JP2011175205A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品位の表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】対向する各エッジ部が第1方向に所定距離だけ離れた第1パターンと第2パターンの対が少なくとも1つ形成されたマスクを用意する。照明系瞳面での光量分布が、第1直線上の光軸から反対かつ等距離の第1領域及び第2領域における光量が他の領域における光量よりも大きくなる露光装置を用意する。上記のマスクパターンを上記の露光装置で露光転写し、前記第1パターンと前記第2パターンの転写像を、トランジスタのソース電極及びドレイン電極とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置の製造方法、及びこの製造方法を実施するために使用できる露光装置に関する。
近年、フラットパネル型テレビやラップトップ型のコンピュータ及び携帯電話機等の各種の情報表示装置及び情報処理装置の普及に伴い、表示パネルの高性能化が要請されている。このような要請に応えるために、液晶表示装置や有機EL表示装置が開発されている。そして、高精細の液晶表示装置や有機EL表示装置では、表示情報を制御するために、各画素に対応して薄膜の半導体からなるトランジスタ等の能動素子が形成されている。
ところで、液晶表示装置のような大型の基板の全面を露光するには、大フィールドの投影光学系を備えた露光装置が必要である。そのため、投影光学系を複数のそれぞれ開口数が0.1未満程度の部分投影光学系から構成したマルチレンズ方式の露光装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、露光装置の解像限界の観点から、大型の表示装置では、トランジスタのゲート長、すなわちソース電極とドレイン電極の間隔は、3μm程度が下限となっている。
特開2001−330964号公報
従来の液晶表示装置及び有機EL表示装置において、さらに精細度を向上するには、その液晶表示装置の各素子に組み込まれるトランジスタの電流駆動能力を向上させ、応答速度を向上させる必要がある。そして、応答速度の向上のためには、そのトランジスタのゲート長の短縮、すなわち、ソース電極とドレイン電極の間隔の一層の縮小が必要である。しかしながら、従来のマルチレンズ方式のような液晶表示装置用の露光装置では、投影光学系(又は部分投影光学系)には100mm以上の大視野が要求されるため、開口数の増大(大NA化)が難しく、よって、より微細な間隔のパターンを形成するのは困難であった。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、精細度が向上した表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、対向する各エッジ部が第1方向に所定距離だけ離れた第1パターンと第2パターンの対が少なくとも1つ形成されたマスクを、露光装置の投影光学系の物体面側に配置することと、その露光装置の露光光でそのマスクを照明する照明系の瞳面又はこの近傍の面におけるその露光光の光量分布を、その照明系の光軸を通り、その第1方向に伸びる第1直線上にあって、その光軸からそれぞれ反対の方向にありその光軸との距離が互いに等しい第1点及び第2点を含む第1領域及び第2領域における光量が他の領域における光量よりも大きくなるようにして、そのマスクのその素子用パターンをその投影光学系を介してその表示装置の基板に転写することと、そのパターンが転写されたその基板を処理し、その第1パターンとその第2パターンの転写像を、トランジスタのソース電極及びドレイン電極とすること、を含む、表示装置の製造方法が提供される。
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、照明系の瞳面又はこの近傍の面における第1領域(又は第2領域)からの光束は、第1方向に傾いてマスクの第1パターン及び第2パターンに照明される。これに従って、第1パターン及び第2パターンからの0次光及び回折光も、マスクのパターン面の法線方向から第1方向に傾いて発生する。その結果、照明光がマスク面にほぼ垂直に入射する従来の場合に比べ、より大きな回折角で発生する回折光も、投影光学系を透過して被露光物であるガラス基板等に入射可能となる。従って、従来よりもより微小な間隔で並ぶ第1パターン及び第2パターンを、被露光物上に分離して投影転写することが可能となる。
よって、ガラス基板等の被露光物上に形成されるトランジスタの駆動能力をより向上させ、応答速度を向上させることができる。
実施形態の一例で製造される液晶表示装置のトランジスタ側ガラス基板GTの概要を示す拡大図である。 実施形態の一例の露光装置の概略構成を示す斜視図である。 図2の照明系の要部を示す図である。 図2の一つの部分投影光学系を示す断面図である。 (A)は図2の照明系の一部を示す図、(B)は図5(A)の強度分布設定装置14bを示す側面図、(C)は図5(A)の開口絞り板12bを示す底面図である。 マスクのパターンの一部を示す拡大図である。(A)は第1の例を、(B)は変形例を、(C)は別の変形例を、(D)はさらに別の変形例を示す図である。 はマスクのパターンを照明する照明系の瞳面の光量分布を示す図である。 実施形態の一例において、図1のガラス基板GTに形成されるパターンの変化を示す拡大図であり、(A)、(C)、(E)はそれぞれ図1中のトランジスタTR5付近の回路パターンを示す拡大図、(B)、(D)、(F)はそれぞれ図1のA−A'部分のトランジスタTR5付近の拡大断面図である。 変形例の一例において、図1のガラス基板GTに形成されるパターンの変化を示す拡大図であり、(A)、(B)、(C)はそれぞれ図1のA−A'部分のトランジスタTR5付近の拡大断面図である。 実施形態の一例の表示装置の製造工程を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の一例につき図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本実施形態で製造されるアクティブマトリクス駆動型の液晶表示装置(液晶表示装置)の一例を示す図であり、トランジスタの形成されたガラス基板GT内の概略構成を示す拡大断面図である。
