JP2011182360A - 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器 - Google Patents

固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電源電圧を高くすることなく、受光部の飽和信号電荷量の広範囲での調整を可能とする。
【解決手段】埋込み型のセンサ構造とするためにフォトダイオード32と表層部との間に設けられたセンサP領域33の電位を可変とする。そして、センサP領域33の電位を制御することによって受光部13の飽和信号電荷量Qsを調整する。具体的には、センサP領域33の電位を微調整することによって製造ばらつきに対するQs調整を実現する。あるいは、基板バイアス電圧の電圧値によって所定の飽和信号電荷量が設定された状態において、センサP領域33の電位を切り替えることによって駆動モードに応じたQs変調を実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器に関し、特に、CCD(Charge Coupled Device)固体撮像装置に代表される電荷転送型の固体撮像装置、当該固体撮像装置の駆動方法、及び、当該固体撮像装置を有する電子機器に関する。
固体撮像装置、例えば電荷転送型の固体撮像装置の一種であるCCD固体撮像装置は、一般的に、縦型オーバーフロードレイン構造を採っている。縦型オーバーフロードレイン構造は、半導体基板、例えばN型の基板上に形成したPウェル内に、受光部や電荷転送部等を形成し、基板を正の基板電圧Vsubでバイアスすることで、受光部で生ずる過剰な電荷を基板側に掃き捨てる構造である。以下、基板をバイアスする正の基板電圧Vsubを基板バイアス電圧Vsubと呼ぶこととする。
縦型オーバーフロードレイン構造では、例えば高輝度の被写体を撮像した際に受光部で生ずる過剰な電荷が、オーバーフローバリアを乗り越えて基板側に溢れ出すために、受光部の井戸に蓄積される信号電荷量が飽和する。オーバーフローバリアの高さ(ポテンシャル)は、基板バイアス電圧Vsubの電圧値によって決まる。
換言すれば、受光部の飽和信号電荷量Qsは、基板バイアス電圧Vsubの電圧値によって決まる。具体的には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値が高いと、オーバーフローバリアの高さが低くなり、受光部の飽和信号電荷量Qsが減少する。逆に、基板バイアス電圧Vsubの電圧値が低いと、オーバーフローバリアの高さが高くなり、受光部の飽和信号電荷量Qsが増加する。
ここで、画素アレイ部中の一部の画素に強い光が入射し、当該画素の受光部で発生する信号電荷量が飽和信号電荷量Qsを越えるとき、周囲の受光部、転送部とのバリアがオーバーフローバリアよりも低いと、次のような現象が発生する。すなわち、過剰な電荷はオーバーフローバリアで掃き捨てられずに周囲の受光部、転送部に流れ込み、偽信号として現れるブルーミング現象が発生する。したがって、オーバーフローバリアの高さを決める基板バイアス電圧Vsubの電圧値を適正に設定することが重要である。
ところで、受光部の飽和信号電荷量Qsは、製造ばらつきによってデバイス(固体撮像装置)毎に異なる。そのため、固体撮像装置においては、製造ばらつきに対して受光部の飽和信号電荷量Qsがデバイス毎に同じになるように、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を調整するようにしている(例えば、特許文献1参照)。以下では、この製造ばらつきに対する飽和信号電荷量Qsの調整をQs調整と呼ぶこととする。
また、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を固体撮像装置の駆動モードによって変える技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。例えば、全画素の信号を独立に読み出す静止画モードと、画素の信号をあらかじめ決められた画素間で加算して読み出す動画モードとで、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を切り替えることにより、1画素あたりの飽和信号電荷量Qsを変更するようにしている。
一例として、動画モードでは、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を切り替えて1画素あたりの飽和信号電荷量Qsを静止画モードの場合よりも少なくするようにしている。これは、画素間で加算したときの信号電荷量が電荷転送部の飽和信号電荷量を越えないようにするためである。以下では、駆動モードに応じた飽和信号電荷量Qsの変更(変調)をQs変調と呼ぶこととする。
特許第3635681号公報 特許第3440722号公報
ところで、近年要求される固体撮像装置の多画素化、画素の微細化が進むと、素子分離領域や受光領域のサイズも小さくなり、線幅ばらつきによる各部のポテンシャル変動の影響は相対的に大きくなる。すなわち、画素の微細化に伴い、製造ばらつきによる受光部の飽和信号電荷量Qsのデバイス毎のばらつきが大きくなる傾向にある。このため、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の調整量も、多画素化、画素の微細化に伴う飽和信号電荷量Qsのばらつきに応じて大きくなってきているのが現状である。
また、多画素の静止画撮像と高速な動画撮像とを両立させるために、加算数(加算する画素数)の多い駆動モードの必要性も強まっている。これにより、飽和信号電荷量Qsの変調量(調整量)、即ち、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の調整量を拡大するという必要性も増している。
そして、デバイス毎の基板バイアス電圧Vsubの電圧値のばらつきの拡大と、駆動モードによる基板バイアス電圧Vsubの電圧値の変調量の拡大により、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の調整範囲を拡大する必要性が高まっている。基板バイアス電圧Vsubの電圧値の調整範囲を拡大するには電源電圧を高くする必要がある。しかし、電源電圧を高くすると、固体撮像装置の消費電力が増大する。
