JP2011183418A - 通電加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、非矩形のブランクに対して、特に、その端面に斜面、曲面等を含むブランクに対して均一な通電加熱を実現することが可能な通電加熱方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の第一実施形態である通電加熱工程S1は、非矩形の製品部2を含むブランク1に通電することにより、ブランク1を加熱する通電加熱方法である。ここで、製品部2に形成される斜面4・4にブランク補助部5a・5a・・・を含む補助部5・5を延設し、ブランク1の対向する両端部(つまり、斜面4・4に延設されるブランク補助部5a・5a・・・)に対の電極10・10を平行に配置し、対の電極10・10の幅を同一にするとともに、対の電極10・10に挟まれるブランク1の領域を矩形に形成する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の第一実施形態である通電加熱工程S1は、非矩形の製品部2を含むブランク1に通電することにより、ブランク1を加熱する通電加熱方法である。ここで、製品部2に形成される斜面4・4にブランク補助部5a・5a・・・を含む補助部5・5を延設し、ブランク1の対向する両端部(つまり、斜面4・4に延設されるブランク補助部5a・5a・・・)に対の電極10・10を平行に配置し、対の電極10・10の幅を同一にするとともに、対の電極10・10に挟まれるブランク1の領域を矩形に形成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ブランクに通電することにより、当該ブランクを加熱する通電加熱技術に関する。特に、ホットプレス成形に用いるブランクを通電加熱する技術に関する。
従来、鋼板等により構成される板状ブランクに通電加熱を施した上で、金型によるプレス成形を行うホットプレスが広く知られている。ここでは、成形前のブランクを加熱することによってブランクの成形性を向上している。
また、通電加熱時にブランクを所定の温度(オーステナイト組織が現れる温度)以上に加熱し、冷却した金型と接触させることにより、プレスと同時に焼入れ処理を施す成形方法が公知である。
また、通電加熱時にブランクを所定の温度(オーステナイト組織が現れる温度)以上に加熱し、冷却した金型と接触させることにより、プレスと同時に焼入れ処理を施す成形方法が公知である。
近年、環境、安全等への配慮から、自動車用鋼板等を成形して得られる成形品の高強度化が進められている。しかし、高強度化に伴い、複数の成形品を接合する際の精度保証の要求が大きくなる。さらには、生産性向上を目的とし、部品点数を削減するために複数の部品を一体化する等の要求が高まっている。
これらの要求に応えるために種々の工夫がなされている。例えば、複数の部品を一体化するために、所望形状(H型、T型等の異形状)を有する高強度ブランクを用意し、その異形状のブランクを加熱してプレス加工する方法が提案されている。
これらの要求に応えるために種々の工夫がなされている。例えば、複数の部品を一体化するために、所望形状(H型、T型等の異形状)を有する高強度ブランクを用意し、その異形状のブランクを加熱してプレス加工する方法が提案されている。
特許文献1には、非矩形状(台形状)に形成されるブランクに対する通電加熱方法として、ブランクの相対する両端部の二箇所以上に電極を取り付け、当該電極に供給する電力を電極毎に調整する技術が開示されている。
これによれば、各電極に供給する電流値を所望値に制御できるが、各電極間に発生する等電位線の間隔が一定とならないため、ブランク内の加熱温度が一定とならず、過熱部位や低温部位が生じることとなる。
これによれば、各電極に供給する電流値を所望値に制御できるが、各電極間に発生する等電位線の間隔が一定とならないため、ブランク内の加熱温度が一定とならず、過熱部位や低温部位が生じることとなる。
また、特許文献2には、非矩形ブランクに対する通電加熱方法として、三つ以上の電極を用いて、ブランク内に発生する等電位面が平行になるように各電極の電位を設定する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示される通電加熱方法では、ブランクの端面に斜面が含まれる場合(図16参照)に、斜面の近傍に発生する等電位線が平行とならず、また、電極の斜面側の端部近傍で等電位線の密度が大きく変化する。また、ブランクの端面に曲面が含まれる場合には、短い電極を曲面に沿って複数配置されるが、同様に各電極端部の近傍の電位が不均一となり、ブランク内に発生する等電位線の密度が高くなる。
このように、ブランク端面に、斜面や曲面が含まれる場合には、等電位線は平行に発生することはなく、さらに、等電位線の間隔が一定にはならず、特許文献2の方法を採用しても非矩形のブランクを均一に加熱することは困難である。
しかしながら、特許文献2に開示される通電加熱方法では、ブランクの端面に斜面が含まれる場合(図16参照)に、斜面の近傍に発生する等電位線が平行とならず、また、電極の斜面側の端部近傍で等電位線の密度が大きく変化する。また、ブランクの端面に曲面が含まれる場合には、短い電極を曲面に沿って複数配置されるが、同様に各電極端部の近傍の電位が不均一となり、ブランク内に発生する等電位線の密度が高くなる。
このように、ブランク端面に、斜面や曲面が含まれる場合には、等電位線は平行に発生することはなく、さらに、等電位線の間隔が一定にはならず、特許文献2の方法を採用しても非矩形のブランクを均一に加熱することは困難である。
以上のように、従来の通電加熱技術では非矩形のブランクに対する対策が不十分であり、通電加熱を用いて非矩形のブランクに対する均一加熱を実現することが困難であった。
本発明は、非矩形のブランクに対して、特に、その端面に斜面、曲面等を含むブランクに対して均一な通電加熱を実現することが可能な通電加熱方法を提供することを課題とする。