図1において、ガラス基板GT上には、各表示画素に対応する透明電極PE1〜9と、上記透明電極PE1〜9に電気信号を伝達する信号線SL1〜4、及び選択線GL1〜9が形成されている。そして、信号線SL1〜4と選択線GL1〜3の各交点の近傍には、トランジスタ(TR1〜9)が形成されている。各トランジスタ(TR1〜9)上には、対応するソース電極TS1〜9およびドレイン電極TD1〜9がそれぞれ形成されている。各ソース電極TS1〜9はそれぞれ対応する信号線SL1〜4のいずれかに接続され、各ドレイン電極TD1〜9はそれぞれ対応する透明電極PE1〜9のいずれかに接続されている。
トランジスタ(TR1〜9)は、例えば非晶質や多結晶のシリコン等の半導体材料で形成されている。また、透明電極PE1〜9は、例えばITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)等より形成されている。
また、信号線SL1〜4および選択線GL1〜3は、例えば、アルミニウム、タンタル、モリブデン等の金属より形成されており、ソース電極TS1〜9およびドレイン電極TD1〜9は非晶質や多結晶のシリコン等の半導体材料、あるいは、アルミニウム等の金属で形成されている。
透明電極PE5が含まれる表示ピクセルを例にとると、選択線GL2による選択信号によりトランジスタTR5が導通された場合に限り、トランジスタTR5を通じて、信号線SL2から伝達される所定の表示電圧信号が印加され、この表示ピクセルを所定の明るさで表示することが可能となる。
液晶表示装置が表示する画像を、より高速で変化させるには、各ピクセル中の透明電極PE5への表示電圧信号の伝達(充電および放電)をより高速で行なう必要があり、
そのために、トランジスタTR5のゲート長、すなわち、ソース電極TS5とドレイン電極TD5の間隔を、従来の3μmよりも微細化する必要がある。
そのために、本例では、図2〜図5に例示する露光装置を使用して、ソース電極TS1〜9およびドレイン電極TD1〜9の露光転写を行なう。
図2は、露光装置EXの全体構成を概略的に示す斜視図、図3は、図2中の照明系ILSの構成を概略的に示す図、図4は、図2の投影光学系PLを構成する各部分投影光学系(投影光学ユニット)の構成を概略的に示す図である。露光装置EXは、複数の反射屈折型の部分投影光学系からなる投影光学系PLに対してマスクMと基板PTとを移動させつつ、マスクMのパターンをフォトレジストが塗布された基板PTの表面に投影露光するマルチレンズ方式の走査型露光装置である。
なお、露光時にマスクMのパターン面及び基板PTの表面は実質的に平行である。図2〜図4等において、マスクMのパターン面に平行な面(本実施形態ではほぼ水平面)内で、走査露光時のマスクM及び基板PTの移動方向(走査方向)に沿ってX軸を設定し、X軸に直交する方向(非走査方向)に沿ってY軸を設定し、X軸及びY軸に直交する方向にZ軸を設定して説明する。
図2及び図3において、露光装置EXは、露光用の照明光(露光光)を発生する例えば超高圧水銀ランプからなる光源1と、露光用の照明光でマスクMのパターン面の所定の複数の照明領域を均一な照度分布で照明する照明系ILSと、マスクMをマスクホルダ(不図示)を介してXY平面に平行に保持して移動するマスクステージMSと、マスクMのパターンの像を基板PTの表面に形成する投影光学系PLと、基板PTを保持して移動する基板ステージPS(図4参照)とを備えている。そして、楕円鏡2の第1焦点位置にある光源1から射出された照明光は、楕円鏡2及びミラー3を介して楕円鏡2の第2焦点位置に光源像を形成する。この第2焦点位置の近傍には、シャッター(不図示)が配置されている。
開状態のシャッターを通過した照明光は、光軸AX0に沿って所望の波長域の光束のみを透過させる波長選択フィルター6を含む第1リレーレンズ系5に入射する。波長選択フィルター6では、露光用の照明光(露光光)として、一例としてi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、g線(波長436nm)の3波長を選択する。あるいは、そのうち最も短波長のi線のみを選択してもよい。
第1リレーレンズ系5を通過した照明光は、第2リレーレンズ系7を介して、ライトガイド8の入射端8aに入射する。ライトガイド8は、多数の光ファイバー素線をランダムに束ねて構成されたランダムライトガイドファイバーであって、光源1の数(図2では1つ)と同じ数の入射端8aと、投影光学系PLを構成する部分投影光学系の数(図2では5つ)と同じ数の射出端8b〜8f(図3では射出端8bだけを示す)とを備えている。こうして、ライトガイド8の入射端8aへ入射した照明光は、その内部を伝播した後、5つの射出端8b〜8fから射出される。照明系ILSは、射出端8b〜8fとマスクMとの間に配置される複数(ここでは5つ)の部分照明系を有する。
図3において、ライトガイド8の射出端8bから射出された発散光束は、部分照明系81内でコリメートレンズ10bによりほぼ平行な光束に変換された後、フライアイインテグレータ(オプティカルインテグレータ)11bに入射する。フライアイインテグレータ11bは、多数の正屈折力のレンズエレメントをその中心軸線が光軸AXIに沿って延びるように縦横に且つ稠密に配列したものである。フライアイインテグレータ11bに入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、その後側焦点面(射出面の近傍の面)である部分照明系81の瞳面(以下、照明瞳面という。)IPPに多数の二次光源よりなる面光源を形成する。
