JP2011187592A - Ngo基板、窒化物系化合物半導体基板の製造方法、窒化物系化合物半導体基板及び窒化物系化合物半導体自立基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温保護層の成長プロセスを省略でき、GaN系半導体基板の製造コストを低減できるとともに、低温保護層の品質のばらつきによる影響を排除できる窒化物系化合物半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】平均表面粗さが0.2〜10nmに制御された成長用基板上に、窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる。例えば、成長用基板をエピタキシャル成長装置に投入した後、成長用基板の平均表面粗さが0.2〜10nmとなるようにアニール処理を施す。
【選択図】図3
【解決手段】平均表面粗さが0.2〜10nmに制御された成長用基板上に、窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる。例えば、成長用基板をエピタキシャル成長装置に投入した後、成長用基板の平均表面粗さが0.2〜10nmとなるようにアニール処理を施す。
【選択図】図3
Description
本発明は、窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるためのNGO基板、成長用基板上に窒化物系化合物半導体層を直接成長させる窒化物系化合物半導体基板の製造方法、窒化物系化合物半導体基板及び窒化物系化合物半導体自立基板に関する。
従来、基板上にGaN等の窒化物系化合物半導体(以下、GaN系半導体)をエピタキシャル成長させてなる半導体デバイス(例えば、電子デバイスや光デバイス)が知られている。この半導体デバイスには、主にサファイアやSiCなどからなる基板が用いられるが、これらの基板材料はGaN系半導体との格子不整合が大きいため、この上にGaN系半導体をエピタキシャル成長させると、歪みによる結晶欠陥が発生してしまう。そして、エピタキシャル層に生じた結晶欠陥は、半導体デバイスの特性を低下させる要因となる。そこで、このような格子不整合に起因する問題を解決するために様々な成長方法が試みられている。
例えば特許文献1では、擬似的な格子定数がGaN系半導体に近いNdGaO3基板(以下、NGO基板)を用いることが提案されている。具体的には、ハイドライド気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)によりNGO基板上にGaN厚膜を成長させ、GaN自立基板(GaNのみで構成された基板)を作製する技術が開示されている。NGO基板の(011)面では、NGOのa軸の長さとGaNの[11−20]方向の格子定数がほぼ一致するので、上述した格子不整合に起因する問題を解決できる。そして、GaN自立基板を半導体デバイス用基板とすることで、デバイス特性の向上を図ることができる。
また、GaN厚膜層の成長は一般的には1000℃付近の成長温度で行われるが、NGO基板が1000℃付近の高温下で原料ガスに曝されると変質してしまい、GaN厚膜層の結晶品質が低下してしまう。そのため、GaN厚膜層を成長させる前に600℃付近でNGO基板上に低温保護層と呼ばれるGaN薄膜層を成長させ、NGO基板を保護する技術が提案されている(例えば特許文献1,2)。
しかしながら、従来の製造方法では低温保護層の成長プロセスが必要であるため、GaN系半導体基板の製造コストが増大する上、低温保護層の品質のばらつきによってGaN系半導体厚膜層の品質が影響を受けるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、低温保護層の成長プロセスを省略でき、GaN系半導体基板の製造コストを低減できるとともに、低温保護層の品質のばらつきによる影響を排除できる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるためのNGO基板であって、
基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下であり、所定のアニール処理が施された際に前記平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.5nm以下となることを特徴とする。
基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下であり、所定のアニール処理が施された際に前記平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.5nm以下となることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のNGO基板において、前記アニール処理の温度が900〜1050℃の範囲内であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のNGO基板において、前記アニール処理の時間が5分以内であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmに制御された成長用基板上に、窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させることを特徴とする窒化物系化合物半導体基板の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法において、成長用基板の基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmとなるようにアニール処理を施し、
