JP2011176250A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1〜3には、燐光発光材料としてイリジウム錯体や白金錯体などを用い、更に含窒素ヘテロ環基とカルバゾール構造を含む特定構造の化合物をホスト材料として用いて、発光効率及び耐久性を向上させた有機電界発光素子が提案されている。
しかしながら、これら特許文献に記載の素子よりも更に高いレベルで発光効率と耐久性が両立され、かつ色度ずれの小さな有機電界発光素子が求められている。
また、本発明の別の目的は、優れた発光効率と耐久性を有し、駆動電圧が低く、駆動電圧の違いによる色度ずれの小さい有機電界発光素子に有用な電荷輸送材料を提供することである。そして、本発明の別の目的は、有機電界発光素子を含む発光装置及び照明装置を提供することである。
すなわち、本発明は下記の手段により達成することができる。
〔1〕
基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該電極間に発光層を含む有機層とを有する有機電界発光素子であって、前記有機層の少なくとも一層に下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも一つ含有する有機電界発光素子。
(一般式(1)中、R11〜R14はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロアリール基又はシアノ基を表す。R15は電子求引性基を表し、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよい。nは1又は2を表す。n1はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。n2は1〜4の整数を表し、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよい。)
〔2〕
前記R15がシアノ基、フッ素原子又はハロゲン化アルキル基を表す、〔1〕に記載の有機電界発光素子。
〔3〕
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である、〔1〕に記載の有機電界発光素子。
(一般式(2)中、R11〜R14はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロアリール基又はシアノ基を表す。nは1又は2を表す。n1はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
〔4〕
前記n1が0を表す、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
〔5〕
前記一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つを前記発光層に含有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
〔6〕
前記発光層に、更に少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有する、〔5〕に記載の有機電界発光素子。
〔7〕
前記金属錯体がイリジウム錯体であることを特徴とする〔6〕に記載の有機電界発光素子。
〔8〕
前記発光層と陰極との間に少なくとも1層の有機層を有し、該有機層に芳香族炭化水素化合物を含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
〔9〕
前記発光層と陰極の間に、少なくとも1層の有機層を有し、該有機層が下記一般式(O−1)で表される化合物を少なくとも一種含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(式中、R01は、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、複数のR01は同じでも異なっていても良い。A01〜A04はそれぞれ独立にC−RA又は窒素原子を表す。RAは水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、複数存在する場合は互いに同じでも異なっていても良い。L01は、アリール環、及びヘテロアリール環の少なくとも1種を含んでなる二価〜六価の連結基を表す。n01は2〜6の整数を表す。)
〔10〕
前記有機層の少なくとも1層が溶液塗布プロセスにより形成された、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
〔11〕
下記一般式(1)表される電荷輸送材料。
(一般式(1)中、R11〜R14はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロアリール基又はシアノ基を表す。R15は電子求引性基を表し、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよい。nは1又は2を表す。n1はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。n2は1〜4の整数を表し、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよい。)
〔12〕
〔11〕に記載の電荷輸送材料を含有する発光層。
〔13〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
〔14〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基群B)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、シアノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、前記置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基Z)
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、フェニル基、炭素数5〜10の芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、フルオロ基、シリル基、アミノ基、シアノ基又はこれらを組み合わせて成る基を表す。複数の置換基Zは互いに連結して芳香族炭化水素環を形成しても良い。
本発明において、「置換基」というとき、その置換基は置換されていてもよい。例えば、本発明で「アルキル基」と言う時、フッ素原子で置換されたアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)やアリール基で置換されたアルキル基(例えばトリフェニルメチル基)なども含むが、「炭素数1〜6のアルキル基」と言うとき、置換されたものも含めた全ての基として炭素数が1〜6であることを示す。
高輝度と低輝度での色度の違いは、主に発光層内部での発光位置(膜厚方向)の違いによるもので、これは電極から発光層までの各層界面での電荷注入障壁や、各層の電荷移動度の電界強度依存性によると考えられる。本発明の素子では、一般式(1)で表される化合物を用いることにより電荷注入障壁が小さくなるため、また、電荷移動度の電界強度依存性が小さくなるために発光輝度による色度変化が小さいと推定される。
