JP2011177355A - 内視鏡用分岐通路構成体及びその製作方法 - Google Patents
内視鏡用分岐通路構成体及びその製作方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】分岐通路の湾曲部分でも滑らかな形状に成形することが簡単にでき、かつ金属射出成形によることなく、低コストで製造可能となるようにする。
【解決手段】通路を縦方向に分割した第1体12と第2体14からなり、この第1体12の側面から、即ち分岐通路方向に垂直な方向から切削工具を当てて切削し、またこの切削工具を通路方向へ移動させることで、この第1体12に、処置具挿通チャンネル通路13aから吸引通路13bが分岐する分岐通路13を側面開口12Eと共に成形する。一方、上記側面開口12Eを塞ぐための嵌合形状を有する第2体14に、第1体12との結合時に処置具挿通チャンネル通路13aを形成する円弧状面14fを成形し、この第2体14を第1体12に嵌合結合する。
【選択図】図1
【解決手段】通路を縦方向に分割した第1体12と第2体14からなり、この第1体12の側面から、即ち分岐通路方向に垂直な方向から切削工具を当てて切削し、またこの切削工具を通路方向へ移動させることで、この第1体12に、処置具挿通チャンネル通路13aから吸引通路13bが分岐する分岐通路13を側面開口12Eと共に成形する。一方、上記側面開口12Eを塞ぐための嵌合形状を有する第2体14に、第1体12との結合時に処置具挿通チャンネル通路13aを形成する円弧状面14fを成形し、この第2体14を第1体12に嵌合結合する。
【選択図】図1
Description
本発明は内視鏡用分岐通路構成体、特に処置具挿通チャンネルから吸引管路を分岐させるための分岐通路構成体の構造及びその製作方法に関する。
一般に、内視鏡には、先端部から操作部まで処置具挿通チャンネル(鉗子チャンネル)が配設されると共に、この処置具挿通チャンネルから分岐して吸引管路が設けられており、上記処置具挿通チャンネルを介して処置具(鉗子等)を体内へ挿入できると共に、この処置具挿通チャンネル及び上記吸引管路を介して体内の生理食塩水、血液、体内汚物等を吸引することが可能となっている。
図5には、内視鏡の概略構成が示されており、内視鏡では、先端部1Aから挿入部(軟性部)1Bを介して操作部1Cの鉗子口(処置具導入口)2まで処置具挿通チャンネル3が配設される。この処置具挿通チャンネル3に、分岐部(分岐管)4を介して吸引管路5が設けられ、この吸引管路5には吸引バルブ6が接続される。この吸引バルブ6には、軟性チューブ等を介して貯留タンク及び吸引用ポンプが接続される。
このような内視鏡によれば、鉗子口2から鉗子等の処置具を導入し、処置具挿通チャンネル3を介して先端部1Aから体内へ処置具を挿入することができ、また吸引バルブ6の操作により、吸引管路5、分岐部4及び処置具挿通チャンネル3を介して体内に存在する生理食塩水等を吸引、排出することができる。
そして、従来の上記分岐部4においては、吸引管路5を処置具挿通チャンネル3の管路方向に対し垂直な方向に配置し、ロー付けによって接続していた。例えば、下記特許文献1では、処置具挿通チャンネル側の連結部材に設けた開口に吸引管をロー付けし、特許文献2では、処置具挿通チャンネル側のチャンネル接続管の外周に肉厚の筒体を配置し、この筒体を介してチャンネル接続管に吸引管をロー付けしている。
しかし、図5の従来の構成又は上記特許文献1,2の構成では、洗浄時において吸引管路5と処置具挿通チャンネル4の間のブラシの挿通性が悪く、吸引圧力の損失も大きいという不都合がある。
このようなブラシの挿通性の不具合や吸引圧力の損失をなくすためには、図6のような接続も考えられる。即ち、図6に示されるように、処置具挿通チャンネル3側の管の曲げ部(曲成部)に楕円状の開口3aを開けると共に、吸引管路(ストレート管)5にも管を斜めにカットした楕円状開口の端部5aを形成し、この端部5aを上記開口3aにロー付けすることができる。
しかしながら、図6の構成は、処置具挿通チャンネル3の曲げ管の径が吸引管5の径よりも大きく、かつ径差がある場合はよいが、径差がない場合は接続し難いという問題がある。近年の内視鏡は、細径化により管路径も小さくなっており、この細径化が進めば進む程、接続が困難となる。
一方、上記特許文献3乃至5に示されるように、上記処置具挿通チャンネル3の管と吸引管路5の管を直接的に接続するのではなく、分岐通路を内部に形成した構成体を用いてそれぞれの管を接続することも行われている。
図7には、上記分岐通路構成体(分岐部)が示されており、図7(B),(C)からも分かるように、分岐通路構成体8は通路方向に垂直な方向で分割した第1体8Aと第2体8Bを有し、これら第1体8A及び第2体8Bの内部に分岐通路が形成されている。この第1体8A及び第2体8Bは、SUS303相当の材料で金属射出成形によって形成される。そして、第1体8Aの通路に処置具挿通チャンネル(管)3が接続され、第2体8Bでは、その上側通路に処置具挿通チャンネル(連結管)3が接続され、下側通路に吸引管路(管)5が接続される。
しかしながら、図7の従来の分岐通路構成体8は、SUS303相当の材料で金属射出成形によって形成されるため、成形機が必要であり、また分岐通路の加工が複雑となるため製作に手間がかかり、加工コストも高くなるという問題がある。
また、従来の分岐通路構成体では、特許文献5の図3及び段落0027に記載されるように、通路方向(軸線方向)にボールエンドミル等の研磨工具を挿入して、内部通路を形成している。
