JP2011179983A - 標準粒子および自動分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラマン散乱光を生じさせることにより分注装置のノズル詰まりを検知することができる標準粒子およびこの標準粒子を用いた自動分析装置を提供する。
【解決手段】標準粒子57は、少なくとも一つ以上のラマン活性分子52と金属粒子51とが共有結合した第1複合体53に縮合剤を用いて架橋剤54を共有結合し、この架橋剤54を介して表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子56を共有結合している。ラマン活性分子52は、4−メルカプト安息香酸または3−メルカプト安息香酸であり、金属粒子51は、金粒子または銀粒子であり、縮合剤は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドであり、架橋剤54は、エチレンジアミンである。
【選択図】図3
【解決手段】標準粒子57は、少なくとも一つ以上のラマン活性分子52と金属粒子51とが共有結合した第1複合体53に縮合剤を用いて架橋剤54を共有結合し、この架橋剤54を介して表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子56を共有結合している。ラマン活性分子52は、4−メルカプト安息香酸または3−メルカプト安息香酸であり、金属粒子51は、金粒子または銀粒子であり、縮合剤は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドであり、架橋剤54は、エチレンジアミンである。
【選択図】図3
Description
本発明は、反応容器内に検体と磁性物質と標識物質とを分注し、検体内の検出対象物質と磁性粒子と標識物質との複合体を磁性処理によって反応容器内で凝集させ、この凝集体の光学的特性を測定することによって検体を分析する自動分析装置およびこの自動分析装置で用いる標準粒子に関するものである。
従来から、ラマン分光分析は、検体にレーザ光を照射することによって発生するラマン散乱光を検出する分析方法であり、検出対象物の分子構造に関する情報を得ることができるため、ウイルス、蛋白質等の生化学物質や環境化学物質の検出、バイオセンサ等に有効な分析方法として知られている。このラマン分光分析は、ラマン散乱光が極めて微弱である。このように微弱なラマン散乱光を検出するため、例えばラマン散乱光を増強するレセプター分子を検体内の検出対象物に結合させてラマン強度を増強させることによって、検出対象物を分析する分析装置が知られている(特許文献1参照)。
また、ラマン散乱を利用して物質の定量分析に利用する分析装置が知られている。この分析装置ではラマンシフトがそれぞれ異なる参照物質と検体とを反応容器内に分注し、レーザ光の照射によって発生するラマン散乱光に含まれる物質の固有のラマンスペクトルを測定することによって検体を分析している(特許文献2参照)。
ところで、金や銀等の金属表面における吸着種のラマン強度は、比較して102〜106倍増強される場合があることが知られており、この現象は表面増強ラマン散乱(surface enhanced Raman scattering;SERS)と呼ばれている。さらに、金属粒子を凝集させることによって、非吸着種と比較してラマン強度を1014倍程度まで増強させることができることが発見された。そこで、近年、原子レベルの表面の粗さを持つ金や銀等の金属粒子を標識物質として用い、さらに、この標識物質と検出対象物との複合体を凝集させてラマン強度を増強させることによって、検出対象物を分析する自動分析装置が注目されている。
具体的には、検体が分注された反応容器内に標識物質を含む試薬に加えて、検体内の検出対象物と結合する磁性粒子を含んだ試薬をさらに分注する自動分析装置が提案されている。このような自動分析装置では、磁性粒子と検体内の検出対象物と標識物質との複合体に対して磁力を与えることによって凝集させた凝集体にレーザ光を照射し、表面増強されたラマン散乱光を測定することによって検体内の検出対象物を分析している。
ところで、従来のラマン分光分析を用いる自動分析装置は、検体の測定結果をもとに自動分析装置が備える分注装置のノズル詰まりを操作者が判断している。しかしながら、ラマン分光分析に用いる磁性粒子は、単独で標識物質に結合することができず、ラマン散乱光が生じないため、ラマン散乱光によって分注装置のノズル詰まりを検知することができなかった。このため、ラマン散乱光によって分注装置のノズル詰まりを検知することが可能な標準粒子が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ラマン散乱光を生じさせることにより分注装置のノズル詰まりを検知することができる標準粒子およびこの標準粒子を用いた自動分析装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の標準粒子は、少なくとも一つ以上のラマン活性分子と金属粒子とが共有結合した第1複合体に縮合剤を用いて架橋剤を共有結合し、該架橋剤を介して表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子を共有結合していることを特徴とする。
また、本発明にかかる標準粒子は、上記発明において、前記ラマン活性分子は、4−メルカプト安息香酸または3−メルカプト安息香酸であり、前記金属粒子は、金粒子または銀粒子であり、前記縮合剤は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル、N’−(エチルカルボンイミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−ポロパンジアミン/塩酸、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−tert−ブチルカルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−p−トルエンスルホナート、N,N’−ジ−tert−ブチルメタンジイミン、1,3−ビス(p−トリル)カルボジイミドまたはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、前記架橋剤は、エチレンジアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、1,6−ジアミンノヘキサンまたは1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタンであることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の標準粒子は、少なくとも一つ以上のラマン活性分子と金属粒子とが共有結合した第1複合体に、表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子を共有結合していることを特徴とする。
