JP2011193711A - モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット - Google Patents

モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット Download PDF

Info

Publication number
JP2011193711A
JP2011193711A JP2010248637A JP2010248637A JP2011193711A JP 2011193711 A JP2011193711 A JP 2011193711A JP 2010248637 A JP2010248637 A JP 2010248637A JP 2010248637 A JP2010248637 A JP 2010248637A JP 2011193711 A JP2011193711 A JP 2011193711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
field coil
motor
coil
current
magnetic flux
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010248637A
Other languages
English (en)
Inventor
Kesatoshi Takeuchi
啓佐敏 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010248637A priority Critical patent/JP2011193711A/ja
Publication of JP2011193711A publication Critical patent/JP2011193711A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Dc Machiner (AREA)

Abstract

【課題】モーターを高トルク動作、高回転動作させることを目的とする。
【解決手段】モーター10であって、永久磁石200と、前記永久磁石の磁束と同方向または逆方向の磁束を発生させる界磁コイル150と、を有するローター20と、電磁コイル100を有するステーター15と、制御部311と、を備え、前記制御部311は、前記ローター20の回転速度、または、前記電気機械装置10の出力トルクに応じて前記界磁コイル150へ電流を流すことにより、前記永久磁石200による磁束の方向と同方向または逆方向の磁束を前記界磁コイル150に発生させて、前記電磁コイル100を貫く磁束の大きさを変化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボットに関するものである。
モーターとしては、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2001−298982号公報
従来のモーターでは、電磁コイルに印加する電圧を下げると、回転数−トルク直線が低トルク側、低回転側に移動する。すなわち、回転数、出力トルクが低下する。したがって、モーターを高トルクや高回転で回転させるためには、電磁コイルに印加する電圧を高電圧に維持する必要があった。特にモーターを車両などの移動装置に用いる場合、モーターを高回転領域で回転させるために電磁コイルに高電圧を印加するため、モーターの消費電力が大きくなるという問題があった。このことは、モーターに共通する問題である。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、モーターを高トルク動作、高回転動作させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
永久磁石と、前記永久磁石の磁束と同方向または逆方向の磁束を発生させる界磁コイルと、を有するローターと、電磁コイルを有するステーターと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ローターの回転速度、または、前記電気機械装置の出力トルクに応じて前記界磁コイルへ電流を流すことにより、前記永久磁石による磁束の方向と同方向または逆方向の磁束を前記界磁コイルに発生させて、前記電磁コイルを貫く磁束の大きさを変化させる、モーター。
この適用例によれば、制御部は、ローターの回転速度、または、電気機械装置の出力トルクに応じて界磁コイルへ電流を流すことにより、永久磁石による磁束の方向と同方向または逆方向の磁束を界磁コイルに発生させて、電磁コイルを貫く磁束の大きさを変化させるので、電気機械装置を高トルク動作、高回転動作させることが可能となる。
[適用例2]
適用例1に記載のモーターにおいて、前記制御部は、前記電気機械装置の起動時において、前記永久磁石の磁束と同方向の磁束が前記界磁コイルに発生するように、前記界磁コイルに電流を流す、モーター。
この適用例によれば、電気機械装置の始動時において、より高トルクを出力することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載のモーターにおいて、前記制御部は、前記永久磁石の磁束と逆方向の磁束が前記界磁コイルに発生するように、前記界磁コイルに電流を流す、モーター。
この適用例によれば、電気機械装置をより高回転で回転させることができる。
[適用例4]
適用例1から適用例3のいずれか一つに記載のモーターにおいて、さらに、前記ローターは、前記界磁コイルに接続される接触端子を有し、前記ステーターは、前記接触端子に接触して前記界磁コイルに電流を流すためのブラシと、前記接触端子と前記ブラシとの接触、非接触を制御する接触制御部と、を有し、前記接触制御部は、前記界磁コイルに電流を流すときには前記接触端子と前記ブラシとを接触させ、前記界磁コイルに電流を流さないときには前記接触端子と前記ブラシとを離間する、モーター。
この適用例によれば、ブラシと接触端子の消耗を抑制できる。
[適用例5]
適用例1から適用例3のいずれか一つに記載のモーターにおいて、さらに、前記ステーターは、前記ローターに非接触で電力を送信するための電力伝送コイルを有し、前記ローターは、前記電力伝送コイルから電力供給を受ける受電コイルを有する、モーター。
この適用例によれば、ブラシや接触端子を用いずに非接触で界磁コイルに電力(電流)を供給できる。
[適用例6]
適用例5に記載のモーターにおいて、さらに、前記ステーターは、前記電力伝送コイルから送る電力に、前記界磁コイルに流す電流を制御するための制御情報を重畳する情報送信部を有し、前記ローターは、前記制御情報を受信するための情報受信部と、前記制御情報に基づいて前記界磁コイルに流す電流を制御する界磁コイル制御部と、を備える、モーター。
この適用例によれば、非接触電力供給においても、界磁コイルに印加する電流の向きや、印加時期を制御することが可能となる。
[適用例7]
適用例1から適用例3のいずれか一つの適用例に記載のモーターにおいて、前記ステーターは、前記界磁コイルに電流を流すためのブラシと、前記界磁コイルに流す電流を制御するための制御情報を重畳する情報送信部と、を有し、前記ローターは、前記ブラシに接触して前記界磁コイルに流す電流を受ける端子と、前記電流から前記制御情報を取得する解析部と、前記制御情報に基づいて前記界磁コイルに流す電流を制御する界磁コイル制御部と、を有する、モーター。
