JP2011178412A - 包装用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】つまみ部の容器外への突出がなくて、容器が開けられたことを簡単に視認することができる、つまみ部を備えた包装用容器を提供すること。
【解決手段】容器本体10の被嵌合部11の外側に位置する水平フランジ部12の一部に、つまみ収納部13を形成するとともに、このつまみ収納部13に、下方に膨出する可変形収納部14を形成し、蓋体20の嵌合部21の外側の一部に、容器本体10側のつまみ収納部13内に収納されるつまみ部22を形成したこと。
【選択図】図8

Description

本発明は、包装用容器に関し、特に容器本体に蓋体を内嵌合するようにした包装用容器に関するものである。
この種の包装用容器は、容器本体に蓋体を内嵌合するようにしてあるから、密閉性が非常によく、収納物からの液汁が外に漏れ出ることが少ないことから、例えば、調理された総菜を収納する容器として重宝されているものである。
しかしながら、このような容器本体に蓋体を内嵌合するようにした包装用容器では、密閉性を重視する結果、蓋体を容器本体から外すことが困難になっているというデメリットがある。そこで、特許文献1にも示されているように、「摘み片」を蓋体側に設けて、この摘み片を使用することにより、蓋体の外しを容易にすることが試みられている。
登録実用新案第3069609号公報、代表図、図3
この特許文献1に示された容器は、図9及び図10に示すように、蓋体2を開け易くするための摘み片13を有しているものであり、この摘み片13を使用すれば、蓋体2を容器本体1から外し易くなるように見える。
しかしながら、この摘み片13は、図9に示すように、フランジ部12の外側になるように形成したものであるから、図10から分かるように、容器本体1側のフランジ部7上に突出するものになると考えられ、この突出した摘み片13が当該容器を包んでいるラップを破損させたり、あるいは、周囲の他の商品を傷付けたりするとも考えられる。
また、蓋体を外し易くするための摘み片ではあるが、この摘み片を使えば蓋体を容易に外せることは、当該容器の収納物に対して悪戯が行われ易いことも意味し、摘み片を設けるに当たっては、その辺りの注意もしておかなければならない。
そこで、本発明者等は、つまみを蓋体に設けるにあたって、つまみが邪魔にならないようにすることができて、容器内の収納物に悪戯が行いにくいものにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、つまみ部の容器外への突出がなくて、容器が開けられたことを簡単に視認することができる、つまみ部を備えた包装用容器を提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「容器本体10の被嵌合部11に蓋体20の嵌合部21を内嵌合するようにした包装用容器100であって、
容器本体10の被嵌合部11の外側に位置する水平フランジ部12の一部に、つまみ収納部13を形成するとともに、このつまみ収納部13に、下方に膨出する可変形収納部14を形成し、
蓋体20の嵌合部21の外側の一部に、容器本体10側のつまみ収納部13内に収納されるつまみ部22を形成したことを特徴とする包装用容器100」
である。
この請求項1に係る包装用容器100は、図1から図3に示すように、容器本体10と蓋体20とからなり、容器本体10の被嵌合部11に蓋体20の嵌合部21を内嵌合するようにしたものであるから、密閉性がよく、収納物からの液汁の外部への漏出を防止し得るものとなっている。
また、この包装用容器100では、図1及び図8の(a)に示すように、容器本体10側のつまみ収納部13内に、蓋体20側のつまみ部22が完全に収納されて外側に飛び出さないから、つまみ部22が当該包装用容器100を包装しているラップを破損させたり、当該包装用容器100の周囲にある他の商品に傷を付けることもない。
さて、蓋体20側に設けたつまみ部22は、上述したように、通常では容器本体10側のつまみ収納部13内に完全に納められた状態にあって摘めない。そこで、このつまみ部22を取り出すために、使用者が容器本体10の水平フランジ部12の下側に膨出している可変形収納部14を上方に押すのである。
そうすると、可変形収納部14は、図8の(b)にも示したように、グシャグシャに潰されて蓋体20側のつまみ部22を押し上げ、持ち上げるのである。以上の結果、つまみ部22は、人の指によって摘める程度に、つまみ収納部13から突出することになり、蓋体20の取り外しが容易に行えることになるのである。