そこで、本発明は、電源電圧を高くすることなく、受光部の飽和信号電荷量の広範囲での調整を可能とする固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板上のウェル領域内に形成された光電変換部、及び、当該光電変換部と表層部との間に設けられた、基板と逆導電型の不純物領域を有する受光部を備える固体撮像装置において、前記不純物領域の電位を制御することによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整する構成を採っている。
基板バイアス電圧は、あらかじめ定められた電圧値により、基板上のウェル領域で形成されるオーバーフロードレイン構造のオーバーフローバリアの高さ(ポテンシャル)を決める。そして、製造ばらつきに対するQs調整、及び、駆動モードに応じたQs変調の両方を基板バイアス電圧の電圧値で行うとした場合、オーバーフローバリアの高さに対応してあらかじめ定められた電圧値を基準として、デバイス毎あるいは駆動モード毎に基板バイアス電圧の電圧値を調整することになる。そのため、基板バイアス電圧の電圧値の調整範囲を拡大すると、必然的に電源電圧が高くなる。
そこで、光電変換部と表層部との間に介在し、一般的に、基板上のウェル領域と同電位に保たれる不純物領域の電位を可変とし、当該不純物領域の電位を制御する。不純物領域の電位が変化することによって受光部の飽和信号電荷量が変動する。したがって、基板バイアス電圧の電圧値によって所定の飽和信号電荷量が設定された状態において、不純物領域の電位を微調整することによって製造ばらつきに対するQs調整を実現できる。また、基板バイアス電圧の電圧値によって所定の飽和信号電荷量が設定された状態において、不純物領域の電位を切り替えることによって駆動モードに応じたQs変調を実現できる。
すなわち、製造ばらつきに対するQs調整、及び、駆動モードに応じたQs変調のいずれの場合にも、所定の飽和信号電荷量は基板バイアス電圧の電圧値によって決められた状態にあり、その状態において不純物領域の電位を微調整または切り替えることになる。したがって、所定の飽和信号電荷量に対応してあらかじめ定められた電圧値を基準として基板バイアス電圧を切り替える場合に比べて低い電源電圧にて、受光部の飽和信号電荷量を広範囲で調整できる。
本発明によれば、光電変換部と基板表面との間に介在する不純物領域の電位を制御し、受光部の飽和信号電荷量を調整することで、電源電圧を高くしなくても、受光部の飽和信号電荷量の広範囲での調整を実現できる。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置を示す概略構成図である。 受光部周辺の構造の一例を示す断面図である。 受光部の基板深さ方向のポテンシャル分布図である。 基板バイアス電圧Vsubの電圧値による制御の場合(A)と、センサP領域の電位による制御の場合(B)の飽和信号電荷量Qsの調整についての説明図である。 参考例に係る駆動方式(従来例に係る駆動方式)の説明に供するタイミングチャートである。 実施例1に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。 実施例2に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。 実施例3に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。 実施例4に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。 実施例5に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。 実施例6に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。 センサP領域に対する電圧印加構造の一例を示す概略構成図である。 センサP領域に対する電圧印加構造の他の例を示す断面図である。 本発明による電子機器の一例である撮像装置の構成例を示すブロック図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本発明の一実施形態に係る固体撮像装置
1−1.固体撮像装置の構成
1−2.受光部周辺の構造
1−3.本実施形態の特徴部分
2.具体的な実施例
2−1.参考例(Qs調整及びQs変調を共にVsub電位で実現)
2−2.実施例1(Qs調整をセンサP領域の電位で実現、Qs変調をVsub電位で実 現)
2−3.実施例2(Qs調整をVsub電位で実現、Qs変調をセンサP領域の電位で実 現)
2−4.実施例3(センサP領域の電位の変調期間で垂直転送部の転送電極を全てL owバイアス)
2−5.実施例4(メカニカルシャッタを閉じた後に、センサP領域の電位を一旦マ イナス側に変調する)
2−6.実施例5(実施例1において垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域 の電位の変調量に合わせてシフト)
2−7.実施例6(実施例2において垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域 の電位の変調量に合わせてシフト)
2−8.センサP領域に対する電圧印加構造
3.変形例
4.適用例(電子機器)
<1.本発明の一実施形態に係る固体撮像装置>
[1−1.固体撮像装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置を示す概略構成図である。ここでは、固体撮像装置として、例えば、電荷転送型の固体撮像装置の一種であるCCD固体撮像装置の場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、CCD固体撮像装置への適用に限られるものではなく、広く、電荷転送型の固体撮像装置全般に対して適用可能である。
図1において、本実施形態に係るCCD固体撮像装置10は、半導体基板、例えばN型基板11上に形成した画素部Pウェル12内に、受光部13、垂直転送部14、読出しゲート部15、水平転送部16及び電荷電圧変換部17が形成された構成となっている。
単位画素を構成する受光部13は、後述するように、例えばPN接合のフォトダイオードを含み、行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)に行列状に2次元配列されて、入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に光電変換して蓄積する。受光部13の具体的な構成の詳細については後述する。
