JP2011190800A - 内燃機関の燃料供給設備の吸入弁 - Google Patents

Abstract

【課題】燃料供給設備の新式の吸入弁を提供すること。
【解決手段】内燃機関の燃料供給設備、特に船舶用ディーゼル内燃機関のコモンレール燃料供給設備の吸入弁（１）であって、当該弁を介して燃料が、燃料供給設備の低圧領域から高圧ポンプ（６）のポンプ室（５）に吸入可能であり、高圧ポンプ（６）を介して燃料が、燃料供給設備の低圧領域から当該燃料供給設備の高圧領域に搬送可能であって、弁座（３）と協働する弁体（２）を有する吸入弁であって、弁体（２）は、当該弁体（２）が、吸入弁が開閉する際に、弁座（３）に対しても籠状のガイド体（７）に対しても相対的に移動可能なように、当該籠状のガイド体（７）においてガイドされており、籠状のガイド体（７）はその周にわたって、燃料を誘導可能な少なくとも１つのスリット（１０）を備えている。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１のおいて書きに記載の、内燃機関の燃料供給設備、特に船舶用ディーゼル内燃機関のコモンレール燃料供給設備の吸入弁に関する。

特許文献１は、複数のシリンダを有する内燃機関、すなわち重油で駆動される船舶用ディーゼル内燃機関を開示しており、それぞれのシリンダには、コモンレール燃料供給設備のインジェクタが配設されている。当該インジェクタを介して、内燃機関のシリンダのそれぞれに、燃料が噴入可能である。特許文献１に記載のコモンレール燃料供給設備は、当該コモンレール燃料供給設備の低圧領域から、当該コモンレール燃料供給設備の高圧領域に燃料を搬送するために、複数の高圧ポンプを備えるポンプ装置を備えており、ポンプ装置とインジェクタとの間の高圧領域には、持続的に高圧下にある蓄圧システムが備えられている。コモンレールとも呼ばれる、持続的に高圧下にある蓄圧システムは、特許文献１に従えば複数の蓄圧ユニットを備えており、同様に持続的に高圧下にある高圧燃料管を介してポンプ装置と接続されている。蓄圧システムはさらに、噴入タイミングに応じて一時的に高圧下にある高圧燃料管を介してインジェクタと接続されている。特許文献１に記載のコモンレール燃料供給設備においては、各高圧ポンプにそれぞれ１つの吸入弁と搬送弁が配設されており、それぞれの吸入弁を介して燃料が、低圧領域からそれぞれの高圧ポンプのポンプ室へと吸入可能であり、搬送弁を介して燃料が、それぞれの高圧ポンプのポンプ室から蓄圧システムの方向に、ひいてはコモンレール燃料供給設備の高圧領域の方向に搬送可能である。

そのような燃料供給設備の吸入弁を介して、燃料が、当該燃料供給設備の低圧領域から高圧ポンプのポンプ室へと吸入可能なのであるが、当該吸入弁は弁座および弁体を有しており、吸入弁が閉じられた状態では、弁体は弁座に載っており、吸入弁が開かれた状態では、弁体は弁座から外されている。吸入弁が開かれた状態では、吸引プロセスのために、燃料が低圧領域から高圧ポンプのポンプ室へ吸引され得る。吸入弁が閉じられている場合燃料は、高圧ポンプのポンプ室から出て、搬送工程の間、高圧領域に、すなわち、燃料の搬送方向で見てそれぞれの吸入弁に後置された搬送弁の方向に、搬送される。

実践から知られた吸入弁は、比較的複雑な構造、特に、孔が開けられている比較的複雑な弁体を有している。実践から知られた吸入弁で、弁体に当該弁体の孔が開けられていれば、当該弁体は、比較的大きな構造形状を有する。これによって、吸入弁の切替時間が比較的長くなる。

独国特許出願公開第１０２００４０６０００３号明細書

以上のことから、本願発明は、燃料供給設備の新式の吸入弁を提供することを課題としている。この課題は、請求項１に記載の吸入弁によって解決される。本発明に従えば、弁体は、当該弁体が、吸入弁が開閉する際に、弁座に対しても籠状のガイド体に対しても相対的に移動可能なように、当該籠状のガイド体においてガイドされており、籠状のガイド体はその周に、燃料を誘導可能な少なくとも１つのスリットを備えている。

本発明に従って提案されるのは、弁体が籠状のガイド体においてガイドされており、当該籠状のガイド体はその周に、燃料を誘導可能な少なくとも１つのスリットを備えることである。

本発明によって、弁体の孔をなくすことが可能である。これによって弁体は、比較的小さく実施されることができ、それにより吸入弁の切替時間をより早くすることができる。

さらに、吸入弁の効率とキャビテーション挙動にポジティブな影響を与えることが可能である。

本発明の好ましいさらなる形態は、従属請求項と以下の記述とからもたらされる。本発明の実施例は、図に基づいて詳述されるが、それに限定されるものではない。図に示されるのは、以下である。

