JP5482115B2 - 非水系二次電池用活物質および非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用活物質および非水系二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水系二次電池用活物質および非水系二次電池に関する。
従来、非水系二次電池用活物質として、例えば、LiFe0.1Ni0.45Co0.452などを正極活物質として用いたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。このような活物質を用いた非水系二次電池では、Feを含まないものと比較して結晶構造の変化を低減可能なため、熱的な安定性を向上できるとされている。また、例えば、Li2MnSiO4,Li2FeSiO4や、Mn,Feの一部を他の元素と置換したもの(例えばLi1.9Mn0.8Ti0.1SiO4)などを電極材料として用いたものが提案されている(例えば特許文献2参照)。この電極材料は、構造からリチウムが出入りして電極作動中のレドックス共役体の原子価の変化を補償し、全体としての電気的中性度を保つことができるため、電極材料として利用可能とされている。
特開平5−242891号公報 特開2001−266882号公報
しかしながら、特許文献1に記載の活物質では、充電状態で高温になると熱安定性が低下することがあり、熱安定性の更なる向上を図ることが望まれていた。また、特許文献2に記載のケイ酸系活物質では、遷移金属の一部を他の元素に置換することが提案されているが、熱安定性の向上については検討されていなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、熱安定性をより高めることができる非水系二次電池用活物質および、非水系二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、一般式Li21-xxSiO4(MはFe,Co,Ni,Mnから選ばれる1種以上、DはMg,Ca,Znから選ばれる1種以上、xは0<x<1を満たすものである)で表されるケイ素酸化物を有する非水系二次電池用活物質を用いて非水系二次電池を作製したところ、熱安定性を高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った
即ち、本発明の非水系二次電池用活物質は、一般式Li21-xxSiO4(MはFe,Co,Ni,Mnから選ばれる1種以上、DはMg,Ca,Znから選ばれる1種以上、xは0<x<1を満たすものである)で表されるケイ素酸化物を有するものである。
即ち、本発明の非水系二次電池は、上述した非水系二次電池用活物質を正極活物質とする正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。
この非水系二次電池用活物質および非水系二次電池では、熱安定性を高めることができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、電池が高温となった場合に、Mg,Ca,Zn(以下D元素とも称する)が活物質中のケイ素と反応して、D元素とケイ素とを含む酸化物を生成し、これが熱的に安定であるためと考えられる。また、熱的に安定な酸化物が形成されると、電池がさらに高温となった場合や、高温状態が維持された場合に、熱分解が進行することを抑制できるためと考えられる。
コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。 実施例6と比較例1の示差走査熱量測定の結果を示したグラフである。
本発明の非水系二次電池は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。
本発明の非水系二次電池において、正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合して正極材とし、集電体の表面に圧着したものでもよいし、この正極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。本発明の非水系二次電池において、正極は、正極活物質として一般式Li21-xxSiO4で表されるケイ素酸化物を有するものである。このようなケイ酸系のポリアニオン系活物質は、遷移金属1個あたり2個のアルカリ金属を吸蔵放出可能であり、LiFePO4などのリン酸系のポリアニオン系活物質と比較して、大きな理論容量を有する点で好ましい。ここで、MはFe,Co,Ni,Mnから選ばれる1種以上(以下M元素とも称する)である。M元素は、遷移金属であり、電池の酸化還元反応に寄与するものである。M元素はMn又はFeであることが好ましく、Mnであることがより好ましい。その一部を後述するD元素と置換した場合に熱安定性をより高めることができるからである。また、一般式Li21-xxSiO4において、DはMg,Ca,Znから選ばれる1種以上(以下D元素とも称する)である。D元素は、遷移金属でない2価の金属であって、電池の酸化還元反応には寄与しないと考えられるが、電池の熱安定性を向上させるものである。