JP2011193291A - パッケージ、およびパッケージ製造方法 - Google Patents

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Takashi Sarada
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Abstract

【課題】キャビティ内の真空状態を確実に維持しつつ、強度の低下を抑制できる信頼性の高いパッケージ、およびパッケージ製造方法を提供する。
【解決手段】互いに接合材35を介して陽極接合されるベース基板2、およびリッド基板3と、これらベース基板2とリッド基板3との間に形成されるキャビティCとを有し、このキャビティC内に圧電振動片4を封入可能なパッケージ9において、ベース基板2の接合面2aに、短側面2bに開口部を有する電極用凹部22を形成すると共に、電極用凹部22に取り出し電極24を形成し、取り出し電極24の外表面24aに絶縁部26が形成されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、2つのガラス基板の間に電子部品を封入するパッケージ、およびパッケージ製造方法に関するものである。
この種のパッケージとしては、例えば、電子部品として水晶等からなる圧電振動片を用い、携帯電話や携帯情報端末機器の時刻源や制御信号等のタイミング源、およびリファレンス信号源等として利用される圧電振動子が知られている。この圧電振動子は、ガラス基板であるベース基板とリッド基板とが直接接合されることにより形成される2層構造の表面実装型であって、両基板の間に形成されたキャビティ(密閉室)内に圧電振動片が収容されている。キャビティは、電子部品(水晶等)の高精度化のために真空状態に維持される。
ここで、2層構造の圧電振動子のパッケージは、ベース基板に貫通孔を形成し、この貫通孔に銀ペーストなどの導電部材を充填して焼成することで貫通電極を形成している場合が多い。貫通電極を形成することによって、水晶振動子と、ベース基板の外側に設けられた外部電極とが電気的に接続される(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−124845号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、貫通電極が形成されている部分からのガスの流入等により、キャビティ内の真空状態を維持するのが困難であり、電子部品が経年劣化する虞があるという課題がある。
また、ベース基板に貫通孔を形成するので、パッケージの強度が低下するという課題がある。
ここで、ガラスに代えてセラミックスや樹脂等により各基板を形成することも考えられるが、セラミックスを用いる場合、製造コストが増大すると共に小型化が困難である一方、樹脂を用いる場合、樹脂から発生するガスが圧電振動子の精度に影響を及ぼす虞がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、キャビティ内の真空状態を確実に維持しつつ、強度の低下を抑制できる信頼性の高いパッケージ、およびパッケージ製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係るパッケージは、互いに接合材を介して陽極接合される第1ガラス基板、および第2ガラス基板と、これら第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に形成されるキャビティとを有し、このキャビティ内に電子部品を封入可能なパッケージにおいて、前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の何れか一方の接合面に、外側面側に開口部を有する電極用凹部を複数形成すると共に、これら電極用凹部に取り出し電極を形成し、これら取り出し電極の他方の接合面側に面した外表面のうち、少なくとも前記接合材に対応する箇所に、絶縁部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、第1ガラス基板、および第2ガラス基板の全周を陽極接合により接合することができるので、キャビティ内へのガスの流入を確実に防止できる。このため、電子部品の経年劣化を防止できる。
また、第1ガラス基板、および第2ガラス基板に、従来のように貫通孔を形成することなく、キャビティ内の電子部品とパッケージの外側の外部電極とを取り出し電極によって電気的に接続することができる。このため、パッケージの強度の低下を防止できる。
さらに、パッケージをウエハ状態から形成することが可能になるので、製造コストを低減することができる。
本発明に係るパッケージは、前記取り出し電極の前記外表面のうち、少なくとも前記接合材に対応する面と、前記一方の接合面のうち、少なくとも前記接合材に対応する面とが同一平面上に形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、第1ガラス基板と第2ガラス基板との接合不良を確実に防止することができる。このため、キャビティ内の真空状態を確実に維持することが可能になり、信頼性の高いパッケージを提供できる。
本発明に係るパッケージは、前記取り出し電極の前記外表面、および前記一方の接合面の全体に、前記絶縁部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、接合面に例えば絶縁部形成用のレジスト等を施す必要がなく、容易に接合面に絶縁部を形成することができる。
本発明に係るパッケージは、前記絶縁部に、前記電子部品と前記取り出し電極とを電気的に接続するための窓部を形成し、この窓部に金属バンプを設けたことを特徴とする。
このように構成することで、電子部品と取り出し電極とを容易に電気的に接続することができる。このため、構造の簡素化を図ることができ、より安価なパッケージを提供することが可能になる。
本発明に係るパッケージは、複数の前記電極用凹部の前記開口部は、同一平面上に形成されていることを特徴とする。
このように、引出電極がパッケージの同一平面上に引き出されることにより、引出電極に電気的に接続される外部電極の引き回しを簡素化できる。
本発明に係るパッケージは、前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の何れか一方には、前記開口部から前記一方の接合面とは反対側の面に至る間に側面電極が設けられ、前記反対側の面に、前記側面電極に接続される外部電極が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の接合面とは反対側の面(底面)に引出電極を引き回すことができる。このため、パッケージのレイアウト性を高めることが可能になる。