また、本発明にかかる標準粒子は、上記発明において、前記ラマン活性分子は、4−メルカプトアニリンまたは3−アミノベンゼンチオールであり、前記金属粒子は、金粒子または銀粒子であることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、反応容器内に検体と磁性粒子試薬と標識試薬とを分注し、前記検体内の測定対象物と前記磁性粒子試薬の磁性粒子と前記標識試薬の標識物質との複合体を集磁処理によって前記反応容器内で凝集させた凝集体のラマン散乱光の強度を測定し、該測定結果をもとに前記検体を分析する自動分析装置であって、上記発明のいずれか一つに記載の標準粒子を含む前記磁性粒子試薬を前記反応容器内に分注する分注手段と、前記分注手段が分注した前記反応容器内の前記標準粒子におけるラマン散乱光の強度を測定する測光手段と、前記測光手段が測定した前記標準粒子のラマン散乱光の強度が、予め定められた閾値未満であるか否かを判定する分注判定手段と、前記分注判定手段が前記閾値未満であると判定した場合、前記分注手段で異常が生じている旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記分注判定手段が前記閾値未満でないと判定した場合、前記測光手段が測定した前記標準粒子のラマン散乱光の強度を、予め設定された前記標準粒子のラマン散乱光の強度で除した補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段が算出した前記補正値と前記凝集体の前記標識試薬におけるラマン散乱の強度とに基づいて、前記凝集体の前記標識試薬におけるラマン散乱光の強度を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、分注装置のノズル詰まりを検知することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明にかかる自動分析装置および標準粒子について、血液、尿または唾液等の検体に対して表面増強ラマン散乱分光分析法を用いて分析を行う自動分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1は、試薬と検体とを反応させ、この反応液を測定する測定機構2と、測定機構2を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3と、を備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行う。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1は、試薬と検体とを反応させ、この反応液を測定する測定機構2と、測定機構2を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3と、を備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行う。
まず、測定機構2について説明する。図1に示すように、測定機構2は、検体移送部11と、チップ格納部12と、検体分注部13と、BF槽14と、BF洗浄部15と、第1試薬庫16と、第2試薬庫17と、第1試薬分注部18と、第2試薬分注部19と、反応槽20と、集磁槽21と、測光部22と、第1反応容器移送部23と、第2反応容器移送部24と、を備える。
検体移送部11は、検体を収容した複数の検体容器11aを保持した検体ラック11bを図中の矢印方向に順次移送する。検体容器11aに収容された検体は、被検者から採取した血液、尿および唾液等である。また、検体内の検出対象物としては、例えば抗体、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、DNA、RNA、細胞に加え、任意の抗原物質、ハプテンおよびこれらの組み合わせ等である。
チップ格納部12は、複数の分注チップ12aを保持する。チップ格納部12は、分注チップ12aをチップ供給位置P1に供給する。分注チップ12aは、感染症等の分析項目を測定する場合、検体のキャリーオーバーを防止するため、検体の分注毎に交換されるディスポーザブル型である。
検体分注部13は、検体の分注を行う分注チップ12aが先端部に取り付けられ、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを有する。検体分注部13は、検体移送部11によって検体吸引位置P2に移送された検体容器11a内の検体を分注チップ12aによって吸引し、アームを旋回させ、BF槽14によって検体吐出位置P3に移送された反応容器25内に分注する。検体分注部13は、検体の分注毎に、チップ格納部12によってチップ供給位置P1に供給される新しい分注チップ12aに交換する。
BF槽14は、BF洗浄液によって検体または試薬における未反応物質を分離するBF(bound−free)分離を実施するBF洗浄処理を行う。BF槽14は、BF槽14の中心を通る鉛直線を回転軸として反応ライン毎に回動自在であり、BF槽14に収容された所望の反応容器25を所定位置に移送する。BF槽14は、磁性粒子や標準粒子を集磁する集磁部14aと、反応容器25内で分注された磁性粒子や標識物質および検体を分散させて反応を促進させる攪拌部(図示せず)とを有する。
BF洗浄部15は、吐出ノズルと吸引ノズルとを複数組有する。吐出ノズルは、洗浄液タンク(図示せず)から供給されるBF洗浄を反応容器25内に吐出する。吸引ノズルは、反応容器25内のBF洗浄液および未反応物質を吸引し、吸引したBF洗浄液および未反応物質を排水タンク(図示せず)に排出する。
