JP2011189401A - スピニング加工方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品の最終形状とブランク形状から、破断の発生しない加工ローラの位置制御を簡単に導出可能とし主軸に直交する断面が円形ではない異形断面形状の製品をも成形可能とする。
【解決手段】第一の記憶媒体21に製品の目標形状データを複数の断面形状の形式で格納し、第二の記憶媒体22にブランクの形状データをブランク外周形状の形式で格納するとともに、各々の記憶手段に格納されたブランクの形状データから目標形状データに到るまでの加工ローラ5の複数の過渡的な経路データを平面上の点座標列で表されるデータ形式で第三の記憶媒体23に格納し、過渡的な経路データと主軸3の回転角度に基づき、加工ローラ5の半径方向変位及び主軸方向変位を補間計算し、加工ローラ5を追従させるようにして、ブランク1を成形型2に押し付け、異形断面形状の製品1bを成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピニング加工方法及び装置に関するものである。
スピニング加工装置は、板状または管状の金属製ブランクをモータにより回転させ、ローラ工具でブランクを加圧して成形加工を行う加工装置であり、一般に、ブランクを回転させるための主軸と、ローラ工具を駆動してブランクに押し付けるための互いに交差した複数の直動機構とから構成される。
スピニング加工装置において、ブランクを回転させながら加工するため、一般には加工ローラの主軸方向へのある送り量に対して、半径方向の加工ローラ位置は一定に保たれ、これまで主軸に直交する断面形状が同軸の円形となる軸対称形状の製品しか加工することができないものであった。
これを解決するため、スピニング加工により異形断面形状の製品を成形するためのスピニング加工装置として、例えば、下記特許文献1にみられるように、予め記憶された製品の形状データに基づいて、主軸方向への加工ローラ変位及び主軸の回転角度に応じ、加工ローラを半径方向に前進または後退させることにより、成形型に沿って素材を押し付ける手段を備えたものが提案されている。
また、下記特許文献2にみられるように、加工ローラに装着した力センサからのフィードバックにより加工ローラの押し付け力を制御し、異形断面形状の成形型に倣ってブランクを成形することにより、成形型の断面形状に倣ってブランクを成形する手段を備えたものも提案されている。
特許公開2003−181555 WO2005/056210
しかしながら、製品頂部から底部に向けて加工ローラの1回の経路で成形を行う場合には、製品側面と主軸のなす角度が小さすぎると側面の肉厚が薄くなって、最悪の場合破断が生じる可能性があり、特に角柱形状のように製品側面と主軸が平行な形状などを成形する場合は、このような破断が発生する可能性が高いという問題があった。
また従来の軸対称形状のスピニング加工においては、操作レバーにより手動で加工ローラを動かして成形を行い、その際の加工ローラの経路を記憶して、以後は経路を再生することにより成形を繰り返す教示再生方式が以前から広く用いられている。しかし先行技術では主軸が一回転する間に、加工ローラが製品の異形断面形状に合わせて、半径方向に前進/後退するよう緻密な制御が行われるため、従来のような教示再生方式では加工ローラの経路を記憶することが不可能であった。
このような不都合を生じることなく、主軸に直交する断面形状が円形ではない異形断面形状の製品を成形することができれば、成形可能な製品の多様化をはかりスピニング加工の用途を大きく拡大することができる。
そこで、本発明は、先行技術の問題を解決するため、製品の最終形状とブランク形状から、破断の発生しない加工ローラの位置制御を簡単に導出可能とするとともに、加工ローラの複数回の経路により、製品側面と主軸が平行な部分をも有する異形断面形状の製品をも成形可能なスピニング加工方法及びこれを効率よく実施するためのスピニング加工装置を提供することを目的とする。
また本発明は、操作レバーの手動操作により、主軸の回転に同期した加工ローラの前進/後退の運動を変化させて、教示再生方式により異形断面形状の製品を成形することができるスピニング加工装置を実現することを目的とする。
