JP4281933B2 - ウィンチドラム式延線装置 - Google Patents

ウィンチドラム式延線装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4281933B2
JP4281933B2 JP27369699A JP27369699A JP4281933B2 JP 4281933 B2 JP4281933 B2 JP 4281933B2 JP 27369699 A JP27369699 A JP 27369699A JP 27369699 A JP27369699 A JP 27369699A JP 4281933 B2 JP4281933 B2 JP 4281933B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winch drum
cable
tension
drum type
wheels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27369699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001103632A (ja
Inventor
正人 早川
勝利 北島
武利 畑中
俊一 柳川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shoden Corp
Toenec Corp
Original Assignee
Shoden Corp
Toenec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shoden Corp, Toenec Corp filed Critical Shoden Corp
Priority to JP27369699A priority Critical patent/JP4281933B2/ja
Publication of JP2001103632A publication Critical patent/JP2001103632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4281933B2 publication Critical patent/JP4281933B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Cable Installation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウィンチドラムを用いて引き綱およびケーブルを牽引しながら延線するウィンチドラム式延線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ケーブルの敷設を行う各種装置の開発が従来から活発に行われている。このような従来技術として、例えば、特許第2872666号の特許掲載公報に記載されたケーブル牽引装置などがある。
このケーブル牽引装置は少なくとも2対のローラーを備え、ケーブルもしくは索条(ロープやワイヤ)の引き込み始端側に位置する一対のローラーを駆動する駆動軸の一方にローラーに代えてウィンチドラムを装着し、索条を牽引する場合にはこのウィンチドラムに索条を巻き付けて牽引し、尻手にある一対のローラーで索条を送り出すという牽引装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のケーブル牽引装置は、後ろ側で索条を挟む一対のローラの半径よりも前側のウィンチドラムの巻き付け部の半径を小さくすることで、ウィンチドラムでの索条の送り速度よりも一対のローラーでの索条の送り速度を速くし、後ろ側のローラーが常に速い送り速度で連続的に引っ張ることで、ウィンチドラムへの索条の巻き付け力、ひいては、索条の張力を確実に発生させるという装置である。
【0004】
しかしながら、このように張力が発生する状態とは、一対のローラーに挟まれて接する索条にはすべりが生じている状態である。換言すれば、一対のローラーに索条が挟まれて接する場合、索条が滑らない程に摩擦抵抗が大きい表面を有するローラーは採用できない。
仮に摩擦抵抗が大きい表面を有するローラーを採用すると、ウィンチドラムと一対のローラーとの間に発生する張力が大きくなりすぎ、ロープなどの索条は破断するおそれがあった。
また、ローラー側も反力を受けて表面が削れてしまうおそれもあった。したがって、従来のケーブル延線装置では、摩擦抵抗が大きい表面を有するローラーを採用できなかった。
【0005】
ケーブルの延線作業時に、ケーブル牽引装置によりケーブルを直接牽引する場合と、このケーブルを引っ張るための索条を牽引する場合とがある。ケーブルを直接牽引する場合にはウィンチドラムを使用せず、少なくともー対のローラーにケーブルを挟んで牽引することとなり、また、索条を牽引する場合には、ウィンチドラムに索条を巻き付けて牽引し、一対のローラーは引き綱を後段へ送ることとなる。
【0006】
しかし先に述べた理由によりローラーの摩擦抵抗力は少なく、従来のケーブル牽引装置の牽引力は小さかった。
また、従来のケーブル牽引装置でケーブルを牽引する場合、ウィンチドラムを取り外してローラーを取り付け、2対のローラーでケーブルを挟むことで摩擦抵抗力を大きくしていたが、例えば、ケーブル牽引装置を高所に載置する必要がある場合には取り付け・取り外し作業に手間を要し、高所における取り付け・取り外し作業のため部品落下などの危険が伴い、また、作業工程が増加するという問題点もあった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、前側のウインチドラムと後側の車輪との間で張力差を生じさせないように送り速度を同一とすることで摩擦抵抗力が高い車輪の採用を可能とし、ケーブルの牽引能力・作業性が高いウィンチドラム式延線装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載のウィンチドラム式延線装置は、
引き綱によりケーブルを牽引するウィンチドラム式延線装置であって、
架台と、
引き綱またはケーブルの延線方向に対して、直交する方向に、前記架台上を移動する移動部と、
前記移動部を移動させるナット部と送りねじとからなる送り部と、
前記架台と前記移動部とにそれぞれ少なくとも1個が回動自在に軸支される複数の車輪用支軸と、
前記複数の車輪用支軸に軸支固定される複数の車輪と、
前記架台に回動自在に軸支されるウィンチドラム用支軸と、