本発明に係るパッケージは、前記電子部品は、圧電振動片であることを特徴とする。
このように構成することで、キャビティ内の真空状態を確実に維持しつつ、強度の低下を抑制できる信頼性の高い圧電振動子を提供することが可能になる。
本発明に係るパッケージ製造方法は、互いに接合材を介して接合された第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に、電子部品を封入したパッケージを製造するためのパッケージ製造方法において、前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の何れか一方の接合面に、外側面側が開口された電極用凹部を複数形成する凹部形成工程と、前記電極用凹部に取り出し電極を形成する電極形成工程と、前記取り出し電極の他方の接合面側に面した外表面の少なくとも前記接合材に対応する箇所に、絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、前記絶縁部、および前記他方の接合面の何れか一方に、前記接合材を形成する接合材形成工程と、この接合材形成工程の後、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板とを陽極接合する接合工程とを有することを特徴とする。
このように構成することで、キャビティ内の真空状態を確実に維持しつつ、強度の低下を抑制できる信頼性の高いパッケージを製造することが可能になる。
本発明に係るパッケージ製造方法は、前記第1ガラス基板が複数含まれる第1基板用ウエハ、および前記第2ガラス基板が複数含まれる第2基板用ウエハの何れか一方に、前記凹部形成工程、前記電極形成工程、前記絶縁部形成工程を行い、前記第1基板用ウエハ、および前記第2基板用ウエハの何れか一方に、前記接合材形成工程を行い、これら前記凹部形成工程、前記電極形成工程、前記絶縁部形成工程、および前記接合材形成工程を経た後、前記第1基板用ウエハと前記第2基板用ウエハとを前記接合工程により接合し、この接合工程の後、前記パッケージの形成領域毎に個片化することにより複数の前記パッケージを形成することを特徴とする。
このように構成することで、複数のパッケージを纏めて製造することができるので、パッケージの製造コストをより低減することが可能になる。
本発明に係るパッケージ製造方法は、前記第1基板用ウエハ、および前記第2基板用ウエハの何れか一方における前記パッケージの外側面に対応する位置であって、かつ前記電極用凹部に対応する位置に、スルーホールを形成するスルーホール形成工程と、前記スルーホール内に、側面電極を形成する側面電極形成工程とを有することを特徴とする。
このように構成することで、容易、かつ確実に側面電極を形成することができる。このため、製造コストの低減化を図りつつ、信頼性の高いパッケージを提供することができると共に、パッケージのレイアウト性、バリエーションを増大させることができる。
本発明によれば、第1ガラス基板、および第2ガラス基板の全周を陽極接合により接合することができるので、キャビティ内へのガスの流入を確実に防止できる。このため、電子部品の経年劣化を防止できる。
また、第1ガラス基板、および第2ガラス基板に、従来のように貫通孔を形成することなく、キャビティ内の電子部品とパッケージの外側の外部電極とを取り出し電極によって電気的に接続することができる。このため、パッケージの強度の低下を防止できる。
さらに、パッケージをウエハ状態から形成することが可能になるので、製造コストを低減することができる。
そして、第1ガラス基板と第2ガラス基板との接合不良を確実に防止することができる。このため、キャビティ内の真空状態を確実に維持することが可能になり、信頼性の高いパッケージを提供できる。
本発明の第一実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。 本発明の第一実施形態における圧電振動子のリッド基板を取り外した状態の平面図である。 図2のA−A線に沿う縦断面図である。 本発明の第一実施形態におけるウエハ接合体の分解斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態における切断手順を示し、(a)および(b)はウエハ接合体の縦断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態の変形例におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第一実施形態の変形例におけるベース基板用ウエハの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の第二実施形態における圧電振動子の縦断面図である。 本発明の第三実施形態における圧電振動子の縦断面図である。 本発明の第四実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。 本発明の第四実施形態におけるウエハ接合体の縦断面図である。 本発明の第四実施形態におけるウエハ接合体の縦断面図である。 本発明の第四実施形態におけるウエハ接合体の縦断面図である。 他の実施形態におけるベース基板の平面図である。 他の実施形態における圧電振動子のリッド基板を取り外した状態の平面図である。
(第一実施形態)
(圧電振動子)
次に、この発明の第一実施形態を図1〜図6Fに基づいて説明する。
図1は、第一実施形態における圧電振動子1の外観斜視図、図2は、圧電振動子1のリッド基板3を取り外した状態の平面図、図3は、図2のA−A線に沿う縦断面図である。
なお、図1では、図面を見易くするために圧電振動子1を構成する後述の圧電振動片4を簡略して記載している。また、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1〜図3に示すように、圧電振動子1は、ベース基板2、およびリッド基板3が接合材35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティCに収納された電子部品である圧電振動片4とを備えた表面実装型のものである。圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料から形成された音叉型の振動片であって、所定の電圧が印加されたときに振動する。