上記目的を実現するために、本発明のスピニング加工方法は、回転角センサ付モータにより駆動される主軸と、ブランクを装着して前記主軸により回転し、主軸に直交する断面が円形ではない異形断面形状の成形型と、前記ブランクに接触して成形加工を行う加工ローラと、前記加工ローラを前記主軸方向及び半径方向に駆動するアクチュエータにより、前記ブランクを前記成形型に倣わせて成形加工を行うスピニング加工方法において、第一の記憶媒体に製品の目標形状データを複数の断面形状の形式で格納する工程と、第二の記憶媒体に前記ブランクの形状データをブランク外周形状の形式で格納する工程と、第三の記憶媒体に前記ブランクの形状データから、前記目標形状データに到るまでの前記加工ローラの複数の過渡的な経路データを、前記目標形状データを基準とした複数の半径方向の変位と主軸方向の変位とからなる平面上の点座標列で表されるデータ形式で格納する工程とを備え、前記製品形状データ及びブランク形状データに対応して、前記過渡的な経路データ及び主軸回転角度に基づき、前記加工ローラの実際の半径方向変位及び主軸方向変位を補間計算する工程と、前記加工ローラを前記補間計算により求めた半径方向変位及び主軸方向変位に追従させるよう位置制御を行うことによって、前記ブランクを前記成形型に押し付けて成形を行う工程とから構成した。
また、上記の加工方法において、前記加工ローラに操作レバーを介し手動で動作指令を与える工程と、該動作指令に基づいて、前記過渡的な経路データにおける半径方向の変位と主軸方向の変位を、平面上の点座標として指定する工程とを更に備えるようにした。
上記のスピニング加工方法を効率的に実現するため、本発明のスピニング加工装置は、回転角センサ付モータにより駆動される主軸と、ブランクを装着して前記主軸により回転し、主軸に直交する断面が円形ではない異形断面形状の成形型と、前記ブランクに接触して成形加工を行う加工ローラと、前記加工ローラを前記主軸方向及び半径方向に駆動するアクチュエータを備えたスピニング加工装置において、製品の目標形状データを複数の断面形状の形式で格納した第一の記憶媒体と、前記金属板ブランクの形状データをブランク外周形状の形式で格納した第二の記憶媒体と、前記金属板ブランクの形状データから、前記目標形状データに到るまでの前記加工ローラの複数の過渡的な経路データを、前記目標形状データを基準とした複数の半径方向の変位と主軸方向の変位とからなる平面上の点座標列で表されるデータ形式で格納した第三の記憶媒体とを備え、前記製品形状データ及びブランク形状データに対応して、前記過渡的な経路データ及び主軸回転角度に基づき、前記加工ローラの実際の半径方向変位及び主軸方向変位を補間計算する補間演算手段と、前記加工ローラを前記補間演算手段により求めた半径方向変位及び主軸方向変位に追従させるよう位置制御を行う位置制御手段を具備した。
さらに上記のスピニング加工装置において、前記加工ローラに手動で動作指令を与えるための操作レバーを備え、前記過渡的な経路データにおける半径方向の変位と主軸方向の変位を、前記操作レバーの操作により、平面上の点座標として指定可能とした。
本発明によれば、以上の構成により次のような効果を奏することができる。
すなわち、第一の記憶媒体に製品の目標形状データを複数の断面形状の形式で記憶し、第二の記憶媒体にブランクの形状データをブランク外周形状の形式で記憶し、第三の記憶媒体にブランクの形状データから、目標形状データに到るまでの加工ローラの複数の過渡的な経路データを、目標形状データを基準とした複数の半径方向の変位と主軸方向の変位とからなる平面上の点座標列として記憶し、製品形状データ及びブランク形状データに基づいて、加工ローラ経路データ及び主軸回転角度に対応して、加工ローラの実際の半径方向変位及び主軸方向変位を補間計算により求め、それに加工ローラを追従させることによって、ブランクを成形型に押し付けるので、平面上の曲線として表わされた加工ローラの経路から、主軸の回転と同期した加工ローラの往復運動を導出し、その往復運動をブランク外周に沿った動きから製品の異形断面形状に沿った動きまで、連続的に変化させることができて、加工ローラの複数回の経路でブランクを徐々に製品形状に近づける際の最適な加工ローラの経路を簡便に設計することができ、ブランクに破断等を発生させることなく、精度の高い加工を実現することができる。
