JP2011187173A - 非水系二次電池用活物質及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用活物質及び非水系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】容量をより高めることのできる非水系二次電池用活物質及び非水系二次電池を提供する。
【解決手段】コイン型電池20は、非水系二次電池用活物質を有する正極22と、負極活物質を有する負極23と、正極22と負極23との間に介在し、リチウムを伝導する非水電解液28と、を備えている。この正極22には、一般式Li2Mn1-xxSiO4(DはMnよりもイオン半径が小さい2価イオン,0<x<1)で表される正極活物質が含まれている。この電池において、Dは、Zn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる1以上を含むものであることが好ましく、Znを含むことがより好ましい。また、xは0.02≦x≦0.20を満たすことが好ましく、0.05≦x≦0.18を満たすことがより好ましく、0.07≦x≦0.15を満たすことが更に好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系二次電池用活物質及び非水系二次電池に関する。
従来、非水系二次電池用活物質として、Li2MnSiO4,Li2FeSiO4などで表されるケイ酸系のポリアニオン化合物が知られている(例えば特許文献1参照)。このようなケイ酸系のポリアニオン化合物は、遷移金属1原子あたり2個のリチウムを含んでおり、LiFePO4などで表されるリン酸系のポリアニオン化合物よりも大きな理論容量を有するため、電池の高容量化に寄与するものとして期待されている。しかしながら、例えば、Li2MnSiO4で表される化合物を電池用活物質として用いた電池では、初回充放電時のリチウム利用量はMn1個あたりLi1.2個程度であり、十分な容量が得られないことが報告されている(例えば非特許文献1参照)。
特開2001−266882号公報
Journal of Power Sources,2007,174,528−532.
このように、従来のケイ酸系のポリアニオン化合物では、理論容量は高いものの、実際には十分に容量を発揮できないことがあった。このため、理論容量により近い容量が得られるもの、すなわち、容量をより高めることができるものが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、容量をより高めることができる非水系二次電池用活物質および非水系二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、一般式Li2MnSiO4で表される化合物のMnの一部をMnよりもイオン半径の小さい2価イオン(例えばZnなど)としたものを正極活物質としてリチウム二次電池を作製したところ、容量をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った
即ち、本発明の非水系二次電池用活物質は、一般式Li2Mn1-xxSiO4(DはMnよりもイオン半径が小さい2価イオン,0<x<1)で表されるものである。
本発明の非水系二次電池は、上述の非水系二次電池用活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。
この非水系二次電池用活物質及び非水系二次電池では、容量をより高めることができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、Li2MnSiO4について、Mnの一部をMnよりイオン半径が小さい2価イオンとした構造のものでは、活物質結晶内のリチウム伝導経路の大きさが適切で、活物質内のリチウム拡散抵抗が低いことにより、充放電時の分極が小さくなるためと考えられる。
コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。 実施例1と比較例1の初回放電曲線である。 一般式Li2Mn1-xxSiO4におけるxの値と放電容量との関係を表すグラフである。
本発明の非水系二次電池は、非水系二次電池用活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在し、リチウムを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。