前記ウィンチドラム用支軸に軸支固定され、ウィンチドラムの巻き付け部の最小直径と前記複数の車輪の直径を略同一とするウィンチドラムと、
前記車輪用支軸およびウィンチドラム用支軸を回転駆動するための駆動力を供給する駆動部と、
前記架台で軸支された前記車輪用支軸と前記ウィンチドラム用支軸とを同じ回転方向に回転させ、かつ、前記移動部で軸支された車輪用支軸を逆回転させるように前記駆動部が供給する回転駆動力を分配・伝達して前記複数の車輪とウィンチドラムとが同じ回転速さとなるようにそれぞれに駆動力を供給する駆動力伝達部と、
前記駆動部に駆動信号を出力するドライブ装置と、
供給される引き綱またはケーブルを最適張力で牽引する位置に誘導する誘導部と、
架線から吊り下げ、かつ、架線上を移動させるための滑車を備え、ウィンチドラム式延線装置自らの姿勢を決定するため外部で接触する箇所で滑車が回動して摩擦抵抗力を低減させる低減部と、
引き綱またはケーブルを牽引するときに発生する反力から前記低減部により低減された前記摩擦抵抗力を引いた力である張力と一致する抗力にて引っ張る固定ロープを結びつける孔部と、
前記ドライブ装置へ出力する制御信号が入力される入力部と、
前記引き綱またはケーブルのたるみの有無を検出するたるみ検出センサと、
前記複数の車輪に挟まれるケーブルの側圧を検出する側圧検出センサと、
前記孔部に結びつけられた固定ロープに伝達される張力を計測するための張力監視装置と、
入力部、たるみ検出センサ、側圧検出センサおよび張力監視装置に接続される制御演算部と、
を備え、
前記制御演算部は、前記入力部に入力された制御信号を読み出して前記ドライブ装置へ制御信号を出力して駆動開始し、前記側圧検出センサが出力する側圧値が予め定められた範囲内にあるか否かを監視して予め定められた側圧を越えた場合に動作を停止させるように制御し、前記たるみ検出センサが検出するたるみの有無に基づいて制御演算を行ってたるみがあると判断する場合にたるみを無くすように速度制御および/またはトルク制御を行い、前記張力監視装置により計測される張力値が予め定められた範囲内にあるか否かを監視して予め定められた張力を越えた場合に張力を低下させるように制御し、
前記誘導部は引き綱を牽引する場合にウィンチドラムの最小直径の巻き付け部へ引き綱を誘導し、
送り速度が略同一であるウィンチドラムと複数車輪は引き綱を牽引し、
送り速度が略同一である複数車輪はケーブルを牽引することを特徴とする。
【0009】
ウィンチドラムおよび車輪での引き綱の送り速度を略同一にしたため、ウィンチドラムと車輪との間で張力を発生させることがない。したがって、所望の摩擦抵抗力を有する車輪を選択できるため、車輪のみ用いるケーブルの牽引能力を高めることができる。
【0010】
なお、このウィンチドラム式延線装置において、架台または移動部で共に1本の支軸を軸支して2個の車輪によりケーブルの送りを行うようにしてもよい。 また、架台または移動部の何れか一方で2本の支軸を軸支して、かつ、架台または移動部の残る他方で1本の支軸を軸支して、3個の車輪によりケーブルの送りを行うようにしてもよい。
また、架台または移動部で共に2本の支軸を軸支して、4個の車輪によりケーブルの送りを行うようにしてもよい。
このように、架台あるいは移動部に回動可能に軸支される車輪の数を変更させて車輪の表面の摩擦抵抗力を変更させても、張力差により引き綱が切れるような事態が発生することはない。ウィンチドラム式延線装置の設計時に車輪の種類・数を適宜選択することが可能である。
【0011】
さらに、入力部は、遠隔地にいる作業員が操作する外部送信装置や他のウィンチドラム式延線装置から出力される制御信号を、有線または無線の伝送路を通じて、受信する受信装置としてもよい。また、ウィンチドラム式延線装置の近くにいる作業員から直接入力を可能とするため、必要なキーが配置されたキー入力装置としてもよい。
【0012】
また、誘導部について、4本のローラを略#状に組み合わせた形状を有し、中央開口にケーブルを通過させ、2個の車輪がケーブル挟む位置へ誘導する誘導部としても良い。また、水平方向に渡される2本のローラの離間距離はケーブル直径と略同一かそれ以上であり、かつ、垂直方向に渡される2本のローラの離間距離は前記ケーブル直径を越える大きい誘導部としても良い。
略#状の4本のローラは上下の調節が可能で、ケーブルを牽引する場合にケーブルを2つの車輪のセンターに誘導し、ケーブル牽引時の張力を最大にすることができる。
このような誘導部があることで、引き綱を牽引する場合にも、ウィンチドラムの巻き付け部の最小直径部へ引き綱が誘導され、ウィンチドラムと車輪との間で張力が発生しないようにして引き綱を送ることができる。
【0013】
また、低減部により低減させた摩擦抵抗力を反力から引いた力を張力とし、この張力を伝達部を介して外部の張力監視装置へ伝達することにより正確な張力を測定することができる。
また、ウィンチドラムと車輪とで張力差が発生しないため、引き綱を牽引しているときの正しい張力を計測することができる。
【0014】
また、メッセンジャワイヤなどの架線にウィンチドラム式延線装置を係止する場合、メッセンジャワイヤと接触するメッセンジャワイヤ係止部に摩擦抵抗力が発生し、正確な張力の計測の妨げになる。そこで、メッセンジャワイヤ係止部に回動体を備え、この回動体がメッセンジャワイヤ上を移動可能に回動することで摩擦抵抗力を低減させる低減部とする。回動体により摩擦抵抗力を低減することができ、張力を正確に測定することができる。
【0015】
また、正確な張力値に基づいて引き綱およびケーブルの牽引状態を把握でき、張力が大きくなりすぎたときに張力を低下させることができる。
また、側圧値の変化を検出して牽引作業の異常が検出できる。
また、たるみの有無を検出して引き綱およびケーブルの延線作業の異常を検出することができる。
【0016】
