JP4049468B2 - ケーブル送り装置およびケーブル敷設工法 - Google Patents

ケーブル送り装置およびケーブル敷設工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブルを敷設するためのケーブル送り装置およびこのケーブル送り装置を用いてケーブルを敷設するケーブル敷設工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ケーブル敷設を行うためのケーブル送り装置およびケーブル敷設工法の開発が従来から活発に行われている。ケーブル敷設に用いるケーブルには予め最大張力が定められており、この最大張力を越えて引っ張るとケーブルは破断するおそれがある。したがって、ケーブル送りを行うとき最大張力を越えないようにケーブルの張力を計測しながらケーブル敷設を行っている。
【0003】
図27は、ケーブルの張力計測を伴う従来のケーブル敷設工法の例を説明する説明図である。図27(a)に示すように、メッセンジャワイヤ500は、複数の支柱510により張架されている。ケーブルハンガー520はメッセンジャワイヤ500に固定され、4号金車530はこのメッセンジャワイヤ500から吊されている。ケーブル540は、接続金具550を介して牽引ロープ560に接続されている。この牽引ロープ560とケーブル540は、ケーブルハンガー520と4号金車530を通過しながら牽引装置570により矢印Aの方向へ牽引される。このようにしてケーブル540が敷設される。
【0004】
また、巻き取り型の牽引装置570の代わりに、図27(b)に示すように送り型の牽引装置580が載置される場合、牽引装置580は、牽引ロープ560を矢印Bの方向へ牽引して牽引装置580を通過させ、さらに、牽引ロープ560の通過後は、ケーブル540を送る。このようにしてケーブル540が敷設される。
【0005】
図27(a),(b)に示すケーブル敷設工法において、ケーブル540の張力を監視するため、張力監視装置590を用いる。この張力監視装置590には、通信ケーブル600を介してモニタ装置610が接続されており、計測された張力データは、張力の大きさに関する表示を行ったり、所定の制御処理を行うためのデータとして利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のケーブル敷設工法で用いる張力監視装置590は、牽引ロープ560を張力監視装置590内に引き込み、図示しない計測部が牽引ロープ560の外周に接して張力を計測するように構成されており、牽引ロープ560の直径を越えるケーブル540および接続金具550を通過させることができない。
【0007】
ケーブル540および接続金具550が張力監視装置590を通過する前に、作業員はケーブル送りを停止して張力監視装置590内をケーブル540および接続金具550が通過することを回避し、張力監視装置590に牽引ロープ560を再びセットした上でケーブル送りを再開するという作業が必要になる。しかしながら、このような延線作業は、作業性が悪く、作業時間が長くなり、また作業コストが高いという問題点があった。
【0008】
また、長尺物(例えば3000m)のケーブル540を延線している途中に最大張力を越えると判断された場合、そのケーブル540は全て不良品となり取り換える必要があった。そして、改めて新しいケーブル540を敷設する必要があり、同様に延線作業としては時間と費用が余分にかかるという問題点があった。このため張力監視は欠かせないものであった。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、接続金具、ケーブル、および牽引ロープの大きさに影響されることなく正確かつ容易に張力監視を行うことができるケーブル送り装置およびケーブル敷設工法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載のケーブル送り装置は、
架台と、
前記架台上を移動する移動部と、
前記移動部を移動させる送り部と、
前記架台と前記移動部とにそれぞれ少なくとも1個が回動自在に軸支される複数の支軸と、
前記複数の支軸に軸支固定される複数の車輪と、
前記架台または前記移動部の少なくとも1個の支軸を回転駆動するための駆動力を供給する第1駆動部と、
前記第1駆動部に駆動信号を出力する第1ドライブ装置と、
前記第1ドライブ装置へ出力する制御信号が入力される入力部と、
前記入力部に入力された制御信号を読み出して前記第1ドライブ装置へ制御信号を出力する制御演算部と、
姿勢を決定するために外部で接触する箇所における摩擦抵抗力を低減させる低減部と、
ケーブルを牽引するときに発生する反力から前記低減部により低減された前記摩擦抵抗力を引いた力を張力として外部へ伝達するための伝達部と、
を備え
前記低減部は、ケーブル送り装置を架線から吊り下げ、かつ、架線上を移動させるための回動体を備えることを特徴とする。低減部により低減させた摩擦抵抗力を反力から引いた力を張力とし、この張力を伝達部を介して外部の張力監視装置へ伝達することにより正確な張力を測定することができる。
【0011】
このケーブル送り装置において、架台または移動部で共に1本の支軸が軸支され、2個の車輪によりケーブルの送りを行うようにしてもよい。また、架台または移動部の何れか一方で2本の支軸が軸支され、かつ、架台または移動部の残る他方で1本の支軸が軸支され、3個の車輪によりケーブルの送りを行うようにしてもよい。架台または移動部で共に2本の支軸が軸支され、4個の車輪によりケーブルの送りを行うようにしてもよい。このように、架台あるいは移送部に回動可能に軸支される車輪の数は各種の設定が可能であり、ケーブル送り装置の設計時に適宜選択することが可能である。
【0012】
さらに、入力部は、遠隔地にいる作業員が操作する外部送信装置や他のケーブル送り装置から出力される制御信号を、有線または無線の伝送路を通じて、受信する受信装置としてもよい。また、ケーブル送り装置の近くにいる作業員から直接入力を可能とするため、必要なキーが配置されたキー入力装置としてもよい。
【0015】
メッセンジャワイヤにケーブル送り装置を係止する場合、メッセンジャワイヤと接触するメッセンジャワイヤ係止部に摩擦抵抗力が発生し、正確な張力の計測の妨げになる。そこで、メッセンジャワイヤ係止部に回動体を備え、この回動体がメッセンジャワイヤ上を移動可能に回動することで摩擦抵抗力を低減させる低減部とする
【0016】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、請求項1に記載のケーブル送り装置において、
移動するケーブルが予め定められたケーブル送り速度を越えるときまたは予め定められたケーブル送り速度未満のとき前記車輪と前記支軸との間の回転駆動力の伝達を遮断するラチェット機構部を備えることを特徴とする。
ラチェット機構部により所定条件では回転駆動力の伝達を遮断することで予め定められた張力値を越えるケーブル送りを回避することができる。
【0017】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、
請求項1または請求項2に記載のケーブル送り装置において、
前記架台または前記移動部の何れか一方で軸支された少なくとも1個の支軸に前記第1駆動部が供給する回転駆動力の回転方向に対し逆回転するような回転駆動力を、前記架台または前記移動部の残る他方で回転自在に軸支される支軸に供給する変換駆動部を備えることを特徴とする。
少なくとも2個の車輪でケーブルを挟み込むが、ケーブルを挟む位置で車輪外周の線速度は共に同じ方向となるように回転している。そして、この挟み込んだケーブルを少なくとも2個の車輪が一定の張力で確実に移送するケーブル送り装置とすることができる。
【0018】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
供給されるケーブルを前記複数の車輪により挟まれる位置に誘導する誘導部を備えることを特徴とする。
1つの誘導部を、車輪の前(ケーブル送り出し側)のみで、あるいは、後ろ(ケーブル迎え入れ側)のみで配置したり、車輪の前後で誘導部をそれぞれ1個づつ計2個配置したり、または、車輪の前後に誘導部をそれぞれ2個づつ計4個配置したりしても良い。
【0019】
また、誘導部について、4本のローラを略#状に組み合わせた形状を有し、中央開口にケーブルを通過させ、2個の車輪がケーブル挟む位置へ誘導する誘導部としても良い。また、水平方向に渡される2本のローラの離間距離はケーブル直径と略同一かそれ以上であり、かつ、垂直方向に渡される2本のローラの離間距離は前記ケーブル直径を越える大きい誘導部としても良い。
【0020】
さらに、誘導部は、ケーブルの入口と出口の開口が相違するようにしても良い。誘導部について、入口と出口との開口が相違する構成として、例えば、ラッパ状に構成した誘導部、径の異なる複数のリングを備えた誘導部、前記ローラーによる誘導部であって開口が異なるように複数個並べられた誘導部などが考えられる。このような誘導部があることで、張力を一定にしてケーブルを送るために最適な位置で複数の車輪がケーブルを挟むことができ、ケーブル送りを円滑にすることができる。
