JP2011174416A - 可変動弁システム - Google Patents

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Abstract

【課題】瞬断中のバルブ特性値のずれをより正確に推定することのできる可変動弁システムを提供する。
【解決手段】吸気バルブの作用角を可変とする可変動弁機構1と、その可変動弁機構1を駆動する電動式のアクチュエーター2とを備え、そのアクチュエーター2の動作量から現状の作用角を算出して吸気バルブの作用角の可変制御を行う可変動弁システムにおいて、電子制御ユニット4は、アクチュエーター2の通電の瞬断が発生したときに、その発生前のアクチュエーター2の動作速度から瞬断中の作用角のずれ量を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブタイミングやバルブリフト量、作用角等の機関バルブのバルブ特性値を可変とする可変動弁システムに関する。
周知のように、車載等の内燃機関の多くには、機関バルブ(吸/排気バルブ)のバルブ特性を可変とする可変動弁システムが搭載されている。こうした可変動弁システムとしては、機関バルブのバルブタイミングを可変とするシステムや、機関バルブのリフト量、作用角を可変とするシステムなどがある。
こうした可変動弁システムを備える内燃機関では、バルブ特性値の設定によっては、機関バルブとピストンとの干渉、いわゆるバルブスタンプが発生することがある。例えば、機関バルブのリフト中心がピストン上死点に近づくようにバルブタイミングを変更したり、機関バルブのリフト量や作用角を拡大したりすることでバルブスタンプが発生することがある。そこで、こうした可変動弁システムでは、バルブ特性値の可変範囲を、バルブスタンプを確実に回避可能な範囲にガード(制限)することで、バルブスタンプを回避するようにしている。
なお、可変動弁システムには、可変動弁機構を電動式のアクチュエーターで駆動することで、バルブ特性値を可変とするものがある。そしてそうしたアクチュエーターの動作量から現状のバルブ特性値を把握してバルブ特性値の可変制御を行う可変動弁システムも実用されている。例えば、アクチュエーターが所定の角度回転する毎にパルスを発生する位置センサーを設置し、その位置センサーのパルスを計数することで、現状のバルブ特性値を求めるシステムなどがある。
こうした可変動弁システムでは、アクチュエーターに印加される電圧が瞬間的に低下する、いわゆる瞬断が発生すると、一時的にアクチュエーターの駆動制御が不能となる。こうした間にも、機械的ながたつきや機関バルブを駆動するバルブスプリングの反力、慣性などにより、アクチュエーターの動作位置が変位し、バルブ特性値が変化することがある。しかしながら、瞬断中は、アクチュエーターの動作位置を確認することができないため、瞬断中に発生したバルブ特性値のずれの大きさは検出することができない。そのため、瞬断が発生すると、現状のバルブ特性値が不明となり、バルブスタンプを回避するようにバルブ特性値を好適に制御することが不能となってしまうことがある。
そこで従来、特許文献1に見られるように、瞬断の時間を計測し、その時間が判定値以上であれば、良好なバルブ特性制御の継続が不能なまでに、瞬断中のバルブ特性値のずれが大きいと判断する可変動弁システムが提案されている。なお、同文献1に記載の可変動弁システムでは、機関回転速度が高いほど、その判定に使用する判定値を小さい値に設定するようにしてもいる。
特開2008−223705号公報
こうした従来の可変動弁システムは、瞬断時の機関回転速度と瞬断の時間とをパラメーターとして、瞬断中のバルブ特性値のずれを推定するものとなっている。しかしながら、瞬断中のバルブ特性値のずれに影響する因子は、機関回転速度、瞬断時間の他にも存在し、その推定精度の向上には、未だ改善の余地がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、瞬断中のバルブ特性値のずれをより正確に推定することのできる可変動弁システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、機関バルブのバルブ特性値を可変とする可変動弁機構と、その可変動弁機構を駆動する電動式のアクチュエーターとを備え、そのアクチュエーターの動作量から現状の前記バルブ特性値を算出して前記機関バルブのバルブ特性可変制御を行う可変動弁システムをその前提としている。こうした可変動弁システムでは、可変制御の対象となるバルブ特性値を直接検出しておらず、アクチュエーターの動作量から算出して求めている。こうした可変動弁システムでは、アクチュエーターの通電の瞬断が生じ、アクチュエーターからの動作量の情報の入力が途絶すると、その間のバルブ特性値の変化を把握できなくなってしまう。こうした場合、制御系の把握するバルブ特性値とその実値との間に乖離が生じてしまうため、バルブ特性値を誤ってバルブスタンプの発生域まで変化させてしまい、バルブスタンプを発生させてしまう虞がある。