また、前記加工ローラに手動で動作指令を与えるための操作レバーにより、前記過渡的な経路データにおける半径方向の変位と主軸方向の変位を平面上の点座標として指定可能としたので、操作レバーの2方向の動きを、主軸回転と同期した加工ローラの往復運動の連続的な変化に変換し、操作レバーの手動操作でブランクを異形断面形状の成形型に押し付けてゆくことができて、従来の軸対称形状のスピニング加工と同様な教示再生方式により、異形断面形状の製品を成形することが可能となる。
本発明に係るスピニング加工装置の一例を示す概略平面図である。 異形断面形状の目標形状データ及びブランクの形状データの表現方法を表わす模式図である。 加工ローラ5の過渡的な経路を表わす模式図である。 加工ローラ5の半径方向変位を補間計算で求める過程を示す模式図である。 過渡的な半径方向変位Sytの作用を表わす模式図である。 操作レバーによる教示再生方式の構成を示す図である。
本発明に係るスピニング加工方法及び装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
図1は、本発明に係るスピニング加工装置の実施例を示す概略平面図である。ここで、スピニング加工装置10は、ブランク1を異形断面形状の成形型2に押し付けて、ブランク1の初期形状である平板形状1aから異形断面形状1bに加工するものであり、ブランク1は成形型2と主軸3に挟まれて固定され、主軸回転角度θを検出するエンコーダなどの回転角センサを備えたモータ4によって主軸3とともに回転駆動されるようになっている。
加工ローラ5は、ボールねじや油圧シリンダなどのアクチュエータで駆動される直動テーブル6によって、ブランク1の半径方向に前進あるいは後退し、また、直動テーブル6は直動テーブル7によって主軸3と平行に前進あるいは後退する。なお、この直動テーブル6、7は、それぞれ送り量を検出するエンコーダなどの変位センサを備え、上記ボールねじや油圧シリンダなどのアクチュエータを制御する制御装置20により位置制御される。
すなわち、制御装置20は、コンピュータが利用されるが、モータの回転角センサ及び直動テーブル6、7の変位センサ等のデータを受けて、予め搭載された制御ソフトにしたがって制御信号を生成し、これにより上記ボールねじや油圧シリンダなどのアクチュエータの駆動を制御する。
また制御装置20は3つの記憶媒体21、22、23を備える。第一の記憶媒体21には、製品である異形断面形状1bの目標形状データを複数の断面形状の形式で格納され、一方、第二の記憶媒体22には、ブランク1の形状データをブランク外周形状の形式で格納されている。
第三の記憶媒体23には、ブランク1の形状データから段階的に目標形状データに到るまでの加工ローラ5の過渡的な経路が、目標形状データを基準とした過渡的な経路として記憶されており、そのデータ形式は、所定の主軸回転角θにおける断面についての、目標形状データに対する半径方向の変位と主軸方向の変位とからなる平面上の点座標列データであり、詳細については後述する。
制御装置20はさらに演算部24を備え、記憶媒体21、22、23に納められたデータと主軸回転角θから、補間計算により加工ローラ5の目標変位Xt、Ytを求め、直動テーブル6、7の制御器25に供給して、サーボ制御により加工ローラ5を目標変位に追従させる。
本発明によるスピニング加工の特徴的な構成は、記憶媒体21、22、23に格納された、異形断面形状1bの目標形状データ、ブランク1の形状データ、加工ローラ5が最終形状に到るまでの過渡的な経路、及び主軸回転角θから、加工ローラ5の実際の目標変位を補間計算により求め、直動テーブル6、7により加工ローラ5を目標変位に追従させる点にある。以下、この特徴的な構成を、上記のとおり構成されたスピニング加工装置10と制御装置20の動作を通して説明する。
図2は、異形断面形状1bの目標形状データ及びブランク1の形状データを表わす模式図である。異形断面形状1bの目標形状データは、主軸に直交する複数の断面形状で表わされる。例えば図に示したような多角錐の形状で、k番目の断面形状データは、主軸回転角θを引数とする半径方向の変位Yp(k,θ)及び主軸方向の変位Xp(k)の組となる。
