JP2011193545A - ケーブル弛み防止装置およびケーブル弛み防止架線工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーブル弛み防止装置10は、他のケーブル弛み防止装置10から送信されてくる第2のケーブル移動距離を示す第2のケーブル移動距離信号を受信するための送受信手段13,13aと、ケーブル移動距離検出手段21,21a,12によって検出された第1のケーブル移動距離と送受信手段13,13aによって受信された第2のケーブル移動距離信号が示す第2のケーブル移動距離との差分を求め、求めた差分が許容値を超えた場合にケーブルドラム111の回転またはケーブル巻取装置112を停止させる信号を発生する停止信号発生手段14,17とを具備する。
【選択図】図1
Description
ここで、前記差分が前記許容値を超えた場合に警報音を発生させるための警報音発生手段(14,15,31)と、前記第1および第2のケーブル移動距離と前記差分とを表示するための距離表示手段(14,16,32)と、前記差分が前記許容値を超えた場合に警報を表示するための警報表示手段(14,15,32)とをさらに具備してもよい。
前記差分が前記許容値を超えた場合に前記ケーブルの移動速度を低下させるケーブル移動速度低下手段(14,18,24)をさらに具備してもよい。
ここで、前記第1および第2のケーブル弛み防止装置において、前記第1および第2のケーブル移動距離と前記差分とを数値で表示し、前記差分が前記許容値を超えた場合に、警報音を発生させるとともに警報を表示させてもよい。
(1)ケーブル送出し地点におけるケーブル移動距離とケーブル巻取り地点におけるケーブル移動距離との差分が許容値を超えるとケーブルドラムの回転およびケーブル巻取装置を停止させることができるため、ケーブル敷設ルートの途中でケーブルが過度に弛んだりケーブルに過度の張力が掛ったりすることを防止することができる。
(2)ケーブル送出し地点におけるケーブル移動距離とケーブル巻取り地点におけるケーブル移動距離との差分を数値で表示したり警報音を発生したり警報を表示したりすることにより、ケーブル架線作業の途中でケーブルが垂れ下りそうになったことを素早く作業員に通知することができるため、地面にケーブルが垂れ下がって危険な状態になることを確実に回避することができる。
(3)ケーブル送出し地点におけるケーブル移動距離およびケーブル巻取り地点におけるケーブル移動距離を数値で表示することにより、作業員は、ケーブル送出し量およびケーブル巻取り量をリアルタイムに監視することができるため、ケーブルが弛んだりケーブルに異常な張力が掛ったりしたことを素早く検知して、ケーブルドラムの回転やケーブル巻取装置を停止させることにより、ケーブルを保護することもできる。
(4)ケーブル架線作業の途中でケーブルが過度に弛みそうになった場合やケーブルに過度の張力が掛りそうになった場合に、ケーブル弛み防止装置が、警報を発するだけでなく、ブレーキを動作させてケーブルの移動速度を緩めたりケーブルドラムの回転やケーブル巻取装置を停止させたりすることにより、ケーブルの過度の弛みや垂下りおよびケーブルの切断を確実に防止することができる。
(5)通信ケーブルだけではなく架空電線や埋設管路への電線敷設工事にも有効に利用することができる。
(6)ケーブル送出し地点におけるケーブル移動距離およびケーブル巻取り地点におけるケーブル移動距離が数値で表示されるため、作業員は架設したケーブルの弛み部分を含めた実長を測定することができる。
本発明の一実施例によるケーブル弛み防止装置10は、図1(a)に示すように本体11内に設けられたエンコーダ12、無線部13(アンテナ13aを備える。)、演算・制御部14、警報表示制御部15、距離表示制御部16、外部機器制御部17およびブレーキ制御部18と、図1(b)に示すように本体11の1つの側面に設けられた回転センサ付ローラ21(回転センサ21aを備える。)、ローラ22、ケーブル押さえローラ23(バネ23aを備える。)およびブレーキ24と、図1(c)に示すように本体11の正面に設けられた警報音発生器31、警報表示器32、距離表示器33、操作パネル41およびケーブル情報記憶部42とを具備する。
なお、ケーブル送出し地点でケーブル弛み防止装置10を使用する際には、図2に示すようにケーブルドラム111の回転を止めるためのケーブルドラム用ブレーキ51を使用し、ケーブル弛み防止装置10の外部機器制御部17とケーブルドラム用ブレーキ51とを電気的に接続して、外部機器制御部17から出力されるケーブルドラム用ブレーキ作動信号によってケーブルドラム用ブレーキ51が作動するようにする。