第1試薬庫16は、第1試薬を収容した第1試薬容器16aを複数収容する。第1試薬庫16は、第1試薬庫16の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在であり、所望の第1試薬容器16aを第1試薬吸引位置P4に移送する。ここで、第1試薬とは、分析対象である検体内の検出対象物と特異的に結合(会合)する反応物質を不溶性担体である磁性粒子に固着させた磁性粒子試薬である。さらに、第1試薬には、ラマン散乱光を生じさせることにより、第1試薬分注部18のノズル詰まりを検知することができる標準粒子が含まれる。磁性粒子および標準粒子は、磁界がおよぶ領域に位置する場合には、この磁界において磁力を有し、磁界発生源に引き寄せられる。
第2試薬庫17は、第2試薬を収容した第2試薬容器17aを複数収容する。第2試薬庫17は、第2試薬庫17の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在であり、所望の第2試薬容器17aを第2試薬吸引位置P5または第2試薬吸引位置P6に移送する。ここで、第2試薬とは、検体内の検出対象物と結合する標識物質を含む標識試薬である。この標識物質は、原子レベルの表面粗さを持つ金、銀、銅または白金を含む粒子(ナノ粒子、ナノコロイド、ナノロッドおよびビーズを含む)であり、その粒子の表面をラマン活性分子で被覆または結合し、さらにその粒子の表面をシリカで被覆または結合してもよい。なお、表面をシリカで被覆または結合する標識物質は、例えば米国特許第7192778号明細書に開示された方法によって生成される。
第1試薬分注部18は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸として回転を自在に行うアームを有する。第1試薬分注部18は、第1試薬庫16の第1試薬吸引位置P4で停止した第1試薬容器16a内の第1試薬をノズル(分注プローブ)によって吸引し、アームを旋回させてBF槽14によって第1試薬吐出位置P7に移送された反応容器25内に第1試薬を分注する。
第2試薬分注部19は、第1試薬分注部18と同様の構成を有する。第2試薬分注部19は、第2試薬庫17の第2試薬吸引位置P6に停止した第2試薬容器17a内の第2試薬をノズルによって吸引し、アームを旋回させ、BF槽14によって第2試薬吐出位置P9に移送された反応容器25内に第2試薬を分注する。
反応槽20は、最も内側を周回し、検体と第1試薬とを反応させる反応用の第1ライン20aと、最も外側を周回し、検体を生理食塩水等で希釈する前処理または再検対象の検体を生理食塩水等で希釈する再希釈処理用の第2ライン20bと、第1ライン20aと第2ライン20bとの中間を周回し、検体と第1試薬と第2試薬とを反応させる反応用の第3ライン20cとを有する。第1ライン20a、第2ライン20bおよび第3ライン20cには、それぞれ複数の反応容器25が収容される。第1ライン20a、第2ラインおよび第3ライン20cは、反応槽20の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在であり、それぞれに配置された反応容器25を所定位置に移送する。
集磁槽21は、複数の反応容器25が周方向に沿って収容される。集磁槽21は、集磁槽21の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在であり、所望の反応容器25を所定の位置に移送する。集磁槽21には、反応容器25の収容箇所に集磁部21aがそれぞれ設けられる。集磁部21aは、収納される反応容器25の底面に近接または接触するように設けられる。集磁部21aは、円錐状に形成され、この円錐の頂点が磁極として機能する。集磁部21aは、反応容器25内に収容された磁性粒子と検体の検出対象物と標識物質との複合体および標準粒子を反応容器25の底面に凝集させて凝集体を形成する。
測光部22は、集磁部21aの磁性処理によって反応容器25内で凝集された凝集体の光学的特性を測定する。図2は、図1に示す測光部22の構成を示す模式図である。図2に示す測光部22は、レーザ光源22aと、レンズ22b,22d,22eと、ダイクロイックミラー22cと、ラマン分光計22fとを有する。レーザ光源22aから発せられたレーザ光は、光路L1に示すように、レンズ22bにおいて平行光にされ、ダイクロイックミラー22cで反射した後に、レンズ22dで集光され反応容器25内の凝集体40に入射する。その後、凝集体40で表面増強されたラマン散乱光は、光路L2に示すように、レンズ22dにおいて平行光にされ、ダイクロイックミラー22cを透過した後、レンズ22eで集光され、ラマン分光計22fに入射する。
第1反応容器移送部23は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行い、反応容器25を所定位置に移送するアームを有する。具体的には、第1反応容器移送部23は、BF槽14、反応槽20、集磁槽21および反応容器廃棄(図示せず)に反応容器25を移送する。
第2反応容器移送部24は、第1反応容器移送部23と同様の構成を有する。第2反応容器移送部24は、反応容器25を所定位置に移送する。具体的には、第2反応容器移送部24は、集磁槽21、測光部22および反応容器廃棄部(図示せず)に反応容器25を移送する。第2反応容器移送部24は、複数の反応容器25を保持する反応容器格納部(図示せず)から第1反応容器移送部23に反応容器25を受け渡す。
つぎに、制御機構3について説明する。制御機構3は、制御部31と、入力部32と、記憶部33と、分析処理部34と、出力部35と、を備える。
制御部31は、CPU等によって実現され、自動分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
入力部32は、キーボード、マウス、入出力機能を備えたタッチパネル等によって実現され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。また、入力部32は、検体の分析を開始する前に、第1試薬または第2試薬を用いてキャリブレーション処理の実行を設定する設定手段として機能する。ここで、検体の分析を開始する前とは、電源が投入された状態であって、検体の分析処理が停止されているときをいい、例えば検体の分析処理に伴う前処理における各構成部の状態を起動させて動作の確認やメンテナンスをするときをいう。