以下、一般式(1)で表される化合物について説明する。
また、カルバゾール骨格に置換基を導入する場合、カルバゾール骨格の3位及び6位が反応活性位であり、合成の容易さ、及び化学的安定性向上の観点から、3位又は6位に置換基を導入することが好ましい。
R15で表される電子求引性基は、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていても良い。
n2は1〜3を表すことが好ましく、1又は2を表すことがより好ましく、1を表すことが更に好ましい。
T1エネルギーは、材料の薄膜の燐光発光スペクトルを測定し、その短波長端から求めることができる。例えば、洗浄した石英ガラス基板上に、材料を真空蒸着法により約50nmの膜厚に成膜し、薄膜の燐光発光スペクトルを液体窒素温度下でF−7000日立分光蛍光光度計(日立ハイテクノロジーズ)を用いて測定する。得られた発光スペクトルの短波長側の立ち上がり波長をエネルギー単位に換算することによりT1エネルギーを求めることができる。
以下に、一般式(1)又は(2)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)又は(2)で表される化合物は発光層の全質量に対して0.1〜99質量%含ませることが好ましく、1〜95質量%含ませることがより好ましく、10〜95質量%含ませることがより好ましい。一般式(1)又は(2)で表される化合物を発光層以外の層に更に含有させる場合は、70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
本発明の素子について詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該電極間に発光層を含む有機層とを有する有機電界発光素子であって、前記有機層の少なくとも一層に下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも一つ含有する。
発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示している。図1に示される本発明に係る有機電界発光素子10は、支持基板2上において、陽極3と陰極9との間に発光層6が挟まれている。具体的には、陽極3と陰極9との間に正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7、及び電子輸送層8がこの順に積層されている。
前記有機層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層//電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
<陽極>
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
<陰極>
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
本発明における有機層について説明する。
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法等の溶液塗布プロセスのいずれによっても好適に形成することができる。有機層の少なくとも1層が溶液塗布プロセスにより形成されたことが好ましい。
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明は、一般式(1)で表される電荷輸送材料を含有する発光層にも関する。本発明の発光層は有機電界発光素子に用いることができる。本発明の発光層は、一般式(1)で表される電荷輸送材料の他、前記燐光性有機金属錯体を更に含むことが好ましい。また、更にホスト材料を含んでいてもよく、ホスト材料としては、正孔輸送性ホスト材料であっても、電子輸送性ホスト材料であってもよいが、両電荷輸送性ホスト材料が好ましい。
本発明における発光材料としては、燐光性発光材料、蛍光性発光材料等いずれも用いることができる。
本発明における発光層は、色純度を向上させるためや発光波長領域を広げるために2種類以上の発光材料を含有することができる。本発明の素子は発光層に、更に少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有することが好ましい。
本発明における発光材料は、更に前記ホスト材料との間で、1.2eV>△Ip>0.2eV、及び/又は1.2eV>△Ea>0.2eVの関係を満たすことが駆動耐久性の観点で好ましい。ここで、△Ipは、ホスト材料と発光材料のIp値の差を、△Eaはホスト材料と発光材料のEa値の差を意味する。
前記発光材料の少なくとも一種が白金錯体材料又はイリジウム錯体材料であることが好ましい。
本発明においては、発光層に白金錯体材料又はイリジウム錯体材料を含むことが好ましく、4座配位子を有する白金錯体材料又はイリジウム錯体材料を含むことがより好ましく、イリジウム錯体材料を含むことが更に好ましい。
蛍光発光材料、燐光発光材料については、例えば、特開2008−270736の段落番号〔0100〕〜〔0164〕、特開2007−266458の段落番号〔0088〕〜〔0090〕に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
炭素原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、アニオン性の配位子でも中性の配位子でもよく、アニオン性の配位子としてはビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントレン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。中性の配位子としてはカルベン配位子が挙げられる。
窒素原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としては含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサゾール配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))、アミン配位子、ニトリル配位子、イミン配位子が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アミノ配位子、イミノ配位子、含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピロール配位子、イミダゾール配位子、トリアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えはインドール配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))が挙げられる。
