JP2011185214A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2011185214A
JP2011185214A JP2010053443A JP2010053443A JP2011185214A JP 2011185214 A JP2011185214 A JP 2011185214A JP 2010053443 A JP2010053443 A JP 2010053443A JP 2010053443 A JP2010053443 A JP 2010053443A JP 2011185214 A JP2011185214 A JP 2011185214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cooling oil
pair
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010053443A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Nakai
一之 中井
Kazuya Tanabe
和也 田邉
Satoru Ino
悟 伊能
Akihito Nomura
明史 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2010053443A priority Critical patent/JP2011185214A/ja
Publication of JP2011185214A publication Critical patent/JP2011185214A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】上下ストロークするピストンに対し、ピストンジェットから噴射される冷却オイルが、補強壁で遮られることなく、できるだけ長時間に亘って天井裏面に到達して、ピストンを効率的に冷却することができる内燃機関を提供する。
【解決手段】ピストン23は、天井面51から垂下する一対のスカート部52と、一対のスカート部52を連結する一対の連結壁53と、スカート部52とピストンピンボス54間において一対の連結壁53を連結する一対の補強壁56とを有する。補強壁56は、天井裏面58との間に開口部60が設けられたブリッジ状に形成される。また、複数の噴射口71、72、73から冷却オイルを異なる方向に噴射するピストンジェット28は、ピストン23の上死点位置及び下死点位置において、補強壁56の開口部60を通過させて冷却オイルを天井裏面58に到達させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関に関し、特に、ピストンジェットから冷却オイルを噴射してピストンを冷却する内燃機関に関する。
近年のエンジンの高性能化に伴ってピストンに対する熱負荷が増大する傾向があり、ピストンを冷却する手段の一つとして、ピストン下方に配置したピストンジェットからピストン裏面に向けて冷却オイルを噴射してピストンの温度上昇を抑制するようにしたピストン冷却装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。一方、ピストンピンが装嵌される一対のピストンピンボスを連結壁に連結すると共に、この一対の連結壁を一対の補強壁で接続して、重量増加を抑制しつつ、剛性を高めるようにしたピストンがある(例えば、特許文献2参照)。このタイプのピストンは、ピストンピンに嵌合するコネクティングロッドの小径部側の周囲が連結壁と補強壁によって囲まれた形状となる。
特開2003−301744号公報 特開2001−289117号公報
ピストンの天井裏面が連結壁と補強壁によって囲まれているタイプのピストンの場合、ピストンジェットから噴射する冷却オイルによって冷却するには、冷却オイルが補強壁を避けて天井裏面に到達するように設計する必要がある。特に、効果的に冷却するには、エンジンの発熱源であるピストン天井面の中心部近傍に冷却オイルを噴射することが望ましい。
しかしながら、エンジン作動時にはピストンが上下にストロークするため、例えば、ピストンが下死点位置にあるとき、冷却オイルが天井裏面に到達するように設計されたピストンジェットによると、ピストンが下死点から上死点にストロークする途中で、ピストンジェットからの噴射冷却オイルが補強壁で遮られて天井裏面に到達できなくなる場合があった。