この適用例によれば、界磁コイルに対して有線で電流を印加するとともに、該電流に制御情報を重畳することにより、界磁コイルに印加する電流の向きや、印加時期を制御することが可能となる。
[適用例8]
適用例1から適用例7のいずれか一つの適用例に記載のモーターを含む、電子機器。
[適用例9]
適用例1から適用例7のいずれか一つの適用例に記載のモーターを含む、電動コンプレッサー。
[適用例10]
適用例1から適用例7のいずれか一つの適用例に記載のモーターを含む、移動体。
[適用例11]
適用例1から適用例7のいずれか一つの適用例に記載のモーターを含む、発電機。
[適用例12]
適用例11記載の発電機を含む、移動体。
[適用例13]
適用例1から適用例7のいずれか一つの適用例に記載のモーターを含む、ロボット。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、モーターの他、モーターにおける高トルク運転方法、モーターにおける高回転運転方法、これらのモーターを適用した電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、ロボット等様々な形態で実現することができる。
第1の実施例にかかるコアレスモーターの構成を示す説明図である。 ローター20の構成を示す説明図である。 界磁コイル150の接続の一例を示す説明図である。 永久磁石と界磁コイルの磁束密度の和を示す説明図である。 未界磁強め界磁弱め界磁のそれぞれにおける回転数とトルクとの関係及び電流とトルクとの関係を示す説明図である。 界磁コイルの駆動回路を示す説明図である。 第2の実施例にかかるコアレスモーターのローター20の構成を示す説明図である。 第3の実施例を示す説明図である。 第3の実施例の変形例である。 第4の実施例を示す説明図である。 非接触による電力送信の構成を示すブロック図である。 第5の実施例を示す説明図である。 有線による電力送信の構成を示すブロック図である。 第5の実施例における信号波形の一例を示す説明図である。 第6の実施例を示す説明図である。 第6の実施例の変形例を示す。 本発明の変形例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した携帯電話を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。
第1の実施例:
図1は、第1の実施例にかかるコアレスモーターの構成を示す説明図である。コアレスモーター10(以下、「モーター10」とも呼ぶ。)は、略円筒状のステーター15が外側に配置され、略円筒状のローター20が内側に配置されたインナーローター型モーターである。ステーター15は、ケーシング110の内周に沿って配列された複数の電磁コイル100A、100Bを有している。また、電磁コイル100A、100Bは二相として、コイルエンドを含んだ実配置は省略し原理上での模擬した図として説明する。なお、電磁コイル100A、100Bを合わせて電磁コイル100とも呼ぶ。ステーター15には、さらに、ローター20の位相を検出する位置センサーとしての磁気センサー300が、電磁コイル100の各相に対応して1つずつ配置されている。磁気センサー300は、回路基板310の上に固定されており、回路基板310は、ケーシング110に固定されている。回路基板310は、モーター10を制御するための制御部311を備えている。回路基板310は、コネクタ320により、モーター10の外部回路と接続されている。ケーシング110は、樹脂で形成されている。なお、ケーシング110は、軟磁性材によるバックヨークとして、軟磁性粉材を含有した樹脂で覆う構造を有していてもよい。また、ケーシング110と電磁コイル100の間に軟磁性材によるバックヨークを設けてもよい。
ローター20の中心には、回転軸230が設けられている。この回転軸230は、ケーシング110の軸受け部240で支持されている。本実施例では、ケーシング110の内側に、コイルバネ260が設けられており、このコイルバネ260がローター20を図の左方向に押すことによって、ローター20の位置決めを行っている。但し、コイルバネ260は省略可能である。回転軸230には、接触端子180が設けられており、接触端子180は、ブラシ170により回路基板310と電気的に接続されている。
図2は、ローター20の構成を示す説明図である。図2(A)は、ローター20の外観図であり、図2(B)は回転軸230に平行な面で切った断面を示す図であり、図2(C)は、回転軸230に垂直な面で切った断面を示す図である。ローター20は、永久磁石200と、界磁コイル150と、を備える。本実施例では、永久磁石200は、6個あり、ローター20の外周に配置されている。なお、永久磁石200の磁化の方向は、回転軸230の中心から外部に向かう径方向(放射方向)である。
永久磁石200の回転軸230側には、6個の界磁コイル150が、各永久磁石200に重なるように配置されている。界磁コイル150は、例えば、界磁ボビン160に巻かれている。界磁コイル150の配置の向きは、界磁コイル150のコイル面の法線が、回転軸230の中心から外部に向かう径方向(放射方向)になるような向きである。
界磁コイル150は、端部151が接触端子180と接続されており、外部より電流を印加することが可能である。界磁コイル150に電流が流れたときに生じる磁束の方向は、界磁コイル150のコイル面の法線方向である。すなわち、界磁コイル150の磁束の方向は、永久磁石200の磁束の方向と平行である。そのため、界磁コイル150に流れる電流の向きにより、電磁コイル100(図1)を貫く磁束の大きさ(永久磁石200の磁束と、界磁コイル150の磁束との和)が、大きくなったり、小さくなったりする。なお、界磁ボビン160に軟磁性体の界磁鉄心を挿入してもよい。軟磁性体は磁束を通しやすいので、界磁鉄心に界磁コイル150の磁束を集めることが可能となる。なお、永久磁石200は、高速回転時に永久磁石表面で発生する渦電流損を軽減させるために、磁石分割又は磁石表面へのスリットを設けることで対応することが好ましい。
図3は、界磁コイル150の接続の一例を示す説明図である。図3(A)に示す例は、6個の界磁コイル150を並列に接続している。図3(B)に示す例は、6個の界磁コイル150を直列に接続している。界磁コイル150は、接触端子180と繋がっている。
図4は、永久磁石と界磁コイルの磁束密度の和を示す説明図である。図4(A)は、界磁コイル150に電流が流れない場合を示す。図4(B)、(C)は、界磁コイル150に電流が流れる場合を示す。図4(B)は、永久磁石200の磁束の向きと界磁コイル150に生じる磁束の向きが同じ場合を示し、図4(C)は、永久磁石200の磁束の向きと界磁コイル150に生じる磁束の向きが反対向きの場合を示す。図4(A)〜(C)において、駆動波形とは、界磁コイル150の駆動波形である。図4(B)に示す場合では、永久磁石200の磁束の向きと界磁コイル150に生じる磁束の向きが同じため、永久磁石200の磁束密度と界磁コイル150の磁束密度の和は、永久磁石200の磁束密度(図4(A))より大きくなる。一方、図4(C)に示す場合では、永久磁石200の磁束の向きと界磁コイル150に生じる磁束の向きが反対のため、永久磁石200の磁束密度と界磁コイル150の磁束密度の和は、永久磁石200の磁束密度(図4(A))より小さくなる。本実施例では、図4(B)に示す様な永久磁石200の磁束の向きと界磁コイル150に生じる磁束の向きが同じ場合を「強め界磁」とも呼び、図4(C)に示す様な永久磁石200の磁束の向きと界磁コイル150に生じる磁束の向きが反対の場合を「弱め界磁」とも呼ぶ。図4(A)に示す様な界磁コイル150に磁束が生じない場合を「未界磁」とも呼ぶ。界磁コイル150の電流を流して、「強め界磁」あるいは「弱め界磁」に制御することを「界磁制御」と呼ぶ。
