱接着シート、感熱接着ラベルは、上記感熱接着剤を接着剤層に用いて製造される。本発明の感熱接着ラベルの基本的層構成を、図1に示す。なお、感熱接着シートの基本層構成も図1と同様のものである。図1に示されるように、感熱接着ラベル1は、基本的に、基材フィルム2、本発明の感熱接着剤からなる感熱接着剤層3、および剥離紙、剥離フィルムのような剥離シート4の積層体により構成される。基材フィルム上の感熱接着剤層と反対側には、必要に応じ、さらに印刷層5などの表示層が形成されてもよいし、表示層上には更に保護層などが形成されていてもよい。
本発明の感熱接着ラベルの基材フィルム2としては、従来感熱接着ラベルの基材として知られた基材フィルムの任意のものを用いることができる。このような基材フィルムの例としては、例えば、塩化ビニル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、(メタ)アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、熱可塑性ポリウレタンフィルム、ポリアミドフィルム、紫外線硬化フィルムなどが挙げられる。基材フィルムは2種以上のフィルムが積層された積層フィルムであってもよい。
基材フィルムには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料などの着色剤などの各種添加剤が配合されてもよい。これらの添加剤は、その種類に応じて適宜の量で用いられる。
これら添加剤についてさらに説明すると、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤としては、感熱接着剤への添加剤で説明したと同様のものが挙げられる。
帯電防止剤は特に限定されないが、四級アミン塩単量体等が挙げられる。四級アミン塩単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩化物、p−ジメチルアミノスチレン四級塩化物、およびp−ジエチルアミノスチレン四級塩化物等が挙げられ、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級塩化物が好適に用いられる。
難燃剤としては特に限定されず、例えば、臭素系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤、メラミンシアヌレート、尿素、メラミン誘導体等を含むトリアジン環含有化合物、芳香族ポリフォスフェート等のリン酸エステル等の有機系難燃剤が挙げられる。
着色剤としては、有機系顔料、無機系顔料、染料、カーボンブラック等、公知あるいは周知の着色剤のいずれをも使用することができる。色は任意であり、例えば、白、アイボリー、黒、赤、青、黄、緑等とすることができる。フィルム基材を多層構造とした場合には、全ての層に着色剤を入れてもよく、又は一部の層のみ着色剤を入れてもよい。顔料の例を挙げると、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、縮合アゾ系、アゾレーキ系、アンスラキノン系、ペリレン・ペリノン系、インジゴ・チオインジゴ系、イソインドリノン系、アゾメチンアゾ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、アニリンブラック系、トリフェニルメタン系、カーボンブラック系等の有機顔料、酸化チタン系、酸化鉄系、水酸化鉄系、酸化クロム系、スピネル型焼成系、クロム酸系、クロムバーミリオン系、紺青系、アルミニウム粉末系、ブロンズ粉末系等が挙げられる。これらの顔料はいずれの形態でもよく、又、これらの顔料は種々公知の方法によって各種の分散処理が施されたものであってもよい。
図1では、基材フィルム2上には、印刷層が施されているが、基材フィルムが着色されている場合、印刷を行うことなく基材の色を生かしたラベルとしてもよい。また印刷層は多色印刷層とされてもよい。着色印刷インクを用いて文字や絵柄等の装飾模様を形成する場合、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等、公知の印刷方法を用いることができる。また、装飾表示のため、金属などを真空メッキ(真空蒸着、スパッタリングやイオンプレーティングなど)により薄膜塗布して、装飾層としてもよい。さらに、印刷層と装飾層の組合せとされてもよい。