照明瞳面IPP(又はこの近傍の面)には複数の開口絞りが形成されたスライド可能な開口絞り板12bが配置されている。フライアイインテグレータ11bから射出され、開口絞り板12b中の一つの開口絞りを通過した照明光は、コンデンサーレンズ系13bを介してマスクMのパターン面のY方向に、フライアイインテグレータの各要素の形状に相似な細長い概長方形形状の照明領域を照明する。照明瞳面IPPは、マスクMのパターン面に対して光学的にフーリエ変換の関係にある。
すなわち、照明瞳面IPP上の任意の一点を射出した照明光は、概ね平行光となって、マスクMのパターン面に対して上記任意の一点の位置に応じた入射角をもって入射する。より具体的には、その照明光のマスクへの入射角度の正弦(sin)は、その照明光が発せられた照明瞳面IPP上の一点の光軸からの距離に比例する。
開口絞り板12b中の開口絞りによって、二次光源の形状と、部分照明系81からマスクMに入射する光束の最大の開口数NAILの、対応する投影光学系(本実施形態では部分投影光学系PL1)のマスク側(入射側)の開口数NAinに対する比の値であるコヒーレンスファクタ(σ値)(=NAIL/NAin)と、が決定される。
コリメートレンズ10bからコンデンサーレンズ系13bまでの光学部材を含んで部分照明系81が構成されている。同様に、図2の射出端8c〜8fとマスクMとの間にも部分照明系81と同じ構成の部分照明系(図2ではそのうちのコンデンサーレンズ系のみを図示している)が配置されている。
図5(A)は、図3の部分照明系81及び射出端8bの後段の部分照明系83のさらに詳細な構成を示す。図5(A)において、コリメートレンズ10bとフライアイインテグレータ11bとの間に、強度分布設定装置14bが配置されている。図5(B)は、強度分布設定装置14bを+Y方向から見た側面図である。図5(B)において、強度分布設定装置14bは、XZ平面内で楔型の断面形状を持ちY方向には一様な2つのプリズム15A,15Bを光軸AXIに平行な軸に沿って配置した構成の第1分布設定部15と、光路長を揃えるための平板状の第2部分設定部16と、第1分布設定部15と第2分布設定部16とを交互に照明光ILの光路に設置するスライド方式の駆動部17とを備えている。第1分布設定部15を照明光ILの光路に設置すると、照明光ILはX方向に離れた2つの光束ILA,ILBとしてフライアイインテグレータ11bに入射するため、X軸に平行な軸に沿った2極照明(詳細後述)を行う場合に高い照明効率が得られる。第2分布設定部16は、通常の照明方式を用いる場合に照明光ILの光路に設置される。
また、第1分布設定部15の2つのプリズム15A,15Bの間隔を調整する間隔調整部をさらに備えてもよい。この場合、X軸に平行な軸に沿った2極の2次光源の間隔に合わせてプリズム15A,15Bの間隔を調整することで、さらに高い照明効率が得られる。
また、開口絞り板12bには、図5(C)に示すように、X軸に平行な軸に沿って配置される2つの円形の開口18Aa,18Abを有する開口絞り18A、X軸に平行な軸に沿って配置される2つの楕円状の開口18Ba,18Bbを有する開口絞り18B、及び円形開口を持つ通常照明用の開口絞り18Cが形成されている。不図示のスライド方式の駆動部によって、開口絞り板12bをX方向に移動することで、開口絞り18A〜18Cのうちの任意の開口絞りをフライアイインテグレータ11bの射出面の照明瞳面IPPに設置できる。なお、開口絞り18A,18Bの詳細な形状は後述する。また、開口絞り板12b(特に開口絞り18A,18B)は、露光対象のマスクに形成されているパターンに応じて交換してもよい。
また、各開口絞りの形状は、上記の楕円、円(楕円の一部)に限らず、長方形や、他の任意の形状であっても良い。
さらに、分布設定部15,16等によって、照明瞳面IPPにおける二次光源の形状を必要な形状に高精度に設定できる場合には、照明瞳面IPPには必ずしも開口絞りを設定する必要はない。
また、射出端8d側の部分照明系83も、部分照明系81と同じく、コリメートレンズ10d、強度分布設定装置14bと同じ構成の強度分布設定装置14d、フライアイインテグレータ11d、開口絞り板12bと同じ構成の開口絞り板12d、及びコンデンサーレンズ系13dを含んで構成されている。光軸AXIdを持つ部分照明系83も、フライアイインテグレータ11dの射出面の照明瞳面IPPdにおける二次光源の形状を部分照明系81と同様に設定する。これは、他の部分照明系も同様である。
なお、プリズム15Bとフライアイレンズ11bの間に、プリズム15A及び15Bにより分割された2つの照明光束のそれぞれを集光するための集光レンズを設けることで、照明光ILの利用効率を一層高めることもできる。この集光レンズは例えばその中心が、図5(B)中の2つの光束ILA,ILBの中心とそれぞれ一致するような2つの正屈折力レンズとすればよい。
以上の実施形態においては、照明瞳面IPPにおける二次光源の形状は、光軸AXIからX方向に離れた2点の近傍において照明光の強度分布が増大しているものとしたが、この方向は上記のX方向に限るものではなく、Y方向であってもよく、あるいはX方向とY方向の中間方向であっても良い。さらには、露光対象のマスクに形成されているパターンに応じて任意の方向に設定可能とすることもできる。
図2の5つの部分照明系は、マスクMのパターン面(下面)においてY方向に2列に並んだ5つの概長方形形状の領域を照明する。なお、上述の例では、照明系ILSにおいて、光源1からの照明光をライトガイド8を介して5つの照明光に等分割しているが、分割数は任意である。
マスクMの各照明領域からの照明光は、各照明領域に対応するようにY方向に沿って2列に配列された複数(図1では合計で5つ)の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系PLに入射する。部分投影光学系PL1〜PL5の構成は、互いに同じである。部分投影光学系PL1〜PL5の開口数は例えば0.1〜0.07の間である。以下、図4を参照して、各部分投影光学系の構成について説明する。
