JP2013123725A - プレス成形時のブランク局部通電加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】背景技術に係る局部通電加熱方法では、多種多様な被加熱部位毎に特化させた専用装置の設計・製作が必要であり、開発費や設備投資額が嵩む。
【解決手段】ブランク1の周縁部に複数の電極5を配置してなる電極群50のうちから加熱目標部Tg1,Tg2毎に該加熱目標部を交差点部とする直線状の通電経路11〜14、21〜24をなす複数の電極対(通電経路11〜14の各々をなす電極対5c6b,3c3d,1b7a,3b4a及び通電経路21〜24の各々をなす電極対5c4d,4b6d,10b10a,12b9a)を対応電極対として設定し、対応電極対へ順次交番的に、単一の電源からの電力を連続的に切替えて供給する。
【選択図】図1

Description

本発明はプレス成形時のブランク局部通電加熱方法に関し、特に、プレス成形の被加工材として金属板例えば高強度鋼板から裁断したブランクを、プレス成形する前に加熱して熱間又は温間でプレス成形するホットプレス(別名:ホットスタンピング)工程において、ブランクの局所的加熱が必要な場合に有利に適用しうる局部通電加熱方法に関する。
(A)ホットプレス工程において、特にそれが自動車部品の製造に適用される場合、ブランクの加熱装置としては電気炉やガス炉等の輻射式加熱炉が汎用されている(例えば図3(a))。これらの加熱方式ではブランク(或いはブランク裁断前の板)全体を加熱する事が基本であり、局所的な加熱はできない。また、ブランクの両端に電極を1つずつ配置し、配置した電極でブランクをクランプして通電加熱する方法もある(例えば図3(b))が、これも局所的な加熱は困難である。
尚、図3(a)の例では、ブランク1は、これを輻射式加熱炉2で所定の温度に全体加熱し、金型であるパンチ3とダイ4との間にセットし、これら金型にてプレス加工する事により、成形品10とされる。又、図3(b)の例では、ブランク1は、これを金型であるパンチ3とダイ4との間にセットし、ブランク両端部を2つの電極5の一方と他方とで夫々クランプして電源6から給電して所定の温度に全体加熱し、該加熱後に電極5を外して(アンクランプして)、前記金型にてプレス加工する事により、成形品10とされる。
(B)一方、局所的な加熱の方法としては、高周波誘導加熱(IH)や、加熱ブロックとの接触・熱伝導等の方法が考えられるが、何れの方法も設備が大掛かりとなり、特に、小範囲や複数個所の同時加熱等に難点があった。
(C)又、金属帯板を打抜き、得られたブランクをプレス加工して小物部品に成形する、高速・多段工程の順送プレスをホットプレス成形法にて行う為に、材料送り方向上流側に設けたアイドルステージにブランク形状に合わせた専用の特殊形状電極を設置し、金属帯板内の必要な部分のみを局部加熱する技術が公知である(特許文献1参照)。
特開2005−131665号公報
背景技術(C)では製造対象がブラケット類など小物部品であるから、加熱範囲も小さくて、局部的な発熱から熱伝導により必要部位全体を加熱する事が容易である。然し、加熱の為の電極は、加熱部位毎に個別に専用の電極を設計・製作する必要があり、1枚のブランク上で複数個所を局所加熱する場合には、加熱箇所と同数で且つ夫々が電気的に完全に独立した電源が必要となる。
又、自動車部品の製造設備として考えた場合、多種多様な部品や、4〜5年単位での車種モデルチェンジ等に対応する必要性から、部品毎の専用設備設計や専用治具が不可避となり、開発費や設備投資額が過大となる問題がある。
局部加熱の適用プロセスとしては、高強度鋼板のプレス成形において、剛性向上や他部品との干渉回避の為のエンボス形状や局部的な張出し成形が必要な個所に対して、部分的な熱間又は温間成形を施す工程、或いは、外形抜きやピアシング等の抜き加工部位を局部加熱し、軟化した状態として打抜く工程が挙げられ、それら工程における被加熱部位は多種多様である。
然し、上述の様に、背景技術に係る局部通電加熱方法では、多種多様な被加熱部位毎に特化させた専用装置の設計・製作が必要であり、開発費や設備投資額が嵩むという課題があった。
発明者らは前記課題を解決する為に鋭意検討し、その結果、板状のブランク周縁部に複数の電極を配置し、該複数の電極のうちから加熱目標部を通る直線状の通電経路をなす電極対を複数設定し、該複数の電極対へ単一の電源から順次交番的に電力を供給することにより、多種多様な被加熱部位に対して、単一の装置での局部通電加熱が実現可能であるという知見を得て、以下の要旨構成になる本発明を成した。
