JP2011190560A - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】皮革様シート状物は、平均単繊維直径が0.3μm以上7μm以下の極細繊維からなる不織布と、その内部に水分散型ポリウレタンを含有する皮革様シート状物であって、任意の1方向における30秒後の残留ひずみ率をR1、1時間後の残留ひずみ率をR2としたとき、これらの差が2%以上であることを特徴とする皮革様シート状物。
【選択図】なし
Description
(1)平均単繊維直径
不織布表面または皮革様シート状物表面を走査型電子顕微鏡(SEM キーエンス社製VE−7800型)にて倍率2000倍で撮影し、得られた写真から円形または円形に近い楕円形の繊維をランダムに100本選び、繊維径を実測する。100本の繊維径の平均値を計算することにより、平均単繊維直径を算出した。
上記(1)により繊維径を測定し、繊維束を構成する繊維の繊維直径標準偏差を束内平均繊維直径で割った値を百分率(%)で、繊維直径CVを表した。5つの束状繊維について、同様の測定を行い、5つの平均値を繊維直径CVとした。異形断面の場合の繊維直径CVは異形断面の外周円を元に算出する。
ストレッチ性の評価は、残留ひずみ率、伸長率および伸長回復率により行った。皮革様シート状物の表面と水平な任意の1方向と、その方向と45°、90°および135°の角度をなす3方向の、計4方向について、残留ひずみ率、伸長率および伸長回復率を測定した。
JIS L 1096(1999) 8.14.2 B−1法(定荷重法)にしたがって、皮革様シート状物の残留ひずみ率を測定した。また、つかみ間隔は50cmとし、荷重を取り除いた後、30秒間放置後の残留ひずみ率をR1とし、1時間放置後の残留ひずみ率をR2とした。
JIS L 1096(1999) 8.14.1 B法(定荷重法)において、皮革様シート状物の伸長率を測定した。また、つかみ間隔は50cmとした。
JIS L 1096(1999) 8.14.2 B−1法(定荷重法)において、皮革様シート状物の伸長回復率を測定した。また、つかみ間隔は50cmとし、荷重を取り除いた後の放置時間は1時間とした。
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分として5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島数が36島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率60/40で溶融紡糸した繊維を、ローラープレート方式で通常の条件により延伸し捲縮加工後、得られた繊維に、ジメチルシリコーンとリン酸エステルナトリウム塩を質量比率50:50で混合し、水分含有率を50質量%に希釈した油剤を付与した。繊維に対する油剤付与量は、0.4質量%であった。その後、油剤が付与された繊維を51mmにカットし、平均単繊維直径26μmの海島型複合繊維の原綿を得た。
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分として5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島数が16島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率75/25で溶融紡糸した後、得られた繊維に、メチルフェニルシリコーンとメチルホスフェート塩を質量比率25:75で混合し、水分含有率96質量%に希釈した油剤を付与した。繊維に対する油剤付与量は2.4質量%であった。その後、油剤処理された繊維をローラープレート方式で通常の条件により延伸し捲縮加工した後、51mmにカットし、平均単繊維直径14μmの海島型複合繊維の原綿を得た。
この皮革様シート状物について、シート状物の表面と水平な基準となる方向と水平面上で直交する(90°の角度をなす)方向における残留ひずみ率R1とR2の差は2.4%であり、良好なストレッチ性があった。また、伸長率と伸長回復率は、良好な結果であった。結果を表1、表2および表3に示す。
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分として5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島数が36島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率60/40で溶融紡糸し、繊維をローラープレート方式で通常の条件により延伸した。得られた繊維に、エポキシ変性シリコーンとフェニルホスフェート塩を質量比率75:25で混合し、水分含有率22質量%に希釈した油剤を付与した。繊維に対する油剤付与量は、4.7質量%であった。その後、油剤が付与された繊維を捲縮加工後、51mmにカットし、平均単繊維直径26μmの海島型複合繊維の原綿を得た。
ジメチルシリコーンとリン酸エステルナトリウム塩を質量比率5:95で混合し、水分含有率40質量%に希釈した油剤を1.0質量%付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
ジメチルシリコーンとリン酸エステルナトリウム塩を質量比率95:5で混合し、水分含有率60質量%に希釈した油剤を3.0質量%付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
ジメチルシリコーンとリン酸エステルナトリウム塩を質量比率50:50で混合し、水分含有率4質量%に希釈した油剤を付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
ジメチルシリコーンとリン酸エステルナトリウム塩を質量比率50:50で混合し、水分含有率99.5質量%に希釈した油剤を付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
ジメチルシリコーンのみを、水分含有率40質量%に希釈した油剤を1.0質量%付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
リン酸エステルナトリウム塩のみを、水分含有率40質量%に希釈した油剤を1.0質量%付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
ポリウレタン濃度13質量%のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を含浸し、水中にて凝固し、水洗し、乾燥することにより、シート状物の島成分の質量に対するポリウレタン質量が47質量%となるように水分散型ポリウレタンを付与したこと以外は、実施例1と同じ処理を行い、皮革様シート状物を得た。この皮革様シート状物について、いずれの方向においても残留ひずみ率R1とR2の差は、2%に満たないものであった。また、得られた皮革様シート状物はストレッチ性のないものであった。結果を表1、表2および表3に示す。
Claims (5)
- 平均単繊維直径が0.3μm以上7μm以下の極細繊維からなる不織布と、その内部に水分散型ポリウレタンを含有する皮革様シート状物であって、シート状物の表面と水平ないずれかの1方向における30秒後の残留ひずみ率をR1とし、1時間後の残留ひずみ率をR2としたとき、これらの差(R1−R2)が2%以上であることを特徴とする皮革様シート状物。
- 極細繊維発現型繊維を紡糸する工程、該極細繊維発現型繊維を絡合させて不織布とする工程、該不織布に水分散型ポリウレタン液を含浸、凝固させて、水分散型ポリウレタンを付与する工程、および該極細繊維発生型繊維から極細繊維を発現させる工程を含み、かつ該極細繊維発現型繊維が、紡糸工程、延伸工程、捲縮工程およびカット工程からなる群から選ばれたいずれか1つ以上の工程で、脂肪族エステル、多価アルコールエステル、エーテルエステル、ポリエーテルおよび有機リン酸化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分とシリコーン系化合物を、質量比で10:90〜90:10の範囲で混合し、水分含有率20質量%以上98質量%以下に希釈した油剤で処理されることを特徴とする請求項1記載の皮革様シート状物の製造方法。
- 油剤の極細繊維発現型繊維への付与量が、該極細繊維発現型繊維の質量に対して0.2〜5質量%であることを特徴とする請求項2記載の皮革様シート状物の製造方法。
- 極細繊維発現型繊維が海島型複合繊維であることを特徴とする請求項2または3記載の皮革様シート状物の製造方法。
- 不織布が、短繊維不織布であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の皮革様シート状物の製造方法。
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