図4に示す部分投影光学系は、マスクMからの光に基づいてマスクパターンの一次像を形成する第1結像光学系K1と、一次像の近傍に配置され、マスクMにおける部分投影光学系の視野領域(照明領域)及び基板PTにおける部分投影光学系の投影領域(露光領域)を台形形状に規定する視野絞りFSと、その一次像からの光に基づいてマスクパターンの正立正像(二次像)を基板PT上に形成する第2結像光学系K2とを有する。
第1結像光学系K1は、マスクMから−Z方向に入射する光を−X方向に反射する第1反射面を有する第1直角プリズムPR1と、第1直角プリズムPR1側から順に−X方向に配列された、正の屈折力を有する第1屈折光学系G1P及び第1凹面反射鏡MI1とを備えている。第1凹面反射鏡MI1から+X方向に第1直角プリズムPR1に入射した光は、第1直角プリズムPR1の第2反射面によって−Z方向に反射される。
一方、第2結像光学系K2は、視野絞りFSから−Z方向に入射する光を−X方向に反射する第1反射面を有する第2直角プリズムPR2と、第2直角プリズムPR2側から順に−X方向に配置された、正の屈折力を有する第2屈折光学系G2P及び第2凹面反射鏡MI2とを備えている。第2凹面反射鏡MI2から+X方向に第2直角プリズムPR2に入射した光は、第2直角プリズムPR2の第2反射面によって−Z方向に反射されて基板PTに入射する。また、マスクMのパターン面の近傍、及び視野絞りFSの近傍には、それぞれ像シフターとしての平行平面板DP1及びDP2が配置されている。
部分投影光学系において、第1結像光学系K1はX方向における横倍率が+1倍、Y方向おける横倍率が−1倍の一次像を形成し、第2結像光学系K2はX方向における横倍率が+1倍、Y方向おける横倍率が−1倍の一次像を形成する。従って、各部分投影光学系を介して基板PTに形成されるマスクパターンの像は等倍の正立正像である。また、各部分投影光学系は、ほぼ両側にテレセントリックな光学系である。なお、各部分投影光学系の構成は任意であり、各部分投影光学系を屈折系から構成してもよい。
なお、本例の如き等倍の投影光学系の場合、マスク側の開口数NAinは、像側(ガラス基板側)の開口数NAに等しい。ただし、投影倍率βの投影光学系を使用する場合には、NAin=β×NAとなる。
図2において、基板PTの表面において各照明領域に対応するようにY方向に2列に並んだ複数の台形状の露光領域には、マスクパターンの等倍の正立像が形成される。また、図3のマスクステージMSには、このステージを走査方向であるX方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(不図示)が設けられている。また、マスクステージMSを非走査方向(Y方向)に沿って微小量だけ移動させるとともにZ軸に平行な軸の回りに微小量だけ回転させるための一対の駆動系(不図示)が設けられている。そして、マスクステージMSの位置座標が移動鏡を用いたレーザー干渉計MIFによって計測され、この計測結果によりマスクステージMSの位置制御が行われる。
同様のステージ駆動系が、図4の基板ステージPSにも設けられている。即ち、基板ステージPSを走査方向(X方向)に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(不図示)と、基板ステージPSを非走査方向(Y方向)に沿って微小量だけ移動させるとともにZ軸に平行な軸の回りに微小量だけ回転させるための一対の駆動系(不図示)とが設けられている。そして、基板ステージPSの位置座標が移動鏡を用いたレーザー干渉計PIFによって計測され、この計測結果による基板ステージPSの位置制御が行われる。
さらに、図2において、マスクMと基板PTとをXY平面に沿って相対的に位置合わせするための手段として、一対の例えば画像処理方式のアライメント系ALがマスクMの上方に配置されている。
こうして、マスクステージMS側の走査駆動系及び基板ステージPS側の走査駆動系により、複数の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系PLに対してマスクMと基板PTとを一体的に同一方向(X方向)に沿って移動させることによって、マスクPのパターン領域の全体の像が順次、基板PTの各パターン形成領域の全面に転写(走査露光)される。なお、複数の台形状の露光領域の形状及び配置、ひいては複数の概長方形形状の照明領域の形状及び配置については、たとえば特開平7−183212号公報などに詳細な説明が記載されている。
次に、図1の液晶表示装置のトランジスタ側のガラス基板GT上に微小な間隔を有するソース電極TS1〜9、ドレイン電極TD1〜9を形成するために、図6(A)に示す素子用パターンが形成されたマスクが露光装置EXの投影光学系PLの物体面(マスクステージMSの上面)に配置される。
図6(A)に示すマスクパターンM1は、透過性のバックグラウンド上に、ソース電極を形成するための長方形の遮光パターンであるソースパターンMS1と、ドレイン電極を形成するための遮光パターンであるドレインパターンMD1とを含む。ソースパターンMS1及びドレインパターンMD1は、Y方向に伸びるエッジを有するパターンであり、これらのエッジのうちの相互に対向するエッジは、X方向に幅GWの微小間隔MG1だけ離れて形成されている。
なお、これらのソースパターンMS1及びドレインパターンMD1の組は、一つの液晶表示装置(液晶表示パネル)用の素子用パターンであり、マスク上には、X方向及びY方向に所定間隔で複数個の同様な組が形成されている。
本例では、微小間隔MG1の幅GWは一例として2μmであり、ソースパターンMS1及びドレインパターンMD1の幅は、一例としてX方向に10μmであり、Y方向に15μmである。