また、少なくとも2個の車輪でケーブルを挟み込むが、ケーブルを挟む位置で車輪外周の線速度は共に同じ方向となるように回転(車輪の回転は一方が順転、他方が逆転となる。)している。そしてウィンチドラムと架台の車輪とは同じ回転方向に同じ回転速度で回転する。引き綱の牽引時には、速度差に起因する張力差の発生を防ぐことができ、また、ケーブルの牽引時には、挟み込んだケーブルを少なくとも2個の車輪が一定の張力で確実に移送するウィンチドラム式延線装置とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、第1実施形態のウィンチドラム式延線装置の正面図、図2は、同じく平面図、図3は、同じく右側面図、図4は、同じく左側面図、図5は、同じく底面図、図6は、同じく2つの車輪を外した場合の底面図、図7は、同じくA−A断面図、図8は、同じくB−B断面図、図9は、同じく制御系ブロック図、図10は、同じくウィンチドラム・車輪とケーブルとの接触状態を説明する説明図、図11は同じくメッセンジャワイヤに係止した場合を説明する説明図、図12は、側圧検出センサを説明する説明図、図13は、たるみ検出センサを説明する説明図、図14,図15は、同じく本実施形態を連結して用いる場合の説明図である。以下、図1〜図15を用いて本実施形態のウィンチドラム式延線装置について説明する。なお、図3,図4,図10,図11では、ウィンチドラム式延線装置に引き綱が装着されている状態を、また、図1,図5,図8,図14,図15ではウィンチドラム式延線装置にケーブルが装着されている状態を、それぞれ図示するものとする。
【0023】
まず、ウィンチドラム式延線装置の構成について説明する。図4,図8で示すように架台1には、車輪2が固定された車輪用支軸3が、軸受4を介して回動自在に軸支されている。車輪用支軸3の端部には、かさ歯車5が取り付けられている。本実施形態において、かさ歯車5は、すぐ歯かさ歯車、はす歯かさ歯車、または、まがり歯かさ歯車のうちいずれかのかさ歯車とすることができる。
【0024】
図2に示すように、このかさ歯車5に噛合するかさ歯車6は、駆動部7の回転軸に固定されている。駆動部7は、AC(Alternative Current)サーボモータやインダクションモータ等である。また、モータと減速器が一体となった駆動部7としても良い。この駆動部7は、図1,図2,図4で示すように架台1に取り付けられた取付治具8に固定されている。作業開始時、作業員は、トルク、速度など作業に最適な駆動部7を選択してこの取付治具8に取付固定するため、この取付治具8と駆動部7とは着脱が容易となるように構成されている。これは比較的重量があるウィンチドラム式延線装置をメッセンジャワイヤに取り付けるときには軽量化した状態で取り付けて、取り付け終了後に取付治具8と駆動部7を取り付けるようにして重量物のウィンチドラム式延線装置の取り付け作業を容易にする目的も兼ねている。この駆動部7は、制御用ユニット9により駆動が制御される。制御用ユニット9による制御については後述する。
【0025】
図2,図8で示すようにかさ歯車5に噛合する他のかさ歯車10は、シャフト11に軸支固定されている。シャフト11は、軸受12,13により回動自在となるように支軸されている。このシャフト11に沿ってかさ歯車14が移動するよう遊挿されている。かさ歯車14は、かさ歯車15と噛合する。このかさ歯車15は、図7に示すように車輪用支軸16の一端に固定されている。この車輪用支軸16は、軸受17を介して移動部18に回動自在に軸支されている。
【0026】
移動部18は、架台1に対し、図6の矢印aに示す方向(水平方向)に移動自在となるように構成されている。具体的には、図7で示すように移動部18は、架台1の溝部19a,19bに沿って摺動する。そして、図8に示すように架台1に固定されるナット部20に螺挿される送りねじ21により駆動される。このようなナット部20と送りねじ21とを送り部とする。この送り部を駆動するために、本実施形態では送りねじ21の先端にハンドル22を固定した構成とする。作業員がハンドル22を回動させて、手動により送り部を駆動する。なお、図6に示すように移動部18と送りねじ21との間には、側圧検出センサ41が設けられている。なお、側圧検出センサ41については後述する。
【0027】
シャフト11とかさ歯車14とにはそれぞれキー溝が設けられ、図1,図2,図7,図8で示すようにこのキー溝にはめ込まれたキー23によりシャフト11からかさ歯車14へ回動力が伝達されている。送り部が水平方向に移動するとき、シャフト11に沿ってかさ歯車14を移動させ、かつ、かさ歯車14とかさ歯車15との噛合を維持するために、図1,図2,図8で示すようにかさ歯車移送部24が設けられている。かさ歯車移送部24は、移動部18の移動に応じて移動し、かさ歯車14をシャフト11に沿って水平方向に摺動させる。
【0028】
図7で示すように車輪用支軸16には車輪25が取り付けられている。車輪2,25は、例えば、中心軸と略平行に貫通する円筒状の孔を有する孔あきの弾性ローラや、通常の穴なしの弾性ローラなどが考えられる。また、硬度の異なる複数種類の車輪を用意しておき、必要に応じて変更しても良い。車輪2,25は、車輪用支軸3,16に容易に着脱可能とするため、図示しない割ピンや取付金具により取り付けられている。
【0029】
なお、図8でも明らかなように車輪2,25には、外周端部は面取りが施されるか、もしくは、曲率(R)を持たせてある。もし面取りがなされないで弾性を有する2つの車輪がケーブルを挟んだとき、2つの車輪が変形して略鼓状になり、鼓状の2つの車輪の側面で最も突出する箇所が干渉することがある。本実施形態の車輪2,25では端部を面取り処理して上述の干渉を回避し、円滑にケーブルを送るようにする。
【0030】
続いて、ウィンチドラムについて説明する。図2,図3で示すようにかさ歯車5に噛合する他のかさ歯車26は、シャフト27に固定されている。シャフト27は、軸受28,29により回動自在となるように支軸されている。このシャフト27にかさ歯車30が軸支固定されている。かさ歯車30は、かさ歯車31と噛合する。このかさ歯車31は、図1,図4に示すようにウィンチドラム用支軸32の一端に固定されている。
【0031】
ウィンチドラム用支軸32は、軸受33を介して架台1に回動自在に軸支されている。ウィンチドラム用支軸32にはウィンチドラム34が軸支固定されている。このように、駆動部7から供給される駆動力が最終的に車輪2,25およびウィンチドラム34に伝達される。
本発明の駆動力伝達部は、本実施形態においては、かさ歯車5、かさ歯車10、シャフト11、軸受12,13、かさ歯車14、かさ歯車15、かさ歯車26、シャフト27、軸受28,29、かさ歯車30、かさ歯車31が該当する。
【0032】
なお、これ以外の駆動力伝達部として、ウオームとウオームホイール等の歯車列を用いる回転伝達要素、チェーンやベルトを用いる回転伝達要素などを用いることも考えられる。このような駆動力伝達部であっても、本実施形態で説明したように回転駆動力を伝達して駆動する機能を有しているならば利用することが可能である。
【0033】
なお、本実施形態では、特に、上記のような歯車列である駆動力伝達部と1個の駆動部7とを利用して2個の車輪2,25およびウィンチドラム34を駆動しているが、その理由としては、駆動部7による回転数・トルクの変化に駆動力伝達部が機械的に即応し、複雑な同期制御等を必要とすることなく2個の車輪2,25やウィンチドラム34の回転数やトルクを同じにするためである。
