JP2011183409A - 複合材、複合材を用いた銅合金の鋳造方法、及び銅合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄粉を溶銅に適切に溶解させると共に、鉄の酸化に起因する製品品質の劣化を抑制することのできる複合材、複合材を用いた銅合金の鋳造方法、及び銅合金を提供する。
【解決手段】本発明に係る複合材1は、銅合金の鋳造において溶銅に添加される複合材1であって、鉄粉10と、鉄粉10を包み込む外皮部12とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る複合材1は、銅合金の鋳造において溶銅に添加される複合材1であって、鉄粉10と、鉄粉10を包み込む外皮部12とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、複合材、複合材を用いた銅合金の鋳造方法、及び銅合金に関する。特に、本発明は、鉄を含む複合材、鉄を含む複合材を用いた銅合金の鋳造方法、及び銅合金に関する。
従来、溶融銅に鉄系の合金元素を添加する場合、銅−50%鉄の組成を有する粒子状の合金、又は板状、塊状の純鉄を、銅の溶融と同時又は銅の溶解後に溶銅に添加している。例えば、溶解炉の銅又は銅合金の溶湯を鋳型に供給する供給路にて、溶湯に粒子径が50μm乃至2mmの鉄粉を添加して鉄成分の濃度を調整する、鉄を含有する銅合金の溶解鋳造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の鉄を含有する銅合金の溶解鋳造方法によれば、溶解炉と鋳型との間の供給路にて銅又は銅合金の溶湯に所定の粒子径の鉄粉を添加するので、鉄粉の溶解時間を短縮することができる。
しかし、特許文献1に記載の鉄を含有する銅合金の溶解鋳造方法においては、鉄の密度は銅の密度に比べて小さいことから、添加した鉄粉が溶銅表面に浮遊する場合がある。また、鉄の融点は銅の融点より400℃以上高いので、溶解しない鉄粉が溶銅中に残存する場合がある。この場合、溶銅に溶解しない鉄粉の表面が酸化し、ノロとして溶銅の凝固時に鋳塊に混入するので、鋳塊の品質を劣化させることがある。また、鉄粉の酸化により添加した鉄の添加歩留りが低下する。すなわち、特許文献1に記載の鉄を含有する銅合金の溶解鋳造方法においては、添加した鉄粉の酸化に起因する鋳塊の品質の低下、及び添加した鉄の歩留りの低下を抑制することは困難である。
したがって、本発明の目的は、上記のように銅への添加が非常に困難な元素である鉄を銅に適切に添加するため、鉄粉を溶銅に適切に溶解させると共に、鉄の酸化に起因する製品品質の劣化を抑制することのできる複合材、当該複合材を用いた銅合金の鋳造方法、及び銅合金を提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するため、銅合金の鋳造において溶銅に添加される複合材であって、鉄粉と、鉄粉を包み込む外皮部とを備える複合材が提供される。
(2)また、上記複合材は、外皮部は、中空形状を有し、鉄粉は、外皮部の内側に充填されてもよい。
(3)また、上記複合材は、鉄粉は、0.5mm以下の粒径を有し、外皮部は、1.0mm以下の厚さを有する銅、又は0.5mm以下の厚さを有する鉄から形成されることができる。
(4)また、上記複合材は、線状、板状、条状、又は棒状に形成されてもよい。ここで、板状とは、比較的厚く切り板状に加工した連続体を言い、条状とは、比較的薄く(例えば、1.0mm以下)加工した連続体を言う。
(5)また、本発明は、上記目的を達成するため、鉄粉と、鉄粉を包み込む外皮部とを有する複合材を準備する複合材準備工程と、複合材を溶銅に投入する投入工程と、複合材が投入された溶銅を鋳造し、鋳塊を形成する鋳造工程とを備える銅合金の鋳造方法が提供される。
(6)また、上記銅合金の鋳造方法は、複合材準備工程は、中空形状の外皮部を有し、外皮部の内側に鉄粉が充填されている複合材を準備することができる。
(7)また、上記銅合金の鋳造方法は、複合材準備工程は、0.5mm以下の粒径の鉄粉と、1.0mm以下の厚さを有する銅、又は0.5mm以下の厚さを有する鉄から形成される外皮部とを有する複合材を準備することもできる。