図5は、未界磁、強め界磁、弱め界磁のそれぞれにおける回転数とトルクとの関係及び電流とトルクとの関係を示す説明図である。ここで、図5において各グラフの(A)〜(C)の符合は、それぞれ図4の(A)〜(C)に示す場合に対応していることを意味している。また、実線が回転数とトルクとの関係を示し、破線が電流とトルクとの関係を示している。未界磁時と強め界磁時を比較すると、回転数−トルク直線は、強め界磁時の方が未界磁時より、傾きが緩やかであり、y切片(無負荷回転数)が小さく、x切片(始動トルク)が大きい。すなわち、強め界磁時の方が未界磁時より強いトルクでモーター10を始動できる。一方、未界磁時と弱め界磁時を比較すると、回転数−トルク直線は、弱め界磁時の方が未界磁時より、傾きが急であり、y切片(無負荷回転数)が大きく、x切片(始動トルク)が小さい。すなわち、弱め界磁時の方が未界磁時より高回転までモーター10を回転することが可能である。
電流−トルク直線は、弱め界磁、未界磁、強め界磁の順に傾きが緩やかになっている。そして、同じトルク値の時の電流は、弱め界磁、未界磁、強め界磁の順に少なくなっている。図5の未界磁時の回転数−トルク直線と、弱め界磁時の回転数−トルク直線とが交わる点を点Xとする。点Xにおけるトルク値はTxであり、回転数はNxである。未界磁時の電流−トルク直線から、トルクTxのときの電流を求めると、電流値はIxである。また、強め界磁時の電流−トルク直線から、トルクTxのときの電流を求めると電流値はIxs(<Ix)である。電磁コイル100(図1)にかかる電圧は同じなので、電流値の少ない強め界磁時の方が未界磁時よりも消費電力が少ない。
以上のことを総合的に勘案すると、以下の事が言える。モーター10を回転数ゼロから始動する場合には、界磁コイル150に生じる磁束の向きが永久磁石200の磁束の向き同じになるように界磁コイル150に電流を流せば、電磁コイル100に供給する印加電圧を上げなくても、高トルクの始動が可能となる。一方、高回転時には、界磁コイル150に流れる電流の向きを逆向きにして弱め界磁とすることにより、電磁コイル100に供給する印加電圧を上げなくてもモーター10を高回転で回転させることができる。また、強め界磁制御をすることにより、同じトルクを出力したときに消費電力を低減できる。
図6は、界磁コイルの駆動回路を示す説明図である。界磁コイル150の駆動回路は、H型ブリッジ回路を構成する4個のトランジスタTr1〜Tr4と、ダイオードD1〜D4と、を備えている。電源とグランドの間にトランジスタTr1とTr2が直列に配置され、トランジスタTr3とTr4が直列に配置されている。ダイオードD1〜D4は、それぞれトランジスタTr1〜Tr4のドレインとソースに接続されている。すなわち、トランジスタTr1〜4は、それぞれダイオードD1〜D4と並列に接続されている。トランジスタTr1のソース(トランジスタTr2のドレインと同一のノード)とトランジスタTr3のソース(トランジスタTr4のドレインと同一のノード)との間に界磁コイル150が接続されている。トランジスタTr1のゲートとトランジスタTr4のゲートには、強め界磁信号S1が入力されている。トランジスタTr2のゲートとトランジスタTr3のゲートには、弱め界磁信号S2が入力されている。
強め界磁信号S1と弱め界磁信号S2の両方が非活性の時は、トランジスタTr1〜Tr4はいずれもオフであり、界磁コイル150には電流が流れない。強め界磁信号S1が活性化したときには、トランジスタTr1、Tr4がオンし、界磁コイル150に電流I1が流れる。この電流I1により界磁コイル150(図2)に生じる磁束の向きは、永久磁石200(図2)の磁束の向きと同じである。したがって、電磁コイル100(図1)を貫く磁束は大きくなる。一方、弱め界磁信号S2が活性化したときには、トランジスタTr2、Tr3がオンし、界磁コイル150に電流I2が流れる。電流I2の向きは電流I1の向きと反対であり、電流I2により界磁コイル150に生じる磁束の向きは、永久磁石200の磁束の向きと反対である。したがって、電磁コイル100を貫く磁束は小さくなる。なお、強め界磁信号S1と弱め界磁信号S2とが同時に活性化しないようにすることが好ましい。なお、本実施例では、トランジスタTr1〜Tr4は、MOSトランジスタであるとして説明したが、トランジスタTr1〜Tr4はバイポーラトランジスタであってもよい。
図6(B)は、強め界磁信号の活性化時(チャージ時)と非活性化時(ディスチャージ時)の動作を説明する説明図である。この例では、トランジスタTr1、Tr4には、それぞれ強め界磁信号S11、S14が入力され、トランジスタTr2、Tr3には、それぞれ弱め界磁信号S22、S23が入力されている。界磁信号の符合「Smn」の添え字mは、界磁信号が、強め界磁信号か、弱め界磁信号か、を区別するための添え字であり、m=1のとき強め界磁信号であり、m=2のとき弱め界磁信号である。添え字nは、トランジスタTrnのゲートに入力されていることを示している。
強め界磁信号の活性化時(チャージ時)には、強め界磁信号S11、S14の両方が活性化する。このときのコイルチャージ電流I1は、下記の式(1)により表すことができる。
Figure 2011193711
ここで、Vは界磁コイル150への印加電圧であり、Rは界磁コイル150の抵抗、Lは界磁コイル150の自己インダクタンス、t1は強め界磁信号S1が活性化してからの時間である。なお、この計算では、トランジスタTr1、Tr4のオン抵抗をゼロとしている。
逆に、強め界磁信号の非活性化時には、強め界磁信号S11は非活性化し、強め界磁信号S14は活性状態が維持される。このときのコイルディスチャージ電流I2は、界磁コイル150、トランジスタTr4、グランド、ダイオードD2をループする。このときのコイルディスチャージ電流I2は、下記の式(2)により表すことができる。
Figure 2011193711
ここで、RTは、トランジスタTr4のオン抵抗であり、t2は強め界磁信号S11が非活性化してからの時間である。なお、式(1)では、トランジスタTr4のオン抵抗RTをゼロとしているが、式(2)では、後の説明の都合上、RTとしている。また、強め界磁信号S11、S14の活性期間が十分に長く、界磁コイル150の両端の電圧は、Vになっているとしている。
ここで、界磁コイル150は、自己インダクタンスLを持っている。したがって、コイルは、自己誘導により、電流の変化を妨げるように自己誘導起電力Vcを発生させる。このときの自己誘導起電力Vcは、下記の式(3)で表すことができる。
Figure 2011193711
強め界磁信号S11を非活性化した直後の自己誘導起電力Vcは、式(3)においてt2=0として、下記式(4)で示される。
Figure 2011193711