垂直転送部14はCCDからなり、受光部の画素列ごとに配置され、受光部13から読出しゲート部15を介して読み出される信号電荷を垂直方向に転送する。垂直転送部14は、例えば4相の垂直転送クロックφV1〜φV4によって転送駆動され、受光部13から読み出される信号電荷を水平ブランキング期間の一部にて1ライン(1行)に相当する部分ずつ順に水平転送部16に転送する。
水平転送部16はCCDからなり、複数の垂直転送部14の各々の転送先側の端部に沿って設けられている。水平転送部16には、複数の垂直転送部14から1ラインに相当する信号電荷が順に垂直転送される。水平転送部16は、例えば2相の水平転送クロックφH1,φH2によって転送駆動され、垂直転送部14の各々から転送された1ライン分の信号電荷を水平ブランキング期間後の水平走査期間において順次水平方向に転送する。
電荷電圧変換部17は、水平転送部16の転送先側の端部に設けられている。電荷電圧変換部17は、例えば周知のフローティング・ディフュージョン・アンプによって構成されており、水平転送部16によって水平転送されてきた信号電荷を順次電気信号、例えば電圧信号に変換して出力する。
周辺部Pウェル18内には、例えば周知のソースフォロワ回路からなる出力回路19が形成されている。出力回路19は、電荷電圧変換部17から入力される電圧信号を、被写体からの光の入射量に応じたCCD出力Voutとして出力端子20を介して基板11の外部に出力する。
以上により、インターライン転送方式のCCD固体撮像装置10が構成されている。そして、本実施形態に係るCCD固体撮像装置10は、後述するように縦型オーバーフロードレイン構造を採り、上記の各構成要素に加えて、基板バイアス設定部21及び飽和信号電荷量調整部22を例えば基板11の外部に備えている。
ただし、基板バイアス設定部21及び飽和信号電荷量調整部22については、共に基板11の外部に配置する構成に限られるものではなく、それらの一方または両方を、上記の各構成要素と同じ基板11上に集積する構成を採ることも可能である。
基板バイアス設定部21及び飽和信号電荷量調整部22は、外部から与えられる制御(指令)信号に基づいて所定の制御を行う。具体的には、基板バイアス設定部21は、N型基板11に印加する基板バイアス電圧Vsubの電圧値によって受光部13の飽和信号電荷量Qsを設定する。基板バイアス電圧Vsubの電圧値は、縦型オーバーフロードレイン構造のオーバーフローバリアの高さ(ポテンシャル)を決める。
そして、オーバーフローバリアの高さは、受光部13の飽和信号電荷量Qsを決める。すなわち、受光部13の飽和信号電荷量Qsは、基板バイアス電圧Vsubの電圧値によって決まる。具体的には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値が高いと、オーバーフローバリアの高さが低くなり、受光部13の飽和信号電荷量Qsが減少する。逆に、基板バイアス電圧Vsubの電圧値が低いと、オーバーフローバリアの高さが高くなり、受光部13の飽和信号電荷量Qsが増加する。
飽和信号電荷量調整部22は、受光部13の光電変換部と表層部(基板11の表面部)との間に介在する、基板11と逆導電型の不純物領域の電位を制御することによって受光部13の飽和信号電荷量Qsを調整する。この飽和信号電荷量調整部22は本発明の特徴とする構成要素であり、その作用の詳細については後述する。
[1−2.受光部周辺の構造]
図2は、受光部13周辺の構造の一例を示す断面図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図2において、半導体基板、例えばN型基板11の上にP型の画素部ウェル12が形成されている。画素部ウェル12内には、N+ 型の信号蓄積領域31が形成されている。画素部ウェル12及び信号蓄積領域31は、受光部13の光電変換部(光電変換素子)であるPN接合のフォトダイオード32を構成している。
受光部13は、フォトダイオード32と表層部(基板11の表面部)との間に形成された、基板11と逆導電型(画素部ウェル12と同導電型)の薄い不純物領域、即ちP+ 型の領域(以下、「センサP領域」と記述する)33を有する。すなわち、受光部13は、センサP領域33を有することで、フォトダイオード32の空乏層端を界面から離した埋込み型フォトダイオード(HAD(Hole Accumulated Diode;正孔蓄積ダイオード)センサと呼ばれる場合もある)の構成となっている。
受光部13に蓄積される信号電荷eの電荷量は、図3のポテンシャル分布図に示すように、画素部Pウェル12で形成されるオーバーフローバリアOFBのポテンシャルバリアの高さによって決定される。すなわち、オーバーフローバリアOFBは、受光部13に蓄積される飽和信号電荷量Qsを決めるものである。そして、受光部13の蓄積電荷量が飽和信号電荷量Qsを越えた場合に、その越えた分がポテンシャルバリアを越えて基板11側に溢れ出す(掃き出される)。
以上により、縦型オーバーフロードレイン構造の受光部13が構成されている。縦型オーバーフロードレイン構造においては、基板11がオーバーフロードレインとなる。この縦型オーバーフロードレイン構造の受光部13において、飽和信号電荷量Qsは、デバイスのS/N特性や、垂直転送部14の取扱い電荷量などによって決定されるが、製造ばらつきにより、オーバーフローバリアOFBのポテンシャルがばらつく。このオーバーフローバリアOFBのポテンシャルは、オーバーフロードレインバイアス、即ち先述した基板バイアス電圧Vsubによって調整可能である。
受光部13の横には、読出しゲート部15を構成するP型領域、即ち、画素部Pウェル12の一部を介してN+ 型の信号電荷転送領域34が形成され、当該信号電荷転送領域34の下にはP+ 型の不純物拡散領域35が形成されている。P+ 型の不純物拡散領域35は、スミア成分の混入を防止するためのものである。信号電荷転送領域34及び不純物拡散領域35の横には、P+ 型のチャネルストップ領域36が形成されている。
信号電荷転送領域34及びチャネルストップ領域36の上方には、ゲート絶縁膜37を介して例えば多結晶シリコンからなる転送電極38が配されている。この転送電極38は、信号電荷転送領域34及び不純物拡散領域35と共に垂直転送部14を構成し、また、画素部Pウェル12の一部(受光部13と垂直転送部14の間の部分)の上方に位置する部位が読出しゲート部15のゲート電極を兼ねている。