前記アニール処理が施された成長用基板上に、前記窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させることを特徴とする。
前記アニール処理が施された成長用基板上に、前記窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法において、前記アニール処理は、前記成長用基板を900〜1050℃で5分以内保持する処理であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法において、前記アニール処理の後、前記窒化物系化合物半導体層を900〜1050℃の成長温度でエピタキシャル成長させることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項4から7に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法において、前記成長用基板として請求項1から3の何れか一項に記載のNGO基板を用いることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項4から8の何れか一項に記載の製造方法により製造された窒化物系化合物半導体基板である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の窒化物系化合物半導体基板から前記窒化物系化合物半導体層を剥離し、スライスし、研磨加工して得られる窒化物系化合物半導体自立基板である。
以下、本発明を完成するに至った経緯について説明する。
本発明者等は、まず、所定のアニール温度(800℃、900℃、1000℃)まで昇温した後、所定時間保持するアニール処理をNGO基板に施し、加熱によるNGO基板の特性の変化をNGO基板のX線半値幅により調べた。なお、アニール温度が800℃,900℃の場合の保持時間は5分とし、1000℃の場合の保持時間は5〜15分とした。
図1にアニール温度とNGO基板のX線半値幅の関係を示す。なお、アニール温度0℃のX線半値幅は、アニール処理前のNGO基板のX線半値幅である。図1に示すように、アニール処理前のNGO基板のX線半値幅は18.36秒であったのに対して、アニール処理後のNGO基板のX線半値幅は16〜23秒であった。アニール処理前の基板でもこの程度は値がばらつくので、アニールによってNGO基板のX線半値幅は変化しないといえる。
本発明者等は、まず、所定のアニール温度(800℃、900℃、1000℃)まで昇温した後、所定時間保持するアニール処理をNGO基板に施し、加熱によるNGO基板の特性の変化をNGO基板のX線半値幅により調べた。なお、アニール温度が800℃,900℃の場合の保持時間は5分とし、1000℃の場合の保持時間は5〜15分とした。
図1にアニール温度とNGO基板のX線半値幅の関係を示す。なお、アニール温度0℃のX線半値幅は、アニール処理前のNGO基板のX線半値幅である。図1に示すように、アニール処理前のNGO基板のX線半値幅は18.36秒であったのに対して、アニール処理後のNGO基板のX線半値幅は16〜23秒であった。アニール処理前の基板でもこの程度は値がばらつくので、アニールによってNGO基板のX線半値幅は変化しないといえる。
次に、上記のアニール処理を施したNGO基板について、アニール温度とNGO基板の表面粗さRaの関係を調べた。具体的には、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により、5μm×5μmの測定範囲において、NGO基板表面の面内の中心1点及び中心点を通る直交軸上の周縁部に位置する4点の計5点の表面粗さを測定した。そして、5箇所の測定点における表面粗さの平均値(平均表面粗さ)と、(最大値−最小値)/2により表面粗さのばらつきを算出した。
表1に測定結果を示し、図2にアニール温度とNGO基板の平均表面粗さの関係を示す。なお、図2におけるアニール温度0℃の平均表面粗さは、アニール処理前のNGO基板の平均表面粗さである。
表1に測定結果を示し、図2にアニール温度とNGO基板の平均表面粗さの関係を示す。なお、図2におけるアニール温度0℃の平均表面粗さは、アニール処理前のNGO基板の平均表面粗さである。
表1、図2に示すように、アニール処理前のNGO基板は非常に平坦な表面であり、平均表面粗さは0.151nm、表面粗さのばらつきは0.01nm以下(0.005nm)であった。これに対して、800℃×5分のアニール処理を施したNGO基板では平均表面粗さが0.195nmとなり、アニール温度の上昇に伴って表面粗さが大きくなっていた。また、1000℃でのアニール処理を施したNGO基板では、保持時間が長くなるに伴って表面粗さが大きくなった。更に、表面粗さのばらつきは、保持時間が10分を超えると大きくなる傾向が見られ、5分でおよそ0.5nm(0.46nm)、10分でおよそ0.1nm(0.134nm)なのに対して、15分ではおよそ1.3nm(1.227nm)と非常に大きくなった。
さらに、上記のアニール処理を施したNGO基板上に、その温度でGaN厚膜層を成長させた。このとき、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給した。
図3に、NGO基板の平均表面粗さとGaN厚膜層のX線半値幅の関係を示す。図3に示すように、NGO基板の平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲にある場合は、X線半値幅が1000秒以下のGaN単結晶が得られた。一方、NGO基板の平均表面粗さが0.2nm以下又は10nm以上ではX線半値幅が3000秒以上のGaN多結晶となった。