以上のようにして押し上げられた可変形収納部14において、次のような重要な機能がある。この可変形収納部14は、後述する実施形態におけるように、合成樹脂シートを真空成形することによって形成されるものであるが、上方に押されることによって塑性変形して元には戻らないため、この変形した可変形収納部14を見れば、当該包装用容器100の開封が予測できる。また、使用される合成樹脂シートによっては、当該可変形収納部14に「白濁現象」(透明または半透明であったものが白っぽく濁る現象)を発生するため、この白濁した可変形収納部14を見れば、当該包装用容器100の開封が予測できる。
換言すれば、当該包装用容器100が販売のために陳列されている場合には、この可変形収納部14の塑性変形や白濁現象は、当該包装用容器100内の収納物に商品化を阻害するような外力が加えられたか、あるいは収納物に悪戯がされたかの証左となるのである。これに対して、当該包装用容器100の収納物が真正な消費者によって消費された場合には、この可変形収納部14の塑性変形や白濁現象は、当該包装用容器100が使い捨て容器として使用されただけであるから何ら問題にはならない。
従って、この請求項1に係る包装用容器100は、つまみ部22の容器100外への突出がなくて、容器100が開けられたことを簡単に視認することができるものとなっているのである。
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の包装用容器100について、
「容器本体10側のつまみ収納部13を、水平フランジ部12の外側に形成した凸条フランジ部15によって囲むようにしたこと」
である。
この請求項2の包装用容器100では、図1及び図4に示すように、つまみ収納部13を凸状フランジ15によって囲むようにしたものであり、これにより、図8の(a)にも示すように、つまみ収納部13内に収納されたつまみ部22をも囲めるようになっている。蓋体20に設けたつまみ部22は、本来ならば容易に摘み出せるものでなければならないが、本発明に係る包装用容器100では、凸状フランジ15によって摘み出しにくくかつ取り出しにくくしているのである。
つまみ部22を、凸状フランジ15によって摘み出しにくくかつ取り出しにくくしているのは、そうしない場合にはこのつまみ部22ができるだけ突出しないようにして他に傷を付けたりラップを破損しないようにするためであり、さらには、不用意な開封や悪戯が行えないようにするためである。このつまみ部22を使用して蓋体20を外す場合には、上記請求項1に係る包装用容器100での説明のようにすればよい。
従って、この請求項2に係る包装用容器100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、つまみ部22を使用した不用意な開封や悪戯をより一層防止できるようになっている。
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載の包装用容器100について、
「蓋体20側のつまみ部22に、容器本体10側の可変形収納部14内に突出する突出部23を形成したこと」
である。
すなわち、この請求項3の包装用容器100では、図8の(a)に示すように、その容器本体10に形成した可変形収納部14内に、蓋体20のつまみ部22に形成した突出部23が収納されるようにしたものである。このつまみ部22に形成した突出部23の全体が容器本体10側の可変形収納部14内に収納されている。つまり、つまみ部22に形成してある突出部23は、これが可変形収納部14内に収納される結果可変形収納部14の剛性を高めているのであり、この可変形収納部14は、例えば何かに当接したときに容易に潰れないように、突出部23によって保護されているのである。
さて、蓋体20側に設けたつまみ部22は、上述したように、通常では容器本体10側のつまみ収納部13内に完全に納められた状態にあって摘めない。そこで、このつまみ部22を取り出すために、使用者が容器本体10の水平フランジ部12の下側に膨出している可変形収納部14を、図8の(b)中に示した矢印のように、上方に押すのである。
そうすると、この可変形収納部14内には、図8の(a)にも示したように、蓋体20側のつまみ部22に形成した突出部23が収納されていたから、この突出部23の下端が押された可変形収納部14によって押し上げられ、蓋体20側のつまみ部22は、図8の(b)に示したように、容易に持ち上げられるのである。以上の結果、つまみ部22は、人の指によって摘める程度に、当該包装用容器100から突出することになり、蓋体20の取り外しが容易に行えることになるのである。