D元素の金属は、例えば、Mg2SiO4、Ca2SiO4、Zn2SiO4のように天然鉱物としてケイ酸塩が存在し、これらケイ酸塩はいずれも高温(例えば1000℃)で安定なものである。よって、熱的に安定なこれらの鉱物と同様に、D元素とケイ素とを含む酸化物も、熱的に安定であると考えられる。以上より、このようなD元素を含むものとすれば、電池内部において、活物質の熱分解が生じたとしても、D元素とケイ素とを含む熱的に安定な酸化物を生成して、活物質の発熱開始温度を高温側にすることができると考えられる。また、活物質が熱的に安定な酸化物となるから、電池がさらに高温となった場合や、高温状態が維持された場合に、熱分解が進行することを抑制できると考えられる。D元素は、Mgであることが好ましく、このときM元素がMnであることがより好ましい。また、一般式Li21-xxSiO4において、xは0<x<1を満たすものである。M元素とD元素の両方が存在することで、電池反応を可能とし、かつ、熱安定性を高めることができるからである。このうち、xは0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることがさらに好ましい。xが0.01以上であれば熱安定性をより高めることができるからである。また、xは0.20以下であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましい。xを0.10より大きくしても、それ以上の熱安定性の向上は少ないと考えられるからである。また、xが0.20以下であれば、酸化還元反応に寄与するM元素が少なくなりすぎず、電池容量の低下を抑制することができるからである。このような一般式Li21-xxSiO4で表されるケイ素酸化物を有する活物質は、例えば100℃を超えるような温度環境においても安定である点で特に好ましい。電気自動車やハイブリッド電気自動車用途として電池を大型化させた場合、放熱性の悪化などにより電池内部の熱的環境はより厳しいものとなることが想定されるからである。また、電池の用途によってはより厳しい熱環境での使用に耐え得るものであることが望まれる場合もあるからである。
一般式Li21-xxSiO4で表されるケイ素酸化物の製造方法は特に限定されるものではなく、固相法、液相法、気相法などを用いたものとすることができる。例えば、以下のようにして得たものとしてもよい。まず、不活性ガスを用いてバブリングを行った水/アルコール混合溶媒に、各成分金属の酢酸塩やシュウ酸塩を所定の組成比となるように加え、80℃程度の不活性雰囲気下で数時間還流を行い、沈殿物を回収する。この沈殿物を不活性雰囲気下で乾燥させ、さらに不活性雰囲気中もしくは還元雰囲気中で数時間焼成を行うことで、目的とする珪素酸化物粉末を得ることができる。ここで、不活性ガスとしては、アルゴンガスやヘリウムガス、窒素ガスなどを用いることができ、また、不活性雰囲気としては、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気、窒素雰囲気のほか、真空雰囲気などとすることができる。また、還元雰囲気としては、水素ガスと上述した不活性ガスとの混合ガスのほか、純水素ガスなどとすることができる。
正極に含まれる導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
本発明の非水系二次電池において、負極は、負極活物質を有するものである。この負極活物質はリチウムを吸蔵放出可能なものであることが好ましい。ここで、リチウムを吸蔵放出可能な材料としては、例えば金属リチウムやリチウム合金のほか、金属酸化物、金属硫化物、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質などが挙げられる。リチウム合金としては、例えば、アルミニウムやシリコン、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金が挙げられる。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物などが挙げられる。金属硫化物としては、例えばスズ硫化物やチタン硫化物などが挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えばハードカーボン、ソフトカーボンを用いることができ、あるいはこれらと、天然又は人造の黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、気相法炭素化繊維、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等とを混合したものを用いることができる。