垂直転送部14の上方には、転送電極38を覆うようにして層間膜39を介して遮光膜40が形成されている。この遮光膜40は、受光部13において選択的にエッチングされており、外部からの光Lはこのエッチング除去によって形成された開口部41を通して受光部13に入射する。そして、基板11には、受光部13の飽和信号電荷量Qsを決定する、オーバーフローバリアOFBのポテンシャルを決める基板バイアス電圧Vsubが基板バイアス設定部21(図1参照)から印加される。
[1−3.本実施形態の特徴部分]
上記構成のCCD固体撮像装置10において、本実施形態では、埋込み型のセンサ構造とするためにフォトダイオード32と表層部との間に設けられた、基板11と逆導電型の不純物領域、即ちセンサP領域33の電位を可変とする。そして、センサP領域33の電位を制御することによって受光部13の飽和信号電荷量Qsを調整することを特徴としている。好ましくは、飽和信号電荷量Qsの調整を、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の制御と、センサP領域33の電位の制御の両方を用いて行う。
従来は、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を制御することにより飽和信号電荷量Qsを調整していた。具体的には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を相対的に低く設定することにより、図4(A)に実線で示すように、オーバーフローバリアのポテンシャルが浅く(高く)なるために飽和信号電荷量Qsが相対的に多く設定される。また、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を相対的に高くすることにより、図4(A)に破線で示すように、オーバーフローバリアのポテンシャルが深く(低く)なるために飽和信号電荷量Qsが相対的に少なく設定される。
基板11の電位と同様にセンサP領域33の電位を変化させても、オーバーフローバリアのポテンシャルが変動する。したがって、センサP領域33の電位を制御するようにしても、図4(A)と同じ飽和信号電荷量Qsの調整を実現できる。すなわち、図4(B)に示すように、図4(A)における基板バイアス電圧Vsubの電圧値と同じ変化量だけセンサP領域33の電位を変化させても、飽和信号電荷量Qsの変動量は図4(A)の場合と同じ変動量となる。
具体的には、センサP領域33の電位を相対的に高く設定することにより、図4(B)に実線で示すように、井戸のポテンシャルが深く(相対的に、オーバーフローバリアのポテンシャルが浅く)なるために飽和信号電荷量Qsが相対的に多く設定される。また、センサP領域33の電位を相対的に低くすることにより、図4(B)に破線で示すように、井戸のポテンシャルが浅く(相対的に、オーバーフローバリアのポテンシャルが深く)なるために飽和信号電荷量Qsが相対的に少なく設定される。
前にも述べたように、受光部13の飽和信号電荷量Qsの調整には、製造ばらつきに対するQs調整と、静止画モード/動画モード等の駆動モードに応じたQs変調とが存在する。飽和信号電荷量Qsの調整にセンサP領域33の電位の制御を用いる手法は、製造ばらつきに対するQs調整及び駆動モードに応じたQs変調のいずれにおいても使用することができる。また、製造ばらつきに対するQs調整及び駆動モードに応じたQs変調の両方に対して使用しても良い。
このように、センサP領域33の電位の制御によって受光部13の飽和信号電荷量Qsを調整することにより、CCD固体撮像装置10の電源電圧を上げる(高くする)ことなく、飽和信号電荷量Qsの広範囲での調整を実現できる。ここで、「電源電圧を上げることなく」とは、製造ばらつきに対するQs調整と、駆動モードに応じたQs変調とを共に基板バイアス電圧Vsubの電圧値によって実現する従来の駆動方式に比べて電源電圧を上げることなく、という意味合いである。
<2.具体的な実施例>
以下に、本実施形態に係るCCD固体撮像装置10における具体的な実施例に係る駆動方式について説明する。具体的な実施例について説明する前に、参考例として、製造ばらつきに対するQs調整、及び、駆動モードに応じたQs変調を共に、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を変化させることにより行う従来例に係る駆動方式について説明する。
[2−1.参考例]
図5は、参考例(従来例)に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図5には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
参考例、即ち従来例に係る駆動方式では、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を例えば±1Vの範囲で制御(微調整)することによって製造ばらつきに対するQs調整を実現している。また、静止画モードと動画モードで基板バイアス電圧Vsubの電圧値を切り替えることによって駆動モードに応じたQs変調を実現している。
図5のタイミングチャートから明らかなように、静止画モードと動画モードでの基板バイアス電圧Vsubの電圧値の切り替えは、メカニカルシャッタの開(OPEN)状態において、外部から与えられるトリガー信号TRGに同期して行われる。
図5に示す基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、センサP領域33の電位は、
静止画モードのとき、Vsub=6V±1V、センサP領域33の電位=0V
動画モードのとき、Vsub=12V±1V、センサP領域33の電位=0V
が必要だとする(±1Vはばらつき)と仮定したときの中央値を示している。このとき、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の調整範囲としては5V(=6V−1V)から13V(=12V+1V)まで必要である。このため、CCD固体撮像装置10の電源電圧(以下、単「電源電圧」と記述する場合もある)としては、最低13Vが必要となる。
[2−2.実施例1]
図6は、実施例1に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図6には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
実施例1に係る駆動方式では、センサP領域33の電位を可変とし、当該センサP領域33の電位を例えば±1Vの範囲で制御(微調整)することによって製造ばらつきに対するQs調整を実現する。実施例1では、センサP領域33の電位の中央値を−1Vとしている。また、駆動モードに応じたQs変調については、静止画モードと動画モードで基板バイアス電圧Vsubの電圧値を切り替えることによって実現する。