また、上死点位置で冷却するように設計されたピストンジェットでも同様に、下死点へのストローク途中で噴射冷却オイルが補強壁で遮られて天井裏面に到達できなくなる場合があり、効果的に冷却するためには改善の余地があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上下ストロークするピストンに対し、ピストンジェットから噴射される冷却オイルが、補強壁で遮られることなく、できるだけ長時間に亘って天井裏面に到達して、ピストンを効率的に冷却することができる内燃機関を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ピストンの天井面から垂下する一対のスカート部と、ピストンピンが装嵌されるピストンピンボスを含み、一対のスカート部を連結する一対の連結壁と、スカート部とピストンピンボス間において一対の連結壁を連結する一対の補強壁とを有するピストンと、ピストンを冷却する冷却オイルを、クランクケースからピストンの天井裏面に向かって噴射するピストンジェットと、を備える内燃機関であって、補強壁は、天井裏面から離間するブリッジ状に形成され、ピストンジェットは、ピストンが上死点位置及び下死点位置にあるそれぞれの状態において、冷却オイルを補強壁と天井裏面との間の開口部を通過させて天井裏面に向けて噴射する複数の噴射口を有することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、開口部は、天井裏面から、ピストンピンの中心軸を含みピストンの中心軸に直交する仮想平面に亘って形成されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2の構成に加えて、補強壁は、連結壁の下端から、ピストンピンの中心軸を含みピストンの中心軸に直交する仮想平面に亘って形成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1の構成に加えて、複数の噴射口は、クランク軸の軸方向にそれぞれ異なる位置に配設されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1の構成に加えて、ピストンジェットは、第1の方向に向けて冷却オイルを噴射する一対の第1噴射口と、一対の第1噴射口の間に配置されて第1の方向とは異なる第2の方向に向けて冷却オイルを噴射する第2噴射口と、を備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5の構成に加えて、それぞれの第1噴射口から噴射される冷却オイルの噴射量は、第2噴射口から噴射される冷却オイルの噴射量の、略1/2であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1項の構成に加えて、補強壁は、ピストンをピストンピンの中心軸に直交する面で切断した断面において、スカート部側の側面が、少なくともスカート部側に凸となる湾曲面で構成されることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7の構成に加えて、ピストンジェットは、ピストンが上死点位置及びその近傍にあるとき、湾曲面に向けて冷却オイルを噴射することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、補強壁が天井裏面から離間するブリッジ状に形成されると共に、ピストンジェットが備えるそれぞれの噴射口が、ピストンの上死点及び下死点位置において、補強壁と天井裏面との間の開口部を通過させて冷却オイルを天井裏面に向けて噴射するようにしたため、ピストンが上下ストロークしても、冷却オイルが補強壁で遮られることなく、長時間に亘って天井裏面に到達させることができる。これにより、ピストンを効率的に冷却することができる。
請求項2の発明によれば、天井裏面と補強壁間の開口部は、天井裏面から、ピストンピンの中心軸を含みピストンの中心軸に直交する仮想平面に亘って形成するようにしたため、より大きな開口部が形成され、ピストンが上死点位置であっても、噴射された冷却オイルが補強壁で遮られることなく、天井裏面の中心近傍に到達してピストンを効果的に冷却することができる。
請求項3の発明によれば、補強壁は、連結壁の下端から、ピストンピンの中心軸を含みピストンの中心軸に直交する仮想平面に亘って形成するようにしたため、補強壁で遮られることなく、天井裏面の中心近傍に到達する冷却オイルの量を増加させると共に、補強壁の高さを最大限に大きくして補強効果を高めることができる。
請求項4の発明によれば、複数の噴射口は、クランク軸の軸方向に、それぞれ異なる位置に配設されるため、それぞれの噴射口から噴射される冷却オイルの相互干渉が防止されて効果的にピストンを冷却することができる。
請求項5の発明によれば、ピストンジェットが、第1の方向に向けて冷却オイルを噴射する一対の第1噴射口と、一対の第1噴射口の間に配置されて第2方向に向けて冷却オイルを噴射する第2噴射口とを備えるため、ピストンの全ストロークに亘って天井裏面全面に冷却オイルを到達させることができ、効果的な冷却が達成される。
請求項6の発明によれば、第1噴射口のそれぞれから噴射される冷却オイルの噴射量を、第2噴射口から噴射される冷却オイルの噴射量の略1/2としたため、一対の第1噴射口からの合計噴射量と、第2噴射口からの噴射量が略同じとなり、上下死点で均等にピストンを冷却して、冷却性能を全ストロークで均等にすることができる。
請求項7の発明によれば、補強壁のスカート部側の側面が、少なくともスカート部側に凸となる湾曲面で構成されるため、噴射冷却オイルと補強壁の隅部との干渉を防止して、ピストンのより中心近傍に到達させることができる。