【0034】
架台1には、引き綱35やケーブル36を誘導する誘導部37が取り付けられている。誘導部37は、図1、図3、図5に示すように、水平方向へ平行に配置される2本のローラ37a,37bと、垂直方向へ平行に配置される2本のローラ37c,37dとを備えている。これらローラは、棒状のローラであって、図3,図5の矢印bで示す牽引方向へ移動する引き綱35やケーブル36が接触するとき、引き綱35やケーブル36に沿って回転するように構成されている。
【0035】
図3,図4,図5で示すように本実施形態の誘導部37は、牽引方向を基準とするとウィンチドラム34の前に配置される前段の誘導部37、ウィンチドラム34と車輪2,25との間に配置される中段の誘導部37、および、車輪2,25の後に配置される後段の誘導部37があり、引き綱35やケーブル36が安定して移動するように誘導する。なお、誘導部37は、図に示すような構成以外にも、例えば、中段を取り去って前段および後段のみの誘導部37としても良い。このように、前段・中段・後段の誘導部37を組み合わせて最適な誘導部37を選択することができる。
【0036】
本実施形態のウィンチドラム式延線装置は、図11で示すように電柱間を渡されるメッセンジャワイヤ38に係止できるようにするため、メッセンジャワイヤ係止部39が設けられている。図3に示すように、メッセンジャワイヤ係止部39には、回動体である滑車39a,39b,39cが取り付けられている。特に、滑車39cは上下方向へ移動するように構成されており、メッセンジャワイヤ38を容易に取り付けることができる。このようなメッセンジャワイヤ係止部39によりメッセンジャワイヤ38に沿った移動を容易にする。なお、メッセンジャワイヤ係止部39の滑車39cをロックすることでメッセンジャワイヤ38から落下を防止することもできる。メッセンジャワイヤ係止部39は2箇所に設けられるので、図11で示すように、安定してメッセンジャワイヤ38に係止される。本実施形態では、メッセンジャワイヤ係止部39が反力による装置本体の移動の際に発生する摩擦抵抗力を低減しており、低減部としての機能を有する。
【0037】
さらに、メッセンジャワイヤ係止部39には、孔部39dが設けられており、移動防止部の一例である固定ロープ40を結ぶことができる。本実施形態では、この孔部39dが前記引き綱35およびケーブル36の牽引力に応じて発生する反力を外部へ伝達するための伝達部としての機能を有する。
【0038】
続いて、センサについて説明する。ウィンチドラム式延線装置には、側圧検出センサ41、たるみ検出センサ42、張力監視装置44というセンサが設けられている。図6で示すように、移動部18と送りねじ21とは、側圧検出センサ41を介して取り付けられている。側圧検出センサ41は、図12で示すように、送りねじ21が螺挿されるナット部41a、このナット部41aが溶接固定される断面コ字状金具41b、断面コ字状金具41bの側部に設けられる長孔に挿通される2個のピン41c、2個のピン41cが側部に固定され、かつ、移動部18に固定される断面ハット状金具41d、送りねじ21と当接して側圧を検出する圧縮センサ41eを備えている。
【0039】
仮に、車輪2,25が挟むケーブル36の径を変える場合、車輪25が移動することで移動部18が移動する。圧縮センサ41eは、矢印に示すように送りねじ21へ近づくように移動し、圧縮センサ41eと送りねじ21とが当接して側圧が検出される。側圧検出センサ41はこのように構成される。
【0040】
また、図3,図4で示すたるみ検出センサ42は、実際にはウィンチドラム式延線装置の後段1.5〜2.0m離れた位置に配置される。このときメッセンジャワイヤ38を基準としてたるみの有無を検出するようにするため、図11で示すようにメッセンジャワイヤ固定器具43からたるみ検出センサ42を吊している。メッセンジャワイヤ固定器具43から所定距離の下側でたるみ検出センサ42を配置する。
【0041】
たるみ検出センサ42は、図13で示すような原理で検出する。つまり、図13(a)で示すように回転軸42aに回動自在に長円形状の板状部材42bが軸支されている。この板状部材42bに回動自在に取り付けられたローラ42cにケーブル36を当接させておく。板状部材42bは上昇するように図示しないばね力を付勢しておく。ローラ42cの先端には発光素子42dを取り付けておく。この発光素子42dは、図示しない電池や外部電源により電力を供給されており、常時発光している。この発光素子42dの光を検出する受光素子42eが設けられており、ローラ42cが下降した場合に光が検出できるように位置出しされた上で配置されている。
【0042】
たるみが発生していないときは、図13(b)に示すように発光素子42dの光は受光素子42eへ届かないため、たるみは無いと判断する。ケーブル36がたるむにつれ、ケーブル36の重みで板状部材42bおよびローラ42cが下降していき、図13(c)で示すように最終的に発光素子42dと受光素子42eが対向して受光素子42eが光を検出し、たるみが有ると検出する。たるみ検出センサ42はこのような構成を有している。
【0043】
張力監視装置44は、図11で示すように、孔部39dに結ばれる固定ロープ40に設置され、張力を監視する。固定ロープ40は、移動防止部の一具体例である。なお、張力監視装置44は、固定ロープ40の張り具合から張力を検出するというもので一般に市販されており、実際の延線作業に応じて所望の張力監視装置を選択できる。
【0044】
ウィンチドラム式延線装置の駆動部7は、制御用ユニット9に接続されているが、詳しくは、図9に示すようにドライブ装置45に接続されている。さらに、ドライブ装置45には、制御演算部46が接続され、この制御演算部46には、センサである側圧検出センサ41、たるみ検出センサ42、張力監視装置44が接続され、また、送受信装置47が接続されている。この送受信装置47は、無線、有線を用いてコントローラ48と送受信するために設けられている。
【0045】
このような送受信のうち送信の例について説明する。側圧検出センサ41が検出する側圧値、たるみ検出センサ42が検出するたるみの有無、または、張力監視装置44が検出する張力値から、制御演算部46は、引き綱35またはケーブル36の状態を判断して状態信号を送受信装置47へ出力する。送受信装置47は、外部のコントローラ48や他のウィンチドラム式延線装置等の外部へこの状態信号を出力する。