従来の露光装置では、露光波長が水銀灯のi線(0.365μm)、光学系の開口数(NA)が0.08程度であるので、その解像限界は3μm程度である。よって、ガラス基板上に、上記の微小間隔GWを良好な解像度で形成することは困難であった。
本例においては、X方向の微小間隔MG1を有するマスクパターンM1に対し、照明光学系の中の照明瞳面IPPにおいて、光軸AXIからX方向に離れた2点の近傍において照明光の強度分布が増大している二次光源を有する露光装置を使用してガラス基板GTへの露光転写を行なう。
そして、照明系の瞳面における、それらの強度分布が増大している領域からの光束は、X方向に傾いてマスクのソースパターンMS1、ドレインパターンMD1及び微小間隔MG1に照明される。これに従って、微小間隔MG1からの0次光及び回折光も、マスクのパターン面の法線方向からX方向に傾いて発生する。
その結果、照明光がマスク面にほぼ垂直に入射する従来の場合に比べ、より大きな回折角で発生する回折光も、投影光学系を透過して被露光物であるガラス基板等に入射可能となる。従って、従来よりもより微小な間隔で並ぶソースパターンMS1、ドレインパターンMD1を、ガラス基板上に分離して投影転写することが可能となる。
すなわち、幅2μmという微細な間隔MG1を有するソースパターンMS1及びドレインパターンMD1を、ソース電極TS1及びドレイン電極TD1として、ガラス基板上に良好な解像度で転写形成することが可能となる。
この結果、液晶表示装置のトランジスタTR1のゲート長、すなわちソース電極TS5とドレイン電極TD5の間隔を、従来に比べて短縮することが可能となり、トランジスタTR1の駆動能力をより向上させ、応答速度を向上させることができる。
図7は、本例で使用する露光装置の照明瞳面IPPにおける照明光の強度分布の一例を示す図である。図7において、X軸及びY軸の原点を部分照明系81の光軸AXIに設定している。また、部分照明系81の照明瞳面IPPとマスクのパターン面は光学的なフーリエ変換の関係にあるので、照明瞳面IPPにおける光軸AXからの距離は、その点を発した照明光のマスクへの入射角の正弦を表している。
図7において、光軸AXIを中心とする円周46は、射出される照明光のマスクへの入射角の正弦(sin)が、対応する部分投影光学系PL1の入射側の開口数NAinと同じになる領域である。従って、円周46は、コヒーレンスファクタ(σ値)が1の領域である。
そして、照明瞳面IPPにおいて、光軸AXIから+X方向及び−X方向にそれぞれ距離D1だけ離れた点42A及び42Bを中心とする所定の半径rの円周で囲まれた領域43A及び43Bが照明光の光量分布が大きい領域である。照明瞳面IPP上の全照明光量のうちの例えば80%以上を、領域43A及び43Bに分布させる。本実施形態では、光軸AXIを通るX軸に沿って配置された2つの領域43A,43Bにおける光量が大きいため、この照明条件を2極照明と呼ぶことができる。
ここで、領域43A及び43Bは、例えば図5(c)に示した開口絞り板12b上の円形の開口18Aa,18Abによって規定することができる。
このとき、距離D1は、部分投影光学系PL1の入射側の開口数NAinに対して、
0.6×NAin ≦ D1 ≦ NAin …(1)
とすることが望ましい。
距離D1が、NAinの0.6倍より小さいと、すなわち、中心位置が照明瞳面の光軸に近いと解像度の向上効果が十分でなく、NAinより大きいと照明光の一部が、いわゆる暗視野照明光となるため、ガラス基板上に投影される像のコントラストを低下させ、却って解像度を低下させるためである。
また、領域43A及び43Bの半径rは、
0.2×NAin ≦ r ≦ 0.3×NAin …(2)
であることが望ましい。
半径r1がNAinの0.2倍より小さいと、開口絞り板12bにより損失される照明光量が増大し露光量の低下を招くこととなり、NAinの0.3倍より大きいと、2極照明への集中度が低下し、十分な解像度の向上が得にくくなるためである。
なお、領域43A及び43Bの形状は、上述の円形に限られるわけではなく、図5(C)中に示した開口18Ba,18Bbの如き楕円形状や扇形の一部等の任意の形状であっても良い。その場合、各領域のX方向の半幅が、NAinの0.2倍以上かつ0.3倍以下であることが望ましい。例えば、図5(C)の開口18Ba,18Bbの場合、その短軸の半幅(短径)がNAinの0.2倍以上かつ0.3倍以下であることが望ましい。また例えば、領域43A及び43Bが長方形の場合には、その短辺の半幅がNAinの0.2倍以上かつ0.3倍以下であることが望ましい。
また、マスクパターンM1上の微小間隔MG1のX方向の幅GWは、露光波長λ及び投影光学系PL1〜5のマスク側開口数NAinに対して、
0.2×λ/NAin ≦ WG ≦ 0.6×λ/NAin …(3)
であることが望ましい。
幅GWが、0.2×λ/NAinより小さいと、本例においても十分な解像を得ることが難しくなり液晶表示デバイスの歩留まりが低下し、0.6×λ/NAinより大きいと、ソース電極TS1とドレイン電極TD1の間隔の縮小が十分でなく、高速応答の実現が難しくなるためである。
次に、本実施形態の露光装置EXを用いて液晶表示デバイスを製造する工程の一例につき、図10のフローチャートを参照して説明する。また、製造過程の液晶表示デバイスの構造を図8を参照して説明する。
まず、図10のパターン形成工程401では、ガラス基板GTに回路パターンを形成することによって、トランジスタ側のガラス基板GTが製造される。この製造工程について、図8を用いて説明する。
図8(A)、(C)、(E)は、それぞれ図1中のトランジスタTR5付近の拡大図を示し、図8(B)、(D)、(F)は、図1中のトランジスタTR5付近におけるA−A'部分での断面図を示す。
始めに、図8(A)及び図8(B)に示すように、ガラス基板GTの上面にタンタル等の金属膜を成膜し、露光装置(例えば図2の露光装置EXでもよい)を用いたリソグラフィー工程により所定部分に上記金属膜による選択線GL2及びゲート電極TG5を形成する。その後、例えば上記金属膜を陽極酸化することにより、選択線GL2及びゲート電極TG5の表面に金属酸化膜(不図示)を形成する。