この圧電振動片4は、略平行に配置された一対の振動腕部10,11と、この一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。
溝部18は、該振動腕部10,11の長手方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近に至る間に形成されている。
また、圧電振動片4は、一対の振動腕部10,11の外表面上に形成された励振電極15を有している。この励振電極15は、振動腕部10,11をそれぞれ振動させる一対の第1励振電極13、および第2励振電極14から成る。これら第1励振電極13、および第2励振電極14は、基部12の両主面上に形成されているマウント電極16,17に、それぞれ引き出し電極19,20を介して接続されている。
励振電極15、マウント電極16,17、および引き出し電極19,20は、例えば、クロム(Cr)やニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、金(Au)などの導電性材料の被膜により形成されている。
励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近、または離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。励振電極15を構成する第1励振電極13、および第2励振電極14は、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、一方の振動腕部10の溝部18上と、他方の振動腕部11の両側面上とに、第1励振電極13が主に形成されている。また、一方の振動腕部10の両側面上と、他方の振動腕部11の溝部18上とに、第2励振電極14が主に形成されている。
さらに、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。
リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板である。リッド基板3は、平面視略長方形状であって、かつ板状に形成されている。リッド基板3には、ベース基板2との接合面3a側(図1、図3における下面側)に、圧電振動片4を収容するキャビティC用の凹部3bが形成されている。この凹部3bにより、リッド基板3の接合面3aは、平面視略額縁状に形成された状態になる。この額縁状の接合面3aが接合材35を介してベース基板2に陽極接合されている。
接合材35は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法によって形成されたアモルファスシリコン(a−Si)膜である。しかしながら、これに限られるものではなく、アモルファスシリコンに代わって、ポリシリコン(多結晶珪素)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、インバー(Invar)、コバール(Kovar)、42アロイ(42Alloy)等により接合材35を形成してもよい。また、ドーピング等により低抵抗化したSiバルク材を使用することも可能である。
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる基板である。ベース基板2は、リッド基板3と同等の外形となるように平面視略長方形状であって、かつ略板状に形成されている。ベース基板2の接合面2aには、一対の電極用凹部22,23が形成されている。これら電極用凹部22,23は、圧電振動片4のマウント電極16,17に対応する位置からベース基板2の一方の短側面(外側面)2bに至るまで形成されており、短側面2b側にそれぞれ開口部22a,23aが形成されている。
各電極用凹部22,23には、それぞれ取り出し電極24,25が形成されている。この取り出し電極24,25は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、ステンレス、銀(Ag)、アルミニウム(Al)等の導電性を有する金属材料からなる電極であって、電極用凹部22,23の深さH1に応じ、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法やメッキ法等の塗装処理によって形成されている。
すなわち、電極用凹部22,23の深さH1が浅く設定されている場合(例えば、1μm以内に設定されている場合)には、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法によりCr、Au等からなる取り出し電極24,25を形成する。
一方、電極用凹部22,23の深さが深く設定されている場合(例えば、1μmよりも深く設定されている場合)には、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等により成膜した後、Ni、Agなどによりメッキ法等の塗装処理を行い、取り出し電極24,25を形成する。電極用凹部22,23の深さH1が深く設定されている場合、メッキ法等の塗装処理により取り出し電極24,25を形成することで、成膜方法により厚い膜を形成するよりも取り出し電極24,25の形成時間を短縮することが可能になる。
また、各取り出し電極24,25は、このリッド基板3側の外表面24a,25aがベース基板2の接合面2aと面一(同一平面)となるように形成されている。面一となるように形成する方法としては、例えば、予め各取り出し電極24,25をベース基板2の接合面2aよりも盛り上がるように形成しておき、エッチングや研磨等を施す方法がある。
なお、面一とは、ベース基板2の接合面2aと各取り出し電極24,25の外表面24a,25aとの段差が約10nm未満であることが望ましい。
さらに、ベース基板2の接合面2a、および各取り出し電極24,25の外表面24a,25aには、全体に亘って絶縁部26が形成されている。絶縁部26は、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)ガスを用いたプラズマCVD法により形成されたシリコン酸化膜(SiO2)やスパッタ法によるSiO2膜である。
各取り出し電極24,25の外表面24a,25a上に形成されている絶縁部26には、一部に窓部27,28が形成されており、これら窓部27,28を介して各取り出し電極24,25が露出した状態になっている。
各窓部27,28から露出している各取り出し電極24,25上には、金等の金属バンプ32,33が形成され、これら金属バンプ32,33と圧電振動片4のマウント電極16,17とが接続固定されている。すなわち、圧電振動片4は、各金属バンプ32,33によって、ベース基板2上の絶縁部26から振動腕部10,11を浮かせた状態で接合されている。