これら印刷層、装飾層は、基材フィルムの感熱接着剤層と基材フィルムとの間に設けられてもよい。このような基材フィルムの粘着剤層面に設けられる印刷層、装飾層層は、基材フィルムの粘着剤層と反対の面に設けられる印刷層、装飾層と同様の印刷層あるいは装飾層であってもよい。また基材フィルムの粘着剤層面にエンボスを熱や圧力によりスタンプしたり、紫外線などで硬化する樹脂を塗布後に型と貼り合わせ、紫外線などを照射して微細なエンボスを転写した後、真空メッキを行うことにより、ホログラム模様やヘアライン模様などが施されたものであってもよい。基材フィルムへの微細模様の形成、あるいは紫外線などで硬化する樹脂層への微細模様の形成は基材フィルムの粘着剤層側に形成することが好ましいが、基材フィルムの表面側(粘着剤層と反対面)に形成されてもよい。
また、本発明の感熱接着ラベルの保護層としては、保護クリヤ層や保護フィルム層が設けられてもよい。保護クリヤ層は、一般の印刷インク用合成樹脂が使用できる。具体的には、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース樹脂、エチルセルロース、塩化ゴム樹脂等が挙げられる。特に好ましくは、透明性がよく、耐溶剤性に優れたポリアクリルポリオールまたはポリエステルポリオールの単独または混合樹脂に対し、ポリイソシアネート系架橋剤を混合し、反応するポリウレタン系二液型硬化樹脂、アクリレートモノマー、オリゴマーを主成分とする紫外線硬化型アクリル系樹脂等が使用できる。
また、保護層として透明保護フィルム層が設けられてもよい。保護フィルムは感熱接着剤層により印刷層上に貼着される。保護フィルムとしては、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリウレタンフィルム、(メタ)アクリルフィルム、ポリフッ化エチレンフィルムなどの透明材が挙げられる。膜厚は、通常、50μm以下のものが用いられる。また、感熱接着剤層を構成する感熱接着剤としては、本発明の感熱接着剤を用いることが好ましいが、従来周知あるいは公知の感熱接着剤であってもかまわない。
さらに、必要に応じ、感熱接着ラベルを被着体に貼付する作業を補助する貼付補助部材(アプリケーションシート)がさらに積層されてもよい。アプリケーションシートは、ポリオレフィン、ポリエステル、塩化ビニル等の基材フィルムとアクリル、ゴム、ポリエステル、ポリウレタン等の粘着剤から構成された従来公知あるいは周知のものを任意に用いることができる。
本発明の感熱接着ラベルは、まず感熱接着シートを形成し、必要に応じて印刷などを施した後、ラベル状に打ち抜く、あるいは剥離シートまでのハーフカットがなされて、ラベルとされる。感熱接着シートは、一般的には、基材フィルムが、耐熱性や耐溶剤性、強度などの低いフィルムや延伸性のフィルム、例えば塩化ビニル系フィルム、ポリウレタンフィルム、ポリオレフィン系フィルムなどの場合は、剥離シート上に本発明の感熱接着剤が塗布されて感熱接着剤層が形成された後、この感熱接着剤層と基材フィルムが貼り合わされることにより形成される。また、基材フィルムがポリエステルフィルムなどの耐熱性や耐溶剤性、強度などの高いフィルムの場合は、直接感熱接着剤組成物をフィルム上に塗布し、乾燥して感熱接着剤層を形成した後、剥離紙や剥離フィルムなどの剥離材を貼り合わせて感熱接着シートとすることができる。
本発明の感熱接着ラベルの被着体への貼付は、手工的に、あるいは機械的に行うことができる。本発明の感熱接着ラベルは、常温で微粘着性を有することから、被着体表面の所定位置にラベルを仮貼付することができる。また、貼付位置が所定の位置でない場合には、ラベルを剥がし、再度所定位置に貼り直すことができる。このため、ラベルの被着体への正確な位置決めを簡単に行うことができる。本発明の感熱接着ラベルの被着体への貼付を図2、3により説明する。図2は本発明の感熱接着ラベルを、接着のため自動車用サンバイザに位置決めする工程を説明する第一説明図であり、本発明の感熱接着ラベルが仮着された状態の自動車用サンバイザの平面図(上図)および断面図(下図)の模式図が示されている。また、図3は、自動車用サンバイザのシボ表面に仮着された本発明の感圧接着ラベルを、自動車用サンバイザに加熱、加圧接着する工程を説明する第二説明図である。なお、図2、3では、自動車用サンバイザへの感熱接着ラベルの貼付方法を示しているが、被着体は自動車用サンバイザに限られるものではない。
