JP2011179865A - C型肝炎ウイルスの免疫測定方法及びそれに用いる試薬キット - Google Patents
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Abstract
本発明は、HCVを高感度に検出できる、免疫複合体転移測定法、及びそれに用いる試薬キットを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の第1の局面の免疫測定方法は、C型肝炎ウイルス(HCV)の免疫測定方法であって、HCVコア蛋白に結合する標識抗体、HCVコア蛋白に結合する第1抗体及びHCVコア蛋白を含む複合体を、第1の固相上に形成する工程と、第1固相上に形成された複合体を、第1固相から遊離し、第1固相とは異なる第2の固相に転移する工程と、第2固相に転移された複合体の標識を測定する工程と、を含み、標識抗体及び第1抗体は、それぞれHCVコア蛋白の異なる部位に結合し、且つ結合する部位に、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の49番目のアミノ酸を含まない。
【選択図】図1
Description
しかしながら、C型肝炎の原因となるHCVは、RNAウイルス種であり、高度の変異を起こすことが知られている。たとえば、配列番号2に示されるHCVジェノタイプ1bのコア領域蛋白質の49番目のアミノ酸に変異があった場合、上記公知の抗体を用いた上記免疫複合体転移測定法でHCVを測定しても、高感度に検出できない場合があった(非特許文献1)。
本発明の第2の局面のHCVの免疫測定試薬キットは、HCVコア蛋白に結合する標識抗体を含む第1試薬と、HCVコア蛋白に結合する第1抗体を含む第2試薬と、第1固相と、第1抗体及び第1固相と結合する第2抗体を含む第3試薬と、第1抗体と結合する物質が固定化された第2固相と、を含み、標識抗体及び第1抗体は、それぞれHCVコア蛋白の異なる部位に結合し、且つ結合する部位に、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の49番目のアミノ酸を含ない。
すなわち、所望により適切なアジュバントと混合したHCVコア蛋白質で適切な哺乳動物(例えばマウス、ラットなど)を免疫する。そして、該動物の脾臓細胞、リンパ節細胞、Bリンパ球などの抗体産生細胞を、適切な哺乳動物(例えばマウス、ラットなど)由来の骨髄腫細胞と融合させることにより、ハイブリドーマを得ることができる。通常、抗体産生細胞と骨髄腫細胞は、同種の動物に由来する。
細胞融合は、例えば適切な培地中で抗体産生細胞と骨髄腫細胞とをポリエチレングリコールなどの存在下で融合させるPEG法などにより行うことができる。細胞融合後、HAT培地などの選択培地でハイブリドーマを選択し、ハイブリドーマのHCVコア蛋白質を認識する抗体を産生する能力について、常法(例えば酵素免疫測定法(EIA))に従ってスクリーニングを行う。次いで、適切な抗体を産生するハイブリドーマを常法(例えば限界希釈法)に従ってクローニングし、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択する。
上記のようにしてハイブリドーマが得られれば、その後、ハイブリドーマが産生する抗体のエピトープ解析を行う。こうすることで、HCVコア蛋白と結合する部位に、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の49番目のアミノ酸を含まない抗体を得ることが出来る。
<免疫抗原HCV由来ポリペプチドの発現および精製>
(A)発現プラスミドの構築
配列番号1に示すHCVコア領域の1−160番目のアミノ酸配列をコードするDNAを組み込んで以下のプラスミドを得る。
pUC・pR-160:配列番号1に示されるHCVコア領域蛋白質(pR-160)のプラスミド
MSTNPKPQRKTKRNANRRPQDVKFPGGGQIVGGVYLLPRRGPRLGVRATRKTSERSQPRGRRQPIPKDRRSTGKSWGKPGYPWPLYGNEGCGWAGWLLSPRGSRPTWGLTDPRHRSRNLGKVIDTITCGFADLMGYIPVVGAPVGGVARALAHGVRVLED
pQE−30pR-160発現プラスミドをもつ大腸菌JM109株を100μg/mlのアンピシリンを含む10mlのLB培地に接種し、1晩37℃で培養する。この培養液全量を100μg/mlのアンピシリンを含む200mlのLB培地に植え継ぎ、37℃で培養する。OD600が0.5〜0.7の時に終濃度1mmol/mLになるようにイソプロピル−β−D−チオガラクトシドを加え、さらに1晩37℃で培養する。この培養液を遠心分離して菌体を集める。
湿重量約1gの菌体に2mLのBugBuster Reagent(Novagen社製)(室温)を加え、泡立てないように懸濁する。回転式振とう器を用いて、低速でゆるやかに振とうしながら10−20分間インキュベートする。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。遠心後の不溶性の細胞残渣に1.8mLのBugBuster Reagent(室温)を加え、泡立てないように再懸濁する。懸濁液にリゾチウムを終濃度200μg/mLになるように加える。回転式振とう器を用いて、低速でゆるやかに振とうしながら5分間インキュベートする。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=9.0) 1 mLを加え再懸濁する。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=10.0) 1 mLを加え再懸濁する。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=11.0) 1 mLを加え再懸濁する。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=12.0) 1 mLを加え、HCV由来ポリペプチド(pR-160)を可溶化抽出する。
