JP2011193931A - Danceタンパク質含有組織再生用基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、DANCEタンパク質を安定に保持できるDANCEタンパク質含有組織再生用基材、その製造方法、該基材を用いた弾性線維組織を含有する培養皮膚の製造方法等を提供する。
【解決手段】架橋されたコラーゲンスポンジにDANCEタンパク質含有コラーゲン溶液を含浸させ、その後に凍結乾燥することを特徴とする、DANCEタンパク質含有組織再生用基材の製造方法等に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、DANCEタンパク質を含有する組織再生用基材及びその製造方法に関する。
ヒトの生体組織の中でも肺や血管、皮膚等の組織は、弾性、伸縮性に富んだ組織であるが、加齢とともに血管が硬くなる、あるいは皮膚がたるむといった生体組織の弾性が失われていく加齢現象が生じる。これは、生体組織に存在する弾性線維という、ゴムのような柔軟性と弾力を有する線維組織が劣化してしまうためであると考えられている。この弾性線維は、劣化・分解しても再生されることはないとされており、このような弾性線維の再生についての研究が数多くなされている。
近年、弾性線維の形成能を有する細胞の無血清培養において、DANCE(developmental arteries and neural crest epidermal growth factor(EGF)−like;fibulin−5ともいう)という分泌蛋白質を加えることにより効率よく弾性線維を再生できることが見出された(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このDANCEタンパク質を安定に保持できる形態については十分に研究がなされておらず、その取り扱い性が非常に困難であった。そのため、これまでDANCEタンパク質を安定に保持できる基材を用いて、無血清培地中で弾性線維組織が再生された報告例はない。
国際公開第2006/082763パンフレット
本発明は、DANCEタンパク質を安定に保持できるDANCEタンパク質含有組織再生用基材及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、当該基材を足場として、弾性線維組織を効率的に再生させた培養皮膚の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、DANCEタンパク質を安定に保持することができる基材に細胞を播種して培養することにより、弾性線維組織が効率的に再生された培養皮膚が作製できることを見いだした。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のDANCEタンパク質含有組織再生用基材、その製造方法等を提供する。
項1.DANCEタンパク質含有組織再生用基材の製造方法であって、架橋されたコラーゲンスポンジにDANCEタンパク質含有コラーゲン溶液を含浸させ、その後に凍結乾燥することを特徴とする製造方法。
項2.前記DANCEタンパク質含有コラーゲン溶液中、DANCEタンパク質の濃度が1〜10,000ng/mlであり、コラーゲンの濃度が0.1〜1重量%である項1に記載の製造方法。
項3.前記DANCEタンパク質含有コラーゲン溶液がさらにムコ多糖類を含有する項1又は2に記載の製造方法。
項4.項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されるDANCEタンパク質含有組織再生用基材。
項5.弾性線維組織を含有する培養皮膚を構築するために用いる項4に記載のDANCEタンパク質含有組織再生用基材。
項6.DANCEタンパク質を含有する、弾性線維組織を含有する培養皮膚構築用基材。
項7.弾性線維組織を含有する培養皮膚の製造方法であって、項4に記載のDANCEタンパク質含有組織再生用基材に皮膚細胞を播種し培養することを特徴とする製造方法。
項8.項7に記載の方法で製造される弾性線維組織を含む培養皮膚。
項9.弾性線維組織を含有する皮膚を再生する方法であって、項4に記載のDANCEタンパク質含有組織再生用基に皮膚細胞を播種し培養することを特徴とする再生方法。
本発明で用いられるDANCEタンパク質含有組織再生用基材は、DANCEタンパク質を安定に保持することができる。また、該基材からDANCEタンパク質を徐放することも可能である。ムコ多糖類を加えることにより、DANCEタンパク質の徐放性のスピードをコントロールすることもできる。該DANCEタンパク質含有基材に、細胞を播種し、培養して得られる培養皮膚では効率よく弾性線維組織を再生できる。