瞬断中に、アクチュエーターの動作位置は、それまでの動作の慣性により変位する。瞬断中のアクチュエーターに作用する慣性の大きさは、瞬断前のアクチュエーターの動作速度から把握することができる。そこで、請求項1に記載の発明では、アクチュエーターの通電の瞬断が発生したときに、その発生前のアクチュエーターの動作速度から瞬断中のバルブ特性値のずれ量を推定する推定手段を備えるようにしている。瞬断前のアクチュエーターの動作速度に基づけば、瞬断中の慣性によるアクチュエーター動作位置の変位の大きさが、ひいては瞬断中の慣性によるバルブ特性値のずれ量を推定することが可能となる。したがって上記構成によれば、慣性を考慮して、瞬断中のバルブ特性値のずれをより正確に推定することができるようになる。
通常の動作中のアクチュエーターの動作速度には、カムの反力やノイズなどにより、変動がある。そのため、瞬断前のアクチュエーターの動作速度の瞬時値を見ただけでは、そうした変動により動作速度が一時的に小さい値を取っていることがあり、瞬断中のアクチュエーターに作用する慣性の大きさを小さく見積ってしまうことがある。その点、請求項2に記載の発明では、瞬断の発生前のアクチュエーターの動作速度の平均値と同動作速度の瞬時値との2つの値のうち、バブルスタンプの発生し易い側にバルブ特性値をより近づける方の値を用いてずれ量の推定を行うように推定手段を構成している。すなわち、請求項2に記載の構成では、よりバルブスタンプのリスクの大きい動作速度を用いてバルブ特性値のずれ量の推定を行うようにしている。そのため、こうした請求項2に記載の発明によれば、瞬断中のバルブ特性値のずれによるバルブスタンプの発生をより確実に回避することが可能となる。
ここで、請求項3によるように、上記推定手段により推定されたずれ量が既定の異常判定値以上のときに、当該可変動弁システムに異常有りと判定する判定手段を備えるようにすれば、瞬断中のバルブ特性値のずれが大きく、制御系の把握するバルブ特性値とその実値との乖離が大きい場合に、可変動弁システムが異常であると判断して、例えば異常の通知や退避走行モードへの移行のようなバルブスタンプ回避のための対処を行うことが可能となる。
なお、瞬断前の前記アクチュエーターの動作方向が、バルブスタンプがより発生し難くなる方向である場合、例えば機関バルブのリフト中心がピストン上死点から離れるように、バルブタイミングが変更されていたり、機関バルブのリフト量や作用角が縮小されていたりするときには、瞬断中のバルブ特性値のずれが大きくとも、バルブスタンプの発生には繋らない。そこで請求項4によるように、瞬断前の前記アクチュエーターの動作方向が、バルブスタンプがより発生し易くなる方向であることを条件に異常有りとの判定を行うように判定手段を構成すれば、バルブスタンプ発生のリスクが実際にあるときにのみ、異常判定がなされるようになる。
なお、瞬断中のバルブ特性値のずれは、瞬断の時間が長くなる程、大きくなる傾向にある。また瞬断の時間が長いときには、不確定な要素が大きくなり、瞬断中のバルブ特性値のずれの大きさを十分な精度で推定することが困難となる。そこで請求項5によるように、瞬断の時間が既定値以上のときには、ずれ量の推定結果に依ることなく、直ちに異常有りと判定するようにすれば、瞬断中のバルブ特性値のずれによるバルブスタンプ発生のリスクをより低減することが可能となる。
上記のように、瞬断中のバルブ特性値のずれ量の推定値が大きいときに異常と判定するようにすれば、バルブスタンプを回避することが可能となる。もっとも、瞬断中のバルブ特性値のずれ量の推定値がそれ程大きくないときにも、制御系の把握するバルブ特性値とその実値との間に一定の乖離がある可能性があり、その後のバルブ特性値の制御の如何によっては、バルブスタンプが発生する可能性がある。こうした場合にも、請求項6によるように、推定手段により推定されたずれ量が既定の異常判定値未満のときには、バルブ特性値のガード範囲を通常よりも拡大して同バルブ特性値の可変制御を継続するようにすれば、バルブスタンプの発生をより確実に回避することができるようになる。なおこのときのガード範囲の拡大を、請求項7によるように、推定手段によるずれ量の推定値の分、ガード範囲をオフセットすることで行うようにすれば、バルブスタンプをより好適に回避することができるようになる。
ところで、瞬断中の慣性によるアクチュエーターの動き易さには、アクチュエーターのフリクションやアクチュエーターの動作位置、運動性、カムの反力、動弁系の慣性質量などが影響する。こうした瞬断中のアクチュエーターの動き易さは、機関回転速度に相関するものと考えられる。具体的には、機関回転速度が高いほど、瞬断中のアクチュエーターは慣性により動き易くなると考えられる。したがって、請求項8によるように、推定手段のずれ量の推定に、機関回転速度も考慮するようにすれば、瞬断中のバルブ特性値のずれのより正確な推定が可能となる。