酸素原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはエーテル配位子、ケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子、含酸素ヘテロ環配位子(フラン配位子、オキサゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾオキサゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子などが挙げられる。
硫黄原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはチオエーテル配位子、チオケトン配位子、チオエステル配位子、チオアミド配位子、含硫黄ヘテロ環配位子(チオフェン配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子などが挙げられる。
リン原子でPtに結合するQ1、Q2、Q3及びQ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
Q1、Q2、Q3及びQ4で表される基は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い(Q3とQ4が連結した場合、環状四座配位子のPt錯体になる)。
錯体の安定性及び発光量子収率の観点から、L1、L2及びL3として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、更に好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、更に好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、更に好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、更に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
A401〜A414はそれぞれ独立にC−R又はNを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。
又はRで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
A401〜A406として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。A401〜A406がC−Rである場合に、A402、A405のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素基である。A401、A403、A404、A406のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。
L41は、前記一般式(C−1)中のL1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A407〜A414がC−Rを表す場合に、A408、A412のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくは、水素原子、フェニル基、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。A407、A409、A411、A413のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フェニル基、フッ素基である。A410、A414のRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。A407〜A409、A411〜A413のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
炭素原子でPtに結合するYとしてはビニル配位子が挙げられる。窒素原子でPtに結合するYとしてはアミノ配位子、イミノ配位子が挙げられる。酸素原子でPtに結合するYとしては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子、カルボキシル配位子、リン酸配位子、スルホン酸配位子などが挙げられる。硫黄原子でPtに結合するYとしては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子、チオカルボン酸配位子などが挙げられる。
Yで表される配位子は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い。
例えば、配位子、又はその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、若しくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、若しくは、塩基非存在下、室温以下、若しくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
一般式(T−1)で表される化合物について説明する。
Qは窒素を1つ以上含む5員又は6員の芳香族複素環又は縮合芳香族複素環である。
RT3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。
RT3’とRT6は、−CR2−CR2−、−CR=CR−、−CR2−、−O−、−NR−、−O−CR2−、−NR−CR2−及び−N=CR−から選択される連結基によって連結されて環を形成してもよい。
Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)2、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)2、−CN、−NO2、−SO2、−SOR’、−SO2R’、又は−SO3R’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、副配位子を表す。mTは1〜3の整数、nTは0〜2の整数を表す。mT+nTは3である。)
シクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるシクロアルキル基として、好ましくは環員数4〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数5〜6のシクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルケニル基としては好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
RT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
RT8’は水素原子、アルキル基、アリール基、フルオロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
RT9’及びRT10’は水素原子を表すか、又は互いに結合して縮合4〜7員環式基を形成することが好ましく、該縮合4〜7員環式基は、シクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましい。
RT9’〜R T10’は更に置換基Zを有していてもよく、置換基Zとしてはアルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