実施例1の方法で作製した基材を用いて、実施例2で作製された培養皮膚について、EVG(Elastica Van Gieson)染色法を用いて弾性線維組織の存在を評価した像である。 図1の組織切片像のうち四角で囲んだ部分の拡大像である。 比較例1の方法で作製した基材を用いて、比較例2で作製された培養皮膚について、EVG(Elastica Van Gieson)染色法を用いて弾性線維組織の存在を評価した像である。 図3の組織切片像のうち四角で囲んだ部分の拡大像である。
本発明は、DANCEタンパク質を安定に保持できるDANCEタンパク質含有組織再生用基材およびその製造方法に関するものであって、架橋したコラーゲンスポンジにDANCEタンパク質含有コラーゲン溶液を含浸させ、その後に凍結乾燥することによって作製される基材である。当該基材に線維芽細胞を播種し培養して培養皮膚を構築することができ、また、該培養皮膚を人又は動物に移植することにより、弾性線維組織を含有する皮膚を再生させることができるものである。
以下に、DANCEタンパク質含有組織再生用基材、その製造方法、及び該基材を用いて調製される培養皮膚について詳細に説明する。
1.DANCEタンパク質含有組織再生用基材
DANCEタンパク質含有組織再生用基材は、コラーゲン溶液を凍結乾燥した後に架橋処理することによりコラーゲンスポンジを作製し、これにDANCEタンパク質を含有するコラーゲン水溶液を含浸させた後、さらに凍結乾燥して製造することができる。
コラーゲン溶液に用いられるコラーゲンとしては特に限定はなく、牛、豚等の皮膚や腱等に由来するものを用いることができる。抗原性を排除してより安全性を高める観点から、コラーゲンをプロテアーゼやペプシン等の酵素で処理して、テロペプチドをできる限り除去したアテロコラーゲンが好ましい。アテロコラーゲンには、I〜IV型があるが、適宜選択することができる。
コラーゲン溶液の溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、蒸留水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水(PBS)等を挙げることができる。
コラーゲン溶液におけるコラーゲン濃度としては、0.1〜1重量%程度であることが好ましく、0.1〜0.5重量%程度であることがより好ましい。コラーゲン溶液の濃度が前記範囲にあることで、均一なコラーゲン溶液を作製できるため好ましい。
上記で得られたコラーゲン溶液を凍結乾燥(第1凍結乾燥)して、コラーゲンスポンジを製造する。第1凍結乾燥の条件は、例えば、コラーゲン溶液を-135〜-40℃に冷却して凍結し、−40℃から40℃まで温度を上昇させながら6〜24時間凍結乾燥を行うことができる。得られたコラーゲンスポンジは、熱架橋、化学架橋等の架橋処理をすることにより、生分解速度を遅延させて足場としての機能を発揮させることができる。熱架橋は、例えば、コラーゲンスポンジを、真空乾燥機を用いて100〜150℃程度で6〜24時間程度処理して実施することができる。化学架橋としては、例えば、コラーゲンスポンジをグルタルアルデヒド溶液に浸漬して実施することができる。具体的には、0〜10℃(特に4℃程度)で、0.1〜1%(特に0.2%)のグルタルアルデヒド溶液に1〜50時間(特に3〜15時間)浸漬することによって実施できる。
得られたコラーゲンスポンジの孔径は、通常、0.1〜500μm、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜100μmである。
ついで、架橋を行ったコラーゲンスポンジに、DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液を含浸させた後、凍結乾燥(第2凍結乾燥)することにより本発明のDANCEタンパク質含有基材を得る。
DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液とは、コラーゲンスポンジの製造の項で記載したコラーゲン溶液にDANCEタンパク質を加えて調製される溶液である。ここで、「DANCEタンパク質」とは、fibulin−5とも呼ばれる分泌蛋白質であり、弾性線維を構成する分子であることが知られている。DANCEタンパク質は、ヒト由来のヒトDANCEタンパク質、又は、そのオルソログ、あるいはそれらの変異体(SNP、ハプロタイプを含む)を含む。DANCEタンパク質のオルソログは特に限定されず、例えば任意の動物、好ましくは哺乳動物に由来するものであり得る。哺乳動物としては、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、ウサギ、ラット、ハムスター、モルモット、マウス等が挙げられる。DANCEタンパク質については、例えば、国際公開第2006/082763パンフレット等に記載されている。
DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液におけるDANCEタンパク質濃度は、特に限定されるものではなく、所望の濃度にすることができるが、例えば、1〜10,000ng/mL程度であることが好ましく、10〜8,000ng/mL程度であることがより好ましい。DANCEタンパク質濃度が前記範囲内にあることで、希釈しすぎることによって生じるDANCEタンパク質の変性や、活性再現性の低下を防ぐことができるため好ましい。
DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液におけるコラーゲンの濃度としては、0.1〜1重量%程度であることが好ましく、0.1〜0.5重量%程度であることがより好ましい。
DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液に用いる溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水(蒸留水)、リン酸緩衝食塩水(PBS)、Carmody緩衝液、Tris緩衝液等を挙げることができる。これらの中でも、不純物が混入していない点から水(蒸留水)が好ましい。
また、DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液にムコ多糖類を添加してもよい。これにより、基材からのDANCEタンパク質の徐放速度を制御することができる。これは、ムコ多糖類は親水基を有するため、該ムコ多糖類の添加量により基材の親水基の量をコントロールすることで含水率を制御できるためと考えられる。
ムコ多糖類としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸等を挙げることができる。これらの中でも、コラーゲンとの溶解性、安価に入手できる点から、コンドロイチン硫酸、ヘパリンが好ましい。
ムコ多糖類の添加方法としては、特に限定されるものではなく、コラーゲン溶液にムコ多糖類を直接添加することも可能であるが、取扱性の点から、ムコ多糖類を蒸留水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水(PBS)等の溶媒に溶解した溶液にして、これをコラーゲン溶液に添加することが好ましい。ムコ多糖類の溶液の濃度としては、コラーゲン溶液中、通常、0.1〜5重量%程度、0.1〜1重量%程度が好ましい。
ムコ多糖類をDANCEタンパク質を含むラーゲン溶液に添加した場合、DANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液中のムコ多糖類の濃度は、通常、1〜50重量%程度であり、好ましくは1〜30重量%程度である。
架橋を行ったコラーゲンスポンジに、上述のDANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液を含浸させる方法は特に限定はない。例えば、該コラーゲンスポンジ上の特定の箇所に該溶液を受ける部位(例えば、リング)を設け、その中にDANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液を添加する方法、コラーゲンスポンジをDANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液に浸漬し含浸させる方法等が挙げられる。
次いで、コラーゲン水溶液を含浸させたコラーゲンスポンジを-135〜-40℃に冷却して凍結し、−40℃から40℃まで温度を上昇させながら6〜24時間凍結乾燥(第2凍結乾燥)を行うことができる。これにより、DANCEタンパク質含有組織再生用基材を得る。
得られたDANCEタンパク質含有組織再生用基材中におけるDANCEタンパク質の含有量は、通常0.001〜1重量%程度、好ましくは0.01〜0.8重量%程度である。この範囲にすることにより、コラーゲンがDANCEタンパク質を効率よく保持できるため好ましい。
また、DANCEタンパク質含有組織再生用基材を構成するコラーゲンスポンジの孔径は、通常、0.1〜500μm、好ましくは1〜300μmである。
本発明のDANCEタンパク質含有組織再生用基材の製造方法では、DANCEタンパク質を含まないコラーゲンスポンジを一旦架橋処理(熱架橋、化学架橋等)して、その後にDANCEタンパク質を添加し凍結乾燥して製造される。そのため、該基材を構成する架橋コラーゲンスポンジは組織再生のための足場として十分な強度を有すると共に、DANCEタンパク質が変性することなく安定して該架橋コラーゲンスポンジに含有されている。このような製法ではなく、例えば、架橋処理をしていないコラーゲンスポンジにDANCEタンパク質を含むコラーゲン溶液を添加し凍結乾燥したスポンジ(基材)では、皮膚細胞の播種、培養後における分解速度が速いため、足場として必要な強度が得られない(例えば、比較例3及び4を参照)。