図6のタイミングチャートから明らかなように、静止画モードと動画モードでの基板バイアス電圧Vsubの電圧値の切り替えは、メカニカルシャッタの開(OPEN)状態において、外部から与えられるトリガー信号TRGに同期して行われる。
実施例1は、従来例と比較して駆動方式としては変わっていないが、基板バイアス電圧Vsubの電圧値とセンサP領域33の電位が変更されている。この場合、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、センサP領域33の電位は、
静止画モードのとき、Vsub=5V、センサP領域33の電位=−1V±1V
動画モードのとき、Vsub=11V、センサP領域33の電位=−1V±1V
となる。
実施例1の駆動方式の場合、CCD固体撮像装置10の電源電圧として必要な電圧は、最低11Vとなる。このように、センサP領域33の電位でQs調整を実現し、基板バイアス電圧Vsubの電圧値でQs変調を実現することで、Qs調整、及び、Qs変調を共に基板バイアス電圧Vsubの電圧値で実現する場合に比べて、電源電圧を2V(=13V−11V)低減できる。
[2−3.実施例2]
図7は、実施例2に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図7には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
実施例2に係る駆動方式では、センサP領域33の電位を可変とし、当該センサP領域33の電位を静止画モードと動画モードで切り替えることによって駆動モードに応じたQs変調を実現する。また、製造ばらつきに対するQs調整については、基板バイアス電圧Vsubの電圧値を例えば±1Vの範囲で微調整することによって実現する。
図7のタイミングチャートから明らかなように、静止画モードと動画モードでのセンサP領域33の電位の切り替えは、メカニカルシャッタの開(OPEN)状態において、外部から与えられるトリガー信号TRGに同期して行われる。
実施例2に係る駆動方式では、従来基板バイアス電圧Vsubの電圧値の切り替えによって行っていた駆動モードに応じたQs変調を、センサP領域33の電位の切り替えによって実現する。この場合、基板バイアス電圧Vsubの電圧値及びセンサP領域33の電位は、
静止画モードのとき、Vsub=6V±1V、センサP領域33の電位=0V
動画モードのとき、Vsub=6V±1V、センサP領域33の電位=6V
となる。
実施例2の駆動方式の場合、CCD固体撮像装置10の電源電圧として必要な電圧は、最低7Vとなる。このように、基板バイアス電圧Vsubの電圧値でQs調整を実現し、センサP領域33の電位でQs変調を実現することで、Qs調整及びQs変調を共に基板バイアス電圧Vsubの電圧値で実現する場合に比べて、電源電圧を6V(=13V−7V)低減できる。したがって、電源電圧の低減効果は、実施例2の駆動方式の方が実施例1の駆動方式よりも大きい。
上記の通り、センサP領域33の電位を制御することにより、CCD固体撮像装置10の電源電圧を上げずに、飽和信号電荷量Qsの広範囲での調整を実現できる。このことについてより具体的に説明する。
全画素の信号を独立に読み出す静止画モードでの所定の飽和信号電荷量Qsは基板バイアス電圧Vsubの電圧値で決定される。具体的には、従来例及び実施例2ではVsub=6V、実施例1ではVsub=5Vで静止画モードの飽和信号電荷量Qsが決定されている。
そして、従来例の駆動方式の場合には、Vsub=6Vを基準として動画モードで基板バイアス電圧Vsubの電圧値をVsub=12Vに切り替えている。製造ばらつきに対するQs調整の±1Vを加味すると、電源電圧としては最低13Vが必要となる。
一方、実施例2の駆動方式の場合には、Vsub=6Vで静止画モードでの所定の飽和信号電荷量Qsが決定された状態において、センサP領域33の電位を、0Vを基準として動画モードで6Vに切り替えている。製造ばらつきに対する基板バイアス電圧Vsubの±1Vを加味すると、電源電圧としては最低7Vが必要となる。
したがって、センサP領域33の電位の切り替えによって駆動モードに応じたQs変調を実現することにより、電源電圧を上げなくても広範囲で飽和信号電荷量Qsを調整できる。また、実施例1の駆動方式の場合には、製造ばらつきに対するQs調整が、基板バイアス電圧Vsubに比べて低いセンサP領域33の電位の微調整(±1V)であるため、やはり、電源電圧を上げなくても広範囲で飽和信号電荷量Qsを調整できる。
ここで、図2から明らかなように、センサP領域33は画素部Pウェル12と電気的に結合している。また、画素部Pウェル12には、フォトダイオード32と共に垂直転送部14の信号電荷転送領域34が形成されている。
したがって、単純にセンサP領域33の電位を変化させる、特に、駆動モードに応じてセンサP領域33の電位を切り替えると、垂直転送部14の転送電極38のゲートバイアスとの相対関係が変動する。これにより、受光部13から垂直転送部14への信号電荷の漏込みや、垂直転送部14での暗電流の増加などの問題の発生が懸念される。
実施例1(図6参照)、実施例2(図7参照)の駆動方式の場合、垂直転送部14の転送電極38にVH電位(例えば、0V程度)とVL電位(例えば、−5V〜−8V)の垂直転送クロックが印加されることにより、信号電荷が垂直転送される。このとき、センサP領域33の電位を0Vよりも低くすると、飽和信号電荷量Qsが少なく設定される(図4(B)参照)が、オーバーフローバリアのポテンシャルの浅く(高く)なり、周辺の受光部、転送部へのバリアは相対的に深く(低く)なる。
このため、VH電位が印加されている転送電極において、受光部13から垂直転送部14に信号電荷が漏れ込み易くなる。そして、受光部13から垂直転送部14に信号電荷が漏れ込むことで、偽信号として現れるブルーミング現象が発生する。
受光部13から垂直転送部14への信号電荷の漏込みや、垂直転送部14での暗電流の増加などの問題についての懸念を解消するための対策として、以下に2つの方法(A),(B)を提案する。
・方法(A):受光部13から垂直転送部14に信号電荷を読み出す前、好ましくは直前にセンサP領域33の電位を変調し(切り替え)、その変調期間で垂直転送部14の転送電極38を全てLow(低電位)バイアスにする。
・方法(B):垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトする。