請求項8の発明によれば、ピストンが上死点位置及びその近傍にあるとき、ピストンジェットから冷却オイルを湾曲面に向けて噴射するようにしたため、噴射冷却オイルが補強壁の側面(湾曲面)に接触して流れるときに生じるコアンダ効果を利用して、冷却オイルの噴射方向を湾曲面に沿わせて曲げることができる。これにより、ピストンのより中心近傍に冷却オイルを到達させて、ピストンを効果的に冷却することができる。
本発明に係る内燃機関の一実施形態を説明する縦断面図である。 図1に示すピストンの平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 ピストン上死点における図1に示すピストン周辺の拡大断面図である。 ピストン下死点における図1に示すピストン周辺の拡大断面図である。 ピストンジェットの第1及び第2噴射口とピストンとの位置関係を示すエンジンの拡大断面図である。 ピストンの第1変形例を示す断面図である。 第1変形例のピストンが搭載されたエンジンのピストン周辺の拡大断面図である。 ピストンの第2変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本実施形態のエンジン(内燃機関)10は、図1に示すように、水冷式エンジンであって、その主な外殻は、上クランクケース12及び下クランクケース13からなるクランクケース11と、クランクケース11の上端部に取り付けられるシリンダブロック14と、シリンダブロック14の上端部に取り付けられるシリンダヘッド15と、シリンダヘッド15の上部開口を覆うヘッドカバー16と、クランクケース11の側部開口を覆う不図示のケースカバーと、クランクケース11の下端開口を覆うオイルパン17と、によって構成され、クランク室18及び変速機室19が形成される。
クランク室18内には、クランクケース11に配設された軸受により、クランクシャフト20が回動自在に支持される。このクランクシャフト20のクランクピン20aには、ピストン23のピストンピン21がコネクティングロッド22を介して接続されており、ピストン23は、シリンダブロック14のシリンダライナー24内でシリンダ軸線方向に往復運動する。
また、クランクシャフト20は、不図示のポンプドライブスプロケット、ポンプチェーン、ポンプドリブンスプロケットを介してオイルポンプ25に接続されており、クランクシャフト20によって回転駆動されるオイルポンプ25が、オイルパン17に貯留されるエンジンオイルをオイルストレーナ26から吸入し、オイルフィルタエレメント27を介して、後述するピストンジェット28を含む、シリンダブロック14、シリンダヘッド15、ヘッドカバー16、及びクランク室18内の各潤滑部に供給する。
シリンダヘッド15には、吸気バルブ31が配置される吸気ポート32と、排気バルブ33が配置される排気ポート34が形成されており、吸気ポート32には、電子制御式のインジェクタ35を有するスロットルボディ36が組み付けられる。このスロットルボディ36は、不図示のエンジンコントロールユニットに接続・制御されており、このエンジンコントロールユニットの電気信号によって、エンジン10の回転数に応じた最適な混合気を吸気ポート32内に供給する。
また、シリンダヘッド15の下面には、燃焼室37が形成されており、この燃焼室37に臨むように不図示のスパークプラグが装着される。シリンダヘッド15内には、動弁機構の2本のカム軸38が回動自在に支持されており、それぞれの端部に固定される不図示のカムドリブンスプロケットと、クランクシャフト20の中央部に設けられるカムドライブスプロケットとの間にカムチェーンが巻き掛けられている。これにより、クランクシャフト20の回転がカム軸38を介してカム39に伝達されて、吸気バルブ31及び排気バルブ33が所定のタイミングで開閉する。
変速機室19内には、変速ギヤ機構を構成するメイン軸41、カウンタ軸42、シフトドラム43などが配設されている。メイン軸41は、クランクシャフト20と平行に配置され、クランクケース11(上クランクケース12)に回転自在に軸支されている。メイン軸41と、メイン軸41に平行に軸支されたカウンタ軸42との間には、変速段を設定する歯車列の集合である変速歯車列群が構成されている。
シフトドラム43は、クランクケース11に回転自在に架設され、シフトドラム43の外周面に形成された3条のシフト溝43aに、ガイド軸44に摺動自在に支持されたシフトフォーク45a,45b,45cの各シフトピン45dが嵌合している。シフトドラム43の回動によりシフト溝43aにガイドされて軸方向に移動するシフトフォーク45aが、メイン軸41上のシフターを軸方向に移動させる。また、シフトフォーク45b,45cが、カウンタ軸42上のシフターを軸方向に移動させて噛み合う変速ギヤの組を変更する。
ピストン23は、例えば、アルミニウム合金材料から形成されており、図2〜図5に示すように、最上端の円環状の天井部51と、天井部51の外周部から円弧状に垂下する一対のスカート部52と、一対のスカート部52の端部52a同士を連結する一対の連結壁53と、を備える。
それぞれの連結壁53の略中央には、ピストンピンボス54が設けられている。ピストンピンボス54には、ピストン23の内外周側に開口するピストンピン孔55が貫通して形成され、このピストンピン孔55に挿入される中空状のピストンピン21に、コネクティングロッド22が嵌合してクランクシャフト20のクランクピン20aに連結されている。