図3に、NGO基板の平均表面粗さとGaN厚膜層のX線半値幅の関係を示す。図3に示すように、NGO基板の平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲にある場合は、X線半値幅が1000秒以下のGaN単結晶が得られた。一方、NGO基板の平均表面粗さが0.2nm以下又は10nm以上ではX線半値幅が3000秒以上のGaN多結晶となった。
そして、かかる知見に基づいてGaN厚膜層の成膜実験を繰り返し行った結果、NGO基板の平均表面粗さを0.2〜10nmの範囲に収めることで、GaN単結晶が再現性良く得られることが確認され、本発明に至った。
また、基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下のNGO基板であれば、アニール処理を施した後の平均表面粗さが一層容易に0.2〜10nmとなることが確認された。
また、基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下のNGO基板であれば、アニール処理を施した後の平均表面粗さが一層容易に0.2〜10nmとなることが確認された。
従来は、GaN成長における昇温プロセスによる加熱時間が長すぎてNGO基板表面が荒れすぎていたため、NGO基板にGaNを直接成長させた場合にGaN単結晶が得られなかったと考えられる。
本発明者等は、NGO基板の表面の粗さとGaN結晶の結晶性の関係は不明であるが、NGO基板表面のキンクサイトの数がGaN結晶の結晶性に影響しているのではないかと予想している。すなわち、NGO基板の表面の荒れが大きくキンクサイトが多すぎると、GaN成長初期の核発生が大量に起こり多結晶化してしまい、一方、NGO基板の表面粗さが小さいとキンクサイトが少なすぎるため、核発生が起こりにくく、多結晶が析出するのではないかと考えている。
本発明者等は、NGO基板の表面の粗さとGaN結晶の結晶性の関係は不明であるが、NGO基板表面のキンクサイトの数がGaN結晶の結晶性に影響しているのではないかと予想している。すなわち、NGO基板の表面の荒れが大きくキンクサイトが多すぎると、GaN成長初期の核発生が大量に起こり多結晶化してしまい、一方、NGO基板の表面粗さが小さいとキンクサイトが少なすぎるため、核発生が起こりにくく、多結晶が析出するのではないかと考えている。
本発明によれば、低温保護層を成長させることなく、NGO基板上に直接GaN系半導体厚膜層を成長させることができるので、GaN系半導体基板の製造コストを低減できる。さらには、低温保護層の成長プロセスを省略できるので、低温保護層の品質のばらつきによってGaN系半導体厚膜層の品質が影響を受けるということもない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態では、HVPE法を利用して、希土類ペロブスカイトからなるNGO基板上に、GaN系半導体であるGaNをエピタキシャル成長させ、GaN基板を製造する方法について説明する。HVPE法では、III族金属であるGaとHClから生成された塩化物ガス(GaCl)とNH3を反応させて、NGO基板上にGaN層をエピタキシャル成長させる。
本実施形態では、HVPE法を利用して、希土類ペロブスカイトからなるNGO基板上に、GaN系半導体であるGaNをエピタキシャル成長させ、GaN基板を製造する方法について説明する。HVPE法では、III族金属であるGaとHClから生成された塩化物ガス(GaCl)とNH3を反応させて、NGO基板上にGaN層をエピタキシャル成長させる。
本実施形態では、NGO基板をHVPE装置内に投入した後、GaN層の成長直前のNGO基板の面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmとなるようにアニール処理を施す。GaN層の成長直前のNGO基板の平均表面粗さが0.2nm以下又は10nm以上となっていると、良質なGaN単結晶を得られないためである。
一般に、GaN成長に用いられるNGO基板の平均表面粗さは0.10〜0.17nm程度であるが、この場合、900〜1050℃、好ましくは900〜1000℃のアニール温度で、5分以内で保持することにより、NGO基板の平均表面粗さが所望の範囲に収まるように制御することができる。アニール処理における保持時間が5分超となると、NGO基板の表面が荒れすぎる傾向にあるため、保持時間は5分以内とするのが望ましい。
また、平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下のNGO基板を用いれば、アニール条件にかかわらず、アニール処理を施した後の平均表面粗さを一層容易に0.2〜10nmとすることができる。
GaN成長においては、GaNの成長温度(例えば1000℃)まで昇温した後、温度を安定させるために所定時間保持するので、この昇温プロセスにより上述したアニール処理を施すことができる。
また、平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下のNGO基板を用いれば、アニール条件にかかわらず、アニール処理を施した後の平均表面粗さを一層容易に0.2〜10nmとすることができる。
GaN成長においては、GaNの成長温度(例えば1000℃)まで昇温した後、温度を安定させるために所定時間保持するので、この昇温プロセスにより上述したアニール処理を施すことができる。
[実施例1]