ここで、ベース基板2に形成されている各電極用凹部22,23は、ベース基板2の一方の短側面(外側面)2b側にそれぞれ開口部22a,23aを有しているので、各電極用凹部22,23の短側面2b側も露出した状態になっている。これら電極用凹部22,23の短側面2b側に露出した部位には、不図示の外部電極が電気的に接続されている。
このような構成のもと、圧電振動子1を作動させる場合、ベース基板2の一方の短側面2bに露出している各取り出し電極24,25に不図示の外部電極を介して所定の駆動電圧を印加する。すると、各取り出し電極24,25を介して圧電振動片4の第1励振電極13、および第2励振電極14に通電される。
これにより、圧電振動片4の第1励振電極13、および第2励振電極14からなる励振電極15に電流を流すことができ、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、図4〜図7に基づいて、圧電振動子1の製造方法について説明する。
図4は、圧電振動片4をキャビティC内に収容した状態で、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが陽極接合されたウエハ接合体60の分解斜視図である。
ここで、同図に示すように、圧電振動子1を製造するにあたって、まず、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40と、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50とを、これらの間に複数の圧電振動片4を封止するように陽極接合する。そして、この後ベース基板用ウエハ40、およびリッド基板用ウエハ50をパッケージ9の形成領域毎に切断して個片化する。これにより、複数の圧電振動子1が同時に製造される。なお、図4に示す破線Mは、切断線を示す。
リッド基板用ウエハ50の製造手順は、まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する。次いで、リッド基板用ウエハ50の接合面(内側端面)50a(図4における下面)に、エッチング等により行列方向にキャビティC用の凹部50bを複数形成する。
次に、ベース基板用ウエハ40との間の気密性を確保するために、ベース基板用ウエハ40の接合面50a側を少なくとも研磨し、接合面50aを鏡面加工する。これにより、リッド基板用ウエハ50の製造が完了する。
図5は、ベース基板用ウエハ40の製造方法を示すフローチャート、図6A〜図6Fは、ベース基板用ウエハ40の製造方法を示す概略説明図である。
ここで、ベース基板用ウエハ40の各ベース基板2に対応する部位は、それぞれ同様の加工を施すので、説明を分かり易くするために、図6A〜図6Fにおいて、ベース基板用ウエハ40を個片化したうちの1つのベース基板2を示して説明する。
図4、図5、図6A〜図6Fに示すように、ベース基板用ウエハ40を製造するにあたって、まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(図5におけるST1)。
次いで、例えばエッチング、またはホットプレス等により、ベース基板用ウエハ40に複数の電極用凹部22,23を形成する(凹部形成工程、図5におけるST2、図6A参照)。
続いて、電極用凹部22,23に取り出し電極24,25を形成する(電極形成工程、図5におけるST3、図6B参照)。このとき、電極用凹部22,23の深さH1が浅く設定されている場合、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法により取り出し電極24,25を形成するので、ベース基板用ウエハ40の接合面40aのうち、電極用凹部22,23を避けた部位に例えばレジスト等を施す。
これにより、電極用凹部22,23だけに取り出し電極24,25を形成することが可能になる。ベース基板用ウエハ40の接合面40aにレジストを施した場合、電極用凹部22,23を形成した後、レジストを除去する。ここで、取り出し電極24,25の形成にあたって、レジスト等を施さずに、成膜装置(不図示)によって取り出し電極24,25の形成位置を制御してもよい。
なお、電極用凹部22,23の深さH1が深く設定されている場合、メッキ法等の塗装処理によって取り出し電極24,25を形成するが、この形成方法の詳細は後述する。
次に、ベース基板用ウエハ40の接合面40aに絶縁部26を形成する(絶縁部形成工程、図5におけるST4、図6C参照)。
続いて、絶縁部26の上に接合材35を形成する(接合材形成工程、図5におけるST5、図6C参照)。このとき、接合材35は、ベース基板用ウエハ40におけるキャビティCの形成領域以外の領域、すなわちリッド基板用ウエハ50の接合面50aとの接合領域の全域に亘って形成する。なお、ベース基板用ウエハ40に代わってリッド基板用ウエハ50の接合面50aに接合材35を形成してもよい。
次に、ベース基板用ウエハ40に形成された絶縁部26の取り出し電極24,25上に窓部27,28を形成する(図5におけるST6、図6D参照)。窓部27,28は、絶縁部26にエッチングを施すことにより形成される。窓部27,28を形成すると、これら窓部27,28を介して取り出し電極24,25が露出する。これにより、ベース基板用ウエハ40の製造が完了する。
続いて、ベース基板用ウエハ40の窓部27,28に金等の金属バンプ32,33を形成し、この上から圧電振動片4をマウントする(図5におけるST7、図6E参照)。なお、図6Eにおいては、圧電振動片4を簡略図示している(以下の図6Fについても同様)。
そして、この状態でベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを重ね合わせる。具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位置にアライメントする。これにより、マウントされた圧電振動片5が、リッド基板用ウエハ50に形成された凹部50bとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収納された状態となる。
両ウエハ40,50を重ね合わせた後、これらウエハ40,50を不図示の陽極接合装置に入れ、不図示の保持機構によりウエハ40,50の外周部分をクランプする。この状態で、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程を行う(接合工程、図5におけるST8、図6F参照)。