ここで、強め界磁信号S11、S14の両方が非活性化し、トランジスタTr4の抵抗RTが増大すると仮定する。RT≫Rであれば、|Vc|≫|V|となり、もとの印加電圧Vよりも大きな自己誘導起電力Vcが発生する。さらに、トランジスタTr4が完全にオフして抵抗値が無限大になったとすると(RT=∞)と仮定すると、Vc=∞となる。したがって、界磁コイル150の両端には、もとの印加電圧Vより遙かに大きな電圧(電位差)が生じる。その結果、界磁コイル150の両端の間にスパークが飛んで、モーター10の構成部材を破壊するおそれがある。したがって、強め界磁信号を非活性化するときには、強め界磁信号S14は、非活性化せず、グランド側のトランジスタTr4のオンを維持することが好ましい。なお、グランド側のトランジスタTr4のオンの維持は、一定期間維持すればよい。また、弱め界磁信号S22、S23の活性化時には、グランド側のトランジスタTr4はオフとなる。弱め界磁時についても同様である。
以上、第1の実施例によれば、同じ電圧を電磁コイル100に供給した場合、モーター10の回転数や出力トルクに応じて、界磁制御を行うことにより、モーター10の回転数あるいは、出力トルクを大きくする事が可能となる。例えば、モーター10を回転数ゼロから始動する場合には、界磁コイル150に生じる磁束の向きが永久磁石200の磁束の向き同じになるように界磁コイル150に電流を流すことにより、高トルクの始動が可能となる。また、モーター10を高回転で回転する場合には、一般にトルクは小さくてよい。したがって、かかる場合には、一方、界磁コイル150に流れる電流の向きを逆向きにして弱め界磁とすることにより、モーター10を、高回転で回転させることが可能となる。なお、弱め界磁時の無負荷回転数は、未界磁時の無負荷回転数よりも大きくすることが可能である。一般に、電磁コイル100への印加電圧を上げる以外に無負荷回転数を上げることは困難であるが、本実施例によれば、電磁コイル100への印加電圧を上げずに無負荷回転数を上げることが可能となる。
第2の実施例:
図7は、第2の実施例にかかるコアレスモーターのローター20の構成を示す説明図である。図7(A)は、ローター20の外観図であり、図7(B)は回転軸230に平行な面で切った断面を示す図であり、図7(C)は、回転軸230に垂直な面で切った断面を示す図である。第2の実施例と第1の実施例とは、ローター20の内部の永久磁石200及び界磁コイル150の配置が異なる。第2の実施例では、永久磁石200を12個、星形六角形(六芒星の外周を為す形状)の辺に沿って配置している。各永久磁石200は、星形六角形の辺の垂直二等分線方向に磁化されているが、各永久磁石200磁化の向きは、星形六角形の凹部を挟んだ2つの辺の凹部側が、同じ極になる向きである。磁束線は交わらないので、凹部を挟んだ2つの辺に配置された2個の永久磁石200の磁束が合わさった磁束の方向は、回転軸230の中心から外部に向かう、あるいは、外部から回転軸230の中心に向かう径方向(放射方向)となる。
界磁コイル150は、星形六角形の凸を為す2辺の内側に配置されている。界磁コイル150のコイル面の法線は、ローター20の放射方向と直角に交わる方向である。したがって、界磁コイル150による磁束の向きは、ローター20の放射方向と直角に交わる方向である。このように永久磁石200と、界磁コイル150と、を配置してもよい。ここで、星形六角形の凸を為す2辺に配置された2つの永久磁石200の星形六角形の凸の内側の磁極は異なるので、磁束は、一方の辺から他方の辺に流れる。この磁束の流れの方向は、界磁コイル150の磁束の方向とほぼ平行である。磁束が生じる界磁コイル150による磁束は、その向きにより、隣接する永久磁石200の磁束を強め、あるいは、弱める。なお、界磁コイル150による磁束の向きは、界磁コイル150に流す電流の向きを変えることにより、容易に変えることが可能である。これにより、第1の実施例と同様に、電磁コイル100(図1)を貫く磁束の大きさを変化させることが可能となる。
以上のように、第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、同じ電圧を電磁コイル100に供給した場合、コアレスモーターの回転数や出力トルクに応じて、界磁制御を行うことにより、電磁コイル100に印加する電圧を大きくすることなくモーター10の回転数あるいは出力トルクを大きくすることが可能となる。
なお、第2の実施例において、星形六角形の凹部の外側には、軟磁性体を配置して、永久磁石200の磁束を集めてもよい。
第3の実施例:
図8は、第3の実施例を示す説明図である。第1、第2の実施例がラジアルギャップ型のモーターであるのに対し、第3の実施例は、アキシャルギャップ型のモーターである点で異なる。図8(A)は、回転軸230と平行な面で切った断面図であり、図8(B)は、永久磁石200を回転軸230と垂直な面で切った断面図であり、図8(C)は、電磁コイル100を回転軸230と垂直な面で切った断面図である。なお、第1の実施例と同じ機能のものについては、同じ符合を付している。
モーター11は、ステーター15と、ローター20と、を備える。ステーター15は、複数の電磁コイル100を有している。複数の電磁コイル100は、図8(C)に示すように、円盤を形成するように配置されている。各電磁コイル100のコイル面の法線は、回転軸230の方向と平行である。本実施例では、電磁コイル100の数は6個であるが、6個以外の数、例えば8個、12個等様々な個数を採用することが可能である。
ローターは、回転軸230と、複数の永久磁石200と、界磁コイル150とを備える。界磁コイル150は、界磁鉄心165に巻かれている。複数の永久磁石200は、図8(B)に示すように、円盤を形成するように配置されている。各永久磁石200の磁化の方向は、回転軸230の方向と平行である。なお、永久磁石200の個数は、電磁コイル100の個数と同じであってもよく、また異なっていてもよい。
界磁コイル150は、各永久磁石200に対応して複数設けられている。界磁コイル150に電流を流したときに生じる磁束の向きは、回転軸230の方向と平行である。したがって、電磁コイルを貫く磁束(永久磁石200の磁束と、界磁コイルの磁束の和)は、界磁コイル150に流す電流の向きにより、大きくなったり、小さくなったりする。したがって、第3の実施例では、第1の実施例と同様に、モーター11の回転数や出力トルクに応じて、界磁制御を行うことにより、モーター10の回転数あるいは出力トルクを大きくすることが可能となる。
図9は、第3の実施例の変形例である。第3の実施例では、2つの電磁コイル100の間に永久磁石200が挟まれているが、第3の実施例の変形例では、2つの永久磁石200の間に電磁コイル100が挟まれている点が異なだけである。したがって、第3の実施例の変形例においても、第1の実施例と同様に、モーター11の回転数や出力トルクに応じて、界磁制御を行うことにより、電磁コイル100に印加する電圧を大きくすることなくモーター11の効率を向上させる事が可能となる。
第4の実施例:
図10は、第4の実施例を示す説明図である。第1の実施例は、界磁コイル150への電流の供給を、ブラシ170と接触端子180を用いて行っているが、第4の実施例では、非接触方式により、界磁コイル150に電力を供給している点が異なる。第4の実施例では、モーター10は、電力送信部400と、電力受信部430と、を備える。
図11は、非接触による電力送信の構成を示すブロック図である。モーター10は、電力送信部400と、送電コイル410と、受電コイル420と、電力受信部430と、界磁コイル制御部440と、を備える。電力送信部400及び送電コイル410は、回路基板310(図1)に配置されている。受電コイル420と、電力受信部430と、界磁コイル制御部440とは、ローター20に配置されている。電力送信部400は、情報送信部405を有し、電力受信部430は、情報受信部435を備える。電力送信部400は、交流波を生成する。この交流波が送電コイル410に印加されると、電磁誘導により、受電コイル420に誘導電流が流れる。電力受信部430は、誘導電流を整流して直流電流を生成する。界磁コイル制御部440は、例えば図6に示したH型ブリッジ回路を備えている。直流電流は、H型ブリッジ回路の電源−グランド間に印加される。