しかし、このように通路方向から研磨工具をアプローチする加工方法では、内部通路の湾曲部分(変曲点部分)の仕上りを滑らかな形状とすることが困難であった。
例えば、図8には、上記図7の分岐通路構成体8の第1体8Aの内部を加工する状態が示されており、この図のように、第1体8A内に挿入されたボールエンドミル等の研磨工具9は、通路方向での移動ができる程度で、内部で自由な加工位置を確保することができず、湾曲部分を十分な仕上り状態にすることができなかった。この結果、第1体8A内の分岐通路では湾曲部分に挿入される処置具等の先端が引っ掛かり、処置具の良好な挿通性が確保できない場合が生じるという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐通路の湾曲部分でも滑らかな形状に成形することが簡単にでき、かつ金属射出成形によることなく、低コストで製造することが可能になる内視鏡用分岐通路構成体及びその製作方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、処置具挿通チャンネルから吸引管路を分岐させる分岐通路が形成される内視鏡用分岐通路構成体において、上記分岐通路方向に垂直な方向からアプローチした加工工具により、通路方向に沿った側面開口を形成しながら分岐通路を加工した第1体と、この第1体の側面開口を塞いで分岐通路を完成させるための第2体(蓋部材)と、を設け、上記第1体に第2体を結合させてなることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、処置具挿通チャンネルから吸引管路を分岐させる分岐通路を形成する内視鏡用分岐通路構成体の製作方法において、第1体に、上記分岐通路方向に垂直な方向から加工工具をアプローチすることにより、通路方向に沿った側面開口を形成しながら分岐通路を加工し、この第1体の側面開口を第2体で塞ぐことにより、分岐通路を完成させることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、処置具挿通チャンネルから吸引管路を分岐させる分岐通路を形成する内視鏡用分岐通路構成体の製作方法において、第1体に、上記分岐通路方向に垂直な方向から加工工具をアプローチすることにより、通路方向に沿った側面開口を形成しながら分岐通路を加工し、この第1体の側面開口を第2体で塞ぐことにより、分岐通路を完成させることを特徴とする。
本発明の構成によれば、例えば分岐通路本体としての第1体に対し、分岐通路方向に垂直な方向から加工工具を当てて切削し、この加工工具を通路方向へ移動させることにより、通路方向に沿った側面開口が形成されると共に、分岐通路の大部分(底面部を含む部分)が切削(及び研磨)される。そして、この第1体の側面開口に、この開口を塞ぐように第2体を結合させることで、分岐通路構成体が製作される。即ち、分岐通路を縦方向(通路方向)に分割した状態の第1体と第2体で分岐通路本体が構成される。
本発明の内視鏡用分岐通路構成体及びその製作方法によれば、第1体にその分岐通路方向に垂直な方向から加工工具をアプローチすることにより、分岐通路の湾曲部分でも滑らかな形状に成形することができ、この湾曲部分において処置具等の先端が引っ掛かったりすることもなく、処置具の良好な挿通性が確保できる。また、金属射出成形を採用する必要がなく、分岐通路の加工が容易となるので、分岐通路構成体を低コストで製作することが可能になるという効果がある。
図1乃至図4には、本発明の実施例に係る内視鏡用分岐通路構成体が示されており、この実施例の内視鏡用分岐通路構成体は、図1,図3に示されるように、処置具挿通チャンネル通路13aから吸引通路13bが分岐するように分岐通路13が形成されるが、この分岐通路13を縦方向に分割した大部分を成形した第1体(本体)12と、処置具挿通チャンネル通路13aの残りの部分を成形し、上記第1体12に嵌合結合される第2体(蓋体、閉塞体)14から構成される。また、上記第1体12の処置具挿通チャンネル通路13aの湾曲部の上側開口に接続される鉗子口(図5の2)側接続管16と、湾曲部の下側開口に接続される処置具挿通チャンネル側接続管17と、第1体12の吸引通路13bの開口に接続される吸引管路18とが設けられる。
図3(B)に示されるように、第1体12は、分岐通路13の底面12Dを含む分岐通路13の大部分、即ち分岐通路13を上面、底面、左右面に分けたときの上面、底面及び左右のいずれか一方の面(3面)を含むU字状部分を、例えばボールエンドミル等の切削工具(そして研磨工具)で成形する。
図4には、上記分岐通路13の加工状態が示されており、実施例では、第1体12の側面から、即ち分岐通路方向に垂直な方向から切削工具19を当てて切削し、またこの切削工具19を通路方向へ移動(一筆書きのように移動)させることにより、側面開口12Eと共に分岐通路13が成形される。
一方、第2体14は、図3(B)のように、上記側面開口12Eを塞ぐための嵌合形状を有すると共に、この第2体14には、第1体12と結合した時に分岐通路13の処置具挿通チャンネル通路13aを形成するため、その一部を形成する円弧状面14fが加工、成形される。この第2体14の円弧状面14fは、第1体12と同様にボールエンドミル等の切削工具で切削加工してもよいし、その他の方法で製作してもよい。