(1)ブランクを局所的に加熱する局部通電加熱方法であって、前記ブランクの周縁部に複数の電極を配置してなる電極群のうちから加熱目標部毎に該加熱目標部を交差点部とする直線状の通電経路をなす複数の電極対を対応電極対として設定し、夫々の対応電極対へ順次交番的に、単一の電源からの電力を連続的に切替えて供給することを特徴とするプレス成形時のブランク局部通電加熱方法。
(2)異なる複数の加熱目標部に対して、夫々の対応電極へ順次交番的に電力を切替えて供給することを特徴とする前記(1)に記載のプレス成形時のブランク局部通電加熱方法。
(3)前記通電経路の幅を、該幅方向での前記加熱目標部の幅の1/2以下とすることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のプレス成形時のブランク局部通電加熱方法。
本発明によれば、ホットプレス成形工程において、部品毎の専用治具や装置の設計・製作をすることなく、単一の電源設備で同一ブランクを局部加熱することが可能となる。また、複数箇所を同時に局部加熱することも可能である。
本発明方法の実施形態の一例を示す概略図である。 本発明方法の実施に用いる局部通電加熱装置の一例を示すブロック図である。 従来のホットプレス成形工程を示す概略図である。
図1は、本発明方法の実施形態の1例を示す概略図であり、図2は、本発明方法の実施に用いる局部通電加熱装置の一例を示すブロック図である。これらの図を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1において、1はブランク(本例ではブランク1は平面形状を矩形状とした鋼板である)、5は複数(本例では計36個)の電極、50は複数の電極5をブランク1の周縁部に配置してなる電極群、1a〜12a,1b〜12b,1c〜6c,1d〜6dは電極5の個体識別記号(以下、個体識別記号がNの電極5は、電極Nとも記し、個体識別記号がNとMの電極5を対にした電極対は、電極対NMと記す)、Tg1、Tg2はブランク1上の位置が異なる加熱目標部、11〜14は加熱目標部Tg1に対応する通電経路、21〜24は加熱目標部Tg2に対応する通電経路である。
図2において、100は対応電極対設定用基礎データ(ブランク形状、加熱目標部の位置とサイズ、加熱目標部の加熱温度)、101は対応電極対を設定する準備ステップ、31はマルチプレクサ制御回路、32は半導体パワースイッチ素子であり、図1或いは図3との同一又は相当部材には同じ符号を付し説明を省略する。
対象とするブランク(鋼板)1の周縁部に電力供給用の複数の電極5を配置して電極群50を構成し、準備ステップ101において、対応電極対設定用基礎データ100を参照して、電極群50のうちから、加熱目標部毎に該加熱目標部を交差点部とする直線状の通電経路をなす複数の電極対を対応電極対として設定する。本例では、加熱目標部Tg1に対しては此処を交差点部とする直線状の通電経路11〜14を対応させるから、これら通電経路11〜14の各々をなす計4対の電極対5c6b,3c3d,1b7a,3b4aが対応電極対として設定され、又、加熱目標部Tg2に対しては此処を交差点部とする直線状の通電経路21〜24を対応させるからこれら通電経路21〜24の各々をなす計4対の電極対5c4d,4b6d,10b10a,12b9aが対応電極対として設定される。
そして、異なる加熱目標部Tg1,Tg2に対して同時に、夫々の対応電極対へ(即ち、加熱目標部Tg1に対してはこれとの対応電極対5c6b,3c3d,1b7a,3b4aへ、加熱目標部Tg2に対してはこれとの対応電極対5c4d,4b6d,10b10a,12b9aへ夫々)順次交番的に、単一の電源6からの電力を連続的に切替えて供給することで、目標加熱部Tg1,Tg2は同時並行的に局部加熱される。
ここで、1つの電極対内の一電極から他電極への通電経路(設定時)は一電極のブランク接触部を他電極のブランク接触部位置へ直線的に移動させてなる移動軌跡であり、該移動軌跡の前記移動の方向と板厚方向とに直交する方向の幅が通電経路の幅である。