本発明の一実施形態についてその可変動弁システムの全体構造を模式的に示す模式図。 同実施形態の可変動弁システムの設置された内燃機関の動弁系の側部断面構造を示す断面図。 同実施形態の可変動弁システムの採用する可変動弁機構の斜視断面構造を示す断面図。 同可変動弁機構の入力アーム及び出力アームの斜視断面構造を示す断面図。 同実施形態の可変動弁システムにおける作用角拡大中のアクチュエーターの動作量の推移を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁システムにおけるアクチュエーターの動作位置と瞬断中の作用角のずれとの関係を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁システムにおける機関回転速度と瞬断中の作用角のずれとの関係を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁システムにおける作用角のずれ量の推定に使用する係数と瞬断時間との関係を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁システムにおける瞬断前後の作用角ガード範囲の設定態様を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁システムに採用される瞬断時処理ルーチンの処理手順を示したフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明の可変動弁システムを具体化した一実施形態を、図1〜図*を参照して詳細に説明する。なお本実施の形態の可変動弁システムは、バルブ特性値として吸気バルブの作用角及びリフト量を可変とするシステムとして構成されている。
図1は、そうした本実施の形態の可変動弁システムの全体構成を示している。同図に示すように、この可変動弁システムは、吸気バルブの作用角及びリフト量を可変とする可変動弁機構1とこれを駆動するアクチュエーター2とを備えている。アクチュエーター2は、モーター200、モーター200の回転を直線運動に変換する変換機構201、モーター200が所定の角度回転する毎にパルス信号を出力する位置センサー202、及びモーター200を駆動する駆動回路203を備えている。そして可変動弁システムは、こうしたアクチュエーター2によってコントロールシャフト3を軸方向に駆動することで、可変動弁機構1を作動させて、吸気バルブの作用角及びリフト量を可変とするように構成されている。
なお、こうしたアクチュエーター2の駆動回路203には、アクチュエーター2の動作量(コントロールシャフト3のストローク)と吸気バルブの作用角との対照テーブルがデータとして記憶されている。また駆動回路203は、位置センサー202の発生パルスを計数することで、現状のコントロールシャフト3のストローク(実ストローク)を、ひいては現状の作用角(実作用角)を求めている。
アクチュエーター2は、吸気バルブの作用角の可変制御を始めとする種々の機関制御を司る電子制御ユニット4により制御されている。電子制御ユニット4は、機関運転状況に応じて最適な作用角を算出し、アクチュエーター2の駆動回路203に指令する。
電子制御ユニット4からの作用角の指令(作用角指令値)を受信すると、駆動回路203は、上記対照テーブルを参照して、作用角指令値の得られるコントロールシャフト3のストロークを目標ストロークとして算出する。そして駆動回路203は、実ストロークが目標ストロークとなるようにモーター200を回転することで、指令に応じて作用角を設定する。
図2は、こうした可変動弁システムの適用された内燃機関の動弁系の構成を示している。同図に示すように、可変動弁機構1は、カムシャフト5に設けられたカム6と吸気バルブ10との間に設置されている。可変動弁機構1は、カムシャフト5と平行に配置されたロッカーシャフト7に揺動可能に軸支されており、入力アーム100とその両側にそれぞれ設置された一対の出力アーム101とを備えている。なおパイプ状のロッカーシャフト7の内部には、上述のコントロールシャフト3が軸方向に摺動可能に配設されている。
可変動弁機構1の入力アーム100の先端には、上記カム6に当接されるローラー102が回転可能に取り付けられている。そして入力アーム100は、カム6による押し下げに応じて、ロッカーシャフト7の軸を中心として、出力アーム101と一体となって揺動されるようになっている。
なお入力アーム100の外周には、突起103が形成されている。この突起103と内燃機関のシリンダヘッドに形成されたばね座8との間には、ロストモーションスプリング104が圧縮状態で配設されている。そして可変動弁機構1は、ロストモーションスプリング104によってその入力アーム100のローラー102がカム6に押し付けられるように付勢されている。
こうした可変動弁機構1の両出力アーム101の下方には、ローラーロッカーアーム9がそれぞれ配設されている。各ローラーロッカーアーム9はそれぞれ、その基端において内燃機関のシリンダヘッドに揺動可能に支持されるとともに、その先端において吸気バルブ10の上端に当接されている。また各ローラーロッカーアーム9には、それぞれローラー11が回転可能に取り付けられている。そしてローラー11は、吸気バルブ10のバルブスプリング12のばね力で、出力アーム101の先端部のローラーロッカーアーム9側に形成されたカム面105に押し付けられている。