実施例1では、平均表面粗さが0.15nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、昇温プロセス後の平均表面粗さが1.23nmとなるように調整した。具体的には、1000℃まで昇温した後、温度を安定させるために5分間保持した。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は単結晶であり、X線半値幅が430秒で優れた結晶性を有することが確認された。
実施例1では、平均表面粗さが0.15nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、昇温プロセス後の平均表面粗さが1.23nmとなるように調整した。具体的には、1000℃まで昇温した後、温度を安定させるために5分間保持した。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は単結晶であり、X線半値幅が430秒で優れた結晶性を有することが確認された。
[実施例2]
実施例2では、平均表面粗さが0.25nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、昇温プロセス後の平均表面粗さが1.55nmとなるように調整した。具体的には、1000℃まで昇温した後、温度を安定させるために5分間保持した。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は単結晶であり、X線半値幅が400秒で優れた結晶性を有することが確認された。
実施例2では、平均表面粗さが0.25nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、昇温プロセス後の平均表面粗さが1.55nmとなるように調整した。具体的には、1000℃まで昇温した後、温度を安定させるために5分間保持した。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は単結晶であり、X線半値幅が400秒で優れた結晶性を有することが確認された。
[比較例1]
比較例1では、平均表面粗さが0.15nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、1000℃まで昇温した後、温度を安定させるために15分間保持した。この昇温プロセス後のNGO基板の平均表面粗さは13nmであった。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は多結晶であり、X線半値幅は3240秒であった。
比較例1では、平均表面粗さが0.15nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、1000℃まで昇温した後、温度を安定させるために15分間保持した。この昇温プロセス後のNGO基板の平均表面粗さは13nmであった。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は多結晶であり、X線半値幅は3240秒であった。
[比較例2]
比較例2では、平均表面粗さが0.15nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、800℃まで昇温した後、温度を安定させるために5分間保持した。この昇温プロセス後のNGO基板の平均表面粗さは0.19nmであった。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は多結晶であり、X線半値幅は3890秒であった。
比較例2では、平均表面粗さが0.15nmのNGO基板を基板ホルダに配置し、800℃まで昇温した後、温度を安定させるために5分間保持した。この昇温プロセス後のNGO基板の平均表面粗さは0.19nmであった。そして、このNGO基板上に、装置内に配置されたGaメタルとHClガスから生成されたGaClと、NH3ガスとをN2キャリアガスを供給するに際して、HClの供給分圧が1.06×10−2atm、NH3の供給分圧が5.00×10−2atmとなるように原料ガスを供給し、3000μmのGaN厚膜層を成長させた。得られたGaN厚膜層は多結晶であり、X線半値幅は3890秒であった。
このように、GaN厚膜層の成長直前のNGO基板の平均表面粗さを0.2〜10nmに制御することによって、GaN低温保護層を成長させることなく、GaN厚膜層を成長させることができる。すなわち、GaN低温保護層の成長プロセスを省略することができるので、GaN基板の製造コストを低減できる。また、GaN低温保護層の品質のばらつきによってGaN厚膜層の品質が影響を受けるということもないので、高品質なGaN基板を製造することができる。
さらには、このGaN基板からGaN厚膜層を剥離し、スライスし、研磨加工して得られるGaN自立基板を半導体デバイスの製造に用いることで、デバイス性能の向上を図ることができる。
さらには、このGaN基板からGaN厚膜層を剥離し、スライスし、研磨加工して得られるGaN自立基板を半導体デバイスの製造に用いることで、デバイス性能の向上を図ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
実施形態ではNGO基板上に窒化物系化合物半導体であるGaNを成長させる場合について説明したが、NGO基板上にGaN以外の窒化物系化合物半導体層を成長させる場合にも本発明を適用することができる。ここで、窒化物系化合物半導体とは、InxGayAl1−x−yN(0≦x+y≦1,0≦x≦1,0≦y≦1)で表される化合物半導体であり、例えば、GaN、InGaN、AlGaN,InGaAlN等がある。