また、ケーブル巻取り地点でケーブル弛み防止装置10を使用する際には、ケーブル弛み防止装置10の外部機器制御部17とウインチ112とを電気的に接続して、外部機器制御部17から出力されるウインチ停止信号によってウインチ112が停止するようにする。
演算・制御部14は、エンコーダ12から入力される自局側ケーブル移動距離信号に基づいて自局側ケーブル移動距離を求め、ケーブル弛み防止装置10がケーブルドラム111側に設置されている場合(図2参照)には、求めた自局側ケーブル移動距離を「送出し側移動距離」とし、ケーブル弛み防止装置10がウインチ112側に設置されている場合(図2参照)には、求めた自局側ケーブル移動距離を「巻取り側移動距離」とする。
演算・制御部14は、無線部13から入力される相手局側ケーブル移動距離信号に基づいて相手局側ケーブル移動距離を求め、ケーブル弛み防止装置10がケーブルドラム111側に設置されている場合には、求めた相手局側ケーブル移動距離を「巻取り側移動距離」とし、ケーブル弛み防止装置10がウインチ112側に設置されている場合には、求めた相手側ケーブル移動距離を「送出し側移動距離」とする。
演算・制御部14は、送出し側移動距離と巻取り側移動距離との差分(送出し側移動距離から巻取り側移動距離を引いた値。以下、「ケーブル移動距離差」と称する。)も演算する。
演算・制御部14は、求めた送出し側移動距離および巻取り側移動距離と演算したケーブル移動距離差を示すケーブル移動距離表示信号を距離表示制御部16に出力する。
(1)ケーブル移動距離差がプラス(すなわち、送出し側移動距離>巻取り側移動距離)であり、かつ、ケーブル移動距離差が弛み用許容値を超えた場合には、ケーブル1に過度の弛みが発生するおそれがあると判定して、ブレーキ作動指示信号をブレーキ制御部18に出力し、弛み検出信号を警報表示制御部15に出力するとともに、ケーブルドラム用ブレーキ作動指示信号およびウインチ停止指示信号を外部機器制御部17に出力する。
(2)ケーブル移動距離差がマイナス(すなわち、送出し側移動距離<巻取り側移動距離)であり、かつ、ケーブル移動距離差が張力用許容値を超えた場合には、ケーブルに過度の張力が掛るおそれがあると判定して、ブレーキ作動指示信号をブレーキ制御部18に出力し、異常張力検出信号を警報表示制御部15に出力するとともに、ケーブルドラム用ブレーキ作動指示信号およびウインチ停止指示信号を外部機器制御部17に出力する。
同様に、警報表示制御部15は、演算・制御部14から異常張力検出信号が入力されると、警報音発生器31から「異常張力発生」を知らせる警報音を出力させるとともに、警報表示器32の「異常張力」の表示部分(図1(c)図示右上参照)を点灯させる。
ケーブル押さえローラ23は、同図に示すように、本体11の底面から回転センサ付ローラ21およびローラ22よりも高い位置に、かつ、回転センサ付ローラ21とローラ22との間に設けられている。また、ケーブル押さえローラ23は、バネ23aによって本体11の底面に向かって垂直方向に付勢されている。
これにより、ケーブル1は、同図に示すように、回転センサ付ローラ21およびローラ22とケーブル押さえローラ23との間を通されると、ケーブル押さえローラ23と回転センサ付ローラ21およびローラ22とで上下から挟まれるようにされている。
ケーブル1は図1(b)に示すようにブレーキ24の固定部と可動部との間を通され、ブレーキ制御部18から入力されるブレーキ作動信号に応答して可動部が固定部に向かって移動することにより、固定部と可動部とでケーブル1を上下から挟んでケーブル1の移動速度を低下させることができるようにされている。
ケーブル情報記憶部42は、通信ケーブルの線種および吊線の種類と有無に応じた、弛み用許容値および張力用許容値などを操作パネル41から入力して記憶させるためのものである。
なお、金車122は、ケーブル敷設ルートの各電柱121に既に取り付けられているものとする。
ケーブル弛み防止装置10を自動に設定することにより、ウインチ112側の他のケーブル弛み防止装置10で入力した弛み用許容値および張力用許容値などを無線部13およびアンテナ13aを介してケーブルドラム111側に設置されたケーブル弛み防止装置10が受信して設定を自動的に行うこともできる。
また、ウインチ112側の作業員Bは、他のケーブル弛み防止装置10をウインチ112とケーブル1の巻取り側の電柱121との間に設置するとともに、他のケーブル弛み防止装置10の外部機器制御部17とウインチ112とを電気的に接続する。その後、作業員Bは、他のケーブル弛み防止装置10の操作パネル41を用いて、巻取り側設置設定弛み用許容値および張力用許容値などを他のケーブル弛み防止装置10に入力する。