駆動モードに応じたQs変調をセンサP領域33の電位の切り替えによって実現する場合(実施例2)は、2つの方法(A),(B)のどちらの方法も選択することができる。製造ばらつきに対するQs調整をセンサP領域33の電位の微調整で実現する場合は、方法(B)を選択することができる。この2つの方法を実施例3、実施例4として以下に説明する。
[2−4.実施例3]
図8は、実施例3に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図8には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
実施例3に係る駆動方式では、特にブルーミング現象の発生を防ぐために、受光部13からの信号電荷の読出し直前にセンサP領域33の電位を変調し、その変調期間において垂直転送部14の転送電極38を全てLowバイアスにする。
図8のタイミングチャートにおいて、垂直転送クロックの3値目の高電圧(高レベル)のパルスが、信号電荷の読出し時に読出しゲート部15のゲート電極(転送電極38と兼用)に印加される読出しパルスである。
この読出しパルスが発生する直前、即ち、受光部13から垂直転送部14に信号電荷を読み出す直前に、センサP領域33の電位を例えば0Vから−6Vに変調する。この変調期間において、垂直転送部14の転送電極38を全てLowバイアス、例えば−7Vにする。このLowバイアスについては、通常垂直転送部14の駆動時に用いるVL電位でも良いし、また、ブルーミング現象を起こさない範囲でVH電位とVL電位の中間電位を用いても良い。
上述したように、受光部13から垂直転送部14に信号電荷を読み出す前、好ましくは直前にセンサP領域33の電位を変調する(切り替える)ことで、飽和信号電荷量Qsが少なくなる方向に変化する。一方、センサP領域33の電位の変調期間で垂直転送部14の転送電極38を全てLowバイアスにすることで、垂直転送部14のポテンシャルが浅くなる方向に変化する。その結果、受光部13から垂直転送部14に信号電荷が漏れ込み難くなるため、ブルーミング現象の発生を抑制することができる。
[2−5.実施例4]
図9は、実施例4に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図9には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
実施例4に係る駆動方式は、実施例3に係る駆動方式を前提としている。そして、実施例3に係る駆動方式において、メカニカルシャッタを閉じた後に、例えば0Vに設定されているセンサP領域33の電位を一旦マイナス側(本例では、−1V)に一定期間変調する(切り替える)ことを特徴としている。
メカニカルシャッタを閉じた後は、光電変換で発生する電子とオーバーフロードレイン(基板11)へ流れる電子の平衡状態が崩れ、再び平衡状態に達するまで飽和信号電荷量Qsは時間が経過するにつれて減少する。
そこで、実施例4に係る駆動方式では、メカニカルシャッタを閉じた後に、センサP領域33の電位をマイナス側に変調することで、飽和信号電荷量Qsをメカニカルシャッタが閉状態のときよりも若干少なくする。そして、一定期間経過後センサP領域33の電位を元の電位、即ち0Vに戻すことで、飽和信号電荷量Qsの時間経過による減少を抑制することができる。この実施例4に係る駆動方式によれば、フィールド毎の飽和信号電荷量Qsの差をなくすことができる。
[2−6.実施例5]
図10は、実施例5に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図10には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
実施例5に係る駆動方式は、実施例1に係る駆動方式を前提とし、先述した方法(B)を実現する駆動方式である。そして、実施例1に係る駆動方式において、垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトする。ここで、「センサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトする」とは、変動量が厳密に一致である場合の他、実質的に一致である場合も含まれる。
具体的には、実施例1に係る駆動方式では、センサP領域33の電位の変調量を−1Vとしている。この変調量−1Vに合わせて、実施例5に係る駆動方式では、VH電位が例えば0V、VL電位が例えば−7Vの垂直転送クロックを、VH電位が−1V、VL電位が−8Vの垂直転送クロックに変更している。すなわち、垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域33の電位の変調量に合わせて−1Vだけシフトしている。
上述したように、実施例5に係る駆動方式では、センサP領域33の電位を微調整することによって製造ばらつきに対するQs調整を実現する実施例1に係る駆動方式を前提としている。そして、実施例1に係る駆動方式において、垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトすることにより、受光部13から垂直転送部14への信号電荷の漏込みや、垂直転送部14での暗電流の増加などの問題を解消できる。
[2−7.実施例6]
図11は、実施例6に係る駆動方式の説明に供するタイミングチャートである。図11には、基板バイアス電圧Vsubの電圧値、及び、垂直転送クロックの電圧値の具体的な数値についても示している。ただし、ここで示した数値は一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
実施例6に係る駆動方式は、実施例2に係る駆動方式を前提とし、先述した方法(B)を実現する駆動方式である。そして、実施例2に係る駆動方式において、垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトする。ここで、「センサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトする」とは、変動量が厳密に一致である場合の他、実質的に一致である場合も含まれる。
実施例2に係る駆動方式では、センサP領域33の電位の変調量を、駆動モードに応じて変調している。具体的には、センサP領域33の電位の変調量を、動画モードで例えば−6V、静止画モードで0Vとしている。この変調量6Vに合わせて、実施例6に係る駆動方式では、動画モードで垂直転送クロックのVH電位を例えば−6V、VL電位を例えば−13Vとし、静止画モードで垂直転送クロックのVH電位を0V、VL電位を−7Vとしている。