ニッケルチャージアガロースゲルを用いた金属キレートアフィニティークロマトグラフィーでポリペプチドの精製を行い、可溶化した抽出物から、pR-160を得る。
(A)マウスの免疫
pR-160抗原100μgから1000μgを含有するリン酸緩衝液(PBS)100μLにフロインドの完全アジュバント(FCA)100μlを混合して乳化させ、FCA pR-160抗原溶液200μlを作製する。また、FCAではなくフロインドの不完全アジュバント(FIA)を用いること以外は上記の手順と同様にして、FIA pR-160抗原溶液200μLを作製する。
ハイブリドーマを2.5×106細胞/mlとなるようにHAT培地に懸濁させ、96穴プレート(コーニング社製;以下、培養用プレートとする)の各ウェルに2.5×105細胞/ウェルとなるように分注する。培養用プレートを37℃、8%CO2の恒温槽内に静置し、ハイブリドーマの培養を開始する。10日間以上培養してハイブリドーマのコロニーを出現させたところで、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングを行う。
0.1w/v%NaN3を含む0.1M リン酸緩衝液(PBS pH7.5)に、pR-160抗原の濃度が0.5μg/mlとなるようpR-160抗原を添加し、固定用pR-160抗原溶液を調製する。この固定用pR-160抗原溶液100μlをイムノモジュール(NUNC社製)の各ウェルに分注する(以下、抗原固定プレートとする)。4℃で一晩静置した後、0.05%の濃度でTween20を含むPBS緩衝液(以下、緩衝液Aとする)で3回洗浄する。洗浄後、抗原固定プレートの各ウェルに1w/v%の濃度でBSAを含むPBS(以下、緩衝液Bとする)300μlを添加して、2〜8℃で4時間以上静置保存する。抗原固定プレートは使用時まで2〜8℃で保存する。
HCF4−801は受領番号NITE AP−844で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領され、受託番号NITE P−844で受託された。以下、該ハイブリドーマから産生される抗体をHCF4−801抗体と呼称する。
HE25は受領番号NITE AP−843で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領され、受託番号NITE P−843で受託された。以下、該ハイブリドーマから産生される抗体をHE25抗体と呼称する。
<HCV由来ポリペプチドの発現および精製>
(A)発現プラスミドの構築
配列番号2、3、又は4に示すHCVコア領域の1−160番目のアミノ酸配列をコードするDNAを組み込んで以下のプラスミドを得た。
pUC・HCV−J1b:配列番号2に示されるHCVジェノタイプ1bのコア領域蛋白質(HCV−J1b)のプラスミド
pUC・HCV−J1bT49P:配列番号3に示される49番目のアミノ酸であるスレオニンがプロリンに変異したHCVジェノタイプ1bのコア領域蛋白質(HCV−J1bT49P)のプラスミド
pUC・HCV−3bNE137:配列番号4に示されるHCVジェノタイプ3bNE137株のコア領域蛋白質(HCV−3bNE137)のプラスミド
MSTNPKPQRKTKRNTNRRPQDVKFPGGGQIVGGVYLLPRRGPRLGVRATRKTSERSQPRGRRQPIPKARRPEGRTWAQPGYPWPLYGNEGMGWAGWLLSPRGSRPSWGPTDPRRRSRNLGKVIDTLTCGFADLMGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLED
配列番号3
MSTNPKPQRKTKRNTNRRPQDVKFPGGGQIVGGVYLLPRRGPRLGVRAPRKTSERSQPRGRRQPIPKARRPEGRTWAQPGYPWPLYGNEGMGWAGWLLSPRGSRPSWGPTDPRRRSRNLGKVIDTLTCGFADLMGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLED
配列番号4
MSTLPKPQRQTKRNTYRRPQNVKFPGGGQIVGGVYVLPRRGPRLGVRAVRKTSERSQPRGRRQPIPKARSREGRSWAQPGYPWPLYGNEGCGWAGWLLSPRGSRPSWGPNDPRRRSRNLGKVIDTLTCGFADLMGYIPLIGAPVGGVARALAHGVRALED
pQE−30HCV−J1b発現プラスミドをもつ大腸菌JM109株を100μg/mlのアンピシリンを含む10mlのLB培地に接種し、1晩37℃で培養する。この培養液全量を100μg/mlのアンピシリンを含む200mlのLB培地に植え継ぎ、37℃で培養した。OD600が0.5〜0.7の時に終濃度1mmol/mLになるようにイソプロピル−β−D−チオガラクトシドを加え、さらに1晩37℃で培養した。この培養液を遠心分離して菌体を集めた。