(8)また、上記銅合金の鋳造方法は、投入工程は、溶銅に複合材を連続的若しくは間欠的に投入することもできる。
(9)また、本発明は上記目的を達成するため、(5)〜(8)のいずれか1つに記載の銅合金の鋳造方法により製造される銅合金が提供される。
本発明に係る複合材、銅合金の鋳造方法、及び銅合金によれば、鉄粉を溶銅に適切に溶解させると共に、鉄の酸化に起因する製品品質の劣化を抑制することのできる複合材、銅合金の鋳造方法、及び銅合金を提供できる。
[実施の形態の要約]
銅と不可避的不純物とを含む銅合金の鋳造工程にて添加される鉄を含む複合材において、鉄粉と、前記鉄粉を包み込む外皮部とを備える複合材が提供される。
銅と不可避的不純物とを含む銅合金の鋳造工程にて添加される鉄を含む複合材において、鉄粉と、前記鉄粉を包み込む外皮部とを備える複合材が提供される。
[実施の形態]
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る複合材の斜視断面の概要を示し、(b)は、本発明の実施の形態の変形例に係る複合材の斜視断面の概要を示す。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る複合材の斜視断面の概要を示し、(b)は、本発明の実施の形態の変形例に係る複合材の斜視断面の概要を示す。
本実施の形態に係る複合材1は、銅と不可避的不純物とを含む銅合金の鋳造工程にて溶銅に添加される鉄を含む複合材である。具体的に、図1(a)を参照すると、複合材1は、鉄粉10と、鉄粉10を包み込む外皮部12とを備える。本実施の形態において外皮部12は金属からなり、中空を有して形成される。そして、鉄粉10は、外皮部12の内側、すなわち、中空部分に充填される。例えば、外皮部12は、銅又は鉄等の金属の条を丸め(若しくは折り曲げ加工を施し)、条の一端と他端とを接合することにより形成される。一端と他端との接合部分には、加工部14が形成される。
ここで、外皮部12を銅から形成する場合、複合材1を溶銅に融解させた場合に溶銅中に融解する鉄の比率の低下を防止することを目的として、外皮部12は、1.0mm以下の厚さを有して形成される。例えば、外皮部12は、1.0mm以下の厚さを有する銅条に折り曲げ加工等を施すと共に、一端と他端とを接合することにより形成される。
また、外皮部12を鉄から形成する場合、複合材1を溶銅中に投入した場合に鉄粉10を溶銅に融解させやすくすることを目的として、0.5mm以下の粒径を有する鉄粉10を用いる。また、外皮部12は、0.5mm以下の厚さを有する鉄から形成される。例えば、外皮部12は、0.5mm以下の厚さを有する鉄条に折り曲げ加工等を施すと共に、一端と他端とを接合することにより形成される。
なお、複合材は、例えば、図1(b)に示すように、断面が長方形状の板状の複合材1aに形成することもできる。更に、複合材は、条状、又は棒状に形成することもできる。また、複合材1の形状を線材にする場合、溶銅に複合材1を連続的に投入することができる。
(銅合金の鋳造方法)
図2Aは、本発明の実施の形態に係る銅合金の鋳造の流れの一例を示す。また、図2Bは、本発明の実施の形態に係る銅合金の鋳造に用いる装置の概要を示す。
図2Aは、本発明の実施の形態に係る銅合金の鋳造の流れの一例を示す。また、図2Bは、本発明の実施の形態に係る銅合金の鋳造に用いる装置の概要を示す。
まず、本実施の形態に係る複合材1を準備する(複合材準備工程、ステップ10、以下、ステップを「S」とする)。そして、図2Bに示すように複合材1は、線材ペイオフ舞輪2にセットされ、線材投入機4により溶解ルツボ炉8の溶銅6へ投入される(投入工程、S12)。これにより、溶銅6に鉄が融解する。なお、投入工程においては、線状の複合材1を溶銅6に連続的若しくは間欠的に投入することができる。ここで、「間欠的」とは、所定の時間、複合材1を溶銅6に投入し続けた後、所定の時間は投入しないようにすることを言う。また、溶銅6には製造すべき銅合金の組成に応じ、Zn、P等の元素を所定量、添加することもできる。例えば、溶銅6は、無酸素銅、タフピッチ銅、リン脱酸銅等の純銅系の銅を溶解して準備することができる。