【0046】
コントローラ48へ送信された状態信号をコントローラ48内の図示しない制御演算部が解析し、コントローラ48に備えられた図示しない表示部に状態を表示するので、作業員は、牽引状態を確認できる。このウィンチドラム式延線装置は、異常時にはその異常内容を確認できるので、ウィンチドラム式延線装置の障害除去、ケーブルに異物が引っかかった場合における異物の除去などのケーブル上の障害除去、故障修理、取り換え等を作業員が容易に判断することができる。さらに、状態信号を発したウィンチドラム式延線装置を除く他のウィンチドラム式延線装置は受信した状態信号を解析して、牽引を続けるか否かを決定する。このウィンチドラム式延線装置は、装置自ら動作を決定するので、迅速に障害を回避することができる。
【0047】
また、送受信のうち受信の例として、作業員の操作に基づいて、コントローラ48から出力された制御信号を、送受信装置47は受信して、制御演算部46へ出力する。制御演算部46は、この制御信号をドライブ装置45へ出力し、ドライブ装置45は、この制御信号に基づいて駆動部7を駆動する。なお、ウィンチドラム式延線装置が複数有る場合は、1台のコントローラ48により全てのウィンチドラム式延線装置を一括して運転させることもでき、また、1台のコントローラ48によりウィンチドラム式延線装置各々を独立して運転させることもできる。なお、コントローラ48によりケーブルの張力を設定し、この張力を維持しながらケーブル送りをするように制御することができる。
【0048】
なお、本発明のウィンチドラム式延線装置は2台連結しても良い。例えば、図14,図15で示すように略H字形の連結金具49を用いて2つの架台1で結合する。なお、駆動源については選択が可能である。第1の駆動源としては、1台のウィンチドラム式延線装置が他のウィンチドラム式延線装置に駆動力を供給する場合がある。図1,図2などで示すようにシャフト11を延伸し、このシャフト11の先端にプーリー50が軸支固定されているウィンチドラム式延線装置として、図14で示すように、シャフト11にプーリー50が固定されている2台のウィンチドラム式延線装置A,Bを連結金具49を用いて連結後、プーリー間にベルト51を掛け渡し、2台のウィンチドラム式延線装置が連動して動くようにする。なお、プーリー50とベルト51に代えてスプロケットとチェーンを用いることも可能である。
【0049】
また、図15で示すように第2の駆動源としては、ウィンチドラム式延線装置A,Bがそれぞれ独立して駆動源を有する場合がある。2台ともトルク制御を行う場合や、また、2台とも速度制御を行う場合に加え、一方でトルク制御を行い、かつ、他方で速度制御を行うようにしても良い。制御形態については適宜選択される。ウィンチドラム式延線装置はこのように構成される。
【0050】
続いて本実施形態を用いる牽引動作について説明する。なお、引き綱35を牽引する場合は、主にウィンチドラム34を用いて牽引し、車輪2,25は引き綱35を後段へ送り出す機能を有している。
また、ケーブル36を牽引する場合はウィンチドラム34を用いずに、車輪2,25のみで牽引する。
【0051】
引き綱35の牽引動作を行うとき、引き綱35は、図3,図4に示すように、まず前段の誘導部37へ導入され、引き綱35は、ウィンチドラム34の最小直径部分の近傍である巻き付け部へ誘導される。ウィンチドラム34は、略鼓形状のため、上側の引き綱35が下側へ、また、下側の引き綱35が上側へ移動しようとする。これにより中央の引き綱35は上下から挟まれて力が加わるため最小直径の巻き付け部分へ誘導され、また、ウィンチドラム34の外周で引き綱35が滑るという事態も回避される。
【0052】
ウィンチドラム34は、図5の矢印cの方向へ、また、車輪2,25は矢印c,dの方向に回転して、引き綱35を矢印bの方向へ牽引する。図10でも示すように、ウィンチドラム34における引き綱35の巻き付け部分の回転半径Rと、車輪2,25の回転半径Rとが略同一になるようにし、かつ、上記の駆動力伝達部により同一トルク・同一速度で回転するように機械的に構成してあるため、ウィンチドラム34と車輪2,25とで送り速度が略同一となる。このため、ウィンチドラム34と車輪2,25との間で張力が発生したりたるみが発生することもなく、円滑に牽引がなされていく。
先に説明したように、側圧検出センサ41、たるみ検出センサ42、張力監視装置44というセンサにより異常が検出されたならば制御ユニット9で所望の制御動作がなされる。引き綱35の牽引はこのように行われる。
【0053】
図5でも示すようにケーブル36の牽引は、車輪2,25のみに挟み込むようにして延線する。この場合中段の誘導部と後段の誘導部とでケーブル36を最適な位置へ誘導し、ケーブル36は車輪2,25で最適な位置で挟み込まれ、速度制御およびトルク制御がなされて牽引される。ケーブル36の牽引はこのように行われる。
【0054】
続いて本実施形態のウィンチドラム式延線装置をメッセンジャワイヤに係止して単独で用いる使用形態について説明する。図16は、ウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。なお、ウィンチドラム式延線装置で説明済みの構成要素は同一の符号を付す。
【0055】
図16に示すように、ウィンチドラム式延線装置100をメッセンジャワイヤ38に係止してケーブル敷設する。図16に示すように、メッセンジャワイヤ38は、複数の支柱110により張架されている。ケーブルハンガー120はメッセンジャワイヤ38に固定されている。ケーブル36は、撚り戻し130を介して引き綱35に接続されている。ウィンチドラム式延線装置100は、引き綱35を牽引し、このケーブル36をケーブルハンガー120を通過させながら牽引方向へ牽引する。
【0056】
この際、引き綱35やケーブル36の牽引力の反力が働き、ウィンチドラム式延線装置100を移動させようとする反力が作用する。しかしながら、移動防止部の一例である固定ロープ40がウィンチドラム式延線装置100の移動を防止する。このウィンチドラム式延線装置100と固定ロープ40との間には、張力監視装置44が設置されており、張力を監視する。
【0057】
なお、移動防止部としては、支柱に固定する固定ロープ40以外にメッセンジャワイヤ38に張力監視装置44を介して固定する機構としても良い。移動防止部としては種々の構成が考えられるが、移動を防止する機能を有していればよい。 また、張力監視装置44と孔部39dを結ぶロープを省略し、ウィンチドラム式延線装置と一体とした張力監視装置44としてもよい。さらに、何らかの事情によりケーブル送りを逆方向に行う必要がある場合、図示しないが、もう一方の孔部39dに図示しない他の張力監視装置を介して図示しない他の固定ロープの一端を結び、メッセンジャワイヤ38にこの固定ロープの他端を結び、張力監視装置を用いて張力を監視すればよく、ケーブル送り速度の方向に関わらず張力の測定が可能である。