湿重量約1gの菌体に2mLのBugBuster Reagent(Novagen社製)(室温)を加え、泡立てないように懸濁する。回転式振とう器を用いて、低速でゆるやかに振とうしながら10−20分間インキュベートする。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。遠心後の不溶性の細胞残渣に1.8mLのBugBuster Reagent(室温)を加え、泡立てないように再懸濁する。懸濁液にリゾチウムを終濃度200μg/mLになるように加える。回転式振とう器を用いて、低速でゆるやかに振とうしながら5分間インキュベートする。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=9.0) 1 mLを加え再懸濁する。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=10.0) 1 mLを加え再懸濁する。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=11.0) 1 mLを加え再懸濁する。7500rpmで10分間遠心し、上清をのぞく。
遠心後の不溶性画分に8M ウレア、 0.1M NaH2PO4、0.01M Tris−Cl;(pH=12.0) 1 mLを加え、HCV由来ポリペプチド(HCV−J1b)を可溶化抽出した。
ニッケルチャージアガロースゲルを用いた金属キレートアフィニティークロマトグラフィーでポリペプチドの精製を行い、可溶化した抽出物から、HCV−J1bを得た。
<エピトープ解析>
実施例1で得たHCV−J1b及びHCV−J1bT49Pと表1に示される合成ペプチドCDP-2、CDP-2-1、CDP-3、及びCDP-3-1とを使用して、抗HCVコア蛋白質モノクローナル抗体であるHCF4−801抗体及びHE25抗体のエピトープを解析した。なお、CDP-2、CDP-2-1、CDP-3、及びCDP-3-1は、それぞれ、Keyhole Limpet Hemocyaninをコンジュゲートした合成ペプチドであり、オペロンバイオテクノロジー株式会社に調製を外部委託し、調製された。
0.1w/v%NaN3を含む0.1M リン酸緩衝液(PBS pH7.5)に、CDP-2の濃度が0.5μg/mlとなるようCDP-2を添加し、固定用CDP-2溶液を調製した。この固定用CDP-2溶液100μlをイムノモジュール(NUNC社製)のウェルに分注した(以下、抗原固定プレートとする)。4℃で一晩静置した後、0.05%の濃度でTween20を含むPBS緩衝液(以下、緩衝液Aとする)で3回洗浄した。洗浄後、ペプチド固定プレートのウェルに1w/v%の濃度でBSAを含むPBS(以下、緩衝液Bとする)300μlを添加して、2〜8℃で4時間以上静置保存した。抗原固定プレートは使用時まで2〜8℃で保存した。
CDP-2とHCF4−801抗体との反応性の確認と同様にして行った。
HE25抗体はCDP-2、及びCDP-3-1との反応性から配列番号2に示すHCVコア領域の41〜50番目のアミノ酸配列にエピトープがあることが分かる。さらに、HCV−J1bT49Pとの反応性があるため、配列番号2に示すHCVコア領域の49番目のアミノ酸を含まないエピトープであることが分かる。以上の結果から、HE25抗体は配列番号2に示すHCVコア領域の41〜48番目のアミノ酸配列を認識するモノクローナル抗体であることが分かった。
<抗HCVコアモノクローナル抗体のジェノタイプ反応性>
実施例1で得られたHCVコア領域由来のポリペプチドを用いて、以下の実験を行った。
本例で使用する試薬は以下に示す。
標識抗体として、ALPで標識された抗HCV抗体(ALP標識HCF4−801)を用いた。具体的な標識抗体試薬の作製は、ペプシン消化、及び還元することでFab’に転換した該抗体と、架橋剤としてEMCS〔N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido〕(同仁化学)を用いてマレイミド化したALPを混合して、反応させることで標識抗体を調製する。この方法で調製したALP標識抗体は、希釈液(25mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、1.0% BSA、0.02% NaN3、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2)で80倍に希釈し、標識抗体試薬とした。
第1抗体として、ビオチン及びDNPで修飾された抗体(Biotin/DNP標識HE25)を用いた。具体的な第1抗体試薬の作製は、ビオチン化試薬(EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin Reagents:ピアス社)をBSAに添加して、次いでDNP標識試薬(DNP-X acid SE:ABD Bioquest社)を添加することでBiotin/DNP標識したBSAを調製する。次に、ペプシン消化、及び還元することでFab’に転換した該抗体と、架橋剤としてEMCS〔N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido〕(同仁化学)を用いてマレイミド化したBiotin/DNP標識したBSAを混合して、反応させることで第1抗体を調製する。この方法で調製した第1抗体を50倍に希釈し、第1抗体試薬とした。
第2抗体として抗DNP抗体(DNP−1753)を固定化した磁性粒子(micromer−M PEG−NH2;Micromod社製)を用いた。ここで、DNP−1753としては、受託番号NITE P−845で受託されたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−845で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。5μlの該磁性粒子を、995μlの希釈液(25mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、1.0% BSA、0.02% NaN3)で200倍に希釈し、磁性粒子試薬とした。