具体的には、接合材35とリッド基板用ウエハ50との間に、所定の電圧を印加する。すると、接合材35とリッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。
図7(a)、図7(b)は、ウエハ接合体60の縦断面図である。
図7(a)に示すように、両ウエハ40,50を陽極接合することにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができる。そして、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合したウエハ接合体60を得ることができる。
図7(b)に示すように、ウエハ接合体60を形成した後、切断線Mに沿って切断し、個片化する。具体的には、まずウエハ接合体60のベース基板用ウエハ40の表面にUVテープ(不図示)を貼り付ける。次に、リッド基板用ウエハ50側から切断線Mに沿ってレーザを照射する(スクライブ)。
続いて、UVテープの表面から切断線Mに沿って切断刃を押し当て、ウエハ接合体60を割断する(ブレーキング)。その後、UVを照射してUVテープを剥離する。これにより、ウエハ接合体60を複数の圧電振動子1に個片化することができる。なお、これ以外のダイシング等の方法によりウエハ接合体60を切断してもよい。
したがって、上述の第一実施形態によれば、従来のように貫通電極を形成することなく、パッケージ9に封止された圧電振動片4とパッケージ9外の外部電極(不図示)とを電気的に接続し、ベース基板用ウエハ40(ベース基板2)とリッド基板用ウエハ50(リッド基板3)とを陽極接合できる。このため、キャビティC内へのガスの流入を確実に防止でき、圧電振動片4の経年劣化を防止できる。
また、両ウエハ40,50同士を陽極接合することで、接着剤等で両ウエハ40,50を接合した場合に比べて、経年劣化や衝撃等によるずれや、ウエハ接合体60の反り等を防ぎ、両ウエハ40,50をより強固に接合することができる。
さらに、ベース基板2に貫通電極用の貫通孔を形成することなく、電極用凹部22,23を形成するので、貫通孔を形成する場合と比較してパッケージ9の強度を高めることができる。しかも、取り出し電極24,25をベース基板2の表面に形成しつつ、取り出し電極24,25と接合材35との間に絶縁部26を介在させている。このため、パッケージ9の強度を高めつつ、陽極接合を行うことができると共に、取り出し電極24,25と接合材35との短絡を確実に阻止できる。
そして、圧電振動子1を両ウエハ40,50から形成するので、一度に複数の圧電振動子1を製造することができ、製造コストを低減できる。
また、各取り出し電極24,25の外表面24a,25aがベース基板2の接合面2aと面一(同一平面)となるように形成されているので、両ウエハ40,50(両基板2,3)の陽極接合不良を確実に防止することができる。このため、キャビティC内の真空状態を確実に維持することが可能になり、信頼性の高い圧電振動子1を提供できる。
さらに、ベース基板用ウエハ40の接合面40a上の全体に亘って、つまり、ベース基板2の接合面2aの全体に亘って絶縁部26が形成されている。このため、例えば接合面40a上に絶縁部26を形成するためのレジストを施す必要がなく、容易に絶縁部26を形成することが可能になる。
そして、絶縁部26の取り出し電極24,25に対応する部位に、それぞれ窓部27,28を形成し、この窓部27,28を利用して金属バンプ32,33を介して取り出し電極24,25と圧電振動片4のマウント電極16,17とを電気的に接続している。このため、圧電振動子1の構造の簡素化を図ることができる。
また、ベース基板2に形成されている一対の電極用凹部22,23は、それぞれ同一平面であるベース基板2の短側面2b側に開口部22a,23aを有しており、この開口部22a,23aを介して各取り出し電極24,25が外部に露出するようになっている。このため、これら取り出し電極24,25に接続される外部電極(不図示)の引き回しを簡素化できる。
なお、上述の第一実施形態では、ベース基板用ウエハ40の製造方法において、絶縁部26の上に接合材35を形成し(図5におけるST5)、その後、ベース基板用ウエハ40に形成された絶縁部26の取り出し電極24,25上に窓部27,28を形成する(図5におけるST6)場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベース基板用ウエハ40に形成された絶縁部26の取り出し電極24,25上に窓部27,28を形成した後、絶縁部26の上に接合材35を形成してもよい。
また、上述の第一実施形態では、ベース基板用ウエハ40の接合面40aに絶縁部26を形成し、この絶縁部26の上に接合材35を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、リッド基板用ウエハ50の接合面50aに接合材35を形成してもよい。さらに、リッド基板用ウエハ50の接合面50aに接合材35を形成した場合、この接合材35の上に絶縁部26を形成してもよい。
(第一実施形態の変形例)
なお、上述の第一実施形態における圧電振動子1の製造方法では、ベース基板2に形成されている電極用凹部22,23の深さH1が浅く設定されている場合について、つまり、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法により取り出し電極24,25を形成した場合について説明した。
ここで、図8A〜図8Cに基づいて、電極用凹部22,23の深さH1が深く設定され、メッキ法により取り出し電極24,25を形成する場合について説明する。図8A〜図8Cは、第一実施形態の変形例におけるベース基板用ウエハ40の製造方法を示す概略説明図である。
図8Aに示すように、ベース基板用ウエハ40に形成される電極用凹部22,23の深さH1が深く設定されている場合、各電極用凹部22,23を連結するように溝41を形成する(凹部形成工程)。これら電極用凹部22,23、および溝41は、例えばエッチング、またはホットプレス等により形成される。
続いて、図8Bに示すように、各電極用凹部22,23、および溝41に、メッキを施して取り出し電極24,25を形成すると共に、溝41に連結電極42を形成する(電極形成工程)。
次に、上述の第一実施形態のように、絶縁部形成工程、接合材形成工程、および接合工程を経てベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを陽極接合し、ウエハ接合体60を得る。