本発明の通電加熱方法は、非矩形の製品部を含むブランクに通電することにより、当該ブランクを加熱する通電加熱方法であって、前記ブランクの対向する両端部に対のバー電極を平行に配置し、前記対のバー電極の幅を同一にするとともに、当該対のバー電極に挟まれる前記ブランクの領域を矩形に形成する。
本発明の好ましい実施形態では、前記ブランクにおける非矩形の製品部の端部から外方へ延出する補助部を設け、前記補助部により、前記ブランクを矩形又は複数の矩形の組み合わせに形成する。
前記補助部を複数設け、当該補助部により前記ブランクを複数の矩形の組み合わせに形成し、前記複数の矩形の組み合わせに対して、複数対のバー電極を用意し、前記複数対のバー電極のうち、電極間距離が最大となる対のバー電極の一側をアース電極として、各電極に付与する電位を、各電極のアース電極からの距離に対して線形となるように制御することが好ましい。
さらに、前記バー電極と前記ブランクの製品部の端部との距離を30mm以上に設定し、前記バー電極の幅を前記ブランクの幅+1.5%に設定し、かつ、前記複数対のバー電極のうち、電極間距離が最小となる対のバー電極に付与する電位差を所定値の−5%に設定することが好ましい。
本発明の好ましい別実施形態では、前記対のバー電極に、前記ブランクと同等の電気抵抗値を有する補助部を設け、前記補助部により、前記対のバー電極とブランクとの間に形成される空間を埋めることによって、前記対のバー電極に挟まれるブランクの領域を矩形に形成する。
本発明によれば、非矩形のブランクに対して均一な通電加熱を実現できる。
以下では、図面を参照して、本発明に係る通電加熱方法の実施形態について説明する。
本発明の通電加熱方法は、ブランクに通電することにより加熱する工程である。また、通電加熱の後工程として、ブランクを焼き入れつつプレス成形するホットプレス工程や焼入れを含まない温間プレス工程等が行われる。
本発明の通電加熱方法は、ブランクに通電することにより加熱する工程である。また、通電加熱の後工程として、ブランクを焼き入れつつプレス成形するホットプレス工程や焼入れを含まない温間プレス工程等が行われる。
上記ホットプレス工程では、本発明の通電加熱方法によって所定の温度以上に加熱されたブランクを、プレス用金型を用いて急冷しつつプレス成形を行う。
この際、プレス成形に係る成形性の向上、及びブランクの焼入性の向上が求められている。つまり、ホットプレス工程に導入されるブランクが上記成形性及び焼入性を担保できる所定の温度以上に均一に加熱されているか否かが大きな課題となる。
また同時に、工程数削減、部品点数削減等の要請に応えるために、ホットプレス工程後のトリミング工程等の後工程を経て一つの製品として使用できる状態、つまり、製品形状と略同一形状を有する異形状(非矩形状)のブランク、又は製品形状を含み、かつ、後工程において容易に製品形状に加工可能な形状のブランクを用意して、当該ブランクに通電加熱し、そのままホットプレス工程に移行することが求められている。
本発明は、上記の課題を解決する新規な通電加熱方法を提案するものであり、以下に本発明を具現化する実施形態について詳細に述べる。
この際、プレス成形に係る成形性の向上、及びブランクの焼入性の向上が求められている。つまり、ホットプレス工程に導入されるブランクが上記成形性及び焼入性を担保できる所定の温度以上に均一に加熱されているか否かが大きな課題となる。
また同時に、工程数削減、部品点数削減等の要請に応えるために、ホットプレス工程後のトリミング工程等の後工程を経て一つの製品として使用できる状態、つまり、製品形状と略同一形状を有する異形状(非矩形状)のブランク、又は製品形状を含み、かつ、後工程において容易に製品形状に加工可能な形状のブランクを用意して、当該ブランクに通電加熱し、そのままホットプレス工程に移行することが求められている。
本発明は、上記の課題を解決する新規な通電加熱方法を提案するものであり、以下に本発明を具現化する実施形態について詳細に述べる。
[第一実施形態]
以下では、本発明の通電加熱方法の第一実施形態として、図1〜図5を参照して、ブランクの実施の一形態であるブランク1に通電し、加熱する通電加熱工程S1について説明する。
ブランク1は、通電加熱工程S1における加熱対象であり、導電性を有し、かつ、焼き入れ可能な素材(鋼材等)により構成されている。
なお、説明の便宜上、図1における上下方向及び左右方向をブランク1の上下方向及び左右方向として以下の説明を行う。
以下では、本発明の通電加熱方法の第一実施形態として、図1〜図5を参照して、ブランクの実施の一形態であるブランク1に通電し、加熱する通電加熱工程S1について説明する。
ブランク1は、通電加熱工程S1における加熱対象であり、導電性を有し、かつ、焼き入れ可能な素材(鋼材等)により構成されている。
なお、説明の便宜上、図1における上下方向及び左右方向をブランク1の上下方向及び左右方向として以下の説明を行う。
図1に示すように、ブランク1は、製品部2が非矩形状(本実施形態では台形状)に形成される平板部材である。製品部2は、ブランク1のうち、通電加熱工程S1の後工程を経て製品として利用される部位である。
製品部2は、厚み方向視にて、平行、かつ、長さの異なる二辺とその二辺を繋ぐ二つの斜辺により台形状に形成される。つまり、製品部2の端部には、二つの平行面3・3と、二つの斜面4・4とがそれぞれ対向するように形成されている。
製品部2は、厚み方向視にて、平行、かつ、長さの異なる二辺とその二辺を繋ぐ二つの斜辺により台形状に形成される。つまり、製品部2の端部には、二つの平行面3・3と、二つの斜面4・4とがそれぞれ対向するように形成されている。
さらに、ブランク1には、製品部2において対向する端面である斜面4・4から外方(上下方向)に向けて延出して設けられる補助部5・5が付設されている。補助部5は、ブランク1のうち、製品部2として利用されない部位であり、通電加熱工程S1の直後、ホットプレス工程時、又はトリミング工程において切り取られる部位である。