本発明の非水系二次電池において、イオン伝導媒体は、支持塩を有機溶媒に溶かした非水電解液やイオン性液体、ゲル電解質、固体電解質などを用いることができる。このうち、非水電解液であることが好ましい。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどを用いることができる。ゲル電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子類またはアミノ酸誘導体やソルビトール誘導体などの糖類に、支持塩を含む電解液を含ませてなるゲル電解質が挙げられる。固体電解質としては、無機固体電解質や有機固体電解質などが挙げられる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1−x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の非水系二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、非水系二次電池の使用範囲に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の非水系二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。この非水系二次電池の一例を図1に示す。図1は、コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、この電池ケース21の内部に設けられた正極22と、正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、支持塩を含む非水電解液27と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、一般式Li21-xxSiO4(MはFe,Co,Ni,Mnから選ばれる1種以上、DはMg,Ca,Znから選ばれる1種以上、xは0<x<1を満たすものである)で表されるケイ素酸化物を有する活物質を正極活物質として用いたが、負極活物質として用いてもよい。
例えば、上述した実施形態においては、一般式Li21-xxSiO4(MはFe,Co,Ni,Mnから選ばれる1種以上、DはMg,Ca,Znから選ばれる1種以上、xは0<x<1を満たすものである)で表されるケイ素酸化物を有する非水系二次電池用活物質を非水系二次電池の構成要素として記載したが、非水系二次電池用活物質単独であってもよい。
以下には、本発明の非水系二次電池を具体的に作製した例を実施例として説明する。
(実験例1)
正極は、以下のようにして作製した。まず、Arバブリングを行った水/エタノール混合溶媒255mLにCH3COOLiを37.50mmol、(CH3COO)2Mnを16.88mmol、(CH3COO)2Mgを1.875mmol、Si(OC254を18.75mmolを加え、80℃のAr雰囲気下で6時間還流を行い、沈殿物を得た。ロータリーエバポレーターで沈殿物を回収し、105℃で12時間真空乾燥させた後、4体積%のH2を含む600℃のAr雰囲気下で8時間焼成を行うことにより、Li2Mn0.90Mg0.10SiO4粉末を合成した。このようにして合成したLi2Mn0.90Mg0.10SiO4粉末をプレスしてペレット状とし、これを実施例1の正極とした。なお、活物質単体での性能を確認するため、導電材やバインダなどは使用しなかった。
(実施例2,3)
(CH3COO)2Mnに代えて(CH3COO)2Feを用いてLi2Fe0.90Mg0.10SiO4粉末を合成したこと以外は実施例1と同様に実施例2の正極を作製した。また、(CH3COO)2Mnに代えてCoCO3を用い、(CH3COO)2Mgに代えてMgCO3を用いてLi2Co0.90Mg0.10SiO4粉末を合成したこと以外は実施例1と同様に実施例3の正極を作製した。
(実施例4〜6)
(CH3COO)2Mnを18.56mmol、(CH3COO)2Mgを0.1875mmolとしてLi2Mn0.99Mg0.01SiO4粉末を合成したこと以外は実施例1と同様に実施例4の正極を作製した。また、(CH3COO)2Mnを18.19mmol、(CH3COO)2Mgを0.563mmolとしてLi2Mn0.97Mg0.03SiO4粉末を合成したこと以外は実施例1と同様に実施例5の正極を作製した。また、(CH3COO)2Mnを17.81mmol、(CH3COO)2Mgを0.938mmolとしてLi2Mn0.95Mg0.05SiO4粉末を合成したこと以外は実施例1と同様に実施例6の正極を作製した。
(比較例1〜3)
(CH3COO)2Mn16.88mmolと(CH3COO)2Mg1.875mmolに代えて(CH3COO)2Mn18.75mmolを用いてLi2MnSiO4粉末を合成したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の正極を作製した。また、(CH3COO)2Mnに代えて(CH3COO)2Feを用いてLi2FeSiO4粉末を合成したこと以外は比較例1と同様にして比較例2の正極を作製した。また、(CH3COO)2Mnに代えてCoCO3を用いてLi2CoSiO4粉末を合成したこと以外は比較例1と同様にして比較例3の正極を作製した。
[二極式評価セルの作製]