本発明で用いるDANCEタンパク質含有組織再生用基材は、DANCEタンパク質を安定に保持できる形態であり皮膚の再生等の用途に好適に用いられる。
2.培養皮膚
上記DANCEタンパク質含有組織再生用基材に、皮膚細胞を播種し、培養することにより培養皮膚を調製することができる。これを、動物又は人に移植して、弾性線維組織が構築された皮膚を再生することができる。
播種する皮膚細胞は、例えば、ヒト皮膚由来のヒト線維芽細胞を用いることができる。ヒト皮膚由来のヒト線維芽細胞は、皮膚真皮組織から公知の方法に従って単離されたものを用いることができる。
線維芽細胞を培地(例えば、10%ウシ血清添加DMEM培地等)にて培養し、フルコンフルエントになった細胞をトリプシン処理によって該細胞を回収する。得られたヒト線維芽細胞を培地(例えば、10%ウシ血清添加DMEM/F12培地等)に懸濁し、線維芽細胞懸濁液を調製する。
DANCEタンパク質含有組織再生用基材に該線維芽細胞懸濁液を添加した後、COインキュベーターで約37℃にて12〜24時間培養して培養皮膚を得る。本発明で得られた培養皮膚は、弾性線維組織が三次元的に効率的に構築されているため、移植した部位の陥没やたるみを効果的に抑制することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(基材作製)
コラーゲン(新田ゼラチン(株)製、製品名Cellmatrix TypeI−P)を原料とし、0.3重量%、pH3のコラーゲン水溶液を調整した。
この0.3%コラーゲン溶液を-135℃にて凍結した後、凍結乾燥機にて真空減圧下(0.1MPa)、-40℃から40℃まで昇温して凍結乾燥することによってコラーゲンスポンジを作製した。得られたコラーゲンスポンジを、140℃で14時間熱架橋を行った。
熱架橋で得られたコラーゲンスポンジに、直径10mmのポリプロピレン製のリングを接着した。ポリプロピレン製のリングの中に、DANCEタンパク質(ヒト由来)を含有させた0.3%コラーゲン溶液80μlを添加した。これを-135℃で凍結した後に、凍結乾燥機を用いて真空減圧下(0.1MPa)、-40℃から40℃まで昇温して14時間凍結乾燥することにより、厚さ1mmのDANCEタンパク質含有コラーゲンスポンジを作製した。得られた基材であるコラーゲンスポンジの孔径は、15μmであった。
実施例2(培養皮膚の作製)
細胞はヒト皮膚を処理することによって得られたヒト線維芽細胞を用いた。線維芽細胞を10%ウシ血清添加DMEM培地にて培養し、フルコンフルエントになった細胞をトリプシン処理によって回収した。得られたヒト線維芽細胞を10%ウシ血清添加DMEM/F12培地に懸濁し、線維芽細胞懸濁液を調製した。
前記線維芽細胞懸濁液を、実施例1で得られたDANCEタンパク質含有コラーゲンスポンジの直径10mmのポリプロピレン製のリング内部に、線維芽細胞が1×10cellsとなるように添加した。
COインキュベーターで37℃にて16〜18時間培養して培養皮膚を構築した。その後、該培養皮膚をヌードマウスの背部皮下に埋植した。
移植後4週間目に移植した部位の組織を摘出し、ホルマリン固定した後にパラフィンブロックを作製した。
比較例1(DANCEタンパク質を含まない基材の作製)
コラーゲン(新田ゼラチン(株)製、製品名Cellmatrix TypeI−P)を原料とし、0.3重量%、pH3のコラーゲン水溶液を調整した。
この0.3%コラーゲン溶液を-135℃にて凍結した後、凍結乾燥機にて真空減圧下(0.1MPa)、-40℃から40℃まで昇温して凍結乾燥することによってコラーゲンスポンジを作製した。得られたコラーゲンスポンジを、140℃で14時間熱架橋を行った。
熱架橋で得られたコラーゲンスポンジに、直径10mmのポリプロピレン製のリングを接着した。
ポリプロピレン製のリングの中に、0.3%コラーゲン溶液80μlを添加した。これを-135℃で凍結した後に、凍結乾燥機を用いて真空減圧下(0.1MPa)、-40℃から40℃まで昇温して14時間凍結乾燥することにより、厚さ1mmのDANCEタンパク質を含まないコラーゲンスポンジを作製した。得られた基材であるコラーゲンスポンジの孔径は、15μmであった。
比較例2(培養皮膚の作製)
比較例1で得られたDANCEタンパク質を含まないコラーゲンスポンジを用いて、実施例2と同様にして培養皮膚の構築を試み、移植後4週間目に移植した部位の組織を摘出し、ホルマリン固定した後にパラフィンブロックを作製した。
比較例3(熱架橋していない基材の作製)
コラーゲン(新田ゼラチン(株)製、製品名Cellmatrix TypeI−P)を原料とし、0.3重量%、pH3のコラーゲン水溶液を調整した。