【0021】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、
請求項1〜請求項の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
前記第1ドライブ装置は、前記第1駆動部へ出力される駆動信号に基づいて負荷の状態を検出した検出信号を前記制御演算部へ出力することを特徴とする。
例えば、駆動信号として過大な電流が流れている場合、ケーブル送りができない状態であるにも関わらず駆動されている状態であると制御演算部が判断することができ、ケーブル送りを停止することで故障等を防止することができる。
【0022】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
前記送り部は、ケーブル径の変化を検出するためのセンサ部と、前記センサ部から出力される検出信号に基づいてケーブルの送りを停止する制御信号を第1駆動部へ出力する制御演算部とを備えることを特徴とする。
【0023】
ケーブルの径が変化したことを検出してケーブルの送りを停止するようにしたので、例えば、ケーブルの径が変化したときにケーブルの送りを停止し、送り部を移動させてケーブルの径に適した位置に複数の車輪を移動させ、最適なケーブル送りを行うことができる。また、牽引ロープを長くする(例えば3000m)ために牽引ロープに結び目や接続金具があるような場合、結び目を回避してケーブル送りを行うことができ、結び目が車輪を通過するときに移動部、架台、または変換駆動部等に過大な力が加わることを防止する。
【0024】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
前記送り部は、ケーブル径の変化を検出するためのセンサ部と、前記センサ部から出力される検出信号に基づいて前記移動部の位置を求めて前記移動部を移動させる制御信号を出力する制御演算部と、前記制御演算部から出力される制御信号に基づいて前記移動部を移動させる駆動信号を出力する第2ドライブ装置と、前記第2ドライブ装置からの駆動信号に基づいて前記移動部を駆動する第2駆動部とを備えることを特徴とする。
【0025】
このように構成すれば種々の直径のケーブルに対応し、最適な位置でケーブルを挟むように車輪が自動的に移動してケーブル送りを行うので、ケーブルが傷つくことなく、また、ケーブルが車輪に引っかかることを回避することができる。
【0026】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、請求項〜請求項の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
前記制御演算部は、入力される検出信号に基づいて判定した状態についての状態信号を外部へ出力する出力部を備えることを特徴とする。
【0027】
出力部は、有線または無線の伝送路を通じて、制御演算部が出力した状態信号を外部へ送信する送信装置としても良い。送信された状態信号を、作業員が操作するコントローラ内部に設けられた受信装置が受信し、このコントローラに設けられた表示部などに作業員が把握できるような形態で状態信号を表示することで状態を確認できるようにしても良い。また、ケーブル送り装置の近くにいる作業員が直接出力を確認できるよう、出力部は、例えば文字ディスプレイのような表示部であってもよい。また、他のケーブル送り装置へ状態信号を送信するようにしても良い。
なお、作業員がいる場合には作業員の判断を優先させるため、例えばコントローラから作業員による操作が入力がされた場合には、制御演算部の処理よりもコントローラからの入力を優先して制御し、この作業員の操作により変化が生じた状態信号を外部表示するようにしてもよい。
【0028】
状態信号としては、第1ドライブ装置から読み出された第1駆動部の稼動状態、送り部のセンサ部から読み出されたケーブルの径状態に関する状態信号などがある。このように状態信号を検出する構成とすれば、作業員が異常事態を容易に把握することができ、ケーブル送り時に発生した障害から復旧することが容易になる。
【0029】
さらに、ケーブル送り装置から送信される状態信号を作業員が操作するコントローラが受信し、他のケーブル送り装置へ異常事態に対処する制御信号を送信するようにすれば、異常事態に対し自動的に対処するケーブル送り装置とすることもできる。また、ケーブル送り装置から送信される状態信号を他のケーブル送り装置が受信して制御演算部が自動的に動作を停止するような構成としても良い。
【0030】
また、請求項に記載のケーブル送り装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
前記伝達部により伝達される張力を計測するための張力監視装置と、前記張力監視装置に伝達される張力により前記張力監視装置が移動することを防止する移動防止部と、を備え、前記移動防止部により移動が防止された状態で前記張力監視装置により計測された張力値が予め定められた範囲内にあるか否かを監視し、予め定められた張力を越えた場合、張力を低下させるための予防処理を行うように制御することを特徴とする。
ケーブル送り装置に組み込んだ張力監視装置を用い、低減部により摩擦抵抗力を可能な限り低減させた正確な張力を測定し、その張力を用いて予防処理を行うことができる。予防処理としては、例えば、聴覚または視覚を通じて作業員に警告する警告信号を出力する、ケーブル送り速度を遅くする、ケーブル送りを停止するまたはケーブルの張力を減少させるなどの処理が考えられが、張力が正確なので精度の高い予防処理を行うことができる。
【0031】
また、請求項10に記載のケーブル送り装置は、請求項に記載のケーブル送り装置において、
前記張力監視装置は、他のケーブル送り装置の張力監視装置と張力に関する情報の送受信を行うことを特徴とする。
他のケーブル送り装置と連動し、それぞれのケーブル送り装置が張力を予め定められた範囲内の値にしてケーブル送りを行うので所望のケーブル送りを実現することができる。以上、請求項1〜請求項12のケーブル送り装置において、張力を監視するための種々の工夫がなされ、正確な張力の監視が可能となる。
【0032】
また、請求項11に記載のケーブル敷設工法は、請求項1〜請求項10の何れか1項に記載したケーブル送り装置により、ケーブルの張力を監視しながらケーブル敷設をすることを特徴とする。
正確な張力の監視を行いながらケーブルが予め定められた範囲内の張力となるようにケーブル送りをすることができる。
【0033】
また、請求項12に記載のケーブル敷設工法は、請求項または請求項10に記載のケーブル送り装置により、他のケーブル送り装置と張力に関する情報について相互に送受信を行いながらそれぞれのケーブル送り装置は予め定められた範囲内の張力でケーブルを送るように制御しつつケーブルを敷設することを特徴とする。
正確な張力の監視を行いながら、他のケーブル送り送り装置と連動して、予め定められたケーブルの張力の範囲内に収まるように維持しつつケーブル送りをすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態のケーブル送り装置について説明する。図1は、本実施形態のケーブル送り装置の正面図、図2は、同じく平面図、図3は、同じく右側面図、図4は、同じく底面図、図5は、同じくA−A断面図、図6は、同じく2つの車輪を外した場合の底面図、図7は、車輪に設けられたラチェット機構を説明する説明図、図8は、同じく制御系ブロック図、図9は、同じく車輪とケーブルとの接触状態を説明する説明図、図10および図11は、同じく誘導部の他の実施例の構成図、図12は、同じく変換駆動部がないケーブル送り装置を説明する説明図、図13および図14は、同じく車輪数が異なるケーブル送り装置を説明する説明図である。以下、図1〜図14を用いて本実施形態のケーブル送り装置について説明する。なお、図1、図3および図4では、ケーブル送り装置にケーブルが装着されている状態を図示するものとする。また、図5において、図示の都合上メッセンジャワイヤ係止部は、図示しないものとする。
【0035】
まず、ケーブル送り装置の構成について説明する。架台1には、車輪2が固定された支軸3が、軸受4を介して回動自在に軸支されている。支軸3の端部には、かさ歯車5が取り付けられている。本実施形態において、かさ歯車5は、すぐ歯かさ歯車、はす歯かさ歯車、または、まがり歯かさ歯車のうちいずれかのかさ歯車とすることができる。
【0036】
このかさ歯車5に噛合するかさ歯車6は、図2〜図4に示す第1駆動部7の回転軸に固定されている。第1駆動部7は、AC(Alternative Current)サーボモータやインダクションモータ等である。また、モータと減速器が一体となった第1駆動部7としても良い。この第1駆動部7は架台1に取り付けられた取付治具8に固定されている。作業開始時、作業員は、トルク、速度など作業に最適な第1駆動部7を選択してこの取付治具8に取付固定するため、この取付治具8と第1駆動部7とは着脱が容易となるように構成されている。また第1駆動部7は、制御用ユニット9に接続されている。制御用ユニット9については後述する。