本発明の非水系二次電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。本発明の非水系二次電池において、正極活物質は、一般式Li2Mn1-xxSiO4で表される非水系二次電池用活物質である。ここで、DはMnよりもイオン半径が小さい2価イオンであり、xは0<x<1を満たす数である。このように、Li2MnSiO4について、Mnの一部をMnよりイオン半径が小さい2価イオンとした構造のものでは、活物質結晶内のリチウム伝導経路が小さくなると考えられる。そして、この伝導経路の大きさが適切で、活物質内のリチウム拡散抵抗が低いことにより、充放電時の分極が小さくなったり、リチウムの吸蔵放出が円滑に行われるなどして、容量をより高めることができると考えられる。ここで、イオン半径は、R.D.Shannonによるイオン半径(有効イオン半径)のことをいう(Acta Cryst.(1976).A32,751参照)。なお、Li2Mn1-xxSiO4におけるMnおよびDは4個のOイオンに囲まれているため、4配位の値を用いるものとする。これによれば、Mnのイオン半径は0.66Åである。そして、Mnよりもイオン半径が小さい2価イオンであるD成分としては、例えば、Zn(0.60Å),Fe(0.63Å),Co(0.58Å),Ni(0.55Å),Cu(0.57Å)などが挙げられる。このうちイオン半径が0.60ÅであるZnが好ましい。こうすれば、容量をより高めることができる。xは0<x<1を満たすものであればよいが、0.02≦x≦0.20を満たすものであることが好ましく、0.05≦x≦0.18を満たすものであることがより好ましく、0.07≦x≦0.15を満たすものであることが更に好ましい。xが0.02以上であれば、リチウムの伝導経路(導電パス)を小さくすることができ、0.20以下であれば、リチウムの伝導経路が小さくなりすぎず、また、直接的に電池容量の増減に関与するMnが少なくなりすぎないと考えられるからである。なお、「一般式Li2Mn1-xxSiO4で表される」とは、原料組成においてこのような組成となるように合成したものであることを意味し、例えば、Li,Mn,Siの一部がその他の元素に置換されたものであってもよいし、一部の元素が欠損または過剰となる非化学量論組成のものであってもよい。
一般式Li2Mn1-xxSiO4で表される非水系二次電池用活物質の製造方法は特に限定されるものではなく、固相法、液相法、気相法などを用いたものとすることができる。例えば、以下のようにして得たものとしてもよい。まず、不活性ガスを用いてバブリングを行った水/アルコール混合溶媒に、各成分金属の有機酸塩(酢酸塩,シュウ酸塩など)を所定の組成比となるように加え、80℃程度の不活性雰囲気下で数時間還流を行い、沈殿物を回収する。この沈殿物を不活性雰囲気下で乾燥させ、さらに不活性雰囲気中もしくは還元雰囲気中で数時間焼成を行うことで、目的とする珪素酸化物粉末を得ることができる。ここで、不活性ガスとしては、アルゴンガスやヘリウムガス、窒素ガスなどを用いることができ、また、不活性雰囲気としては、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気、窒素雰囲気のほか、真空雰囲気などとすることができる。また、還元雰囲気としては、水素ガスと上述した不活性ガスとの混合ガスのほか、純水素ガスなどとすることができる。
正極に含まれる導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。 集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
本発明の非水系二次電池において、負極は、負極活物質を有するものである。この負極活物質はリチウムを吸蔵放出可能なものであることが好ましい。ここで、リチウムを吸蔵放出可能な材料としては、例えば金属リチウムやリチウム合金のほか、金属酸化物、金属硫化物、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質などが挙げられる。リチウム合金としては、例えば、アルミニウムやシリコン、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金が挙げられる。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物などが挙げられる。金属硫化物としては、例えばスズ硫化物やチタン硫化物などが挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えばハードカーボン、ソフトカーボンを用いることができ、あるいはこれらと、天然又は人造の黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、気相法炭素化繊維、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等とを混合したものを用いることができる。
本発明の非水系二次電池において、イオン伝導媒体は、支持塩を有機溶媒に溶かした非水電解液やイオン性液体、ゲル電解質、固体電解質などを用いることができる。このうち、非水電解液であることが好ましい。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどを用いることができる。ゲル電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子類またはアミノ酸誘導体やソルビトール誘導体などの糖類に、支持塩を含む電解液を含ませてなるゲル電解質が挙げられる。