次に、複合材1が投入された溶銅6を鋳造することにより、銅合金の鋳塊を形成する(鋳造工程、S14)。これにより、本実施の形態に係る銅合金の鋳塊が製造される。
更に、製造された銅合金の鋳塊に熱間圧延加工を施して圧延材を製造することができる(熱間圧延工程、S16)。次に、圧延材の表面に、研削加工を施す(表面面削り工程、S18)。そして、表面に研削加工を施した圧延材に粗圧延加工を施す(粗圧延工程、S20)。粗圧延加工が施された圧延材に、焼鈍処理(焼鈍工程、S22)、中間圧延処理(中間圧延工程、S24)、時効熱処理(事項熱処理工程、S26)、及び仕上げ圧延処理(仕上げ圧延工程、S28)のそれぞれを施すことにより、例えば、半導体リードフレーム用の銅条を製造することができる。
ここで、溶銅6中における鉄の融解速度は、複合材1が線材である場合、複合材1の溶銅6への投入速度で考えると、0.01mm/s〜0.05mm/s程度と想定される。したがって、例えば、1分以内に鉄粉10を溶銅6に融解させることにより鉄の熔融酸化を防止すべく、鉄粉10の直径は0.5mm以下にすることが好ましく、外皮部12を鉄から形成する場合、外皮部12を構成する鉄条の厚さは0.5mm以下であることが好ましい。
また、外皮部12を銅から形成すると共に、複合材1の断面が円形である線材形状の場合、複合材1の外径を10mmにし、外皮部12の厚さを1mmを超える厚さにすると、鉄粉比率が50%以下になることから、鉄粉10の比率を50%以上に維持すべく、外皮部12の厚さは1mm以下にすることが好ましい。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る複合材1は、外皮部12の内側に鉄粉10を包み込むので、複合材1を溶銅に投入した場合に、鉄粉10の溶け始めと溶け終わりとのいずれもが溶銅中にて進行する。したがって、鉄粉10は外気に触れないので、鉄粉10が酸化することがなく、ノロの発生を防止することができる。これにより、本実施の形態に係る複合材1によれば、添加した鉄の歩留りを向上させることができると共に、酸化した鉄がノロとして鋳塊に混入することを防止できるので、最終的に得られる製品の品質を向上させることができる。
本実施の形態に係る複合材1は、外皮部12の内側に鉄粉10を包み込むので、複合材1を溶銅に投入した場合に、鉄粉10の溶け始めと溶け終わりとのいずれもが溶銅中にて進行する。したがって、鉄粉10は外気に触れないので、鉄粉10が酸化することがなく、ノロの発生を防止することができる。これにより、本実施の形態に係る複合材1によれば、添加した鉄の歩留りを向上させることができると共に、酸化した鉄がノロとして鋳塊に混入することを防止できるので、最終的に得られる製品の品質を向上させることができる。
実施例1に係る複合材1として、直径が約100μmのアトマイズ鉄粉を0.5mmの厚さを有する銅条で包み込むことにより、外径10.3mmの銅/鉄粉複合線材を作製した。一方、約15tの溶銅(ただし、溶銅の温度は1200℃に設定した)を溶解ルツボ炉8に準備した。そして、製造すべき銅合金中における鉄の濃度が2.15%になるように、約1200mの銅/鉄粉複合線材を溶銅中に投入した。ここで溶銅の投入速度は約20m/分に設定した。
また、実施例1において製造した銅合金は、ASTM規格 C194組成に合致する銅合金である。したがって、銅/鉄粉複合線材の他に、所定量のZn及びPを溶銅に添加することにより溶銅の成分を調整した。続いて、成分が調整された溶銅を、180mmの厚さ、620mmの幅を有する水冷鋳型に連続的に鋳造することにより、約6.5mの長さを有する実施例1に係る鋳塊を製造した。ここで、鋳塊の鉄の濃度は、分析の結果、2.12%であった。製造すべき銅合金中における鉄の濃度の目標値は2.15%であったので、鉄の添加歩留りは98.6%であった。
ここで、上記と同様に10回の鋳造を実施した結果、鉄の添加歩留りは97.5%〜99.0%であり、ばらつきも少ない結果であった。なお、比較例として、溶銅に鉄粉を添加する方法で銅合金を鋳造した結果、鉄の添加歩留りは約93%であった。したがって、実施例1に係る方法で製造した銅合金の鋳塊においては、比較例に係る銅合金の鋳塊に比べ、鉄の添加歩留まりが約5%改善されていることが示された。
