JP2011190398A - 粉塵飛散抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に調和した粉塵飛散抑止剤を提供する。
【解決手段】キトサンと酢酸とを重量比で6:4の割合で希釈した溶液であって、キトサン溶液の濃度が5,000ppm〜20,000ppmである粉塵飛散抑止剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に地表面からの飛砂、粉塵の飛散を抑制する散布剤に関するものである。
地表面からの粉塵が飛散すると、通行人、車、周辺の家屋、洗濯物などに降りかかって生活環境を劣化させる。
そのために従来からいくつかの粉塵飛散を抑制する方法が開発され採用されている。
<1> 従来開発されている粉塵飛散抑止剤の多くは、珪酸塩系の人工物である。(特許文献1)
<2> 粉塵が発生する区域にシートを敷設して粉塵の飛散を抑制する方法も採用されている。
<3> 粉塵が発生する区域に散水して粉塵の飛散を抑制する方法も知られている。
特開2007−284318号公報
前記した従来の粉塵飛散抑制剤にあっては、次のような問題点がある。
<1> 特許文献1のような粉塵飛散抑止剤は、珪酸アルカリ水溶液を主成分としており、たとえ安全性を謳っていても自然環境に絶対に優しい、ということはできない。
<2> シートを敷設する方法では、シートの敷設手間を必要とし、強風時には十分な対策が必要となる。
<3> 粉塵発生エリアに散水する方法では、その抑制効果は短時間であり、繰り返し散水する手間を要する。また未舗装のエリアではぬかるみやわだちが形成されて交通の妨げとなる。
上記のような課題を解決するために、本発明の粉塵飛散抑制剤は、キトサンと酢酸とを重量比で6:4の割合で希釈した溶液であって、キトサン溶液の濃度が5,000ppm〜20,000ppmである粉塵飛散抑止剤である。
本発明の粉塵飛散抑制剤は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> 主成分であるキトサンは、天然の生分解性素材であるため、環境調和型の粉塵飛散抑止剤として認識されて普及させることができる。
<2> キトサン溶液の濃度が5,000ppm〜20,000ppmの溶液を使用することで、侵食防止剤としての効果が得られる。
<3> キトサン溶液の濃度が5,000ppm〜7,000ppm程度の溶液は粘性がそれほど高くないために、0.5mm程度の開口を備えた噴霧器を用いて散布することが可能であって、複雑な機器を必要とせず、きわめて簡単に使用することができる。
<4> キトサン溶液の濃度が7,000ppm〜20,000ppmの溶液では溶液の粘性が高くなるため、直径が3.0mm程度の大きい散布孔を備えた散布器を用いることで散布をすることができ、特別な機器を必要としない。
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>本発明の機能。
本発明の粉塵飛散抑止剤は、地表面を固化させて粉塵の発生、飛散を抑制するものである。
<2>主成分。
本願発明の粉塵飛散抑止剤ではその主成分としてキトサンを用いる。
キトサンとは蟹の甲羅から得られる天然素材であり、生分解性をもつ自然環境に優しい原料である。
このキトサンを主成分として採用する理由は、従来の製品には自然由来の原料を使用したものが見当たらなかったためである。
このキトサンを希釈した溶液を地表面に吹き付ける。
すると、キトサン溶液は石積などの糊剤としても使われているように粘性があるので、土壌表面に散布することで、土粒子が団粒化し固化する。
そのため、粉塵の飛散を防止することができる。
<3>酸による溶解。
キトサンは一般に水には溶解しがたく、アミノ基の存在により、高分子電解質としての性質を示し、有機酸水溶液(酢を含む)等に溶解する。
そのため本発明の粉塵飛散抑止剤は、キトサン:酢酸を重量比で6:4の割合で希釈した溶液を使用する。
なお、今回は天然由来凝集材(商品名「フジクリーン」富士エンジニアリング株式会社)を水に溶かして実験を行った。
酢酸以外の有機酸としては、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸などの有機酸を同様の割合で使用することができる。
<4>実験方法。
<4−1>溶液。
キトサンを水で希釈させた本発明の粉塵飛散抑止剤溶液を、以下の7種類用意した。
0ppm。
3,000ppm。
5,000ppm。
7,000ppm。
10,000ppm。
20,000ppm。
25,000ppm。
<4−2>対象土壌。
粉塵が飛散する対象の土壌として、珪砂5号、および黒土を選び、これをプラスチック容器に敷設した。
容器の寸法は、縦12cm、横12cm、高さ2cmの薄い矩形の箱である。
<4−3>溶液の散布
珪砂5号および黒土に上記の各濃度の資料を散布した。
散布は、霧吹きノズルとコマゴメピペットを使用した。
霧吹きノズルのノズル径は0.5mmである。
ピペットの噴霧部径は3.0mmである。
散布量は34L/m2であり、この量であると土壌表面が十分に液に浸ることになる。
散布後、4日間静置した。
<4−4>測定。
4日間静置した後、浸透固化厚を測定した。
珪砂、黒土ともに、キトサン溶液の濃度が3,000ppm以上のときに土壌の表面の固化が確認できた。
珪砂、黒土ともに、キトサン溶液の濃度が5,000〜20,000ppmのときに、10mm以上のキトサンの浸透固化厚さを確保できた。
特にキトサン溶液の濃度が7,000ppm〜20,000ppmのときに、20mm以上のキトサンの浸透固化厚さを確保できた。
キトサン溶液の濃度が25,000ppmを作成しようと試みたが、キトサンが溶解しなかったためキトサン溶液を作成することができなかった。
キトサン溶液の濃度が7,000ppm以上の場合にはその粘性は高くなった。そのために5,000ppm〜7,000ppmの溶液は霧吹きによって散布し、それ以上の溶液はコマゴメピペットを用いて散布した。
<4−5>試験結果。
上記の結果を表にすると次のとおりである。

Figure 2011190398

Claims (1)

  1. キトサンと酢酸とを重量比で6:4の割合で希釈した溶液であって、
    キトサン溶液の濃度が5,000ppm〜20,000ppmであることを特徴とする、
    粉塵飛散抑止剤
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