RT4’〜R T6’は、RT3’と同義である。
RT4’は水素原子、アルキル基、アリール基、フルオロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
RT5’及びRT6’は水素原子を表すか、又は互いに結合して縮合4〜7員環式基を形成することが好ましく、該縮合4〜7員環式基は、シクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましい。
RT4’〜R T6’ は更に置換基Zを有していてもよく、置換基Zとしてはアルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
RT3’、RT4’、RT5’、RT6’、RT3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合環を形成しない。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)2、−SR’又は−CNを表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)、mT及びnTは、一般式(T−2)における(X−Y)、mT及びnTと同義であり、好ましいものも同様である。
RT7〜RT10は、RT3〜RT6と同義である。RT7’〜RT10’は、RT3’〜R T6’と同義である。
また、発光層は一層であっても二層以上の多層であってもよい。また、それぞれの発光層が異なる発光色で発光してもよい。
本発明に用いられるホスト材料は、一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、正孔と電子の両電荷を輸送可能な化合物である。
ホスト材料は電子輸送材料及びホール輸送性材料を挙げることができ、電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
例えば、ピロール、インドール、カルバゾール(例えばCBP(4,4’−ジ(9−カルバゾイル)ビフェニル))、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、トリフェニレンなどの縮環炭化水素芳香族化合物、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体及びそれらの誘導体(置換基や縮環を有していてもよい)等を挙げることができる。
本発明の有機電界発光素子は、前記発光層と陰極との間に少なくとも一層の有機層を有し、該有機層に芳香族炭化水素化合物を含有することが好ましい。
芳香族炭化水素化合物は発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層に含有されることがより好ましいが、その用途が限定されることはなく、有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。本発明にかかる芳香族炭化水素化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、若しくは複数に含有することができる。
芳香族炭化水素化合物が含有される発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層は電荷ブロック層又は電子輸送層であることが好ましく、電子輸送層であることがより好ましい。
芳香族炭化水素化合物を発光層以外の層に含有させる場合は、70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。芳香族炭化水素化合物を発光層に含有させる場合は、発光層の全質量に対して0.1〜99質量%含ませることが好ましく、1〜95質量%含ませることがより好ましく、10〜95質量%含ませることがより好ましい。
一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物は炭素原子と水素原子のみからなり、化学的安定性の点で優れるため、駆動耐久性が高く、高輝度駆動時の各種変化がおきにくいという効果を奏する。
フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基(これらは更にアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、ベンゼン環であることが特に好ましい。
Lとして好ましくは、アルキル基又はベンゼン環で置換されていてもよいベンゼン環、フルオレン環、又はこれらを組み合わせて成るn価の連結基である。
以下にLの好ましい具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。なお具体例中*でトリフェニレン環と結合する。
合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
炭化水素化合物が含有される発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層は電荷ブロック層又は電子輸送層であることが好ましく、電子輸送層であることがより好ましい。
一般式(O−1)について説明する。
該アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
該アリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基群Aが挙げられ、置換基群Aとしては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数4〜13のヘテロアリール基、炭素数0〜12のアミノ基、シアノ基、フルオロ基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数5〜9のヘテロアリール基、炭素数2〜12のアミノ基、シアノ基がより好ましく、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ピリジル基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、シアノ基がさらに好ましく、メチル基、フェニル基、シアノ基が特に好ましく、メチル基、フェニル基が最も好ましい。
該ヘテロアリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。好ましくは、炭素数4〜12のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員のヘテロアリール基であり、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、カルバゾリル基、チアゾリニル基、スルホラニル基などが挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基群Aが挙げられ、置換基群Aとしては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数4〜13のヘテロアリール基、炭素数0〜12のアミノ基、シアノ基、フルオロ基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数5〜9のヘテロアリール基、炭素数2〜12のアミノ基、シアノ基がより好ましく、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ピリジル基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、シアノ基がさらに好ましく、メチル基、フェニル基、シアノ基が特に好ましく、メチル基、フェニル基が最も好ましい。