次に、得られた銅合金の鋳塊に熱間圧延加工を施して圧延材を製造した。続いて、圧延材の表面に、研削加工を施した。そして、表面に研削加工を施した圧延材に粗圧延加工を施した。続いて、粗圧延加工が施された圧延材に、焼鈍処理、中間圧延処理、時効熱処理、及び仕上げ圧延処理のそれぞれを施した。これにより、0.125mmの厚さを有する最終製品形状としての半導体リードフレーム用の銅条を製造した。
この半導体リードフレーム用の銅条の表面欠陥を、CCD方式を用いて検査した。その結果、鉄の酸化物が混入することに起因する鋳塊1本あたりの欠陥は、10鋳塊平均で0.5個/本であった。一方、比較例に係る銅合金の鋳塊から製造した半導体リードフレーム用の銅条について表面欠陥を検査したところ、鋳塊1本あたりの欠陥は、1.5個/本であった。すなわち、実施例1に係る銅合金鋳塊においては、欠陥の個数は比較例の三分の一に低減できることが示された。
実施例2に係る複合材1として、直径が約100μmのアトマイズ鉄粉を0.2mmの厚さを有する鉄条(ただし、SPCC規格の鉄条)で包み込むことにより、外径10.3mmの鉄/鉄粉複合線材を作製した。一方、約15tの溶銅(ただし、溶銅の温度は1200℃に設定した)を溶解ルツボ炉8に準備した。そして、製造すべき銅合金中における鉄の濃度が2.15%になるように、約860mの鉄/鉄粉複合線材を溶銅中に投入した。ここで溶銅の投入速度は約10m/分に設定した。
また、実施例2において製造した銅合金は実施例1と同様に、ASTM規格 C194組成に合致する銅合金である。したがって、鉄/鉄粉複合線材の他に、所定量のZn及びPを溶銅に添加することにより溶銅の成分を調整した。続いて、成分が調整された溶銅を、180mmの厚さ、620mmの幅を有する水冷鋳型に連続的に鋳造することにより、約6.5mの長さを有する実施例2に係る鋳塊を製造した。ここで、鋳塊の鉄の濃度は、分析の結果、2.11%であった。製造すべき銅合金中における鉄の濃度の目標値は2.15%であったので、鉄の添加歩留りは98.1%であった。
ここで、上記と同様に10回の鋳造を実施した結果、鉄の添加歩留りは97.6%〜98.9%であった。したがって、実施例2に係る方法で製造した銅合金の鋳塊においても実施例1と同様に、比較例に係る銅合金の鋳塊に比べ、鉄の添加歩留りを約5%改善できることが示された。
次に、得られた銅合金の鋳塊に熱間圧延加工を施して圧延材を製造した。続いて、圧延材の表面に、研削加工を施した。そして、表面に研削加工を施した圧延材に粗圧延加工を施した。続いて、粗圧延加工が施された圧延材に、焼鈍処理、中間圧延処理、時効熱処理、及び仕上げ圧延処理のそれぞれを施した。これにより、0.125mmの厚さを有する最終製品形状としての半導体リードフレーム用の銅条を製造した。
この半導体リードフレーム用の銅条の表面欠陥を、CCD方式を用いて検査した。その結果、鉄の酸化物が混入することに起因する鋳塊1本あたりの欠陥は、10鋳塊平均で0.6個/本であった。したがって、実施例2に係る銅合金鋳塊においては、欠陥の個数は比較例の約三分の一に低減できることが示された。
なお、実施例1に係る複合材1の溶銅6への投入時間は60分であり、実施例2に係る複合材1の溶銅6への投入時間は86分であった。実施例1のように銅/鉄粉複合線材を用いる場合、外皮部12である銅条の厚さを厚くすると、複合材1の鉄粉の割合は相対的に低下する。したがって、この場合、製造すべき銅合金中における鉄の濃度を所定値に維持すべく、溶銅6に投入する複合材1の長さが実施例1の場合に比べて長くなると共に、溶銅6への投入時間も長くなる。これにより、銅合金の製造の作業効率が低下するので、複合材1の外皮部12としての銅条の厚さは1mm以下にすることが好ましい。
一方、実施例2のように鉄/鉄粉複合線材を用いる場合、外皮部12としての鉄条の厚さ、及び鉄粉の粒径を増大させると、外皮部12と鉄粉10との双方を溶銅6に完全に融解させるべく、複合材1の溶銅6への投入速度を低下させることを要する。したがって、この場合、複合材1の溶銅6への投入時間が増大することに伴い、銅合金の製造の作業効率が低下することから、鉄粉10の粒径を0.5mm以下にすると共に、鉄条の厚さを0.5mm以下にすることが好ましい。なお、作業効率を考慮しない場合、実施例1及び実施例2の双方において、鉄粉10の粒径の大きさ、外皮部12の厚さは適宜設定することができる。