以上のようにして押し上げられた可変形収納部14において、前述したように、次のような重要な機能がある。この可変形収納部14は、上方に押されることによって塑性変形して元には戻らないため、この変形した可変形収納部14を見れば、当該包装用容器100の開封が予測できる。また、使用される合成樹脂シートによっては、当該可変形収納部14に「白濁現象」を発生するため、この白濁した可変形収納部14を見れば、当該包装用容器100の開封が予測できるのである。
従って、この請求項3に係る包装用容器100では、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、容器本体10側の可変形収納部14内に蓋体20側の突出部23が収納されるようにしたから、運搬時や陳列時における可変形収納部14の剛性が高まったものとなっているのである。
以上、説明したとおり、本発明においては、
「容器本体10の被嵌合部11に蓋体20の嵌合部21を内嵌合するようにした包装用容器100であって、
容器本体10の被嵌合部11の外側に位置する水平フランジ部12の一部に、つまみ収納部13を形成するとともに、このつまみ収納部13に、下方に膨出する可変形収納部14を形成し、
蓋体20の嵌合部21の外側の一部に、容器本体10側のつまみ収納部13内に収納されるつまみ部22を形成したこと」
に構成上の主たる特徴があり、これにより、
つまみ部22の容器100外への突出がなくて、容器100が開けられたことを簡単に視認することができる包装用容器100を提供することができるのである。
本発明に係る包装用容器100の、容器本体10を点線で、蓋体20を実線で示した平面図である。 同包装用容器100の長辺側の縦断面図である。 同包装用容器100の短辺側の縦断面図である。 同包装用容器100を構成している容器本体10の平面図である。 同容器本体10の部分を示すもので、(a)は図4中の1−1線に沿ってみた部分縦断面図、(b)は図4中の2−2線に沿ってみた部分縦断面図、(c)は図4中の3−3線に沿ってみた部分縦断面図、(d)は図4中の4−4線に沿ってみた部分縦断面図である。 同包装用容器100を構成している蓋体20の平面図である。 同蓋体20の部分を示すもので、(a)は図6中の5−5線に沿ってみた部分縦断面図、(b)は図6中の6−6線に沿ってみた部分縦断面図、(c)は図6中の7−7線に沿ってみた部分縦断面図、(d)は図6中の8−8線に沿ってみた部分縦断面図である。 同包装用容器100の可変形収納部14部分での様子を示すもので、(a)は蓋体20を外す前の状態を示す部分断面図、(b)は可変形収納部14を押してつまみ部22を押し上げた状態の部分断面図である。 特許文献1の技術を示す分解斜視図である。 特許文献1の技術を示す部分縦断面図である。
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態に係る包装用容器100について説明すると、図1〜図3には、この実施形態に係る包装用容器100が示してあり、この包装用容器100は、合成樹脂シートを真空又は圧空成形することにより形成される容器本体10及び蓋体20により構成されるものである。そして、この包装用容器100は、容器本体10の被嵌合部11に蓋体20の嵌合部21を内嵌合するものである。
この実施形態に係る容器本体10及び蓋体20は、厚さ0.2mm〜0.8mm、好ましくは0.35mm〜0.4mmの、アモルフィスポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンフィラー、ポリスチレン、ポリ乳酸、あるいはポリプロピレンのシートを採用してシート成形したものである。また、これらの容器本体10や蓋体20の容器高さは、10mm〜90mm、最適には35mm〜45mmで、外側平面12の幅は、2mm〜15mm、最適には5mm〜6mmであった。
容器本体10は、図4にも示したように、容器本体10の周縁の内側全体に被嵌合部11を形成したものであり、この被嵌合部11の外側に水平フランジ部12を形成したものである。この水平フランジ部12の一部、本実施形態では当該容器本体10のコーナー部になる4つの部分に、つまみ収納部13が形成してあり、このつまみ収納部13には、図5にも示したような下方に膨出する可変形収納部14が形成してある。
また、この容器本体10の上記水平フランジ部12の外周には、図1及び図4に示したように、凸状フランジ15が形成してある。この凸状フランジ15は、図4及び図8にも示したように、結果的に上述したつまみ収納部13の外周を囲むことになるものであり、つまみ収納部13内に収納される蓋体20側のつまみ部22を保護するものである。勿論、この凸状フランジ15は、当該容器本体10全体の剛性を高めるために形成してあるものであって、本実施形態では、その本来の機能を損なわないようにしながらつまみ収納部13の周囲、特に外側部分を囲むようにしているものである。