固相としては、ストレプトアビジンを固定化したプレート(ストレプトアビジンプレート)を用いた。ストレプトアビジンプレートは、C8 WHITE MAXISORPプレート(Nunc社製)に対して、ストレプトアビジン(和光純薬)10μg/mlの溶液100μlを室温で感作させ作製した。
第1抗体及び第2抗体の結合を解離する物質として、DNP−Lysを用いた。DNP−Lys(東京化成社製)が3.0mMとなるように、希釈液(25mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、1.0% BSA、0.02% NaN3、0.5wt% カゼインナトリウム)で希釈し、遊離剤とした。
100pg/mLのリコンビナントHCVコア抗原を含む125μlの試料と、50μlの標識抗体試薬とを、反応キュベット(HISCL用反応キュベット;シスメックス社製)で混合し、室温で5分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの第1抗体試薬を添加し、室温で5分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの磁性粒子試薬を添加し、室温で10分間インキュベートすることで、形成工程を実施した。
<洗浄工程>
形成工程で得られた試料を含む反応キュベットを、集磁装置(MINITUBE MAG SEPARATOR:SPHERO TECH社製)を用いて磁気分離を行い、上清を除去し、反応キュベットに380μlのwashing buffer(HISCL wash buffer;シスメックス社製)を添加し、再び磁気分離を行う洗浄を行った。上記洗浄を2回繰り返した後、さらに190μlのwashing bufferによる洗浄を1回行うことで、洗浄工程を実施した。
<転移工程>
洗浄工程で得られた試料を含む反応キュベットに、50μlの遊離剤を添加し、室温で4分間インキュベートした。次に、磁気分離を行い、上清を固相に移し、室温で20分間インキュベートした。次に、上清を除去し、300μlのwashing bufferを添加し、再び上清を除去する洗浄を行った。上記の洗浄は5回繰り返し行うことで、転移工程を実施した。
<測定工程>
転移工程で得られた試料を含む固相に、25μlのHISCL R4試薬(シスメックス社製)と25μlのHISCL R5試薬を添加し、42℃で5分間インキュベートした。次に、FLUOstar OPTIMA(BMG LABTECH社製)を用いて測光(3sec at gain 4095)を行い、発光強度(Counts)を測定することで測定工程を実施した。
<抗HCVコアモノクローナル抗体のジェノタイプ反応性>
HCV陽性患者から得られた、HCVのジェノタイプ及びHCV−RNA量が既知であるHCV陽性血清43−48を用いて、以下の実験を行った。
カオトロピック剤として尿素を6M、界面活性剤としてBrij35(シグマ社製)を4%、及びアルカリ性物質として水酸化ナトリウムを0.45N含む水溶液を、第1処理試薬とした。
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2処理試薬A〜Cの水溶液を調製した。
(第2処理試薬A)
クエン酸 0.15M
(第2処理試薬B)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 30mM
(第2処理試薬C)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 30mM
NaCl 0.6mM
ここで、第2処理試薬Bには、還元剤としてメルカプトエチルアミンが含まれている。また、第2処理試薬Cには、還元剤としてメルカプトエチルアミン、及び無機塩類としてNaClが含まれている。
実施例3で使用した標識抗体試薬と同様のALP標識抗体20μlを、980μlの希釈液(25mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.25% BSA、0.02% NaN3、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2)で80倍に希釈し、標識抗体試薬とした。
実施例3と同様の第1抗体試薬25 μlを、475 μlの希釈液で20倍に希釈し、第1抗体試薬とした。
第2抗体として抗DNP抗体(DNP−1753)を固定化した磁性粒子(Dynabeads M−270;インビトロジェン社製)を用いた。ここで、DNP−1753としては、受託番号NITE P−845で受託されたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−845で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。100μlの該磁性粒子を、900μlの希釈液で10倍に希釈し、磁性粒子試薬とした。
実施例3と同様のストレプトアビジンプレートを使用した。
第1抗体及び第2抗体の結合を解離する物質として、DNP−Lysを用いた。DNP−Lys(東京化成社製)が0.2mMとなるように、希釈液(25mM Tris−HCl(pH7.5)、0.6M NaCl、0.25% BSA、0.02% NaN3)で希釈し、遊離剤とした。
HCV陽性血清として、以下の表3に示すWorldWide HCV Performance Panel(SeraCare社製)を用いた。
40μlのHCV陽性血清と、60μlの第1処理試薬とを混合し、室温にて8分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。