【0037】
かさ歯車5に噛合するもう一つのかさ歯車10は、シャフト11に固定されている。シャフト11は、軸受12,13により回動自在となるように支軸されている。このシャフト11に沿ってかさ歯車14が移動するよう遊挿されている。かさ歯車14は、かさ歯車15と噛合する。このかさ歯車15は、図5に示すように支軸16の一端に固定されている。
【0038】
図5、図6に示すように支軸16は、軸受17を介して移動部18に回動自在に軸支されている。移動部18は、架台1に対し、図6の矢印aに示す方向(水平方向)に移動自在となるように構成されている。具体的には、移動部18は、架台1の溝部19a,19bに沿って摺動する。そして、図1に示すように架台1に固定されるナット部20に螺挿される送りねじ21により駆動される。このようなナット部20と送りねじ21とを送り部とする。この送り部を駆動するために、本実施形態では送りねじ21の先端にハンドル22を固定した構成とする。作業員がハンドル22を回動させて、手動により送り部を駆動する。
【0039】
シャフト11とかさ歯車14とにはそれぞれ図示しないキー溝が設けられ、このキー溝にはめ込まれたキー23によりシャフト11からかさ歯車14へ回動力が伝達されている。送り部が水平方向に移動するとき、シャフト11に沿ってかさ歯車14を移動させ、かつ、かさ歯車14とかさ歯車15との噛合を維持するために、かさ歯車移送部24が設けられている。かさ歯車移送部24は、移動部18の移動に応じて、かさ歯車14をシャフト11に沿って水平方向に摺動させる。以上説明した、かさ歯車10、シャフト11、軸受12,13、かさ歯車14を本実施形態では変換駆動部とする。
【0040】
なお、本実施形態では、1個の第1駆動部7と変換駆動部とを利用して2個の車輪2,25を駆動しているが、その理由としては、第1駆動部7の回転数の変化に変換駆動部が即応し、複雑な同期制御等を必要とすることなく2個の車輪2,25の回転数やトルクを同じにするためである。
【0041】
支軸16には車輪25が取り付けられている。車輪2,25は、例えば、中心軸と略平行に貫通する円筒状の孔を有する孔あきの弾性ローラや、通常の穴なしの弾性ローラなどが考えられる。また、硬度の異なる複数種類の車輪を用意しておき、必要に応じて変更しても良い。車輪を弾性体にすることでケーブル26に傷を付けることを回避する。車輪2,25は、支軸3,16に容易に着脱可能とするため、図示しないが割ピンや図7で示す留め金具2jにより取り付けられている。
【0042】
さらに過大な張力が発生した場合に対処するように車輪2,25内部には、ラチェット機構部2c,25cが設けられている。図7に示される車輪2とラチェット機構部2cを用い、車輪2のラチェット機構部2cについて説明し、ラチェット機構部25cについては同一構成であるとして説明を省略する。支軸3に取り付けられたつめ車2dは、ばね2eにより付勢されたつめ2fと接している。つめ2fは、軸2gにより回動自在に軸支され、この軸2gは接触伝達部2hに固定され回転力を伝達する。この接触伝達部2hは、支軸3に回動自在に軸支されている車輪2の内周に接触して回転駆動力を伝達する。なお、回転駆動力の回転方向については、方向変換部2iを切り替えることにより所望の方向の回転方向を設定することができる。
【0043】
支軸3から伝えられる回転速度よりも、ケーブルの牽引による車輪2の回転速度のほうが高い場合、ラチェット機構部2cにおいて、駆動力車輪2と接触伝達部2hとは一体となって回転するが、その回転速度が支軸3の回転速度より速くなり、つめ車2dとつめ2fが分離し車輪2は空回りする。この場合このケーブル送り装置が伝達するトルクは0である。
【0044】
一方、支軸3から伝えられる回転速度よりも、ケーブルの牽引による車輪2の回転速度のほうが低い場合、ラチェット機構部2cにおいて、つめ車2dとつめ2fが接して車輪2、接触伝達部2h、および支軸3は一体となって回転し、車輪2,25によりケーブル牽引力が供給される。この場合ケーブル送り装置が伝達するトルクは速度に応じて所定値を取る。
【0045】
しかしながら、支軸3から伝えられる回転速度よりも、ケーブルの牽引による車輪2の回転速度のほうが著しく低いもしくは0の場合、ラチェット機構部2cにおいて、つめ車2dから伝えられる回転駆動力に抗しきれず、つめ2fが外側へ移動して車輪2は空回りをする。この場合このケーブル送り装置が伝達するトルクは0である。このようにラチェット機構部2cにより所定範囲内のトルク値を伝達することができ、過剰なトルクでケーブルを送ることによりケーブルに過剰な張力を与えることを回避する。
【0046】
ラチェット機構部2cを用いることで、複数のケーブル送り装置を用いてケーブル送りをする場合、複数の中の1台が故障等により高い速度でケーブルを送った場合、他のケーブル送り装置は一定速度でケーブル送りを続けるがこのケーブル送り装置は上述の理由によりつめ車が空回りしつつ車輪が従動しケーブルの最大張力を越えることを回避する。また、複数の中の1台が故障等によりケーブル送りを停止した場合や低速度で送った場合、他のケーブル送り装置は一定速度でケーブルを送り続けるがこのケーブル送り装置の車輪は通常速度のケーブルの移動に従動して空回りをするのでケーブルの最大張力を越えることを回避できる。
【0047】
つまり、1台のケーブル送り装置が異なる速度になったとしても、このケーブル送り装置がケーブルに負荷を与えることはない。また、ケーブルに接する車輪2,25は、使用頻度や経年変化等でそれぞれのケーブル送り装置の車輪2,25とケーブル26との動摩擦係数が異なる。このような場合、ケーブル送りが開始された当初において、あるケーブル送り装置の車輪は回転していても、他のケーブル送り装置の車輪が回転しないような状態が起こりうるが、上述の理由によりケーブルが予め定められた張力を越えることを回避できる。
【0048】
前述のように、ラチェット機構部2cは、一方向にのみトルクをかけ、かつ、所定値以上の高いトルクが掛かかる状態になるとき、つめ車2dとつめ2fとが分離し、車輪2はトルクの伝達を回避する機能を有している。このトルクの値については設定可能である。このような設定機構については、例えば一般のトルクレンチなどで周知の技術であり、説明を省略する。このようにラチェット機構部2cは、予め定められた張力を越える事態を回避するように機能する。なお、ラチェット機構部2cは、車輪内部以外にも、例えば、軸受部の近傍などに設置することも可能である。
【0049】
なお、車輪2,25には、外周端部は面取りが施されるか、もしくは、曲率(R)を持たせてある。もし面取りがなされないで弾性を有する2つの車輪がケーブルを挟んだとき、2つの車輪が変形して略鼓状になり、鼓状の2つの車輪の側面で最も突出する箇所が干渉することがある。本実施形態の車輪2,25では端部を面取り処理して上述の干渉を回避し、円滑にケーブルを送るようにする。
【0050】
架台1には、ケーブル26を誘導する誘導部27が取り付けられている。誘導部27は、水平方向へ平行に配置される2本のローラ27a,27bと、垂直方向へ平行に配置される2本のローラ27c,27dとを備えている。これらローラは、棒状のローラであって、図3、図4に示すように、ケーブルの終端側(ケーブル迎え入れ側)からケーブルの始端側(ケーブル送り出し側)へ、つまり、矢印bの方向へ移動するケーブル26が接触するとき、ケーブル26に沿って回転するように構成されている。
【0051】
さらに誘導部27は、本実施形態では車輪2,25の前後に配置され、ケーブル26が安定して移動するように誘導する。なお、誘導部27は、図に示すように前後配置される構成に加えて、前のみ、または後ろのみに配置されたとしても所定の効果を発揮する。なお、他の実施例の誘導部27については後述する。
【0052】
ケーブル送り装置の第1駆動部7は、制御用ユニット9に接続されているが、詳しくは、図8に示すように第1ドライブ装置28に接続されている。第1ドライブ装置28には、制御演算部29が接続され、この制御演算部29には、送受信装置30が接続されている。この送受信装置30は、無線、有線またはメッセンジャワイヤ等を介してコントローラ31と送受信するために設けられている。
【0053】
このような送受信のうち送信の例について説明する。第1ドライブ装置28は、ケーブル送りの異常で過剰負荷のために第1駆動部7で流れる過大電流を検出して検出信号を制御演算部29へ出力する。制御演算部29は、この検出信号から状態を判断して状態信号を送受信装置30へ出力する。送受信装置30は、外部のコントローラ31や他のケーブル送り装置等の外部へこの状態信号を出力する。また、他の状態信号として正回転か逆回転かいずれの回転状態であるかを示す状態信号も出力する。
【0054】