補助部5は、ブランク1を製造する(ロール状に巻き取られた鋼板から切り出す)際に、製品部2に加えて、製品部2と連続した状態で設けられており、ブランク1を構成する素材と同一の素材によって構成されている。
補助部5は、ブランク1を製造する(ロール状に巻き取られた鋼板から切り出す)際に、製品部2に加えて、製品部2と連続した状態で設けられており、ブランク1を構成する素材と同一の素材によって構成されている。
図1に示すように、補助部5は、斜面4・4から連続的に設けられる複数のブランク補助部5a・5a・・・によって構成される。
各ブランク補助部5aは、直角三角形状に形成されており、ブランク1の外方側端部(上下一側端部)に、平行面3・3と直交する面として形成される補助面6を有する。製品部2の各斜面4に設けられるブランク補助部5a・5a・・・は、線対称となるように配置されており、対向する斜面4・4に配置されるブランク補助部5a・5aの補助面6・6が互いに平行となるように配置されている。
各ブランク補助部5aは、直角三角形状に形成されており、ブランク1の外方側端部(上下一側端部)に、平行面3・3と直交する面として形成される補助面6を有する。製品部2の各斜面4に設けられるブランク補助部5a・5a・・・は、線対称となるように配置されており、対向する斜面4・4に配置されるブランク補助部5a・5aの補助面6・6が互いに平行となるように配置されている。
このように、ブランク1は、製品部2の外周部から外方に向けて延設される補助部5を有することにより、図2に示すように、ブランク1の直交する二方向のうち一方向に延びる矩形が複数組み合わされた形状を有する。言い換えれば、補助部5によって、ブランク1の外周部を構成する端面が直交する二方向の何れか一方向に沿って形成され、かつ、その直交する二方向の各方向における端面の合計の長さが等しくなるように設定されている。
ここで、図2(a)は、製品部2の斜面4・4側を基準とした、つまり補助部5の補助面6・6・・・を基準とした場合の矩形の組み合わせ(上下方向に延びる矩形の組み合わせ)を示し、図2(b)は、製品部2の平行面3・3を基準とした場合の矩形の組み合わせ(左右方向に延びる矩形の組み合わせ)を示している。
ここで、図2(a)は、製品部2の斜面4・4側を基準とした、つまり補助部5の補助面6・6・・・を基準とした場合の矩形の組み合わせ(上下方向に延びる矩形の組み合わせ)を示し、図2(b)は、製品部2の平行面3・3を基準とした場合の矩形の組み合わせ(左右方向に延びる矩形の組み合わせ)を示している。
通電加熱工程S1では、図3に示すように、複数対の電極10・10を用いてブランク1に通電し、加熱する。
複数対の電極10・10は、これらを構成要素として含む通電加熱装置として、所定位置に据置設置されており、係る通電加熱装置にブランク1を移送し、通電加熱装置に設置することにより、通電加熱工程S1が行われる。
複数対の電極10・10は、これらを構成要素として含む通電加熱装置として、所定位置に据置設置されており、係る通電加熱装置にブランク1を移送し、通電加熱装置に設置することにより、通電加熱工程S1が行われる。
電極10・10は、ブランク1を厚み方向両側からクランプするクリップ式の電極部材であり、その一方はプラス電極、他方はマイナス電極として用いられる。電極10・10は、一方向を長手方向とする棒状のバー電極として構成される。電極10・10は、所望の電流・電圧を供給可能な電源装置に接続されており、当該電源装置を作動することによって電極10・10を介してブランク1に電流を付与する。ブランク1内では、プラス電極側の電極10からマイナス電極側の電極10に向けた電流が発生する。
図3に示すように、各電極10は、ブランク1の補助部5における各補助面6に沿って平行に配置され、かつ、各補助面6の端部においてブランク1と接続可能に配置される。つまり、通電加熱工程S1において、複数対の電極10・10による通電方向は上下方向であり、補助面6・6・・・を基準とした矩形の組み合わせに対して、各矩形の端部に各対の電極10・10が対向するように配置されている。
ここで、対向するように配置される各電極10の長手方向の長さ(左右方向の幅)の合計は、一側と他側とで(上側と下側とで)同一となるように設定されている。また、各電極10の長さは補助面6の左右方向の幅と略同一である。
このようにして、各対の電極10・10による通電方向に対して矩形の各組み合わせが平行に配置され、対の電極として設けられる電極10・10間に挟まれる通電領域が矩形状となる。
ここで、対向するように配置される各電極10の長手方向の長さ(左右方向の幅)の合計は、一側と他側とで(上側と下側とで)同一となるように設定されている。また、各電極10の長さは補助面6の左右方向の幅と略同一である。
このようにして、各対の電極10・10による通電方向に対して矩形の各組み合わせが平行に配置され、対の電極として設けられる電極10・10間に挟まれる通電領域が矩形状となる。
図4に示すように、対の電極として各補助面6に配置される電極10・10は、適宜の制御回路を介して、それぞれ所定の電位差が発生するように電圧制御されている。
具体的には、ブランク1の対向する端部に、電極対として配置される複数対の電極10・10のうち、電極間の距離が最大の対(図示において右端に配置される電極対)のマイナス電極側をアース電極(基準位置)とし、そのプラス電極側が最大の電位となるように設定した上で、各電極10に付与される電位がアース電極(基準位置)からの上下方向における距離に対して線形になるように制御されている。言い換えれば、各電極10に与えられる電位は、アース電極からの距離に比例するように制御される。
ここで、ブランク1は略均一の厚みを有する板状部材であること、並びに、各電極10・10の幅は同一であることから、各対の電極10・10間の距離が、その間の電気抵抗値と略等しくなることを利用でき、制御構成をより簡易なものにできる。