また、スカート部52とピストンピンボス54の間には、ピストンピン孔55の半径方向両側に対峙して、一対の補強壁56がピストンピン孔55の軸方向に略平行に設けられて、一対の連結壁53同士を連結する。一対の補強壁56は、連結壁53の下端53bから、ピストンピン21の中心軸CL1を含みピストン23の中心軸CL2に直交する仮想平面Nに亘って形成されている。即ち、一対の補強壁56は、両端56aが連結壁53に接続して天井部51の天井裏面58から離間するブリッジ状に形成されている。これにより、天井裏面58と補強壁56との間に開口部60が形成される。
換言すれば、開口部60は、天井裏面58から、ピストンピン21の中心軸CL1を含みピストン23の中心軸CL2に直交する仮想平面Nに亘って形成されている。
天井部51の上面には、窪み状の燃焼室57が形成されると共に、外周面に3本のピストンリング溝61,62,63が上方から順に形成されている。ピストンリング溝61,62は、コンプレッションリング溝であり、ピストンリング溝63は、オイルリング溝である。
また、図6に示すように、シリンダブロック14と接合されるクランクケース11の前側上部には、シリンダライナー24に対向してピストンジェット28が配置されている。ピストンジェット28は、クランクシャフト20と略平行にクランクケース11で支持されるパイプであり、図8に示すように、クランクシャフト20の軸方向に離間して2つの第1噴射口71、72、及び第2噴射口73が、径方向に明けられている。第1噴射口71、72は、天井裏面58と補強壁56との間に設けられた開口部60の軸方向両側部分に対応して配置され、第2噴射口73は、開口部60の軸方向中央付近に対応して、第1噴射口71、72の中間位置に配置されている。
ピストンジェット(パイプ)28は、不図示の給油ホースによってオイルポンプ25の吐出口に接続され、オイルポンプ25から供給されるオイル(冷却オイル)を第1噴射口71,72及び第2噴射口73からジェット流として吐出させる。第1噴射口71,72は、第1の方向P1に向けて冷却オイルを噴射し、第2噴射口73は、第1の方向P1とは方向が異なる第2の方向P2に向けて冷却オイルを噴射する。
第1の方向P1は、図6に示すように、上死点位置にあるピストン23の天井裏面58に向かう方向である。また、第2の方向P2は、図7に示すように、下死点位置にあるピストン23の天井裏面58に向かう方向である。また、それぞれの第1噴射口71,72から噴射する冷却オイルの噴射量は、第2噴射口73から噴射する冷却オイルの噴射量の、略1/2に設定されている。即ち、第1噴射口71,72から噴射する冷却オイルの合計噴射量と、第2噴射口73から噴射する冷却オイルの噴射量は略同じ量である。
図6及び図7に示すように、このようなピストンジェット28を備えるエンジン10が作動してクランクシャフト20が回転すると、ピストン23がシリンダブロック14のシリンダライナー24内でシリンダ軸線方向に往復運動すると共に、クランクシャフト20によって回転駆動されるオイルポンプ25が、オイルパン17に貯留されるエンジンオイルをオイルストレーナ26から吸入し、オイルフィルタエレメント27を介して、ピストンジェット28に供給して、第1噴射口71,72及び第2噴射口73からそれぞれ第1の方向P1及び第2の方向P2に向けて冷却オイルを噴射させる。
そして、図6に示すように、ピストン23が上死点近傍にあるときには、第1噴射口71,72から第1の方向P1に向けて噴射した冷却オイルが、天井裏面58と補強壁56との間に設けられた開口部60を通過して、天井裏面58に到達してピストン23を冷却する。
また、図7に示すように、ピストン23が下死点近傍にあるときには、第2噴射口73から第2の方向P2に向けて噴射した冷却オイルが、天井裏面58と補強壁56との間に設けられた開口部60を通過して、天井裏面58に到達してピストン23を冷却する。
このとき、第1噴射口71,72から噴射する冷却オイルの合計噴射量と、第2噴射口73から噴射する冷却オイルの噴射量とは略同じ量に設定されているので、ピストン23は上下死点近傍で均等に冷却される。即ち、ピストンジェット28(第1噴射口71,72及び第2噴射口73)から噴射される冷却オイルは、ピストン23の全ストロークに亘って補強壁56で遮られることなく、開口部60を通過して天井裏面58に到達してピストン23を効率的に冷却することができる。
以上説明したように、本実施形態のエンジン10によれば、補強壁56が天井裏面58から離間するブリッジ状に形成されると共に、ピストンジェット28が複数の噴射口71,72,73を備え、それぞれの噴射口71,72,73が、ピストン23の上死点及び下死点位置において、冷却オイルを補強壁56と天井裏面58との間の開口部60を通過させて天井裏面58に向けて噴射するようにしたため、ピストン23が上下ストロークしても、冷却オイルが補強壁56で遮られることなく、長時間に亘って天井裏面58に到達させることができる。これにより、ピストン23を効率的に冷却することができる。