コントローラ31へ送信された状態信号をコントローラ31内の図示しない制御演算部が解析し、コントローラ31に備えられた図示しない表示部に状態を表示するので、作業員は、ケーブル送りの状態を確認できる。このケーブル送り装置は、異常時にはその異常内容を確認できるので、ケーブル送り装置の障害除去、ケーブルに異物が引っかかった場合における異物の除去などのケーブル上の障害除去、故障修理、取り換え等を作業員が容易に判断することができる。さらに、状態信号を発したケーブル送り装置を除く他のケーブル送り装置は受信した状態信号を解析して、ケーブル送りを続けるか否かを決定する。このケーブル送り装置は、装置自ら動作を決定するので、迅速に障害を回避することができる。
【0055】
また、送受信のうち受信の例として、作業員の操作に基づいて、コントローラ31から出力された制御信号を、送受信装置30は受信して、制御演算部29へ出力する。制御演算部29は、この制御信号を第1ドライブ装置28へ出力し、第1ドライブ装置28は、この制御信号に基づいて第1駆動部7を駆動する。なお、ケーブル送り装置が複数有る場合は、1台のコントローラ31により全てのケーブル送り装置を一括して運転させることもでき、また、1台のコントローラ31によりケーブル送り装置各々を独立して運転させることもできる。なお、コントローラ31によりケーブルの張力を設定し、この張力を維持しながらケーブル送りをするように制御することができる。
【0056】
本実施形態のケーブル送り装置では、電柱間を渡されるメッセンジャワイヤに、このケーブル送り装置を係止できるようにメッセンジャワイヤ係止部32が設けられている。図3において、メッセンジャワイヤ係止部32には、回動体である滑車32a,32b,32cが取り付けられている。滑車32cは上下方向へ移動するように構成されており、メッセンジャワイヤを容易に取り付けることができる。このようなメッセンジャワイヤ係止部32によりメッセンジャワイヤに沿った移動を容易にする。本実施形態では、メッセンジャワイヤ係止部32が反力による装置本体の移動の際に発生する摩擦抵抗力を低減する低減部として機能を有する。この点については後述する。
【0057】
さらに、メッセンジャワイヤ係止部32には、孔部32dが設けられており、張力監視用ロープを結ぶことができる。本実施形態では、この孔部32dが前記ケーブルの牽引力に応じて発生する反力を外部へ伝達するための伝達部としての機能を有する。この点については後述する。
【0058】
さらに、メッセンジャワイヤ係止部32は2箇所に設けられるので、安定してメッセンジャワイヤに係止される。なお、メッセンジャワイヤを伝送路として制御信号等の送受信がなされる場合、導体からなるメッセンジャワイヤ係止部32は制御信号の送受信のために利用される。
【0059】
続いて本実施形態を用いるケーブル送りについて説明する。ケーブル送りを行うとき図4に示すように、車輪2,25は矢印c,dの方向に回転し、ケーブルの終端側からケーブルの始端側へ、つまり、矢印bの方向へケーブル26を移動させる。ここにケーブルの始端とはケーブルの先端であり、ケーブルの終端とは、ケーブルの先端の逆側でドラム等に格納されている側のケーブルの端部である。誘導部27の各ローラは、たるんだり曲がったりするケーブル26に接触すると回動して、ケーブル26の移動を円滑にする。
【0060】
本明細書中、ケーブルの自重等により上下方向へ移動することをたるみといい、風等により左右方向へ移動することを曲がりとして説明する。このようなケーブル送り装置は、ケーブル26がたるんで、図9(a)に示すように上下方向に移動したとしても、誘導部27のローラ27a,27bにより2箇所で一定位置を移動するように誘導され、かつ、ケーブル26はケーブル終端側、つまり、図9(a)の矢印eの方向へ引っ張られるので、実線で示したケーブル26aと点線で示したケーブル26bとの間を行き来して、ケーブル26cのように安定する。
【0061】
車輪2,25は上下方向へ充分長く設けてあるので、図9(a)の斜線で示した面状のいずれかの位置に当接し、上下方向へケーブルが移動しても確実に車輪にケーブルが接してケーブル送りを続ける。たるみ等によるケーブル26の上下方向の移動は吸収され、ケーブル送りを継続して行うことができ、ケーブル送りを高速化することができる。
【0062】
また、ケーブル送り装置は、ケーブル26が曲がって、図9(b)に示すように左右方向に移動したとしても、車輪2,25により所定1箇所のみケーブルが挟まれ、かつ、誘導部27により一定間隔を移動可能とするように誘導される。つまり、所定範囲内は曲がりを許容し、所定範囲を越える場合は曲がりを誘導するようにした。所定範囲内では車輪2,25の斜線で示した面上のみ接して他は接しないので曲がりを許容し、かつ、ケーブル26は終端側、つまり、図9(b)の矢印fの方向へ引っ張られるので、実線で示したケーブル26aと点線で示したケーブル26bとの間を行き来して、ケーブル26cのように安定する。
【0063】
車輪2,25は円形であるので、図9(b)の斜線で示した面にのみ当接し、左右方向へケーブルが移動してもケーブル26に不当な力が加わることはない。曲がり等によるケーブル26の左右方向の移動は吸収され、ケーブル送りを継続して行うことができ、ケーブル送りを高速化することができる。
【0064】
なお本発明のケーブル送り装置では種々の変形が可能である。以下、第1実施形態を利用してこの変形について説明する。例えば誘導部27であるが、図示しないものの、この誘導部27のローラ27a,27bは、図示しないバネによりケーブルを挟み込む付勢力を与えるようにしても良い。また、図10(a)に示すようにローラによる誘導部27を、ケーブル26に沿って、複数個(図10(a)では2個)並べたものを誘導部27とし、この誘導部27を前後に配置するようにしてもよい。複数個並べることで車輪2,25の前後におけるケーブル26の曲がりやたるみをさらに低減させた上で車輪に供給するためケーブルの送りをより円滑にすることができる。
【0065】
さらに、誘導部27は、ケーブルの入口と出口の開口が相違するように構成し、ケーブル26の曲がりやたるみを低減させてもよい。ケーブルの入口と出口との開口が相違する具体例として、例えば、図10(b)に示すように、ラッパ状に構成した誘導部27としてもよい。なお、開口については、略円形、略楕円形などが選択できる。また、ケーブルに沿って径の異なる複数のリングを備えた誘導部27としても良い。図示しないものの開口については、略円形、略楕円形などが選択できる。
【0066】
また、図10(c)に示すように、前記ローラーによる誘導部27と同じ構成であって、かつ、開口が異なるように構成されたリング状の誘導部を複数個並べた誘導部27としても良い。このように誘導部27については適宜選択することができる。ケーブルに曲がりやたるみが発生しても、複数の車輪へ供給されるケーブルを誘導部により所定の位置へ誘導するため、安定してケーブルを移送することができる。なお、牽引ロープやケーブルとの間の結び目や接続金具が通過するように適宜設計され、ケーブル送りの停止を避けるようにする。
【0067】
さらに、車輪2,25とケーブルが略同一箇所で挟まれ続けることにより、溝が発生するのを回避するため、前述した誘導部を上下方向に移動させるようにしても良い。例えば、図11に示すように誘導部27のローラ27a,27bを上下させるスライダクランク装置27eを設け、車輪2,25にまんべんなく全体で接するようにし、溝が発生することを回避することもできる。
【0068】
また、変換駆動部であるが、第1実施形態で示した以外に、ウオームとウオームホイール等の歯車列を用いる回転伝達要素、チェーンやベルトを用いる回転伝達要素などを用いる変換駆動部も考えられる。このような変換駆動部であっても、本実施形態で説明したように回転駆動力を変換して駆動する機能を有しているならば変換駆動部として利用することが可能である。
【0069】
また、図12に示すケーブル送り装置は、第1実施形態から変換駆動部を取り去った実施形態である。かさ歯車10、シャフト11、軸受12,13、軸受を保持固定していた固定部、かさ歯車14、かさ歯車15、キー23、かさ歯車移送部24が取り除かれている。この実施形態では、車輪25は自由回転するように構成され、車輪2の回転により送られるケーブル26に従動する。しかしながらケーブル送りの機能を損ねるものでなく、変換駆動部がないケーブル送り装置であっても本発明の実施は可能である。
【0070】
また、車輪も第1実施形態で示した2個以外に、図13で示すように3個にしたり、図14で示すように4個にしたりすることができる。架台1あるいは移動部に回動可能に軸支される車輪の数は各種の設定が可能であり、また、第1駆動部7によりどの車輪を駆動させるかも適宜選択することが可能である。また、図13や図14で示す実施形態からさらに変換駆動部を除去することもできる。
【0071】
次に、本発明の第2実施形態のケーブル送り装置について説明する。図15は、本実施形態のケーブル送り装置の正面図、図16は、同じく右側面図、図17は、同じく制御系ブロック図、図18および図19は、ケーブル径の検出を説明する説明図である。以下、図15〜図19を用いて本実施形態のケーブル送り装置について説明する。なお、本実施形態では第1実施形態との相違点のみ説明し、他は第1実施形態と同一として説明を省略する。