<第2処理工程>
第1処理工程で得られた試料に、60μlの第2処理試薬を添加し、室温にて5分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。なお、第2処理工程後の試料はpH7〜7.5であることをpH試験紙(Whatman社製)により確認した。
<形成工程>
第2処理工程で得られた160μlの試料と、75μlの標識抗体試薬とを、反応キュベット(HISCL用反応キュベット;シスメックス社製)で混合し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの第1抗体試薬を添加し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、120μlの磁性粒子試薬を添加し、室温で10分間インキュベートすることで、形成工程を実施した。
<洗浄工程>
形成工程で得られた試料を含む反応キュベットを、集磁装置(MINITUBE MAG SEPARATOR:SPHERO TECH社製)を用いて磁気分離を行い、上清を除去し、反応キュベットに380μlのwashing buffer(HISCL wash buffer;シスメックス社製)を添加し、再び磁気分離を行う洗浄を行った。上記洗浄を2回繰り返した後、さらに190μlのwashing bufferによる洗浄を1回行うことで、洗浄工程を実施した。
<転移工程>
洗浄工程で得られた試料を含む反応キュベットに、40μlの遊離剤を添加し、室温で4分間インキュベートした。次に、磁気分離を行い、上清を固相に移し、室温で20分間インキュベートした。次に、上清を除去し、300μlのwashing bufferを添加し、再び上清を除去する洗浄を行った。上記の洗浄は5回繰り返し行うことで、転移工程を実施した。
<測定工程>
転移工程で得られた試料を含む固相に、20μlのHISCL R4試薬(シスメックス社製)と20μlのHISCL R5試薬を添加し、42℃で4分間インキュベートした。次に、FLUOstar OPTIMA(BMG LABTECH社製)を用いて測光(3sec at gain 4095)を行い、発光強度(Counts)を測定することで測定工程を実施した。
<還元剤による磁性粒子の凝集抑制の確認>
本例で使用する試薬は以下に示す。
カオトロピック剤として尿素を6M、界面活性剤としてBrij35(シグマ社製)を4%、及びアルカリ性物質として水酸化ナトリウムを0.45N含む水溶液を、第1処理試薬とした。
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2処理試薬A〜Cの水溶液を調製した。
(第2処理試薬A)
クエン酸 0.15M
(第2処理試薬B)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 30mM
(第2処理試薬C)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 30mM
NaCl 0.6mM
ここで、第2処理試薬Bには、還元剤としてメルカプトエチルアミンが含まれている。また、第2処理試薬Cには、還元剤としてメルカプトエチルアミン、及び無機塩類としてNaClが含まれている。
標識抗体として、ALPで標識された抗HCV抗体(ALP標識HCF3−807)を用いた。ここで、HCF3−807としては、受託番号NITE P−842で受託されたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−842で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。具体的な標識抗体試薬の作製は、ペプシン消化、及び還元することでFab’に転換した該抗体と、架橋剤としてEMCS〔N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido〕(同仁化学)を用いてマレイミド化したALPを混合して、反応させることで標識抗体を調製する。この方法で調製したALP標識抗体20μlを、980μlの希釈液(25mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.25% BSA、0.02% NaN3、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2)で50倍に希釈し、標識抗体試薬とした。
第1抗体として、ビオチン及びDNPで修飾された抗体(Biotin/DNP標識HCF4−104)を用いた。ここで、HCF4−104としては、受託番号NITE P−841で受託されたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−841で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。具体的な第1抗体試薬の作製は、ビオチン化試薬(EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin Reagents:ピアス社)をBSAに添加して、次いでDNP標識試薬(DNP-X acid SE:ABD Bioquest社)を添加することでBiotin/DNP標識したBSAを調製する。次に、ペプシン消化、及び還元することでFab’に転換した該抗体と、架橋剤としてEMCS〔N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido〕(同仁化学)を用いてマレイミド化したBiotin/DNP標識したBSAを混合して、反応させることで第1抗体を調製する。この方法で調製した5 μlの第1抗体を、495 μlの希釈液で100倍に希釈し、第1抗体試薬とした。