一般式(O−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(O−2)で表される化合物である。
電荷輸送層とは、有機電界発光素子に電圧を印加した際に電荷移動が起こる層をいう。具体的には正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層又は電子注入層が挙げられる。好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層である。塗布法により形成される電荷輸送層が正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層であれば、低コストかつ高効率な有機電界発光素子の製造が可能となる。また、電荷輸送層として、より好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層又は電子ブロック層である。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
本発明に関し、有機層として、電子受容性ドーパントを含有する正孔注入層又は正孔輸送層を含むことが好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0165〕〜〔0167〕に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、本発明における一般式(1)で表される化合物のほか、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノレート(Aluminum (III)bis(2−methyl−8−quinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
本発明の素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の発光素子は、発光装置、ピクセル、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
次に、図2を参照して本発明の発光装置について説明する。
本発明の発光装置は、前記有機電界発光素子を用いてなる。
図2は、本発明の発光装置の一例を概略的に示した断面図である。
図2の発光装置20は、透明基板(支持基板)2、有機電界発光素子10、封止容器11等により構成されている。
ここで、接着層14としては、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
次に、図3を参照して本発明の実施形態に係る照明装置について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る照明装置の一例を概略的に示した断面図である。
本発明の実施形態に係る照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
〔合成例1〕
[化合物(a−01)の合成]
窒素下、三つ口フラスコにカルバゾール61.45g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下略してDMI)200mlを入れ、水素化ナトリウム(60%油性)20gを徐々に加えた。30分攪拌し、3−ブロモフルオロベンゼン61.25gを滴下し、110℃で6時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽出を行った。得られた油層をエバポレーターにより濃縮し、残留物をシリカゲルカラムにて精製した。目的の化合物(1)が57.5g(収率50.8%)得られた。1H−NMR(300MHz,in CDCl3):δ(ppm)=7.28−7.33(m,2H),7.39−7.62(m,7H),7.75(s,1H),8.14(d,J=3.9Hz,2H)
窒素下、三つ口フラスコに化合物(1)57.5g、テトラヒドロフラン(THF)500mlを入れ、ドライアイス−アセトンバスを用いて、−60℃以下に冷却した。1.6M n−ブチルリチウム ヘキサン溶液117ml滴下した後、30分攪拌し、更に2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン39.8gを加え、攪拌しながら室温まで戻した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽出を行った。得られた油層をエバポレーターにより濃縮し、残留物をシリカゲルカラムにて精製した。目的の化合物(2)が33.5g(収率51%)得られた。1H−NMR(300MHz,in CDCl3):δ(ppm)=1.35(s,12H),7.27(t,J=8.1Hz,2H),7.35−7.43(m,4H),7.60−7.63(m,1H),7.89(d,J=6.6Hz,1H),7.98(s,1H),8.14(d,J=7.2Hz,1H)
窒素下、三つ口フラスコにカルバゾール9.2g、DMI30mlを入れ、水素化ナトリウム(60%油性)2.4gを徐々に加えた。30分攪拌し、3−ブロモフルオロベンゾニトリル10gを滴下し、80℃で6時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽出を行った。得られた油層をエバポレーターにより濃縮し、残留物をシリカゲルカラムにて精製した。目的の化合物(3)が9.8g(収率56%)得られた。1H−NMR(300MHz,in DMSO−d6):δ(ppm)=7.31−7.35(m,2H),7.45(d,J=3Hz,1H),8.25−8.27(m,4H),8.33(d,J=2.1Hz,1H)
窒素下、三つ口フラスコに化合物(2)7.4g、化合物(3)7.0g、酢酸パラジウム0.12g、トリフェニルホスフィン0.52g、炭酸ナトリウム10.6g、1,2−ジメチトキシエタン200ml、水200mlを入れ、80℃で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、析出物をろ別した。析出物をシリカゲルカラムにて精製した。目的の化合物(a−01)が8.2g(収率81%)得られた。1H−NMR(300MHz,in DMSO−d6):δ(ppm)=7.31(dt,J=9.3,5.4Hz,4H),7.41−7.49(m,3H),7.53(d,J=6.3Hz,1H),7.71(d,J=6.0Hz,1H),7.81(t,J=5.8Hz,1H),8.05(d,J=6.0Hz,1H),8.21−8.22(m,2H),8.25(d,J=6.0Hz,2H),8.45(s,1H),8.50(s,1H)