なお、実施例1及び実施例2においては、ASTM規格 C194組成に合致する銅合金を製造したが、製造すべき銅合金の組成はASTM規格 C194組成に限られず、他の組成の銅合金を製造することもできる。
(実施例1及び実施例2の効果)
実施例1及び実施例2に係る銅合金においては、溶銅6に添加した鉄の添加歩留りを向上させることができると共に、銅合金の表面欠陥を低減できることが示された。なお、キズ等の表面欠陥を除いた場合、表面欠陥の80%程度はノロに起因すると考えられるので、実施例1及び実施例2の結果により、ノロを低減することで表面欠陥を低減できることが示された。また、C194合金の品質上の課題である鉄の異常晶出に起因するストリンガー異常不良についても改善されていることを確認した(なお、ストリンガー異常不良についての定量的な評価は困難であることから、ここでは数値的な議論を省略する)。また、ストリンガー異常不良は、鉄中の炭素含有量に関係しているので、鉄粉10としては、炭素含有量の少ない還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、SPCC規格鉄条、ホウロウ用鉄条を用いることがより好ましい。
実施例1及び実施例2に係る銅合金においては、溶銅6に添加した鉄の添加歩留りを向上させることができると共に、銅合金の表面欠陥を低減できることが示された。なお、キズ等の表面欠陥を除いた場合、表面欠陥の80%程度はノロに起因すると考えられるので、実施例1及び実施例2の結果により、ノロを低減することで表面欠陥を低減できることが示された。また、C194合金の品質上の課題である鉄の異常晶出に起因するストリンガー異常不良についても改善されていることを確認した(なお、ストリンガー異常不良についての定量的な評価は困難であることから、ここでは数値的な議論を省略する)。また、ストリンガー異常不良は、鉄中の炭素含有量に関係しているので、鉄粉10としては、炭素含有量の少ない還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、SPCC規格鉄条、ホウロウ用鉄条を用いることがより好ましい。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1、1a 複合材
2 線材ペイオフ舞輪
4 線材投入機
6 溶銅
8 溶解ルツボ炉
10 鉄粉
12 外皮部
14 加工部
2 線材ペイオフ舞輪
4 線材投入機
6 溶銅
8 溶解ルツボ炉
10 鉄粉
12 外皮部
14 加工部
Claims (9)
- 銅合金の鋳造において溶銅に添加される複合材であって、
鉄粉と、
前記鉄粉を包み込む外皮部と
を備える複合材。 - 前記外皮部は、中空形状を有し、
前記鉄粉は、前記外皮部の内側に充填される請求項1に記載の複合材。 - 前記鉄粉は、0.5mm以下の粒径を有し、
前記外皮部は、1.0mm以下の厚さを有する銅、又は0.5mm以下の厚さを有する鉄から形成される請求項2に記載の複合材。 - 線状、板状、条状、又は棒状に形成される請求項3に記載の複合材。
- 鉄粉と、前記鉄粉を包み込む外皮部とを有する複合材を準備する複合材準備工程と、
前記複合材を溶銅に投入する投入工程と、
前記複合材が投入された前記溶銅を鋳造し、鋳塊を形成する鋳造工程と
を備える銅合金の鋳造方法。 - 前記複合材準備工程は、中空形状の前記外皮部を有し、前記外皮部の内側に前記鉄粉が充填されている前記複合材を準備する請求項5に記載の銅合金の鋳造方法。
- 前記複合材準備工程は、0.5mm以下の粒径の前記鉄粉と、1.0mm以下の厚さを有する銅、又は0.5mm以下の厚さを有する鉄から形成される前記外皮部とを有する前記複合材を準備する請求項6に記載の銅合金の鋳造方法。
- 前記投入工程は、前記溶銅に前記複合材を連続的若しくは間欠的に投入する請求項7に記載の銅合金の鋳造方法。
- 請求項5〜8のいずれか1項に記載の銅合金の鋳造方法により製造される銅合金。
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