本発明の第１実施例に従った、吸入弁の領域におけるコモンレール燃料供給設備の概略部分図である。 本発明の第１実施例に従った、吸入弁の領域におけるコモンレール燃料供給設備の概略部分図である。 図１、図２の吸入弁の斜視図である。 本発明の第２実施例に従った、吸入弁の領域におけるコモンレール燃料供給設備の概略部分図である。 本発明の第２実施例に従った、吸入弁の領域におけるコモンレール燃料供給設備の概略部分図である。

本願発明は、内燃機関の燃料供給設備、特に船舶用ディーゼル内燃機関のコモンレール燃料供給設備の吸入弁に関する。

コモンレール燃料供給設備は、低圧領域および高圧領域を有している。コモンレール燃料供給設備の高圧領域は、少なくとも１つの高圧ポンプを備えるポンプ装置と、少なくとも１つの蓄圧ユニットを備える蓄圧システムとを備えており、ポンプ装置の１つあるいは各高圧ポンプは、燃料を、吸入弁を介して低圧領域から高圧領域へ吸引し、搬送弁を介して蓄圧システムに供給する。蓄圧システムから出て、燃料はインジェクタを介してシリンダに噴入可能である。

図１と図２と図３は、本発明に係る吸入弁１の領域におけるコモンレール燃料供給設備の部分図を示しており、当該吸入弁１は、弁体２と弁座３とから形成されている。図１と図２と図３は、閉じられた状態での本発明に係る吸入弁１を示しており、当該状態においては、弁体２は弁座３に対して押されており、そうして吸引開口部４を閉鎖する。当該吸引開口部４を介して吸入弁１が燃料を、コモンレール燃料供給設備の低圧領域から高圧ポンプ６のポンプ室５に吸引する。吸入弁１が閉じられている場合、弁体２は弁座３とともに、球形あるいは円錐形あるいは平らなパッキングを形成する。

弁体２が弁座３から外されている場合、弁体２は、吸引プロセスのために吸引開口部４を開放し、その結果燃料は、低圧領域から高圧ポンプ６のポンプ室５に達することができる。

吸入弁１が閉じられている場合、燃料は、高圧ポンプ６のポンプ室５から出て、少なくとも１つの搬送開口部１２を介し、高圧ポンプ６のポンプ室５から、図１、図２、図３には示されていない搬送弁の方向へ、いわゆる搬送プロセスの間搬送され得る。

本願発明の観点では、本発明に係る吸入弁１の弁体２は、籠状のガイド体７においてガイドされる。

籠状のガイド体７はその際、図１、図２、図３に従えば、高圧ポンプ６のポンプ室５を規定しているポンプシリンダ９の凹部８に配置され、吸入弁１が開閉する際もしくは吸引孔４が開閉する際、弁体２は、籠状のガイド体７に対して相対的に移動可能である。

好適には、籠状のガイド体７は、高圧ポンプ６のポンプシリンダ９における凹部８において、遊びを有して配置されている。

籠状のガイド体７は、本発明に従えばその周に、燃料を誘導可能な少なくとも１つのスリット１０を有している。図１、図２、図３においては、籠状のガイド体７の周にわたって、燃料を誘導可能な複数のスリット１０が分散されている。

吸入弁１が吸引プロセスのために開かれており、それゆえ、吸引開口部４が開放されて弁体２が弁座３から外されている場合、燃料は、燃料供給設備の低圧領域から吸引開口部４を介して吸引され得、籠状のガイド体７のスリット１０を介して高圧ポンプ６のポンプ室５に流れることができる。

それゆえ吸入弁１の弁体２は、吸引プロセスの際に燃料によって環流され、その結果弁体２は、決して付加的な孔を備える必要はない。これによって、弁体２を比較的小さな寸法で実施することが可能である。これによって、最終的に吸入弁１での早い切替時間が実現され得る。

本発明の有利なさらなる形態に従えば、それを介して、吸入弁１が閉じられている場合に、すでに言及された搬送プロセスの間、高圧ポンプ６のポンプ室５からそれぞれの搬送弁への方向に、ひいては燃料供給設備の高圧領域に燃料が誘導され得る、１つあるいは各搬送開口部１２は、同様に、ガイド体７が配置されている凹部８の領域において形成されており、その結果搬送プロセスの際に、高圧ポンプ６のポンプ室５から籠状のガイド体７のスリット１０を介して燃料が流れ、それを介してポンプ室５が燃料供給設備の高圧領域と接続可能な１つあるいは各搬送開口部１２に達する。

図１、図２、図３の実施例においては、搬送弁１は、バネ無しで形成されている。当該弁は、停止状態においては吸引プロセスのために開かれており、高圧ポンプ６のポンプ室５における圧力形成を介して、搬送プロセスのために閉じられ、すなわち、高圧ポンプ６のポンプ室５内の圧力が、燃料供給設備の低圧領域に占める圧力に勝る場合に、閉じられる。