まず、図2を参照するに、剥離シート(剥離紙)が剥離された感熱接着ラベル1の感熱接着剤層3が、自動車用サンバイザ6のシボを有する凹凸表面7の所定位置に押圧して貼りつけられて、ラベルが仮着され、図2の状態とされる。本発明の感熱接着ラベルの感熱接着剤層は微粘着性を有することから、自動車用サンバイザのシボ表面にラベルを仮着することができる。ラベルの位置が所定位置からずれていれば、感熱接着ラベルを剥離し、再度所定位置に貼付することができる。ラベルが所定位置に仮着された後、図3に示されるように、ラベル上部から加熱加圧機8の加熱ローラー9を用いて、ラベルが被着体である自動車用サンバイザ6の表面に加熱加圧接着される。加熱温度は、サンバイザの表皮材が塩ビ樹脂である場合には、通常、60〜80℃程度で行うことができ、またその際の圧力は、被着体の材質、凹凸の程度などによって異なるものの、0.1〜0.2N/cm2程度で行うことができる。また、加熱手段としては、加熱ローラー、熱プレス機など任意のものを使用することができる。これにより、表皮材のシボを残した状態で、かつ骨組みなどの変形なく、ラベルを貼付することができる。また、貼付されたラベルは、容易に剥離せず、無理に剥がそうとすると、サンバイザの表皮材の破損、あるいはラベルの基材フィルムの破損が伴うような強固な接着となる。
本発明のラベルは、低温から高温のいずれの温度においても、また塩ビ樹脂、ポリエステル、ポリアミドなど種々の樹脂、布などに対する接着性に優れていることから、従来感熱接着ラベルが用いられていた分野の何れのものにも使用することができるが、80℃程度以下の低温においてもこれら被着体材料との接着性が良好であることから、被着体が、感熱接着ラベルを被着体に貼付する際に通常利用される加熱温度(例えば、100〜150℃程度)において熱変形するようなものに対して、好適に使用することができる。また本発明の感熱接着ラベルは、小さな凹凸のシボのある被着体、布等にもよく馴染み浮きが発生しにくい。このため、80℃程度の温度を超える温度での加熱加圧接着により熱変形が見られるような被着体、例えば自動車用サンバイザのコーションラベルなどとして特に適している。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
ガラス転移点(Tg)−3℃、水酸基価3KOHmg/g、数平均分子量約40,000のポリエステルウレタン樹脂(バイロンUR−3200、東洋紡製)100重量部にメラミン樹脂(サイメル701、サイテックス製)を2重量部、酸触媒としてリン酸を0.2重量部配合し、感熱接着剤用組成物とした。これをシリコーン剥離紙上に、乾燥膜厚30μmになるように塗布し、100℃で10分乾燥後、伸張率が120%以上、厚み50μmの透明塩ビ樹脂フィルムと貼りあわせて感熱接着シートを作製した。
得られたシートを用い、小さな凹凸のシボがある塩ビレザー(最大深さ(Ry)=200μm、十点平均荒さ(Rz)=100μm)、ポリエステルからなる起毛タイプのニット材(起毛材)、ポリエステルからなる起毛のないファブリックタイプのニット材(ファブリック材)の3種類の表皮材をそれぞれ被覆したサンバイザを被着体として、下記試験1により加熱接着前の接着性(90度ピール接着力)の試験を行った。結果を表1に示す。
<試験1(加熱接着前の接着性試験:90度ピール接着力)>
シートを25mm幅にカットし、被着体であるサンバイザに貼り合わせ、2kgのローラーで2往復圧着したのち、1分室温(23℃)で放置し、接着力を測定した。測定には「オートグラフAGS−50D型」(島津製作所製)を用い、室温(23℃)の環境温度下、引張り速度300mm/分で90度ピール法により行った。
実施例2
実施例1で得た感熱接着シート表面に、ビニル系インキ(SG700シリーズ、セイコーアドバンス製)でスクリーン印刷を行い、さらにその上にラミネート材を接着し、75mm×60mmに切断してラベルを作製した。