その後、図8Cに示すように、所望の大きさの圧電振動子1(パッケージ9)を得るように、切断線Mに沿ってスクライブ、およびブレーキングを行い、ウエハ接合体60を複数の圧電振動子1に個片化する。すると、連結電極42が除去されると共に、パッケージ9の外部、つまり、ベース基板2の短側面2bから各取り出し電極24,25が露出した状態になる。
これによれば、電極用凹部22,23の深さH1が深く設定されている場合であっても圧電振動子1の製造時間を短縮化することができ、生産効率を向上させることができると共に、製造コストを低減できる。
また、電極用凹部22,23の深さH1を深く設定する分、各取り出し電極24,25の肉厚化を図ることができる。これによって、抵抗を小さくできる分、各取り出し電極24,25による電圧降下を抑制することが可能になり、高性能な圧電振動子1を提供することが可能になる。
(第二実施形態)
次に、この発明の第二実施形態を図9に基づいて説明する。
図9は、第二実施形態における圧電振動子101の縦断面図である。なお、第一実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
この第二実施形態において、圧電振動子101は、ベース基板2、およびリッド基板3が接合材35を介して陽極接合されたパッケージ109と、パッケージ109のキャビティCに収納された圧電振動片4とを備えた表面実装型のものである点、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であって、ベース基板2との接合面3a側に、圧電振動片4を収容するキャビティC用の凹部3bが形成されている点、ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる基板であって、接合面2aに一対の電極用凹部22,23が形成されている点、これら電極用凹部22,23は、圧電振動片4のマウント電極16,17に対応する位置からベース基板2の一方の短側面(外側面)2bに至るまで形成されており、短側面2b側にそれぞれ開口部22a,23aが形成されている点等の基本的構成は、前述した第一実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
ここで、図9に示すように、第二実施形態の圧電振動子101(パッケージ109)と第一実施形態の圧電振動子1(パッケージ9)との相違点は、第一実施形態のパッケージ9には、ベース基板2の接合面2a全体に亘って絶縁部26が形成されているのに対し、第二実施形態のパッケージ109には、ベース基板2の電極用凹部22,23に形成されている取り出し電極24,25の外表面24a,25a上にのみ絶縁部26が形成されている点にある。
すなわち、ベース基板2の電極用凹部22,23に形成されている取り出し電極24,25は、この厚さH2が電極用凹部22,23の深さH1よりも小さくなるように設定されている。より具体的には、取り出し電極24,25の厚さH2は、電極用凹部22,23の深さH1の約半分程度となるように設定されている。そして、取り出し電極24,25の外表面24a,25a上に絶縁部26を形成し、この絶縁部26の表面とベース基板2の接合面2aとが面一になっている。
絶縁部26の形成方法としては、ベース基板2の電極用凹部22,23を避けた接合面2a全体にレジストを施し、取り出し電極24,25上にのみ絶縁部26が形成されるようにする。また、レジストを施さずに、成膜装置(不図示)によって絶縁部26の形成位置を制御してもよい。
したがって、上述の第二実施形態によれば、前述の第一実施形態と同様の効果に加え、無駄に絶縁部26を形成することがなく、材料コストの低減化を図ることが可能になる。
(第三実施形態)
次に、この発明の第三実施形態を図10に基づいて説明する。
図10は、第三実施形態における圧電振動子201の縦断面図である。
同図に示すように、この第三実施形態の圧電振動子201(パッケージ209)と第二実施形態の圧電振動子101(パッケージ109)との相違点は、第二実施形態のパッケージ109の絶縁部26がベース基板2の取り出し電極24,25上にのみ形成されているのに対し、第三実施形態のパッケージ209の絶縁部26が取り出し電極24,25上であって、かつ接合材35に対応する位置にのみ形成されている点にある。
すなわち、第三実施形態のベース基板2に形成されている取り出し電極24,25は、接合材35に対応する部位のみ絶縁部26に被覆され、この絶縁部26に被覆された部位を除いた外表面24a,25aは、露出した状態になっている。このため、絶縁部26には、圧電振動片4のマウント電極16,17と取り出し電極24,25とを電気的に接続するための窓部27,28が形成されていない。そして、取り出し電極24,25の露出した部位と圧電振動片4のマウント電極16,17とが金属バンプ32,33を介して電気的に接続されている。
したがって、上述の第三実施形態によれば、前述の第二実施形態と同様の効果に加え、さらに材料コストを低減することができる。このため、安価で高性能な圧電振動子201を提供することが可能になる。
(第四実施形態)
次に、この発明の第四実施形態を図11〜図12Cに基づいて説明する。
図11は、第四実施形態における圧電振動子301の外観斜視図である。
同図に示すように、この第四実施形態の圧電振動子301と第一実施形態の圧電振動子1との相違点は、第一実施形態の圧電振動子1のベース基板2には、短側面2bに取り出し電極24,25が露出しているだけなのに対し、第四実施形態の圧電振動子301のベース基板302には、短側面302bに取り出し電極24,25に接続された一対の側面電極71,72が設けられている点にある。
一対の側面電極71,72は、導電性樹脂や金属膜等により形成されたものであって、ベース基板302の短側面2bに露出している一対の取り出し電極24,25に対応する位置に、ベース基板302の厚さ方向全体に亘って形成されている。すなわち、各側面電極71,72は、ベース基板302の短側面2bに形成されている電極用凹部22,23の開口部22a,23aからベース基板302の接合面302aとは反対側の底面302cに至る間に形成されている。
また、ベース基板302の底面302cには、一対の側面電極71,72に接続される一対の外部電極73,74が設けられている。これにより、ベース基板302には、接合面302側から短側面302bを経て底面302cに配索された電極24,25,71,72,73,74が形成される。