情報送信部405は、界磁コイル150に印加する電流の向きや、印加時期を示す制御情報を、交流波に重畳する。具体的には、交流波をキャリア波として、制御情報で変調する。変調の方式として、例えば、位相変調(PMあるいはPSK)、周波数変調(FMあるいはFSK)を採用することが好ましい。これらの変調方式は、キャリア波の振幅が変わらないので、整流後の直流電流の電圧、すなわち界磁コイル150にかかる電圧が変わらない。なお、振幅変調(AMあるいはASK)を採用することも可能である。振幅変調の場合、整流後の直流電流の電圧を維持するために、制御情報にダミーデータを加えてもよい。
情報受信部435は、交流波を復調して、制御情報を取得する。そして、この制御情報を用いて、界磁コイル150の電流を制御するための、強め界磁信号S1や弱め界磁信号S2を生成する。
第4の実施例によっても、第1の実施例と同様に、モーター10の回転数や出力トルクに応じて、界磁制御を行うことにより、電磁コイル100に印加する電圧を大きくすることなくモーター10の回転数あるいは出力トルクを大きくすることが可能となる。また、第1の実施例では、ブラシ170と接触端子180との摩擦により、ブラシ170、接触端子180が消耗するが、第4の実施例によれば、非接触により電流を界磁コイル150に送信するので、このような部材の消耗がない。さらに、界磁コイル150に印加する電流の向きや、印加時期を制御することが可能である。
なお、情報送信部405及び情報受信部435は無くてもよい。情報送信部405及び情報受信部435がない場合、モーター10の制御部311は、界磁コイル150に流れる電流の向きを変えることは出来ないが、電流を流す期間は変えることができる。したがって、制御部311は、未界磁と強め界磁の間の制御、あるいは、未界磁と弱め界磁の間の制御、のいずれかを行うことが可能である。
第5の実施例:
図12は、第5の実施例を示す説明図である。第4の実施例は、電力送信及び界磁コイルの制御情報を非接触で行っているのに対し、第5の実施例のモーター10は、電力送信及び界磁コイルの制御情報を有線で送っている点が異なる。第5の実施例のモーター10の構成は、第1の実施例とほぼ同じであるので、異なる点を説明する。
制御部311は、界磁コイル150を駆動するための電力に、界磁コイル150の動作を制御するための制御情報を重畳させ、ブラシ170を介してローター20に電力及び界磁コイルの制御情報を送信する。モーター10のローター20は、回転軸230の周りに、電力受信制御部530を備える。電力受信制御部530は、表面にブラシ170と接触するための接触端子180(スリップリング)を備え、内部に制御情報を解析するためのコマンド解析部(図12には図示せず)を備える。
図13は、有線による電力送信の構成を示すブロック図である。なお、第4の実施例と同様の機能を実行するものについては、同じ符号番号を付与し、説明を省略する。モーター10の制御部は311、電力送信部500と、電力部510と、CPU部520を備える。電力送信部500は、情報送信部405を備える。電力部510は、界磁コイル150を駆動するための電力を送信するための搬送波を生成する。なお、この搬送波は、変調されていない。CPU部520は、界磁コイル150に印加する電流の向きや、印加時期を示す制御情報を生成する。情報送信部405は、電力送信部が生成した搬送波に、界磁コイル150の制御情報を重畳させて、搬送波を変調し、変調波を生成する。この変調として、例えば、位相変調、周波数変調、振幅変調、あるいは、これらを組み合わせた変調を採用することが可能である。制御情報を重畳された変調波は、ブラシ170、接触端子180を介して電力受信制御部530に送信される。
電力受信制御部530は、電力受信部430と、界磁コイル制御部440と、を備える。電力受信部430は、情報受信部435と、コマンド解析部437と、を備える。情報受信部435は、変調波を復調して、制御情報を取得する。そして、コマンド解析部437は、この制御情報を用いて、界磁コイル150の電流を制御するための、強め界磁信号S1や弱め界磁信号S2を生成する。なお、以後の動作は、第4の実施例と同じであるので、説明を省略する。
図14は、第5の実施例における信号波形の一例を示す説明図である。電力部510は、搬送波を生成する。搬送波は、例えば、正弦波を高電圧方向にシフトさせた波形(交流+直流)を有している。CPU部520は、界磁コイル150(図13)に与える電流をH、Lで示す制御信号を生成する。例えば、制御信号がHのとき、強め界磁を行い、制御信号がLの時、弱め界磁を行ってもよい。情報送信部405は、CPU部520が生成した制御信号を位相変調する。そして、情報送信部405は、搬送波に対して、位相変調させた制御信号用いて変調する。図14に示した変調は、位相変調に振幅変調を組み合わせた変調である。この変調によれば、制御情報にダミーデータを加えなくても、界磁コイル150に印加される電流の電圧を十分に高く維持することができる。
電力受信部430は、接触端子180を介して、制御信号が重畳された電力を受信する。この制御信号が重畳された電力は、整流されて受信電力を生成する。また、制御信号が重畳された電力は、情報受信部435で復調されたのち、コマンド解析部437で解析されて制御信号に変換される。界磁コイル制御部440は、例えば図6に示したH型ブリッジ回路を備えており、解析された制御信号に基づいて、H型ブリッジ回路の電源−グランド間に印加し、界磁コイル150への印加電流を制御する。
第5の実施例によっても、第1の実施例と同様に、モーター10の回転数や出力トルクに応じて、界磁制御を行うことにより、電磁コイル100に印加する電圧を大きくすることなくモーター10の回転数あるいは出力トルクを大きくすることが可能となる。また、第4の実施例では、非接触で電力を送っているため、送信コイル410から受電コイル420への電力供給について、損失が発生する場合がある。これに対し、第5の実施例では、制御情報を有線で送信するため、ブラシ170に送った電力は、ほぼ全て接触端子180に送られるため、損失を少なくすることができる。
第6の実施例:
図15は、第6の実施例を示す説明図である。第6の実施例は、第1の実施例におけるブラシ170と接触端子180との接触を制御する。図15(A)は、ブラシ170と接触端子180とが接触した状態を示し、図15(B)は、ブラシ170と接触端子180とが離間した状態を示す。第6の実施例は、2本のブラシ170と接触端子180と、サーボモーター185と、バネ189と、電源部450とを備える。電源部450は、ブラシ170、接触端子180を介して界磁コイル150に電流を印加するための電流源として用いられる。バネ189は、2本のブラシを接触端子180に接触するように付勢する。サーボモーター185は、楕円形のカム187を有している。カム187は、2本のブラシ170の間に配置されており、カム187の角度により、ブラシ170と接触端子180との接触あるいは離間を制御する。例えば、カム187の長手方向がブラシ170の方向と平行なときには、バネ189の付勢力により、2本のブラシ170は、接触端子180と接触する。一方、カム187の長手方向がブラシ170の方向と垂直なときには、2本のブラシ170は、カム187により、接触端子180から離間する。ここでは、バネ189を用いて説明しているが、ブラシ170に板バネと併用することでバネ189を略すこともできる。