予め、通信ケーブルの線種および吊線の種類と有無に応じた、弛み用許容値および張力用許容値などを操作パネル41からケーブル情報記憶部42に入力し記憶させておけば、作業員A,Bが通信ケーブルの線種および吊線の種類と有無を選択入力することにより、弛み用許容値および張力用許容値などを間違えることなく簡単に入力することができる。
作業員Bは、牽引ロープの先端が送られてくると、牽引ロープの先端を他のケーブル弛み防止装置10のブレーキ24の固定部と可動部との間に通したのちに他のケーブル弛み防止装置10の回転センサ付ローラ21とローラ22およびケーブル押さえローラ23との間に通したのち、牽引ロープの先端部をウインチ112にセットする。
作業員Aは、作業員Bからウインチ112の稼働を開始させる旨の連絡があると、ケーブル弛み防止装置10の操作パネル41を用いてケーブル移動距離測定開始信号をケーブル弛み防止装置10に入力したのち、ウインチ112を稼働するように作業員Bに無線機で連絡する。この連絡を受けると、作業員Bは、ウインチ112を稼働させてケーブル1を牽引する。
さらに、作業員Bが測定開始信号を他のケーブル弛み防止装置10に入力することにより、無線部13およびアンテナ13aを介してケーブルドラム111側に設置されたケーブル弛み防止装置10に測定開始信号を送信して自動的に測定を開始させることができる。
これにより、送出し側移動距離、巻取り側移動距離およびケーブル移動距離差が、ケーブル弛み防止装置10の距離表示器33に距離表示制御部16によってセンチメートル単位で表示される。
これにより、「弛み発生」を知らせる警報音が警報音発生器31から出力されるとともに、警報表示器32の「弛み発生」の表示部分が点灯されるため、ケーブル1に弛みが発生したことを作業員Aに素早く知らせることができる。また、ケーブル1の移動速度がブレーキ24によって低下されるとともにケーブルドラム111の回転がケーブルドラム用ブレーキ51によって停止されるため、ケーブル1の弛みが更に増すことを防止することができる。
これにより、「異常張力発生」を知らせる警報音が警報音発生器31から出力されるとともに、警報表示器32の「異常張力」の表示部分が点灯されるため、ケーブル1に異常な張力が掛ったことを作業員Aに素早く知らせることができる。また、ケーブル1の移動速度がブレーキ24によって低下されるとともにケーブルドラム111の回転がケーブルドラム用ブレーキ51によって停止されるため、ケーブル1に過度の張力が掛ることを防止することができる。
これにより、送出し側移動距離、巻取り側移動距離およびケーブル移動距離差が、ケーブル弛み防止装置10の距離表示器33に距離表示制御部16によってセンチメートル単位で表示される。
これにより、「弛み発生」を知らせる警報音が警報音発生器31から出力されるとともに、警報表示器32の「弛み発生」の表示部分が点灯されるため、ケーブル1に弛みが発生したことを作業員Bに素早く知らせることができる。また、ケーブル1の移動速度がブレーキ24によって低下されるとともにウインチ112が停止されるため、ケーブル1の弛みが更に増すことを防止することができる。
これにより、「異常張力発生」を知らせる警報音が警報音発生器31から出力されるとともに、警報表示器32の「異常張力」の表示部分が点灯されるため、ケーブル1に異常な張力が掛ったことを作業員Bに素早く知らせることができる。また、ケーブル1の移動速度がブレーキ24によって低下されるとともにウインチ112が停止されるため、ケーブル1に過度の張力が掛ることを防止することができる。
また、電柱だけでなく、埋設管路への電線敷設工事などでも有効に利用することができる。
10 ケーブル弛み防止装置
11 本体
12 エンコーダ
13 無線部
13a アンテナ
14 演算・制御部
15 警報表示制御部
16 距離表示制御部
17 外部機器制御部
18 ブレーキ制御部
21 回転センサ付ローラ
21a 回転センサ
22 ローラ
23 ケーブル押さえローラ
23a バネ
24 ブレーキ
31 警報音発生器
32 警報表示器
33 距離表示器
41 操作パネル
42 ケーブル情報記憶部
51 ケーブルドラム用ブレーキ
111 ケーブルドラム
112 ウインチ
121 電柱
122 金車
A,B 作業員
Claims (5)
- ケーブル送出し地点に設置されたケーブルドラム(111)からケーブル(1)を送り出しケーブル巻取り地点に設置されたケーブル巻取装置(112)を用いて該ケーブルを巻き取ることにより該ケーブル送出し地点と該ケーブル巻取り地点との間に該ケーブルを敷設する作業を行う際に使用するケーブル弛み防止装置(10)であって、