このような構成のもと、例えば、携帯電話機器や腕時計等の電子機器の基板上に圧電振動子301を実装する場合、電子機器の基板上に圧電振動子301を実装することにより、基板上に形成されている配線パターンと圧電振動子301におけるベース基板302の底面302cとを接触させることができる。このため、圧電振動子301の実装が容易になる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、図12A〜図12Cに基づいて、第四実施形態における圧電振動子301の製造方法について説明する。
図12A〜図12Cは、ウエハ接合体360の縦断面図である。
この第四実施形態において、圧電振動子301は、後にベース基板302となるベース基板用ウエハ340と、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50とを、これらの間に複数の圧電振動片4を封止するように陽極接合し、この後ベース基板用ウエハ340、およびリッド基板用ウエハ50をパッケージ309の形成領域毎に切断して個片化することにより同時に複数個製造される点、リッド基板用ウエハ50の接合面50a(図12A〜図12Cにおける下面)に、エッチング等により行列方向にキャビティC用の凹部50bを複数形成しておく点、ベース基板用ウエハ340を製造するにあたって、複数の電極用凹部22,23を形成する凹部形成工程、各電極用凹部22,23に取り出し電極24,25を形成する電極形成工程、ベース基板用ウエハ340の接合面340aに絶縁部26を形成する絶縁部形成工程を経る点、ベース基板用ウエハ40の絶縁部26上、またはリッド基板用ウエハ50の接合面50a上の何れか一方に、接合材35を形成する接合材形成工程を行う点、これらの工程を行った後、ベース基板用ウエハ340とリッド基板用ウエハ50とを重ね合わせ、両者を陽極接合する接合工程を行う点は、前述の前述した第一実施形態と同様である。
ここで、第四実施形態のベース基板用ウエハ340を製造工程は、前述の凹部形成工程、電極形成工程、絶縁部形成工程、および接合材形成工程に加え、側面電極71,72を形成するためのスルーホール形成工程と、側面電極形成工程とを有している。
すなわち、図12Aに示すように、ベース基板用ウエハ340には、凹部形成工程により形成された電極用凹部22,23に対応する位置であって、かつウエハ接合体360の切断線M(図4、図12C参照)に中心Pが位置するように、ベース基板用ウエハ340の厚さ方向に貫通するスルーホール75が形成される(スルーホール形成工程)。
続いて、図12Bに示すように、各スルーホール75に側面電極71,72を形成する(側面電極形成工程)。
ここで、側面電極71,72を導電性樹脂により形成する場合、各スルーホール75に導電性樹脂を充填する方法や、各スルーホール75の内周面に導電性樹脂を塗布する方法等が挙げられる。一方、側面電極71,72を金属膜により形成する場合、各スルーホール75の内周面にスパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の成膜方法やメッキ法等の塗装処理を施す方法が挙げられる。
さらに、側面電極71,72を導電性樹脂と金属膜とを混合させて形成することも可能である。導電性樹脂と金属膜とを混合させることにより、側面電極71,72の信頼性を向上させることが可能になる。
側面電極形成工程を行うタイミングとしては、取り出し電極24,25を形成する電極形成工程の前後で行ったり、電極形成工程と同時に行ったりすることが可能である。
そして、側面電極形成工程を経た後、ベース基板用ウエハ340の底面340cに外部電極73,74を形成する。このように形成されたベース基板用ウエハ340とリッド基板用ウエハ50とを陽極接合することにより、ウエハ接合体360を得ることができる。
図12Cに示すように、ウエハ接合体360を形成した後、切断線Mに沿って切断し、個片化する。これによって、複数の圧電振動子301が形成される。
ここで、スルーホール75は、ウエハ接合体360の切断線Mに中心Pが位置するように形成されている(図12A参照)。このため、ウエハ接合体360を個片化することにより、側面電極71,72がベース基板302の短側面302bに露出した状態になる。
したがって、上述の第四実施形態によれば、前述の第一実施形態と同様の効果に加え、ベース基板302の底面302cに電極を引き回すことができる分、パッケージ309のレイアウト性を高めることが可能になる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ベース基板2,302、およびリッド基板3により形成されるキャビティC内に圧電振動片4を封止し、圧電振動子1,101,201,301とした場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、一対のガラス基板(ベース基板2,302、およびリッド基板3)内に電子部品を封止するさまざまなパッケージに本実施形態の取り出し電極24,25、および側面電極71,72を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、金属バンプ32,33を介して取り出し電極24,25と圧電振動片4のマウント電極16,17とを接続する、所謂フリップチップボンディング法による圧電振動片4の実装方法について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、導電性接着剤を用いて取り出し電極24,25と圧電振動片4のマウント電極16,17とを接合してもよい。
さらに、上述の実施形態では、ベース基板2,302に形成されている電極用凹部22,23がベース基板2,302の一方の短側面2b,302b側に開口部22a,22bを有するように形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベース基板2,302の外側面に開口部22a,22bを有するように電極用凹部22,23が形成されていればよい。
より具体的には、図13に示すように、ベース基板2(302)の接合面2a(302a)に形成されている一対の電極用凹部22,23’のうち、一方の電極用凹部22は、上述の第一実施形態から第四実施形態と同様に、圧電振動片4のマウント電極16に対応する位置から一方の短側面(外側面)2b(302b)に至るまで形成する。
これに対し、他方の電極用凹部23’を、圧電振動片4のマウント電極17に対応する位置から他方の短側面(外側面)2b’(302b’)に至るまで形成する。すなわち、ベース基板2(302)の長手方向両側面に電極が引き出された状態になる。