具体的には、ブランク1の対向する端部に、電極対として配置される複数対の電極10・10のうち、電極間の距離が最大の対(図示において右端に配置される電極対)のマイナス電極側をアース電極(基準位置)とし、そのプラス電極側が最大の電位となるように設定した上で、各電極10に付与される電位がアース電極(基準位置)からの上下方向における距離に対して線形になるように制御されている。言い換えれば、各電極10に与えられる電位は、アース電極からの距離に比例するように制御される。
ここで、ブランク1は略均一の厚みを有する板状部材であること、並びに、各電極10・10の幅は同一であることから、各対の電極10・10間の距離が、その間の電気抵抗値と略等しくなることを利用でき、制御構成をより簡易なものにできる。
このように、各電極10・10間に所定の電位差が発生することにより、図5に示すように、ブランク1、つまり製品部2と補助部5とを含む部材全体に対して平行、かつ、等間隔の等電位線が発生する。
従って、通電加熱工程S1によれば、複数対の電極10・10を用いてブランク1を通電加熱するに際し、非矩形に形成される製品部2を含むブランク1全体を均一に加熱することが可能となる。
従って、通電加熱工程S1によれば、複数対の電極10・10を用いてブランク1を通電加熱するに際し、非矩形に形成される製品部2を含むブランク1全体を均一に加熱することが可能となる。
なお、本実施形態では、複数のブランク補助部5a・5a・・・により構成される補助部5・5を用いることによって、ブランク1を複数の矩形の組み合わせに形成しているため、複数対の電極10・10を用いる必要があったが、補助部5の形態はこれに限定されず、例えば、製品部2と補助部5・5とで一つの矩形に形成することも可能であり、係る場合には、電極毎の電圧制御が不要となる利点がある。
また、対向するブランク補助部5aに配置される電極10・10をそれぞれ同一の幅とし、ブランク補助部5aの個数に応じた個数の電極対を配置しているが、ブランク補助部5aの端面が同一位置にある場合、すなわち異なるブランク補助部5a・5aの端面が、通電方向と直交する同一面上にある場合には、当該端面側に配置される電極を共通のものとして用いることも可能である。
また、対向するブランク補助部5aに配置される電極10・10をそれぞれ同一の幅とし、ブランク補助部5aの個数に応じた個数の電極対を配置しているが、ブランク補助部5aの端面が同一位置にある場合、すなわち異なるブランク補助部5a・5aの端面が、通電方向と直交する同一面上にある場合には、当該端面側に配置される電極を共通のものとして用いることも可能である。
通電加熱工程S1をホットプレス成形工程の一連の生産ラインに導入する場合には、ブランク1を通電加熱装置にセットする際にロボットハンド等の適宜の搬送装置が用いられる。このとき、ブランク1を電極10・10・・・にセットする際に、電極10と補助部5との間に位置ずれが生じる可能性、並びに、各電極10に供給される電圧値に誤差が生じる可能性がある。
このような外的要因が通電加熱に大きな影響を及ぼす場合には、通電加熱工程S1での加熱均一性にばらつきが生じる可能性がある。
以下では、上記のような位置ずれ及び電圧誤差等の外的要因に対する通電加熱装置のロバスト性を考慮した好ましい実施形態について説明する。
このような外的要因が通電加熱に大きな影響を及ぼす場合には、通電加熱工程S1での加熱均一性にばらつきが生じる可能性がある。
以下では、上記のような位置ずれ及び電圧誤差等の外的要因に対する通電加熱装置のロバスト性を考慮した好ましい実施形態について説明する。
本実施形態では、統計的品質管理(SQC)の手法を用いて、通電加熱工程S1で用いられる電極10・10・・・を含む通電加熱装置とブランク1との接続の際に生じ得る外的要因の中から、通電加熱の精度に影響を及ぼすと考えられる特定の因子に対して所定の条件を設定している。
以下、図6〜図8を参照して、本実施形態で採用したSQC手法について説明する。
SQC手法は、以下の(1)〜(4)の手順に従って実行される。
SQC手法は、以下の(1)〜(4)の手順に従って実行される。
(1)各因子に対してばらつきを付与する。
本実施形態のSQC手法に用いる各因子は以下に示す通りであり、各因子と、各因子に対して付与される所定のばらつきと、が直交表に割り付けられる。
図6(a)に示すように、電極10及びブランク1との接続形態に関する因子として挙げられる、電極10とブランク1の製品部2との距離の変化に関する因子A1、及び、電極10の長さの変化に関する因子A2。
図6(b)に示すように、電極10・10間の距離が最大となる電極間に付与される電位差の誤差である因子B1、電極10・10間の距離が中間値となる電極間に付与される電位差の誤差である因子B2、電極10・10間の距離が最小となる電極間に付与される電位差の誤差である因子B3。
電極10・10・・・に電圧を供給する通電時間及び供給電圧の変化に関する因子C。
本実施形態のSQC手法に用いる各因子は以下に示す通りであり、各因子と、各因子に対して付与される所定のばらつきと、が直交表に割り付けられる。
図6(a)に示すように、電極10及びブランク1との接続形態に関する因子として挙げられる、電極10とブランク1の製品部2との距離の変化に関する因子A1、及び、電極10の長さの変化に関する因子A2。
図6(b)に示すように、電極10・10間の距離が最大となる電極間に付与される電位差の誤差である因子B1、電極10・10間の距離が中間値となる電極間に付与される電位差の誤差である因子B2、電極10・10間の距離が最小となる電極間に付与される電位差の誤差である因子B3。
電極10・10・・・に電圧を供給する通電時間及び供給電圧の変化に関する因子C。
以上の因子A1〜A2・B1〜B3・Cのそれぞれに所定のばらつきを与えて作成される直交表に基づいて通電加熱を実施した場合の加熱分布等の結果を、実験又はシミュレーションにより求める。