前記ケーブル送出し地点および前記ケーブル巻取り地点の一方における前記ケーブルの第1のケーブル移動距離を検出するためのケーブル移動距離検出手段(21,21a,12)と、
該ケーブル移動距離検出手段によって検出された前記第1のケーブル移動距離を示す第1のケーブル移動距離信号を他のケーブル弛み防止装置に送信するとともに、該他のケーブル弛み防止装置から送信されてくる前記ケーブル送出し地点および前記ケーブル巻取り地点の他方における前記ケーブルの第2のケーブル移動距離を示す第2のケーブル移動距離信号を受信するための送受信手段(13,13a)と、
前記ケーブル移動距離検出手段によって検出された前記第1のケーブル移動距離と前記送受信手段によって受信された前記第2のケーブル移動距離信号が示す前記第2のケーブル移動距離との差分を求め、該求めた差分が許容値を超えた場合に前記ケーブルドラムの回転または前記ケーブル巻取装置を停止させる信号を発生する停止信号発生手段(14,17)と、
を具備することを特徴とする、ケーブル弛み防止装置。 - 前記差分が前記許容値を超えた場合に警報音を発生させるための警報音発生手段(14,15,31)と、
前記第1および第2のケーブル移動距離と前記差分とを表示するための距離表示手段(14,16,32)と、
前記差分が前記許容値を超えた場合に警報を表示するための警報表示手段(14,15,32)と、
をさらに具備することを特徴とする、請求項1記載のケーブル弛み防止装置。 - 前記差分が前記許容値を超えた場合に前記ケーブルの移動速度を低下させるケーブル移動速度低下手段(14,18,24)をさらに具備することを特徴とする、請求項1または2記載のケーブル弛み防止装置。
- ケーブル送出し地点に設置されたケーブルドラム(111)からケーブル(1)を送り出しケーブル巻取り地点に設置されたケーブル巻取装置(112)を用いて該ケーブルを巻き取ることにより該ケーブル送出し地点と該ケーブル巻取り地点との間に該ケーブルを敷設する作業を行う際に使用するケーブル弛み防止架線工法であって、
前記ケーブル送出し地点に請求項1乃至3いずれかに記載のケーブル弛み防止装置である第1のケーブル弛み防止装置(10)を設置し、
前記ケーブル巻取り地点に請求項1乃至3いずれかに記載のケーブル弛み防止装置である第2のケーブル弛み防止装置(10)を設置し、
前記第1のケーブル弛み防止装置のケーブル移動距離検出手段(21,21a,12)によって前記ケーブル送出し地点における前記ケーブルの第1のケーブル移動距離を検出し、
前記第2のケーブル弛み防止装置のケーブル移動距離検出手段(21,21a,12)によって前記ケーブル巻取り地点における前記ケーブルの第2のケーブル移動距離を検出し、
前記第1のケーブル弛み防止装置のケーブル移動距離検出手段によって検出された前記第1のケーブル移動距離を示す第1のケーブル移動距離信号を該第1のケーブル弛み防止装置の送受信手段(13,13a)によって前記第2のケーブル弛み防止装置に送信し、
前記第2のケーブル弛み防止装置のケーブル移動距離検出手段によって検出された前記第2のケーブル移動距離を示す第2のケーブル移動距離信号を該第2のケーブル弛み防止装置の送受信手段(13,13a)によって前記第1のケーブル弛み防止装置に送信し、
前記第1のケーブル弛み防止装置の停止信号発生手段(14,17)によって、該第1のケーブル弛み防止装置のケーブル移動距離検出手段によって検出された前記第1のケーブル移動距離と該第1のケーブル弛み防止装置の送受信手段によって受信された前記第2のケーブル移動距離信号が示す前記第2のケーブル移動距離との差分を求め、該求めた差分が許容値を超えた場合に前記ケーブルドラムの回転を停止させ、
前記第2のケーブル弛み防止装置の停止信号発生手段(14,17)によって、該第2のケーブル弛み防止装置のケーブル移動距離検出手段によって検出された前記第2のケーブル移動距離と該第2のケーブル弛み防止装置の送受信手段によって受信された前記第1のケーブル移動距離信号が示す前記第1のケーブル移動距離との差分を求め、該求めた差分が前記許容値を超えた場合に前記ケーブル巻取装置を停止させる、
ことを特徴とする、ケーブル弛み防止架線工法。 - 前記第1および第2のケーブル弛み防止装置において、
前記第1および第2のケーブル移動距離と前記差分とを数値で表示し、
前記差分が前記許容値を超えた場合に、警報音を発生させるとともに警報を表示させる、
ことを特徴とする、請求項4記載のケーブル弛み防止架線工法。
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