ただしYp(k,θ)は、加工ローラ5の主軸方向変位がXp(k)かつ主軸回転角がθのときに加工ローラ5が異形断面形状1bに接触するときの加工ローラ5の半径方向変位であり、Yp(k,θ)はXp(k)を一定に保った状態でローラを成形型2に倣わせることで測定可能である。また目標形状のCADデータ等から、主軸に直交する平面におけるYp(k,θ)データとして算出することもできる。
同様に、ブランク1の平板形状1aの形状データは、主軸回転角がθのときに加工ローラ5がブランク1の外周に接触するときの加工ローラ5の半径方向変位であり、主軸回転角θを引数としてYb(θ)と表わされ、ブランク1が円板の場合、Yb(θ)は一定値となる。そして、異形断面形状1bの目標形状データYp(k,θ)、Xp(k)は第一の記憶媒体21に、ブランク1の形状データYb(θ)は第二の記憶媒体22に格納されている。
図3は、図2の異形断面形状1bにおいて、右端から左方に延びる6角錐状の側面を成形する際の加工ローラ5による段階的な変形を示す図であり、原点Oが、加工ローラ5が右端の6角形の辺上にあるときを示し、Xt軸は、加工ローラ5が異形断面形状1bに到達している状態、すなわち主軸回転角θにおいて加工ローラ5の半径方向変位が各kにおける目標形状データYp(k,θ)を結ぶ値と等しくなっていることを示す。
1回目の加工では、加工ローラ5は原点Oをスタートし、底面側に移動しつつブランク1の外周(Syt=1)に到るまで最も外周側に移動し、変形量の小さい第1段階目のスピニング加工を行う。
その後、加工ローラ5は、ブランク1外周に対応する位置から、その中央側に若干絞り込みながら、原点Oに向けて右側に反転し、一回目の加工により、成形型2に倣った成形が完了した箇所まで戻り、2回目の加工を開始する。2回目の加工は、最も底面側に近づいた位置において、1回目より中心よりに移動し、変形量の小さい第2段階目のスピニング加工を行う。このときブランク1は笠状の形状となって外周の寸法は縮小するので、それに合わせてSytの最大値を設定する。
以後同様に、図3の例では、加工ローラ5は、その6角錐状の右端から左端までの区間内で5回に分けて往復動し、この間右側から徐々にブランク1を成形型2に倣わせながら、スピニング加工が完了することになる。
ここで、Xtは加工ローラ5の主軸方向の変位であり、図の例では、主軸方向に加工スタート位置から加工終了位置にいたるまで、加工ローラ5が右端の6角形の辺上でブランク1に接触し、5段階の加工で異形断面形状1bの目標形状データYp(k,θ)に一致させるまでの過程を簡略化して示している。なお、半径方向の変位は、主軸方向の変位Xtにおいて、目標形状データYp(k,θ)を基準としたデータで正規化してあり、0で中心側、1で外周側を表わす最終形状に到るまでの過渡的な変位Sytで表わされている。
加工ローラ5は実際の加工中は主軸3の回転角θに同期して、半径方向に前後するが、過渡的な経路は平面上の曲線として設定することができるので、回転角に同期した前後運動にかかわりなく、従来の軸対象形状における加工ローラ経路と同様に設計することができる。
仮にこうした加工ローラ経路として、主軸の回転角θと主軸方向変位Xtに対応する加工ローラの半径方向変位をあらかじめすべて設定しようとすると、非常に膨大な3次元データの設定が必要となる。そこで補間計算を用いることで扱うデータ量を大幅に削減することができる。そこで、第三の記憶媒体23における加工ローラ5の最終形状に到るまでの過渡的な経路上の点(Xt、Syt)と主軸回転角θが与えられたとき、以下のような補間計算により、実際の加工ローラ5の主軸方向及び半径方向の変位を算出する。
ここで、第一の記憶媒体21に納められた異形断面形状1bの目標形状データを参照し、主軸方向の変位に関して、
(式1) Xp(k)<Xt<Xp(k+1)
が成り立つ断面形状の番号kを求める。
すると、
(式2) Yp(Xt,θ)={Xt−Xp(k)}・Yp(k+1,θ)/{Xp(k+1)−Xp(k)}+{Xp(k+1)−Xt}・Yp(k,θ)/{Xp(k+1)−Xp(k)}
という計算により、主軸方向変位がXt、主軸回転角がθのときの異形断面形状1bに関する半径方向変位Yp(Xt,θ)が求められる。