こうした動弁系では、カムシャフト5の回転によるカム6の押し下げにより可変動弁機構1が揺動すると、その出力アーム101のカム面105がローラー11を押圧し、それによりローラーロッカーアーム9が揺動するようになる。そしてローラーロッカーアーム9がその揺動に応じてその先端部にて吸気バルブ10の上端を押圧することで、吸気バルブ10が開閉駆動されるようになる。このときの出力アーム101のカム面105とローラーロッカーアーム9のローラー11との接触点は、出力アーム101の揺動に応じてカム面105に沿って往復動するようになる。そしてカム面105とローラー11との接触点とロッカーシャフト7との距離の増大に応じて、カム面105によるローラーロッカーアーム9の押し下げ量が、ひいては吸気バルブ10のリフト量が増大するようになる。
またこの動弁系では、ロッカーシャフト7の内部においてコントロールシャフト3を軸方向に変位させることで、可変動弁機構1の揺動方向における入力アーム100の先端と出力アーム101の先端との相対位置を変更することが可能となっている。そしてそうした入力アーム100及び出力アーム101の先端の相対位置の変更により、可変動弁機構1の揺動に伴うカム面105とローラー11との接触点の往復移動範囲が変更され、ひいては吸気バルブ10の最大リフト量及び作用角が可変とされるようになっている。
具体的には、可変動弁機構1の揺動方向において入力アーム100の先端と出力アーム101の先端とを互いに接近させるほど、上記カム面105とローラー11との接触点の往復移動範囲がロッカーシャフト7寄りに変位して、それに伴い吸気バルブ10の最大リフト量及び作用角は小さくなる。また可変動弁機構1の揺動方向において入力アーム100の先端と出力アーム101の先端とを互いに離間させるほど、上記接触点の往復移動範囲がロッカーシャフト7から離れる方向に変位して、吸気バルブ10の最大リフト量及び作用角は大きくなる。
次に、可変動弁機構1の内部構造を、図3及び図4を参照して説明する。図3に示されるように、可変動弁機構1の入力アーム100及び出力アーム101の内側には、略円筒形状のスライダー106が配設されている。スライダー106は、コントロールシャフト3と一体となってその軸方向に移動可能とされている。スライダー106の外周には、その長手方向中央部にヘリカルスプラインを有する入力ギア107が固定され、その長手方向両側には、やはりヘリカルスプラインを有する出力ギア108がそれぞれ固定されている。
一方、図4に示されるように、入力アーム100の内周には、ヘリカルスプラインを有する円環状の内歯ギア109が形成され、また各出力アーム101の内周には、やはりヘリカルスプラインを有する円環状の内歯ギア110がそれぞれ形成されている。そして入力アーム100の内歯ギア109がスライダー106の入力ギア107(図3)に、各出力アーム101の内歯ギア110がスライダー106の出力ギア108(図3)にそれぞれ噛み合わされている。なお入力ギア107及び内歯ギア109のヘリカルスプラインと出力ギア108及び内歯ギア110のヘリカルスプラインとは、互いの傾斜角が異ならされており、歯筋の傾斜方向が逆となっている。
こうした動弁系において、コントロールシャフト3の軸方向への移動に基づきスライダー106が同軸方向に変位すると、入力ギア107と内歯ギア109との噛み合い、及び出力ギア108と内歯ギア110との噛み合いにより、可変動弁機構1の揺動方向における入力アーム100の先端と両出力アーム101の先端との相対位置が変更される。具体的には、スライダー106を、図3の矢印L方向に変位させるほど、上記揺動方向における入力アーム100の先端と両出力アーム101の先端との相対位置が互いに接近するように変更され、スライダー106を矢印H方向に変位させるほど、上記相対位置が互いに離間するように変更される。そしてこうした相対位置の変更を通じて、カム6の回転による可変動弁機構1の揺動に応じた吸気バルブ10の最大リフト量及び作用角が可変とされるようになる。
なお、本実施の形態の適用される内燃機関では、こうした可変動弁システムによる作用角、リフト量の可変制御に加え、吸気バルブ10のバルブタイミングの可変制御も行われている。こうした内燃機関では、吸気バルブ10のバルブタイミングが進角され、そのリフト中心がピストン上死点に近づいた状態で作用角、リフト量をある程度以上に拡大すると、吸気バルブ10と内燃機関のピストンとの干渉が、いわゆるバルブスタンプが発生する虞がある。そこで、本実施の形態の可変動弁システムでは、バルブタイミングの設定値に応じて、バルブスタンプを確実に回避可能なように、作用角の可変範囲の上限値を設定するように、すなわち作用角の上限ガードを行うようにしている。
さて上述したように、以上のように構成された可変動弁システムでは、位置センサー202の発生パルスを計数することで、実ストロークを、そしてひいては吸気バルブ10の実作用角を求めている。こうした可変動弁システムでは、アクチュエーター2への通電が瞬断すると、位置センサー202のパルス信号の出力が途絶するため、その間の吸気バルブ10の作用角の変化を確認することができなくなってしまう。そしてその結果、駆動回路203の、そしてひいては電子制御ユニット4の把握する作用角とその実値との間に乖離が生じ、その後の作用角制御の結果によっては、意図せず、作用角をバルブスタンプの発生域まで拡大してしまい、バルブスタンプが発生する虞がある。