実施例は以上の構成からなり、図1の状態から図3(B)に示されるように、第1体12に対しその側面開口12Eを塞ぐように第2体(蓋体)14を結合させ、ロー付けすることで分岐通路構成体が製作され、この構成体の処置具挿通チャンネル通路13aの上側開口に鉗子口側接続管16を接続し、下側開口に処置具挿通チャンネル側接続管17を接続すると共に、吸引通路13bの開口に吸引管路18を接続すれば、図2に示されるように、分岐通路構成体を用いた分岐部が組み立てられる。
そして、実施例の分岐通路構成体によれば、第1体12に対し分岐通路方向に垂直な方向から切削工具をアプローチすることにより、分岐通路13の湾曲部分を滑らかに成形できるので、この湾曲部分、特に底面部において処置具等の先端が引っ掛かったりせず、処置具をスムーズに挿通させることが可能となる。また、内視鏡では、処置具挿通チャンネル通路13a、吸引通路13b及び吸引管路18を介して体内の生理食塩水、血液、体内汚物等が吸引されるが、これらの吸引物の通過もスムーズになるという利点がある。
上記実施例の第1体12では、分岐通路13の3/4の部分を成形するようにしたが、第1体12に分岐通路13の半分程度を成形し、第2体14に分岐通路13の残りの半分程度を成形してもよいし、更には、微細な切削加工が可能な切削工具や切削手段に対応して第1体12の側面開口12Eを細くし、分岐通路13の80〜90%程度を成形するようにしてもよい。また、第2体14は、上述した円弧状面14fを成形せず、直線的な面を成形して分岐通路を形成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、処置具挿通チャンネルと吸引管の分岐部に適用したが、本発明は、内視鏡のその他の管路の分岐部に適用することが可能である。
8A,12…第1体、 8B,14…第2体、
3…処置具挿通チャンネル、 5,18…吸引管路、
12…第1体(本体)、 12D…底面、
12E…側面開口、 13…分岐通路、
13a…処置具挿通チャンネル通路、13b…吸引通路、
14…第2体、 14f…円弧状面、
16…鉗子口側接続管、 17…処置具挿通チャンネル側接続管、
19…切削工具。
3…処置具挿通チャンネル、 5,18…吸引管路、
12…第1体(本体)、 12D…底面、
12E…側面開口、 13…分岐通路、
13a…処置具挿通チャンネル通路、13b…吸引通路、
14…第2体、 14f…円弧状面、
16…鉗子口側接続管、 17…処置具挿通チャンネル側接続管、
19…切削工具。
Claims (2)
- 処置具挿通チャンネルから吸引管路を分岐させる分岐通路が形成される内視鏡用分岐通路構成体において、
上記分岐通路方向に垂直な方向からアプローチした加工工具により、通路方向に沿った側面開口を形成しながら分岐通路を加工した第1体と、
この第1体の側面開口を塞いで分岐通路を完成させるための第2体と、を設け、上記第1体に第2体を結合させてなることを特徴とする内視鏡用分岐通路構成体。 - 処置具挿通チャンネルから吸引管路を分岐させる分岐通路を形成する内視鏡用分岐通路構成体の製作方法において、
第1体に、上記分岐通路方向に垂直な方向から加工工具をアプローチすることにより、通路方向に沿った側面開口を形成しながら分岐通路を加工し、
この第1体の側面開口を第2体で塞ぐことにより、分岐通路を完成させることを特徴とする内視鏡用分岐通路構成体の製作方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010044726A JP2011177355A (ja) | 2010-03-01 | 2010-03-01 | 内視鏡用分岐通路構成体及びその製作方法 |
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JP2010044726A JP2011177355A (ja) | 2010-03-01 | 2010-03-01 | 内視鏡用分岐通路構成体及びその製作方法 |
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JP (1) | JP2011177355A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019058756A (ja) * | 2013-05-17 | 2019-04-18 | エンドチョイス インコーポレイテッドEndochoice, Inc. | 2つの前方サービスチャンネルを有する複数ビュー素子内視鏡 |
WO2020148830A1 (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-23 | オリンパス株式会社 | 挿入機器 |
EP4302676A1 (en) * | 2022-03-25 | 2024-01-10 | FUJI-FILM Corporation | Endoscope comprising a y-connector |
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2010
- 2010-03-01 JP JP2010044726A patent/JP2011177355A/ja active Pending
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WO2020148830A1 (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-23 | オリンパス株式会社 | 挿入機器 |
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