そして、これら電極用凹部22,23’には、それぞれ取り出し電極24,25’が形成されている。各取り出し電極24,25’には、圧電振動片4のマウント電極16,17に対応する位置に、それぞれ金属バンプ32,33が形成されている。これによって、各取り出し電極24,25’に、それぞれ金属バンプ32,33を介して圧電振動片4を接続することができる。
また、上述の実施形態では、圧電振動片4は、音叉型の振動片である場合について説明したが、短冊型の圧電振動片、例えば図14に示すように、ATカット型の圧電振動片404であってもよい。
ここで、短冊型の圧電振動片であるATカット型の圧電振動片404について、具体的に説明する。
図14は、圧電振動片404のリッド基板を取り外した状態の平面図である。
同図に示すように、圧電振動片404は、平面視略矩形の板状に加工された水晶板405と、水晶板405の両面に対向する位置で配置された一対の励振電極406,406と、励振電極406,406に電気的に接続された引き出し電極407,407と、引き出し電極407,407に電気的に接続されたマウント電極408,408と、を有している。そして、これらマウント電極408,408と金属バンプ32,33とが接続固定されている。
このような構造の圧電振動片104であっても、上述の実施形態を好適に用いることができる。
1,101,201,301 圧電振動子
2,302 ベース基板(第1ガラス基板)
2a,3a,50a 接合面
2b302b,2b’,302b’ 短側面(外側面)
3 リッド基板(第2ガラス基板)
4 圧電振動片
9,109,209,309 パッケージ
22,23,23’ 電極用凹部
22a,23a 開口部
24,25,25’ 取り出し電極
24a,25a 外表面
26 絶縁部
27,28 窓部
32,33 金属バンプ
35 接合材
40,340 ベース基板用ウエハ(第一基板用ウエハ)
50 リッド基板用ウエハ(第二基板用ウエハ)
71,72 側面電極
73,74 外部電極
75 スルーホール
C キャビティ

Claims (10)

  1. 互いに接合材を介して陽極接合される第1ガラス基板、および第2ガラス基板と、
    これら第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に形成されるキャビティとを有し、
    このキャビティ内に電子部品を封入可能なパッケージにおいて、
    前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の何れか一方の接合面に、外側面側に開口部を有する電極用凹部を複数形成すると共に、これら電極用凹部に取り出し電極を形成し、
    これら取り出し電極の他方の接合面側に面した外表面のうち、少なくとも前記接合材に対応する箇所に、絶縁部が形成されていることを特徴とするパッケージ。
  2. 前記取り出し電極の前記外表面のうち、少なくとも前記接合材に対応する面と、前記一方の接合面のうち、少なくとも前記接合材に対応する面とが同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
  3. 前記取り出し電極の前記外表面、および前記一方の接合面の全体に、前記絶縁部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパッケージ。
  4. 前記絶縁部に、前記電子部品と前記取り出し電極とを電気的に接続するための窓部を形成し、この窓部に金属バンプを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のパッケージ。
  5. 複数の前記電極用凹部の前記開口部は、同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のパッケージ。
  6. 前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の何れか一方には、前記開口部から前記一方の接合面とは反対側の面に至る間に側面電極が設けられ、
    前記反対側の面に、前記側面電極に接続される外部電極が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のパッケージ。
  7. 前記電子部品は、圧電振動片であることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のパッケージ。
  8. 互いに接合材を介して接合された第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に、電子部品を封入したパッケージを製造するためのパッケージ製造方法において、
    前記第1ガラス基板、および前記第2ガラス基板の何れか一方の接合面に、外側面側が開口された電極用凹部を複数形成する凹部形成工程と、
    前記電極用凹部に取り出し電極を形成する電極形成工程と、
    前記取り出し電極の他方の接合面側に面した外表面の少なくとも前記接合材に対応する箇所に、絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
    前記絶縁部、および前記他方の接合面の何れか一方に、前記接合材を形成する接合材形成工程と、
    この接合材形成工程の後、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板とを陽極接合する接合工程とを有することを特徴とするパッケージ製造方法。
  9. 前記第1ガラス基板が複数含まれる第1基板用ウエハ、および前記第2ガラス基板が複数含まれる第2基板用ウエハの何れか一方に、前記凹部形成工程、前記電極形成工程、前記絶縁部形成工程を行い、
    前記第1基板用ウエハ、および前記第2基板用ウエハの何れか一方に、前記接合材形成工程を行い、
    これら前記凹部形成工程、前記電極形成工程、前記絶縁部形成工程、および前記接合材形成工程を経た後、前記第1基板用ウエハと前記第2基板用ウエハとを前記接合工程により接合し、
    この接合工程の後、前記パッケージの形成領域毎に個片化することにより複数の前記パッケージを形成することを特徴とする請求項8に記載のパッケージ製造方法。
  10. 前記第1基板用ウエハ、および前記第2基板用ウエハの何れか一方における前記パッケージの外側面に対応する位置であって、かつ前記電極用凹部に対応する位置に、スルーホールを形成するスルーホール形成工程と、
    前記スルーホール内に、側面電極を形成する側面電極形成工程とを有することを特徴とする請求項9に記載のパッケージ製造方法。
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