瞬断中の作用角のずれの大きさには、瞬断時のアクチュエーター2に作用する慣性の大きさ、そのときのアクチュエーター2の動き易さ、及び瞬断の時間が影響する。ここで瞬断時のアクチュエーター2に作用する慣性の大きさは、瞬断前のアクチュエーター2の動作速度より求めることができる。そこで本実施の形態では、瞬断発生前のアクチュエーター2の動作速度(コントロールシャフト3のストロークの変化速度)を考慮して、瞬断中の作用角のずれ量を推定するようにしている。
図5は、作用角を拡大する方向に動作中のアクチュエーター2の動作量(コントロールシャフト3のストローク)の変化を示している。同図に示されるように、アクチュエーター2の動作速度には、カム反力の変化などによる変動(うねり)がある。そのため、動作速度の取得の時期により、動作速度の瞬時値は大きく変化する。例えば同図の時刻t1に動作速度の瞬時値を取得した場合、作用角拡大方向の動作速度の瞬時値は、小さい値となる。したがって、このときの値に基づいて瞬断中の作用角のずれ量を算出すれば、ずれ量を過小評価してしまい、バルブスタンプのリスクを十分に軽減できないことになる。
そこで本実施の形態では、瞬断発生時に電子制御ユニット4は、瞬断前のアクチュエーター2の動作速度の所定期間における平均値と、同動作速度の瞬時値とを求めるようにしている。そして電子制御ユニット4は、それら2つの値のうち、バルブスタンプの発生し易い側に作用角をより近づける方の値を、すなわち作用角を拡大する方向の動作速度がより高い側の値を、瞬断中の作用角のずれ量の推定に用いるようにしている。こうした場合、よりバルブスタンプのリスクの大きい動作速度を用いて瞬断中の作用角のずれ量の推定が行われるようになる。そのため、瞬断中のバルブ特性値のずれによるバルブスタンプの発生をより確実に回避することが可能となる。
一方、瞬断中のアクチュエーター2の動き易さは、アクチュエーター2のフリクションの大きさや、アクチュエーター2の動作位置、運動性、カム反力、動弁系の慣性質量などが影響する。図6は、瞬断の長さや瞬断中のアクチュエーター2に作用する慣性の大きさを一定としたときのアクチュエーター2の動作位置と瞬断中の作用角のずれの大きさとの関係を示している。なお、同図には、アクチュエーター2の運動性(動き易さ)が最も高いときと、最も小さいときの上記関係が示されている。同図に示すように、アクチュエーター2の動作位置が同じであっても、瞬断中の作用角のずれ量には大きな違いがある。
これに対して図7は、瞬断の長さや瞬断中のアクチュエーター2に作用する慣性の大きさを一定としたときの機関回転速度と瞬断中の作用角のずれの大きさとの関係を示している。一般的に内燃機関では、アクチュエーター2の動作位置やその運動性、カムの反力、動弁系の慣性質量などは、機関回転速度に同期するようにその設計や適合が行われる。そのため、同図に示すように、瞬断の長さや慣性の大きさが同じであれば、慣性による瞬断中の作用角のずれ量の大きさは、機関回転速度により一義的に定まるようになる。
そこで本実施の形態では、瞬断中の作用角のずれ量の推定に際して、そのときのアクチュエーター2の動き易さの指標値を機関回転速度より求めるようにしている。そしてこうして機関回転速度をパラメーターとしてアクチュエーター2の動き易さの指標値を求めることで、推定結果のばらつきを抑えて推定精度を向上することができる。またずれ量の推定ロジックの作成に係る適合工数を大幅に削減することが可能にもなる。
こうした本実施の形態での瞬断中の作用角のずれ量の推定は、具体的には、次の態様で行われる。まず電子制御ユニット4は、瞬断前の瞬断前のアクチュエーター2の動作速度の平均値と、同動作速度の瞬時値とのうち、作用角を拡大する方向の速度がより高い方の値から瞬断直後のアクチュエーター2に作用する慣性の大きさを求めるようにしている。また電子制御ユニット4は、そのときの機関回転速度から、瞬断中のアクチュエーター2の動き易さの指標値を求めるようにしている。そして電子制御ユニット4は、それらの値から瞬断直後の単位時間における作用角のずれ量を初期値として算出する。
慣性による単位時間当り作用角のずれの大きさは、フリクションなどによる減速のため、時間の経過とともに小さくなる。そこで、電子制御ユニット4は、値「1」から時間の経過とともに減少する図8に示すような係数をその初期値に乗算することで、瞬断中の各時期における単位時間当り作用角のずれ量を算出し、瞬断の期間分、その値を積算することで、瞬断の全期間における作用角のずれ量の推定値を算出するようにしている。
そして電子制御ユニット4は、推定した作用角のずれ量が既定の異常判定値α以上であれば、可変動弁システムに異常有りと判定し、警告灯の点灯による運転者への以上の通知や退避走行モードへの移行を実施する。この場合、以後の作用角の可変制御は禁止されることになる。
一方、本実施の形態では、推定した作用角のずれ量が既定の異常判定値α未満の場合、作用角の可変制御を継続するようにしている。ただし、この場合にも、瞬断中のずれの分、電子制御ユニット4の認識する作用角とその実際の値との間に乖離が発生していることになる。そこで、本実施の形態では、図9に示すように、バルブタイミングに応じた作用角の上限ガードラインを、すなわち作用角のガード範囲の下限値を、推定したずれ量の分だけオフセットすることで、バルブスタンプの発生を回避するようにしている。なお、こうした上限ガードラインのオフセットは、瞬断中に作用角が、同作用角を拡大する方向にずれたと推定される場合にのみ、行なわれる。