可変形収納部14は、つまみ収納部13の一部を下方に膨出させて形成したものであり、図5の(a)〜(d)に示したような種々な態様が考えられる。図5の(a)に示した可変形収納部14は、最も基本的な形状のものであり、半球状に膨出形成したものである。この図5の(a)に示した可変形収納部14は、半球状であるため、合成樹脂シートを成形するにあたって最も簡単かつ無理なく形成できるものであり、しかも、これを押してつまみ部22、あるいはこれに形成される突出部23を押し上げる際の、当該可変形収納部14自体の変形を容易にしているものである。
図5の(b)の可変形収納部14は、半球状を基本としながら、その底面等に小さな凹凸を形成したものであるが、この凹凸によって、当該可変形収納部14を押圧する際の指の滑りを防止でき、さらに変形し易くなっている。図5の(c)に示した可変形収納部14は、断面が「バケツ」状になるようにしたもので、「半球」に対して全表面積が大きくなるようにしたものである。シート成形によってこの可変形収納部14を形成するのであれば、表面積が大きいと当該可変形収納部14のシート厚は薄くなり、結果として変形し易い可変形収納部14となる。図5の(d)に示した可変形収納部14は、バケツ状ではあっても側壁が垂直になるようにしたもので、図5の(c)に示した可変形収納部14よりもさらに表面積を大きくしたものである。
さて、図6には、上述した容器本体10に嵌合される蓋体20の平面図が示してある。この蓋体20は、容器本体10側の被嵌合部11内に嵌合される嵌合部21を有していて、この嵌合部21の外側には、容器本体10側の凸状フランジ15内に入り込む水平フランジ部が形成してある。この水平フランジ部のコーナー部には、容器本体10側の各つまみ収納部13内に収納されることになるつまみ部22が形成してある。
各つまみ部22は、上述した容器本体10側の可変形収納部14と同様に、合成樹脂シートの一部を下方に膨出させて形成したものであり、可変形収納部14内に収納できる程度の大きさのものに形成したものである。この突出部23についても、容器本体10側の可変形収納部14と同様に、図7に示したような種々な形態のものが考えられる。
図7の(a)に示した突出部23は、断面が「バケツ」状にしたもので、最も形成し易い形状のものである。図7の(b)に示した突出部23は、先端部を丸くしたものであり、図7の(c)に示した突出部23は、半球状にしたもので、いずれも、容器本体10側の可変形収納部14によって押し上げるとき、指先に痛みなどの違和感を与えないようにしたものである。図7の(d)に示した突出部23は、図7の(a)に示した突出部23よりも大きく(長く)したものであり、容器本体10側の可変形収納部14の底面に接触した状態で収納できるようにして、可変形収納部14の押圧と同時につまみ部22の押し上げもできるようにしたものである。
本実施形態のつまみ部22においては、図6に示したように、囲みリブ24または棒リブ25によって剛性を高めるようにしている。囲みリブ24は、文字通り、つまみ部22の外周部分、つまりこのつまみ部22が突出部23を有している場合はこの突出部23の周囲を囲むものであり、つまみ部22自体の剛性を高めて、これをつまみ上げる作業を行い易くしている。棒リブ25は、つまみ部22の適宜位置に複数形成されるものであり、このつまみ部22が突出部23を有している場合はこの突出部23の両側に2本形成されるものである。
100 包装用容器
10 容器本体
11 被嵌合部
12 水平フランジ部
13 つまみ収納部
14 可変形収納部
15 凸状フランジ
20 蓋体
21 嵌合部
22 つまみ部
23 突出部
24 囲みリブ
25 棒リブ

Claims (3)

  1. 容器本体の被嵌合部に蓋体の嵌合部を内嵌合するようにした包装用容器あって、
    前記容器本体の被嵌合部の外側に位置する水平フランジ部の一部に、つまみ収納部を形成するとともに、このつまみ収納部に、下方に膨出する可変形収納部を形成し、
    前記蓋体の嵌合部の外側の一部に、前記容器本体側のつまみ収納部内に収納されるつまみ部を形成したことを特徴とする包装用容器。
  2. 前記容器本体側のつまみ収納部を、前記水平フランジ部の外側に形成した凸条フランジ部によって囲むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  3. 前記蓋体側のつまみ部に、前記容器本体側の可変形収納部内に突出する突出部を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装用容器。
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