ここで、各因子に与えられるばらつき(水準)は、因子A1については、(0、+15mm、+30mm)、因子A2については、(0、ブランク幅+1.5%)、因子B1〜B3については、(0、各電位差±5%)、因子Cについては、(30s/7.1V、14s/10V、8s/13V)である。
なお、上記因子A1についての水準に用いる「ブランク幅」とは、ブランク1に通電する際の通電方向と直交する方向の長さである。
ここで、各因子に与えられるばらつき(水準)は、因子A1については、(0、+15mm、+30mm)、因子A2については、(0、ブランク幅+1.5%)、因子B1〜B3については、(0、各電位差±5%)、因子Cについては、(30s/7.1V、14s/10V、8s/13V)である。
なお、上記因子A1についての水準に用いる「ブランク幅」とは、ブランク1に通電する際の通電方向と直交する方向の長さである。
(2)各因子について、SN比及び感度に関する要因効果図を算出する。
図7に示すように、各因子に与えられたばらつきについて、要因効果図(SN比)及び要因効果図(感度)を算出する。
図7(a)において、横軸は各因子に与えられる水準を示し、縦軸はSN比を示す。ここで、SN比の大きさはロバスト性の大きさに比例する。図7(b)において、横軸は各因子に与えられる水準を示し、縦軸は感度を示す。
図7に示すように、各因子に与えられたばらつきについて、要因効果図(SN比)及び要因効果図(感度)を算出する。
図7(a)において、横軸は各因子に与えられる水準を示し、縦軸はSN比を示す。ここで、SN比の大きさはロバスト性の大きさに比例する。図7(b)において、横軸は各因子に与えられる水準を示し、縦軸は感度を示す。
(3)ロバスト設計に関わる因子及び水準を選定する。
図7(b)に示される感度の大きさは、通電加熱における温度分布幅に比例するため、感度が小さくなるものを優先的に選択する。つまり、ブランク1の製品部2と電極10との距離に関する因子A1、通電時間及び供給電圧に関する因子Cについての水準をそれぞれ(+30mm)、(30s/7.1V)に設定する。
ここで、通電時間及び供給電圧については、ブランク1の材料又は形状等、若しくは通電加熱工程S1のサイクルタイム等に大きく左右されるため、好ましい条件として、上記水準を選択するに留めることとする。
図7(b)に示される感度の大きさは、通電加熱における温度分布幅に比例するため、感度が小さくなるものを優先的に選択する。つまり、ブランク1の製品部2と電極10との距離に関する因子A1、通電時間及び供給電圧に関する因子Cについての水準をそれぞれ(+30mm)、(30s/7.1V)に設定する。
ここで、通電時間及び供給電圧については、ブランク1の材料又は形状等、若しくは通電加熱工程S1のサイクルタイム等に大きく左右されるため、好ましい条件として、上記水準を選択するに留めることとする。
次に、図7(a)に示されるSN比のうち、電極10の長さに関する因子A2、及び電極10・10間の距離が最小となる電極間に付与される電位差に関する因子B3の水準について、SN比に大きな差が見られるため、SN比の大きいもの、つまり、ロバスト性の高い水準(ブランク幅+1.5%)(電位差−5%)を選択する。
すなわち、因子A2については、電極10の長さが短い場合には、電極10の長さ方向に対する位置ずれに対するロバスト性が低いことを考慮し、因子B3については、熱容量が比較的小さいことにより、局所加熱に対するロバスト性が低いことに考慮して、上記水準を選択している。
また、因子B1・B2については、SN比に際立った差異が見られないため、今回のロバスト設計では、要因として選択しない。
すなわち、因子A2については、電極10の長さが短い場合には、電極10の長さ方向に対する位置ずれに対するロバスト性が低いことを考慮し、因子B3については、熱容量が比較的小さいことにより、局所加熱に対するロバスト性が低いことに考慮して、上記水準を選択している。
また、因子B1・B2については、SN比に際立った差異が見られないため、今回のロバスト設計では、要因として選択しない。
以上のことより、本実施形態では、通電加熱の加熱形態、つまり、通電加熱装置の制御構成に関する要因である因子Cを(30s/7.1V)に固定した上で、電極10・10・・・とブランク1の製品部2との距離に関する因子A1を(+30mm)とし、電極10・10・・・の構成に関する因子A2を(ブランク幅+1.5%)とし、電極間距離が最小となる電極10・10間に付与する電圧に関する因子B3を(電位差−5%)とすることにより、ロバスト性に優れた通電加熱工程S1を提供する。
(4)選定された条件のロバスト性について検証する。
以上の(1)〜(3)の手順によって選定された因子A1・A2・B3を満たす条件D1と、各因子について条件D1とは異なる水準を与えた条件D2〜D6とを採用して、ブランク1と電極10・10・・・との間に位置ずれがないと仮定して通電加熱を実施した場合、及び、同じく条件D1〜D6を採用して、ブランク1と電極10・10・・・との間に位置ずれ(外的要因)が生じたと仮定して通電加熱を実施した場合のブランク1内での温度分布を比較することによって、本実施形態の条件D1のロバスト性に関する検証を行う。
なお、上記「位置ずれが生じた」とは、ブランク1の厚み方向視に回転が生じたことを意味し、電極10・10・・・の延在方向とブランク1の端面とが平行ではなくなった場合を意味する。
以上の(1)〜(3)の手順によって選定された因子A1・A2・B3を満たす条件D1と、各因子について条件D1とは異なる水準を与えた条件D2〜D6とを採用して、ブランク1と電極10・10・・・との間に位置ずれがないと仮定して通電加熱を実施した場合、及び、同じく条件D1〜D6を採用して、ブランク1と電極10・10・・・との間に位置ずれ(外的要因)が生じたと仮定して通電加熱を実施した場合のブランク1内での温度分布を比較することによって、本実施形態の条件D1のロバスト性に関する検証を行う。
なお、上記「位置ずれが生じた」とは、ブランク1の厚み方向視に回転が生じたことを意味し、電極10・10・・・の延在方向とブランク1の端面とが平行ではなくなった場合を意味する。