ちなみに、慣性による瞬断中の作用角のずれは、瞬断の時間が長くなる程、大きくなる。また瞬断の時間が長くなれば、瞬断中の作用角のずれ量の推定値の誤差も大きくなる。そこで本実施の形態では、電子制御ユニット4は、瞬断の時間が既定値β以上のときには、上記のようなずれ量の推定結果に依ることなく、直ちに異常有りと判定するようにしている。
図10は、こうした本実施の形態に採用される瞬断時処理ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、機関運転中、電子制御ユニット4により周期的に繰り返し実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS100において、瞬断が発生したか否かの判定が行われる。ここで瞬断の発生が確認されていなければ(S100:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、瞬断が発生したのであれば(S100:YES)、ステップS101において、その瞬断の時間が既定値β以上であるか否かの判定が行われる。ここで瞬断時間が既定値β以上であれば(S101:YES)、その時点で可変動弁システムに異常有りとの判定がなされ、ステップS102において、警告灯の点灯や退避走行モードへの移行といった異常時処理が実施される。
瞬断時間が既定値β未満の場合(S101:NO)、ステップS103において上述した態様で、瞬断前のアクチュエーター2の動作速度等に基づき、瞬断中の作用角のずれ量の推定が行われる。そして続くステップS104において、推定した作用角のずれ量が異常判定値α以上であるか否かの判定が行われる。
ここで推定した作用角のずれ量が異常判定値α以上であれば(S104:YES)、ステップS105において、瞬断中に作用角のずれの方向が同作用角を拡大する方向であるか否かが判定される。なお、この判定は、瞬断前のアクチュエーター2の動作方向が、バルブスタンプがより発生し易くなる方向、すなわち作用角を拡大する方向であるか否かの判定と実質同義となる。
ここで瞬断中に作用角が同作用角を拡大する方向にずれたのであれば(S105:YES)、可変動弁システムに以上有りとの判定がなされ、ステップS102において、警告灯の点灯や退避走行モードへの移行といった異常時処理が実施される。
一方、推定した作用角のずれ量が異常判定値α未満であるか(S104:NO)、ずれ量が異常判定値α以上であっても、そのずれの方向が作用角を縮小する方向のものであれば(S105:NO)、処理がステップS106に移行される。そしてそのステップS106において、そのずれ量の推定値分、バルブタイミングに応じた作用角の上限ガードラインをオフセットして、作用角の上限ガードの範囲を拡大した上で、作用角可変制御が継続されるようになる。
以上説明した本実施の形態では、吸気バルブの作用角が上記「バルブ特性値」に対応している。また本実施の形態では、電子制御ユニット4が、上記「推定手段」及び「判定手段」に相当する構成となっている。
以上の本実施の形態の可変動弁システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の可変動弁システムは、吸気バルブ10の作用角を可変とする可変動弁機構1と、その可変動弁機構1を駆動する電動式のアクチュエーター2とを備え、そのアクチュエーター2の動作量から現状の作用角を算出して吸気バルブ10の作用角の可変制御を行うように構成されている。そして本実施の形態では、こうした可変動弁システムにおいて、電子制御ユニット4は、アクチュエーター2の通電の瞬断が発生したときに、その発生前のアクチュエーター2の動作速度から瞬断中の作用角のずれ量を推定するようにしている。瞬断前のアクチュエーター2の動作速度に基づけば、瞬断中の慣性によるアクチュエーター2の動作位置の変位の大きさが、ひいては瞬断中の慣性による作用角のずれ量を推定することが可能となる。したがって本実施の形態によれば、慣性を考慮して、瞬断中のバルブ特性値のずれをより正確に推定することができるようになる。
(2)本実施の形態では、電子制御ユニット4は、瞬断の発生前のアクチュエーター2の動作速度の平均値と同動作速度の瞬時値との2つの値のうち、バブルスタンプの発生し易い側に作用角をより近づける方の値を用いてずれ量の推定を行うようにしている。すなわち、本実施の形態では、よりバルブスタンプのリスクの大きい動作速度を用いてバルブ特性値のずれ量の推定を行うようにしている。そのため、瞬断中のバルブ特性値のずれによるバルブスタンプの発生をより確実に回避することが可能となる。
(3)本実施の形態では、電子制御ユニット4は、推定された作用角のずれ量が既定の異常判定値α以上のときに、当該可変動弁システムに異常有りと判定するようにしている。そのため、瞬断中のバルブ特性値のずれが大きく、制御系の把握する作用角とその実値との乖離が大きい場合に、可変動弁システムが異常であると判断して、異常の通知や退避走行モードへの移行のようなバルブスタンプ回避のための対処を行うことが可能となる。