固体電解質としては、無機固体電解質や有機固体電解質などが挙げられる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、zLi3PO4−(1−z)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の非水系二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、二次電池の使用範囲に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の非水系二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。この非水系二次電池の一例を図1に示す。図1は、コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、この電池ケース21の内部に設けられた正極22と、正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、支持塩を含む非水電解液28と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この正極22には、上述した、一般式Li2Mn1-xxSiO4(DはMnよりもイオン半径が小さい2価イオン,0<x<1)で表される正極活物質が含まれている。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、非水系二次電池について説明したが、上述した正極活物質は非水系二次電池に組み込まれたものに限られず、非水系二次電池用活物質単独であってもよい。
以下には、非水系二次電池を具体的に作製した例を説明する。
[正極活物質の合成]
(実施例1)
Arバブリングを行った水/エタノール混合溶媒255mLにCH3COOLiを37.50mmol、(CH3COO)2Mnを16.88mmol、(CH3COO)2Znを1.875mmol、Si(OC254を18.75mmol加え、Ar雰囲気下で80℃で6時間還流を行い、沈殿物を得た。ロータリーエバポレータで沈殿物を回収し、105℃で12時間真空乾燥させた後、4体積%のH2を含むAr雰囲気下で600℃で8時間焼成を行うことにより実施例1の正極活物質Li2Mn0.90Zn0.10SiO4を合成した。
(実施例2〜5)
(CH3COO)2Znの代わりに(CH3COO)2Feを用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例2の正極活物質Li2Mn0.90Fe0.10SiO4を合成した。また、(CH3COO)2Znの代わりに(CH3COO)2Coを用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例3の正極活物質Li2Mn0.90Co0.10SiO4を合成した。また、(CH3COO)2Znの代わりに(CH3COO)2Niを用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例4の正極活物質Li2Mn0.90Ni0.10SiO4を合成した。また、(CH3COO)2Znの代わりに(CH3COO)2Cuを用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例5の正極活物質Li2Mn0.90Cu0.10SiO4を合成した。
(実施例6〜8)
(CH3COO)2Mnを16.88mmolと(CH3COO)2Znを1.875mmolに代えて(CH3COO)2Mnを17.81mmolと(CH3COO)2Znを0.937mmol用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例6の正極活物質Li2Mn0.95Zn0.05SiO4を合成した。また、(CH3COO)2Mnを16.88mmolと(CH3COO)2Znを1.875mmolに代えて(CH3COO)2Mnを15.94mmolと(CH3COO)2Znを2.813mmol用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例7の正極活物質Li2Mn0.85Zn0.15SiO4を合成した。また、(CH3COO)2Mnを16.88mmolと(CH3COO)2Znを1.875mmolに代えて(CH3COO)2Mnを13.13mmolと(CH3COO)2Znを5.625mmol用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い実施例8の正極活物質Li2Mn0.70Zn0.30SiO4を合成した。
(比較例1)
(CH3COO)2Mnを16.88mmolと(CH3COO)2Znを1.875mmolに代えて(CH3COO)2Mnを18.75mmol用いたこと以外は実施例1と同様の工程を行い比較例1の正極活物質Li2MnSiO4を合成した。
[二極式評価セルの作製]
2016型コインセルを用いて二極式評価セルを作製した。まず、上述のようにして合成した正極活物質を70重量%、導電剤であるカーボンブラックを25重量%、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を5重量%の割合でよく混合した。この混合粉末14.3mg(活物質量10mg)をあらかじめコインセルの内側に溶接したSUS製メッシュ上に約0.6ton/cm2で圧着して電極とした。負極にはLi金属箔を用いた。セパレータ(東燃タピルス)を用いて正極と負極を隔てて配置した。エチレンカーボネートとジメチルカーボネートを体積比で1:1となるように混合した溶媒にLiPF6を1Mとなるように溶解した電解液をコイン電池に導入し、密封して二極式評価電池を得た。