また、本実施形態のエンジン10によれば、開口部60は、天井裏面58から、ピストンピン21の中心軸CL1を含みピストン23の中心軸CL2に直交する仮想平面Nに亘って形成するようにしたため、より大きな開口部60が形成され、上死点において、噴射された冷却オイルが補強壁56で遮られることなく、天井裏面58の中心近傍に確実に到達してピストン23を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態のエンジン10によれば、補強壁56は、連結壁53の下端53bから、ピストンピン21の中心軸CL1を含みピストン23の中心軸CL2に直交する仮想平面Nに亘って形成するようにしたため、補強壁56で遮られることなく、天井裏面58の中心近傍に到達する冷却オイルの量を増加させると共に、補強壁56の高さを最大限に大きくして補強効果を高めることができる。
また、本実施形態のエンジン10によれば、複数の噴射口71,72,73は、クランクシャフト20の軸方向に、それぞれ異なる位置に配設されるため、それぞれの噴射口71,72,73から噴射される冷却オイルの相互干渉が防止されて効果的に冷却することができる。
また、本実施形態のエンジン10によれば、ピストンジェット28が、第1の方向P1に向けて冷却オイルを噴射する一対の第1噴射口71,72と、一対の第1噴射口71,72の間に配置されて第2方向P2に向けて冷却オイルを噴射する第2噴射口73とを備えるため、ピストン23の全ストロークで天井裏面58の全面に冷却オイルを到達させることができ、効果的な冷却が達成される。
また、本実施形態のエンジン10によれば、第1噴射口71,72のそれぞれから噴射される冷却オイルの噴射量を、第2噴射口73からの噴射量の略1/2としたため、一対の第1噴射口71,72からの合計噴射量と、第2噴射口73からの噴射量が略同じとなり、上下死点で均等にピストン23を冷却して、冷却性能を均等にすることができる。
(第1変形例)
次に、本実施形態の第1変形例として、図9及び図10に示すように、本変形例のピストン23Aでは、ピストンジェット28側に配置される補強壁56Aのピストンピン21の中心軸CL1に直交する断面が、スカート部52に対向する側の側面56bがスカート部52側に凸となる湾曲面で構成されている。また、補強壁56Aの側面56bの湾曲面は、ピストン23Aの天井裏面58方向に向かうに従って次第にピストン23Aの中心軸CL2に接近する方向に傾斜するように形成される。なお、本変形例では、ピストンジェット28側に配置される補強壁56Aのみが湾曲面を有しているが、ピストンジェット28から離間する側の補強壁56も湾曲面を有する補強壁56Aとしてもよい。
そして、図10に示すように、ピストンジェット28の噴射口74の角度は、ピストン23Aが上死点位置にあるとき、噴射口74から噴射する冷却オイルが、補強壁56Aの側面56bに接触する角度に設定されている。
このため、ピストン23Aが上死点近傍に達すると、ピストンジェット28の噴射口74から噴射された冷却オイルジェットJが、補強壁56Aの側面56bに接触する。これにより、本来、図中破線で示すように、ピストンジェット28から直線的にピストン23Aの天井裏面58に到達するはずの冷却オイルジェットJは、側面56bに接触することによる、所謂コアンダ効果によって補強壁56Aの側面56bの形状に沿って図中実線で示すように、ピストン23Aの中心方向に曲げられる。
この結果、従来、コネクティングロッド22で遮られ、直接冷却することが困難であったピストン23Aの中央部近傍にピストンジェット28からの冷却オイルを到達させることができるので、冷却効果を高めることができる。
以上説明したように、本変形例のエンジン10によれば、補強壁56Aのスカート部52側の側面56bを、スカート部52側に凸となる湾曲面としたため、噴射冷却オイルJと補強壁56Aの隅部との干渉を防止して、噴射冷却オイルJをピストン23Aの中心近傍にまで到達させることができる。
また、本変形例のエンジン10によれば、ピストン23Aが上死点位置及びその近傍にあるとき、ピストンジェット28から補強壁56Aの側面56bの湾曲面に向けて冷却オイルを噴射するようにしたため、コアンダ効果を利用して冷却オイルの噴射方向を側面56bの湾曲面に沿わせて曲げることができる。これにより、従来、到達させることが困難であったピストン23Aの中心近傍に冷却オイルを到達させることができるので、ピストン23Aを効果的に冷却することができる。
(第2変形例)
次に、本実施形態の第2変形例として、図11に示すように、本変形例のピストン23Bでは、ピストンジェット28側に配置される補強壁56Bのピストンピン21の中心軸CL1に直交する断面が、スカート部52に対向する側の側面56cがスカート部52側に凸の湾曲面となる略楕円形状に形成されている。また、補強壁56Bの断面略楕円形状は、ピストン23Bの天井裏面58方向に向かうに従って次第にピストン23Bの中心軸CL2に接近する方向に傾斜するように形成される。なお、本変形例では、ピストンジェット28側に配置される補強壁56Bのみが断面略楕円形状に形成されているが、ピストンジェット28から離間する側の補強壁56も断面略楕円形状の補強壁56Bとしてもよい。また、他の変形例として、補強壁56Bを断面略同一径の円形状としてもよい。
10 エンジン(内燃機関)
11 クランクケース