(4)本実施の形態では、推定された作用角のずれ量が既定の異常判定値α以上のときの異常有りとの判定を、瞬断前のアクチュエーター2の動作方向が、バルブスタンプがより発生し難くなる方向、すなわち作用角を拡大する方向である場合にのみ行うようにしている。そのため、バルブスタンプ発生のリスクが実際にあるときにのみ、異常判定がなされるようになり、異常判定頻度が不必要に増大することが回避されるようになる。
(5)本実施の形態では、瞬断の時間が既定値以上のときには、ずれ量の推定結果に依ることなく、直ちに異常有りと判定するようにするようにしている。瞬断中のバルブ特性値のずれは、瞬断の時間が長くなる程、大きくなる傾向にある。また瞬断の時間が長いときには、不確定な要素が大きくなり、瞬断中のバルブ特性値のずれの大きさを十分な精度で推定することが困難となる。そのため、本実施の形態によれば、瞬断中のバルブ特性値のずれによるバルブスタンプ発生のリスクをより低減することが可能となる。
(6)本実施の形態では、推定されたずれ量が異常判定値α未満のときには、作用角のガード範囲を通常よりも拡大して同バルブ特性値の可変制御を継続するようにしている。より具体的には、ずれ量の推定値の分、ガード範囲をオフセットすることで、作用角のガード範囲の拡大を行うようにしている。そのため、バルブスタンプを回避しつつも、瞬断中の作用角のずれが小さいときには、作用角の可変制御を継続することができるようになる。
(7)本実施の形態では、瞬断中の作用角のずれ量の推定に、機関回転速度も考慮するようにしている。瞬断中の慣性によるアクチュエーター2の動き易さには、アクチュエーター2のフリクションやアクチュエーター2の動作位置、運動性、カムの反力、動弁系の慣性質量などが影響する。こうした瞬断中のアクチュエーター2の動き易さは、機関回転速度に相関する。そのため、本実施の形態によれば、瞬断中の作用角のずれのより正確な推定が可能となる。
上記実施の形態は、次のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、瞬断中の作用角のずれ量の推定に機関回転速度を使用するようにしていた。もっとも、瞬断中のアクチュエーター2の動き易さの状況に応じた変化が無視し得る程小さいのであれば、機関回転速度は考慮せず、瞬断の時間及び瞬断前のアクチュエーター2の動作速度のみに基づいて、瞬断中の作用角のずれ量の推定を行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、瞬断中の作用角のずれ量が異常判定値α未満のときには、推定したずれ量の分、作用角のガード範囲の下限値である上限ガードラインをオフセットしてその範囲を拡大した上で作用角の可変制御を継続するようにしていた。もっとも、バルブスタンプをより確実に回避したいのであれば、このときの上限ガードラインのオフセットを、ずれ量の推定値よりも大きく行うようにしても良い。例えば、想定される瞬断中の作用角のずれ量の最大値だけ上限ガードラインをオフセットすることとすれば、ずれ量の推定に誤差があっても確実に、バルブスタンプを回避することができるようになる。
・上記実施の形態では、瞬断中の作用角のずれ量が異常判定値α未満のときには、作用角のガード範囲を拡大した上で作用角の可変制御を継続するようにしていた。もっとも、推定したずれ量に応じて制御に使用する実作用角を修正した上で作用角の可変制御を継続するのであれば、ガード範囲の拡大は行わずとも、バルブスタンプの回避が可能である。
・上記実施の形態では、瞬断の時間が既定値以上のときには、瞬断中の作用角のずれ量の推定に依らず、直ちに異常有りと判定するようにしていた。もっとも、瞬断中の作用角のずれ量の推定精度が十分に高いのであれば、瞬断時間に拘らず、ずれ量の推定結果のみに基づいて異常の有無の判定を行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、瞬断前のアクチュエーター2の動作方向が、バルブスタンプがより発生し易くなる方向であることを条件に異常有りとの判定を行うようにしていた。瞬断前のアクチュエーター2の動作方向が、バルブスタンプがより発生し難くなる方向であれば、瞬断中に作用角は、バルブスタンプがより発生し難くなる方向にずれるため、そのずれ量が大きくても、バルブスタンプの発生には繋らない。とは言え、瞬断中の作用角のずれが大きければ、その後の作用角の可変制御に支障を来す虞があるため、瞬断前のアクチュエーター2の動作方向が、バルブスタンプがより発生し難くなる方向であっても、瞬断中の作用角のずれが大きければ、異常有りと判定するようにしても良い。
・上記実施の形態では、推定された瞬断中の作用角のずれ量が異常判定値α以上のときに、可変動弁システムに異常有りと判定するようにしていた。推定された瞬断中の作用角のずれが大きくても、ガード範囲の拡大などにより、バルブスタンプを発生させずに作用角の可変制御を継続可能であれば、推定したずれ量の大きさに拘わらず、異常有りとの判定を行わないようにしても良い。