記憶部33は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する場合に、この処理にかかる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて実現され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部33は、標準粒子を含有する第1試薬のラマン強度およびラマンスペクトルを記憶する標準粒子記憶部33aを有する。記憶部33は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
分析処理部34は、測光部22によって測定された測定結果に基づいて検体の成分分析等を行う。分析処理部34は、分注判定部34aと、算出部34bと、補正部34cとを有する。分注判定部34aは、測光部22が測定した標準粒子のラマン強度が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定することによって、第1試薬分注部18にノズル詰まりが生じているか否かを判定する。算出部34bは、分注判定部34aが測光部22によって測定された標準粒子のラマン散乱光の強度が、予め定められた閾値以上であると判定した場合、測光部22が測定した標準粒子のラマン散乱光の強度を、予め設定された標準粒子のラマン散乱光の強度で除した補正値を算出する。補正部34cは、算出部34bが算出した補正値と測光部22が測定した凝集体の標識試薬におけるラマン散乱光の強度とに基づいて、凝集体の標識試薬におけるラマン散乱光の強度を補正する。
出力部35は、ディスプレイ、プリンタおよびスピーカ等によって実現され、各情報を出力する。出力部35は、報知部35aを有する。報知部35aは、分注判定部34aが測光部22によって測定された標準粒子のラマン散乱光の強度が閾値以上でないと判定した場合、第1試薬分注部18で異常が生じている旨を報知する。
ここで、本発明の実施の形態1にかかる標準粒子の生成方法の概要について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる標準粒子の生成方法を示す模式図である。
まず、図3(a)において、金属粒子51に対し、少なくとも一つのラマン活性分子52を接触させて反応させる。具体的には、金属粒子51の表面に、ラマン活性分子52を吸着させる。これにより、金属粒子51と少なくとも一つのラマン活性分子52とが共有結合したSERS粒子である第1複合体53が生成される(図3(b))。ここで、金属粒子51は、金粒子、銀粒子、銅粒子または白金粒子であり、表面プラズモン増強を生じさせる粒子である。ラマン活性分子52は、4−メルカプト安息香酸(MBA)または3−メルカプト安息香酸(MBA)であり、金属粒子51に対して特徴的なラマンピークを生じさせる。
次に、第1複合体53に対し、縮合剤により架橋剤54を接触させて反応させる(図3(c))。具体的には、縮合剤の存在下でラマン活性分子52のカルボキシル基に架橋剤54を共有結合させる。これにより、第1複合体53に架橋剤54が共有結合した第2複合体55が生成される(図3(d))。ここで、縮合剤は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC,WSC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル(EDC methiodide)、N’−(エチルカルボンイミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−ポロパンジアミン/塩酸(EDC hydrochloride,EDAC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−tert−ブチルカルボジイミド(BEC)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−p−トルエンスルホナート(CMC)、N,N’−ジ−tert−ブチルメタンジイミン、1,3−ビス(p−トリル)カルボジイミドまたはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)である。架橋剤54は、エチレンジアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、1,6−ジアミンノヘキサンまたは1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタンである。なお、本発明の実施の形態1では、縮合剤としてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドを、架橋剤としてエチレンジアミンを用いて第2複合体55を生成した。
最後に、第2複合体55に対し、磁性粒子56を接触させて反応させる(図3(e))。具体的には、第2複合体55の架橋剤54のアミノ基を反応させて、表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子56を共有結合させる。これにより、第2複合体55に磁性粒子56が共有結合した標準粒子57が生成される(図3(f))。ここで、磁性粒子56は、核がフェライトであり、この核を樹脂またはシリカで被覆した粒子である。また、磁性粒子56は、核が樹脂またはシリカであり、この核をフェライトで被覆した粒子でもよい。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる標準粒子57において得られたラマンスペクトル図である。図4において、スペクトル曲線Lwは、標準粒子57のラマンスペクトルを示す。また、スペクトル曲線Lzは、磁性粒子56のみのラマンスペクトルを示す。図4では、横軸がラマンシフトである。
図4に示すように、スペクトル曲線Lzは、各ラマンシフトにおいてラマン散乱光の強度にピークが生じないラマンスペクトルとなり、磁性粒子56を検出することができない。このため、従来の自動分析装置は、磁性粒子56のラマンスペクトルに基づいて、第1試薬分注部18のノズル詰まりを検知することができなかった。これに対して、スペクトル曲線Lwは、各ラマンシフトにおいてラマン散乱光の強度にピークが生じるラマンスペクトルとなる。この結果、標準粒子57は、測光部22によるレーザ光により金属粒子51を活性化して表面増強したラマン散乱光を生じる。したがって、測光部22は、標準粒子57に共有結合した磁性粒子56の検出が可能となり、第1試薬分注部18のノズル詰まりの検知に用いることができる。さらに、標準粒子57は、図4に示すように、ラマン散乱光に固有のピークが生じるラマンスペクトルとなるため、このラマンスペクトルを用いることでキャリブレーション処理を行うことができる。