[化合物(a−02)の合成]
窒素下、三つ口フラスコに化合物(3)2.78g、ビス(ピナコラト)ジボロン1.02g、酢酸パラジウム27mg、酢酸カリウム1.18g、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)20mlを加え、80℃で2時間攪拌した。その後、炭酸セシウム1.96g、酢酸パラジウム27mg、トリフェニルホスフィン0.22g加え、80℃で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、析出物をろ別した。目的の化合物(a−02)が1.51g(収率70%)得られた。1H−NMR(400MHz,in DMSO−d6):δ(ppm)=7.32(t,J=7.2Hz,4H),7.45(t,J=7.6Hz,4H),7.56(d,J=9.6Hz,4H),8.26(d,J=7.6Hz,4H),8.61(s,4H)
窒素下、三つ口フラスコに化合物(4)3.52g、ビス(ピナコラト)ジボロン1.27g、酢酸パラジウム33mg、酢酸カリウム1.47g、DMF25mlを加え、80℃で2時間攪拌した。その後、炭酸セシウム2.44g、酢酸パラジウム33mg、トリフェニルホスフィン0.27g加え、80℃で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、析出物をろ別した。目的の化合物(a−20)が2.05g(収率74%)得られた。1H−NMR(400MHz,in DMSO−d6):δ(ppm)=7.32(t,J=7.2Hz,4H),7.45(t,J=7.6Hz,4H),7.50(d,J=8.4Hz,4H),8.07(s,2H),8.27(d,J=8.0Hz,4H),8.46(s,2H),8.58(s,2H)
窒素下、三つ口フラスコに化合物(5)3.40g、ビス(ピナコラト)ジボロン1.27g、酢酸パラジウム33mg、酢酸カリウム1.47g、DMF25mlを加え、80℃で2時間攪拌した。その後、炭酸セシウム2.44g、酢酸パラジウム33mg、トリフェニルホスフィン0.27g加え、80℃で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、析出物をろ別した。目的の化合物(a−38)が1.63g(収率63%)得られた。1H−NMR (400 MHz, in DMSO−d6):δ(ppm)=7.30(t,J=7.2Hz,4H),7.40-7.51(m,10H),7.57(d,J=8.4Hz,4H),7.92(d,J=6.8Hz,4H),8.22(s,2H),8.26(d,J=7.6Hz,4H),8.30(s,2H)
[素子の作製]
厚み0.5mm、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第1層:CuPc:膜厚10nm
第2層:NPD:膜厚30nm
第3層:a−01及びGD−1(質量比85:15):膜厚30nm
第4層:表中に示した材料:膜厚5nm
第5層:ET−1:膜厚45nm
この上に、フッ化リチウム1nm及び金属アルミニウム100nmをこの順に蒸着し陰極とした。
これらの素子を発光させた結果、各素子とも発光材料に由来する発光が得られた。
得られた各素子に対し、駆動電圧、外部量子効率、耐久性、直流電流密度0.25mA/cm2から25mA/cm2へ上昇時の色度変化の観点で評価した。なお、各種測定は以下のように行なった。結果を表1に示す。
各素子の直流電流密度2.5mA/cm2時の印加電圧を駆動電圧評価の指標とし、表1においては素子1−1の値を、表2においては素子2−1の値を、表3においては比較素子3−1の値を、表4においては比較素子4−1の値を、表5においては比較素子5−1の値を、表6においては比較素子6−1の値を、表7においては素子7−1の値を、表8においては素子8−1の値を、表9においては比較素子9−1の値を、表10においては素子10−1の値を、表11においては比較素子11−1の値を、表12においては比較素子12−1の値を、表13においては比較素子13−1の値を、表14においては比較素子14−1の値を、表15においては比較素子15−1の値を、表16においては比較素子16−1の値を、表17においては比較素子17−1の値をそれぞれ基準とし、下記基準で評価し、各表において相対値で示した。駆動電圧は◎が最も好ましい。
◎:1V以上低下した場合
○:0.5V以上1V未満低下した場合
△:0V以上0.5V未満低下した場合
×:駆動電圧が上昇した場合
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に輝度が1500cd/m2付近の外部量子効率を輝度換算法により算出し、表1においては素子1−1の値を、表2においては素子2−1の値を、表3においては比較素子3−1の値を、表4においては比較素子4−1の値を、表5においては比較素子5−1の値を、表6においては比較素子6−1の値を、表7においては素子7−1の値を、表8においては素子8−1の値を、表9においては比較素子9−1の値を、表10においては素子10−1の値を、表11においては比較素子11−1の値を、表12においては比較素子12−1の値を、表13においては比較素子13−1の値を、表14においては比較素子14−1の値を、表15においては比較素子15−1の値を、表16においては比較素子16−1の値を、表17においては比較素子17−1の値をそれぞれ基準とし、下記基準で評価し、各表において相対値で示した。外部量子効率は◎が最も好ましい。
◎:3%以上上昇した場合
○:1%以上3%未満上昇した場合
△:0%以上1%未満上昇した場合
×:外部量子効率が低下した場合
各素子を輝度が2000cd/m2になるように直流電圧を印加して発光させ続け、輝度が1500cd/m2になるまでに要した時間を耐久性の指標とし、表1においては素子1−1の値を、表2においては素子2−1の値を、表3においては比較素子3−1の値を、表4においては比較素子4−1の値を、表5においては比較素子5−1の値を、表6においては比較素子6−1の値を、表7においては素子7−1の値を、表8においては素子8−1の値を、表9においては比較素子9−1の値を、表10においては素子10−1の値を、表11においては比較素子11−1の値を、表12においては比較素子12−1の値を、表13においては比較素子13−1の値を、表14においては比較素子14−1の値を、表15においては比較素子15−1の値を、表16においては比較素子16−1の値を、表17においては比較素子17−1の値をそれぞれ基準とし、下記基準で評価し、各表において相対値で示した。耐久性は◎が最も好ましい。
◎:2倍以上の場合
○:1.5倍以上2倍未満の場合
△:1.2倍以上1.5倍未満の場合
×:1.2倍未満の場合
各素子を直流電流密度0.25mA/cm2になるように直流電圧を印加して発光させたときの色度(x、y)と、直流電流密度25mA/cm2になるように直流電圧を印加して発光させたときの色度(x、y)を測定した。両者のx値、y値の差の絶対値を(Δx、Δy)の形で表記し、色度変化の指標とした。下記基準で評価し、表3〜17において相対値で示した。Δx、Δyの値は小さいほど好ましい。
◎:0.003未満の場合
○:0.003以上0.006未満の場合