次に、第二の記憶媒体22に納められたブランク1の形状データを参照し、加工ローラ5の過渡的な半径方向変位Sytを用いて、
(式3) Yt=Syt・Yb(θ)+(1−Syt)・Yp(Xt,θ)
という計算により、加工ローラ5の実際の半径方向変位Ytが求められる。
図4は上記の補間計算の過程を示す模式図である。まず、主軸方向変位Xtをはさむ、異形断面形状1bの2つの断面形状データYp(k,θ)、Yp(k+1,θ)から、Xtに対応する断面形状データYp(Xt,θ)を補間計算する。次に、Yp(Xt,θ)とブランク1の外周形状データYb(θ)から、過渡的な半径方向変位Sytを重み係数として、加工ローラ5の実際の半径方向変位Ytを補間演算する。
なお、以上の補間演算は、スピニング加工装置10の制御装置20に実装されるプログラムにより実現される。
図5は、特定の主軸方向変位Xtにおける断面において、過渡的な半径方向変位Sytによる作用を表わす模式図である。各閉曲線は加工ローラ5の実際の半径方向変位Ytをブランクに対する相対的な軌道で表わしたものである。Syt=1では、Ytの軌道はブランク1の外周形状Yb(θ)と一致する。またSyt=0では、Ytの軌道は目標である異形断面形状1bの断面形状Yp(Xt,θ)と等しくなり、加工ローラ5はブランク1を成形型3に押し付けることができる。0<Syt<1では、Ytの軌道はSytの値に応じた中間の形状を取る。したがって、図3のようにSytの値を0と1との間で増減させながら次第に0に近づけていけば、ブランク1は平板形状1aから目標とする異形断面形状1bに徐々に近づき、最終的には成形型3に押し付けられて完成する。平面上の曲線で表わされた、加工ローラの最終形状に到るまでの過渡的な経路だけで、上記のような複数回の往復での加工が簡便に指定できるので、例えば角柱のように製品側面と主軸が平行な部分をもつ異形断面形状の製品であっても容易に成形することが可能である。
より高精度の加工を行うためには、断面形状データYp(k,θ)及び(Xt、Syt)をより細かなメッシュで入力すればよく、また、ブランク1の応力に対する変形追随性等の材質特性や、厚さ、さらには最終形状にいたるまでに必要な変形量、あるいは要求される加工品質に応じて、予め実験的に求めたマップに基づいて、自動的に定めるようにしてもよい。
以上の説明では加工ローラ5の最終形状に到るまでの過渡的な経路は、あらかじめプログラムされて第三の記憶媒体23に格納されていることを前提としたが、操作レバーによる手動操作で加工を行いつつ経路を記憶し、以後はその経路を用いて加工を繰り返すという、教示再生方式による加工も可能である。
図6は教示再生方式の構成を示す図である。操作レバー23の操作により加工ローラ5の過渡的な半径方向の変位Sytと主軸方向の変位Xtを指定し、第一の記憶媒体21に納められた異形断面形状1bの目標形状データ、第二の記憶媒体22に納められたブランク1の形状データとともに演算部24に与えて、加工ローラ5の実際の半径方向変位Ytを補間計算し、加工を行う。操作レバー23によってXtを増減すれば、それにしたがって加工ローラ5の主軸方向の変位Xtも増減する。また操作レバー23によってSytを増減すると、Sytの値を1に近づければ加工ローラ5の軌道はブランク1の外周形状に近づき、Sytの値を0に近づければ加工ローラ5の軌道は異形断面形状1bの断面形状に近づく。
一方、このように操作レバー23の手動操作で加工を行いながら、Xt及びSytを第三の記憶媒体23に加工ローラ5の過渡的な経路として記憶する。その後にスイッチSWを切り替えて、第三の記憶媒体23からXt及びSytを演算部24に与えれば、図1と同じ構成となるため、第三の記憶媒体23に記憶された加工ローラ5の過渡的な経路に基づいて、手動操作による加工と同じ加工を再現することができる。
以上本発明に係るスピニング加工装置を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内で種々の実施の態様があることはいうまでもない。
