JP2011179840A - 多結晶シリコン不純物測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シーメンス法で製造した多結晶シリコンロッドの軸芯位置を含む半径方向の部位別に不純物濃度を測定する方法であって、多結晶シリコンロッドの軸芯を横断する径方向に沿って切り出した棒状の多結晶試料をその端部から一定量の純水に浸漬し、多結晶試料における軸芯の位置まで浸漬した状態で純水の重量を測定する第1工程と、多結晶試料をフローティングゾーン法により単結晶にした単結晶試料S2を第1工程時と同量の純水Wに端部から浸漬し、第1工程時に測定した重量と同じ重量に達したときの単結晶試料S2の浸漬面位置を多結晶試料の軸芯位置に対応する単結晶試料S2の軸芯Cの位置と特定する第2工程とを有する。
【選択図】 図2
Description
このように製造される多結晶シリコンロッド中の不純物の濃度を測定する場合、特許文献1及び特許文献2に示される技術が知られている。
まず、図3(a)に示すようにシーメンス法で製造した長尺の多結晶シリコンロッド1から、同図(b)に示すように、その軸芯Cを横断する径方向に棒状の試料(以下、多結晶試料という)S1を繰り抜く。あるいは、多結晶シリコンロッド1を一旦輪切りにして、径方向に沿う棒状に切断して多結晶試料S1とする。この棒状の多結晶試料S1は、長さ方向のほぼ中間部が、シリコン芯棒2が残った軸芯Cの位置となる。
すなわち、FZ法により単結晶にすると、全体の径が細くなり、このため図5(a)に示されるように、FZ処理前の多結晶試料S1の下端から軸芯Cまでの長さをL、上端部面積をD2とし、また、図5(b)に示されるように、FZ処理後の単結晶試料S2の下端から軸芯Cまでの長さをl、上端部面積をd2とした場合に、FZ処理前の多結晶試料S1の体積(D2×L)を、FZ処理後の単結晶試料S2の上端部面積(d2)で割った値が、FZ処理後の単結晶試料S2の下端から軸芯Cまでの長さ(l)であると計算される。
単結晶試料の下降量、言い換えれば純水への浸漬深さを計測することにより、軸芯位置を特定することができ、単純な方法で軸芯位置を正確に特定することができる。
本実施形態の多結晶シリコン不純物測定方法では、前述したように多結晶シリコンロッド1からその軸芯Cを横断する径方向に沿う棒状の試料(多結晶試料)S1を作製する多結晶試料作製工程、得られた多結晶試料S1の軸芯Cの位置を記録する多結晶試料軸芯記録工程(本発明の第1工程)、その多結晶試料S1をFZ法にて単結晶にする単結晶試料作製工程、得られた単結晶試料S2において多結晶試料S1のときの軸芯Cの位置を割り出す単結晶試料軸芯特定工程(本発明の第2工程)、特定された軸芯Cの位置を基準として部位別の不純物濃度を測定する不純物濃度測定工程とを有している。
重量計10の秤量部11には、純水Wが貯留されたビーカーBが載置され、また、秤量部11により計測された重量は、正面に設けられた表示パネル12に表示される。
デジタルゲージ20は、垂直に立設された昇降ポール21と、この昇降ポール21に沿って昇降される昇降部22と、昇降部22に設けられて試料(FZ処理前の多結晶試料又はFZ処理後の単結晶試料)を把持するためのクランプ23と、クランプ23を有する昇降部22を昇降ポール21に沿って上下動させるための駆動機構24とが備えられている。この場合、駆動機構24では、回転ノブ25を手動で回転することによって、昇降部22が昇降ポール21に沿って上下動され、その昇降部22の移動量を表示する表示パネル26が設けられている。
<多結晶試料作製工程>
(1)図3で説明したように、シーメンス法で製造した長尺の多結晶シリコンロッド1から、その軸芯Cを横断する径方向に沿って棒状の多結晶試料S1を作製する。
(2)次に、この多結晶試料S1について、2分程度の表面エッチング、その後の1分程度の純水でのブローを行なうことにより、多結晶試料S1の表面を洗浄する。表面に付着した水分は拭き取っておく。このとき、多結晶試料S1の軸芯Cの位置(すなわち、シリコン芯棒2が残った位置)を確認しておく。
(3)次に、図1(a)に示すように、重量計10の秤量部11に、一定量の純水Wを入れたビーカーBを載置してゼロ点調整をし、その後、このビーカーBの上方位置にて、デジタルゲージ20のクランプ23に、溝部3を下側にして多結晶試料S1を垂直となるように保持する。