準備ステップ101での対応電極対の設定(詳しくは、対応電極対の選定と、選定した対応電極対への電源6からの供給電力回路のオンオフスイッチング仕様の設定)は、マルチプレクサ制御回路31に対して実行される。マルチプレクサ制御回路31は、LED発光表示板等の制御に広範囲に使用されており、設定されたオンオフスイッチング仕様通りに、高速での多接点同時スイッチングが可能である。本発明では図2に示した様に、マルチプレクサ制御回路31と、電源6から各電極5に至る電力供給回路に設けられてマルチプレクサ制御回路31によるオンオフスイッチング制御を受けるスイッチング素子として、大容量で応答の速い、サイリスタ等に代表される半導体パワースイッチ素子32とを組み合わせて構成した局部加熱装置を用いる事で、大容量の単一電源で複数の通電経路への各電流回路の制御が可能となる。尚、電源6としては、大容量低電圧の直流定電流電源が好適である。
加熱目標部である通電経路の交差点部において通電経路の幅や方向は経時的に変化するが、各加熱目標部の箇所では常時通電状態となり、ジュール発熱が継続することになる。これに対して、発熱が全通電時間のうち短時間に限られる他の部位では、通電が停止すると同時に周辺部位への熱伝導により冷却・温度低下が起る。このため、発熱を継続する目標部位のみのピンポイントでの加熱・温度上昇が可能となる。特定の通電経路における発熱と冷却のバランスは、1回の加熱プロセス全体の時間に占める実通電時間の割合で決定され、実通電時間が短いほど温度上昇は少ないことは明白である。このため、1回の通電プロセスに使用される通電経路が多いほど、ピンポイントでの加熱が容易となる。
また、鋼板の電気抵抗率は、正の温度依存性を有しており、温度上昇とともに電気抵抗は増加する。通電経路を電気抵抗が直列に接続した電気回路とみなした場合、温度上昇による抵抗値増加箇所は、
発熱量Q∝抵抗値R×(電流値I)
なる公式により、他の部位よりも発熱量が増加する。この現象は、通電プロセスの初期の通電で、通電経路に沿った一次元的な発熱分布が存在する場合に、特に重要となる。
通電プロセスの後期となり、発熱箇所が点状に集束してきた場合、その周囲で電位分布は電気抵抗率の温度依存性の所為で等価ではなくなり、ブランク上の電流は最短経路ではなく抵抗値最小の経路に沿って流れる。具体的には、抵抗率の増加程度に応じて発熱箇所を迂回するような電流経路が追加される。そこで、この迂回電流を予め想定し、通電経路の幅を該幅方向での加熱目標部の幅より小さくすること、例えば加熱目標部の幅の50%程度以下とすることが好ましい。
ホットプレス工程へ本発明を適用するには、当然ながら、図3(b)において、図3(b)の電極5、電源6の組合わせを廃し、これに代えて、図1、図2の電極群50、電源6、半導体パワースイッチ素子32、マルチプレクサ制御回路31の組合わせを採用すればよい。
図1、図2に示した実施形態例に則り、ブランク1を直接通電加熱し、所定時間後の表面温度分布をサーモビュワーで観測した。ブランク1には、板厚1.6mmのJSC590(JFS A 2001相当)クラスの冷延鋼板から切り出したサンプルを用い、加熱目標部の目標到達温度は500℃に設定した。設定した通電経路の幅は該幅方向での加熱目標部の幅に対し、40〜45%の範囲内であった。
その結果、通電合計時間10秒で、2つの加熱目標部Tg1,Tg2とも、目標温度500℃に到達し、ピンポイント加熱が達成された。
1 ブランク(例:鋼板)
2 輻射式加熱炉
3 パンチ
4 ダイ
5 電極
6 電源
10 成形品
11,12,13,14,21,22,23,24 通電経路
31 マルチプレクサ制御回路
32 半導体パワースイッチ素子
50 電極群
Tg1,Tg2 加熱目標部
100 対応電極対設定用基礎データ
101 準備ステップ

Claims (3)

  1. ブランクを局所的に加熱する局部通電加熱方法であって、前記ブランクの周縁部に複数の電極を配置してなる電極群のうちから加熱目標部毎に該加熱目標部を交差点部とする直線状の通電経路をなす複数の電極対を対応電極対として設定し、夫々の対応電極対へ順次交番的に、単一の電源からの電力を連続的に切替えて供給することを特徴とするプレス成形時のブランク局部通電加熱方法。
  2. 異なる複数の加熱目標部に対して、夫々の対応電極へ順次交番的に電力を切替えて供給することを特徴とする請求項1に記載のプレス成形時のブランク局部通電加熱方法。
  3. 前記通電経路の幅を、該幅方向での前記加熱目標部の幅の1/2以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス成形時のブランク局部通電加熱方法。
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