この実施例では、制御部311は、サーボモーター185に電圧を印加することによりカム187を回転して、2本のブラシ170と、接触端子180との間の接触、離間を制御することが可能である。これにより、制御部311は界磁コイル150(図2)に電流を流すときだけ、ブラシ170と、接触端子180とを接触させるので、ブラシ170や接触端子180の消耗を抑制できる。なお、サーボモーター185に電流を印加したときに、カム187の長手方向がブラシ170の方向と平行となり、サーボモーター185に電流を印加しないときに、カム187の長手方向がブラシ170の方向と垂直となるようにすることが好ましい。こうすれば、界磁コイル150への電流印加と、サーボモーター185への電流印加と、を同じ電流で行うことが可能となる。なお、サーボモーター185に電流を印加しないときにカム187の長手方向がブラシ170の方向と垂直となるようにカム187に向きを設定し、強め界磁の時は右90度回転させ、弱め界磁の時は、左90度回転させることにより、強め界磁、弱め界磁、いずれであっても、2本のブラシ170と、接触端子180との間を接触させることができる。また、サーボモーター185の代わりにピエゾ素子を用いたアクチュエーターを用いてもよい。ピエゾ素子を用いたアクチュエーターの場合、小さい電圧で、2本のブラシ170と、接触端子180との間の接触、離間を制御することができる。
図16は、第6の実施例の変形例を示す。第6の実施例の変形例では、サーボモーター185と、カム187の代わりに、ソレノイド190と、磁性体195とを備える。この変形例では、ソレノイド190は、2本のブラシ170の間に配置されており、磁性体195は、ブラシ170上に配置されている。また、この実施例では、バネ189は、ケーシング110に接続され、ブラシ170が接触端子180と離間するように、ブラシ170を付勢している。ソレノイド190に電流が印加されると、ソレノイド190は、電磁石として機能し、磁性体195を吸引する。これにより、ブラシ170は接触端子180と接触する。この変形例においても、制御部311は界磁コイル150(図2)に電流を流すときだけ、ブラシ170と、接触端子180とを接触させるので、ブラシ170や接触端子180の消耗を抑制できる。界磁コイル150に電流を流しながら接触端子180とブラシ170を開放すれば、界磁コイル150からの逆誘起電力により接触端子180とブラシ170間に劣化を加速してしまう。そこで接触端子180とブラシ170を開閉する前には、界磁コイル150への電流をOFF状態で行うのが好ましい。
上記各実施例では、制御部311は、強め界磁、未界磁、弱め界磁の3つを制御しているが、強め界磁、未界磁の2つ、あるいは、未界磁、弱め界磁の2つを制御するようにしてもよい。これらの場合には、制御部311は、界磁コイル150に流れる電流の向きを変える必要がない。すなわち、制御部311は、オンオフ制御により、界磁コイル150に流れる電流量を制御することが可能である。また、第6の実施例においては、モーター10の常用する回転数を考慮し、最も多く用いる回転数領域において未界磁となるように構成してもよい。具体的には、モーター10の設計段階において、永久磁石200の磁束密度や、電磁コイル100のインダクタンスを調整し、最も多く用いる回転数領域において未界磁となるようにモーター10を設計すればよい。こうすれば、ブラシ170や接触端子180の消耗をより抑制できる。
上記各実施例では、モーター10の回転数に基づいて、制御部311は、強め界磁、未界磁、弱め界磁のいずれにするかを制御しているが、出力トルクに基づいて強め界磁、未界磁、弱め界磁のいずれにするかを制御してもよい。
変形例:
本発明のモーターは、時計、表示装置、車載機器(カーナビゲーションやカーオーディオなど)、パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、プロジェクター、携帯電話、光記憶装置、磁気記憶装置およびボリゴンミラー駆動装置等などの電子機器に適用可能である。時計に本発明のモーターを適用する場合は、時計の針の駆動モーターとして使用することができる。表示装置、車載機器、パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、プロジェクターに本発明を適用する場合は、ファンモーターとして使用することができる。携帯電話に本発明を適用する場合は、ファンモーターや振動モーターとして使用することができる。光記憶装置、磁気記憶装置およびボリゴンミラー駆動装置に本発明を適用する場合は、スピンドルモーターとして使用することができる。特に、本発明をファンモーターに適用した場合には、上述した種々の効果(低消費電力、低振動、低騒音、低回転ムラ、低発熱、高寿命)が顕著である。また、本発明のモーターは、電動コンプレッサーに適用することができる。また、本発明のモーターは、電動自転車、電気自動車および鉄道車両等の移動体に適用することができる。また、本発明のモーターは、発電機のモーターとして適用することができる。さらに、本発明のモーターは、ロボットに適用することができる。
図17は、本発明の変形例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。このプロジェクター3100は、赤、緑、青の3色の色光を発光する3つの光源3110R、3110G、3110Bと、これらの3色の色光をそれぞれ変調する3つの液晶ライトバルブ3140R、3140G、3140Bと、変調された3色の色光を合成するクロスダイクロイックプリズム3150と、合成された3色の色光をスクリーンSCに投写する投写レンズ系3160と、プロジェクター内部を冷却するための冷却ファン3170と、プロジェクター3100の全体を制御する制御部3180と、モーター10と、を備えている。冷却ファン3170を駆動するモーター10としては、上述した各種のモーターを利用することができる。
図18(A)〜(C)は、本発明の変形例によるモーターを利用した携帯電話を示す説明図である。図18(A)は携帯電話3200の外観を示しており、図18(B)は、内部構成の例を示している。携帯電話3200は、携帯電話3200の動作を制御するMPU3210と、ファン3220と、燃料電池3230と、モーター10と、を備えている。燃料電池3230は、MPU3210やファン3220に電源を供給する。ファン3220は、燃料電池3230への空気供給のために携帯電話3200の外から内部へ送風するため、或いは、燃料電池3230で生成される水分を携帯電話3200の内部から外に排出するためのものである。なお、ファン3220を図18(C)のようにMPU3210の上に配置して、MPU3210を冷却するようにしてもよい。ファン3220を駆動するモーター10としては、上述した各種のモーターを利用することができる。