【0072】
第1実施形態のケーブル送り装置では、送りねじを回転させるためにハンドル22が設けられていたが、第2実施形態のケーブル送り装置では、図15、図16に示すようにハンドル22に替えて、第1歯車33、第2歯車34、第2駆動部35、2つのセンサ部36a,36bが設けられている。また、図17に示すように制御用ユニット9には、第1実施形態で説明した制御構成に加えて、第2駆動部35を駆動する第2ドライブ装置37が設けられ、制御演算部29には第2ドライブ装置37と2つのセンサ部36a,36bとが接続されている。
【0073】
また、送り部について、一端に移動部が回動自在に取り付けられた送りねじと、架台に固定されて送りねじが螺挿されているナット部とを備え、前記送りねじを回転させて移動部を移動させるような構成としても良い。また、送りねじの他端には回転用のハンドルを取り付けて作業員により移動部を移動できるようにしても良い。
【0074】
センサ部36a,36bは、ケーブル26の直径を計測するために設けられている。具体的には、図18(a)に示すように、センサ部36a,36bとケーブル26との間の距離Aと距離Bを検出し、距離Aと距離Bを用いて制御演算部29によりケーブル26の直径を算出する。具体的には、制御演算部29の図示しないメモリ部は、送り出し用の牽引ロープ26aの距離であるA1、B1および牽引ロープ26aの直径D1を初期値として予め記憶しており、牽引ロープ26aの径とこの牽引ロープ26aに結ばれた各種のケーブル26の径との増減分dを次式により求める。
【0075】
d=(A1−A)+(B1−B)
【0076】
そして牽引ロープ26aの直径D1と増減分dの和をケーブル26の直径とすることができる。また、増減分dを移動部18の移動距離とし、この移動距離だけ移動部18を移動させるように第2ドライブ装置37に制御信号を出力する。なお、図18(b)に示すように、ケーブル26が曲がるような場合に検出される距離A’および距離B’でも、増減分は同じとなるため、2つのセンサ部36a,36bを用いることでケーブル26の曲がりに影響されることなく確実にケーブル径の検出ができる。
【0077】
また、2つのセンサ部36a,36bは、レーザ光、音波などを用いる非接触型のセンサとしたが、その他各種センサを用いることができる。例えば、図19(a)に示すように、牽引用ロープ26aやケーブル26に接する従動輪36c,36dを利用する接触型センサとすることもできる。これら従動輪36c,36dは、図示しないばねにより左右または上下から(図19(a)では左右から矢印g、hの方向へ)ケーブル26を挟み込んで押圧するように構成され、これら従動輪36c,36dの位置の変化を2つのセンサ部36a,36bが検知するように構成されている。
【0078】
例えばある牽引ロープ26aから、接続金具を介して接続された径の異なるケーブル26bへ換わるとき、これら従動輪36c,36dは押し広げられて位置が変化し、2つのセンサ部36a,36bがケーブル26までの距離を算出し、牽引ロープやケーブルの直径を計測することができる。なお、演算方法は、非接触センサを用いる場合と同様であり、説明を省略する。なお、1つの従動輪36cは所定位置から移動しないように固定し、他の1つの従動輪36dのみが移動するような構成としてもよい。この場合、従動輪が移動する側のセンサは1個のみでよくなり、構成が簡単になる。
【0079】
なお、従動輪を用いるセンサ部は、誘導部27としての役割を果たすため、誘導部27と一体化することもでき、また、複数の誘導部を備える場合には1の誘導部と兼用することもできる。さらに図示しないがモータなどの駆動部により従動輪の位置が所定位置にあるように制御し、ケーブルの位置を制御するような構成としてもよい。
【0080】
また、2つのセンサ部36a,36bがケーブル26の直径を計測する機能を有しない場合であっても、複数の径を有するケーブル26と送り出し用の牽引ロープ26aとを判別する構成とすることもできる。これは、ケーブルの径を計測するのではなく、牽引ロープやケーブルの種別を判別するセンサ部36a,36bとする。この場合、その牽引ロープやケーブルの径を、制御演算部29に組み込まれた図示しないメモリ部に登録しておき、判別結果に対応して径をメモリ部から牽引ロープやケーブルの径を読み出す構成となる。このようなセンサ部の具体的な構成として、ケーブル26と牽引ロープ26aを識別するための識別部36eを設け、センサ部36a,36bが識別部36eを検出することで、牽引ロープ26aまたはケーブル26を識別し、制御演算部のメモリ部から径情報を読み出す構成とする。
【0081】
このようなセンサ部36a,36bと識別部36eとしては、センサ部が磁気センサで識別部が磁石など磁気を発生する磁性体である場合や、センサ部が光を発光して反射される光の有無を検出する光センサで識別部が反射体のような場合が考えられる。そして、識別部36eの数と牽引ロープ26aやケーブル26の径を対応させて、制御演算部のメモリ部から径情報を読み出す。例えば、図19(b)に示すように識別部が1個のとき牽引ロープ26aの径情報を読み出し、識別部が2個のときケーブル26の径情報を読み出すというようにする。このように、牽引ロープ26aやケーブル26に対応させて車輪2,25の離間距離を変更することができる。
【0082】
このようにして得られた径情報に基づいて、第2ドライブ装置37は、第2駆動部35に駆動信号を出力する。第2駆動部35は、例えば、DC(Direct Current)サーボモータ等である。第2駆動部35の回動軸には第1歯車33が支軸固定されている。この第1歯車33に噛合する第2歯車34は、送りねじ21の先端に支軸固定されている。第2駆動部35は、第1歯車33、第2歯車34、送りねじ21を介して、移動部18を所定位置へ移動させ、2つの車輪2,25がケーブルを挟むために最適な位置へ移動するまで駆動信号を出力する。
【0083】
なお、本実施形態のようにセンサ部36a,36bを前方、つまり、ケーブル26の始端側に配置した場合、牽引ロープ用の離間距離にある車輪を、径の大きいケーブルが挟まれて通過したのちに、センサ部36a,36bが検出し送り部が動作する。このため、ケーブルの先端は、変形することがある。この場合、変形したケーブル26を切断すれば良い。
【0084】
また、図示しないもののセンサ部36a,36bを後方、つまり、ケーブル26の終端側に配置した場合は、ケーブル26が車輪を通過する前に送り部が動作するので、ケーブル26の先端は変形しないか、もしくは、変形したとしても、変形を少なくすることができる。なお、送り部の実施形態では、回動用のハンドル22を除くとして説明したが、本実施形態の送り部の送りねじ21のさらに先端に回動用のハンドル22を固定し、自動および手動により車輪2,25の離間間隔を調節してもよい。
【0085】
また、センサ部36a,36bにより検出される牽引ロープ、ケーブル等の径情報は、状態信号としてコントローラ31や他のケーブル送り装置等へ出力される。これに加えて、過電流の有無、正逆転運転、牽引ロープがどのケーブル送り装置で送られているか等の情報を作業員はコントローラ31に備えられた図示しない表示部により表示確認できる。これらケーブル送り装置は、異常時にはその異常内容を確認できる。ケーブル上の障害除去、ケーブル送り装置の障害除去、故障修理、取り換え等を判断することができる。
【0086】
なお、牽引ロープ26aやケーブル26が左方向または右方向に極端に曲がって車輪2または車輪25に異常な圧力を加えてしまう場合もある。このような場合であっても、前述のように牽引ロープ26aやケーブル26の径を検出している限り正常と判断する場合がある。そこで信頼性をさらに高めるために側圧を常時計測して異常に対処するケーブル送り装置としても良い。例えば、図示しないものの、車輪2,25のそれぞれの中心を結ぶ線上であって車輪2,25の側部において車輪2,25をバネ等で内側へ押圧するとともに車輪2,25に従動して回転する2個の従動輪と、車輪2,25の側圧の上昇を前記従動輪のバネ力の変化を介して検出する2個の圧力センサとを備え、車輪2,25の側圧を検出するようにしても良い。車輪2,25の側圧が異常に上昇した場合には、ケーブル送りを停止するなどの予防処理を行うようにする。
【0087】
また、図示しないものの、移動部18を更に2つに分け、架台1上で移動自在に取り付けられ、かつ、送りねじ21が取り付けられる第1の移動部と、この第1の移動部上をさらに移動自在に取付られる第2の移動部と、この第1の移動部と第2の移動部との間で挟むように圧力センサ(例えば歪みゲージ式など)を入れた構成としても良い。この場合、第1の移動部は、送りねじ21が所定位置にあるように拘束しているため横方向へ移動しないが、第2の移動部は、車輪25に異常な力が加わった場合には、支軸16および軸受17を介して、異常な力が伝えられ、横方向へ移動しようとする。このため、第1の移動部と第2の移動部とで挟まれた圧力センサが圧力を検知することができる。車輪2,25の側圧が異常に上昇した場合には、ケーブル送りを停止するなどの予防処理を行うようにする。なお、側圧を測定するこのような構成は前述以外にも各種考えることができ、適宜選択される。また、このような側圧の計測は第2実施形態に限らず第1実施形態のケーブル送り装置で行ってもよい。
【0088】
以上、第2実施形態のケーブル送り装置では、牽引ロープやケーブルの径の大きさに合わせて車輪の離間距離を調整するため、予め定められ範囲内の張力で自動的にケーブル送りをすることが可能となる。
【0089】
このように第1及び第2の実施形態のケーブル送り装置は、予め定められた張力を越えてケーブルを引っ張ることを回避し、所定範囲内の張力でケーブル送りを行う。このように第1及び第2の実施形態のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法について説明する。図20、図21および図22は、ケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法の例を示す説明図である。なお、ケーブル送り装置で説明済みの構成要素は同一の符号を付す。
【0090】
図20(a)は、ケーブル送り装置160を1メッセンジャワイヤ100に係止してケーブル敷設するケーブル敷設工法を説明する説明図である。図20(a)に示すように、メッセンジャワイヤ100は、複数の支柱110により張架されている。ケーブルハンガー120はメッセンジャワイヤ100に固定されている。ケーブル130は、接続金具140を介して牽引ロープ150に接続されている。ケーブル送り装置160は、このケーブル130をケーブルハンガー120を通過させながら矢印iの方向へ送る。さらに、牽引ロープ150も図示しない他のケーブル送り装置により牽引される。
【0091】
この際、ケーブルの牽引力の反力が矢印jの方向へ働き、ケーブル送り装置160を移動させようとする。しかしながら、移動防止部の一例である固定ロープ170によりケーブル送り装置の移動を防止する。このケーブル送り装置160と固定ロープ170との間には、張力監視装置180が設置されており、張力を監視する。張力監視装置180は、固定ロープ170を内部で通過移動させる必要がないので、簡単な構成にすることができる。具体的には、従来一般的に使用される張力監視装置に加えてバネばかりのような簡単なものであっても良い。このような簡単なものであっても張力に関する情報を得ることができる。
【0092】
なお、移動防止部としては、支柱に固定する固定ロープ170以外にメッセンジャワイヤ100に張力監視装置180を介して固定する機構としても良い。移動防止部としては種々の構成が考えられるが、移動を防止する機能を有していればよい。また、張力監視装置180と孔部32dを結ぶロープを省略し、ケーブル送り装置と一体とした張力監視装置180としてもよい。このような構成については後述する。さらに、何らかの事情によりケーブル送りを逆方向に行う必要がある場合、図示しないが、もう一方の孔部32dに図示しない他の張力監視装置を介して図示しない他の固定ロープの一端を結び、メッセンジャワイヤ100にこの固定ロープの他端を結び、張力監視装置を用いて張力を監視すればよく、ケーブル送り速度の方向に関わらず張力の測定が可能である。
【0093】
この張力監視装置180が監視する張力に関する情報は、通信ケーブル190を介してモニタ装置200へ送信する。モニタ装置200は、例えば、情報を表示する表示装置や、他のケーブル送り装置へ情報を送信する送信装置を備えている。また、モニタ装置200は、張力が予め定められた範囲内にあるか否かを監視し、予め定められた範囲を越える場合は、予防処理を行う。予防処理とは、ケーブル送り時に予め定められた張力を越えることを予防回避する処理である。モニタ装置200による予防処理としては、例えば、聴覚または視覚を通じて作業員に警告する警告信号を出力することなどがある。作業員がコントローラ31を操作してケーブル送りを停止させるなどの処置を行うことができる。
【0094】
また、モニタ装置200から張力値に関する信号を出力してケーブル送り装置による予防処理を行うようにしても良い。例えば、アナログ信号であって、張力値の増大に比例して増大する電圧信号を図示しないアナログ/デジタル変換器(以下、Analog to Digitalの頭文字をとり、A/D変換器という。)に入力してディジタル信号に変換し、このディジタル信号を制御演算部29へ入力し、制御演算部29が電圧が高い、つまり、張力値が大きいと判断したとき、ケーブル送り速度を遅くする、ケーブル送りを停止する、またはケーブルの張力を減少させるようにケーブル送り装置を制御するなどの予防処理である。この場合、正確な張力値に基づいて精度の高い予防処理を行うことができる。なお、このような構成はフィードバックループを形成しているため、予防処理以外にもフィードバック制御を行って張力値を一定に維持する制御を行うこともできる。フィードバック制御により張力値を制御するか否かは適宜選択される。
【0095】
なお、ケーブルがたるんで図20(b)の矢印kの方向へ下降した場合、ケーブルを送る方向が変化し、水平方向と鉛直方向とに力が分解され、水平方向の力のみが張力となり、実際の張力と比較して張力が減少する。そこで張力を補正して出力するようにすればより正確な張力を測定することができる。ケーブル送り装置のメッセンジャワイヤ係止部に摩擦抵抗力が図20(b)の矢印lの方向に働くが、滑車により摩擦抵抗力が低減される。これにより張力監視装置180が測定する張力は摩擦抵抗力が低減されているのでより正確に測定することができる。
【0096】
なお、ケーブル敷設工法としては複数台(図21では2台)のケーブル送り装置を用いる場合が多い。この場合、複数のケーブル送り装置、張力監視装置またはモニタ装置間において測定した張力を送受信し、複数のケーブル送り装置相互間において予め設定した張力を維持するように制御する。具体的な例としては、最大張力が250kgfのケーブルを牽引する場合に、1台のケーブル送り装置がケーブルの張力が120kgfとなるトルク制御を行い、他の1台のケーブル送り装置がケーブルの張力が80kgfとなるようなトルク制御を行い(以下、このような制御を便宜上トルク−トルク制御という。)、合計200kgfの張力でケーブル送りを行うというようなものである。さらに、同様の主旨で速度−速度制御またはトルク−速度制御を行ってもよい。いずれの場合も、複数台のケーブル送り装置による張力の和が予め定められた張力の範囲内に入るように複数のケーブル送り装置が協同して制御を行う。
【0097】
このようにすれば、ケーブルは予め定められた張力を越えることなく送られ、ケーブル送りが円滑に行われる。なお、ラチェット機構部を有していれば、故障等でいずれか一方のケーブル送り速度が早い場合、ラチェット機構部の働きにより予め定められた張力を越える事態の発生は回避される。また、ラチェット機構部がない場合であっても、異常状態を検出してケーブル送りを停止する。このように予め定められた張力を越える事態は回避できる。
【0098】
なお、支柱により張架されたメッセンジャワイヤに係止させるケーブル送り装置およびケーブル敷設工法について説明したが、マンホール、共同溝、坑道など地中ケーブル敷設用に使用することもできる。図22に示すように、ケーブル送り装置160は、マンホール300から立穴310に入れられ、立孔310内を張架されるメッセンジャワイヤ100に係止されている。このケーブル送り装置160を用いてケーブル130は導入孔320へ送られる。この際、ケーブル送り装置、張力監視装置、またはモニタ装置間において張力の送受信が行われ、予め定められた張力を維持し、最大張力を越えないように制御される。
【0099】
このようなケーブル敷設工法は、ケーブル送り装置の数により相違する。図20で示すように、1台のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法では、ケーブル送り装置160は、予め定められた範囲内で一定張力のケーブル送りを行うように制御する。この場合、作業員により1台のコントローラ31が操作される。作業員がモニタ装置200の図示しないディスプレイ表示部により目視により張力を確認し、一定張力を維持するようにコントローラ31を操作する。また、自動制御により一定張力を維持するモードがあればそれを選択操作して、作業員の負担を軽減させるようにしてもよい。
【0100】
また、ケーブル送りに障害が発生した場合について説明する。このようなケーブル敷設工法の障害とは、ケーブル130が金具等に引っ掛かって送れない場合、ラチェット機構部がないと、トルクが過度に掛かって、ケーブル送り装置の第1駆動部7に過大電流が流れる障害が考えられる。この場合、予め設定した電流値を越える電流が第1駆動部7に流れたとき、制御演算部29は、強制的に運転を自動的に停止するようにプログラム処理されている。また、張力監視装置側でも機械的に張力を計測し監視するようにしても良い。さらに、作業員のケーブル目視やコントローラ31の図示しない表示部に表示された状態信号を作業員が確認したとき、作業員は、コントローラ31に設けられた図示しない電源をOFFにすることでケーブル敷設を停止することもできる。もちろんラチェット機構部があれば、あるトルクを越える場合空回りするため、他のケーブル送り装置の負荷とならず、他方のケーブル送り装置で予め定められた張力値の範囲内であればケーブル送りが可能である。