この0.3%コラーゲン溶液を-135℃にて凍結した後、凍結乾燥機にて真空減圧下(0.1MPa)、-40℃から40℃まで昇温して凍結乾燥することによってコラーゲンスポンジを作製した。得られたコラーゲンスポンジを、熱架橋することなく直径10mmのポリプロピレン製のリングを接着した。
ポリプロピレン製のリングの中に、0.3%コラーゲン溶液80μl、または、DANCEタンパク質(ヒト由来)を含有させた0.3%コラーゲン溶液80μlを添加した。これを-135℃で凍結した後に、凍結乾燥機を用いて真空減圧下(0.1MPa)、-40℃から40℃まで昇温して14時間凍結乾燥することにより、厚さ1mmのDANCEタンパク質含有、またはDANCEタンパク質を含まないコラーゲンスポンジを作製した。得られた基材であるコラーゲンスポンジの孔径は、15μmであった。
比較例4(培養皮膚の作製)
比較例3で得られた熱架橋を加えていないコラーゲンスポンジを用いて、実施例2と同様にして培養皮膚の構築を試みた。しかし、該スポンジに線維芽細胞懸濁液を添加した後、基材のスポンジはゲル状となってしまい、細胞を含有させることができなかったために、培養皮膚を構築することはできなかった。
比較例5(熱架橋していない基材の作製)
凍結乾燥されたDANCEタンパク質(ヒト由来)の粉末4μgを蒸留水で溶解し、10μg/mLのDANCEタンパク質水溶液を作製した。
コラーゲン(新田ゼラチン(株)製、製品名Cellmatrix TypeI−P)を原料とし、0.3重量%、pH3のコラーゲン水溶液を調整した。
このコラーゲン水溶液10mLに、DANCEタンパク質水溶液100μLを添加した溶液を、凍結乾燥用テフロンシャーレに流し込み、該テフロンシャーレを−135℃で凍結し、真空減圧下(0.1MPa)、−40℃〜40℃で14時間凍結乾燥して、厚さ1mmのDANCEタンパク質含有コラーゲンスポンジを得た。
比較例6(培養皮膚の作製)
比較例5で得られた熱架橋を加えていないコラーゲンスポンジを用いて、実施例2と同様にして培養皮膚の構築を試みた。しかし、該スポンジに線維芽細胞懸濁液を添加した後、基材のスポンジはゲル状となってしまい、細胞を含有させることができなかったために、培養皮膚を構築することはできなかった。
試験例(培養皮膚の評価)
実施例2及び比較例2で作製された培養皮膚について、組織切片を作製しEVG(Elastica Van Gieson)染色法を用いて弾性線維組織の存在を評価した。図1は実施例2で作製された培養皮膚のEVG染色組織切片像であり、図2は図1の中で四角く囲まれた部分を拡大した組織切片像である。図3は比較例2で作製された培養皮膚のEVG染色組織切片像であり、図4は図3の中で四角く囲まれた部分を拡大した組織切片像である。
図1中、黒く繊維状に見える組織が弾性線維組織であり、真皮様組織の中に太い弾性線維組織が三次元的に構築されていることが確認された。
これに対し、図3では、ほとんど弾性線維は形成されておらず、ごく一部に弾性線維組織の様なものが構築されているだけであった。DANCEタンパク質含有スポンジを用いた実施例2の方が、コラーゲンのみからなる比較例2と比べて、EVG染色により染色された観察可能な太い弾性線維組織がはっきりと形成されており、また、厚みがある弾性線維組織含有層が形成されていた。

Claims (9)

  1. DANCEタンパク質含有組織再生用基材の製造方法であって、架橋されたコラーゲンスポンジにDANCEタンパク質含有コラーゲン溶液を含浸させ、その後に凍結乾燥することを特徴とする製造方法。
  2. 前記DANCEタンパク質含有コラーゲン溶液中、DANCEタンパク質の濃度が1〜10,000ng/mlであり、コラーゲンの濃度が0.1〜1重量%である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記DANCEタンパク質含有コラーゲン溶液がさらにムコ多糖類を含有する請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されるDANCEタンパク質含有組織再生用基材。
  5. 弾性線維組織を含有する培養皮膚を構築するために用いる請求項4に記載のDANCEタンパク質含有組織再生用基材。
  6. DANCEタンパク質を含有する、弾性線維組織を含有する培養皮膚構築用基材。
  7. 弾性線維組織を含有する培養皮膚の製造方法であって、請求項4に記載のDANCEタンパク質含有組織再生用基材に皮膚細胞を播種し培養することを特徴とする製造方法。
  8. 前記請求項7に記載の方法で製造される弾性線維組織を含む培養皮膚。
  9. 弾性線維組織を含有する皮膚を再生する方法であって、請求項4に記載のDANCEタンパク質含有組織再生用基に皮膚細胞を播種し培養することを特徴とする再生方法。
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