本発明は、以上のような構成であるから、目標とする製品形状とブランク形状から簡便に加工ローラの運動を導出することができて、加工ローラの複数回の経路により、例えば角柱のように製品側面と主軸が平行な部分をもつ異形断面形状の製品の成形を、ブランクに破断等を発生させることなく、精度の高く行うことができ、成形可能な製品を多様化し用途が拡大できるので、自動車部品、航空機部品、エネルギー関連そのほか様々な分野の部品製造に広く利用可能である。
また本発明は、操作レバーの手動操作でブランクを異形断面形状の成形型に押し付けていくことができるので、広く普及している従来のスピニング加工と同様な操作感の教示再生方式により、異形断面形状の製品を成形することができ、従来のスピニング加工機操作のノウハウを有するプレス板金分野などの製造現場においても導入を容易に行うことができる。
1 ブランク
1a 平板(素材)
1b 目標とする製品の異形断面形状
2 成形型
3 主軸
4 モータ
5 加工ローラ
6 直動テーブル
7 直動テーブル
10 スピニング加工装置
20 制御装置
21 第一の記憶媒体
22 第二の記憶媒体
23 第三の記憶媒体
24 演算部
25 制御器

Claims (4)

  1. 回転角センサ付モータにより駆動される主軸と、ブランクを装着して前記主軸により回転し、主軸に直交する断面が円形ではない異形断面形状の成形型と、前記ブランクに接触して成形加工を行う加工ローラと、前記加工ローラを前記主軸方向及び半径方向に駆動するアクチュエータにより、前記ブランクを前記成形型に倣わせて成形加工を行うスピニング加工方法において、
    第一の記憶媒体に製品の目標形状データを複数の断面形状の形式で格納する工程と、
    第二の記憶媒体に前記ブランクの形状データをブランク外周形状の形式で格納する工程と、
    第三の記憶媒体に前記ブランクの形状データから、前記目標形状データに到るまでの前記加工ローラの複数の過渡的な経路データを、前記目標形状データを基準とした複数の半径方向の変位と主軸方向の変位とからなる平面上の点座標列で表されるデータ形式で格納する工程とを備え、
    前記製品形状データ及びブランク形状データに対応して、前記過渡的な経路データ及び主軸回転角度に基づき、前記加工ローラの実際の半径方向変位及び主軸方向変位を補間演算する工程と、
    前記加工ローラを前記補間演算により求めた半径方向変位及び主軸方向変位に追従させるよう位置制御を行うことによって、前記ブランクを前記成形型に押し付けて成形を行う工程とからなるスピニング加工方法。
  2. 前記加工ローラに操作レバーを介し手動で動作指令を与える工程と、該動作指令に基づいて、前記過渡的な経路データにおける半径方向の変位と主軸方向の変位を、平面上の点座標として指定する工程とを更に備えた請求項1のスピニング加工方法。
  3. 回転角センサ付モータにより駆動される主軸と、ブランクを装着して前記主軸により回転し、主軸に直交する断面が円形ではない異形断面形状の成形型と、前記ブランクに接触して成形加工を行う加工ローラと、前記加工ローラを前記主軸方向及び半径方向に駆動するアクチュエータを備えたスピニング加工装置において、
    製品の目標形状データを複数の断面形状の形式で格納した第一の記憶媒体と、前記ブランクの形状データをブランク外周形状の形式で格納した第二の記憶媒体と、前記ブランクの形状データから、前記目標形状データに到るまでの前記加工ローラの複数の過渡的な経路データを、前記目標形状データを基準とした複数の半径方向の変位と主軸方向の変位とからなる平面上の点座標列で表されるデータ形式で格納した第三の記憶媒体とを備え、
    前記製品形状データ及びブランク形状データに対応して、前記過渡的な経路データ及び主軸回転角度に基づき、前記加工ローラの実際の半径方向変位及び主軸方向変位を補間演算する補間演算手段と、前記加工ローラを該補間演算手段により求めた半径方向変位及び主軸方向変位に追従させる位置制御手段とを具備したことを特徴とするスピニング加工装置。
  4. 前記加工ローラに手動で動作指令を与えるための操作レバーを備え、前記過渡的な経路データにおける半径方向の変位と主軸方向の変位を、前記操作レバーの操作により、平面上の点座標として指定可能としたことを特徴とする、請求項3のスピニング加工装置。
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