20 クランクシャフト
21 ピストンピン
23 ピストン
28 ピストンジェット
51 天井面
52 スカート部
53 連結壁
53b 連結壁の下端
54 ピストンピンボス
56 補強壁
56A 補強壁
56B 補強壁
56b スカート部側の側面(湾曲面)
56c スカート部側の側面(湾曲面)
58 天井裏面
60 開口部
71 第1噴射口
72 第1噴射口
73 第2噴射口
74 噴射口
CL1 ピストンピンの中心軸
CL2 ピストンの中心軸
N 仮想平面
P1 第1の方向
P2 第2の方向

Claims (8)

  1. ピストン(23)の天井面(51)から垂下する一対のスカート部(52)と、ピストンピン(21)が装嵌されるピストンピンボス(54)を含み、前記一対のスカート部を連結する一対の連結壁(53)と、前記スカート部と前記ピストンピンボス間において前記一対の連結壁を連結する一対の補強壁(56)とを有するピストンと、
    前記ピストンを冷却する冷却オイルを、クランクケース(11)から前記ピストンの天井裏面(58)に向かって噴射するピストンジェット(28)と、を備える内燃機関(10)であって、
    前記補強壁は、前記天井裏面から離間するブリッジ状に形成され、
    前記ピストンジェットは、前記ピストンが上死点位置及び下死点位置にあるそれぞれの状態において、前記冷却オイルを前記補強壁と前記天井裏面との間の開口部(60)を通過させて前記天井裏面に向けて噴射する複数の噴射口(71,72,73)を有することを特徴とする内燃機関。
  2. 前記開口部は、前記天井裏面から、前記ピストンピンの中心軸(CL1)を含みピストンの中心軸(CL2)に直交する仮想平面(N)に亘って形成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記補強壁は、前記連結壁の下端(53b)から、前記ピストンピンの中心軸を含み前記ピストンの中心軸に直交する前記仮想平面に亘って形成されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記複数の噴射口は、クランク軸(20)の軸方向にそれぞれ異なる位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記ピストンジェットは、第1の方向に(P1)向けて前記冷却オイルを噴射する一対の第1噴射口(71,72)と、
    前記一対の第1噴射口の間に配置されて前記第1の方向とは異なる第2の方向(P2)に向けて前記冷却オイルを噴射する第2噴射口(73)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  6. それぞれの前記第1噴射口から噴射される前記冷却オイルの噴射量は、前記第2噴射口から噴射される前記冷却オイルの噴射量の、略1/2であることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  7. 前記補強壁は、前記ピストンを前記ピストンピンの中心軸に直交する面で切断した断面において、前記スカート部側の側面(56b,56c)が、少なくとも前記スカート部側に凸となる湾曲面で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関。
  8. 前記ピストンジェットは、前記ピストンが上死点位置及びその近傍にあるとき、前記湾曲面に向けて前記冷却オイルを噴射することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関。
JP2010053443A 2010-03-10 2010-03-10 内燃機関 Withdrawn JP2011185214A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010053443A JP2011185214A (ja) 2010-03-10 2010-03-10 内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010053443A JP2011185214A (ja) 2010-03-10 2010-03-10 内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011185214A true JP2011185214A (ja) 2011-09-22

Family

ID=44791786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010053443A Withdrawn JP2011185214A (ja) 2010-03-10 2010-03-10 内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011185214A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012137003A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Suzuki Motor Corp 内燃機関のピストン構造