次に、図5および図6を参照して、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1によるキャリブレーション処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1のキャリブレーション処理を説明する図である。
まず、第1試薬分注部18は、図6(1)に示すように、第1試薬庫16によって第1試薬吸引位置P4に移動された第1試薬容器16a内からBF槽14内の第1試薬吐出位置P7に停止する反応容器25内に第1試薬を分注する(ステップS101)。これによって、標準粒子57と分析対象である検体内の検出対象物と特異的に結合する反応物質を固着させた磁性粒子60とが反応容器25内に分注される。
その後、BF槽14は、図6(2)に示すように、標準粒子57および磁性粒子60が分注された反応容器25をBF洗浄部15の集磁位置に移送し、集磁部14aに反応容器25内の底面に標準粒子57と磁性粒子60とを集磁させる(ステップS102)。
続いて、BF洗浄部15は、図6(3)に示すように、集磁部14aによって集磁されなかった物質を除去する洗浄処理を行う(ステップS103)。
その後、集磁槽21は、図6(4)に示すように、第1反応容器移送部23によって移送された洗浄処理後の反応容器25に対して、集磁部21aに集磁させることによって標準粒子57と磁性粒子60とが凝集する凝集体70が生成させる(ステップS104)。
続いて、測光部22は、図6(5)に示すように、第2反応容器移送部24によって移送された集磁処理後の反応容器25に対して測光処理を行う(ステップS105)。具体的には、レーザ光源22aが反応容器25内の凝集体70に向けてレーザ光L1照射し、ラマン分光計22fが凝集体70から表面増強したラマン散乱光L2を測定する。
その後、分注判定部34aは、測光部22が測定した標準粒子57のラマン散乱光の強度が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップS106)。測光部22が測定した標準粒子57のラマン散乱光の強度が、予め定められた閾値以上でない場合(ステップS106:No)、自動分析装置1はステップS107に移行する。一方、測光部22が測定した標準粒子57のラマン散乱光の強度が、予め定められた閾値以上である場合(ステップS106:Yes)、自動分析装置1はステップS108に移行する。
ここで、分注判定部34aが判定する判定方法について説明する。図7は、測光部22が測定した標準粒子57のラマンスペクトル図である。図7において、スペクトル曲線Lwは、標準粒子57のラマンスペクトルを示す。点Eは、標準粒子57に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマンピークのラマン強度を示す。図7に示すように、分注判定部34aは、測光部22が測定した標準粒子57に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマンピークのラマン強度Pが予め定められた閾値LT以上であるか否かを判定することによって、第1試薬分注部18で異常が生じているか否かを判定する。なお、閾値LTは、第1試薬が規定量で分注された場合の70%である。
ステップS107において、報知部35aは、第1試薬分注部18で異常が生じている旨、具体的には第1試薬分注部18のノズル内に詰まりが生じている旨を報知し、自動分析装置1は本処理を終了する。
ステップS108において、算出部34bは、測光部22が測定した標準粒子57のラマン強度を、予め設定された標準粒子57のラマン強度で除して補正値を算出し、自動分析装置1は本処理を終了する。
ここで、算出部34bが算出する補正値について説明する。算出部34bは、測光部22が測定した標準粒子57のラマン強度Icと予め設定された標準粒子57のラマン強度Iccとをもとに式(1)で補正値Cを算出する。
C=Ic/Icc・・・・・(1)
C=Ic/Icc・・・・・(1)
以上説明したキャリブレーション処理を実行した後に、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1は、検体の分析処理を行う。
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1による検体の分析処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1による検体の分析処理を示すフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1による検体の分析処理の処理手順を説明する図である。なお、以下では、自動分析装置1が一つの検体を分析する場合に行う分析処理について説明する。
まず、第1試薬分注部18は、図9(1)に示すように、第1試薬庫16によって試薬吸引位置P4に移送された第1試薬容器16aからBF槽14の第1試薬吐出位置P7に停止する反応容器25内に標準粒子57および磁性粒子60を含む第1試薬を分注する(ステップS201)。
その後、検体分注部13は、図9(2)に示すように、検体移送部11によって検体吸引位置P2に移送された検体ラック11b内の検体容器11aからBF槽14の検体吐出位置P3で停止する反応容器25内に検体61を分注する(ステップS202)。
続いて、第2試薬分注部19は、図9(3)に示すように、第2試薬庫17によって第2試薬吸引位置P6に移送された第2試薬容器17a内からBF槽14の第2試薬吐出位置P9で停止する反応容器25内に標識物質62を含む標識試薬の第2試薬を分注する(ステップS203)。
その後、BF槽14は、図9(4)に示すように、標準粒子57と磁性粒子60と検体61と標識物質62とが分注された反応容器25を攪拌部(図示せず)によって攪拌処理を行わせることによって、磁性粒子60と検体61と標識物質62とを反応した複合体63が生成される(ステップS204)。