第2抗体として抗DNP抗体(DNP−1753)を固定化した磁性粒子(Dynabeads M−270;インビトロジェン社製)を用いた。ここで、DNP−1753としては、受託番号NITE P−845で受託されたハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いた。該ハイブリドーマは、受領番号NITE AP−845で、2009年11月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに受領された細胞である。100μlの該磁性粒子を、900μlの希釈液で10倍に希釈し、磁性粒子試薬とした。
<第1処理工程>
40μlのHCV陰性血清と、60μlの第1処理試薬とを混合し、室温にて8分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。
<第2処理工程>
第1処理工程で得られた試料に、60μlの第2処理試薬A〜Cをそれぞれ添加し、室温にて5分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。なお、第2処理工程後の試料はpH7〜7.5であることをpH試験紙(Whatman社製)により確認した。
<形成工程>
第2処理工程で得られた160μlの試料と、75μlの標識抗体試薬とを、反応キュベット(HISCL用反応キュベット;シスメックス社製)で混合し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの第1抗体試薬を添加し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、80μlの磁性粒子試薬を添加し、室温で10分間インキュベートすることで、形成工程を実施した。
<洗浄工程>
形成工程で得られた試料を含む反応キュベットを、集磁装置(MINITUBE MAG SEPARATOR:SPHERO TECH社製)を用いて磁気分離を行った。磁気分離した磁性粒子に、HISCL洗浄液(シスメックス社製)を300μl添加し、ボルテックスミキサーを用いて分散させることで、洗浄工程を実施した。その後、反応キュベットを静置し、粒子の凝集を評価した。
++:凝集が認められる。
+:やや凝集が認められる。
−:凝集が認められない。
第2処理工程において、第2処理試薬A〜Cを用いた試料における、反応キュベット内の凝集の評価を表4に示す。
<還元剤の種類及びHCVの存在による磁性粒子の凝集抑制の確認>
還元剤を含有する第2処理試薬による凝集抑制が、還元剤の種類に依存するものであるかを調べるため、以下の第2処理試薬D〜Fを調製した。また、試料として使用する血清中のHCVの存在の有無が凝集に影響するかを調べるため、本例では、HCV陰性血清に代えて、HCV陽性血清を用いた。
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2試薬D〜Fの水溶液を調製した。
(第2処理試薬D)
クエン酸 0.15M
メルカプトエチルアミン 45mM
(第2処理試薬E)
クエン酸 0.15M
ジチオトレイトール 45mM
(第2処理試薬F)
クエン酸 0.15M
システイン塩酸塩 90mM
ここで、第2処理試薬Dには、還元剤としてメルカプトエチルアミンが含まれている。また、第2処理試薬Eには、還元剤としてジチオトレイトールが含まれている。また、第2処理試薬Dには、還元剤としてシステイン塩酸塩が含まれている。
<無機塩類による磁性粒子の凝集抑制の確認>
還元剤及び無機塩類を含有する第2処理試薬による凝集抑制が、無機塩類に依存するものであるかを調べるため、以下の第2処理試薬G〜Iを調製した。
酸性物質としてクエン酸を0.15M含む、以下の第2試薬D〜Fの水溶液を調製した。
(第2処理試薬G)
クエン酸 0.15M
塩化ナトリウム 0.6M
(第2処理試薬H)
クエン酸 0.15M
塩化カリウム 0.6M
(第2処理試薬I)
クエン酸 0.15M
硫酸ナトリウム 0.6M
ここで、第2処理試薬Gには、無機塩類として塩化ナトリウムが含まれている。また、第2処理試薬Hには、無機塩類として塩化カリウムが含まれている。さらにまた、第2処理試薬Iには、無機塩類として硫酸ナトリウムが含まれている。
<還元剤を含む前処理液を用いた免疫複合体転移測定法によるHCVの有無の判定>
HCV陽性患者から得られた、HCV陽性血清1〜42を用いて、以下の実験を行った。
実施例5と同様の試薬を使用した。
実施例5の第2処理試薬Cと同様の試薬を使用した。
実施例5と同様の操作により調製したALP標識HCF3−807 10μlを、590μlの標識抗体用希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.15M、BSA 0.25%、NaN3 0.02%、MgCl2 1mM、ZnCl2 0.1mM)で60倍に希釈し、標識抗体試薬とした。
実施例5と同様の操作により調製した5μlのBiotin/DNP標識HCF4−104を、495 μlの希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.15M、BSA 0.25%、NaN3 0.02%)で100倍に希釈し、第1抗体試薬とした。
実施例5と同様の操作により調製した抗DNP抗体(DNP−1753)を固定化した磁性粒子を使用した。
固相としては、ストレプトアビジンを固定化したプレート(ストレプトアビジンプレート)を用いた。ストレプトアビジンプレートは、C8 WHITE MAXISORPプレート(Nunc社製)に対して、ストレプトアビジン(和光純薬)10μg/mlの溶液100μlを室温で感作させ作製した。