図19は、本発明の変形例によるモーターを利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車3300は、前輪にモーター3310が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路3320と充電池3330とが設けられている。モーター3310は、充電池3330からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモーター3310で回生された電力が充電池3330に充電される。制御回路3320は、モーターの駆動と回生とを制御する回路である。このモーター3310としては、上述した各種のモーター10を利用することが可能である。
図20は、本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット3400は、第1と第2のアーム3410,3420と、モーター3430とを有している。このモーター3430は、被駆動部材としての第2のアーム3420を水平回転させる際に使用される。このモーター3430としては、上述した各種のモーター10を利用することが可能である。
図21は、本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、モーター3510と、車輪3520とを有している。このモーター3510は、車輪3520を駆動する。さらに、モーター3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。このモーター3510としては、上述した各種のモーターを利用することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…モーター(コアレスモーター)
11…モーター(アキシャルギャップ型モーター)
15…ステーター
20…ローター
100、100A…電磁コイル
110…ケーシング
150…界磁コイル
151…(界磁コイルの)端部
160…界磁ボビン
165…界磁鉄心
170…ブラシ
180…接触端子
185…サーボモーター
187…カム
189…バネ
190…ソレノイド
195…磁性体
200…永久磁石
230…回転軸
240…軸受け部
260…コイルバネ
300…磁気センサー
310…回路基板
311…制御部
320…コネクタ
400…電力送信部
405…情報送信部
410…送電コイル
420…受電コイル
430…電力受信部
435…情報受信部
437…コマンド解析部
440…界磁コイル制御部
450…電源部
500…電力送信部
510…電力部
520…CPU部
530…電力受信制御部
3100…プロジェクター
3110R…光源
3140R…液晶ライトバルブ
3150…クロスダイクロイックプリズム
3160…投写レンズ系
3170…冷却ファン
3180…制御部
3200…携帯電話
3210…MPU
3220…ファン
3230…燃料電池
3300…自転車
3310…モーター
3320…制御回路
3330…充電池
3400…ロボット
3410…第1のアーム
3420…第2のアーム
3430…モーター
3500…鉄道車両
3510…モーター
3520…車輪

Claims (13)

  1. 永久磁石と、前記永久磁石の磁束と同方向または逆方向の磁束を発生させる界磁コイルと、を有するローターと、
    電磁コイルを有するステーターと、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ローターの回転速度、または、前記電気機械装置の出力トルクに応じて前記界磁コイルへ電流を流すことにより、前記永久磁石による磁束の方向と同方向または逆方向の磁束を前記界磁コイルに発生させて、前記電磁コイルを貫く磁束の大きさを変化させる、モーター。
  2. 請求項1に記載のモーターにおいて、
    前記制御部は、前記電気機械装置の起動時において、前記永久磁石の磁束と同方向の磁束が前記界磁コイルに発生するように、前記界磁コイルに電流を流す、モーター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモーターにおいて、
    前記制御部は、前記永久磁石の磁束と逆方向の磁束が前記界磁コイルに発生するように、前記界磁コイルに電流を流す、モーター。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモーターにおいて、さらに、
    前記ローターは、前記界磁コイルに接続される接触端子を有し、
    前記ステーターは、
    前記接触端子に接触して前記界磁コイルに電流を流すためのブラシと、
    前記接触端子と前記ブラシとの接触、非接触を制御する接触制御部と、
    を有し、
    前記接触制御部は、
    前記界磁コイルに電流を流すときには前記接触端子と前記ブラシとを接触させ、
    前記界磁コイルに電流を流さないときには前記接触端子と前記ブラシとを離間する、
    モーター。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモーターにおいて、さらに、
    前記ステーターは、前記ローターに非接触で電力を送信するための電力伝送コイルを有し、
    前記ローターは、前記電力伝送コイルから電力供給を受ける受電コイルを有する、モーター。
  6. 請求項5に記載のモーターにおいて、さらに、
    前記ステーターは、前記電力伝送コイルから送る電力に、前記界磁コイルに流す電流を制御するための制御情報を重畳する情報送信部を有し、
    前記ローターは、
    前記制御情報を受信するための情報受信部と、
    前記制御情報に基づいて前記界磁コイルに流す電流を制御する界磁コイル制御部と、
    を備える、モーター。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモーターにおいて、
    前記ステーターは、
    前記界磁コイルに電流を流すためのブラシと、
    前記界磁コイルに流す電流を制御するための制御情報を重畳する情報送信部と、
    を有し、
    前記ローターは、
    前記ブラシに接触して前記界磁コイルに流す電流を受ける端子と、
    前記電流から前記制御情報を取得する解析部と、
    前記制御情報に基づいて前記界磁コイルに流す電流を制御する界磁コイル制御部と、
    を有する、
    モーター。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモーターを含む、電子機器。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモーターを含む、電動コンプレッサー。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモーターを含む、移動体。
  11. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のモーターを含む、発電機。
  12. 請求項11記載の発電機を含む、移動体。
  13. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモーターを含む、ロボット。
JP2010248637A 2010-02-16 2010-11-05 モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット Withdrawn JP2011193711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010248637A JP2011193711A (ja) 2010-02-16 2010-11-05 モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010031343 2010-02-16