具体的には、条件D1の各因子にばらつきを持たせた条件D2〜D6をそれぞれ設定し(図8(a)参照)、実験又はシミュレーションによって通電加熱後のブランク1内部の温度分布を測定又は推定し、「位置ずれなし」の場合と「位置ずれあり」の場合とで温度分布を比較することによって、外的要因に対する強度を検証する(図8(b)参照)。
図8(b)に示すように、条件D1について、位置ずれがない場合と、位置ずれ(外的要因)が付与された場合との間で温度分布の変化が少ないことが分かる。また、条件D4については、実験又はシミュレーションを行うに当たっての条件の影響により温度分布幅が小さくなっているが、外的要因を付与した場合に、その温度分布幅が数倍に増加していることから、ロバスト性は低いと考えられる。
図8(b)に示すように、条件D1について、位置ずれがない場合と、位置ずれ(外的要因)が付与された場合との間で温度分布の変化が少ないことが分かる。また、条件D4については、実験又はシミュレーションを行うに当たっての条件の影響により温度分布幅が小さくなっているが、外的要因を付与した場合に、その温度分布幅が数倍に増加していることから、ロバスト性は低いと考えられる。
以上のことより、通電加熱工程S1では、条件D1、つまり、電極10・10・・・とブランク1の製品部2端部との距離を(+30mm)とし、各電極10の長手方向の長さを(ブランク幅+1.5%)とし、電極間距離が最小となる電極10・10間に付与する電位差を(−5%)として通電加熱を実施することが好ましいことが分かる。
これによれば、ロバスト性の良い安定した通電加熱を実現でき、通電加熱工程S1を一連のホットプレス成形工程に導入した場合にも、外的要因によらずに均一な加熱を実現することが可能となる。
これによれば、ロバスト性の良い安定した通電加熱を実現でき、通電加熱工程S1を一連のホットプレス成形工程に導入した場合にも、外的要因によらずに均一な加熱を実現することが可能となる。
また、通電加熱工程S1により加熱されるブランク1では、ブランク1の歩留まり、加工コスト、用意する電極の個数等を考慮して、補助部5の形状を直角三角形状とし、必要最低限の個数により構成しているが、補助部5の端部、つまりブランク補助部5a・5aの境界部分には、ブランク1の内側に向けて切り欠かれる直角部位が存在する。
これにより、ホットプレス成形時の曲げ成形量が大きい場合に、前記直角部位に応力が集中することによって割れが生じる可能性がある。このような割れが補助部5に生じた場合、ブランク1の製品部2にも割れが広がる場合があり、成形不良に繋がるおそれがある。
以下では、ホットプレス成形時の応力集中を考慮した好ましい実施形態について説明する。
これにより、ホットプレス成形時の曲げ成形量が大きい場合に、前記直角部位に応力が集中することによって割れが生じる可能性がある。このような割れが補助部5に生じた場合、ブランク1の製品部2にも割れが広がる場合があり、成形不良に繋がるおそれがある。
以下では、ホットプレス成形時の応力集中を考慮した好ましい実施形態について説明する。
補助部5、つまり直角三角形状に形成されるブランク補助部5a・5a・・・を、図9に示すように、一体的な平行四辺形状に形成されるブランク補助部5b・5bに変更し、ブランク補助部5b・5bを製品部2の斜面4・4に接続する。
これにより、ブランク1は、製品部2が斜面4・4方向に平行に延出された形状となり、補助部5において直角部位が存在しない形状を実現している。
これにより、ブランク1は、製品部2が斜面4・4方向に平行に延出された形状となり、補助部5において直角部位が存在しない形状を実現している。
また、図9に示すように、ブランク1に通電する場合は、電極10・10・・・を製品部2の平行面3・3と直交する方向に配置する。より具体的には、隣接する電極10・10が通電方向に重ならないように、左右方向に電極幅だけずらした階段状に配置する。なお、この場合も同様に、各電極10はブランク補助部5b・5bに接続される。
これにより、ブランク補助部5a・5a・・・に替えて、ブランク補助部5b・5bをブランク1の製品部2の外周部から外方に向けて設ける場合にも、各対の電極10・10間に挟まれる領域(電極10・10間の通電領域)は、矩形となり、ブランク1の製品部2を含む部位を複数の矩形の組み合わせとすることが可能となる。
これにより、ブランク補助部5a・5a・・・に替えて、ブランク補助部5b・5bをブランク1の製品部2の外周部から外方に向けて設ける場合にも、各対の電極10・10間に挟まれる領域(電極10・10間の通電領域)は、矩形となり、ブランク1の製品部2を含む部位を複数の矩形の組み合わせとすることが可能となる。
上述のように、ブランク1内では、電極10・10・・・に囲まれる空間が矩形となるが、電極10の外側に位置する部位、つまりブランク補助部5bの外周部は電極10・10に囲まれない部位が存在することとなり、係る部位では等電位線が均一に発生しない。
すなわち、図10に示すように、ブランク補助部5b内では、隣接する電極10・10間に発生する等電位線が通電方向と平行にならない部分が存在することとなる。
しかしながら、係る部分は、電極10・10間の通電領域外であることから電極10・10によって囲まれる通電領域への影響が小さいこと、並びに、ブランク1の製品部2の外部に位置することから、対の電極10・10間に形成される矩形内に発生する等電位線への影響、つまり、製品部2への影響を考慮する必要がない。
これにより、ブランク1の製品部2内の加熱均一性を損なうことなく、ホットプレス成形時の割れの発生を抑制できる。
すなわち、図10に示すように、ブランク補助部5b内では、隣接する電極10・10間に発生する等電位線が通電方向と平行にならない部分が存在することとなる。