次に、二極式評価セルを以下のようにして作製した。まず、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比で1:1の割合で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)が1Mとなるように溶解して、非水電解液を調製した。そして、上述した正極と、これと略同じ面積のリチウム箔からなる負極との間に非水電解液を含浸させたセパレーター(東燃タピルス)を挟んで二極式評価セルを作製した。
[示差走査熱量測定(DSC)]
次に、以下のようにして示差走査熱量測定を行った。まず、上述のように作製した二極式評価セルについて0.25mAcm-2で4.8Vまで定電流充電を行い、満充電状態とした後、Ar雰囲気のグローブボックス内で電池を解体し、正極を取り出した。ペレット状の正極を粉砕することにより得られた粉末状の正極を正極重量に対してエチレンカーボネートが60重量%となるように混合したものを、示差走査熱量測定(DSC)用のステンレス製パンにいれ、Ar雰囲気で密閉した。密閉されたパンをDSC測定装置にセットし、測定雰囲気をAr、昇温速度を5℃min-1としたときの発熱開始温度と総発熱量を測定した。なお、総発熱量は、発熱開始温度から430℃までの発熱量を測定した値とした。
[充放電試験]
また、実施例1,4〜6と比較例1については、以下のようにして充放電試験を行った。まず、上述のように作製した二極式評価セルについて0.25mAcm-2で4.8Vまで定電流定電圧充電を行った後、0.25mAcm-2で2.0Vまで定電流放電を行い、放電容量を測定した。
[試験結果]
試験結果を表1に示す。この表1には、発熱開始温度の実測値及び比較例に対する増分、総発熱量の実測値及び比較例に対する増分、放電容量を示した。図2は、実施例6と比較例1の示差走査熱量測定の結果を示したグラフである。なお、グラフにおける立ち上がり温度を発熱開始温度とし、発熱開始温度から430℃までの発熱量を総発熱量とした。
Figure 0005482115
正極活物質中の遷移金属のうち10mol%をMgに置換した実施例1〜3は、Mgに置換していない比較例1〜3と比較して、発熱開始温度が高温側に移動し、総発熱量が減少したことから、熱安定性が向上することが分かった。この点について検討したところ、以下のように推察された。まず、図2において、遷移金属の一部をMgに置換した実施例6では、202℃程度からDSCの発熱が確認された。これに対し、遷移金属の一部をMgに置換していない比較例1では、177℃程度からDSCの発熱が確認された。このことから、遷移金属の一部をMgに置換したものでは、この温度以下において、安定な酸化物を形成し、Mgと置換していないものと比較して、立ち上がり温度を高めることができたものと推察された。また、この安定な酸化物が形成されることにより、発熱ピークの高さや、立ち上がり角度を小さくすることが可能となり、総発熱量を低下させることができたものと推察された。ここで、遷移金属としてMnを用いた実施例1と比較例1との間の発熱開始温度や総発熱量の差が特に大きいことから、遷移金属としてMnを用いるとMgによる置換の効果が特に大きいことが分かった。さらに、表1に示すように、Mnのうち5mol%をMgに置換した場合に発熱開始温度が極大となり、かつ、総発熱量が極小となる一方、酸化還元反応に寄与しないMgとの置換量が増加するにつれて放電容量は減少することが分かった。よって、遷移金属の3mol%以上10mol%以下をMgと置換することが好ましいことが分かった。また、遷移金属はFe,Co,Mnのほか、Coと類似のイオン半径・化学的性質を有するNiであっても熱安定性を向上することができると推察された。また、遷移金属と置換する元素としては、Mgのほか、天然にケイ酸塩鉱物として存在するCaやZnであっても同様に熱安定性を高めることができるものと推察された。また、Mgとの置換量5mol%程度で熱安定性が最も良好となったことから、MgなどのD元素は熱分解反応が進行すると考えられる活物質表面およびその近傍に多く分布していると推察された。
20 コイン型電池、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 非水電解液。

Claims (4)

  1. 一般式Li21-xxSiO4(MはFe,Co,Mnから選ばれる1種以上、DはMg、xは0<x<1を満たすものである)で表されるケイ素酸化物を有する非水系二次電池用活物質。
  2. 前記一般式において、前記MはMnであり、前記DはMgである、請求項1に記載の非水系二次電池用活物質。
  3. 前記一般式において、前記xは0.03≦x≦0.10を満たすものである、請求項1又は2に記載の非水系二次電池用活物質。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した非水系二次電池用活物質を正極活物質とする正極と、
    負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えた非水系二次電池。
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