[充放電試験]
定電流充放電試験により放電容量を評価した。充電上限電圧を4.8V、放電下限電圧を2V、充放電電流を0.167mAとした。
[結果]
図2には、実施例1と比較例1の初回放電曲線を示す。Li2MnSiO4のMnの一部をZnとした実施例1では、Li2MnSiO4のままの比較例1より放電容量が向上した。また、表1には、実施例1〜5および比較例1の初回放電容量を示す。Li2MnSiO4におけるMnの一部をMnのイオン半径より小さな異種元素とした実施例1〜5では、比較例1よりも放電容量が大きくなり、中でもMnの一部をZnとした実施例1では特に放電容量が大きくなった。この理由は明らかではないが、以下のように推察された。すなわち、リチウムイオンの伝導経路の大きさには最適値があり、この伝導経路の大きさは一般式LiMn1-xxSiO4におけるD元素(以下置換元素Dとも称する)のイオン半径や、一般式LiMn1-xxSiO4におけるxの値(以下置換量xとも称する)と相関があると考えられる。ここで、置換量xを一定とした場合には、伝導経路の大きさは置換元素Dの大きさで決まり、Mnの一部をMnよりも小さなイオン半径を有する置換元素Dとする場合には、活物質内におけるリチウムイオンの伝導経路が小さくなり、リチウムの不要な移動が抑制されるものと考えられる。そして、実施例1〜5では、この伝導経路の大きさが適切であることによってリチウムイオン伝導率が増大し、放電時の分極が低下したため、容量を高めることができたものと推察された。また、Mnの一部をZn,Fe,Co,Ni,Cuとしたもののうち、Znとしたものが最も大きな放電容量を示したのは、Mnの一部をZnとしたものではリチウムイオンの伝導に対してより適切な伝導経路の大きさを有するためと推察された。
Figure 2011187173
表2には、Zn置換量と放電容量の関係を示す。また、図3には、一般式LiMn1-xxSiO4におけるxの値と放電容量(mAh/g)の関係を表すグラフを示す。図3より、置換元素DをZnとしたものにおいては、置換量xを0.02以上0.20以下とすれば、放電容量を170mAg-1以上とすることができるものと推察された。なかでも、置換量xを0.05以上0.18以上とすれば放電容量をより高めることができ、0.07以上0.15以下とすれば放電容量をさらに高めることができることがわかった。この理由は明らかではないが、Znでの置換量xが0.02以上であれば、リチウムイオンの伝導経路を小さくする効果が得られ、0.20以下であればリチウムイオンの伝導経路が小さくなりすぎないためと推察された。また、Znは2.0〜4.8V(vs.Li/Li+)の電位領域ではレドックス不活性で、Li2MnSiO4においてレドックス活性なMnの一部をZnとした場合には、Mnの減少によって活物質の容量が低下することが考えられるが、Znでの置換量xが0.20以下であればMn量が少なくなりすぎないためと推察された。そして、Znでの置換量xが0.20以下であれば、レドックス不活性による容量低下よりも伝導経路を適切なものしたことによる容量増加が上回るものと推察された。なかでも、Znでの置換量xが0.10である実施例1では、リチウムイオンの伝導経路の大きさとレドックス活性な元素(Mn)量のバランスが特に優れているため、容量をより高めることができたものと推察された。また、置換元素Dを、Znと同程度のイオン半径を有するFe,Co,Ni,Cuとしても、同様に、置換量xを0.02以上0.20以下とすれば放電容量を高めることができ、置換量xを0.05以上0.18以下とすれば放電容量をより高めることができ、置換量xを0.07以上0.15以下とすれば放電容量を更に高めることができるものと推察された。
Figure 2011187173
20 コイン型セル、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、28 非水電解液。

Claims (5)

  1. 一般式Li2Mn1-xxSiO4(DはMnよりもイオン半径が小さい2価イオン,0<x<1)で表される、非水系二次電池用活物質。
  2. 前記Dは、Zn,Fe,Co,Ni,Cuから選ばれる1以上を含むものである、請求項1に記載の非水系二次電池用活物質。
  3. 前記Dは、Znを含むものである、請求項1又は2に記載の非水系二次電池用活物質。
  4. 前記xは、0.02≦x≦0.20を満たすものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用活物質。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用活物質を有する正極と、
    負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えた非水系二次電池。
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