△:0.006以上0.010未満の場合
×:0.010以上の場合
実施例1における第3層のa−01をa−02に変更し、第5層のET−1をET−2に変更し、第4層材料を表2に記載の第4層材料に変更した以外は実施例1と同様にして、素子2−1〜2−5を作製した。
実施例1における第3層のa−01を表3に記載のホスト材料に変更し、GD−1をGD−2に変更し、第4層材料をET−4に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子3−1、3−2、及び素子3−1〜3−8を作製した。
実施例1における第3層のa−01を表4に記載のホスト材料に変更し、第4層材料をET−6に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子4−1及び素子4−1〜4−5を作製した。
実施例1における第3層のa−01を表5に記載のホスト材料に変更し、第4層材料をET−7に変更し、第5層のET−1をET−2に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子5−1及び素子5−1〜5−3を作製した。
実施例1における第3層のa−01を表6に記載のホスト材料に変更し、GD−1をBD−1に変更し、第4層材料をET−5に変更し、第5層のET−1をET−2に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子6−1及び素子6−1、6−2、及び6−3を作製した。
実施例1における第3層のGD−1を表7に記載のドーパント材料に変更し、第4層材料をET−4に変更し、第5層のET−1をET−2に変更した以外は実施例1と同様にして、素子7−1及び素子7−2を作製した。
実施例1における第3層のGD−1を表7に記載のドーパント材料に変更し、a−01をa−38に変更し、第4層材料をET−4に変更し、第5層のET−1をET−2に変更した以外は実施例1と同様にして、素子8−1及び素子8−2を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表9に記載のホスト材料に変更し、GD−1をGD−2に変更し、第4層材料を表9に記載の第4層材料に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子9−1及び素子9−1、素子9−2を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表10に記載のホスト材料に変更し、GD−1をGD−2に変更し、第4層材料を表10に記載の第4層材料に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子10−1、素子10−1及び素子10−2を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表11に記載のホスト材料に変更し、GD−1をGD−4に変更し、第4層材料をOM−8に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子11−1、及び素子11−1を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表12に記載のホスト材料に変更し、GD−1をBD−2に変更し、第4層材料をOM−8に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子12−1、及び素子12−1を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表13に記載のホスト材料に変更し、GD−1をRD−1に変更し、第4層材料をOM−8に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子13−1、及び素子13−1を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表14に記載のホスト材料に変更し、GD−1をGD−4に変更し、第4層材料をOM−5に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子14−1、及び素子14−1を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表15に記載のホスト材料に変更し、GD−1をBD−2に変更し、第4層材料をOM−5に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子15−1、及び素子15−1を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表16に記載のホスト材料に変更し、GD−1をRD−1に変更し、第4層材料をOM−5に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子16−1、及び素子16−1を作製した。
実施例1における第1層のCuPcをGD−2に変更し、第3層のa−01を表17に記載のホスト材料に変更し、GD−1をRD−1に変更し、第4層材料を表17に記載の第4層材料に変更し、ET−1をOM−5に変更した以外は実施例1と同様にして、比較素子17−1、素子17−1及び素子17−2を作製した。
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子
11・・・有機層
12・・・保護層
14・・・接着層
16・・・封止容器
20・・・発光装置
30・・・光散乱部材
30A・・・光入射面
30B・・・光出射面
31・・・透明基板
32・・・微粒子
40・・・照明装置
Claims (14)
- 前記R15がシアノ基、フッ素原子又はハロゲン化アルキル基を表す、請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記n1が0を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つを前記発光層に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層に、更に少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有する、請求項5に記載の有機電界発光素子。
- 前記金属錯体がイリジウム錯体であることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層と陰極との間に少なくとも1層の有機層を有し、該有機層に芳香族炭化水素化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記有機層の少なくとも1層が溶液塗布プロセスにより形成された、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 請求項11に記載の電荷輸送材料を含有する発光層。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
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