上述したように、実施例6に係る駆動方式では、センサP領域33の電位を切り替えることによって駆動モードに応じたQs変調を実現する実施例2に係る駆動方式を前提としている。そして、実施例2に係る駆動方式において、垂直転送クロックの各バイアスをセンサP領域33の電位の変調量に合わせてシフトすることにより、受光部13から垂直転送部14への信号電荷の漏込みや、垂直転送部14での暗電流の増加などの問題を解消できる。
以上説明した各実施例において、実施例1及び実施例5では、センサP領域33の電位を変調(微調整)し、受光部13の飽和信号電荷量Qsを制御することによってデバイス毎の製造ばらつきに対するQs調整を実現するようにしている。このとき、駆動モードに応じたQs変調については、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の変調(切り替え)によって実現している。
また、実施例2、実施例3、実施例4、及び、実施例6では、センサP領域33の電位を変調し(切り替え)、受光部13の飽和信号電荷量Qsを制御することによって駆動モードに応じたQs変調を実現している。このとき、デバイス毎の製造ばらつきに対するQs調整については、基板バイアス電圧Vsubの電圧値の変調(微調整)によって実現している。
これら実施例1乃至実施例6に係る駆動方式以外にも、デバイス毎の製造ばらつきに対するQs調整、及び、駆動モードに応じたQs変調を共に、センサP領域33の電位の変調(微調整/切り替え)によって実現することも可能である。
また、センサP領域33の電位の変調(微調整/切り替え)と基板バイアス電圧Vsubの電圧値の変調(微調整/切り替え)とを併用して、デバイス毎の製造ばらつきに対するQs調整、及び、駆動モードに応じたQs変調の各々について実現することも可能である。
[2−8.センサP領域に対する電圧印加構造]
次に、受光部13のセンサP領域33に対して電圧を印加する構造(手法)について説明する。
図1において説明したように、N型基板11上には、画素部Pウェル12と周辺部Pウェル18が形成されており、画素部Pウェル12内に受光部13、垂直転送部14、水平転送部16及び電荷電圧変換部17などの構成要素が形成されている。そして、一般的に、図12に示すように、画素部Pウェル12の外周または外周の一部に、基板11と配線層とを電気的に接続するコンタクト部41が存在する。
このように、画素部Pウェル12の外周または外周の一部にコンタクト部41が存在するCCD固体撮像装置10において、当該コンタクト部41を利用することで、画素部Pウェル12を介してセンサP領域33に所望の電圧(電位)を印加することができる。従来は、画素部Pウェル12の電位を0Vに固定している。
センサP領域33に対する他の電圧印加構造(方法)として、各画素で配線を引き回してセンサP領域33を基板11に対して電気的に接続し(コンタクトをとり)、センサP領域33に所望の電圧(電位)を印加するように構成することも可能である。
一例として、図13に示すように、遮光膜40と受光部13のセンサP領域33との間にコンタクト部42を形成し、遮光膜40からコンタクト部42を通してセンサP領域33に所望の電圧を印加する構成が考えられる。ただし、図13の構造は一例であり、これに限られるものではない。例えば、遮光膜40を用いずに、センサP領域33の電位制御用の独立配線を形成し、当該配線を通してセンサP領域33に所望の電圧を印加するようにしても良い。
<3.変形例>
上記実施形態では、半導体基板11としてN型の基板を用いるCCD固体撮像装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は、P型の基板を用いるCCD固体撮像装置にも、電圧の極性が逆極性とすることによって同様に適用可能である。P型の基板を用いる場合には、例えば、基板バイアス電圧Vsubは負の電圧に設定される。
なお、固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
<4.電子機器>
本発明は、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、画像取込部(光電変換部)に固体撮像装置を用いる電子機器全般に対して適用可能である。ここで言う電子機器としては、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像装置を用いる複写機などが挙げられる。なお、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ちカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
[撮像装置]
図14は、本発明による電子機器の一例である撮像装置の構成例を示すブロック図である。図14に示すように、本発明による撮像装置50は、レンズ群101、メカニカルシャッタ52、CCD固体撮像装置53、カメラ信号処理部であるDSP回路54、フレームメモリ55、表示装置56、記録装置57、操作系58及び電源系59等の構成要素から構成されている。
そして、DSP回路54、フレームメモリ55、表示装置56、記録装置57、操作系58及び電源系59がバスライン60を介して相互に接続された構成となっている。また、本撮像装置50は、システムコントローラ70により、上記の各構成要素の制御や、後述する設定部61及び調整部62の制御など、種々の制御が行われる。
レンズ群51は、被写体からの入射光(像光)を取り込み、メカニカルシャッタ52を通してCCD固体撮像装置53の撮像面上に結像する。CCD固体撮像装置53は、レンズ群51によって撮像面上に結像された入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に画単位で変換する。このCCD固体撮像装置53として、先述した実施形態に係るCCD固体撮像装置10が用いられる。
CCD固体撮像装置53は、設定部61で設定された基板バイアス電圧Vsubが基板に印加される。すなわち、設定部61は、図1の基板バイアス設定部21に相当する。また、システムコントローラ70による制御の下に、調整部62によって受光部13のセンサPウェル33の電位が変調される。すなわち、調整部62は、図1の飽和信号電荷量調整部22に相当する。