続いて、BF槽14は、図9(5)に示すように、反応容器25をBF洗浄部15に移送し、集磁部14aによって集磁処理を行いながらBF洗浄部15が反応容器25内の未反応物質を除去する洗浄処理を行う(ステップS205)。
その後、集磁槽21は、図9(6)に示すように、第1反応容器移送部23によって移送された洗浄処理後における反応容器25に対して、集磁部21aに集磁処理を行わせることによって、標準粒子57と複合体63とが凝集する凝集体71が生成される(ステップS206)。
続いて、測光部22は、図9(7)に示すように、第2反応容器移送部24によって移送された集磁処理後の反応容器25の凝集体71に対して測光処理を行う(ステップS207)。
ここで、測光部22が測定する反応容器25内の凝集体71から散乱されるラマン散乱光について説明する。図10は、測光部22が測定する反応容器25内の凝集体71から散乱されるラマン散乱光の一例を示すラマンスペクトル図である。図10において、スペクトル曲線Lwは、凝集体71の標準粒子57から散乱されるラマン散乱光のラマンスペクトルを示し、スペクトル曲線Lkは、凝集体71の複合体63から散乱されるラマン散乱光のラマンスペクトルを示す。図10では、横軸がラマンシフトである。測光部22は、図10に示すように、凝集体71の標準粒子57から散乱されるスペクトル曲線Lwと、凝集体71の複合体63から散乱されるスペクトル曲線Lkとをラマン分光計22fによって分光して測定する。スペクトル曲線Lwおよびスペクトル曲線Lkは、図10に示すように、ラマン波長が異なって検出される。このため、測光部22は、標準粒子57から散乱されるスペクトル曲線Lwと複合体63から散乱されるスペクトル曲線Lkとが合成されたスペクトルを測定することができる。この合成されたスペクトルは、標準粒子57と標識物質62それぞれの基本スペクトルに基づいて、測光部22が波長分離処理を行うことによって、標準粒子57と標識物質62それぞれのラマンスペクトル成分を算出することができる。
その後、分注判定部34aは、測光部22が測定し、波長分離処理によって算出された標準粒子57のラマンスペクトル成分に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマン強度が予め定められた閾値LT以上であるか否かを判定する(ステップS208)。測光部22が測定し、波長分離処理によって算出された標準粒子57のラマンスペクトル成分に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマン強度が予め定められた閾値LT以上でない場合(ステップS208:No)、報知部35aは、第1試薬分注部18で異常が生じている旨を報知する(ステップS209)。一方、測光部22が測定し、波長分離処理によって算出された標準粒子57のラマンスペクトル成分に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマン強度が予め定められた閾値LT以上である場合(ステップS208:Yes)、自動分析装置1はステップS210に移行する。
続いて、補正部34cは、測光部22が測定し、波長分離処理によって算出された複合体63のラマンスペクトル成分に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマン強度と算出部34bが算出した補正値Cとに基づいて、複合体63のラマン強度を補正する(ステップS210)。具体的には、補正部34cは、算出部34bが算出した補正値Cと測光部22が測定した複合体63のラマン強度Irとを用いて、補正後の複合体63のラマン強度Ircを式(2)によって算出する。
Irc=Ir/C・・・・・(2)
Irc=Ir/C・・・・・(2)
その後、出力部35は、補正部34cが補正した複合体63のラマン強度Ircを出力し(ステップS211)、自動分析装置1は本処理を終了する。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、標準粒子57が、少なくとも一つ以上のラマン活性分子52と金属粒子51とが共有結合した第1複合体53に縮合剤を用いて架橋剤54を共有結合し、この架橋剤54を介して表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子56を共有結合させることにより、ラマン散乱光を検出することができる。これにより、磁性粒子60を含む第1試薬に標準粒子57を含有させ、分注判定部34aが測光部22によって測定された標準粒子57のラマン強度が、予め定められた閾値LT以上でないと判定した場合、報知部35aが第1試薬分注部18で異常が生じている旨を報知するようにしているので、第1試薬分注部18のノズル詰まりを検知することができる。また、補正部34cが、算出部34bが算出した補正値Cと測光部22が測定した凝集体71における複合体63のラマン強度とに基づいて、この凝集体71における複合体63のラマン強度を補正することによって、より精度の高い分析結果を得ることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図11は、本発明の実施の形態2にかかる標準粒子の生成方法を示す模式図である。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図11は、本発明の実施の形態2にかかる標準粒子の生成方法を示す模式図である。
まず、図11(a)において、金属粒子51に対し、少なくとも一つのラマン活性分子81を接触させて反応させる。具体的には、金属粒子51の表面に、ラマン活性分子81を吸着させる。これにより、金属粒子51と少なくとも一つのラマン活性分子81とが共有結合したSERS粒子である第1複合体82が生成される(図11(b))。ここで、ラマン活性分子81は、4−メルカプトアニリン(MA)または3−アミノベンゼンチオール(MA)であり、金属粒子51に対して特徴的なラマンピークを生じさせる。
次に、第1複合体82に対し、磁性粒子56を接触させて反応させる(図11(c))。具体的には、第1複合体82のラマン活性分子81のアミノ基を反応させて、表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子56を共有結合させる。これにより、第1複合体82に磁性粒子56が共有結合した標準粒子83が生成される(図11(d))。