第1抗体及び第2抗体の結合を解離する物質として、DNP−Lysを用いた。DNP−Lysine(東京化成社製)が0.2mMとなるように、希釈液(Tris−HCl(pH7.5) 25mM、NaCl 0.6M、BSA 0.25%、NaN3 0.02%)で希釈し、遊離剤とした。
40μlのHCV陽性血清と、60μlの第1処理試薬とを混合し、室温にて8分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。
<第2処理工程>
第1処理工程で得られた試料に、60μlの第2処理試薬を添加し、室温にて5分間インキュベーションすることで、第1処理工程を実施した。なお、第2処理工程後の試料はpH7〜7.5であることをpH試験紙(Whatman社製)により確認した。
<形成工程>
第2処理工程で得られた160μlの試料と、75μlの標識抗体試薬とを、反応キュベット(HISCL用反応キュベット;シスメックス社製)で混合し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、50μlの第1抗体試薬を添加し、室温で10分間インキュベートした。次に、反応キュベットに、80μlの磁性粒子試薬を添加し、室温で10分間インキュベートすることで、形成工程を実施した。
<分離工程>
形成工程で得られた試料を含む反応キュベットを、集磁装置(MINITUBE MAG SEPARATOR:SPHERO TECH社製)を用いて磁気分離を行い、上清を除去し、反応キュベットに380μlのwashing buffer(HISCL wash buffer;シスメックス社製)を添加し、再び磁気分離を行う洗浄を行った。上記洗浄を2回繰り返した後、さらに190μlのwashing bufferによる洗浄を1回行うことで、分離工程を実施した。
<転移工程>
分離工程で得られた試料を含む反応キュベットに、40μlの遊離剤を添加し、室温で4分間インキュベートした。次に、磁気分離を行い、上清を固相に移し、室温で20分間インキュベートした。次に、上清を除去し、300μlのwashing bufferを添加し、再び上清を除去する洗浄を行った。上記の洗浄は5回繰り返し行うことで、転移工程を実施した。
<測定工程>
転移工程で得られた試料を含む固相に、20μlのHISCL R4試薬(シスメックス社製)と20μlのHISCL R5試薬を添加し、42℃で4分間インキュベートした。次に、FLUOstar OPTIMA(BMG LABTECH社製)を用いて測光(3sec at gain 4095)を行い、発光強度(Counts)を測定することで測定工程を実施した。
<判定工程>
測定工程で得られた発光強度の値(測定値)に基づき、試料中に含まれるHCVコア蛋白の有無を判定した。具体的には、各試料の測定値が閾値以上の場合は、試料中にHCVが有ると判定し、測定値が閾値未満の場合は、試料中にHCVが無いと判定した。なお、103のHCV陰性血清に対し、上述の第1処理工程から測定工程までの操作を行って得られた測定値の平均値を算出し、平均値の標準偏差に15を掛けた値を平均値に加算した数値を閾値とした。ここで、測定値の平均値は2054.6、標準偏差は125.3、及び閾値は3934.4であった。
<従来技術によるHCVの有無の判定>
従来技術としてルミスポット栄研HCV抗原(栄研化学製・登録商標)を用いたHCVの有無の判定を行った。上記のHCV陽性血清1〜42を、ルミスポット栄研HCVコア抗原の添付文書に記載されたプロトコールに従って処理し、全自動化学発光酵素免疫測定装置LS−2000(栄研化学製・登録商標)を用いて、各HCV陽性血清中のHCV抗原を検出し、HCVの有無を判定した。なお、ルミスポット栄研HCV抗原によるHCV抗原の検出限界、すなわちHCVの有無の判定の閾値は0.4pg/mlである。
○:試料中にHCVは有ると判定
×:試料中にHCVは無いと判定
−:検出限界未満
Claims (24)
- C型肝炎ウイルス(HCV)の免疫測定方法であって、
HCVコア蛋白に結合する標識抗体、HCVコア蛋白に結合する第1抗体及びHCVコア蛋白を含む複合体を、第1の固相上に形成する工程と、
第1固相上に形成された複合体を、第1固相から遊離し、第1固相とは異なる第2の固相に転移する工程と、
第2固相に転移された複合体の標識を測定する工程と、を含み、
標識抗体及び第1抗体は、それぞれHCVコア蛋白の異なる部位に結合し、且つ結合する部位に、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の49番目のアミノ酸を含まない、
免疫測定方法。 - 標識抗体及び第1抗体の結合する部位が、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の21−30番目のアミノ酸配列又は41−48番目のアミノ酸配列である、請求項1に記載の方法。
- 標識抗体及び第1抗体に用いられる抗体が、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託された受託番号:NITE P−844及びNITE P−843から選択されるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体である、請求項2に記載の方法。
- 標識抗体の結合する部位が、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の21−30番目のアミノ酸配列であり、第1抗体の結合する部位が、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の41−48番目のアミノ酸配列である、請求項2に記載の方法。