ここにおいて、選択線GL2及びゲート電極TG5の線幅は、それぞれ10μm程度とすることが好ましい。
次に、ガラス基板GTの上面にアモルファスシリコン膜を成膜し、リソグラフィー工程により、ゲート電極TG5を跨ぐように上記アモルファスシリコンによるトランジスタTR5を形成する。そして、選択線GL2、ゲート電極TG5及びトランジスタTR5が形成されたガラス基板GT上に、アルミニウム等の金属又は導電性の高い半導体からなる電極層を成膜する。そして、図10のステップ301において、その基板GT上に、コータ・デベロッパ(不図示)において、フォトレジストを塗布する。次のステップ302において、図2の露光装置EXの投影光学系PLの物体面(マスクステージの上面)に、図6(A)に示したパターンを含むマスクM1をロードする。これとほぼ並行してステップ303において、露光装置EXの照明系ILS(部分照明系81等)の照明条件を、照明瞳面IPP等での光量分布が図7の状態になる2極照明に設定する。
次のステップ304において、露光装置EXにおいて、マスクM1のパターンの像をガラス基板GTのフォトレジスト層に走査露光する。次のステップ305において、コータ・デベロッパ(不図示)において、ガラス基板GTのフォトレジストを現像することによって、図6(A)中のソースパターンMS1及びドレインパターンMD1が、トランジスタTR5上に、レジストパターンとして高精度に転写形成される。そして、このレジストパターンをエッチングマスクとして、上記電極層をエッチングし、ソース電極TS5及びドレイン電極TD5を形成する。これにより、図8(C)及び図8(D)に示した如きトランジスタが完成する。
続いて、図8(E)及び図8(F)に示すように、上記のトランジスタ側のガラス基板GTの上面に、アルミニウム等の金属を成膜し、リソグラフィー工程により、ソース電極TS5と整合する位置に信号線SL2を形成する。その後、ガラス基板GTの上面に、たとえば有機物質からなる透明な絶縁膜PVを形成し、リソグラフィー工程により、ドレイン電極TD5と整合する位置の絶縁膜PVに開口(ホール)を形成する。そして、その上に、ITO又はIZOによる透明電極を成膜し、リソグラフィー工程により、この透明電極を各表示画素に対応する透明な画素電極PE5等に分離する。
次に、上記の透明な画素電極PE5等の表面に、リソグラフィー工程によって液晶を配向させるための微細な格子パターン(不図示)を形成する。ただし、液晶表示デバイスの種類によっては、この格子パターンの構成は不要であり、代わりに光照射による配向工程が必要となる。
続いて、ステップ402において、カラーフィルター側のガラス基板GFが製造される。ただし、カラーフィルター側のガラス基板GFの製造工程は、従来の製造工程と同様で良いので、ここでは説明を省略する。
そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られたトランジスタ側のガラス基板GT、及びカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター側のガラス基板GFとの間に液晶を注入して、液晶表示装置(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶セルの表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示装置として完成させる。上述の液晶表示装置の製造方法によれば、露光装置EXを用いて、微細なソース電極TS1、ドレイン電極TD1等が形成された極めて応答速度の高い液晶表示装置をスループット良く得ることができる。
なお、以上の実施形態では、ソース電極TS1及びドレイン電極TD1を形成するためのマスクパターンとして、図6(A)に示したマスクパターンM1を使用するものとしたが、他のマスクパターンを使用することもできる。
その第1の変形例として、図6(B)に示す如きマスクパターンM1を使用することもできる。
図6(B)に示すマスクパターンM2は、図6(A)の遮光性のソースパターンMS1のドレインパターンMD1に対向するエッジ部分の近傍に、透過性のソース補助パターンMS4を挿入して、ソース主パターンMS2とソース副パターンMS3に分割したものであり、図6(A)の遮光性のドレインパターンMD1のソースパターンMS1に対向するエッジ部分の近傍に、ドレイン補助パターンMD4を挿入して、ドレイン主パターンMD2とドレイン副パターンMD3に分割したものである。
これにより、この第1の変形例においては、ソース補助パターンMS4、微小間隔MG2及びドレイン補助パターンMD4の透過性の部分が、X方向にある程度の周期性を有して配列されることとなる。そして、これらのマスクパターンに対して、X方向に傾いて照明光が照射されると、これらのマスクパターンからの0次光及び回折光も、マスクのパターン面の法線方向からX方向に傾いて発生する。
その結果、照明光がマスク面にほぼ垂直に入射する従来の場合に比べ、より大きな回折角で発生する回折光も、投影光学系を透過して被露光物であるガラス基板等に入射可能となる。また、ソース補助パターンMS4及びドレイン補助パターンMD4のX方向の幅WBを、投影光学系の解像限界より十分に微細にしておくことにより、これらの補助パターンを誤転写することなく、従来よりもより微小な間隔で並ぶソースパターン(MS2とMS3)とドレインパターン(MD2とMD3)を、ガラス基板上に微小距離だけ分離して投影転写することが可能となる。
ここで、ソース補助パターンMS4及びドレイン補助パターンMD4のX方向の幅WBは、露光波長λ及び投影光学系PL1〜5のマスク側開口数NAinに対して、
0.2×λ/NAin ≦ WB ≦ 0.4×λ/NAin …(4)
とすることが望ましい。