図12は、本発明の実施の形態2にかかる標準粒子83において得られたラマンスペクトル図である。図12において、スペクトル曲線Lvは、標準粒子83のラマンスペクトルを示す。また、スペクトル曲線Lzは、磁性粒子56のラマンスペクトルを示す。図12では、横軸がラマンシフトである。
図12に示すように、スペクトル曲線Lzは、各ラマンシフトにおいてラマン散乱光の強度にピークが生じないラマンスペクトルとなり、磁性粒子56を検出することができない。このため、従来の自動分析装置は、磁性粒子56のラマンスペクトルに基づいて、第1試薬分注部18のノズル詰まりを検知することができなかった。これに対して、スペクトル曲線Lvは、各ラマンシフトにおいてラマン散乱光の強度にピークが生じるラマンスペクトルとなる。この結果、標準粒子83は、測光部22によるレーザ光により金属粒子51を活性化して表面増強したラマン散乱光を生じる。したがって、測光部22は、標準粒子83に共有結合した磁性粒子56の検出が可能となり、第1試薬分注部18のノズル詰まりの検知に用いることができる。さらに、標準粒子83は、図12に示すように、ラマン散乱光に固有のピークが生じるラマンスペクトルとなるため、このラマンスペクトルを用いることでキャリブレーション処理を行うことができる。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、標準粒子83が、少なくとも一つ以上のラマン活性分子81と金属粒子51とが共有結合した第1複合体82に表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子56を共有結合させることにより、ラマン散乱光を検出することができる。これにより、本発明の実施の形態1と同様に、磁性粒子60を含む第1試薬に標準粒子83を含有させることによって、第1試薬分注部18のノズル詰まりを検知することができる。
なお、本発明の実施の形態1,2においては、標準粒子57または標準粒子83を第2試薬内に含有させてもよい。この場合、分注判定部34aは、測光部22が測定した標準粒子57または標準粒子83のラマン強度が予め定められた閾値LT以上であるか否かを判定することによって、第2試薬分注部19のノズル詰まりを検知するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、標準粒子57を第1試薬に、標準粒子83を第2試薬にそれぞれ含有させてもよい。この場合、標準粒子57と標準粒子83とのラマンスペクトルが異なり、標準粒子57と標準粒子83とのラマンピークもそれぞれ異なる。このため、測光部22は、標準粒子57のラマン散乱光の強度と標準粒子83のラマン散乱光の強度とをそれぞれ測定することができる。具体的には、図13に示すように、測光部22は、磁性粒子60、検体61、標準粒子57、標準粒子83および標識物質62それぞれから散乱されるスペクトルのスペクトル曲線Loを測定する。スペクトル曲線Loは、磁性粒子60、検体61、標準粒子57、標準粒子83および標識物質62それぞれから散乱されるスペクトルが合成されたラマンスペクトルである。測光部22は、スペクトル曲線Loを波長分離処理することによって、標準粒子57、標準粒子83および標識物質62のラマンスペクトル成分をそれぞれ算出することができる。この結果、分注判定部34aは、測光部22が測定した標準粒子57のラマンスペクトル成分に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマン強度および標準粒子83のラマンスペクトル成分に対して予め選択したラマンシフトにおけるラマン強度それぞれが予め定められた閾値LT以上であるか否かを判定することによって、第1試薬分注部18のノズル詰まりと、第2試薬分注部19のノズル詰まりとを検知することができる。
なお、本発明の実施の形態1,2においては、反応容器25の形状が円柱をなす形状であったが、測光部22が測光できればよく、例えば四角筒状や多角筒形状であってもよい。さらに、マイクロ流体チップのように板状であってもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、反応容器25の底面は、平面状に形成されていたが、反応容器25内に分注される液体を集磁して凝集体を形成することができればよく、丸底状であってもよい。また、反応容器25の底面に凹部を設けて、この凹部に凝集体を形成するようにしてもよい。さらに、反応容器25の底面に限らず、反応容器の側面に段差を設けて、この段差部分に凝集体を形成するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、測光部22が、反応容器25の底面から測光していたが、反応容器25内に対して測光することができればよく、例えば反応容器25の側面、上方および斜めから測光してもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、集磁部14a,21aが、反応容器25の底面に接触するように設けられていたが、反応容器25が保持する液体に対して集磁して凝集体を生成することができればよく、例えば反応容器25の側面に接触するように設けてもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、集磁部14a,21aが、円錐状に形成されていたが、反応容器25が保持する液体に対して集磁して凝集体を形成することができればよく、例えば円柱形状の磁石の上面に針状に形成するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、BF槽14によって洗浄処理を行っていたが、集磁部14aによって集磁することで凝集体を生成できればよく、反応容器25内の未反応物質を除去する洗浄処理を行わなくてもよい。
また、本発明の実施の形態1,2においては、自動分析装置1が、免疫検査の構成であったが、ラマン散乱光を測定することによって検体を分析するものであれば、生化学検査、輸血検査または遺伝子検査の自動分析装置に適用することができる。
1 自動分析装置
2 測定機構
3 制御機構
11 検体移送部
11a 検体容器
11b 検体ラック
12 チップ格納部
12a 分注チップ
13 検体分注部
14 BF槽
14a,21a 集磁部
15 BF洗浄部
16 第1試薬庫