【0058】
この張力監視装置44が監視する張力に関する情報は、制御演算部46へ送られる。制御演算部46は、張力が予め定められた範囲内にあるか否かを監視し、予め定められた範囲を越える場合は、予防処理を行う。予防処理とは、ケーブル送り時に予め定められた張力を越えることを予防回避する処理である。例えば、聴覚または視覚を通じて作業員に警告する警告信号をコントローラ48へ出力するように制御することなどがある。作業員がコントローラ48を操作してケーブル送りを停止させるなどの処置を行うことができる。もちろん、駆動部7を制御して牽引を停止しても良い。
【0059】
なお、ウィンチドラムによる牽引時では、車輪は牽引に少ししか寄与していないため、側圧を重視する必要がなく、したがって、側圧検出センサ41を使用する必要はない。
【0060】
さて、前述の使用例では延線距離が短いような場合には問題はないが、延線距離が長くなるような場合、1台のウィンチドラム式延線装置の牽引力では、ケーブルを牽引するには不十分な場合がある。このような場合、複数台のウィンチドラム式延線装を用いて牽引することとなる。続いて、本実施形態のウィンチドラム式延線装置をメッセンジャワイヤに係止して複数台用いる使用形態について説明する。
【0061】
図17は、ウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。複数台のウィンチドラム式延線装置(図17ではウィンチドラム式延線装置A 100a、ウィンチドラム式延線装置B 100bを用いている。)を用いることでウィンチドラム34が引き綱35を牽引する力が増す。したがって、延線距離が長くなっても牽引することができる。
引き綱35を牽引して、ウィンチドラム式延線装置A 100aおよびウィンチドラム式延線装置B 100bまでケーブル36が牽引されたとき、全体の牽引動作を停止し、ウィンチドラム34から引き綱35を外し、ケーブル36を車輪2,25に挟んで再び牽引動作を開始することとなる。
【0062】
さらに長距離の延線を実現するためにキャプターインドラムを用いる場合もある。図18は、ウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。ウィンチドラム式延線装置A 100aおよびウィンチドラム式延線装置B 100bはケーブル36を延線するようにし、引き綱35はキャプターインドラム140を用いて牽引する。このようにすればケーブル36のさらなる長距離延線が可能となる。
【0063】
ケーブル牽引時、側圧検出センサ41を用いて側圧を検出し、ケーブルに十分な側圧が付与されていないとき、2台のウィンチドラム式延線装置A 100aとウィンチドラム式延線装置B 100bとを連結し、さらに十分な牽引力が与えられるようにすることもできる。図19は、ウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。複数台のウィンチドラム式延線装置によりケーブル36に十分な牽引力が与えられる。この2連結のウィンチドラム式延線装置を複数個所で設置して長距離牽引することができる。
【0064】
ウィンチドラム式延線装置は、メッセンジャワイヤに係止されて架空でケーブルを牽引するだけでなく、地中のケーブルを牽引することもできる。図20は、ウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。地中管路150は接続箱160を介して地上に通じている。端末地点にある接続箱160上にはキャプタインドラム140を配置し、中間地点にある接続箱160上にはウィンチドラム式延線装置100を配置する。
【0065】
中間地点でウィンチドラム式延線装置100を接続箱160上に配置する理由としてはトラックでウィンチドラム式延線装置100を運べるようにし、作業終了後には、キャプタインドラム140とウィンチドラム式延線装置100とをすぐに別地点へ移動できるようにして作業効率を高めるためである。
この場合、中間地点では、ガイドローラ170やローラ180によりケーブル36が所定値を超える曲率半径となるようにし、ケーブル36が緩やかな曲線を維持するように配慮してケーブル36を延線する。これは、例えば、曲がりに弱い光ファイバケーブルを延線する場合などに有効である。端末地点と中間地点との間では、ケーブル36はほぼ無張力で延線されるため、ケーブル36が破断されるような虞は回避される。
【0066】
特に中間地点から次の地中管路150へケーブル36を挿入する前に余長を持たし、張力が発生してもローラ180を矢印方向へ移動させて発生した張力を吸収するように構成しているため、無張力を維持する。また、ラッパ管190により管の中央付近にケーブル36を挿入するため地中管路150に接触する虞が低減される。これら作用により、特に、地中管路150の挿入時にケーブル36に座屈を発生させることがない。このような状態で引き綱35を牽引し、地中管路150内にケーブル36を通過させる。ウィンチドラム式延線装置をこのように用いても良い。
【0067】
なお、本発明のウィンチドラム式延線装置では、設計の共通化のため他の装置の架台に用いても良い。ウィンチドラム式延線装置の架台は一対の車輪と1個のウィンチドラムとを配置するため略L字状の架台となっている。この場合ウィンチドラム34を取り外し、車輪2,25の代わりにケーブル表面の水滴や異物を除去する吸水体を取り付け、ケーブル拭き取り装置に変換して用いても良い。
設計の共通化により、経済性が見いだされ、1台の装置であっても部品を取り替えて、ある時はケーブル拭き取り装置、あるときはウィンチドラム式延線装置として用いることができる。例えば、ケーブルの洗浄・拭き取り作業の必要がない晴れの時はケーブル拭き取り装置の代わりにウィンチドラム式延線装置として使用でき、雨のときはケーブル拭き取り装置として使用できる。
【0068】
また、本発明のウィンチドラム式延線装置では、車輪2または車輪25の回転数を換算して距離を積算し、記録できるようにすることもできる。例えば、駆動部7のモータにエンコーダを取り付け、あるいは、エンコーダ付きモータを用いることで、このエンコーダからのパルス信号をカウンターで測定し、車輪と円周との積で距離を算出し記録する。さらに、例えば、車輪用支軸に発光部、架台に受光部を配置し、受光した数をカウンターで測定し、車輪の円周との積で距離を算出して記録してもよい。