幅WBが0.4×λ/NAinより大きいと、ソース補助パターンMS4及びドレイン補助パターンMD4から透過する光のエネルギーが増大し、ガラス基板上のフォトレジストを感光させ、補助パターンが誤転写される恐れがある。一方、幅WBが0.2×λ/NAinより小さいと、補助パターンを透過する光量が減少し補助パターンとしての効能が弱まり、十分な解像度の向上効果が得難くなる。
露光波長λが0.365μm、投影光学系のマスク側開口数NAinが0.08のとき
には、WBは、一例として1.5μmとすることができる。
また、ソース補助パターンMS4及びドレイン補助パターンMD4のX方向の中心同士の間隔PCは、露光波長λ及び投影光学系のマスク側開口数NAinに対して、
0.5×λ/NAin ≦ PC ≦ λ/NAin …(5)
であることが望ましい。間隔PCが0.5×λ/NAinより小さいと、パターンが微細になり過ぎ、十分なマージンを保っての露光転写が困難となり、また、間隔PCがλ/NAinより大きいと、補助パターンMS4、MD4の効果が十分に発揮できず、ソース電極及びドレイン電極を、微細な間隔で形成することが困難となるためである。
ところで、以上の実施例及び変形例においては、マスクパターンM1、M2上のバックグラウンド部分、間隔MG1、MG2、及び補助パターンMS4,MD4は、透過性であるとしている。
しかし、例えば、図6(A)中の間隔MG1の部分を、例えば10%から70%程度の半透過性のパターンとすることもできる。
このような半透過性の領域を有するマスクパターンを使用して、トランジスタのソース電極及びドレイン電極を形成する第2の変形例を、図9を用いて説明する。
図9(A)、(B)、(C)は、製造工程の途中におけるトランジスタ側のガラス基板GT上の断面図を表す図である。図9(A)に示すガラス基板GTは、上述の実施形態において図8(A)、(B)に示した、選択線GL2及びゲート電極TG5が形成されたガラス基板の上に、トランジスタの材料である半導体膜AS1と、金属または低抵抗半導体からなる電極層AS2を成膜したものである。そして、この上に、ポジ型のフォトレジストを塗布し、本第2の変形例の特徴である図6(A)中の間隔MG1が半透過部で形成されたマスクを用いて、露光を行なう。
この第2の変形例においては、図6(A)のマスクパターンのガラス基板GTへの投影像のうち、ソースパターンMS1及びドレインパターンMD1に対応する位置は十分に暗い。しかし、間隔MG1に対応する位置では、間隔MG1が半透過部であるため、投影像は中間程度の明るさを持つことになる。よって、図9(B)に示す通り、露光及び現像後のポジ型のフォトレジストPR1は、ソースパターンMS1及びドレインパターンMD1に対応する位置ではほぼ完全に残膜し、間隔MG1に対応する位置では、部分的にフォトレジストが現像された減膜領域C1が形成されることになる。
その後、まず、このフォトレジストPR1をエッチングマスクとして、電極層AS2をエッチングする。次に、フォトレジストPR1自体をエッチングして減膜させ、減膜領域C1のフォトレジストを除去する。その後、残膜するフォトレジストPR1をエッチングマスクとして半導体膜AS1をエッチングする。この結果、図9(C)に示す如き、トランジスタTR55及びソース電極TS55、ドレイン電極TD55が形成される。
よって、上述の実施形態ではトランジスタ及びソース電極、ドレインの形成に2回の露光及び現像工程が必要であったところ、この第2の変形例においては、1回の露光及び現像工程での形成が可能となるという効果がある。なお、これ以降の工程は、本変形例においても、上述の実施形態と同様である。
なお、本例においても、図6(B)に示した補助パターンを有するマスクを使用して、より一層の高解像度化を図ることもできる。このときは、間隔MG2、及びソース補助パターンMS4及びドレイン補助パターンMD4を、例えば10%から70%程度の半透過性のパターンとすればよい。
また、半透過性のパターンとしては、上述のようにマスクの所定領域の透過率自体を低下させる方式のみではなく、間隔MG1部に、投影光学系PL1〜5の解像限界以下の微細な遮光パターンを設けて、その部分の平均的な透過率を低下させる方式を採用することもできる。
図6(C)は、そのようなマスクパターンM3の一例を示す図であり、ソースパターンMS3とドレインパターンMD3の間隔部MG3、MG4の中央に、幅WAが1μm程度の微細な遮光パターンMAを加えたパターンを示す。
また、遮光性を高めるために、遮光パターンMAを1つの遮光パターンではなく、X方向にピッチP1を持つ格子パターンで形成することもできる。その場合、ピッチP1は、露光装置の露光波長λ及び投影光学系PL1〜5のマスク側開口数NAinに対して、
0 < P1 ≦ 0.25×λ/NAin …(6)
とすることが望ましい。ピッチP1が0.25×λ/NAinより大きいと、その格子パターンがガラス基板GT上に誤転写される恐れがあるためである。
また、図6(D)は、他の一例として、図6(A)の間隔部に相当する部分を、遮光部MSDと透過部MG5のY方向への格子パターンで形成したマスクパターンM4を表す図である。ここで、透過部MG5のY方向のピッチP2(図6中のピッチPYに相当)は、露光装置の露光波長λ及び投影光学系PL1〜5のマスク側開口数NAinに対して、
0.5×λ/NAin ≦ P2 ≦ 2×λ/NAin …(7)
とすることが望ましい。ピッチP2が2×λ/NAinより大きいと、その格子パターンがガラス基板GT上に誤転写される恐れがあるためであり、ピッチP2が0.5×λ/NAinより小さいと、マスクパターンを良好な精度を保ってマスク上に形成することが困難となるためである。
なお、上述の実施形態では、光源として超高圧水銀ランプを用いているが、これに限定されることなく、他の適当な光源を用いることができる。即ち、本発明において、露光波長は、g線、h線、i線などに特に限定されるものではない。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
ILS…照明装置、IPP…照明瞳面、M1〜M4…マスク、PL…投影光学系、
PT…基板、GT…トランジスタ側のガラス基板、43A,43B…光量の大きい領域

Claims (16)

  1. 表示装置の製造方法であって、
    対向する各エッジ部が第1方向に所定距離だけ離れた第1パターンと第2パターンの対を少なくとも1つ含む素子用パターンが形成されたマスクを、露光装置の投影光学系の物体面側に配置することと、
    前記露光装置の露光光で前記マスクを照明する照明系の瞳面又はこの近傍の面における前記露光光の光量分布を、前記照明系の光軸を通り、前記第1方向に伸びる第1直線上にあって、前記光軸からそれぞれ反対の方向にあり前記光軸との距離が互いに等しい第1点及び第2点を含む第1領域及び第2領域における光量が他の領域における光量よりも大きくなるようにして、前記マスクの前記素子用パターンを前記投影光学系を介して前記表示装置の基板に転写することと、
    前記パターンが転写された前記基板を処理し、前記第1パターンと前記第2パターンの転写像を、トランジスタのソース電極及びドレイン電極とすること、
    を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 前記第1点及び前記第2点から照射される照明光のマスクへの入射角の正弦をD1とし、前記投影光学系のマスク側開口数NAinとするとき、
    0.6×NAin ≦ D1 ≦ NAin
    であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
  3. 前記所定距離をWGとするとき、WGは、前記露光装置の露光波長λ及び前記投影光学系のマスク側開口数NAinに対して、
    0.2×λ/NAin ≦ WG ≦ 0.6×λ/NAin
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置の製造方法。
  4. 前記第1パターン及び前記第2パターンは、
    前記対向する各エッジ部の近傍に、
    前記第1方向と直交する方向に延び、前記第1方向の幅WBが、前記露光装置の露光波長λ及び前記投影光学系のマスク側開口数NAinに対して、
    0.2×λ/NAin ≦ WB ≦ 0.4×λ/NAin
    であり、
    前記第1パターン及び前記第2パターンと透過特性の異なる補助パターンを
    それぞれ有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  5. 前記第1パターン中の補助パターンと、前記第2パターン中の補助パターンの間隔PCが、前記露光装置の露光波長λ及び前記投影光学系のマスク側開口数NAinに対して、
    0.5×λ/NAin ≦ PC ≦ λ/NAin
    であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造方法。
  6. 前記マスクは、前記第1パターンと前記第2パターンの間に、半透過パターンを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  7. 前記半透過パターンは、格子パターンを含むことを特徴とする請求項6に記載の表示装置の製造方法。
  8. 前記格子パターンは、前記第1の方向に周期を有し、そのピッチP1は、前記露光装置の露光波長λ及び前記投影光学系のマスク側開口数NAinに対して、
    0 < P1 ≦ 0.25×λ/NAin
    であることを特徴とする請求項7に記載の表示装置の製造方法。
  9. 前記格子パターンは、前記第1の方向に直交する方向に周期を有し、そのピッチP2は、前記露光装置の露光波長λ及び前記投影光学系のマスク側開口数NAinに対して、
    0.5×λ/NAin ≦ P2 ≦ 2×λ/NAin
    であることを特徴とする請求項7に記載の表示装置の製造方法。
  10. 前記第1領域、前記第2領域は、それぞれコヒーレンスファクタに換算した短径が0.2〜0.3の楕円形領域であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  11. 前記第1領域、前記第2領域は、それぞれコヒーレンスファクタに換算した短辺が0.2〜0.3の長方形領域であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  12. 前記第1パターンと前記第2パターンは、遮光パターンであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  13. 前記第1パターンと前記第2パターンは、透過パターンであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  14. 前記投影光学系は、それぞれ前記マスクのパターンの一部の像を前記基板の表面に形成する複数の部分投影光学系よりなることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  15. 前記照明系の少なくとも一部は、前記複数の部分投影光学系に対応して複数個設けられることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  16. 前記マスクの前記素子用パターンを前記投影光学系を介して前記基板に転写するために、前記マスクの前記投影光学系に対する所定方向への移動と、前記基板の前記所定方向に対応する方向への移動とを同期して行うことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
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