16a 第1試薬容器
17 第2試薬庫
17a 第2試薬容器
18 第1試薬分注部
19 第2試薬分注部
20 反応槽
20a 第1ライン
20b 第2ライン
20c 第3ライン
21 集磁槽
22 測光部
22a レーザ光源
22b,22d,22e レンズ
22c ダイクロイックミラー
22f ラマン分光計
23 第1反応容器移送部
24 第2反応容器移送部
25 反応容器
31 制御部
32 入力部
33 記憶部
33a 標準粒子記憶部
34 分析処理部
34a 分注判定部
34b 算出部
34c 補正部
35 出力部
35a 報知部
40,70,71 凝集体
51 金属粒子
52,81 ラマン活性分子
53,82 第1複合体
54 架橋剤
55 第2複合体
56,60 磁性粒子
57,83 標準粒子
61 検体
62 標識物質
63 複合体
L1,L2 光路
2 測定機構
3 制御機構
11 検体移送部
11a 検体容器
11b 検体ラック
12 チップ格納部
12a 分注チップ
13 検体分注部
14 BF槽
14a,21a 集磁部
15 BF洗浄部
16 第1試薬庫
16a 第1試薬容器
17 第2試薬庫
17a 第2試薬容器
18 第1試薬分注部
19 第2試薬分注部
20 反応槽
20a 第1ライン
20b 第2ライン
20c 第3ライン
21 集磁槽
22 測光部
22a レーザ光源
22b,22d,22e レンズ
22c ダイクロイックミラー
22f ラマン分光計
23 第1反応容器移送部
24 第2反応容器移送部
25 反応容器
31 制御部
32 入力部
33 記憶部
33a 標準粒子記憶部
34 分析処理部
34a 分注判定部
34b 算出部
34c 補正部
35 出力部
35a 報知部
40,70,71 凝集体
51 金属粒子
52,81 ラマン活性分子
53,82 第1複合体
54 架橋剤
55 第2複合体
56,60 磁性粒子
57,83 標準粒子
61 検体
62 標識物質
63 複合体
L1,L2 光路
Claims (6)
- 少なくとも一つ以上のラマン活性分子と金属粒子とが共有結合した第1複合体に縮合剤を用いて架橋剤を共有結合し、該架橋剤を介して表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子を共有結合していることを特徴とする標準粒子。
- 前記ラマン活性分子は、4−メルカプト安息香酸または3−メルカプト安息香酸であり、
前記金属粒子は、金粒子または銀粒子であり、
前記縮合剤は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル、N’−(エチルカルボンイミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−ポロパンジアミン/塩酸、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−tert−ブチルカルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−p−トルエンスルホナート、N,N’−ジ−tert−ブチルメタンジイミン、1,3−ビス(p−トリル)カルボジイミドまたはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、
前記架橋剤は、エチレンジアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、1,6−ジアミンノヘキサンまたは1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタンであることを特徴とする請求項1に記載の標準粒子。 - 少なくとも一つ以上のラマン活性分子と金属粒子とが共有結合した第1複合体に、表面官能基にトシル基を持つ磁性粒子を共有結合していることを特徴とする標準粒子。
- 前記ラマン活性分子は、4−メルカプトアニリンまたは3−アミノベンゼンチオールであり、
前記金属粒子は、金粒子または銀粒子であることを特徴とする請求項3に記載の標準粒子。 - 反応容器内に検体と磁性粒子試薬と標識試薬とを分注し、前記検体内の測定対象物と前記磁性粒子試薬の磁性粒子と前記標識試薬の標識物質との複合体を集磁処理によって前記反応容器内で凝集させた凝集体のラマン散乱光の強度を測定し、該測定結果をもとに前記検体を分析する自動分析装置であって、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の標準粒子を含む前記磁性粒子試薬を前記反応容器内に分注する分注手段と、
前記分注手段が分注した前記反応容器内の前記標準粒子におけるラマン散乱光の強度を測定する測光手段と、
前記測光手段が測定した前記標準粒子のラマン散乱光の強度が、予め定められた閾値未満であるか否かを判定する分注判定手段と、
前記分注判定手段が前記閾値未満であると判定した場合、前記分注手段で異常が生じている旨を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。 - 前記分注判定手段が前記閾値未満でないと判定した場合、前記測光手段が測定した前記標準粒子のラマン散乱光の強度を、予め設定された前記標準粒子のラマン散乱光の強度で除した補正値を算出する補正値算出手段と、
前記補正値算出手段が算出した前記補正値と前記凝集体の前記標識試薬におけるラマン散乱の強度とに基づいて、前記凝集体の前記標識試薬におけるラマン散乱光の強度を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の自動分析装置。
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-
2010
- 2010-03-01 JP JP2010044707A patent/JP2011179983A/ja not_active Withdrawn
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EP3872500A4 (en) * | 2018-10-25 | 2022-08-03 | Hitachi High-Tech Corporation | AUTOMATED ANALYZER |
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