それに対して図４と図５は、本発明に係る吸入弁のさらなる実施例を示しており、当該弁は、図１と図２の実施例とは異なってバネ要素１１を有しており、停止状態においては搬送プロセスのために閉じられており、低圧領域での圧力形成を介して、吸引プロセスのために、バネ要素１１によって作られるバネ力に逆らって開かれ得る。バネ要素１１はその際、バネ要素１１の不測の封止もしくは引っかかりを避けるために、好適には円錐形のバネ要素として形成されている。しかしながらその他の詳細に関しては、図３の実施例は図１と図２の実施例と同じであり、その結果同一の構成部材についての不必要な繰り返しを避けるために、同一の関連数字が用いられ、図１、図２、図３の実施例のための実施形態が指摘される。

それゆえ本願発明は、燃料供給設備、特に、重油で駆動される船舶用ディーゼル内燃機関のコモンレール燃料供給設備の吸入弁１を提案し、当該燃料供給設備では、弁体２が、籠状のガイド体７においてガイドされ、当該ガイド体は、弁体２を半径方向外側で少なくとも部分的に取り囲んでいる。籠状のガイド体７には、周に好適には複数のスリット１０が作られ、当該スリットを介して燃料が、特に吸入弁の吸引プロセスの際におよび、場合によっては搬送プロセスの際にも、流れることができる。弁体２には、孔特に横断孔が開けられる必要はなく、その結果弁体２は比較的わずかな構造形状で、すなわち比較的小さく実施され得る。これによって、吸入弁１の切替時間を早くすることができる。さらに、吸入弁の効率とキャビテーション挙動にポジティブな影響を与えることが可能である。

１ 吸入弁
２ 弁体
３ 弁座
４ 吸引開口部
５ ポンプ室
６ 高圧ポンプ
７ ガイド体
８ 凹部
９ ポンプシリンダ
１０ スリット
１１ バネ要素
１２ 搬送開口部

Claims (10)

1. 内燃機関の燃料供給設備、特に船舶用ディーゼル内燃機関のコモンレール燃料供給設備の吸入弁であって、該弁を介して燃料が、前記燃料供給設備の低圧領域から高圧ポンプのポンプ室に吸入可能であり、前記高圧ポンプを介して燃料が、前記燃料供給設備の低圧領域から該燃料供給設備の高圧領域に搬送可能であり、弁座と協働する弁体を有する吸入弁において、前記弁体（２）は、該弁体（２）が、前記吸入弁が開閉する際に、前記弁座（３）に対しても籠状のガイド体（７）に対しても相対的に移動可能なように、該籠状のガイド体（７）においてガイドされており、該籠状のガイド体（７）はその周に、燃料を誘導可能な少なくとも１つのスリット（１０）を備えていることを特徴とする吸入弁。
2. 前記籠状のガイド体（７）は、その周にわたって分散された、燃料を誘導可能な複数のスリット（１０）を備えていることを特徴とする請求項１に記載の吸入弁。
3. 前記籠状のガイド体（７）は、前記弁体（２）を半径方向外側で部分的に取り巻いていることを特徴とする請求項１あるいは２に記載の吸入弁。
4. 停止状態においては吸引プロセスのために開かれており、前記高圧ポンプの前記ポンプ室（５）における圧力形成を介して、搬送プロセスのために閉鎖可能であることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の吸入弁。
5. バネ無しで形成されていることを特徴とする請求項４に記載の吸入弁。
6. 停止状態においては搬送プロセスのために閉じられており、低圧領域での圧力形成を介して、吸引プロセスのために開かれ得ることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の吸入弁。
7. 停止状態においては前記弁体（２）を前記弁座（３）に対して押し付けるバネ要素（１１）を備えており、低圧領域での圧力上昇の際には前記バネ要素（１１）のバネ力に対抗して開かれ得ることを特徴とする請求項６に記載の吸入弁。
8. 前記籠状のガイド体（７）は、遊びを有して、前記高圧ポンプの前記ポンプ室（５）を規定しているポンプシリンダ（９）の凹部（８）に配置されていることを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載の吸入弁。
9. 燃料が、低圧領域から前記籠状のガイド体（７）の前記１つあるいは各スリット（１０）を介して前記高圧ポンプの前記ポンプ室（５）に達する吸引プロセスの際には開かれており、燃料が、前記高圧ポンプの前記ポンプ室（５）から前記籠状のガイド体（７）の前記１つあるいは各スリット（１０）を介して高圧領域に達する搬送プロセスの際には閉じられていることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の吸入弁。
10. 前記籠状のガイド体（７）は、前記高圧ポンプの前記ポンプ室（５）を規定しているポンプシリンダ（９）の凹部（８）に配置されており、該凹部（８）において一方では、それを介して前記ポンプ室（５）が低圧領域と接続可能な少なくとも１つの吸引開口部（４）と、それを介して前記ポンプ室（５）が高圧領域と接続可能な少なくとも１つの搬送開口部（１２）とが形成されていることを特徴とする請求項９に記載の吸入弁。

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