いずれの場合も測定を開始したいところで0リセットできる。
【0069】
【発明の効果】
以上本発明によれば、前側のウインチドラムと後側の車輪との間で張力差を生じさせないように送り速度を同一とすることで摩擦抵抗力が高い車輪の採用を可能とし、ケーブルの牽引能力・作業性が高いウィンチドラム式延線装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の平面図である。
【図3】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の右側面図である。
【図4】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の左側面図である。
【図5】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の底面図である。
【図6】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置であって、2つの車輪を外した場合の底面図である。
【図7】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置のA−A断面図である。
【図8】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置のB−B断面図である。
【図9】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の制御系ブロック図である。
【図10】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置のウィンチドラム・車輪とケーブルとの接触状態を説明する説明図である。
【図11】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置のメッセンジャワイヤに係止した場合を説明する説明図である。
【図12】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の側圧検出センサを説明する説明図である。
【図13】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置線装置のたるみ検出センサを説明する説明図である。
【図14】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置を連結して用いる場合の説明図である。
【図15】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置を連結して用いる場合の説明図である。
【図16】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。
【図17】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。
【図20】本発明の実施形態のウィンチドラム式延線装置の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 架台
2、25 車輪
3、16 支軸
4、17、33 軸受
12、13、28、29 軸受
5、6、10、14、15 かさ歯車
26、30、31 かさ歯車
7 駆動部
8 取付治具
9 制御用ユニット
11、27 シャフト
18 移動部
19a、19b 溝部
20 ナット部
21 送りねじ
22 ハンドル
23 キー
24 かさ歯車移送部
32 ウィンチドラム用支軸
34 ウィンチドラム
35 引き綱
36 ケーブル
37 誘導部
37a、37b、37c、37d ローラ
38 メッセンジャワイヤ
39 メッセンジャワイヤ係止部
39a、39b、39c 滑車
39d 孔部
40 固定ロープ
41 側圧検出センサ
41a ナット部
41b 断面コ字状金具
41c ピン
41d 断面ハット型金具
41e 圧縮センサ
42 たるみ検出センサ
42a 回転軸
42b 板状部材
42c ローラ
42d 発光素子
42e 受光素子
43 メッセンジャワイヤ固定器具
44 張力監視装置
45 ドライブ装置
46 制御演算部
47 送受信装置
48 コントローラ
49 連結金具
50 プーリー
51 ベルト
100 ウィンチドラム式延線装置
110 支柱
120 ケーブルハンガー
130 撚り戻し
140 キャプタインドラム
150 地中管路
160 接続箱
170 ガイドローラ
180 ローラ
190 ラッパ管

Claims (1)

  1. 引き綱によりケーブルを牽引するウィンチドラム式延線装置であって、
    架台と、
    引き綱またはケーブルの延線方向に対して、直交する方向に、前記架台上を移動する移動部と、
    前記移動部を移動させるナット部と送りねじとからなる送り部と、
    前記架台と前記移動部とにそれぞれ少なくとも1個が回動自在に軸支される複数の車輪用支軸と、
    前記複数の車輪用支軸に軸支固定される複数の車輪と、
    前記架台に回動自在に軸支されるウィンチドラム用支軸と、
    前記ウィンチドラム用支軸に軸支固定され、ウィンチドラムの巻き付け部の最小直径と前記複数の車輪の直径を略同一とするウィンチドラムと、
    前記車輪用支軸およびウィンチドラム用支軸を回転駆動するための駆動力を供給する駆動部と、
    前記架台で軸支された前記車輪用支軸と前記ウィンチドラム用支軸とを同じ回転方向に回転させ、かつ、前記移動部で軸支された車輪用支軸を逆回転させるように前記駆動部が供給する回転駆動力を分配・伝達して前記複数の車輪とウィンチドラムとが同じ回転速さとなるようにそれぞれに駆動力を供給する駆動力伝達部と、
    前記駆動部に駆動信号を出力するドライブ装置と、
    供給される引き綱またはケーブルを最適張力で牽引する位置に誘導する誘導部と、
    架線から吊り下げ、かつ、架線上を移動させるための滑車を備え、ウィンチドラム式延線装置自らの姿勢を決定するため外部で接触する箇所で滑車が回動して摩擦抵抗力を低減させる低減部と、
    引き綱またはケーブルを牽引するときに発生する反力から前記低減部により低減された前記摩擦抵抗力を引いた力である張力と一致する抗力にて引っ張る固定ロープを結びつける孔部と、
    前記ドライブ装置へ出力する制御信号が入力される入力部と、