【0101】
作業員は、ケーブル送り装置の調整・修理・交換等を行ったり、ケーブルハンガーに引っか掛ったケーブルを取り外すなどの障害を取り除き、運転再開する。なお、作業員の誤操作によるケーブル送りの停止を回避するため、コントローラ31からの操作は、2つの所定の操作ボタンを1つづつ2段階で押したときに動作させる保護機能を有し、信頼性を向上している。このような機能をインターロック機能という。
【0102】
また、2個を越えるケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法を説明する。2個を越える場合であっても2個のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法と同じである。図21を援用するが、3個以上のケーブル送り装置160は、ケーブルの張力が予め定められた範囲内で一定張力とするように制御する。3個以上のケーブル送り装置において、ケーブル送り装置160、張力監視装置180、モニタ装置200、またはコントローラ31は、それぞれ張力に関する送受信を行い、お互い他のケーブル送り装置の張力を監視し、連動してケーブル送りを行う。コントローラ31を用いて入力設定された所定の張力を維持する。
【0103】
あるケーブル送り装置において張力の差が発生したとき、ラチェット機構部があれば最大張力を越えることは回避できるがラチェット機構部がない場合は、すぐに張力が大きくなる。しかしながら、張力監視装置180により張力の増大が検出できるため、ただちに張力を低下させる制御を行う。この制御は自動的に行うようにプログラム処理しても良いし、また、作業員がコントローラ31を直接操作してもよい。また、側圧が上昇したような場合、車輪の離間距離を自動的に制御して最適な張力となるようにしてもよい。以上、メッセンジャワイヤにケーブル送り装置を係止して行うケーブル敷設について説明した。
【0104】
なお、メッセンジャワイヤに係止されるケーブル送り装置およびそのケーブル敷設工法について今まで説明したが、平面またはレールを有する台車上でケーブル送り装置が移動自在に載置された装置とすることもできる。このような本発明の第3実施形態のケーブル送り装置について説明する。図23は、本実施形態のケーブル送り装置の正面図、図24は、同じく右側面図である。以下、図23と図24を用いて本実施形態のケーブル送り装置について説明する。なお、本実施形態では第1実施形態との相違点のみ説明し、他は第1実施形態と同一として説明を省略する。
【0105】
第3実施形態のケーブル送り装置では、メッセンジャワイヤ係止部32に代えて回動体38を備える低減部を有している以外は第1実施形態と同一である。このようなケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法は、図25に示すように台330の平面またはレール上を移動自在となるようにケーブル送り装置160を載置して行う。ケーブル130の牽引による反力が矢印lの方向にかかっても、矢印jの方向へかかる摩擦抵抗力は回動体38により低減するので、反力を張力と見なして張力監視装置180は正確な測定をすることができる。
【0106】
また、メッセンジャワイヤ上を移動するための滑車を有する低減部を備えるケーブル送り装置について今まで説明したが、メッセンジャワイヤ上に係止する以外にも支柱を用いた特別な低減部とすることもできる。このような本発明の第4実施形態のケーブル送り装置について説明する。図26は、本実施形態のケーブル送り装置を説明する説明図である。以下、図26を用いて本実施形態のケーブル送り装置について説明する。なお、本実施形態では第1実施形態との相違点のみ説明し、他は第1実施形態と同一として説明を省略する。
【0107】
第4実施形態のケーブル送り装置では、図26(a),(b)に示すように、メッセンジャワイヤ係止部32に係止する代わりに、ケーブル送り装置を支柱に取り付けるため、支柱に固定される固定部39と、この固定部39上に立設する回動軸40と、この回動軸40に回動自在に軸支される回動アーム41と、この回動アーム41に立設されるピン42と、この回動アーム41に固定されるケーブル送り装置160とを備えている。回動アーム41は回動軸40を軸心として滑らかに回動するように設けられて、低減部としての役割を果たす。また、ピン42はケーブル送りにより発生する張力を張力監視装置へ伝達する伝達部としての役割を果たす。また、メッセンジャワイヤ係止部32の代わりに回動アーム41へケーブル送り装置を固定する部材により固定されている。それ以外は第1実施形態と同一である。
【0108】
このようなケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法を説明する。図26(b)の矢印mの方向へケーブルを送るとき、ケーブル送り装置はケーブル送りにより発生する図26(b)の矢印nの方向への反力を回動アーム41へ伝える。そして、回転アーム41は回動ピン42を通じて図26の矢印Oの方向の反力を固定ロープ170へ伝達する。この固定ロープ170を介して張力が張力監視装置180へ伝達される。なお、図20(b)でも示すように回転モーメントの関係からも明らかなように長さおよび角度が異なるため正しい張力が伝達されていない。このため補正することが必要となるが、長さL1とL2の比と、角度θを用いて補正値を求めることができる。このようにして、反力を張力と見なして張力監視装置180は正確な測定をすることができる。なお、本実施形態では、図26(b)の矢印mの逆方向へケーブル送りをする場合であっても他の張力監視装置180により張力の監視を行うことができる。
【0109】
なお、第4実施形態では、メッセンジャワイヤ係止部32を取り去って回動アーム41へケーブル送り装置を固定する部材により固定したものとして説明した。これ以外にも、回動アーム41に短距離のメッセンジャワイヤを張って第1実施形態のケーブル送り装置を設置するようにしてもよい。このように種々の形態を取ることができる。
【0110】
なお、第1〜第3実施形態において、伝達部は孔部であるとし、孔部と張力監視装置とをロープを介して結び、かつ、張力監視装置と支柱とを固定ロープとを介して結ぶことで張力を監視していた。しかしながら、ロープの代わりに孔部と張力監視装置とを結ぶ部材を機械的に作成し、伝達部と張力監視装置とを一体に構成しても本発明の実施は可能であり、ケーブル送り装置の設置を容易にすることができる。このとき、張力監視装置と制御演算部とを接続し、張力が予め定められた範囲内にあるか否かを監視し、予め定められた範囲を越える場合は、制御演算部は予防処理を行うようにしてもよい。予防処理としては、聴覚または視覚を通じて作業員に警告する警告信号を出力する、ケーブル送り速度を遅くするように制御する、ケーブル送りを停止する、またはケーブルの張力を減少させるように制御するなどの処理であるが、張力が正確なので精度の高い予防処理を行うことができる。
【0111】
なお、本発明のケーブル送り装置にケーブルのたるみを検出するたるみ検出部を備える構成とし、ケーブルのたるみを除去するようにしてもよく、より正確な張力としてケーブル送りをすることができる。また、低減部としては回動体に限るものではなく、例えばスライド軸受のような特殊な機構を用いてもよい。摩擦抵抗力を低減するものであれば低減部として利用することが可能である。
【0112】
【発明の効果】
以上に説明した本発明のケーブル送り装置およびケーブル敷設工法によれば、接続金具、ケーブル、および牽引ロープの大きさに影響されることなく正確かつ容易に張力監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の右側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の底面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置のA−A断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の2つの車輪を外した場合の底面図である。
【図7】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の車輪に設けられたラチェット機構を説明する説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の制御系ブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の車輪とケーブルとの接触状態を説明する説明図である。
【図10】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の誘導部の他の実施例の構成図である。