・上記実施の形態では、瞬断の発生前のアクチュエーター2の動作速度の平均値と同動作速度の瞬時値との2つの値のうち、バルブスタンプの発生し易い側に作用角をより近づける方の値を用いてずれ量の推定を行うようにしていた。もっとも、動作中のアクチュエーター2の動作速度の変動が十分に小さいのであれば、推定に使用する瞬断前のアクチュエーター2の動作速度をその平均値、瞬時値のいずれか一方に固定するようにしても良い。
・上記実施の形態では、吸気バルブの作用角、リフト量を可変とする可変動弁システムに本発明を適用した場合を説明したが、本発明は、排気バルブの作用角、リフト量を可変とする可変動弁システムにも同様に適用することができる。
・上記実施の形態では、機関バルブの作用角とリフト量との双方を可変とする可変動弁システムに本発明を適用した場合を説明したが、本発明は、作用角のみ、或いはリフト量のみを可変とする可変動弁システムにも同様に適用することができる。
・本発明は、機関バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁システムにも、上記実施の形態に準じた態様で適用することができる。機関バルブのバルブタイミングを可変とする可変動弁機構を駆動する電動式のアクチュエーターを備え、そのアクチュエーターの動作量から現状のバルブタイミングを算出してバルブタイミングの可変制御を行う可変動弁システムにおいても、アクチュエーターへの通電が瞬断すれば、その間のバルブタイミングの変化を確認することができなくなる。そしてその結果、制御系の把握するバルブタイミングと実際のバルブタイミングとの間に乖離が生じることになるため、こうした可変動弁システムにおいても、同様の問題が発生することになる。なお、こうしたバルブタイミングの可変システムでは、機関バルブのリフト中心がピストン上死点に近づくようにバルブタイミングを変更することで、バルブスタンプが発生する虞がある。具体的には、吸気バルブのバルブタイミングを可変とする場合には、バルブタイミングの進角側がバルブスタンプの発生し易い高い側となり、排気バルブのバルブタイミングを可変とする場合には、バルブタイミングの遅角側がバルブスタンプの発生し易い側となる。
1…可変動弁機構(100…入力アーム、101…出力アーム、102…ローラー、103…突起、104…ロストモーションスプリング、105…カム面、106…スライダー、107…入力ギア、108…出力ギア、109…内歯ギア、110…内歯ギア)、2…アクチュエーター(200…モーター、201…変換機構、202…位置センサー、203…駆動回路)、3…コントロールシャフト、4…電子制御ユニット(推定手段、判定手段)、5…カムシャフト、6…カム、7…ロッカーシャフト、8…ばね座、9…ローラーロッカーアーム、10…吸気バルブ、11…ローラー、12…バルブスプリング。

Claims (8)

  1. 機関バルブのバルブ特性値を可変とする可変動弁機構と、その可変動弁機構を駆動する電動式のアクチュエーターとを備え、そのアクチュエーターの動作量から現状の前記バルブ特性値を算出して前記機関バルブのバルブ特性可変制御を行う可変動弁システムにおいて、
    前記アクチュエーターの通電の瞬断が発生したときに、その発生前の前記アクチュエーターの動作速度から瞬断中の前記バルブ特性値のずれ量を推定する推定手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁システム。
  2. 前記推定手段は、前記瞬断の発生前の前記アクチュエーターの動作速度の平均値と同動作速度の瞬時値との2つの値のうち、バルブスタンプの発生し易い側に前記バルブ特性値をより近づける方の値を用いて前記ずれ量の推定を行う
    請求項1に記載の可変動弁システム。
  3. 前記推定手段により推定された前記ずれ量が既定の異常判定値以上のときに、当該可変動弁システムに異常有りと判定する判定手段を備える
    請求項1又は2に記載の可変動弁システム。
  4. 前記判定手段は、瞬断前の前記アクチュエーターの動作方向が、バルブスタンプがより発生し易くなる方向であることを条件に前記異常有りとの判定を行う
    請求項3に記載の可変動弁システム。
  5. 前記判定手段は、前記瞬断の時間が既定値以上のときには、直ちに異常有りと判定する
    請求項3又は4に記載の可変動弁システム。
  6. 前記推定手段により推定された前記ずれ量が既定の異常判定値未満のときには、前記バルブ特性値のガード範囲を通常よりも拡大して同バルブ特性値の可変制御を継続する
    請求項3〜5のいずれか1項に記載の可変動弁システム。
  7. 前記ガード範囲の拡大は、前記推定手段による前記ずれ量の推定値の分、ガード範囲をオフセットすることで行われる
    請求項6に記載の可変動弁システム。
  8. 前記推定手段は、前記ずれ量の推定に機関回転速度を使用する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の可変動弁システム。
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