DE102011085448A1 (de) * 2011-10-28 2013-05-02 Ks Kolbenschmidt Gmbh Kolben und Pleuel für eine Brennkraftmaschine
WO2015124748A1 (de) * 2014-02-21 2015-08-27 Ks Kolbenschmidt Gmbh Kolben ohne geschlossenen kühlraum für verbrennungsmotoren mit mindestens einer kühlöldüse pro zylinder sowie ein verfahren zur kühlung dieses kolbens
JP2017115894A (ja) * 2011-06-29 2017-06-29 フェデラル−モーグル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーFederal−Mogul Llc 下方クラウン支持特徴を備えたピストン

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012137003A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Suzuki Motor Corp 内燃機関のピストン構造
JP2017115894A (ja) * 2011-06-29 2017-06-29 フェデラル−モーグル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーFederal−Mogul Llc 下方クラウン支持特徴を備えたピストン
DE102011085448A1 (de) * 2011-10-28 2013-05-02 Ks Kolbenschmidt Gmbh Kolben und Pleuel für eine Brennkraftmaschine
WO2015124748A1 (de) * 2014-02-21 2015-08-27 Ks Kolbenschmidt Gmbh Kolben ohne geschlossenen kühlraum für verbrennungsmotoren mit mindestens einer kühlöldüse pro zylinder sowie ein verfahren zur kühlung dieses kolbens
CN106164455A (zh) * 2014-02-21 2016-11-23 Ks科尔本施密特有限公司 不具有封闭的冷却室的、用于每个缸设有至少一个冷却油喷嘴的内燃机的活塞以及用于冷却所述活塞的方法
JP2017507277A (ja) * 2014-02-21 2017-03-16 カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKS Kolbenschmidt GmbH シリンダ毎に少なくとも1つの冷却オイルノズルを有する内燃機関用の、閉じられたクーリングチャンバなしのピストン、及び当該ピストンを冷却する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6432564B2 (ja) 内燃機関用チェーンの潤滑油供給装置
JP6476796B2 (ja) 多気筒エンジンの冷却用オイル通路構造
JP2011185214A (ja) 内燃機関
JP5393125B2 (ja) エンジンの潤滑油冷却構造
JP4379434B2 (ja) 内燃機関
US20130160724A1 (en) Cooling structure of piston in engine
JP2015063926A (ja) 内燃機関の燃焼室構造
JP5747618B2 (ja) 内燃機関用ピストンのオイル供給装置
JP4932682B2 (ja) 内燃機関用ピストン
JP5984729B2 (ja) 内燃機関のオイル通路
JP2011185215A (ja) ピストン
JP2009185746A (ja) 内燃機関用ピストン
JP2013024156A (ja) 内燃機関用ピストン
JP6286746B2 (ja) エンジンのオイル供給構造
JP4605607B2 (ja) 水冷式エンジンの冷却水通路構造
JP2011190766A (ja) 内燃機関のブリーザ装置
JP2013170548A5 (ja)
JP2006258063A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2017120049A (ja) シリンダヘッド冷却構造
JP5812715B2 (ja) オイル落とし通路の構造
JP6561580B2 (ja) 内燃機関
JP5365728B2 (ja) 内燃機関用ピストン
JP6458864B2 (ja) 内燃機関
JP2018025141A (ja) 内燃機関のピストンの冷却構造
JP2013130135A (ja) 4サイクルエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130604