【図11】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置の誘導部の他の実施例の構成図である。
【図12】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置から変換駆動部を除去した実施形態のケーブル送り装置を説明する説明図である。
【図13】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置であって車輪数が異なるケーブル送り装置を説明する説明図である。
【図14】本発明の第1実施形態のケーブル送り装置であって車輪数が異なるケーブル送り装置を説明する説明図である。
【図15】本発明の第2実施形態のケーブル送り装置の正面図である。
【図16】本発明の第2実施形態のケーブル送り装置の右側面図である。
【図17】本発明の第2実施形態のケーブル送り装置の制御系ブロック図である。
【図18】ケーブル径の検出を説明する説明図である。
【図19】ケーブル径の検出を説明する説明図である。
【図20】本発明の第1および第2実施形態のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法の例を示す説明図である。
【図21】本発明の第1および第2実施形態のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法の例を示す説明図である。
【図22】本発明の第1および第2実施形態のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法の例を示す説明図である。
【図23】本発明の第3実施形態のケーブル送り装置の正面図である。
【図24】本発明の第3実施形態のケーブル送り装置の右側面図である。
【図25】本発明の第3実施形態のケーブル送り装置を用いるケーブル敷設工法の例を示す説明図である。
【図26】本発明の第4実施形態のケーブル送り装置を説明する説明図である。
【図27】従来技術によるケーブル敷設工法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 架台
2、25 車輪
2a、2b、25a、25b 車輪
2c ラチェット機構部
2d つめ車
2e ばね
2f つめ
2g 軸
2h 接触伝達部
2i 方向変換部
2j 留め金具
3、16 支軸
4、12、13、17 軸受
5、6、10、14、15 かさ歯車
7 第1駆動部
8 取付治具
9 制御用ユニット
11 シャフト
18 移動部
19a、19b 溝部
20 ナット部
21 送りねじ
22 ハンドル
23 キー
24 かさ歯車移送部
26 ケーブル
26a 牽引ロープ
27 誘導部
27a、27b、27c、27d ローラ
27e スライダクランク装置
28 第1ドライブ装置
29 制御演算部
30 送受信装置
31 コントローラ
32 メッセンジャワイヤ係止部
32a、32b、32c 滑車
32d 孔部
33 第1歯車
34 第2歯車
35 第2駆動部
36a、36b センサ部
36c、36d 従動輪
36e 識別部
37 第2ドライブ装置
38 回動体
39 固定部
40 回動軸
41 回動アーム
42 ピン
100 メッセンジャワイヤ
110 支柱
120 ケーブルハンガー
130 ケーブル
140 接続金具
150 牽引ロープ
160 ケーブル送り装置
170 固定ロープ
180 張力監視装置
190 通信ケーブル
200 モニタ装置
300 マンホール
310 立穴
320 導入孔
330 台

Claims (12)

  1. 架台と、
    前記架台上を移動する移動部と、
    前記移動部を移動させる送り部と、
    前記架台と前記移動部とにそれぞれ少なくとも1個が回動自在に軸支される複数の支軸と、
    前記複数の支軸に軸支固定される複数の車輪と、
    前記架台または前記移動部の少なくとも1個の支軸を回転駆動するための駆動力を供給する第1駆動部と、
    前記第1駆動部に駆動信号を出力する第1ドライブ装置と、
    前記第1ドライブ装置へ出力する制御信号が入力される入力部と、
    前記入力部に入力された制御信号を読み出して前記第1ドライブ装置へ制御信号を出力する制御演算部と、
    姿勢を決定するために外部で接触する箇所における摩擦抵抗力を低減させる低減部と、
    ケーブルを牽引するときに発生する反力から前記低減部により低減された前記摩擦抵抗力を引いた力を張力として外部へ伝達するための伝達部と、
    を備え
    前記低減部は、ケーブル送り装置を架線から吊り下げ、かつ、架線上を移動させるための回動体を備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  2. 請求項1に記載のケーブル送り装置において、
    移動するケーブルが予め定められたケーブル送り速度を越えるときまたは予め定められたケーブル送り速度未満のとき前記車輪と前記支軸との間の回転駆動力の伝達を遮断するラチェット機構部を備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  3. 請求項1または2に記載のケーブル送り装置において、
    前記架台または前記移動部の何れか一方で軸支された少なくとも1個の支軸に前記第1駆動部が供給する回転駆動力の回転方向に対し逆回転するような回転駆動力を、前記架台または前記移動部の残る他方で回転自在に軸支される支軸に供給する変換駆動部を備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
    供給されるケーブルを前記複数の車輪により挟まれる位置に誘導する誘導部を備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
    前記第1ドライブ装置は、前記第1駆動部へ出力される駆動信号に基づいて負荷の状態を検出した検出信号を前記制御演算部へ出力することを特徴とするケーブル送り装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
    前記送り部は、ケーブル径の変化を検出するためのセンサ部と、前記センサ部から出力される検出信号に基づいてケーブルの送りを停止する制御信号を第1駆動部へ出力する制御演算部とを備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
    前記送り部は、ケーブル径の変化を検出するためのセンサ部と、前記センサ部から出力される検出信号に基づいて前記移動部の位置を求めて前記移動部を移動させる制御信号を出力する制御演算部と、前記制御演算部から出力される制御信号に基づいて前記移動部を移動させる駆動信号を出力する第2ドライブ装置と、前記第2ドライブ装置からの駆動信 号に基づいて前記移動部を駆動する第2駆動部とを備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  8. 請求項〜請求項7の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
    前記制御演算部は、入力される検出信号に基づいて判定した状態についての状態信号を外部へ出力する出力部を備えることを特徴とするケーブル送り装置。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のケーブル送り装置において、
    前記伝達部により伝達される張力を計測するための張力監視装置と、前記張力監視装置に伝達される張力により前記張力監視装置が移動することを防止する移動防止部と、前記張力監視装置が出力する張力値に基づいて制御演算を行う制御演算部と、を備え、前記移動防止部により移動が防止された状態で前記張力監視装置により計測された張力値が予め定められた範囲内にあるか否かを監視し、予め定められた張力を越えた場合、張力を低下させるための予防処理を行うように制御することを特徴とするケーブル送り装置。
  10. 請求項に記載のケーブル送り装置において、
    前記張力監視装置は、他のケーブル送り装置の張力監視装置と張力に関する情報の送受信を行うことを特徴とするケーブル送り装置。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか1項に記載したケーブル送り装置により、ケーブルの張力を監視しながらケーブル敷設をすることを特徴とするケーブル敷設工法。
  12. 請求項9または請求項10に記載のケーブル送り装置により、他のケーブル送り装置と張力に関する情報について相互に送受信を行いながらそれぞれのケーブル送り装置は予め定められた範囲内の張力でケーブルを送るように制御しつつケーブルを敷設することを特徴とするケーブル敷設工法。
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