(4)そして、デジタルゲージ20の回転ノブ25を回転することにより、クランプ23に保持した多結晶試料S1を徐々に降下させ、下方に位置するビーカーB内の純水W内に浸漬する。この多結晶試料S1の純水Wへの浸漬に伴い、重量計10の秤量部11に作用する全体重量が増加し、その重量が秤量部11にて計測され、表示パネル12にデジタル表示される。
そして、図1(b)に示すように、多結晶試料S1の長さ方向のほぼ中間位置の軸芯Cの位置が純水Wの水面に到達したときに、この多結晶試料S1の降下を停止し、このときの表示パネル12に表示された重量を記録する。この場合の軸芯Cの位置はシリコン芯棒2の位置であり、目視により確認できる。
前述したように、多結晶試料S1の溝部3に吊り具を係止して高周波誘導加熱装置内に吊り下げ、FZ法により単結晶試料S2を作製する。
(1)重量計10の秤量部11に、上記(3)の工程で用いた純水と同量の純水Wを入れたビーカーBを載置してゼロ点調整をし、前述の多結晶試料S1から製造した単結晶試料S2を、デジタルゲージ20のクランプ23に、溝部3を下側(コーン部を上側)にして垂直となるように保持する。
(2)そして、デジタルゲージ20の回転ノブ25を回転することにより、クランプ23とともに単結晶試料S2を降下させた後、図2(a)に示すように、この単結晶試料S2の下端がビーカーB内の純水Wの水面に接したときのデジタルゲージ20の距離表示をゼロ点とする。
(4)重量計10の表示パネル12に表示される計測値を目視確認し、この計測値が、先の多結晶試料S1の軸芯記録工程(第1工程)の(5)の工程で記録した記録値に一致したとき、デジタルゲージ20の回転ノブ25の回転を停止する。図2(b)は、そのようにして単結晶試料S2の下降を停止した状態を示す。
(5)デジタルゲージ20の回転ノブ25の回転を停止したときのデジタルゲージ20の計測値、すなわち、昇降部22の表示パネル26に表示されるクランプ23の降下距離(単結晶試料S2の下端から純水Wの水面までの距離)を読み取る。そして、単結晶試料S2の下端からこの降下距離に達する位置が、単結晶試料S2における軸芯Cの位置(溶融によりシリコン芯棒2が無くなっている)であるとして、図2(b)に符号Mで示すように、単結晶試料S2上にマーキングする。以上により、単結晶試料S2の軸芯特定工程(第2工程)を終了する。
以上のようにして軸芯Cの位置を特定した単結晶試料S2について、例えば、特定された軸芯位置、表皮位置(単結晶試料S2の端部位置が相当する)、これらの中間位置等の不純物濃度を測定する。
例えば、上記実施形態では、FZ処理時の吊り下げ用の溝部を形成した側の端部はFZ処理による変形が少ない部位であるため、多結晶試料、単結晶試料とも、その溝部を形成した側の端部を下方に向けて純水中に浸漬したが、逆に、FZ処理後にコーン状となる端部を純水に浸漬して軸芯位置を特定するようにしてもよい。
また、試料を垂直に保持して純水中に降下させているが、試料は中心位置が浸漬水面位置にあれば必ずしも垂直でなくても、若干傾斜した状態で保持してもよい。
また、本発明の測定方法は、不純物として重金属の他、P,B,As等を測定する場合に適用することができる。
2 シリコン芯棒
3 溝部
4 種結晶
5 下端部
10 重量計
20 デジタルゲージ
S1 多結晶試料
S2 単結晶試料
C 軸芯
W 純水
B ビーカ
Claims (2)
- シーメンス法で製造した多結晶シリコンロッドの軸芯位置を含む半径方向の部位別に不純物濃度を測定する方法であって、前記多結晶シリコンロッドの軸芯を横断する径方向に沿って切り出した棒状の多結晶試料をその端部から一定量の純水に浸漬し、前記多結晶試料における前記軸芯の位置まで浸漬した状態で前記純水の重量を測定する第1工程と、前記多結晶試料をフロートゾーン法により単結晶にした単結晶試料を前記第1工程時と同量の純水に端部から浸漬し、前記第1工程時に測定した重量と同じ重量に達したときの前記単結晶試料の浸漬面位置を前記多結晶試料の軸芯位置に対応する前記単結晶試料の軸芯位置と特定する第2工程とを有することを特徴とする多結晶シリコン不純物測定方法。
- 前記第2工程では、前記単結晶試料の下端が純水に接触した位置を基準位置とし、その基準位置からの前記単結晶試料の下降量を計測することにより、前記単結晶試料の下端から軸芯位置までの距離を特定することを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコン不純物測定方法。
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