しかしながら、係る部分は、電極10・10間の通電領域外であることから電極10・10によって囲まれる通電領域への影響が小さいこと、並びに、ブランク1の製品部2の外部に位置することから、対の電極10・10間に形成される矩形内に発生する等電位線への影響、つまり、製品部2への影響を考慮する必要がない。
これにより、ブランク1の製品部2内の加熱均一性を損なうことなく、ホットプレス成形時の割れの発生を抑制できる。
通電加熱工程S1の加熱対象であるブランク1の製品部2の形状は、本実施形態の台形状に限定されるものではなく、例えば、図11に示すようなT形状のもの、図12に示すような弓形状のものでも同様に適用可能である。
ブランク1が図11(a)に示すようなT形状の製品部2を有する場合、ブランク1は非矩形に形成されているが、斜面又は曲面を有さない矩形の組み合わせによって構成されているため、補助部5を設ける必要がない。
例えば、図11(b)に示すように、左右方向を通電方向とする場合には、対向する二つの端面に二対の電極10・10を配置することによって、電極10・10間に挟まれる領域を矩形とすることができ、各電極10の電位を制御することによって、均一加熱を実現することが可能である。
例えば、図11(b)に示すように、左右方向を通電方向とする場合には、対向する二つの端面に二対の電極10・10を配置することによって、電極10・10間に挟まれる領域を矩形とすることができ、各電極10の電位を制御することによって、均一加熱を実現することが可能である。
ブランク1が図12(a)に示すような弓形状の製品部2を有する場合、中央部において曲面部が形成されている。
例えば、図12(b)に示すように、上下方向を通電方向とする場合には、曲面部において、補助部5を設け、曲面部の端面から上下方向に適宜ブランク補助部5a・5a・・・を延出することによって、複数の矩形の組み合わせとすることが可能である。そして、同様に各電極10の電位を制御することによって、均一加熱を実現することが可能である。
例えば、図12(b)に示すように、上下方向を通電方向とする場合には、曲面部において、補助部5を設け、曲面部の端面から上下方向に適宜ブランク補助部5a・5a・・・を延出することによって、複数の矩形の組み合わせとすることが可能である。そして、同様に各電極10の電位を制御することによって、均一加熱を実現することが可能である。
以上のように、長さの異なる対向面、曲面、斜面等を有することにより非矩形に形成される製品部を有するブランクの形状によらず、本実施形態の通電加熱工程S1を適用することが可能である。
また、上述のように、生産ラインに導入することを考慮する場合、割れを考慮する場合には、同様の技術思想を適用することによって、ブランクの製品形状に応じて好ましい実施形態を採用することが可能である。
また、上述のように、生産ラインに導入することを考慮する場合、割れを考慮する場合には、同様の技術思想を適用することによって、ブランクの製品形状に応じて好ましい実施形態を採用することが可能である。
[第二実施形態]
以下では、本発明の通電加熱方法の第二実施形態として、図13〜図15を参照して、ブランク21に通電し、加熱する通電加熱工程S2について説明する。
ブランク21は、通電加熱工程S2における加熱対象であり、導電性を有し、かつ、焼き入れ可能な素材(鋼材等)により構成されている。
なお、説明の便宜上、図13における上下方向及び左右方向をブランク21の上下方向及び左右方向として以下の説明を行う。
以下では、本発明の通電加熱方法の第二実施形態として、図13〜図15を参照して、ブランク21に通電し、加熱する通電加熱工程S2について説明する。
ブランク21は、通電加熱工程S2における加熱対象であり、導電性を有し、かつ、焼き入れ可能な素材(鋼材等)により構成されている。
なお、説明の便宜上、図13における上下方向及び左右方向をブランク21の上下方向及び左右方向として以下の説明を行う。
図13に示すように、ブランク21は、製品形状と同一の形状に形成される、つまり、第一実施形態におけるブランク1の製品部2のみによって構成される非矩形状(台形状)に形成される平板部材である。
ブランク21は、厚み方向視にて、平行に対向する二辺とその二辺を繋ぐ二つの斜辺により台形状に形成される。つまり、ブランク21の端面には、二つの平行面23・23と、二つの斜面24・24とがそれぞれ対向するように形成されている。
ブランク21は、厚み方向視にて、平行に対向する二辺とその二辺を繋ぐ二つの斜辺により台形状に形成される。つまり、ブランク21の端面には、二つの平行面23・23と、二つの斜面24・24とがそれぞれ対向するように形成されている。
通電加熱工程S2では、図14に示すように、一対の電極30・30及び電極補助部材31・31を用いてブランク21に通電し、加熱する。
電極30・30及び電極補助部材31は、これらを構成要素として含む通電加熱装置として、所定位置に据置配置されており、係る通電加熱装置にブランク21を移送し、通電加熱装置に設置することにより、通電加熱工程S2が行われる。
電極30・30及び電極補助部材31は、これらを構成要素として含む通電加熱装置として、所定位置に据置配置されており、係る通電加熱装置にブランク21を移送し、通電加熱装置に設置することにより、通電加熱工程S2が行われる。
電極30・30は、ブランク21を厚み方向両側からクランプするクリップ式の電極部材であり、その一方はプラス電極、他方はマイナス電極として用いられる。電極30・30は、一方向を長手方向とする棒状のバー電極として構成される。電極30・30は、所望の電流を供給可能な電源装置に接続されており、当該電源装置を作動することによって電極30・30間に電位差を発生させて、ブランク21に通電する。
図14に示すように、各電極30は、ブランク21の各平行面23に沿って対向するように配置され、かつ、各平行面23と接続可能に配置される。つまり、通電加熱工程S2において、対の電極30・30による通電方向は、左右方向である。
ここで、対向するように配置される各電極30の長手方向の長さ(上下方向の幅)は同一となるように設定されている。