JP2010031343 2010-02-16
JP2010248637A JP2011193711A (ja) 2010-02-16 2010-11-05 モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011193711A true JP2011193711A (ja) 2011-09-29

Family

ID=44798023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010248637A Withdrawn JP2011193711A (ja) 2010-02-16 2010-11-05 モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011193711A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013039005A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Norio Miyauchi 埋込磁石同期モータとその駆動方法
WO2020208749A1 (ja) * 2019-04-10 2020-10-15 三菱電機株式会社 回転電機
CN117060179A (zh) * 2023-10-11 2023-11-14 深圳市森瑞普电子有限公司 一种电刷压力自调整的导电滑环结构

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05236714A (ja) * 1992-02-18 1993-09-10 Yaskawa Electric Corp 永久磁石形同期電動機
JPH0660305A (ja) * 1992-08-06 1994-03-04 Hitachi Ltd 回転ヘッド装置
JP2002254268A (ja) * 2001-02-28 2002-09-10 Hitachi Ltd 工作機械
JP2005094925A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Fujitsu General Ltd ブラシレスdcモータの制御方法
JP2008125201A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Toshiba Corp 可変磁束モータドライブシステム
JP2008312307A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Kura Gijutsu Kenkyusho:Kk 界磁制御電磁回転システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05236714A (ja) * 1992-02-18 1993-09-10 Yaskawa Electric Corp 永久磁石形同期電動機
JPH0660305A (ja) * 1992-08-06 1994-03-04 Hitachi Ltd 回転ヘッド装置
JP2002254268A (ja) * 2001-02-28 2002-09-10 Hitachi Ltd 工作機械
JP2005094925A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Fujitsu General Ltd ブラシレスdcモータの制御方法
JP2008125201A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Toshiba Corp 可変磁束モータドライブシステム
JP2008312307A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Kura Gijutsu Kenkyusho:Kk 界磁制御電磁回転システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013039005A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Norio Miyauchi 埋込磁石同期モータとその駆動方法
WO2020208749A1 (ja) * 2019-04-10 2020-10-15 三菱電機株式会社 回転電機
CN117060179A (zh) * 2023-10-11 2023-11-14 深圳市森瑞普电子有限公司 一种电刷压力自调整的导电滑环结构
CN117060179B (zh) * 2023-10-11 2023-12-19 深圳市森瑞普电子有限公司 一种电刷压力自调整的导电滑环结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7986069B2 (en) Brushless electric machine
JP5211593B2 (ja) ブラシレス電気機械
JP4403253B1 (ja) 磁束量可変軸方向間隙回転電機システム
US8018184B2 (en) PWM control circuit and PWM control method
US7768157B2 (en) Brushless motor
JP2009100543A (ja) 電動装置
JP4619081B2 (ja) 可逆ステッピングモータ
JP2012125088A (ja) 電気機械装置及びロボット及び車輪
US8212446B2 (en) Brushless electric machine and device comprising said machine
JP2011193711A (ja) モーター、電子機器、電動コンプレッサー、移動体、発電機、およびロボット
JP5359027B2 (ja) 永久磁石構造及びそれを用いた装置
JP4732930B2 (ja) 同期機
JP5401856B2 (ja) ブラシレス電気機械及びそれを用いた装置
JP5359042B2 (ja) ブラシレス電気機械、それを備えた装置、及び、移動体
JPH10304633A (ja) 永久磁石併用同期回転機およびその駆動方法
JP2010141975A (ja) 電動機および電動機に用いられるコイル群の製造方法
JP4518148B2 (ja) ブラシレス回転式モータ、ブラシレス回転式モータを備えたロボット及びブラシレス回転式モータを備えた移動体
JP2008312307A (ja) 界磁制御電磁回転システム
JP2010080485A (ja) 永久磁石、永久磁石の製造方法及び永久磁石を用いた装置
JP5555982B2 (ja) ブラシレス電気機械
JP5391790B2 (ja) 電動モーターの駆動制御回路、それを備える装置、及び、移動体
JP5463784B2 (ja) 電気機械装置及びロボット
JP5228550B2 (ja) 交流ブラシレス電気機械
JP2022098964A (ja) ロータ、回転電機、車両
JP2003032975A (ja) 永久磁石形モータの組込着磁方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20141002