また、実施形態ではHVPE法を利用した場合について説明したが、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)や分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)を利用して窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる場合に本発明を適用することができる。
また、成長用基板としてNGO基板以外の希土類ペロブスカイト基板(例えば、NdAlO3,NdInO3等)を用いる場合にも適用できる。
実施形態ではNGO基板上に窒化物系化合物半導体であるGaNを成長させる場合について説明したが、NGO基板上にGaN以外の窒化物系化合物半導体層を成長させる場合にも本発明を適用することができる。ここで、窒化物系化合物半導体とは、InxGayAl1−x−yN(0≦x+y≦1,0≦x≦1,0≦y≦1)で表される化合物半導体であり、例えば、GaN、InGaN、AlGaN,InGaAlN等がある。
また、実施形態ではHVPE法を利用した場合について説明したが、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)や分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)を利用して窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる場合に本発明を適用することができる。
また、成長用基板としてNGO基板以外の希土類ペロブスカイト基板(例えば、NdAlO3,NdInO3等)を用いる場合にも適用できる。
また、実施形態では、成長用基板をエピタキシャル成長装置(HVPE装置)内に投入した後、アニール処理によって成長用基板の平均表面粗さが0.2〜10nmとなるように制御しているが、化学的エッチング処理やプラズマ処理によって成長用基板の平均表面粗さを制御してもよいし、これらを組み合わせてもよい。つまり、本発明では、窒化物系化合物半導体層の成長直前に、成長用基板の平均表面粗さが0.2〜10nmとなっていればよい。
したがって、窒化物系化合物半導体層の成長前に行われる処理(昇温プロセス等)によって、成長用基板の表面粗さが劣化しない(当初の表面状態が維持される)場合は、予め研磨加工などによって表面粗さを0.2〜10nmに制御した成長用基板を用いてもよい。
したがって、窒化物系化合物半導体層の成長前に行われる処理(昇温プロセス等)によって、成長用基板の表面粗さが劣化しない(当初の表面状態が維持される)場合は、予め研磨加工などによって表面粗さを0.2〜10nmに制御した成長用基板を用いてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (10)
- 窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるためのNGO基板であって、
基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.01nm以下であり、所定のアニール処理が施された際に前記平均表面粗さが0.2〜10nmの範囲内で、前記5点における表面粗さのばらつきが0.5nm以下となることを特徴とするNGO基板。 - 前記アニール処理の温度が900〜1050℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のNGO基板。
- 前記アニール処理の時間が5分以内であることを特徴とする請求項2に記載のNGO基板。
- 基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmに制御された成長用基板上に、窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させることを特徴とする窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
- 成長用基板の基板面内の5点測定による平均表面粗さが0.2〜10nmとなるようにアニール処理を施し、
前記アニール処理が施された成長用基板上に、前記窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させることを特徴とする請求項4に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法。 - 前記アニール処理は、前記成長用基板を900〜1050℃で5分以内保持する処理であることを特徴とする請求項5に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
- 前記アニール処理の後、前記窒化物系化合物半導体層を900〜1050℃の成長温度でエピタキシャル成長させることを特徴とする請求項6に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
- 前記成長用基板として請求項1から3の何れか一項に記載のNGO基板を用いることを特徴とする請求項4から7に記載の窒化物系化合物半導体基板の製造方法。
- 請求項4から8の何れか一項に記載の製造方法により製造された窒化物系化合物半導体基板。
- 請求項9に記載の窒化物系化合物半導体基板から前記窒化物系化合物半導体層を剥離し、スライスし、研磨加工して得られる窒化物系化合物半導体自立基板。
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