ここで、対向するように配置される各電極30の長手方向の長さ(上下方向の幅)は同一となるように設定されている。
図14に示すように、一側(図示において左側であり、台形状に形成されるブランク21の短い方の平行面23側)の電極30には、電極補助部材31・31が接続されている。
電極補助部材31は、ブランク21と同等の電気抵抗を有するように構成されている。すなわち、電極補助部材31に通電する場合と、ブランク21に通電する場合とで同様の等電位線が発生するように、電極補助部材31の材料、厚み等が適宜決定される。
電極補助部材31は、ブランク21と同等の電気抵抗を有するように構成されている。すなわち、電極補助部材31に通電する場合と、ブランク21に通電する場合とで同様の等電位線が発生するように、電極補助部材31の材料、厚み等が適宜決定される。
図14に示すように、電極補助部材31・31は、直角三角形状に形成され、ブランク21の斜面24・24と一側の電極30との間に形成される空間を埋めるように配置される。つまり、ブランク21と電極補助部材31・31とで一つの矩形を形成している。
なお、電極補助部材31・31とブランク21との接続形態は、通電によってブランク21に生じる影響を考慮して適宜採用し得るものであり、例えば、電極補助部材31をブランク21の端部に上方から押し当てる形態、電極補助部材31の接続部をクランプ式にしてブランク21の端部を厚み方向両側から挟持する形態等が好ましい。特に、通電加熱により湾曲することが知られているため、電極補助部材31・31とブランク21との接続を確保できる上記クランプによる挟持形態がより好ましい。
なお、電極補助部材31・31とブランク21との接続形態は、通電によってブランク21に生じる影響を考慮して適宜採用し得るものであり、例えば、電極補助部材31をブランク21の端部に上方から押し当てる形態、電極補助部材31の接続部をクランプ式にしてブランク21の端部を厚み方向両側から挟持する形態等が好ましい。特に、通電加熱により湾曲することが知られているため、電極補助部材31・31とブランク21との接続を確保できる上記クランプによる挟持形態がより好ましい。
以上のように、通電加熱工程S2では、電極30・30及び電極補助部材31・31を用いて、非矩形に形成されるブランク21を通電加熱する。
電極補助部材31・31により、電極30・30間に挟まれる通電領域が矩形状となるため、図15に示すように、電極補助部材31・31及びブランク1を含む部材全体に対して平行、かつ、等間隔の等電位線が発生する。
従って、通電加熱工程S2によれば、非矩形に形成されるブランク21全体を均一に加熱することが可能となる。
なお、第二実施形態に係る通電加熱工程S2においても、第一実施形態に係る通電加熱工程S1と同様にブランク21の形状は限定されるものではない。
電極補助部材31・31により、電極30・30間に挟まれる通電領域が矩形状となるため、図15に示すように、電極補助部材31・31及びブランク1を含む部材全体に対して平行、かつ、等間隔の等電位線が発生する。
従って、通電加熱工程S2によれば、非矩形に形成されるブランク21全体を均一に加熱することが可能となる。
なお、第二実施形態に係る通電加熱工程S2においても、第一実施形態に係る通電加熱工程S1と同様にブランク21の形状は限定されるものではない。
第一実施形態では、ブランク1側に補助部5を設けることによって、対の電極によって囲まれた通電領域を矩形状に形成しているが、第二実施形態では、電極30側に電極補助部材31・31を設けることによって、対の電極によって囲まれた通電領域を同様に矩形状に形成している。
このように、本発明は、一対又は複数対の電極を用いて、非矩形のブランクを通電加熱する際に、各電極対によって囲まれる領域を矩形又は複数の矩形の組み合わせとすることによって、均一な通電加熱を提供するものである。
このように、本発明は、一対又は複数対の電極を用いて、非矩形のブランクを通電加熱する際に、各電極対によって囲まれる領域を矩形又は複数の矩形の組み合わせとすることによって、均一な通電加熱を提供するものである。
1、21 ブランク
2 製品部
5 補助部
5a、5b ブランク補助部
10、30 電極
31 電極補助部
2 製品部
5 補助部
5a、5b ブランク補助部
10、30 電極
31 電極補助部
Claims (5)
- 非矩形の製品部を含むブランクに通電することにより、当該ブランクを加熱する通電加熱方法であって、
前記ブランクの対向する両端部に対のバー電極を平行に配置し、
前記対のバー電極の幅を同一にするとともに、当該対のバー電極に挟まれる前記ブランクの領域を矩形に形成する通電加熱方法。 - 前記ブランクにおける非矩形の製品部の端部から外方へ延出する補助部を設け、
前記補助部により、前記ブランクを矩形又は複数の矩形の組み合わせに形成する請求項1に記載の通電加熱方法。 - 前記補助部を複数設け、当該補助部により前記ブランクを複数の矩形の組み合わせに形成し、
前記複数の矩形の組み合わせに対して、複数対のバー電極を用意し、
前記複数対のバー電極のうち、電極間距離が最大となる対のバー電極の一側をアース電極として、各電極に付与する電位を、各電極のアース電極からの距離に対して線形となるように制御する請求項2に記載の通電加熱方法。 - 前記バー電極と前記ブランクの製品部の端部との距離を30mm以上に設定し、
前記バー電極の幅を前記ブランクの幅+1.5%に設定し、かつ、
前記複数対のバー電極のうち、電極間距離が最小となる対のバー電極に付与する電位差を所定値の−5%に設定する請求項3に記載の通電加熱方法。 - 前記対のバー電極に、前記ブランクと同等の電気抵抗値を有する補助部を設け、
前記補助部により、前記対のバー電極とブランクとの間に形成される空間を埋めることによって、前記対のバー電極に挟まれるブランクの領域を矩形に形成する請求項1に記載の通電加熱方法。
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