ラミネート材には、ガラス転移点7℃、水酸基価5KOHmg/g、数平均分子量約23,000のポリエステル樹脂(バイロン30SS:固形分30%のトルエン/MEK=80/20溶液、東洋紡製)100重量部に、ポリイソシアネート化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン工業製)を5重量部配合してウレタン変性した樹脂100重量に、メラミン樹脂(サイメル701、サイテックス製)を3重量部、酸触媒としてリン酸を0.3重量部配合し、得られた感熱接着剤組成物を乾燥膜厚が20μmになるように厚み25μmの透明ポリエステルフィルムに塗布し、100℃で10分乾燥した後、剥離紙と貼り合わせ感熱接着シートとしたものを使用した。
得られたラベルを用い、実施例1と同様の、小さな凹凸のシボがある塩ビレザー、起毛材、ファブリック材の3種類の表皮材をそれぞれ被覆したサンバイザを被着体として、下記試験2(加熱接着後の接着性(温度別))及び試験3(経時での接着性)を行った。
<試験2(加熱接着後の接着性(温度別))>
ラベルを被着体にスキージで仮貼りした後、熱ローラーで加熱圧着した。熱ローラーは硬度40°のゴムを使用し、加熱圧着直後のラベル表面の温度が80℃、120℃となるようにロール温度を設定した。加圧は0.2N/cm2とし、ラミネート速度は30mm/秒とした。加熱圧着後、室温(23℃)で10分放置した後、摩擦試験を行った。試験には「学振式摩擦試験機II型」(テスター産業製)を用い、荷重500g、2000回で試験を行った。接着性の評価は、下記評価基準に基づいて、ラベル端部が被着体から剥がれるかどうかで判断した。
(評価基準)
×:2000回以内にラベル端部に剥がれあり
○:ラベル端部に剥がれなし
<試験3(経時での接着性)>
試験2で、加熱圧着直後のラベル表面の温度が80℃となるようにロール温度を設定し、加熱圧着したものを、室温(23℃)で72時間静置した後、試験2と同様の方法で摩擦試験を行うとともに、その接着力も測定した。接着力の測定には「オートグラフAGS−50D型」(島津製作所製)を用い、室温(23℃)の環境温度下、引張り速度300mm/分で90度ピール法により行った。
実施例3
ガラス転移点(Tg)−30℃、水酸基価3KOHmg/g、数平均分子量約32,000のポリエステルウレタン樹脂(バイロンUR−6700、東洋紡製)100重量部にメラミン樹脂(サイメル701、サイテックス製)を10重量部、酸触媒としてリン酸を1重量部配合し、感熱接着剤としたことを除き、実施例1と同様にして、感熱接着シートを作製した。また、得られた感熱接着シートを用い、実施例1と同様にして試験1を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例3で得られた感熱接着シートを用いることを除き、実施例2と同様にして感熱接着ラベルを作製し、実施例2と同様にして試験2および3を行った。結果を表1に示す。
実施例5
ガラス転移点−30℃、水酸基価3KOHmg/g、数平均分子量約32,000のポリエステルウレタン樹脂(バイロンUR−6700、東洋紡製)80重量部に、ガラス転移点10℃、水酸基価10KOHmg/g、数平均分子量約40,000のポリエステルウレタン樹脂(バイロンUR−3500、東洋紡製)を20部、ポリイソシアネート化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン工業製)を5重量部配合し、感熱接着剤としたことを除き実施例1と同様にして、感圧接着シートを作製した。また、得られた感熱接着シートを用い、実施例1と同様にして試験1を行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例5で得られた感熱接着シートを用いることを除き、実施例2と同様にして感熱接着ラベルを作製し、実施例2と同様にして試験2および3を行った。結果を表1に示す。
比較例1
ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AA)=100/2で溶液重合された重量平均分子量約350,000のアクリル共重合体100重量部にポリイソシアネート化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン工業製)0.5重量部を添加して得た感熱接着組成物を用いることを除き実施例1と同様にして、感熱接着シートを作製した。得られた感熱接着シートを用い、実施例1と同様にして試験1を行った。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1で得た感熱接着シートを用いることを除き、実施例2と同様にして感熱接着ラベルを作製し、実施例2と同様にして試験2および3を行った。結果を表1に示す。
比較例3
100μmのポリエステルフィルムに、PET用インキ(EGインキ、帝国インキ製)を裏印刷し、さらにその上にポリアミド系樹脂接着剤(NEWMIDE945、ハリマ化成製)をコーティングし、総厚180μmの感熱接着シートとした。得られた感熱接着シートを用い、実施例1と同様にして試験1を行った。結果を表1に示す。
比較例2で得た感熱接着シートを用いることを除き、実施例2と同様にして感熱接着ラベルを作製し、実施例2と同様にして試験2および3を行った。結果を表1に示す。
Figure 2011195794
表1から、次のことが分かる。すなわち、
1.本発明の感圧接着ラベルは、80℃程度の加熱温度で高い接着性を示し、細かい凹凸のシボがある塩ビレザーや一般的には着きにくいとされる布素材にも強固に接着することができる。
2.サンバイザ本体の骨組みを壊さない程度の加圧で容易に接着できる。
3.加熱前に若干の接着性があり、ラベルを被着体に仮貼りできるため、加熱接着後にラベルの位置ズレが起きにくい。
4.加熱時の接着が甘かった場合(実施例1:ファブリック材)でも、経時で強い接着性が出るため、時間を置くことで被着体に強固に接着することができる。
5.低い加熱温度と加圧で容易に被着体へ強接着できるため、工数の削減、短納期発注に対応するための予備在庫の削減ができる。
6.加熱加圧によるラベルの変色、被着体の変形、貼り工程時のラベルの位置ズレが起こりにくいため、外観の良好な被着物を得ることができる。

Claims (10)

  1. ガラス転移点30℃以下かつ水酸基価が0.1〜20KOHmg/gの数平均分子量10000〜100000のポリエステルウレタン樹脂が多官能メラミン樹脂あるいは多官能イソシアネート樹脂にて架橋された架橋ポリエステルウレタン樹脂からなることを特徴とする感熱接着剤。
  2. 前記ポリエステルウレタン樹脂を架橋することのできる架橋剤が、前記ポリエステルウレタン樹脂の水酸基価の当量以下配合されることを特徴とする請求項1に記載の感熱接着剤。
  3. 常温(23℃)での塩化ビニル樹脂に対する接着力が、0.5〜2.0N/25mmの90度ピール接着力である請求項1または2に記載の感熱接着剤。
  4. 剥離材、感熱接着剤層および基材フィルムから構成される感熱接着シートにおいて、該感熱接着剤層が請求項1〜3のいずれかに記載の感熱接着剤からなることを特徴とする感熱接着シート。
  5. 剥離材、感熱接着剤層および基材フィルムから構成される感熱接着シートにおいて、該感熱接着剤層が請求項1〜3のいずれかに記載の感熱接着剤からなることを特徴とする感熱接着ラベル。
  6. 請求項5に記載の感熱接着ラベルにおいて、感熱接着剤層が設けられた基材フィルムの面と反対の面に印刷層が設けられてなることを特徴とする感熱接着ラベル。
  7. 請求項6に記載の感熱接着ラベルにおいて、印刷層上に保護層がさらに設けられていることを特徴とする感熱接着ラベル。
  8. 感熱接着ラベルを被着体に貼付する作業を補助する貼付補助部材(アプリケーションシート)がさらに積層されていることを特徴とする請求項6または7に記載の感熱接着ラベル。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の感熱接着ラベルにおいて、該ラベルが自動車用サンバイザのコーションラベルであることを特徴とする感熱接着ラベル。
  10. 請求項9に記載の感熱接着ラベルを貼付した自動車用サンバイザ。
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