表示装置56は、例えば、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置からなり、CCD固体撮像装置53で撮像された動画または静止画を表示する。記録装置57は、CCD固体撮像装置53で撮像された動画または静止画を、ビデオテープやDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録する。
操作系58は、ユーザによる操作の下に、本撮像装置50が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源系59は、DSP回路54、フレームメモリ55、表示装置56、記録装置57及び操作系58の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
このような撮像装置50は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、さらには携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールに適用される。そして、この撮像装置50において、CCD固体撮像装置53として先述した実施形態に係るCCD固体撮像装置10を用いることができる。
先述したように、CCD固体撮像装置10によれば、電源電圧を上げることなく、受光部の飽和信号電荷量の広範囲での調整を実現できるために、CCD固体撮像装置10、ひいては撮像装置50の低消費電力を維持しつつ、多画素化、画素の微細化に対応できる。そして、多画素化、画素の微細化に伴ってより高画質の撮像画素を得ることができる。また、広範囲での飽和信号電荷量の調整を実現できることで、加算する画素数の多い駆動モードが必要となる、多画素の静止画撮像と高速な動画撮像とを両立させることができるようにもなる。
10…CCD固体撮像装置、11…半導体基板(N型基板)、12…画素部Pウェル、13…受光部(単位画素)、14…垂直転送部、15…読出しゲート部、16…水平転送部、17…電荷電圧変換部、18…周辺部Pウェル、21…基板バイアス設定部、22…飽和信号電荷量調整部、31…信号蓄積領域、32…フォトダイオード、33…センサP領域、34…信号電荷転送領域、35…不純物拡散領域、36…チャネルストップ領域、38…転送電極、40…遮光膜

Claims (11)

  1. 基板上のウェル領域内に形成された光電変換部、及び、当該光電変換部と表層部との間に設けられた、基板と逆導電型の不純物領域を有する受光部と、
    前記不純物領域の電位を制御することによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整する飽和信号電荷量調整部とを備える固体撮像装置。
  2. 前記基板に印加する基板バイアス電圧の電圧値を所定の飽和信号電荷量に対応して設定する基板バイアス設定部を備え、
    前記飽和信号電荷量調整部は、前記基板バイアス設定部によって所定の飽和信号電荷量が設定された状態において、前記不純物領域の電位を駆動モードに応じて切り替えることによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整する請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記基板バイアス設定部は、前記基板バイアス電圧の電圧値を微調整することによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整する請求項2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記飽和信号電荷量調整部は、前記受光部から電荷転送部に信号電荷を読み出す前に前記不純物領域に対して飽和信号電荷量が少なくなる極性の電圧を印加し、前記電荷転送部による信号電荷の転送中は前記不純物領域に印加する電圧を元に戻す請求項2または請求項3に記載の固体撮像装置。
  5. 前記飽和信号電荷量調整部は、前記不純物領域に対して飽和信号電荷量が少なくなる極性の電圧を印加している期間において、前記電荷転送部の転送電極に対して当該電荷転送部のポテンシャルが浅くなる極性の電圧を印加する請求項4に記載の固体撮像装置。
  6. 前記飽和信号電荷量調整部は、前記受光部に入射する光を制御するメカニカルシャッタが閉じた後に、前記不純物領域に対して飽和信号電荷量が少なくなる極性の電圧を一定期間印加する請求項4または請求項5に記載の固体撮像装置。
  7. 前記飽和信号電荷量調整部は、前記不純物領域に対して飽和信号電荷量が少なくなる極性の電圧を印加するとき、その印加の際の電圧変動量と同じ変動量だけ前記電荷転送部の転送電極に印加する電圧をシフトさせる請求項2に記載の固体撮像装置。
  8. 前記基板に印加する基板バイアス電圧の電圧値を所定の飽和信号電荷量に対応して設定する基板バイアス設定部を備え、
    前記基板バイアス設定部は、前記基板バイアス電圧の電圧値を駆動モードに応じて切り替えることによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整し、
    前記飽和信号電荷量調整部は、前記不純物領域の電位を微調整することによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整する請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 前記飽和信号電荷量調整部は、前記不純物領域に対して飽和信号電荷量が少なくなる極性の電圧を印加するとき、その印加の際の電圧変動量と同じ変動量だけ前記電荷転送部の転送電極に印加する電圧をシフトさせる請求項8に記載の固体撮像装置。
  10. 基板上のウェル領域内に形成された光電変換部、及び、当該光電変換部と基板表面との間に設けられた、基板と逆導電型の不純物領域を有する受光部の飽和信号電荷量を、前記不純物領域の電位を制御することによって調整する
    固体撮像装置の駆動方法。
  11. 基板上のウェル領域内に形成された光電変換部、及び、当該光電変換部と基板表面との間に設けられた、基板と逆導電型の不純物領域を有する受光部と、
    前記不純物領域の電位を制御することによって前記受光部の飽和信号電荷量を調整する飽和信号電荷量調整部と
    を備える固体撮像装置を有する電子機器。
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