- 標識抗体が、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託された受託番号:NITE P−844のハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体であり、第1抗体に用いられる抗体がNITE P−843のハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体である、請求項4に記載の方法。
- 形成工程が、標識抗体、HCVコア蛋白、第1抗体、及び第1抗体と結合する第2抗体を固定した第1固相を接触させることで、標識抗体、HCVコア蛋白、第1抗体及び第2抗体からなる複合体を、第1固相上に形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 第2固相が、第1抗体と結合する物質が固定化された固相であり、
転移工程が、第1固相上に形成された複合体における、第1抗体及び第2抗体の結合を解離することで、遊離した標識抗体、HCVコア蛋白及び第1抗体からなる複合体を、第1固相から第2固相に転移する、請求項6に記載の方法。 - 第1固相が粒子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- HCVを含む疑いのある試料を、アルカリ性物質を含有する試薬で処理する第1処理工程と、
アルカリ性物質を含有する試薬で処理された試料を、酸性物質を含有する試薬で処理する第2処理工程と、
複合体が形成された粒子を洗浄する洗浄工程と、をさらに含み、
第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも1つが還元剤を含有する請求項8に記載の方法。 - 還元剤が、メルカプトエチルアミン、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、システイン、ジチオエリトリトール、水素化ホウ素ナトリウム及びホスフィンから選択され
る少なくとも1つである請求項9に記載の方法。 - 第1処理工程で用いられる試薬が、非イオン性界面活性剤を含有する、請求項9又は10に記載の方法。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤から選択される請求項11に記載の方法。
- 第1処理工程で用いられる試薬が、カオトロピック剤を含有する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
- カオトロピック剤が、尿素、グアニジン塩酸塩、サリチル酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素ナトリウム、アセトアミド及びホルムアミドから選択される少なくとも1つである請求項13に記載の方法。
- アルカリ性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つである請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 酸性物質が、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、リン酸、ギ酸、フマル酸、酒石酸、塩酸及び硫酸から選択される少なくとも1つである請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 第1処理工程及び第2処理工程で用いられる試薬の少なくとも一つが、無機塩類を含有する、請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 無機塩類が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム及び硫酸ナトリウムから選択される少なくとも1つである請求項17に記載の方法。
- 粒子が、磁性粒子である請求項8〜18のいずれか1項に記載の方法。
- HCVコア蛋白に結合する標識抗体を含む第1試薬と、
HCVコア蛋白に結合する第1抗体を含む第2試薬と、
第1固相と、
第1抗体及び第1固相と結合する第2抗体を含む第3試薬と、
第1抗体と結合する物質が固定化された第2固相と、を含み、
標識抗体及び第1抗体は、それぞれHCVコア蛋白の異なる部位に結合し、且つ結合する部位に、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の49番目のアミノ酸を含ない、
HCVの免疫測定試薬キット。 - 標識抗体及び第1抗体の結合する部位が、配列番号2に示されるHCVコア蛋白の21−30番目のアミノ酸配列又は41−48番目のアミノ酸配列である、
請求項20に記載の試薬キット。 - 標識抗体及び第1抗体に用いられる抗体が、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託された受託番号:NITE P−844及びNITE P−843から選択されるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体である、
請求項21に記載の試薬キット。 - 第1固相が粒子を含む第4試薬である、請求項20〜22のいずれか1項に記載の試薬キット。
- アルカリ性物質を含む第5試薬と、
酸性物質を含む第6試薬と、をさらに含み、
第5試薬及び第6試薬の少なくとも一つが、還元剤を含有する、
請求項20〜23のいずれか1項に記載の試薬キット。
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