    前記引き綱またはケーブルのたるみの有無を検出するたるみ検出センサと、
    前記複数の車輪に挟まれるケーブルの側圧を検出する側圧検出センサと、
    前記孔部に結びつけられた固定ロープに伝達される張力を計測するための張力監視装置と、
    入力部、たるみ検出センサ、側圧検出センサおよび張力監視装置に接続される制御演算部と、
    を備え、
    前記制御演算部は、前記入力部に入力された制御信号を読み出して前記ドライブ装置へ制御信号を出力して駆動開始し、前記側圧検出センサが出力する側圧値が予め定められた範囲内にあるか否かを監視して予め定められた側圧を越えた場合に動作を停止させるように制御し、前記たるみ検出センサが検出するたるみの有無に基づいて制御演算を行ってたるみがあると判断する場合にたるみを無くすように速度制御および/またはトルク制御を行い、前記張力監視装置により計測される張力値が予め定められた範囲内にあるか否かを監視して予め定められた張力を越えた場合に張力を低下させるように制御し、
    前記誘導部は引き綱を牽引する場合にウィンチドラムの最小直径の巻き付け部へ引き綱を誘導し、
    送り速度が略同一であるウィンチドラムと複数車輪は引き綱を牽引し、
    送り速度が略同一である複数車輪はケーブルを牽引することを特徴とするウィンチドラム式延線装置。
JP27369699A 1999-09-28 1999-09-28 ウィンチドラム式延線装置 Expired - Fee Related JP4281933B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27369699A JP4281933B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 ウィンチドラム式延線装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27369699A JP4281933B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 ウィンチドラム式延線装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001103632A JP2001103632A (ja) 2001-04-13
JP4281933B2 true JP4281933B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=17531289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27369699A Expired - Fee Related JP4281933B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 ウィンチドラム式延線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4281933B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101685156B1 (ko) * 2015-04-22 2016-12-09 주식회사 케이티 케이블 철거장치
CN109235866B (zh) * 2018-09-13 2023-12-05 上海普英特高层设备股份有限公司 升降吊篮设备
CN111874722B (zh) * 2020-07-23 2022-02-18 中国船舶科学研究中心 一种用于线列阵的海底多缆布放绞车
CN114275699B (zh) * 2022-01-07 2023-07-07 海鹰企业集团有限责任公司 一种无人值守可变缆径式水下电动绞车
CN117198640B (zh) * 2023-10-13 2024-03-19 飞鹏电缆有限公司 一种低压电缆多芯绞合的成缆设备及其低压电缆

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001103632A (ja) 2001-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000197230A (ja) ケーブル送り装置およびケーブル敷設工法
CN212363517U (zh) 一种拉力和速度检测装置、电缆敷设设备
JP4049468B2 (ja) ケーブル送り装置およびケーブル敷設工法
EP1591406B1 (en) Method and apparatus for changing the rope of a traction sheave elevator
CN1789098A (zh) 光纤抽拉过程中的拉伸检验和光纤重新穿料的方法和设备
CN215452332U (zh) 电缆智能敷设系统
JP4281933B2 (ja) ウィンチドラム式延線装置
CN212315224U (zh) 一种电缆卷筒的放线限位保护装置
CN109132904A (zh) 绞车装置和无人船
CN115954800B (zh) 电缆检测安装系统及利用其实现电缆敷设安装的方法
JPH033445B2 (ja)
JPH0349880B2 (ja)
JP5143168B2 (ja) ケーブル弛み防止装置およびケーブル弛み防止架線工法
JP2010098873A (ja) 吊架螺旋状体ハンガーの延線装置及びその方法
KR102077532B1 (ko) 역회전용 브레이크 텐셔너
CN212128643U (zh) 可测张力缆绳
KR100279564B1 (ko) 와이어연선기의오버트위스트구동장치
CN210150522U (zh) 一种铁路车载电缆收放装置
JP2011050194A (ja) 電線巻き取り能力を有するリールワインダー及びこれを用いた電線張り替え又は撤去方法
CN221027360U (zh) 一种绞车排缆装置
JPH10215511A (ja) ケーブル敷設方法およびその敷設用台車
CN215518121U (zh) 一种撕裂绳生产过程中断纱检测装置
CN117068980B (zh) 一种绞磨收线装置及收线控制方法
CN219136016U (zh) 一种带有卷收结构的电线电缆生产用成缆机
CN219885370U (zh) 一种网线自动放线装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090311

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees